JPH10253474A - シート状物の切断抵抗力測定方法および測定装置 - Google Patents

シート状物の切断抵抗力測定方法および測定装置

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JPH10253474A
JPH10253474A JP9058077A JP5807797A JPH10253474A JP H10253474 A JPH10253474 A JP H10253474A JP 9058077 A JP9058077 A JP 9058077A JP 5807797 A JP5807797 A JP 5807797A JP H10253474 A JPH10253474 A JP H10253474A
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JP
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cutting
tension
sheet
sample
blade
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JP9058077A
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Akiko Watanabe
亜希子 渡辺
Takashi Yuhara
隆 湯原
Hiroyuki Daimon
宏行 大門
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 張力を負荷した状態の紙や高分子フィルムな
どのシート状物を刃物で切断する場合の切断抵抗力を直
接評価できない。 【解決手段】 一直線状に対向して試料15の両端部を
把持し得る一対の試料把持具17と、少なくとも一方の
試料把持具17を他方の試料把持具17との対向方向に
駆動してこれら一対の試料把持具17によって把持され
る試料15の張力を所定値に設定するための張力調整手
段と、一対の試料把持具17によって把持される試料1
5と対向してこれを切断し得る刃物20と、刃物20を
駆動して一対の試料把持具17によって把持された試料
15を切断するための駆動部26と、一対の試料把持具
17によって把持された試料15の所定の物理量を検出
するロードセル16と、このロードセル16からの検出
データを取り込むデータ処理部27とを具える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、張力を付与した状
態における紙などのシート状物を刃物によって切断する
際の切断抵抗力を測定する方法およびその装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ロール状の紙やロール状の高分子フィル
ムから所定寸法の枚葉紙あるいはシートをロータリカッ
ターによって断裁する場合のように、連続走行するシー
ト状物のカッター切断に対する抵抗力は、シート状物の
張力変動の重要な要因となり、加工製品や印刷物の寸法
精度の悪化や不良品の増加の問題が発生したり、また、
加工機や印刷機の走行安定性に問題を生じ、場合によっ
ては走行中のシート状物の破断などのトラブルを発生す
るため、カッターに対するシート状物の切断抵抗力、つ
まり「切れにくさ」を直接測定することが望ましい。
【0003】このような要求は、上述以外に紙や高分子
フィルムの連続製袋加工機における鋸刃による断裁、フ
ォーム印刷加工機におけるミシン目加工、輪転印刷機の
給紙部における紙継ぎ直後の旧巻取り残紙の切断あるい
は折り機での紙の断裁の場合も同様である。
【0004】紙や高分子フィルムなどのシート状物の強
度を知るための手段として、従来よりJIS P811
3で規定された引張強度試験法や、JIS P8116
で規定された引き裂き強度試験法、あるいは衝撃引張強
度試験法(1976年に紙業タイムス社から発行された
「紙加工便覧」の第84〜87ページを参照のこと)な
どが知られており、これらは何れも試験片に引っ張り荷
重あるいは面外の引き裂き荷重を与えて試験片を破断さ
