JPH1025410A - 樹脂組成物及びそれからなる成形品 - Google Patents

樹脂組成物及びそれからなる成形品

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JPH1025410A
JPH1025410A JP18063696A JP18063696A JPH1025410A JP H1025410 A JPH1025410 A JP H1025410A JP 18063696 A JP18063696 A JP 18063696A JP 18063696 A JP18063696 A JP 18063696A JP H1025410 A JPH1025410 A JP H1025410A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 剛性、溶融流動性に優れ且つ低反り性のポリ
カーボネート樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (A)ポリカーボネート樹脂45〜97
重量%と(B)ガラスフレーク3〜55重量%からなる
樹脂組成物100重量部に、(C)カルボキシル基及び
/又はその誘導体基を有するオレフィン系ワックス0.
02〜3重量部と(D)ポリカプロラクトン0.5〜1
2重量部を配合してなる樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は樹脂組成物及びそれ
からなる成形品に関する。更に詳しくは、剛性、溶融流
動性及び低反り性に優れたポリカーボネート樹脂組成物
及びそれからなる成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート樹脂は優れた機械特性
を有し、エンジニアングプラスチックとして広く用いら
れており、ガラス繊維やカーボン繊維等を配合して寸法
精度や剛性等が要求される分野にも広く用いられてい
る。しかしながら、近年の家電や情報機器等の軽薄短小
化の傾向には著しいものがあり、そのため例えばその外
殻部材は極めて薄肉になっている。このような薄肉の部
材には寸法精度や剛性に加えて低反り性が要求される。
繊維状充填材を配合した場合、十分に金型の温度制御を
行っても繊維状充填材の配向に伴う成形収縮時の異方性
により、極めて大きな反りが発生する。このような低反
り性の要求に対しては、ガラスフレークをはじめとする
板状充填材を配合することで成形収縮時の異方性を低減
させ、反りを小さくする方法が知られている。しかしな
がら、板状充填材のみでは繊維状強化材を配合した組成
物に比較して剛性が劣り、剛性を向上させるためにより
多くの板状充填材を添加すると比重が高くなり、所望の
軽量化に逆行することになる。また、板状充填材のみに
代えて、板状充填材と繊維状充填材を組合わせて配合す
る場合には成形収縮時の異方性はあまり低下しない。即
ち、低反り性はあまり改善されない。このため板状充填
材のみで更にその量を変えることなく剛性を高めること
が必要である。我々はこの目的に対し、板状充填材を配
合したポリカーボネート樹脂に、カルボキシル基やその
誘導体基を有するオレフィン系ワックスを配合した組成
物を先に提案した(特願平7−4129号)。しかしな
がら、かかる組成物においても繊維状充填材配合の組成
物と同等の剛性改善の要求があり、このような剛性に優
れ且つ低反り性のポリカーボネート樹脂組成物はこれま
で得られていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、剛
性、溶融流動性及び低反り性に優れたポリカーボネート
樹脂組成物を提供せんとするにある。
【0004】本発明者は上記課題を達成せんとして鋭意
研究を重ねた結果、ポリカーボネート樹脂と特定量のガ
ラスフレークからなる樹脂組成物に、特定量のカルボキ
シル基やその誘導体基を有するオレフィン系ワックスと
特定量のポリカプロラクトンを配合することにより、剛
性や溶融流動性に優れ且つ低反り性のポリカーボネート
樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成する
に至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)ポリカ
ーボネート樹脂45〜97重量%と(B)ガラスフレー
ク3〜55重量%からなる樹脂組成物100重量部に、
(C)カルボキシル基及び/又はその誘導体基を有する
オレフィン系ワックス0.02〜3重量部と(D)ポリ
カプロラクトン0.5〜12重量部を配合してなること
を特徴とする樹脂組成物に係るものである。
【0006】本発明で用いる(A)成分であるポリカー
ボネート樹脂は、二価フェノールとカーボネート前駆体
を反応させて得られる芳香族ポリカーボネート樹脂であ
