JPH10257341A - 画像記録装置 - Google Patents

画像記録装置

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JPH10257341A
JPH10257341A JP9076587A JP7658797A JPH10257341A JP H10257341 A JPH10257341 A JP H10257341A JP 9076587 A JP9076587 A JP 9076587A JP 7658797 A JP7658797 A JP 7658797A JP H10257341 A JPH10257341 A JP H10257341A
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JP9076587A
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English (en)
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Noboru Otaki
登 大▲瀧▼
Hiroyuki Inoue
弘之 井上
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Data Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 誤差拡散処理部32によって高階調(8
ビット)の多値画像データを低階調(4ビット)の多値
画像データに変換し、変換された低階調の多値画像デー
タをスクリーン発生部33によって、書込ヘッド13が
有する副走査方向の解像度より高精細の副走査方向の解
像度を有し、階調に対応するしきい値が副走査方向に段
階的に変化するしきい値パターンに基づいて2値化す
る。 【効果】 実効解像度の劣化を抑えつつ、滑らかな階調
を有し、色の一様性が保たれた画像を得ることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高階調の画像を低
階調の画像に変換して記録部材に記録する画像記録装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、多値画像を2値画像に変換し、変
換された2値画像により疑似的に中間調を表現する画像
記録装置が知られている。階調を低減する代表的な方法
としては、固定しきい値法、ディザ法、誤差拡散法およ
び平均誤差最小法が知られている。固定しきい値法は、
着目画素を固定のしきい値と比較して2値化するもので
ある。この方法は、疑似中間調の画像の生成には適さな
いが、パターン認識の際に形状を抽出するのに好適であ
る。ディザ法は、入力画素を2値記録の1画素に対応さ
せ、n×nのマトリクス内の各画素のしきい値を変化さ
せて2値化するものである。マトリクスのサイズnに対
して最大(n2 +1)値の階調が得られる。nを大きく
すると、階調表示の誤差は小さくなるが、表示単位面積
が大きくなるので、実効解像度が1/nに低下する。マ
トリクスのサイズとしては、n=4が実用上の最大値と
みられている。誤差拡散法および平均誤差最小法は、入
力画素の量子化の際に発生した誤差を周辺の画素に配分
することで、入力画素と記録画素との誤差を平均的に小
さくするものである。誤差拡散法は、ある画素で生じた
誤差を以降の複数の画素に拡散する。平均誤差最小法
は、複数の画素の重み付き平均により次の画素の値を修
正する。誤差拡散法および平均誤差最小法では、解像度
が比較的良好で、かなりの階調表現が得られるが、記録
画像に独特な縞模様が発生する。誤差拡散法および平均
誤差最小法の両者を誤差拡散法と総称する場合もある。
【0003】ところで、網点印刷では、C(シアン)、
M(マゼンタ)、Y(イエロー)およびK(ブラック)
の4色の版を重ねることによりカラー画像を得ている。
各色の網点を同位置に重ねると、減色混合の原理が働い
て全体が暗い色になってしまう。このため、網点の重な
りがランダムになるように色毎にスクリーン角度を変え
て印刷し、色の一様性を保っている。また、スクリーン
角度を設けることによりモアレ縞が除去される。モアレ
縞を除去するには、各色のスクリーンを完全に重ね合わ
せるのがよいが、版の位置精度や印刷用紙の伸縮により
完全なレジストレーションを得ることは困難である。ま
た、前述の減色混合の原理が働いてしまう。そこで、各
色毎にスクリーン角度をずらすことにより、モアレの周
波数を高周波数側に追いやり、低周波数のモアレの発生
を防止している。4色刷りの場合、スクリーン角度は、
例えばC版75°、M版15°、Y版90°、K版45
°で構成される。目立ちやすいK版のスクリーン角度を
網点が視覚的に安定してみられる45°にし、C版およ
びM版のスクリーン角度をK版からそれぞれ30°ずら
し、Y版のスクリーン角度をこれらの何れかの版から1
5°ずらしている。
【0004】一方、コンピュータやスキャナ等により出
力されたカラー画像を印刷するカラープリンタでは、し
きい値マトリクスパターンを適当にずらして配列するこ
とによりスクリーン角度を構成している。スクリーン角
度は、例えば以下に示すように、マトリクスを構成する
画素数に基づいて有理数で近似される。 15°=tan-1(1/3)、 15°=tan-1(1/4)、 15°=tan-1(1/5)、 15°=tan-1(2/7)、 75°=tan-1(3/1)、 75°=tan-1(4/1)、 75°=tan-1(5/1)、 75°=tan-1(7/2)、 75°=tan-1(11/3)。 しきい値マトリクスのサイズがn=4のとき、tan-1
(1/4)およびtan-1(4/1)を用いて14°お
よび76°のスクリーン角度を構成することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ディザ法を用いた画像記録装置にあっては、n=4のし
きい値マトリクスを用いると、最大17階調の階調表現
を実現することができるが、実効解像度が1/4に低下
してしまう。300dpi(dot per inch)の記録ヘッ
ドを用いた場合、実効解像度は75dpiとなってしま
う。n=2とすると、実効解像度の低下は1/2に抑え
られるが、4階調しか表現することができない。また、
従来の誤差拡散法を用いた画像記録装置にあっては、量
子化の際に発生した誤差値を一々演算し、その誤差値を
多くの画素に配分していたので、演算回路が複雑になる
とともに、誤差値を記憶するメモリは多くの記憶容量を
必要としていた。また、スクリーン角度については考慮
し得なかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は以上の点を解決
するため次の構成を採用する。 〈構成1〉高階調の多値画像データを誤差拡散法を用い
て低階調の多値画像データに変換する誤差拡散処理部
と、誤差拡散処理部により得られた低階調の多値画像デ
ータを、低階調に対応するしきい値を有する複数の記録
画素からなるマトリクス状のしきい値パターンに基づい
て2値化する2値化部と、2値化部により2値化された
画像データに基づいて記録部材に画像を記録する記録ヘ
ッドとを備え、しきい値パターンの記録画素は、記録ヘ
ッドの副走査方向の解像度より高精細の副走査方向の解
像度を有し、しきい値パターンの記録画素のしきい値
は、副走査方向に段階的に変化するように構成されたこ
とを特徴とする画像記録装置。
【0007】〈構成2〉高階調の多値画像データを誤差
拡散法を用いて低階調の多値画像データに変換する誤差
拡散処理部と、誤差拡散処理部により得られた低階調の
多値画像データに基づいて記録部材に画像を記録する記
録ヘッドとを備え、誤差拡散処理部は、着目画素の入力
値および周辺画素の誤差値を加算して得られた多値画像
データのうち、上位ビットを注目画素の階調データと
し、残りの下位ビットを周辺画素の誤差値としたことを
特徴とする画像記録装置。
【0008】〈構成3〉構成1において、誤差拡散処理
部は、着目画素の入力値および周辺画素の誤差値を加算
して得られた多値画像データのうち、上位ビットを注目
画素の階調データとし、残りの下位ビットを周辺画素の
誤差値としたことを特徴とする画像記録装置。
【0009】〈構成4〉構成1または3において、2値
化部は、しきい値パターンに基づいてスクリーン角度を
構成したことを特徴とする画像記録装置。
【0010】〈構成5〉構成2または3において、多値
画像データは8ビットのデータからなり、上位ビットは
3または4ビットのデータからなり、2値化部は最大9
または17値の階調を得ることを特徴とする画像記録装
置。
【0011】〈構成6〉構成1から5のいずれかにおい
て、誤差拡散処理部は、注目画素の同一ラインの1つ前
に隣接する画素と、注目画素の1つ前のラインの同位置