せ、この時の強度や仕事量を測定するものである。
【0005】一般に、紙や高分子フィルムなどのシート
状物を加工する場合、引っ張り破断や引き裂き破断によ
らず、刃物で断裁したり打ち抜くなどの処理を施すこと
が広く行われている。しかし、このようなシート状物の
刃物による切断抵抗を測定する手段としては、数百〜数
千枚のシート状物を重ねて静置し、これを断裁する、い
わゆるギロチンカッターを用いた切断抵抗力の測定方法
が散見される(例えば、1988年に加工技術研究会か
ら発行された「新・仕上げ工程と周辺機器」の第113
〜118ページの岡田義人記載の "カッター刃の摩耗に
ついて" を参照のこと)。この方法は、刃物の摩耗度か
ら刃物に対するシート状物の抵抗力を推定するものであ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】引張強度試験法や引き
裂き強度試験法、あるいは衝撃引張強度試験法などの従
来から知られた方法は、刃物の切れ味を含め、この刃物
を使用してシート状物を切断した場合の切断抵抗力の大
小を評価することはできない。
【0007】また、ギロチンカッターを用いた切断抵抗
力の測定方法では、断裁に使用する刃物の材質選定や刃
物の耐用期間の予測に役立つ知見は得られるものの、張
力が負荷した状態における1枚あるいは複数枚のシート
状物の切断抵抗力を直接評価することができない。
【0008】このように、従来では張力を負荷した状態
の紙や高分子フィルムなどのシート状物を刃物で切断す
る場合の切断抵抗力を直接評価できるような適当な方法
や装置がなく、その出現が望まれていた。
【0009】本発明の目的は、刃物によって切断される
張力を負荷した状態のシート状物の切断抵抗力を直接評
価可能なシート状物の切断抵抗力測定方法を提供するこ
とにある。
【0010】本発明の他の目的は、このような本発明方
法を実現し得るシート状物の切断抵抗力測定装置を提供
することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による第1の形態
は、シート状物を所定の張力を以て把持するステップ
と、所定の張力で把持された該シート状物を刃物で切断
するステップと、切断中の該シート状物の張力に関する
所定の物理量を検出するステップと、該張力に関する所
定の物理量に基づいて前記シート状物の切断抵抗力を評
価するステップとを具えたことを特徴とするシート状物
の切断抵抗力測定方法にある。
【0012】ここで、張力に関する所定の物理量は、シ
ート状物の切断中の張力変化および最大張力および切断
所要時間および切断力積の少なくとも1つであることが
好ましい。
【0013】また、本発明による第2の形態は、一直線
状に対向してシート状物の両端部を把持し得る一対の試
料把持具と、少なくとも一方の前記試料把持具を他方の
前記試料把持具との対向方向に駆動してこれら一対の試
料把持具によって把持される前記シート状物の張力を所
定値に設定するための張力調整手段と、前記一対の試料
把持具によって把持される前記シート状物と対向してこ
れを切断し得る刃物と、前記刃物を駆動して前記一対の
試料把持具によって把持された前記シート状物を切断す
るための刃物駆動手段と、前記一対の試料把持具によっ
て把持された前記シート状物の張力を検出する張力検出
器と、この張力検出器からの検出データを取り込んで処
理するデータ処理部とを具えたことを特徴とするシート
状物の切断抵抗力測定装置にある。
【0014】ここで、張力検出器は、ロードセルである
ことが好ましい。また、データ処理部は、張力検出器か
らの検出データを10〜1000マイクロ秒の間隔で取
り込むことが好ましい。
【0015】本発明によると、シート状物の両端部を一
対の試料把持具によって把持し、このシート状物の張力
を張力調整手段によって所定の張力に調整する。次に、
刃物駆動手段を操作してシート状物を刃物にて切断する
が、この切断中のシート状物の張力の変化を張力検出器
により検出してデータ処理部に取り込んで処理する。そ
して、データ処理部に取り込まれて処理された検出デー
タに基づき、シート状物の切断抵抗力を評価する。
【0016】この場合、張力に関する物理量として、シ
