JPH1025647A

JPH1025647A - 可動シンカの動作量設定装置

Info

Publication number: JPH1025647A
Application number: JP20289196A
Authority: JP
Inventors: Yoshihiro Ishida; 義博石田
Original assignee: Tsudakoma Corp; Tsudakoma Industrial Co Ltd
Current assignee: Tsudakoma Corp
Priority date: 1996-07-12
Filing date: 1996-07-12
Publication date: 1998-01-27

Abstract

(57)【要約】【課題】可動シンカの動作量（動作位置）を編成中
に、糸種あるいは編み組織などに合わせて最適な動作量
（動作位置）に変更できるようにし、編み地の品質を向
上させることである。【解決手段】編み針（２）の進退運動に連動する状態
で、駆動体（３）を進退移動させ、この駆動体（３）の
進退移動により可動シンカ（４）の位置を変えるととも
に、可動シンカ（４）の前進位置および後退位置を駆動
体（３）に対する前進位置規制用のストッパ（５）およ
び後退位置規制用のストッパ（６）により制限する可動
シンカ駆動装置（１）において、両方のストッパ（５、
６）のうち少なくともいずれかのものを駆動体（３）の
進退方向に移動自在に設け、このストッパ（５、６）に
位置変更手段（１２）を連結し、この位置変更手段（１
２）を編みデータにもとづいて位置変更指令を出力する
制御ユニット（１３）により駆動制御する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の技術分野】本発明は、横編み機の可動シンカを
駆動する装置において、可動シンカの動作量を設定する
装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】特開平８−１４４１６１号公報は、可動
シンカの駆動装置を示している。その駆動装置は、編み
針の進退運動に連動する状態で、駆動体連結ジャックを
進退移動させ、この駆動体連結ジャックの進退移動によ
り可動シンカの位置を変えるとともに、可動シンカの前
進位置および後退位置を駆動体連結ジャックに対する前
進位置規制用のストッパおよび後退位置規制用のストッ
パにより制限するように動作する。

【０００３】

【従来技術の課題】ここで、上記２つのストッパは、針
床に対して固定されており、編成動作中に移動できる状
態として設けられていない。このため、可動シンカの動
作量（動作位置）は、一義的に定められ、糸種や編み組
織などの変化に対して充分に対応できなかった。

【０００４】

【発明の目的】したがって、本発明の目的は、可動シン
カの動作量（動作位置）を編成中に、糸種あるいは編み
組織などに合わせて最適な動作量（動作位置）に変更で
きるようにし、編み地の品質を向上させることである。

【０００５】

【発明の解決手段】上記目的のもとに、本発明は、編み
針の進退運動に連動する状態で、駆動体を進退移動さ
せ、この駆動体の進退移動によって可動シンカの位置を
変えるとともに、可動シンカの前進位置および後退位置
を駆動体に対する前進位置規制用のストッパおよび後退
位置規制用のストッパにより制限する可動シンカ駆動装
置において、両方のストッパのうち、少なくともいずれ
かのものを駆動体の進退方向に移動自在に設け、このス
トッパに位置変更手段を連結し、この位置変更手段を編
みデータにもとづいて位置変更指令を出力する制御ユニ
ットにより駆動制御するようにして、可動シンカの動作
量設定装置を構成している。

【０００６】また、位置変更手段は、制御ユニットから
の位置変更指令にもとづいて所定の回転量だけ回転する
モータ、モータの回転をストッパの移動方向の移動量に
変換する送りねじおよび送りナットにより構成する。

【０００７】目標の編み物の編成動作前に、双方のスト
ッパは、適切な位置に設定される。そして、編成動作中
に、制御ユニットは、編みデータにもとづいて、位置変
更指令を出力し、この指令によってモータを駆動し、そ
れを所定の回転量だけ回転させる。このため、送りねじ
および送りナットは、その回転量にもとづいて例えば前
進位置規制用のストッパを駆動体の移動方向に変位させ
る。

【０００８】これによって、移動体の前進位置が変更さ
れるため、駆動体の移動量と連動する可動シンカは、動
作量を変えることによって、動作位置を変更し、編み物
に対して適切な押え位置で作用する。このように、可動
シンカは、糸種つまり糸の素材や太さなどにより、編み
物に対する押え量を変更し、また編成動作時例えばラッ
キング時に両ベッド間で、可動シンカの隙間を適当に形
成する。