の画素とを周辺画素とし、各画素の誤差配分率をそれぞ
れ1/2としたことを特徴とする画像記録装置。
【0012】〈構成7〉構成1から6のいずれかにおい
て、誤差拡散処理部は、低階調の各階調レベルをそれぞ
れの階調に含まれる高階調の多値画像データの中央値に
対応させたことを特徴とする画像記録装置。
【0013】〈構成8〉構成1から7のいずれかにおい
て、記録ヘッドは、発光ダイオード記録ヘッドまたはレ
ーザ記録ヘッドからなることを特徴とする画像記録装
置。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を具体
例を用いて説明する。 《具体例1》 〈構成〉図2は具体例1の画像記録装置を適用した電子
写真方式のカラープリンタ100の要部を示す断面図で
ある。また、図3は図2に示されたカラープリンタ10
0の画像処理部20の構成を示すブロック図であり、図
1は図2に示された画像処理部20の誤差拡散処理部3
2およびスクリーン発生部33の構成を示すブロック図
である。図1の説明に先だって図2および図3を説明す
る。
【0015】図2は具体例1の画像記録装置を適用した
電子写真方式のカラープリンタ100の要部を示す断面
図である。図2に示すように、カラープリンタ100
は、給紙部1、搬送ベルト2、Y画像形成部3、M画像
形成部4、C画像形成部5、K画像形成部6、定着部7
および排紙部8を備えている。給紙部1は、ホッピング
ローラ1aにより記録紙を1枚毎に搬送ベルト2に分離
給送する。記録紙は、搬送ベルト2により図中、矢印A
方向に搬送され、Y画像形成部3、M画像形成部4、C
画像形成部6、K画像形成部7に順次に搬送される。
【0016】Y画像形成部3、M画像形成部4、C画像
形成部5およびK画像形成部6は、それぞれY(イエロ
ー)、M(マゼンタ)、C(シアン)およびK(ブラッ
ク)のトナー像を記録紙に形成するものであり、搬送方
向Aに対し等間隔に配設されている。これらは同様の構
成であるので、Y画像形成部3について説明する。搬送
ベルト2の上方には、感光ドラム11が設けられ、この
感光ドラム11の周囲には、帯電ローラ12、書込ヘッ
ド13、現像器14や不図示のクリーニングユニット等
が工程順に配設されている。また、搬送ベルト3の下方
には、感光ドラム11に対向して転写ローラ15が配設
されている。
【0017】書込ヘッド13は、例えばLED(light
emitting diode)ヘッドからなり、図示しないLEDア
レイ、ドライバおよび集光用のロッドレンズアレイ等を
備えている。書込ヘッド13は、2値化された画像デー
タに従ってLEDアレイを発光し、帯電ローラ12によ
り帯電した感光ドラム11の表面に静電潜像を形成す
る。LEDアレイにより主走査方向の作像が行われ、感
光ドラム11の回転により副走査方向の作像が行われ
る。この静電潜像から現像器14によりトナー像が形成
され、転写ローラ15により記録紙に転写される。トナ
ー像の大きさ(面積)は、LEDアレイの露光エネルギ
ー(露光時間)により制御される。感光ドラム11は、
クリーニングユニットによりクリーニングされて繰り返
し使用される。Y、M、CおよびKの4色のトナー像が
転写された記録紙は、搬送ベルト2により定着器7に搬
送されてトナー像が定着され、排紙部8に排出される。
【0018】図3は図2に示されたカラープリンタ10
0の画像処理部20の構成を示すブロック図である。図
3に示すように、画像処理部20は、色変換部21、Y
画像処理部22、M画像処理23、C画像処理部24お
よびK画像処理部25を備えている。色変換部21には
ホスト装置200が接続されている。ホスト装置200
は、例えばスキャナやコンピュータからなり、色変換部
21にR(レッド)、G(グリーン)およびB(ブル
ー)の画像データを出力する。色変換部21は、ガンマ
補正回路やマスキング回路を有し、ホスト装置200か
ら転送されたRGB画像をY(イエロー)、M(マゼン
タ)およびC(シアン)の画像データに変換する。ま
た、色変換部21は、下色除去回路を有し、墨版演算お
よび下色除去処理を行い、K(ブラック)の画像データ
を生成する。Y、M、CおよびKの画像データは、それ
ぞれY画像処理部22、M画像処理部23、C画像処理
部24およびK画像処理部25に出力される。Y、M、
CおよびKの画像データはそれぞれ8ビットの多値デー
タからなる。
【0019】Y画像処理部22は、ページメモリ31、
誤差拡散処理部32およびスクリーン発生部33を備え
ている。ページメモリ31は、色変換部21から出力さ
れた1ページ分のYの画像データを記憶し、記憶された
画像データをY画像形成部3の露光タイミングに合わせ
て1ライン毎に出力する。誤差拡散処理部32は、ペー
ジメモリ11から出力された画像データに後述する誤差
拡散処理を施して出力する。スクリーン発生部33は、
誤差拡散処理部32により処理が施された画像データを
後述するスクリーン角度を構成するしきい値パターンと
比較して2値化する。スクリーン発生部33により2値
化されたYの画像データは、図1に示されたY画像形成
部3の書込ヘッド13に出力される。なお、M画像処理
部23、C画像処理部24およびK画像処理部25は、
Y画像処理部22と同様の構成であり、その説明を省略
する。
【0020】図1は図3に示された誤差拡散処理部32
およびスクリーン発生部33の構成を示すブロック図で
ある。また、図4は誤差拡散処理部32の誤差拡散処理
の説明図である。図5はカラープリンタ100の階調レ
ベルを示す図である。まず、図4および図5を説明す
る。図4(a)に示すように、着目画素の主走査方向の
座標をjで表し、副走査方向の座標をiで表し、着目画
素の入力値D(i,j)と記録値P(i,j)との誤差
値をE(i,j)で表すと、誤差拡散処理部32は、着
目画素の入力値D(i,j)に、図中、左隣の画素の誤
差値E(i,j−1)の1/2および1ライン前の同位
置の画素の誤差値E(i,j)の1/2を加算して記録
対象となる出力値L(i,j)を得るものである(以
下、出力値Lを加算値Lともいう)。1/2は、誤差配
分率を表し、これらの総和は1となる。すなわち、出力
値Lは次の式で表される。 L(i,j)=D(i,j) +(1/2)×E(i,j−1) +(1/2)×E(i−1,j) …(式1)
【0021】図5は注目画素の出力値L(i,j)から
得られる階調レベルTを示す図である。図5に示すよう
に、カラープリンタ100は、0から15の16階調を
有し、0、16、32、……、240、255の16個
のしきい値に基づいて出力値Lの階調レベルTを決定す
る。これらのしきい値は、8ビットの出力値Lの上位4
ビットに対応する。出力値Lの上位4ビットの値をLH
で表し、下位ビットの値をLLで表すと、例えば、L=
11のときには、LH=0となり、階調レベルT=0と
なる。また、LL=11となり、誤差値E=11とな
る。同様に、L=185のときには、階調レベルT=L
H=11となり、誤差値E=LL=9となる。このよう
に、出力値Lのうち上位4ビットLHは階調レベルTと
なり、下位4ビットLLは誤差値Eとなる。なお、図に
おける( )内の数値は、10進数で示されたしきい値
を16進数(Hを付加)で表したものである。以下、1
0進数を16進数で表すときには数値の後ろにHを付加
し、2進数で表すときには数値の後ろにBを付加して表
すものとする。
【0022】図1に戻り、誤差拡散処理部32は、加算
器41、セレクタ42、配分回路43、誤差メモリ4
4、ラッチ回路45および加算器46を備えている。加
算器41は、色変換部21により出力された画素の8ビ
ットの入力値Dと後述する加算器46から出力された周
辺画素の4ビットの誤差値Eとを加算し、加算値Lのう
ち上位4ビットを階調レベルTとしてセレクタ42に出
力するとともに、下位4ビットを誤差値Eとして配分回
路43に出力する。また、加算器41は、加算値Lに桁
上げが生じたときには1を表し、桁上げがないときには
0を表すキャリー信号Cyをセレクタ42に出力する。
セレクタ42は、加算器41から出力されたキャリー信
号Cy=0のときには、加算器41から出力された上位
4ビットに対応する階調レベルTをスクリーン発生部3
3に出力し、キャリー信号Cy=1のときには、階調レ
ベルT=15をスクリーン発生部33に出力する。上述
のように、誤差値Eは常に正の値になるので、入力値D
および誤差値Eの加算値Lの上位4ビットが255を超
えた場合には、階調レベルT=15にしている。
【0023】配分回路43は、加算器41から出力され
た下位4ビットを1/2に除し、誤差配分率1/2を誤
差値Eに配分するものである。1/2に除された下位4
ビットは、現在の入力画素の次のラインの入力画素の誤
差値として誤差メモリ44に記憶されるとともに、右隣
の画素の誤差値としてラッチ回路45にラッチされる。
加算器46は、加算器41に入力される入力画素D