る。ここで用いる二価フェノールの代表例としては2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル )プロパン(通称
ビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメ
チルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、4,4′−
ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)サルファイド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ス
ルホン等が挙げられる。好ましい二価フェノールはビス
(4−ヒドロキシフェニル)アルカンであり、なかでも
ビスフェノールAが特に好ましい。カーボネート前駆体
としては例えばカルボニルハライド、カーボネートエス
テル、ハロホルメート等が用いられ、具体的にはホスゲ
ン、ジフェニルカーボネート、二価フェノールのジハロ
ホルメート等が挙げられる。上記二価フェノールとカー
ボネート前駆体を反応させてポリカーボネート樹脂を製
造するに当り、二価フェノールは単独で用いても、二種
以上を併用してもよく、必要に応じて触媒、分子量調節
剤、酸化防止剤等を用いてもよい。またポリカーボネー
ト樹脂は三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合し
た分岐ポリカーボネート樹脂であっても、二種以上のボ
リカーボネート樹脂の混合物であってもよい。
【0007】しかしながら、かかるポリカーボネート樹
脂中の全二価フェノールを100モル%とした時、70
モル%以上の二価フェノールがビスフェノールAである
ことが好ましい。
【0008】かかるポリカーボネート樹脂の分子量は、
粘度平均分子量で14,000〜25,000が好まし
く、15,000〜24,000が特に好ましい。粘度
平均分子量が14,000未満のポリカーボネート樹脂
では、強度が十分でなく好ましくない。粘度平均分子量
が25,000を越えるポリカーボネート樹脂では、溶
融流動性に劣り、成形のために高い温度が必要となるの
で好ましくない。本発明でいう粘度平均分子量(M)は
塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7
gを20℃で溶解した溶液から求めた比粘度(ηsp)を
次式に挿入して求めたものである。 ηsp/c=[η]+0.45×[η]2 c [η]=1.23×10-40.83 (但し[η]は極限粘度、cはポリマー濃度で0.7で
ある。)
【0009】ポリカーボネート樹脂を製造する基本的な
手段を簡単に説明する。カーボネート前駆体としてホス
ゲンを用いる溶液法では、通常酸結合剤及び有機溶媒の
存在下に反応を行う。酸結合剤としては例えば水酸化ナ
トリウムや水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物
又はピリジン等のアミン化合物が用いられる。有機溶媒
としては例えば塩化メチレンやクロロベンゼン等のハロ
ゲン化炭化水素が用いられる。また、反応促進のため例
えば第三級アミンや第四級アンモニウム塩等の触媒を用
いることができ、分子量調節剤として例えばフェノール
やp−tert−ブチルフェノールのようなアルキル置
換フェノール等の末端停止剤を用いることが望ましい。
反応温度は通常0〜40℃、反応時間は数分〜5時間、
反応中のpHは10以上に保つのが好ましい。
【0010】カーボネート前駆体として炭酸ジエステル
を使用するエステル交換反応(溶融法)では、不活性ガ
スの存在下に所定割合の二価フェノールを炭酸ジエステ
ルと加熱しながら撹拌し、生成するアルコール又はフェ
ノール類を留出させる方法により行う。反応温度は生成
するアルコール又はフェノール類の沸点等により異なる
が、通常120〜300℃の範囲である。反応はその初
期から減圧にして生成するアルコール又はフェノール類
を留出させながら完結させる。また、反応を促進するた
めに通常エステル交換反応用触媒を用いることができ
る。このエステル交換反応に用いる炭酸ジエステルとし
ては、例えばジフェニルカーボネート、ジナフチルカー
ボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネー
ト、ジブチルカーボネート等が挙げられ、特にジフェニ
ルカーボネートが好ましい。
【0011】本発明の組成物において(B)成分として
用いるガラスフレークとしては、平均粒径が10〜1,
000μmのものが好ましく且つその平均粒径を
(a)、厚さを(b)としたとき、(a)/(b)比が
5〜500のものが好ましく、6〜450のものがより
