JPH10257856A - チューインガム及びその製造法 - Google Patents
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Abstract
し、該ウイルスの伝播を阻止し得るチューインガムを提
供すること。 【解決手段】 有機酸を含まないチューインガムに茶ポ
リフェノール類を300ppm以上含有させたことを特
徴とするチューインガム並びに有機酸を含まないチュー
インガムを製造するにあたり、茶ポリフェノール類を3
00ppm以上配合することを特徴とするチューインガ
ムの製造法。
Description
びその製造法に関し、詳しくは茶ポリフェノール類の特
定量を配合したことによって、インフルエンザウイルス
の感染予防作用を有するチューインガム及びその製造法
に関する。
インガムは、口中を爽やかにする作用があることから、
多くの人に好まれており、様々な香味を付与したもの
や、糖分を抑えたシュガーレスタイプなども市販されて
いる。しかし、インフルエンザウイルスの感染予防作用
を有するチューインガムは未だ市販されてはいない。本
発明の目的は、インフルエンザウイルスの感染予防作用
を有し、該ウイルスの伝播を阻止し得るチューインガム
を提供することである。
は、有機酸を含まないチューインガムに茶ポリフェノー
ル類を300ppm以上含有させたことを特徴とするチ
ューインガムである。請求項2記載の本発明は、有機酸
を含まないチューインガムを製造するにあたり、茶ポリ
フェノール類を300ppm以上配合することを特徴と
するチューインガムの製造法である。請求項3記載の本
発明は、有機酸を含むチューインガムに茶ポリフェノー
ル類を100ppm以上含有させたことを特徴とするチ
ューインガムである。請求項4記載の本発明は、有機酸
を含むチューインガムを製造するにあたり、茶ポリフェ
ノール類を100ppm以上配合することを特徴とする
チューインガムの製造法である。
したように、通常のチューインガム成分に茶ポリフェノ
ール類を300ppm以上(有機酸を含む場合は100
ppm以上)含有させることに特色があり、その製造法
は常法に従えばよい。すなわち、基本的にはガムベース
に特定量の茶ポリフェノール類を加え、混練、成形する
ことにより製造することができるが、通常は、この他に
糖類や香味成分等の常用の成分を適宜配合する。なお、
クエン酸などの有機酸を加えると、茶ポリフェノール類
が安定化し、喫食したときに口中に溶出される量が増す
ので好ましい。
記の一般式Iで表される茶カテキン類と一般式IIで表さ
れるテアフラビン類であり、これらを単独で、もしくは
組み合わせて用いることができる。
はHまたは
なっていてもよい。)
具体例としては以下のものを挙げることができる。 エピカテキン(EC)(一般式I中、R1 =H,R2 =
Hのもの) エピガロカテキン(EGC)(一般式I中、R1 =O
H,R2 =Hのもの) エピカテキンガレート(ECg)(一般式I中、R1 =
H,R2 =
(一般式I中、R1 =OH,R2 =
テキン,エピカテキンガレートおよびエピガロカテキン
ガレートの少なくとも1種を含むものである。特に好ま
しいものは、エピガロカテキンガレートを主成分として
含有する茶カテキンであり、例えば商品名:ポリフェノ
ン−100(三井農林株式会社製、組成:(+)ガロカ
テキン 1.44%,(−)エピカテキン 5.81
%,(−)エピガロカテキン 17.57%,(−)エ
ピカテキンガレート 12.51%,(−)エピガロカ
テキンガレート 53.9%)やポリフェノンE(三井
農林株式会社製、組成:(−)エピカテキン 8.0
%,(−)エピガロカテキン 18.0%,(−)エピ
カテキンガレート 2.5%,(−)エピガロカテキン
ガレート 55.5%)がある。
ビン類を具体的に示すと、以下のものがある。 遊離型テアフラビン(TF1)(一般式II中、R3 =
H,R4 =Hのもの) テアフラビンモノガレートA(TF2A)(一般式II
中、R3 =
中、R3 =H,R4 =
式II中、R3 ,R4 =
ンジガレートを主成分として含有するものであり、例え
ば商品名:ポリフェノン−TF(三井農林株式会社製、
組成:テアフラビン 16.8%、テアフラビンモノガ
レートA 19.5%、テアフラビンモノガレートB
16.1%、テアフラビンジガレート 31.4%)が
ある。
g等を主成分として含み、茶葉を原料として製造するこ
とができる。その製法は特開昭59−219384号公
報,同60−13780号公報,同61−130285
号公報等に記載されている。例えば、茶葉を熱湯、メタ
ノールもしくはエタノール水溶液及びアセトン水溶液か
ら選ばれた溶剤で抽出し、得られた抽出液を有機溶媒に
転溶した後、有機溶媒を留去する方法がある。さらに、
このようにして得られた抽出成分濃縮液を高速液体クロ
マトグラフフィーにて上記各物質に分離することができ
る。茶葉としては各種形態のものを使用でき、例えば茶
生葉の他に不発酵茶、半発酵茶、煎茶、インスタント緑
茶などがあり、茶殻でもよい。なお、茶カテキン類は通
常、茶葉に10%程度含まれており、テアフラビン類は
紅茶に含まれている。
ル類の量は、該チューインガムを口中でかんだときに全
量が溶出されるわけではないので、口中に抽出される量
を基準として決めるべきである。後記するように、唾液