(i,j)に合わせて、ラッチ回路45によりラッチさ
れた左隣の画素の誤差値(1/2)×E(i,j−1)
と誤差メモリ45に記憶された1ライン前の同位置の画
素の誤差値(1/2)×E(i−1,j)とを加算して
加算器41に出力する。なお、配分回路43を設ける代
わりに、加算器41の最下位ビットの出力線を無視しす
れば、簡単な構成により誤差配分率1/2を配分するこ
とができる。
【0024】スクリーン発生部33は、トグルラインバ
ッファ51、アドレスカウンタ52、しきい値パターン
メモリ53およびマグニチュードコンパレータ54を備
えている。トグルラインバッファ51は、ラインバッフ
ァ51a、ラインバッファ51b、切替スイッチ51c
および切替スイッチ51dを有する。ラインバッファ5
1aおよび51bは、1ライン分の階調レベルTを一時
的に保持するバッファメモリである。切替スイッチ51
cは、トグルラインバッファ51の入力端子をラインバ
ッファ51aおよび51bの何れか一方に接続する。切
替スイッチ51dは、切替スイッチ51cが接続されて
いないラインバッファ51aまたは51bをトグルライ
ンバッファ51の出力端子に接続する。トグルラインバ
ッファ51は、切替スイッチ51cおよび51dを交互
に切り替え、誤差拡散処理部32のセレクタ42から出
力された1ライン分の階調レベルTをラインバッファ5
1aおよび51bの何れか一方に書き込むと同時に、も
う一方のラインバッファ51bまたは51aに保持され
た1ライン分の階調レベルTを読み出し、マグニチュー
ドコンパレータ54に出力する。
【0025】しきい値パターンメモリ52は、不揮発性
メモリからなり、後述するY、M、CおよびKのスクリ
ーン角度を構成するしきい値パターンを記憶するもので
ある。アドレスカウンタ53は、しきい値パターンメモ
リ52に記憶されたしきい値パターンのアドレスを指定
し、しきい値をマグニチュードコンパレータ54に出力
する。マグニチュードコンパレータ54は、アドレスカ
ウンタ53により出力されたしきい値に基づいてトグル
ラインバッファ51を介して入力された階調レベルTを
2値化して書込ヘッド13に出力する。書込ヘッド13
は、300dpiの解像度を有する。
【0026】図6、図8〜図10はそれぞれY、K、M
およびKの画像のスクリーン角度を構成するしきい値パ
ターンを説明する図であり、図7はしきい値パターンを
用いた階調記録方法を説明する図である。
【0027】図6はY画像のスクリーン角度を構成する
しきい値パターンP1を説明する図であり、図6(a)
はしきい値パターンP1を、図6(b)はしきい値パタ
ーンP1により構成されるスクリーン角度を示す図であ
る。図6(a)に示すように、しきい値パターンP1
は、誤差拡散処理部32から出力された1画素に対応す
る8行2列の記録画素(以下、画点という)からなるマ
トリクス状のパターンにより構成される。主走査方向の
画点は、書込ヘッド13の解像度300dpiに対応し
ており、副走査方向の画点は、より高精細の1200d
piになっている。したがって、画素の実効解像度は1
50dpiとなる。また、16個の画点には、それぞれ
図5に示された階調レベルTに対応するしきい値が割り
当てられている。これらのしきい値は、書込ヘッド13
による露光の有無を判定するものである。しきい値は、
図6(a)中、左列の中央部が最も小さく、その上下に
向かうに従って大きくなり、さらに右列の中央部から上
下に向かうに従って大きくなっている。
【0028】図6(b)に示すように、Y画像のスクリ
ーン角度0°−90°は、しきい値パターンP1を、主
走査方向および副走査方向に順次に並べて得られる。主
走査方向には、2画点毎に同じパターンが繰り返され、
副走査方向には、8画点、すなわち8走査線毎に同じパ
ターンが繰り返される。このため、しきい値パターンメ
モリ52に、8主走査線分のパターンを記憶するとよ
い。なお、図6(b)中、白丸○は、誤差拡散処理部3
2から出力された画素を表す。
【0029】ここで、しきい値パターンを用いた階調記
録方法を図7に基づいて説明する。図7(a)は書込ヘ
ッド13の露光エネルギー(静電潜像強度)を変えた場
合の感光ドラム11の電位と副走査方向の露光位置との
関係を示す図である。図中の現像レベルは、現像バイア
ス電位である。感光ドラム11の電位がこの現像レベル
以下のときには、現像器14により静電潜像からトナー
像が得られ、感光ドラム11の電位がこの現像レベルを
超えたときには、現像器14により静電潜像は現像され
ず、トナー像が得られない。図において、e1〜e5は
露光エネルギーを表し、 e1<e2<e3<e4<e5 の関係にある。書込ヘッド13の露光エネルギーは一定
であり、書込ヘッド13を副走査方向に連続的に露光す
ることにより強度を変えている。e1は、しきい値パタ
ーンの1つの画点に露光エネルギーを与えたものであ
る。この場合、感光ドラム11の電位は、現像レベルに
達していない。e2は、しきい値パターンの1つの画点
に露光エネルギーを与えた後、感光ドラム11を回転
し、副走査方向の隣の画点にも露光エネルギーを与えた
ものである。この場合、露光エネルギーが2個重なった
状態となり、感光ドラム11の電位は現像レベルを超え
る。同様にe3、e4およびe5は、感光ドラム11を
回転し、それぞれ副走査方向に隣接する3、4、5つの
画点に露光エネルギーを与えたものであり、しだいに現
像レベルを超える範囲が広がっていき、図7(b)に示
されるドット形状のトナー画像が得られる。すなわち、
副走査方向に連続的に露光される画点の数により面積階
調が表現される。
【0030】図8はK画像のスクリーン角度を構成する
しきい値パターンP2およびP3を説明する図であり、
図8(a)はしきい値パターンP2およびP3を、図8
(b)はしきい値パターンP2およびP3により構成さ
れるスクリーン角度を示す図である。図8(a)に示す
ように、しきい値パターンP2およびP3は、P1と同
様に8行2列の画点からなるマトリクス状のパターンに
より構成される。しきい値パターンP2の画点のしきい
値は、図8(a)中、左列の上端部および右列の下端部
が最も小さく、左列では下方に向かうに従って、右列で
は上方に向かうに従って大きくなっている。しきい値パ
ターンP3は、しきい値パターンP2の左列および右列
のしきい値を反対に入れ替えたものである。図8(b)
に示すように、K画像のスクリーン角度45°−135
°は、しきい値パターンP2およびしきい値パターンP
3を主走査方向および副走査方向に交互に並べて得られ
る。4つのパターンの中心部には、しきい値が小さい画
点またはしきい値が大きい画点が集中する。主走査方向
には、4画点毎に同じパターンが繰り返され、副走査方
向には、16走査線毎に同じパターンが繰り返される。
このため、しきい値パターンメモリ52に、16主走査
線分のパターンを記憶するとよい。
【0031】図9はM画像のスクリーン角度を構成する
しきい値パターンP4を説明する図であり、図9(a)
はしきい値パターンP4を、図9(b)はしきい値パタ
ーンP4により構成されるスクリーン角度を示す図であ
る。図9(a)に示すように、しきい値パターンP4
は、8行2列の画点からなるマトリクス状のパターンの
左列の下方に2画点を加えるとともに、マトリクス状の
パターンの右列の上方に2画点を加えたものである。各
画点のしきい値は、左列の中央部が最も小さく、その上
下に向かうに従って大きくなり、さらに右列の中央部か
ら上下に向かうに従って大きくなっている。図9(b)
に示すように、Y画像のスクリーン角度26.6°−1
16.6°は、しきい値パターンP4を副走査方向に4
画点分シフトさせて主走査方向に順次に並べるととも
に、主走査方向に1画点分シフトさせて副走査方向に順
次に並べて得られる。8行2列のマトリクスパターンを
このように配置すると、パターン間にすきまができてし
まう。そこで、しきい値パターンP4は、左列および右
列にそれぞれ2画点を加え、20画点により構成してい
る。主走査方向には、5画点毎に同じパターンが繰り返
され、副走査方向には、20走査線毎に同じパターンが
繰り返される。このため、しきい値パターンメモリ52
に、20主走査線分のパターンを記憶するとよい。
【0032】図10はC画像のスクリーン角度を構成す
るしきい値パターンP5を説明する図であり、図10
(a)はしきい値パターンP5を、図10(b)はしき
い値パターンP5により構成されるスクリーン角度を示
す図である。図10(a)に示すように、しきい値パタ
ーンP5は、8行2列の画点からなるマトリクスパター
ンの左列の上方に2画点を加えるとともに、マトリクス
パターンの右列の下方に2画点を加えたものである。し
きい値パターンP5は、図9(a)に示されたしきい値
パターンP4の左右の列の副走査方向の位置関係を反対
にしたようになっている。図10(b)に示すように、