好ましく、7〜400のものが特に好ましい。平均粒径
が10μm未満か又は(a)/(b)比が5未満である
と剛性が不十分になり易く、平均粒径が1,000μm
を越えるか又は(a)/(b)比が500を越えると外
観が不十分になり易い。
【0012】かかるガラスフレークはシランカップリン
グ剤等で表面処理されているものが好ましい。この表面
処理によりポリカーボネート樹脂の分解の抑制や密着性
の向上が図れる。ここでいうシランカップリング剤とは
下記一般式
【0013】
【化1】
【0014】式中Yはアミノ基、エポキシ基、カルボン
酸基、ピニル基、メルカプト基、ハロゲン原子等の樹脂
マトリックスと反応性又は親和性を有する基、R1 〜R
4 は夫々単結合又は炭素数1〜7のアルキレン基を表
し、そのアルキレン分子鎖の中にアミド結合、エステル
結合、エーテル結合又はイミノ結合が介在してもよい。
1 〜X3 は夫々水素原子、ハロゲン原子又はアルコキ
シ基であり、X1 〜X3 の少なくとも2つはハロゲン原
子又はアルコキシ基であり、アルコキシ基としては炭素
数1〜4のアルコキシ基が好ましい。かかるシラン化合
物は具体的にはビニルトリクロルシラン、ビニルトリエ
トキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタク
リロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−
エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グ
リシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β
(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチル
ジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシ
ラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランお
よびγ−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げら
れる。更にガラスフレークはアクリル樹脂、ウレタン樹
脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の結合剤
により造粒又は集束したものが、取扱い易い点で好まし
い。但し、かかる造粒又は集束により得られる顆粒状物
又は集束物に対しては、上述したガラスフレーク平均粒
径範囲や厚さ範囲は適用されない。この(B)成分の配
合量は、(A)ポリカーボネート樹脂とこの(B)成分
からなる樹脂組成物中3〜55重量%である。3重量%
未満の場合は剛性向上の効果が不十分であり、55重量
%より多い場合には成形性が悪くなるため、目的とする
薄肉成形品が得られ難くなる。
【0015】本発明において(C)成分として使用する
カルボキシル基及び/又はその誘導体基を有するオレフ
ィン系ワックスにおけるカルボキシル基誘導体として
は、カルボン酸無水物基、カルボン酸の金属塩、カルボ
ン酸のアルキルエステル、アリールエステル等が挙げら
れる。このカルボキシル基やその誘導体基は、このオレ
フィン系ワックスのどの部分に結合してもよく、またそ
の濃度は特に限定されないが、オレフィン系ワックス1
g当り0.1〜6meq/gの範囲が好ましい。0.1
meq/gより少なくなると剛性や耐衝撃性の改良が不
十分になり易く、6meq/gより多くなるとオレフィ
ン系ワックス自身の熱安定性が悪化するようになる。
【0016】この(C)オレフィン系ワックスは、例え
ばダイヤカルナ−PA30、PA208[三菱化学
(株)製]、ハイワックス酸処理タイプの2203A、
1105A[三井石油化学工業(株)製]、等として市
販されている。このオレフィン系ワックスは単独で用い
ても、二種以上併用してもよい。この(C)オレフィン
系ワックスの配合量は、(A)成分と(B)成分からな
る組成物100重量部当り、0.02〜3重量部であ
り、0.03〜1重量部が好ましい。0.02重量部よ
り少ないと剛性や耐衝撃性の向上が十分でなく、3重量
部より多くなると引張強度の低下が大きく、剛性もまた
逆に低下するようになる。
【0017】本発明において(D)成分として用いるポ
リカプロラクトンは、ポリカーボネート樹脂の流動改質
剤等として現在一般に知られているものが用いられ、製
造法や末端封鎖の構造等を特に限定するものではない。
分子量としては数平均分子量で3,000〜30,00
0程度のものが好ましい。3,000未満では熱安定性
への悪影響が大きく、30,000より大きい場合には
剛性向上効果がやや不十分になる。配合量は、(A)成
分と(B)成分からなる組成物100重量部当り、0.