ート状物の切断中の張力変化および最大張力および切断
所要時間および切断力積の少なくとも1つがデータ処理
部にて算出される。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の第1の形態によるシート
状物の切断抵抗力測定方法において、刃物によるシート
状物の切断操作は、例えばフォーム印刷加工機のミシン
目加工やロータリカッターによる切断など、対象として
いる加工機械の実際の切断状況に対応したものであるこ
とが好ましい。また、シート状物としては木材パルプま
たは麻などの非木材パルプを原料とする紙の他に、ポリ
エチレン, ポリプロピレン, ポリエステルなどを原料と
する高分子フィルムまたは不織布などを挙げることがで
きるが、これらに限定されるものではない。
【0018】また、本発明の第2の形態によるシート状
物の切断抵抗力測定装置において、一対の試料把持具に
よって把持されたシート状物の表面との対向方向に刃物
を移動させる形式のものであってもよいし、このシート
状物の表面と平行な回転軸線を持ったロータリカッター
を採用してもよい。
【0019】
【実施例】本発明によるシート状物の切断抵抗力測定装
置の実施例について、図1〜図6を参照しながら詳細に
説明する。
【0020】本実施例の概略構造を破断状態で表す図1
およびそのII−II,III−III 矢視断面構造をそれぞれ表
す図2, 図3に示すように、ベッド11上に垂直に立設
された左右一対の支柱12の上端部には、トップビーム
13の左右両端部が一体的に固定され、これら一対の支
柱12とトップビーム13とによって門型のフレームが
形成される。支柱12には、これら支柱12に対して図
示しない昇降機構を介して駆動昇降するクロスビーム1
4が装着されている。このクロスビーム14には、支柱
12に対してクロスビーム14を固定するための図示し
ない機械的なロック機構が組み込まれており、試料15
の長さに対応した位置で支柱12に対してクロスビーム
14を一体的に固定できるようになっている。
【0021】クロスビーム14の中央部には、後述する
ロードセル16を介して試料把持具17を下端に有する
上部ワークホルダ18が下向きに突設されている。ま
た、この上部ワークホルダ18と同様な下部ワークホル
ダ19が上部ワークホルダ18と一直線状に並ぶよう
に、ベッド11の中央部に上向きに突設されており、こ
の下部ワークホルダ19の上端にも試料把持具17が設
けられている。
【0022】なお、上述した本実施例装置の主要部の構
成は、例えば株式会社島津製作所の「サーボパルサー」
などの市販の油圧式材料試験機を流用することができ
る。
【0023】試料15となるシート状の紙は、1枚ある
いは複数枚を重ねてその上下両端部が試料把持具17に
対して着脱可能に把持され、ベッド11内に組み込まれ
た油圧による駆動源(アクチュエータ)によって下部ワ
ークホルダ19を下降させることにより、所定の張力が
与えられる。この張力は、実際の使用形態を勘案して任
意に設定することができるが、当然のことながら試料1
5の静的引張強度を越える大きさであってはならない。
【0024】また、試料把持具17に把持される試料1
5の枚数は、実際の使用形態に応じて適宜選択すること
ができるが、多数枚の試料15を重ねたことによって切
断抵抗力が大きくなることが予想される場合には、試料
15を重ねる枚数を実際の使用形態よりも少なくするこ
とが可能であり、その逆も当然可能である。この場合、
測定の再現性を考慮して測定に伴う大きな誤差の発生を
回避すべく、個々の試料15にそれぞれ負荷する張力に
著しい差が生じないように留意することが望ましい。
【0025】試料15の幅(図1中、左右方向の長さ)
は、測定の目的に応じて任意に設定することができる
が、試料15を切断する刃物20の刃長や、試料把持具
17の幅寸法、検出張力の精度、測定の作業性などを考
慮すると10mmから100mmに設定することが好ましい
が、特に限定するものではない。また、試料15の長
さ、つまり上下に対向する一対の試料把持具17の間隔
は、試料15の重ね枚数や伸縮特性などに応じて任意に