C画像のスクリーン角度63.4°−153.4°は、
しきい値パターンP5を副走査方向に4画点分シフトさ
せて主走査方向に順次に並べるとともに、主走査方向に
1画点分シフトさせて副走査方向に順次に並べて得られ
る。主走査方向には、5画点毎に同じパターンが繰り返
され、副走査方向には、20走査線毎に同じパターンが
繰り返される。このため、しきい値パターンメモリ52
に、20主走査線分のパターンを記憶するとよい。
【0033】誤差拡散処理部32から出力された画像デ
ータ(階調レベルT)は、色毎にしきい値パターンP1
〜P5の各画点のしきい値と比較される。階調レベルT
がしきい値以上のとき、露光対象となる。したがって、
階調レベルTが大きいほど露光領域が副走査方向に広が
り、大きなドット形状のトナー画像が得られる。この露
光領域、すなわちドット形状の広がる各点を結ぶとスク
リーン角度が得られる。
【0034】〈動作〉次に、具体例1のカラープリンタ
100の動作を説明する。ホスト装置200から、RG
Bの画像データが画像処理部20に転送されると、色変
換部21によりガンマ補正、マスキング補正、下色除去
処理等の処理が施され、Y、M、CおよびKの画像デー
タに変換される。変換されたY、M、CおよびKの画像
データは、それぞれY画像処理部22、M画像処理部2
3、C画像処理部24およびK画像処理部25のそれぞ
れのページメモリ31に格納される。記録紙は、給紙部
1により供給され、搬送ベルト2によりY画像形成部
3、M画像形成部4、C画像形成部5およびK画像形成
部6に順次に搬送される。
【0035】Y画像処理部22、M画像処理部23、C
画像処理部24およびK画像処理部25では、それぞれ
ページメモリ31に格納されたY、M、CおよびKの画
像データが記録紙の搬送タイミングに合わせて読み出さ
れる。読み出された画像データは、誤差拡散処理部31
により誤差拡散処理が施され、スクリーン発生部33に
よりスクリーン角度生成処理が施され、それぞれY画像
形成部3、M画像形成部4、C画像形成部5およびK画
像形成部6の書込ヘッド13に出力される。Y画像形成
部3、M画像形成部4、C画像形成部5およびK画像形
成部6では、書込ヘッド13により感光ドラム11の表
面に静電潜像が形成され、現像器14によりトナー像が
形成され、転写ローラ15により記録紙に転写される。
Y、M、CおよびKのトナー像が順次に記録紙に重ねら
れ、カラー画像が得られる。この記録紙は搬送ベルト2
により定着器7に搬送され、トナー像が定着され、排紙
部8に排出される。
【0036】図11および図12は誤差拡散処理部32
の動作を示すフローチャートである。図11に示すよう
に、まず、加算器41によってページメモリ31を介し
て色変換部21から転送された入力画素の8ビットの画
像データDと加算器46から出力された周辺画素の4ビ
ットの誤差値Eとが加算される(ステップS1)。この
結果、加算値Lが桁上げしない場合には、キャリー信号
Cy=0にセットされる(ステップS2、S3)。一
方、加算値Lが桁上げした場合には、キャリー信号Cy
=1にセットされる(ステップS2、S4)。加算値L
のうち、上位4ビットはセレクタ42に出力され、下位
4ビットは配分回路43に出力される。同時に、キャリ
ー信号Cyがセレクタ42に出力される(ステップS
5)。セレクタ42では、キャリー信号Cyの値が判別
され(ステップS6)、キャリー信号Cy=0のときに
は、上位4ビットが階調レベルTとしてスクリーン発生
部33に出力され(ステップS7)、キャリー信号Cy
=1のときには、階調レベルT=15がスクリーン発生
部33に出力される(ステップS8)。
【0037】図12に示すように、ステップS11は、
図11のステップS1〜S5に相当し、画素データDお
よび誤差値Eの加算値Lの下位4ビットが誤差値として
配分回路43に出力される。次いで、配分回路42によ
り下位4ビットの値に誤差配分率1/2が配分され、
(ステップS12)、誤差メモリ44に記憶されるとと
もに、ラッチ回路45に保持される(ステップS1
3)。誤差メモリ44およびラッチ回路45に保持され
た誤差値は、画素データDが加算器41に入力されるタ
イミングに合わせて出力される。すなわち、画素D
(i,j)に対し、1ライン前の同位置の画素(1/
2)×E(iー1,j)が誤差メモリ44から出力さ
れ、左隣の画素(1/2)×E(i,j−1)がラッチ
回路45から出力され(ステップS14)、加算器46
により加算され、加算器41に入力される(ステップS
15)。上記の動作は、画素データDが加算器41に入
力される毎に繰り返される。
【0038】図13はY画像処理部22のスクリーン発
生部33の動作を示すフローチャートである。誤差拡散
処理部21から出力された加算値Lの上位4ビットの階
調レベルTは、1ライン毎にトグルラインバッファ51
に保持される。1ライン分の階調レベルTは、切替スイ
ッチ51cにより入力端子に接続されたラインバッファ
51aまたは51bに書き込まれる。ここでは、ライン
バッファ51aに書き込まれたものとする。このとき、
切替スイッチ51dによりラインバッファ51bが出力
端子に接続され、ラインバッファ51bから前ラインの
階調レベルTが読み出され、マグニチュードコンパレー
タに出力される(ステップS21)。次いで、切替スイ
ッチ51dによりラインバッファ51aが出力端子に接
続され、階調レベルTが読み出され、マグニチュードコ
ンパレータ54に出力される。この読出動作は、図6
(a)に示されたしきい値パターンの行数、すなわち8
主走査線分に対応し8回繰り返して行われる。このと
き、切替スイッチ51cによりラインバッファ51bが
入力端子に接続され、次のラインの階調レベルTがライ
ンバッファ51bに書き込まれる(ステップS22)。
【0039】同時に、アドレスカウンタに53によりし
きい値パターンメモリ52に記憶されたしきい値パター
ンP1の各画点のしきい値が読み出され、マグニチュー
ドコンパレータ54に出力される。しきい値パターンP
1の主走査方向の2画点と、トグルラインバッファ51
から出力される1つの画素とが対応しており、しきい値
パターンの各画点のしきい値は、次のように読み出され
る。まず、しきい値パターンP1の第1走査線の画点の
しきい値6および14が6、14、6、14、……の順
に繰り返し読み出される。次いで、第2走査線の画点の
しきい値4および14が、4、12、4、12、……の
順に繰り返し読み出される。次いで、第3走査線の画点
のしきい値4および14が、2、10、2、10、……
の順に繰り返し読み出される。以降、同様に、第4〜第
8走査線の画点のしき値が読み出される(ステップS2
3)。
【0040】マグニチュードコンパレータ54では、ト
グルラインバッファ51から出力された画素の階調レベ
ルTとアドレスカンタ53により出力された画点のしき
い値とが比較され、0または1の2値データが書込ヘッ
ド13に出力される。画素の階調レベルTは、しきい値
パターンP1の行数、すなわち8走査線分に対応して8
回出力されており、1つの走査線に対応して出力された
1画素の階調レベルTは、しきい値パターンの左列およ
び右列の画点のしきい値と2回比較される(ステップS
24)。ここで、階調レベルTがしきい値以上の場合に
は、「1」が書込ヘッド13に出力される(ステップS
25)。一方、階調レベルTがしきい値よりも小さい場
合には、「0」が書込ヘッド13に出力される(ステッ
プS26)。書込ヘッド13は、入力された2値データ
が「1」のとき、対応するLEDを発光し、「0」のと
き発光せずに感光ドラム11表面に16値の階調を有す
る静電潜像を形成する。
【0041】以上のように、具体例1によれば、誤差拡
散処理部32によって高階調(8ビット)の多値画像デ
ータを低階調(4ビット)の多値画像データに変換し、
スクリーン発生部33によって、変換された低階調の多
値画像データを、低階調に対応するしきい値を有する複
数の画点からなるしきい値パターンに基づいて2値化す
る。しきい値パターンの画点は、書込ヘッド13の副走
査方向の解像度より高精細の副走査方向の解像度を有
し、しきい値パターンの画点のしきい値は、副走査方向
に段階的に変化するように構成される。したがって、誤
差拡散処理が施された画素の階調レベルに応じて副走査
方向のトナー像のドット形状を成長させて階調を得るこ
とができるので、1画素の実効解像度の劣化を抑えつつ
滑らかな階調の画像を得ることができる。また、ドット
を副走査方向に成長させるので、ジッタを軽減させつつ
高解像度の画像を得ることができる。特に3色または4
色の画像を重ねるカラー画像に有効である。
【0042】また、誤差拡散処理部32では、着目画素
の入力値および周辺画素の誤差値を加算して得られた8
ビットの加算値のうち、上位4ビットを注目画素の階調
レベルとし、残りの下位4ビットを周辺画素の誤差値と