【０００９】

【発明の実施の形態】図１、２、３は、可動シンカ駆動
装置１に、本発明の可動シンカの動作量設定装置１１を
組み込んだ状態を示しており、図１は、可動シンカ４を
解放位置Ｂに設定した状態を、また図２は、可動シンカ
４を標準の押え位置Ａに設定した状態を、さらに図３
は、可動シンカ４の押え位置を変更し、他の押え位置
Ａ’に設定した状態をそれぞれ示している。なお、図
は、前後の針床７のうち一方のもののみを例示してい
る。

【００１０】これらの図において、可動シンカ駆動装置
１は、多数の編み針２の進退運動に連動する状態で、駆
動体３を進退移動させ、この駆動体３の進退移動により
可動シンカ４の位置を変えるとともに、可動シンカ４の
前進位置および後退位置を駆動体３に対する前進位置規
制用のストッパ５および後退位置規制用のストッパ６に
より制限するように、構成されている。

【００１１】多数の編み針２は、針床７の幅方向で独立
に進退運動可能な状態で設けられており、針床７の上
で、連結体８および移動体９によって、進退方向に駆動
されるようになっている。連結体８は、後端の凸部８１
により、移動体９の凹部９１に係り合い、また先端の凸
部８２によって編み針２の凹部２１に係り合っており、
さらに、側面の摩擦面８３により、駆動体３の側面に固
定された板ばね１０に対して摩擦的に係り合うようにな
っている。

【００１２】したがって、駆動側の移動体９の進退運動
は、連結体８を介して編み針２に伝達されるほか、摩擦
面８３と板ばね１０との摩擦的な伝達力によって、駆動
体３にも伝達されるようになっている。また、駆動体３
は、編み針２毎に設けられており、その上部に設けられ
た当接部３１、３２によってストッパ５、６の対向面に
当接するようになっており、また先端の係合溝３３の部
分で可動シンカ４の一端の係合部４２と係り合ってい
る。

【００１３】可動シンカ４は、針床７と一体の部分に対
してピン１８によって回動自在に支持され、先端の押え
部４１を編み針２の先端のフックの近くに位置させてお
り、駆動体３の進退運動と連動し、ピン１８を中心とし
て回動することによって、駆動体３の後退位置で解放位
置Ｂにあり、また駆動体３の前進位置で編み物に対する
押え位置Ａに設定される。

【００１４】そして、本発明の可動シンカの動作量設定
装置１１は、２つのストッパ５、６の双方、または両者
のうち少なくとも一方、例えば前進位置制限用のストッ
パ５を駆動体３の進退方向に移動自在に設け、このスト
ッパ５に位置変更手段１２を連結し、この位置変更手段
１２を編みデータにもとづいて位置変更指令を出力する
制御ユニット１３により駆動制御するように構成されて
いる。ここで、位置変更可能なストッパ５は、針床７に
対して固定された案内ボルト１７に対して長孔５１によ
って駆動体３の移動方向に進退自在に設けられている。

【００１５】この具体例で、位置変更手段１２は、モー
タ１４、送りねじ１５および送りナット１６によって構
成されている。すなわち、モータ１４は、図示しないサ
ポートなどによって針床７の上部に固定されており、こ
れによって駆動される送りねじ（ボールねじ）１５は、
駆動体３の進退方向に設けられていて、ストッパ５に固
定された送りナット１６にねじ結合している。

【００１６】目標の編み地の編成前に、オペレータは、
図１に示すように、モータ１４を所定量だけ回転させ、
送りねじ１５および送りナット１６により、ストッパ５
を適当な位置に設定し、駆動体３の最大前進位置を規制
することによって、可動シンカ４の標準の押え位置Ａを
設定する。編成動作中に、移動体９が後退位置にあると
き、これに連動して、連結体８および編み針２は後退位
置にあり、さらに駆動体３も後退位置に設定されてい
る。このとき、可動シンカ４は、時計方向に回動した位
置で、編み物を開放状態に設定している。

【００１７】つぎに、図２に示すように、移動体９およ
び連結体８が前進したとき、編み針２は、連結体８に駆
動されて前進し、また駆動体３は、板ばね１０と摩擦面
８３との間の摩擦的な力を受けて前進し、ストッパ５に
当たった位置で停止する。このとき、可動シンカ４は、
時計方向に回転することによって、標準の押え位置Ａで
編み物の編み部分を押え込む。このようにして、駆動体
３は、編み針２の進退運動と連動して、可動シンカ４を
解放位置Ｂと標準の押え位置Ａの間で移動させる。

