JPH10253124A

JPH10253124A - 空気調和機

Info

Publication number: JPH10253124A
Application number: JP9063328A
Authority: JP
Inventors: Takeshi Kawai; 毅川合; Masashi Yasuda; 昌司安田
Original assignee: Sanyo Electric Co Ltd
Current assignee: Sanyo Electric Co Ltd
Priority date: 1997-03-17
Filing date: 1997-03-17
Publication date: 1998-09-25

Abstract

(57)【要約】【課題】人の意図に則した制御が行える空気調和機を
提供する。【解決手段】冷暖房手段６ａ、風量調節手段６ｂ、風
向調節手段６ｃ、及び湿度調節手段６ｄから成る空気調
和力発生手段６と、前記空気調和力発生手段６を制御す
る制御手段５と、前記制御手段５の制御に必要な情報を
取得するセンサー４と、温度設定を行うための「ＵＰ」
キー１ａや「ＤＯＷＮ」キー１ｂ等を備えたリモートコ
ントローラ１と、少なくとも温度設定の入力態様から使
用者の意図を推測する意図推測手段２と、前記意図推測
手段２にて推測された意図に対応した設定情報を生成
し、この設定情報を前記制御手段５に与える設定情報生
成手段３と、を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、空気調和機に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来より、空気調和機には、使用者の快
適性を向上させるために、種々の制御態様を組み込んだ
ものが提案されている。例えば、特開平５−１９６２７
１号公報には、室温変動制御と定値制御とを組み合わせ
ることによって、使用者に与える刺激量を高め、快適性
を向上させ得るものが開示されている。また、特開平７
−８３４８０号公報には、ＰＭＶ（Ｐｒｅｄｉｃｔｅｄ
ＭｅａｎＶｏｔｅ：ＩＳＯ−７７３０参照）制御と、
温度制御の２種類の制御方法が行えるものが提案されて
いる。なお、ＰＭＶは、環境側要素である温度、湿度、
輻射温度、気流速と、人体側要素である活動量と着衣量
との関数であり、これらの値からＩＳＯ−７７３０の記
載の計算式によって求めることができる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、快適性とい
うものは、専ら人が室内に継続的に居る場合に重要視さ
れるものであって、例えば、真夏日に人が外出先から帰
宅した直後においては、快適性というよりも、強烈な冷
気を求めるものであり、その一方、真冬日に人が外出先
から帰宅した直後においては、強烈な暖気を求めるもの
である。

【０００４】ここで、使用者により任意に設定された温
度に基づいて温度制御を行う構成では、前述のごとく強
烈な冷気を求める場合、単に設定温度を非常に低めに設
定することになるが、このような設定を行っただけで
は、使用者が期待する冷房がなされるといは言いがた
い。即ち、かかる制御では、室温が設定温度に近づくよ
うに一般的な制御をするのみであるから、使用者の意図
を十分に冷房に反映させることはできない。

【０００５】また、風向や風量の自動制御は、室温と設
定温度との偏差や冷暖房の運転モードなどで切り換えて
いるのが現状であるので、かかる制御の場合も、使用者
の意図に応じる冷暖房を行うことはできない。また、人
によっては、一般的な値から見て比較的強い冷暖房を好
む場合もあり、逆に弱い冷暖房を好む場合もある。

【０００６】この発明は、上記の事情に鑑み、人の意図
に則した制御が行える空気調和機を提供することを目的
とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この発明の空気調和機
は、室内の空気調和を行う少なくとも冷房又は暖房手段
を備えて成る空気調和力発生手段と、前記空気調和力発
生手段を制御する制御手段と、前記制御手段の制御に必
要な情報を取得するセンサーと、少なくとも温度設定を
行うための入力手段と、少なくとも温度設定の入力態様
から使用者の意図を推測する意図推測手段と、前記意図
推測手段にて推測された意図に対応した設定情報を生成
し、この設定情報を前記制御手段に与える設定情報生成
手段と、を備えたことを特徴とする。

【０００８】例えば、室温設定キーとして「ＵＰ」キー
と「ＤＯＷＮ」キーとを備え、当該キーを１回押すごと
に１℃だけ設定温度を上げる又は下げるようにした入力
手段があるとする。そして、使用者が真夏日に外出先か
ら帰宅したような場合においては、前記「ＤＯＷＮ」キ
ーを２回あるいは３回立て続けに操作することが予想さ
れる。このような操作態様から、使用者は「力強い」冷
房を望んでいると推測することができる。一方、前記
「ＤＯＷＮ」キーを操作したものの、最後に「ＵＰ」キ
ーを押した場合には、「冷房はしたいが冷えすぎは困
る」といった意図、別言すれば、使用者は「優しい」冷
房を望んでいるということを推測することができる。