中2ppm以上の茶ポリフェノール類が存在すれば、イ
ンフルエンザウイルスの感染を予防し、該ウイルスの伝
播を阻止することができる。それ故、このようなウイル
スの感染予防ないし伝播阻止に必要な唾液中の茶ポリフ
ェノール類の下限量は2ppmであり、好ましくは2〜
10ppmの茶ポリフェノール類が有効に利用されるよ
うにチューインガムに配合すればよい。チューインガム
を喫食した場合にチューインガムから口中に溶出される
茶ポリフェノール類の量について調べたところ、後記試
験例で示したように、クエン酸などの有機酸が共存して
いない場合は約10%であり、有機酸が共存している場
合は約35%程度であることがわかった。
液を分泌しているが、ガムをかむことによる刺激によっ
て唾液の分泌量が約3ml/分に増えると言われてい
る。板ガム3.2gを15分程かむと仮定した場合、こ
の間の茶ポリフェノール類の溶出と唾液の分泌が一定割
合で進むものとすれば、約50mlの唾液中に茶ポリフ
ェノール類が2ppm以上含まれるように、茶ポリフェ
ノール類をチューインガムに配合すればよいことにな
る。したがって、前記のチューインガムから口中に溶出
される茶ポリフェノール類の量を考慮してチューインガ
ムに配合する茶ポリフェノール類の量を計算すると、有
機酸が共存していない場合には300ppm以上、好ま
しくは300〜1000ppmであり、有機酸が共存し
ている場合は、100ppm以上、好ましくは100〜
500ppmである。
る。 実施例1 ガムベース98.1重量%に茶カテキン類(商品名:ポ
リフェノンE、三井農林(株)製)1.9重量%を加え
てよく混練したのち、成形して板ガム(重量は3.2
g)を製造した。なお、所望により、糖類や香味成分な
どを適宜加えることができる。
リフェノンE、三井農林(株)製)1.9重量%および
クエン酸1.0重量%を加えてよく混練したのち、成形
して板ガム(重量は3.2g)を製造した。
水50mlに加えて2時間攪拌した。その後、チューイ
ンガムをを取り除き、水溶液を0.45μフィルターで
濾過した。得られたガム抽出液に含まれる茶カテキン類
の含量を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で測
定した。結果を第1表に示す。なお、表中のEGCは
(−)エピガロカテキン、ECは(−)エピカテキン、
EGCgは(−)エピガロカテキンガレート、ECgは
(−)エピカテキンガレートをそれぞれ表す。
を用いてインフルエンザウイルスの感染予防並びに該ウ
イルスの伝播阻止について試験を行った。すなわち、M
DCK細胞(Madin-Darby canine kidney cells)を用い
たプラークアッセイによりウイルス感染価を測定した。
まず、実施例1及び2のサンプルの20倍希釈液から二
倍段階希釈をMEM培地を使用して行い、それぞれの希
釈検体に200pfu/100μlになるように調製し
たウイルス(インフルエンザウイルスB型 B/Bangko
k /163/90)液を等量加え、37℃で10分間作
用させた。その後、モノレイヤーになったMDCK細胞
に接種した。
層し、5%炭酸ガス培養器にて34℃で96時間培養
し、10%ホルマリンにて固定した。その後、メチレン
ブルー染色を行い、形成されたプラークをカウントし
た。なお、対照として、ブランク液(1倍希釈)につい
ても同様に実施した。サンプル液の代わりにMEM培地
を等量加えたウイルスコントロール群についてプラーク
数を求め、その平均プラーク数に対するサンプル群のプ
ラーク抑制率を計算した。結果を第2表に示す。表から
明らかなように、実施例1のサンプル液は80倍希釈、
すなわち茶カテキン類の含量が1.2ppmで、実施例
2のサンプル液は160倍希釈、すなわち茶カテキン類
の含量が2.2ppmで、ウイルスのプラーク形成をほ
ぼ完全に抑えることができる。一方、ブランク液の場合
は、安定したウイルスのプラーク形成が見られることか
ら、茶カテキン類の添加によるウイルスの感染性阻止効
果は信頼度が高いことがわかる。
ス香港型 A/北九州/159/93(H3N2)を用
い、実施例1のサンプル液について試験例2と同様の実
験を行った。結果を第3表に示す。表から明らかなよう
に、実施例1のサンプル液は40倍希釈、すなわち茶カ
テキン類の含量が2.3ppmで、ウイルスのプラーク
形成をほぼ完全に抑えることができる。
リフェノール類を配合することにより、インフルエンザ
ウイルスの感染予防作用を有し、該ウイルスの伝播を阻
止し得るチューインガムが得られる。
Claims (4)
- 【請求項1】 有機酸を含まないチューインガムに茶ポ
リフェノール類を300ppm以上含有させたことを特
徴とするチューインガム。 - 【請求項2】 有機酸を含まないチューインガムを製造
するにあたり、茶ポリフェノール類を300ppm以上
配合することを特徴とするチューインガムの製造法。 - 【請求項3】 有機酸を含むチューインガムに茶ポリフ
ェノール類を100ppm以上含有させたことを特徴と
するチューインガム。 - 【請求項4】 有機酸を含むチューインガムを製造する
にあたり、茶ポリフェノール類を100ppm以上配合
することを特徴とするチューインガムの製造法。
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