5〜12重量部である。0.5重量部より少ないと剛性
向上効果が十分でなく、12重量部より多い場合と耐熱
性や強度に悪影響を及ぼすようになる。
【0018】本発明の樹脂組成物には、本発明の目的を
損なわない範囲でハロゲン系難燃剤、難燃助剤、ドリッ
プ防止剤、熱安定剤、光安定剤、離型剤、着色剤、滑
剤、発泡剤等を必要に応じてその有効発現量配合するこ
とができる。ハロゲン系難燃剤としてはブロム化ビスフ
ェノール系カーボネートオリゴマー、ブロム化ビスフェ
ノール系エポキシ樹脂、ブロム化ビスフェノール系フェ
ノキシ樹脂、ブロム化ポリスチレン等が挙げられ、難燃
助剤としては三酸化アンチモンやアンチモン酸ナトリウ
ム等が挙げられる。更にドリップ防止剤としてはフィブ
リル化形成能を有するポリテトラフルオロエチレンが挙
げられ、熱安定剤としてはリン酸エステル、亜リン酸エ
ステル、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が挙げら
れ、光安定剤としてはヒンダードピペリジン誘導体、フ
ェニルサリシレート誘導体、2−ヒドロキシベンゾフェ
ノン誘導体等が挙げられる。離型剤としてはポリエチレ
ンワックス、酸変性ポリエチレンワックス、1−アルケ
ン重合体、脂肪酸エステル化合物等が挙げられる。更に
目的に応じて他の充填剤例えばマイカ、タルク、炭酸カ
ルシウム、カーボンブラック、金属粉末等を配合しても
よく、また例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
スチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレート、ポリアミド、アクリル樹脂、全芳香族
ポリエステル、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂等の熱可
塑性樹脂や弾性体等を配合してもよい。これらのうち特
に、熱安定性の改良を目的とするリン酸エステル、亜リ
ン酸エステル、ヒンダードフェノール系酸化防止剤等の
熱安定剤、耐候性の改良を目的とするヒンダードピペリ
ジン誘導体、フェニルサリシレート誘導体、2−ヒドロ
キシベンゾフェノン誘導体等の光安定剤を配合すること
は好ましいことである。
【0019】本発明の樹脂組成物を製造するには、任意
の方法が採用される。例えば(A)ポリカーボネート樹
脂、(B)ガラスフレーク、(C)カルボキシル基やそ
の誘導体基を有するオレフィン系ワックス及び(D)ポ
リカプロラクトン、更に適宜その他の添加剤を同時に又
は任意の順序で、例えばタンブラー、V型ブレンダー、
ナウターミキサー、バンバリーミキサー、混練ロール、
押出機等で混合する方法が適宜採用される。このように
して得られるポリカーボネート樹脂組成物は任意の成形
法によって成形されるが、特に射出成形法が好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に実施例を挙げて本発明を説
明する。なお実施例中の部は重量部であり、評価は下記
の方法によった。 (1)曲げ弾性率(kgf/cm2 ):曲げ試験片を成
形後23℃、50%RH雰囲気で48時間放置した後A
STM D−790に従って測定した。 (2)衝撃値(kgf・cm/cm):衝撃試験片を成
形後23℃、50%RH雰囲気で48時間放置した後A
STM D−256(アイゾットノッチ付き、厚み3.
2mm)に従って測定した。 (3)成形収縮率の異方性(%):幅50mm×長さ1
00mm×厚み4mmの角板を成形後23℃、50%R
H雰囲気で24時間放置した後、角板寸法を3次元測定
機[ミツトヨ(株)製]により測定し、成形収縮率を算
出した。それより異方性の尺度として成形収縮率の直角
方向の値より流れ方向の値を差し引いた値を算出した。
0に近いほど異方性は少なく、良好な低反り性を示す。 (4)流動特性(cm):流路厚2mm、流路幅8mm
のアルキメデス型スパイラルフロー長を、射出成形機
[住友重機械工業(株)製SG150U]によりシリン
ダ温度290℃、金型温度100℃、射出圧力1200
kgf/cm2 で測定した。 (5)比重:ASTM D792に従って測定した。
【0021】[実施例1〜4及び比較例1〜6]表1記
載の成分を表記載の量ドライブレンドした後、スクリュ
ー径30mmのベント付き単軸押出機[フリージアマク
ロス(株)製VSK−30]に供給し、シリンダー温度
300℃で溶融混練し、全体の組成物を均一に混練した
後、ストランドカットによりペレットを得た。このペレ
ットを110℃で6時間熱風循環乾燥機により乾燥した
後、射出成形機[住友重機械工業(株)製SG150
U]によりシリンダ温度300℃、金型温度100℃で
曲げ試験片、衝撃試験片及び成形収縮率の異方性試験片
を成形し、評価した。また、得られたペレットのアルキ
メデス型スパイラルフロー長を測定した。
【0022】評価結果を表1に示した。なお、表1にお
ける使用成分の記号は下記のものを示す。 PC−1;粘度平均分子量19500のポリカーボネー