設定することができるが、刃物20による切断時の伸び
や、切断時の衝撃に伴う振動などの影響を考慮して40
mmから300mmの範囲内に設定することが好ましい。
【0026】前記ベッド11とクロスビーム14との間
の左右一対の支柱12には、これら支柱12に対して手
動にて昇降可能な左右一対のスライダ21が装着されて
いる。図示しないロック装置によって、ベッド11とク
ロスビーム14との間の支柱12の任意の位置に固定可
能な左右一対のスライダ21には、それぞれブラケット
22を介してサブビーム23の左右両端部が固定されて
いる。
【0027】サブビーム23の中央部には、コントロー
ラ24によってピストンロッド25の作動を制御される
エアシリンダ26が固定されている。つまり、エアシリ
ンダ26は、コントローラ24によって給排が制御され
る圧縮空気により、そのピストンロッド25が図2中、
上下方向に往復移動するようになっている。ピストンロ
ッド25の先端部には、試料15を切断するための刃物
20が交換可能に取り付けられている。
【0028】本実施例では、刃物20として、中央が尖
った、例えばオルファ株式会社の「オルファマットカッ
タ45度用替え刃」を使用し、試料15の中央に刃物2
0の先端が当たるようにサブビーム23に対するエアシ
リンダ26の取り付け位置を設定し、試料15の切断が
左右均等に行われるようにして測定の再現性を向上させ
るようにしているが、試料15の幅方向一端側から切断
し始めるようにしてもよく、実際の切断形態などに応じ
て切断開始位置を適宜選択することが可能である。
【0029】刃物20の形状および材質は、測定する試
料15の特性や重ね合わせの枚数などにより任意に選択
することが可能であり、直刃, 丸刃, 鋸状の刃などの形
状の切れ刃を持ったものが、また、材質では、ステンレ
ス鋼, 高速度鋼などの合金鋼や超硬合金などの他に、目
的に応じてセラミックス, プラスチック, 繊維強化プラ
スチック, 紙, ガラスなどが使用可能である。なお、切
れ刃の先端が尖ったものや直刃の場合、試料15に対す
る切れ刃の相対角度も任意に設定することができる。
【0030】また、試料15に対する刃物20の突入速
度は、実際の使用形態に基づいて適宜選択することがで
きるが、異なる性質の試料15に対する測定ができるよ
うに、秒速10cm〜10mの範囲で適宜設定できること
が望ましく、このため、必要に応じて増速機構などを刃
物駆動手段に組み込むようにしてもよい。
【0031】前記ロードセル16は、刃物20による切
断時に試料15に発生する張力変動を検出するためのも
のであり、検出の精度がよいことおよび検出データを電
気信号として取り込むことができるなどの点で他の検出
器よりも好ましいと思われる。
【0032】このロードセル16の検出容量は、試料1
5の切断抵抗力や検出精度に鑑み、任意のものを選択す
ることができる。ただし、切断時の衝撃などがロードセ
ル16に伝わってロードセル16が振動するため、ロー
ドセル16の固有振動数が小さい場合には、検出データ
を取り込む際の測定精度に悪影響を及ぼす虞がある。こ
のため、ロードセル16の検出容量は、検出精度の点か
ら検出張力を下回らない程度に小さいものを選ぶことが
得策である。しかし、検出容量の小さなロードセル16
は、一般にロードセル16自身の固有振動数が小さいた
め、切断時の衝撃などによってロードセル16に振動が
発生した場合、振動波形の周期が長い検出データの波形
がその振動波形に埋もれてしまう虞がある。従って、こ
のような場合には検出張力の精度をある程度犠牲にして
もロードセル16の検出容量を大きくする必要がある。
以上の点を考慮すると、紙などの試料15に対しては、
10kgf から300kgf 程度の検出容量のロードセル1
6が適当であり、本実施例では100kgf の検出容量の
ロードセル16を使用した。
【0033】このロードセル16からの出力は、所定の
サンプリング周期でデータ処理部27に取り込まれ、こ
こで所定のデータ処理がなされる。データ処理部27
は、ロードセル16からのアナログ信号を高速でデジタ
ルデータに変換し、内蔵した大容量のデータメモリに蓄
え、さらにこのデータをコンピュータなどを用いて処理