している。このため、加算値および階調レベルから一々
誤差値を演算する必要がないので、回路構成を簡素化す
ることができる。したがって、安価な装置を提供するこ
とができる。
【0043】また、図4(b)に示すように、従来の誤
差拡散法を利用した画像記録装置では、多くの画素を周
辺画素としており、誤差配分率も画素により異なってい
た。これに対し、誤差拡散処理部33では、周辺画素を
注目画素の同一ラインの左隣の画素と1ライン前の同位
置の画素との2画素とし、各画素の誤差配分率をそれぞ
れ1/2としている。このため、誤差値の記憶容量が小
さくて済み、注目画素に加算される誤差値を演算する回
路も簡素化される。したがって、安価な装置を提供する
ことができる。このように、装置を簡素化しても十分に
高画質の画像が得られることが実験により確認されてい
る。
【0044】さらに、Y、M、CおよびK画像処理部2
2〜25のそれぞれスクリーン発生部33により、しき
い値パターンP1〜P7に基づいて各色のスクリーン角
度を構成している。したがって、色の一様性を確保する
ことができるとともに、モアレ縞の発生を防止すること
ができる。
【0045】なお、スクリーン角度を構成するしきい値
パターンは、上記しきい値パターンP1〜P5に限られ
るものではない。図14はM画像のスクリーン角度を構
成するしきい値パターンの変形例であり、図14(a)
はしきい値パターンP6およびP7を、図14(b)は
しきい値パターンP6およびP7により構成されるスク
リーン角度を示す図である。2つのしきい値パターンP
6およびP7を組み合わることにより15°−104°
のスクリーン角度が得られる。図15はC画像のスクリ
ーン角度を構成するしきい値パターンの変形例であり、
図15(a)はしきい値パターンP8およびP9を、図
15(b)はしきい値パターンP8およびP9により構
成されるスクリーン角度を示す図である。2つのしきい
値パターンP8およびP9を組み合わることにより76
°−166°のスクリーン角度が得られる。
【0046】また、Y、M、CおよびK画像形成部3〜
6をそれぞれLEDヘッドからなる書込ヘッド13を有
する電子写真方式の画像形成部により構成している。こ
のため、副走査方向に高精細な解像度を有するしきい値
パターンに基づき2値化された画像データを高速かつ正
確に再現することができる。この点で、書込ヘッド13
をレーザヘッドにより構成してもよい。
【0047】このように、具体例1によれば、誤差拡散
処理が施された多値画像データをスクリーン角度を構成
するしきい値パターンに基づいて2値化する。したがっ
て、実効解像度の劣化を抑えつつ、滑らかな階調を有
し、色の一様性が保たれた画像を得ることができる。
【0048】《具体例2》 〈構成〉具体例2のカラープリンタは、図1に示された
具体例1のカラープリンタの誤差拡散処理部32を図1
6に示される誤差拡散処理部60に置き換えたものであ
る。図16は具体例2のカラープリンタの誤差拡散処理
部60の構成を示すブロック図である。また、図17は
そのカラープリンタの階調レベルを示す図である。ま
ず、図17を説明する。
【0049】図17に示すように、カラープリンタは、
0から16の17階調を有し、0、16、32、……、
240、256の17個のしきい値に基づいて入力値D
および誤差値Eの加算値Lの階調レベルTを決定する。
具体例1と異なる点は、各しきい値の−8〜+7の範囲
内に含まれる加算値Lが同一の階調レベルTとして決定
される点である。例えば、L=11のときには、8≦L
<23なので、階調レベルT=1となり、誤差値E=1
1−16=−5となる。同様に、L=183のときに
は、168≦L<184なので、階調レベルT=11と
なり、誤差値E=183−176=7となる。誤差値に
は、正値および負値が存在する。このように、具体例2
のカラープリンタでは、しきい値を中央値として階調レ
ベルTを決定しているので、誤差値そのものを小さくす
ることができる。なお、図における( )内の数値は、
10進数で示されたしきい値を16進数で表したもので
ある。以下、具体例1と同様、10進数を16進数で表
すときには数値の後ろにHを付加し、2進数で表すとき
には数値の後ろにBを付加して表すものとする。
【0050】図16に戻り、誤差拡散処理部60は、加
算器61、加算器62、セレクタ63、セレクタ64、
結合回路65、誤差メモリ66、ラッチ回路67、加算
器68および結合配分回路69を備えている。ここで、
8ビットの画素データの各ビットを下位ビットから順に
b0、b1、……、b7と表すものとする。b0はLS
B(least significant bit )であり、b7はMSB
(most significant bit)である。
【0051】加算器61は、色変換部21により出力さ
れた画素の8ビットの入力値Dと後述する結合配分回路
69から出力された周辺画素の8ビット誤差値Eとを加
算し、この加算値Lのうち上位4ビットb7〜b4およ
びb3をそれぞれ加算器62に出力するとともに、b3
をセレクタ63に出力し、下位4ビットb3〜b0を誤
差値Eとして結合回路64に出力する。
【0052】加算器62は、加算器61から出力された
上位4ビットb7〜b4とb3とを加算し、この加算値
MHを階調レベルTとする。例えば、L=11(0B
H)のとき、上位4ビットLH=0(0H)であり、b
3=1(1H)であるので、加算値MH=0+1=1
(0H+1H=1H)となり、階調レベルTは1とな
る。同様に、L=183(B7H)のとき、上位ビット
LH=11(BH)であり、b3=0であるので、加算
値MH=11+0=11(BH+0H=BH)となり、
階調レベルTは11となる。また、加算器41は、加算
値Lに桁上げが生じたときには1を表し、桁上げがない
ときには0を表すキャリー信号Cyをセレクタ63に出
力する。セレクタ63は、加算器62から出力されたキ
ャリー信号Cyが0のときには、加算器62から出力さ
れた加算値MHに対応する階調レベルTをスクリーン発
生部33に出力し、キャリー信号Cyが1のときには、
階調レベルT=16をスクリーン発生部33に出力す
る。
【0053】セレクタ64は、加算器61から出力され
たb3が0のとき、0(0H)を結合回路65に出力
し、加算器61から出力されたb3が0のとき、15
(FH)を結合回路65に出力する。なお、b3が0の
場合には、加算器61の加算値Lの下位4ビットは正の
値となり、b3が1の場合には、加算器61の加算値L
の下位4ビットは負の値となる。結合回路65は、セレ
クタ64から出力された0または15を上位4ビットと
し、加算器61から出力されたb3〜b0を下位4ビッ
トとして両者を結合し8ビットの誤差値eを構成する。
この誤差値eは、現在の入力画素の次のラインの入力画
素の誤差値として誤差メモリ66に記憶されるととも
に、右隣の画素の誤差値としてラッチ回路67にラッチ
される。
【0054】加算器68は、加算器61に入力される注
目画素D(i,j)に合わせて、ラッチ回路66により
ラッチされた左隣の画素の誤差値e(i,j−1)と誤
差メモリ45に記憶された1ライン前の同位置の画素の
誤差値e(i−1,j)とを加算し、加算された誤差値
eを結合配分回路69に出力する。また、加算器68
は、加算された誤差値eの最上位ビットb7を結合配分
回路69に出力する。結合配分回路69は、加算器68
から出力された8ビットの誤差値eの上位ビット側に誤
差値eの最上位ビットb7を結合して9ビットの誤差値
eを構成し、この誤差値を1/2に除して誤差配分率1
/2を配分する。誤差配分率1/2が配分された誤差値
Eは、加算器61に出力される。
【0055】スクリーン発生部33は、具体例1と同様
の構成であり、Y、M、CおよびKの各色のスクリーン
角度を構成する。Y、M、CおよびK画像処理部22〜
25のしきい値パターンメモリ52には、図18〜図2
1に示されるしきい値パターンがそれぞれ記憶されてい
る。しきい値は5ビットのデータからなる。書込ヘッド
13は600dpiの解像度を有する。
【0056】図18はY画像のスクリーン角度を構成す
るしきい値パターンP11を説明する図であり、図18
(a)はしきい値パターンP11を、図18(b)はし
きい値パターンP11により構成されるスクリーン角度
を示す図である。図18(a)に示すように、しきい値
パターンP11は、誤差拡散処理部60から出力された
1画素に対応する6行3列の記録画素(以下、画点とい
う)からなるマトリクス状のパターンにより構成され
る。主走査方向の画点は、書込ヘッド13の解像度60
0dpiに対応しており、副走査方向の画点は、より高
精細の1200dpiになっている。したがって、画素
の実効解像度は200dpiとなる。また、16個の画
点には、それぞれ図17に示された階調レベルTに対応
するしきい値が割り当てられている。これらのしきい値