【００１８】このような編成動作中に、糸種や編み組織
あるいはラッキングなどの動作のために、可動シンカ４
を標準の押え位置Ａ以外の押え位置Ａ’に設定する必要
が生じたとき、制御ユニット１３は、その必要性を編み
データから判断し、モータ１４に位置変更指令を出力し
て、モータ１４を所定の回転量だけ回転させ、送りねじ
１５を回転させることによって、送りナット１６および
これと一体のストッパ５を例えば後方向に移動させる。

【００１９】このようにすると、図３に示すように、編
み針２が前進移動したとき、駆動体３は、位置変更後の
ストッパ５に当たって、最大前進位置を変えるため、可
動シンカ４は、標準の押え位置Ａと異なった押え位置
Ａ’に設定される。この変更後の押え位置Ａ’によっ
て、編み糸の糸種すなわち素材や太さ、さらに編み組
織、により、可動シンカ４の動作量（押え量）が最も適
正な値に設定され、同時にラッキング時の両ベッド間の
可動シンカ４の隙間が適当に設定できることになる。

【００２０】例えば、糸種による調整の場合、度目が小
さいとき、動作量（押え量）が小さく、また度目が大き
いとき、大きい動作量（押え量）に設定される。また、
糸が太いとき、強く押えられ、また糸が細いとき、弱く
押えられる。またラッキングのときには、隙間を作るた
めに、少なくとも一方の可動シンカ４の動きを小さく設
定することになる。

【００２１】ちなみに、移動させるストッパ５は、全編
み幅について一斉に行ってもよく、また１本の編み針２
毎に規制することも可能である。また上記具体例は、前
進位置規制用のストッパ５のみを移動可能な状態として
構成されているが、後退位置規制用のストッパ６につい
ても変更可能な状態として構成することもできる。さら
に、位置変更手段１２は、送りねじユニット（１５、１
６）およびモータ１６による構成のほか、カム機構、電
磁ソレノイド、複数の電磁ソレノイドとリンク加算機構
との組み合わせによる複数位置の変更手段によって構成
することもできる。

【００２２】

【発明の効果】本発明では、糸種や編み組織などに応じ
て、可動シンカの動作量（動作位置）を最適の状態に変
更できるので、過度の押えによる編み地の品質低下もな
く、品質のよい編み地が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】可動シンカ駆動装置において、動作量設定装置
によって可動シンカを解放位置Ｂに設定した状態の一部
破断側面図である。

【図２】可動シンカ駆動装置において、動作量設定装置
によって可動シンカを標準の押え位置Ａに設定した状態
の一部破断側面図である。

【図３】可動シンカ駆動装置において、動作量設定装置
によって可動シンカを押え位置Ａ’に設定した状態の一
部破断側面図である。

【符号の説明】

１可動シンカ駆動装置２編み針３駆動体４可動シンカ５ストッパ６ストッパ７針床８連結体９移動体１０板ばね１１可動シンカの動作量設定装置１２位置変更手段１３制御ユニット

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】編み針（２）の進退運動に連動する状態
で、駆動体（３）を進退移動させ、この駆動体（３）の
進退移動により可動シンカ（４）の位置を変えるととも
に、可動シンカ（４）の前進位置および後退位置を駆動
体（３）に対する前進位置規制用のストッパ（５）およ
び後退位置規制用のストッパ（６）により制限する可動
シンカ駆動装置（１）において、両方のストッパ（５、６）のうち、少なくともいずれか
のものを駆動体（３）の進退方向に移動自在に設け、こ
のストッパ（５、６）に位置変更手段（１２）を連結
し、この位置変更手段（１２）を編みデータにもとづい
て位置変更指令を出力する制御ユニット（１３）により
駆動制御することを特徴とする可動シンカの動作量設定
装置（１１）。
【請求項２】位置変更手段（１２）を制御ユニット
（１３）からの位置変更指令にもとづいて所定の回転量
だけ回転するモータ（１４）、モータ（１４）の回転を
ストッパ（５、６）の移動方向の移動量に変換する送り
ねじ（１５）および送りナット（１６）により構成する
ことを特徴とする請求項１記載の可動シンカの動作量設
定装置（１１）。