するものであり、ロードセル16からの検出信号を10
〜1000マイクロ秒程度の間隔で取り込むことによっ
て、ロータリカッターなどの高速断裁機の断裁速度に対
しても対応させることができる。試料15の切断は高速
で進行するため、全測定時間は試料15の種類にもよる
が、2秒前後で充分である。
【0034】データ処理部27では、ロードセル16の
検出データに基づいて試料15の切断抵抗力を評価する
ため、切断開始から切断終了に至る張力変化曲線を作成
し、さらに切断最大荷重、切断開始から切断終了に至る
切断所要時間、切断力積、つまり切断開始から切断終了
までの張力変化曲線の時間積分値などを演算し、この演
算結果を表示部28にて表示する。オペレータは、これ
ら演算結果に基づいて試料15の切断抵抗力の大小を判
断する。
【0035】なお、上述した張力変化曲線や切断最大荷
重、切断所要時間、切断力積などをを表示部28にてす
べて表示するようにしても良いが、これらの一部のみを
表示し、残りをオペレータが演算あるいは読み出すよう
にしてもよい。
【0036】次に、上述した装置を用いて実際に2つの
試料15を測定した結果について、図4および図5を用
いて説明する。図4は、坪量43g/m2の新聞用紙を15
mm×100mmの大きさに4枚重ね合わせた試料15に対
し、40マイクロ秒のサンプリング周期で張力変化を
0. 08秒間検出したものであり、図中のS点が切断開
始位置、E点が切断終了位置を示している。また、図5
は、坪量66g/m2の上質紙を15mm×100mmの大きさ
に4枚重ね合わせた試料15に対し、40マイクロ秒の
サンプリング周期で張力変化を0. 08秒間検出したも
のであり、図中のS点が切断開始位置、E点が切断終了
位置を示している。
【0037】図4および図5から明らかなように、上質
紙の方が新聞用紙よりも最大張力および切断力積が共に
大きい、つまり切断抵抗力が大きいことが判る。また、
図4および図5中の張力曲線における周期的な振動波形
は、切断時の衝撃によるロードセル16の振動によるも
のである。このロードセル16の振動による振動波形を
消すため、必要に応じて高周波フィルタをかけたり、平
均化処理を行ったり、あるいは振動成分を抽出して差し
引きするなどの補正を行うことも有効である。
【0038】本実施例では、刃物20をサブビーム23
に取り付けたエアシリンダ26に固定し、このサブビー
ム23の左右両端部を左右一対の支柱12に支持させて
いるため、装置全体をコンパクト化することが可能であ
る。しかし、刃物20を駆動した場合にその振動が支柱
12を介してロードセル16に伝わり、測定に悪影響を
及ぼす虞があるため、ブラケット22やサブビーム23
などを振動しにくい材料および構造にしたり、あるいは
エアシリンダ26を駆動した場合の振動が支柱12を介
してロードセル16側に伝わらないように、エアシリン
ダ26をベッド11に対して独立の系として別個に設け
るようにしてもよい。
【0039】上述した実施例では、刃物駆動手段として
エアシリンダ26を採用したが、実際の使用形態に応じ
て高圧の作動油によって高速移動する油圧シリンダや、
ばねの反発力を利用したばね式移動装置、ロータリカッ
ターを用いた電動の断裁装置、磁力を利用した直動機
構、リニアモータなどを用いることも可能である。例え
ば、ロータリカッターを用いた本発明の他の実施例の主
要部の外観を図6に示すが、先の実施例と同一機能の部
分にはこれと同一符号を記すに止め、重複する説明は省
略するものとする。
【0040】すなわち、図示しないサブビームには、ロ
ータ回転軸29の両端部が回転自在に支持されており、
このロータ回転軸29と一体のロータ30の外周には、
試料15を切断するための刃物31が取り付けられてい
る。ロータ回転軸29の一端部には、ロータ30を図6
に示す待機位置から時計回りに瞬間的に駆動回転させる
図示しない駆動モータが連結されている。そして、上下
一対の試料把持具17により上下両端部が把持されて所
定の張力が付与された試料15の中央部が回転するロー
タ30に取り付けられた刃物31によって切断される。
【0041】
【発明の効果】本発明によると、所定の張力を付与した