は、書込ヘッド13により感光ドラムの露光の有無を判
定するものであり、図18(a)中、中列の中央部が最
も小さく、その上下に向かうに従って大きくなり、さら
に右列の中央部から上下に向かい、左列の中央部から上
下に向かうに従って大きくなっている。
【0057】図18(b)に示すように、Y画像のスク
リーン角度0°−90°は、しきい値パターンP11
を、主走査方向および副走査方向に順次に並べて得られ
る。主走査方向には、3画点毎に同じパターンが繰り返
され、副走査方向には、6画点、すなわち6走査線毎に
同じパターンが繰り返される。このため、しきい値パタ
ーンメモリ52に、6主走査線分のパターンを記憶する
とよい。なお、図18(b)中、白丸○は、誤差拡散処
理部32から出力された画素を表す。
【0058】図19はK画像のスクリーン角度を構成す
るしきい値パターンP12およびP13を説明する図で
あり、図19(a)はしきい値パターンP12およびP
13を示す図であり、図19(b)はしきい値パターン
P12およびP13により構成されるスクリーン角度を
示す図である。図19(a)に示すように、しきい値パ
ターンP12およびP13は、P11と同様に6行3列
の画点からなるマトリクス状のパターンにより構成され
る。しきい値パターンP12の画点のしきい値は、図8
(a)中、左列の上端部および右列の下端部が最も小さ
く、左列では下方に向かうに従って、右列では上方に向
かうに従って大きくなっている。また、中列では上端部
および下端部から中央部に向かうに従って大きくなり、
中央部が最も大きい。しきい値パターンP13は、しき
い値パターンP12の左列および右列のしきい値を反対
に入れ替えるとともに、中列のしきい値の上下を反対に
入れ替えたものである。
【0059】図19(b)に示すように、K画像のスク
リーン角度45°−135°は、しきい値パターンP1
2およびしきい値パターンP13を主走査方向および副
走査方向に交互に並べて得られる。4つのパターンの中
心部には、しきい値が低い画点またはしきい値が高い画
点が集中する。主走査方向には、6画点毎に同じパター
ンが繰り返され、副走査方向には、12走査線毎に同じ
パターンが繰り返される。このため、しきい値パターン
メモリ52に、12主走査線分のパターンを記憶すると
よい。
【0060】図20はM画像のスクリーン角度を構成す
るしきい値パターンP14を説明する図であり、図20
(a)はしきい値パターンP14を、図20(b)はし
きい値パターンP14により構成されるスクリーン角度
を示す図である。図20(a)に示すように、しきい値
パターンP14は、6行3列の画点からなるマトリクス
状のパターンの左列の下方に1画点を加えるとともに、
マトリクス状のパターンの右列の上方に1画点を加えた
ものである。各画点のしきい値は、中列の中央部が最も
小さく、その上下に向かうに従って大きくなり、さらに
右列の中央部から上下に向かい、左列の中央部から上下
に向かうに従って大きくなっている。図20(b)に示
すように、Y画像のスクリーン角度18.4°−10
8.4°は、しきい値パターンP14を副走査方向に2
画点分シフトさせて主走査方向に順次に並べるととも
に、主走査方向に1画点分シフトさせて副走査方向に順
次に並べて得られる。6行3列のマトリクス状のパター
ンをこのように配置すると、パターン間にすきまができ
てしまう。そこで、しきい値パターンP14は、左列お
よび右列にそれぞれ1画点を加え、20画点により構成
している。主走査方向には、10画点毎に同じパターン
が繰り返され、副走査方向には、21走査線毎に同じパ
ターンが繰り返される。このため、しきい値パターンメ
モリ52に、21主走査線分のパターンを記憶するとよ
い。
【0061】図21はC画像のスクリーン角度を構成す
るしきい値パターンP15を説明する図であり、図21
(a)はしきい値パターンP15を、図21(b)はし
きい値パターンP15により構成されるスクリーン角度
を示す図である。図21(a)に示すように、しきい値
パターンP15は、6行3列の画点からなるマトリクス
状のパターンの左列の上方に2画点を加えるとともに、
マトリクスパターンの右列の下方に2画点を加えたもの
である。図21(b)に示すように、C画像のスクリー
ン角度71.6°−161.6°は、しきい値パターン
P15を副走査方向に2画点分シフトさせて主走査方向
に順次に並べるとともに、主走査方向に2画点分シフト
させて副走査方向に順次に並べて得られる。主走査方向
には、10画点毎に同じパターンが繰り返され、副走査
方向には、21走査線毎に同じパターンが繰り返され
る。このため、しきい値パターンメモリ52に、21主
走査線分のパターンを記憶するとよい。
【0062】誤差拡散処理部60から出力された画像デ
ータ(階調レベルT)は、色毎にしきい値パターンP1
〜P15の各画点のしきい値と比較され、階調レベルT
がしきい値以上のとき、露光対象となる。したがって、
階調レベルTの値が大きいほど露光領域が副走査方向に
広がり、大きなドット形状のトナー画像が得られる。こ
の露光領域、すなわちドット形状の広がる各点を結ぶと
スクリーン角度が得られる。
【0063】〈動作〉図16に示された誤差拡散処理部
60の動作を具体的な数値を用い、左隣および1ライ
ン前の画素の双方の周辺画素の誤差値が正の値となった
場合、双方の周辺画素の誤差値が負の値となった場
合、一方の周辺画素の誤差値が正の値となり、もう一
方の周辺画素の誤差値が負の値となり、両者の加算結果
が正の値となった場合、一方の周辺画素の誤差値が正
の値となり、もう一方の周辺画素の誤差値が負の値とな
り、両者の加算結果が正の値となった場合に分けて説明
する。
【0064】左隣および1ライン前の画素の双方の周
辺画素の誤差値が正の値となった場合。前回の加算器6
1の加算値L(i,j−1)=101(65H)であ
り、今回の加算器61の入力値がD(i,j)=66
(42H)であり、1ライン前の周辺画素の誤差値E
(i−1,j)=+3、左隣の周辺画素の誤差値E
(i,j−1)=+5であるとする。この場合、加算値
61の今回の加算値Lは、 L=66+(1/2)×(5+3)=59(3BH) となる。
【0065】前回の加算値L=101(65H)であ
り、加算器61からは、その上位4ビットLH=6、下
位4ビットLL=5(0101B)、b3=0が出力さ
れる。加算器63では、上位4ビットLH=6とb3=
0とが加算され、加算値MH=6が得られ、セレクタ6
3により階調レベルT=6が出力される。一方、セレク
タ64では、b3=0が入力され、すなわち下位4ビッ
トLLが正の値となるので、0(0H)が選択されて結
合回路65に出力される。結合回路65では、セレクタ
64から出力された0(0H)が上位4ビットとして、
加算器61から出力された下位4ビットLL=5(5
H)が下位4ビットとして結合され、8ビットの誤差値
e=5(05H)が構成される。この誤差値eは、次の
ラインの入力画素の誤差値として誤差メモリ66に記憶
されるとともに、右隣の画素の誤差値としてラッチ回路
67にラッチされる。
【0066】そして、加算器61に入力される入力値D
(i,j)=66(42H)に合わせて、誤差メモリ6
6から前ラインの画素の誤差値e(i−1,j)=3
(03H)が読み出されるとともに、ラッチ回路67か
ら左隣の画素の誤差値e(i,j−1)=5(05H)
がラッチされる。加算器68では、これらの誤差値が加
算され、加算された誤差値e=3+5=8(08H=0
0001000B)が結合配分回路69に出力され、同
時にb7=0が結合配分回路69に出力される。
【0067】結合配分回路69では、加算器68から出
力された8ビットの誤差値eの上位ビット側にb7=0
が結合され、9ビットの誤差値e=8(008H=00
0001000B)が構成される。この誤差値eは、1
/2に除され、誤差配分率1/2が配分され、誤差値E
=4(04H=000000100B)が加算器61に
出力される。加算器61では、今回の入力値D=66
(42H)と誤差値E=4(04H)とが加算され、加
算値L=70(46H)が得られる。
【0068】双方の周辺画素の誤差値が負の値となっ
た場合。前回の加算器61の加算値L(i,j−1)=
170(AAH)であり、今回の加算器61の入力値が
D(i,j)=66(42H)であり、1ライン前の周
辺画素の誤差値E(i−1,j)=−8、左隣の周辺画
素の誤差値E(i,j−1)=−6であるとする。この
場合、加算値61の今回の加算値Lは、 L=66+(1/2)×(−8−6)=59(3BH) となる。
【0069】前回の加算値L=170(AAH)であ
り、加算器61からは、その上位4ビットLH=10
(AH)、下位4ビットLL=10(AH=1010
B)、b3=1が出力される。加算器63では、上位4
ビットLH=10とb3=1とが加算され、加算値MH