ト樹脂[帝人化成(株)製パンライトL−1225L] PC−2;粘度平均分子量15500のポリカーボネー
ト樹脂[帝人化成(株)製パンライトL−1225L
L] GFL;ガラスフレーク[日本板硝子(株)製REFG
−101、厚さ2〜6μm、平均粒径600μm、平均
粒径/厚さ=100〜300] GFB;ガラス繊維[日東紡績(株)製3PE−45
5、繊維径13μm、平均繊維長3mm] OW;カルボキシル基及び/又はその誘導体基の濃度が
約1meq/gである1−アルケンと無水マレイン酸の
共重合体[三菱化学(株)製ダイヤカルナ30M] PCL;数平均分子量10,000のポリカプロラクト
ン[ダイセル化学工業(株)製プラクセルH1P] ST;トリメチルホスフェート[大八化学(株)製TM
P]
【0023】
【表1】
【0024】実施例1と比較例1との比較からポリカプ
ロラクトン(PCL)を配合することによって曲げ弾性
率(剛性)が改善されると共に流動性も高まっている。
実施例2と比較例2との比較でもポリカプロラクトン
(PCL)を配合することによって剛性が改善されると
共に流動性も高まっている。実施例2と比較例3との比
較ではカルボキシル基を有するオレフィン系ワックス
(OW)とポリカプロラクトン(PCL)を配合するこ
とによって剛性が著しく改善されると共に流動性も高ま
っている。実施例2と比較例4との比較ではガラスフレ
ーク(GFL)と共にガラス繊維(GFB)を配合する
と、異方性が大幅に低下して反り性が悪化している。実
施例3と比較例5との比較からポリカプロラクトン(P
CL)を配合することによって剛性が大きく改善される
と共に流動性も高まっている。実施例4と比較例6との
比較からポリカプロラクトン(PCL)のみを配合した
のでは剛性は改善されない。
【0025】
【発明の効果】本発明のポリカーボネート樹脂組成物は
剛性、低異方性(低反り性)及び流動性のいずれにも優
れており、高剛性と低異方性(低反り性)を同時に満足
しなければならないCDトレイ、CDチェンジャー用ト
レイ、ディスクカートリッジ等を製造する材料として好
適であり、その奏する工業的効果は格別のものである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリカーボネート樹脂45〜97
    重量%と(B)ガラスフレーク3〜55重量%からなる
    樹脂組成物100重量部に、(C)カルボキシル基及び
    /又はその誘導体基を有するオレフィン系ワックス0.
    02〜3重量部と(D)ポリカプロラクトン0.5〜1
    2重量部を配合してなることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)成分のポリカーボネート樹脂が、
    全二価フェノールを100モル%とした時、70モル%
    以上が2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
    ンからなる二価フェノールとカーボネート前駆体を反応
    させて得られる粘度平均分子量14,000〜25,0
    00のポリカーボネート樹脂である請求項1記載の樹脂
    組成物。
  3. 【請求項3】 (B)成分のガラスフレークが、平均粒
    径が10〜1,000μmで且つその平均粒径を
    (a)、厚さを(b)としたとき(a)/(b)比が5
    〜500のガラスフレークである請求項1又は2記載の
    樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (C)成分のオレフィン系ワックスが、
    該ワックスにおけるカルボキシル基及び/又はその誘導
    体基の濃度が、オレフィン系ワックス1g当り0.1〜
    6meq/gの範囲のオレフィン系ワックスである請求
    項1〜3のいずれか1項記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 (D)成分のポリカプロラクトンの数平
    均分子量が、3,000〜30,000である請求項1
    〜4のいずれか1項記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項記載の樹脂
    組成物を溶融成形してなる成形品。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003064248A (ja) * 2001-08-30 2003-03-05 Teijin Chem Ltd 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物および樹脂用添加剤
JP2010006920A (ja) * 2008-06-26 2010-01-14 Sumitomo Dow Ltd ポリカーボネート樹脂組成物およびそれからなる成形品

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