状態のシート状物を刃物で切断し、この時のシート状物
に生ずる張力に関する所定の物理量に基づいてシート状
物の切断抵抗力を評価するようにしたので、従来では測
定することのできなかった刃物によるシート状物の切断
抵抗力を直接測定することが可能である。
【0042】従って、従来の技術では予測し得なかっ
た、シート状物の加工機や印刷機における寸法精度の悪
化や不良品の増加を予測したり、あるいは連続走行する
シート状物の走行不安定の問題や破断トラブルなどを予
測することが可能である。さらに、シート状物の切断抵
抗に関する物性値を変更するための製造条件の変更や、
切断時の刃物などの切断手段の選択も容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による切断抵抗力測定装置の一実施例の
概略構造を破断状態で表す概念図である。
【図2】図1中のII−II矢視断面図である。
【図3】図1中の III− III矢視断面図である。
【図4】図1〜3に示した装置を用いて新聞用紙を切断
した場合の時間と張力との関係を表すグラフである。
【図5】図1〜3に示した装置を用いて上質紙を切断し
た場合の時間と張力との関係を表すグラフである。
【図6】本発明による切断抵抗力測定装置の他の実施例
における刃物の部分の抽出拡大図である。
【符号の説明】
11 ベッド 12 支柱 13 トップビーム 14 クロスビーム 15 試料 16 ロードセル 17 試料把持具 18 上部ワークホルダ 19 下部ワークホルダ 20 刃物 21 スライダ 22 ブラケット 23 サブビーム 24 コントローラ 25 ピストンロッド 26 エアシリンダ 27 データ処理部 28 表示部 29 ロータ回転軸 30 ロータ 31 刃物 S 切断開始位置 E 切断終了位置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状物を所定の張力を以て把持する
    ステップと、 所定の張力で把持された該シート状物を刃物で切断する
    ステップと、 切断中の該シート状物の張力に関する所定の物理量を検
    出するステップと、 該張力に関する所定の物理量に基づいて前記シート状物
    の切断抵抗力を評価するステップとを具えたことを特徴
    とするシート状物の切断抵抗力測定方法。
  2. 【請求項2】 前記張力に関する所定の物理量は、前記
    シート状物の切断中の張力変化および最大張力および切
    断所要時間および切断力積の少なくとも1つであること
    を特徴とする請求項1に記載のシート状物の切断抵抗力
    測定方法。
  3. 【請求項3】 一直線状に対向してシート状物の両端部
    を把持し得る一対の試料把持具と、 少なくとも一方の前記試料把持具を他方の前記試料把持
    具との対向方向に駆動してこれら一対の試料把持具によ
    って把持される前記シート状物の張力を所定値に設定す
    るための張力調整手段と、 前記一対の試料把持具によって把持される前記シート状
    物と対向してこれを切断し得る刃物と、 前記刃物を駆動して前記一対の試料把持具によって把持
    された前記シート状物を切断するための刃物駆動手段
    と、 前記一対の試料把持具によって把持された前記シート状
    物の張力を検出する張力検出器と、 この張力検出器からの検出データを取り込んで処理する
    データ処理部とを具えたことを特徴とするシート状物の
    切断抵抗力測定装置。
  4. 【請求項4】 前記張力検出器は、ロードセルであるこ
    とを特徴とする請求項3に記載のシート状物の切断抵抗
    力測定装置。
  5. 【請求項5】 前記データ処理部は、前記張力検出器か
    らの検出データを10〜1000マイクロ秒の間隔で取
    り込むことを特徴とする請求項3または請求項4に記載
    のシート状物の切断抵抗力測定装置。
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Cited By (8)

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