=11が得られ、セレクタ63により階調レベルT=1
1が出力される。一方、セレクタ64では、b3=1が
入力され、すなわち下位4ビットLLが負の値となるの
で、15(FH)が選択されて結合回路65に出力され
る。結合回路65では、セレクタ64から出力された1
5(FH)が上位4ビットとして、加算器61から出力
された下位4ビットLL=10(AH)が下位4ビット
として結合され、8ビットの誤差値e=−10(FA
H)が構成される。この誤差値eは、次のラインの入力
画素の誤差値として誤差メモリ66に記憶されるととも
に、右隣の画素の誤差値としてラッチ回路67にラッチ
される。
【0070】そして、加算器61に入力される入力値D
(i,j)=66に合わせて、誤差メモリ66から前ラ
インの画素の誤差値e(i−1,j)=−8(F8H)
が読み出されるとともに、ラッチ回路67から左隣の画
素の誤差値e(i,j−1)=−10(FAH)がラッ
チされる。加算器68では、これらの誤差値が加算され
るが、加算された数値e=−8−10=−18(F8H
+FAH=1F2H)のうち桁上げしたビットは無視さ
れて誤差値e=−2(F2H=11110010B)が
結合配分回路69に出力され、同時にb7=1が結合配
分回路69に出力される。
【0071】結合配分回路69では、加算器68から出
力された8ビットの誤差値eの上位ビット側にb7=1
が結合され、9ビットの誤差値e=1F2H(1111
10010B)が構成される。この誤差値eは、1/2
に除され、誤差配分率1/2が配分され、誤差値=F9
H(11111001B)が加算器61に出力される。
加算器61では、今回の入力値D=66(42H)と誤
差値E=F9Hとが加算されるが、加算された数値42
H+F9H=13BHのうち桁上げしたビットは無視さ
れてL=59(13BH)が加算値Lとして出力され
る。すなわち、D+E=66−7が演算されたことにな
る。
【0072】一方の周辺画素の誤差値が正の値とな
り、もう一方の周辺画素の誤差値が負の値となり、両者
の加算結果が正の値となった場合。前回の加算器61の
加算値L(i,j−1)=252(FCH)であり、今
回の加算器61の入力値がD(i,j)=66(42
H)であり、1ライン前の周辺画素の誤差値E(i−
1,j)=+7、左隣の周辺画素の誤差値E(i,j−
1)=−4であるとする。この場合、加算値61の今回
の加算値Lは、 L=66+(1/2)×(−4+7)=67(43H) となる。小数点以下は無視している。
【0073】前回の加算値L=252(FCH)であ
り、加算器61からは、その上位4ビットLH=15
(FH)、下位4ビットLL=12(CH=1100
B)、b3=1が出力される。加算器63では、上位4
ビットLH=15とb3=1とが加算され、加算値MH
=16が得られ、セレクタ63により階調レベルT=1
6が出力される。一方、セレクタ64では、b3=1が
入力され、すなわち下位4ビットLLが負の値となるの
で、15(FH)が選択されて結合回路65に出力され
る。結合回路65では、セレクタ64から出力された1
5(FH)が上位4ビットとして、加算器61から出力
された下位4ビットLL=12(CH)が下位4ビット
として結合され、8ビットの誤差値e=−12(FC
H)が構成される。この誤差値eは、次のラインの入力
画素の誤差値として誤差メモリ66に記憶されるととも
に、右隣の画素の誤差値としてラッチ回路67にラッチ
される。
【0074】そして、加算器61に入力される入力値D
(i,j)=66に合わせて、誤差メモリ66から前ラ
インの画素の誤差値e(i−1,j)=7(07H)が
読み出されるとともに、ラッチ回路67から左隣の画素
の誤差値e(i,j−1)=−12(FCH)がラッチ
される。加算器68では、これらの誤差値が加算される
が、加算された数値e=7−12=−5(07H+FC
H=103H)のうち桁上げしたビットは無視されて誤
差値e=3(03H=00000011B)が結合配分
回路69に出力され、同時にb7=0が結合配分回路6
9に出力される。
【0075】結合配分回路69では、加算器68から出
力された8ビットの誤差値eの上位ビット側にb7=0
が結合され、9ビットの誤差値e=003H(0000
00011B)が構成される。この誤差値eは、1/2
に除され、誤差配分率1/2が配分され、誤差値=01
H(00000001B)が加算器61に出力される。
加算器61では、今回の入力値D=66(42H)と誤
差値E=01Hとが加算され、加算値L=42H+01
H=43Hが出力される。すなわち、D+E=66+1
が演算されたことになる。
【0076】一方の周辺画素の誤差値が正の値とな
り、もう一方の周辺画素の誤差値が負の値となり、両者
の加算結果が負の値となった場合。前回の加算器61の
加算値L(i,j−1)=3(3H)であり、今回の加
算器61の入力値がD(i,j)=66(42H)であ
り、1ライン前の周辺画素の誤差値E(i−1,j)=
−8、左隣の周辺画素の誤差値E(i,j−1)=+3
であるとする。この場合、加算値61の今回の加算値L
は、 L=66+(1/2)×(3−8)=63(3FH) となる。小数点以下は無視している。
【0077】前回の加算値L=3(03H)であり、加
算器61からは、その上位4ビットLH=0(0H)、
下位4ビットLL=3(3H=0011B)、b3=0
が出力される。加算器63では、上位4ビットLH=0
とb3=0とが加算され、加算値MH=0が得られ、セ
レクタ63により階調レベルT=0が出力される。一
方、セレクタ64では、b3=0が入力され、すなわち
下位4ビットLLが正の値となるので、0(0H)が選
択されて結合回路65に出力される。結合回路65で
は、セレクタ64から出力された0(0H)が上位4ビ
ットとして、加算器61から出力された下位4ビットL
L=3(3H)が下位4ビットとして結合され、8ビッ
トの誤差値e=3(03H)が構成される。この誤差値
eは、次のラインの入力画素の誤差値として誤差メモリ
66に記憶されるとともに、右隣の画素の誤差値として
ラッチ回路67にラッチされる。
【0078】そして、加算器61に入力される入力値D
(i,j)=66に合わせて、誤差メモリ66から前ラ
インの画素の誤差値e(i−1,j)=−8(F8H)
が読み出されるとともに、ラッチ回路67から左隣の画
素の誤差値e(i,j−1)=3(03H)がラッチさ
れる。加算器68では、これらの誤差値が加算される
が、加算された数値e=−8+3=−5(F8H+03
H=FBH=11111011B)が結合配分回路69
に出力され、同時にb7=1が結合配分回路69に出力
される。
【0079】結合配分回路69では、加算器68から出
力された8ビットの誤差値eの上位ビット側にb7=1
が結合され、9ビットの誤差値e=1FB(11111
1011B)が構成される。この誤差値eは、1/2に
除され、誤差配分率1/2が配分され、誤差値=FDH
(11111101B)が加算器61に出力される。加
算器61では、今回の入力値D=66(42H)と誤差
値E=FDHとが加算されるが、加算された数値42H
+FDH=13FHのうち桁上げしたビットが無視され
てL=63(3FH)が加算値Lとして出力される。す
なわち、D+E=66−3が演算されたことになる。
【0080】〈効果〉以上のように、具体例2によれ
ば、誤差拡散処理部60を、各階調レベルTをそれぞれ
の階調に含まれる加算値Lの中央値に対応させるように
構成している。したがって、誤差値そのものを小さくす
ることができ、より原画像に近い画像を再現するとがで
きる。
【0081】なお、スクリーン角度を構成するしきい値
パターンは、上記しきい値パターンP11〜P15に限
られるものではない。図22はM画像のスクリーン角度
を構成するしきい値パターンの変形例であり、図22
(a)はしきい値パターンP14、P16およびP17
を、図22(b)はしきい値パターンP14、P16お
よびP17により構成されるスクリーン角度を示す図で
ある。3つのしきい値パターンP14、P16およびP
17を組み合わることにより14°−104°のスクリ
ーン角度が得られる。図23はC画像のスクリーン角度
を構成するしきい値パターンの変形例であり、図23
(a)はしきい値パターンP15、P18およびP19
を、図23(b)はしきい値パターンP15、P18お
よびP19により構成されるスクリーン角度を示す図で
ある。3つのしきい値パターンP15,P18およびP
19を組み合わることにより76°−166°のスクリ
ーン角度が得られる。
【0082】なお、上記具体例1および2では、8ビッ
トの加算値のうち上位4ビットにより階調レベルを得る
ように構成しているが、上位3ビットにより階調レベル
を得るように構成してもよい。この場合においても、十
分に高画質な画像が得られることが実験により確認され
ている。また、上記具体例1および2では、誤差拡散処
理が施された1画素に対し、それぞれ2行8列および3
行6列の画点からなるマトリクス状のしきい値パターン
を用いてにより階調を表現しているが、しきい値パター
ンのサイズはこれに限るものではない。例えば4行8列
の画点からなるしきい値パターンにより 15°=tan-1(1/4)、 75°=tan-1(4/1) のスクリーン角度を構成することができる。この場合、
32画点のしきい値パターンにより16または17階調
の安定した画像を得ることができる。また、本発明に係
る画像記録装置は、電子写真方式のカラープリンタに好
適であるが、これに限るものではなく、例えば溶融型や
昇華型の熱転写方式のプリンタにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る具体例1のカラープリンタ100
の誤差拡散処理部32およびスクリーン発生部33の構
成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る具体例1の画像記録装置を適用し
たカラープリンタ100の要部を示す断面図である。
【図3】図2に示されたカラープリンタ100の画像処
理部20の構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示された誤差拡散処理部32の誤差拡散
処理の説明図である。
【図5】カラープリンタ100の階調レベルを示す図で
ある。
【図6】Y画像のスクリーン角度を構成するしきい値パ
ターンP1を説明する図であり、図6(a)はしきい値
パターンP1を、図6(b)はしきい値パターンP1に
より構成されるスクリーン角度を示す図である。
【図7】しきい値パターンを用いた階調記録方法を説明
する図である。
【図8】K画像のスクリーン角度を構成するしきい値パ
ターンP2およびP3を説明する図であり、図8(a)
はしきい値パターンP2およびP3を、図8(b)はし
きい値パターンP2およびP3により構成されるスクリ
ーン角度を示す図である。
【図9】M画像のスクリーン角度を構成するしきい値パ
ターンP4を説明する図であり、図9(a)はしきい値
パターンP4を、図9(b)はしきい値パターンP4に
より構成されるスクリーン角度を示す図である。
【図10】C画像のスクリーン角度を構成するしきい値
パターンP5を説明する図であり、図10(a)はしき
い値パターンP5を、図10(b)はしきい値パターン
P5により構成されるスクリーン角度を示す図である。
【図11】誤差拡散処理部32の動作を示すフローチャ
ート(その1)である。
【図12】誤差拡散処理部32の動作を示すフローチャ
ート(その2)である。
【図13】スクリーン発生部33の動作を示すフローチ
ャートである。
【図14】M画像のスクリーン角度を構成するしきい値
パターンの変形例であり、図14(a)はしきい値パタ
ーンP6およびP7を、図14(b)はしきい値パター
ンP6およびP7により構成されるスクリーン角度を示
す図である。
【図15】C画像のスクリーン角度を構成するしきい値
パターンの変形例であり、図15(a)はしきい値パタ
ーンP6およびP7を、図15(b)はしきい値パター
ンP6およびP7により構成されるスクリーン角度を示
す図である。
【図16】本発明に係る具体例2の画像記録装置を適用
したカラープリンタの誤差拡散処理部60の構成を示す
ブロック図である。
【図17】そのカラープリンタの有する階調レベルを示
す図である。
【図18】Y画像のスクリーン角度を構成するしきい値
パターンP11を説明する図であり、図18(a)はし
きい値パターンP11を、図18(b)はしきい値パタ
ーンP11により構成されるスクリーン角度を示す図で
ある。
【図19】K画像のスクリーン角度を構成するしきい値
パターンP12およびP13を説明する図であり、図1
9(a)はしきい値パターンP2およびP3を示す図で
あり、図19(b)はしきい値パターンP12およびP
13により構成されるスクリーン角度を示す図である。
【図20】M画像のスクリーン角度を構成するしきい値
パターンP14を説明する図であり、図20(a)はし
きい値パターンP14を、図20(b)はしきい値パタ
ーンP14により構成されるスクリーン角度を示す図で
ある。
【図21】C画像のスクリーン角度を構成するしきい値
パターンP15を説明する図であり、図21(a)はし
きい値パターンP15を、図21(b)はしきい値パタ
ーンP15により構成されるスクリーン角度を示す図で
ある。
【図22】M画像のスクリーン角度を構成するしきい値
パターンの変形例であり、図22(a)はしきい値パタ
ーンP14、P16およびP17を、図22(b)はし
きい値パターンP14、P16およびP17により構成
されるスクリーン角度を示す図である。
【図23】C画像のスクリーン角度を構成するしきい値
パターンの変形例であり、図23(a)はしきい値パタ
ーンP15、P18およびP19を、図23(b)はし
きい値パターンP15、P18およびP19により構成
されるスクリーン角度を示す図である。
【符号の説明】
32 誤差拡散処理部 33 スクリーン発生部 41 加算器 42 セレクタ 43 配分回路 44 誤差メモリ 45 ラッチ回路 46 加算器 51 トグルラインバッファ 51a、51b ラインバッファ 51c、51d 切替スイッチ 52 しきい値パターンメモリ 53 アドレスカウンタ 54 マグニチュードコンパレータ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高階調の多値画像データを誤差拡散法を
    用いて低階調の多値画像データに変換する誤差拡散処理
    部と、 前記誤差拡散処理部により得られた低階調の多値画像デ
    ータを、前記低階調に対応するしきい値を有する複数の
    記録画素からなるマトリクス状のしきい値パターンに基
    づいて2値化する2値化部と、 前記2値化部により2値化された画像データに基づいて
    記録部材に画像を記録する記録ヘッドとを備え、 前記しきい値パターンの記録画素は、前記記録ヘッドの
    副走査方向の解像度より高精細の副走査方向の解像度を
    有し、 前記しきい値パターンの記録画素のしきい値は、副走査
    方向に段階的に変化するように構成されたことを特徴と
    する画像記録装置。
  2. 【請求項2】 高階調の多値画像データを誤差拡散法を
    用いて低階調の多値画像データに変換する誤差拡散処理
    部と、 前記誤差拡散処理部により得られた低階調の多値画像デ
    ータに基づいて記録部材に画像を記録する記録ヘッドと
    を備え、 前記誤差拡散処理部は、着目画素の入力値および周辺画
    素の誤差値を加算して得られた多値画像データのうち、
    上位ビットを注目画素の階調データとし、残りの下位ビ
    ットを周辺画素の誤差値としたことを特徴とする画像記
    録装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 前記誤差拡散処理部は、着目画素の入力値および周辺画
    素の誤差値を加算して得られた多値画像データのうち、
    上位ビットを注目画素の階調データとし、残りの下位ビ
    ットを周辺画素の誤差値としたことを特徴とする画像記
    録装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または3において、 前記2値化部は、前記しきい値パターンに基づいてスク
    リーン角度を構成したことを特徴とする画像記録装置。
  5. 【請求項5】 請求項2または3において、 前記多値画像データは、8ビットのデータからなり、前
    記上位ビットは、3または4ビットのデータからなり、 前記2値化部は、最大9または17値の階調を得ること
    を特徴とする画像記録装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から5のいずれかにおいて、 前記誤差拡散処理部は、前記注目画素の同一ラインの1
    つ前に隣接する画素と、前記注目画素の1つ前のライン
    の同位置の画素とを周辺画素とし、 各画素の誤差配分率をそれぞれ1/2としたことを特徴
    とする画像記録装置。
  7. 【請求項7】 請求項1から6のいずれかにおいて、 前記誤差拡散処理部は、前記低階調の各階調レベルをそ
    れぞれの階調に含まれる前記高階調の多値画像データの
    中央値に対応させたことを特徴とする画像記録装置。
  8. 【請求項8】 請求項1から7のいずれかにおいて、 前記記録ヘッドは、発光ダイオード記録ヘッドまたはレ
    ーザ記録ヘッドからなることを特徴とする画像記録装
    置。
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