【０００９】推測された意図が「力強い」またはこれに
相当するものである場合に、前記設定情報生成手段は、
室内温度が設定温度に対して急速に近づくような設定情
報を生成して前記冷房又は暖房手段に与えるようになっ
ていればよい。

【００１０】また、推測された意図が「優しい」または
これに相当するものである場合に、前記設定情報生成手
段は、室内温度が設定温度に徐々に近づくような設定情
報を生成して前記冷房又は暖房手段に与えるようになっ
ていればよい。室内温度を設定温度に徐々に近づける手
法としては、例えば、使用者が設定した設定温度とは別
に当該設定温度よりも冷房時は高く暖房時は低い目標温
度を生成し、室温を当該目標温度に近づける冷暖房制御
を行い、室温が目標温度に達して安定した後に前記手法
で目標温度を再び生成するか或いは前記設定温度を目標
温度とし、室温を当該目標温度に近づける冷暖房制御が
考えられる。

【００１１】前記空気調和力発生手段として、風量調節
手段および風向調節手段を備えるとともに、前記意図推
測手段にて所定の意図が推測された場合に、前記設定情
報生成手段が、前記風量調整手段に対して所定の風量設
定情報を、風向調節手段に対して所定の風向設定情報
を、それぞれ与えるようになっていてもよい。このよう
に、使用者が望む冷房ないし暖房を、室温だけでなく、
風向きや風量についても有機的に調節することで、使用
者の意図により則した空気調和を行うことができる。

【００１２】

【発明の実施の形態】図１は、一般的な温度等の入力手
段となるリモートコントローラ（以下、単にリモコンと
いう）１の外観構成を示した平面図であり、図２はこの
実施の形態の空気調和機の概略構成を示したブロック図
である。

【００１３】リモコン１には、設定温度を上げるための
「ＵＰ」キー１ａ、設定温度を下げるための「ＤＯＷ
Ｎ」キー１ｂ、「冷暖房切替」キー１ｃ、「風向」キー
１ｄ、「風量」キー１ｅ、及び当該空気調和機の始動と
停止を行わせるＯＮ／ＯＦＦキー１ｆが設けられてい
る。また、カバー１ｉ内には、ＰＭＶに関する各種の情
報入力キーなどが設けられている。そして、液晶表示パ
ネル１ｈには、使用者が入力した設定温度などが表示さ
れるようになっている。また、このリモコン１には、室
温を検出する室温センサー１ｈが設けられている。

【００１４】使用者がリモコン１に対して入力した情
報、即ち、各種キー１ａ〜１ｆを押したときの情報や、
前記室温センサー１ｈにて取得された室温情報は、赤外
線あるいは超音波等によって空気調和機本体の意図推測
手段２に送信されるようになっている。

【００１５】意図推測手段２は、前記のリモコン１の
「ＵＰ」キー１ａ及び「ＤＯＷＮ」キー１ｂの操作態様
から使用者の意図を推測し、この意図推測情報を設定情
報生成手段３に与えるようになっている。意図推測手段
２における冷房時の意図の推測例を示せば、以下のよう
である。なお、以下の例では、冷房制御のみ示すが、暖
房制御にも同様の思想を適用することができる。

【００１６】（Ａ）「ＤＯＷＮ」キーを２回あるいは３
回立て続けに操作した場合このような操作態様から、使
用者は「力強い」冷房を望んでいると推測することがで
きる。また、「ＤＯＷＮ」キーを立て続けに操作すると
きの速さに着目すると、ある速さのときを「力強い」と
した場合、それよりも速ければ「とても力強い」という
意図を推測でき、その一方、遅ければ、「やや力強い」
という意図があると推測できる。

【００１７】（Ｂ）「ＤＯＷＮ」キーを操作したもの
の、最後に「ＵＰ」キーを押した場合このような操作態
様から、使用者は「冷房はしたいが冷えすぎは困る」と
いった意図を持っていること、別言すれば、使用者は
「優しい」冷房を望んでいるということを推測すること
ができる。

【００１８】（Ｃ）設定温度に対して、これよりも数度
（例えば３℃）以上高い設定温度に変更した場合や冷房
時の最高設定温度（例えば、２９℃）が設定された場合
このような操作態様から、上記と同様、使用者は「冷房
はしたいが冷えすぎは困る」といった意図をもっている
ことを推測できる。

【００１９】設定情報生成手段３は、前記推測された意
図に対応した設定情報を生成し、この設定情報を制御手
段５に与えるようになっている。また、この設定情報の
生成のために、センサー（人検出センサー、湿度検出セ
ンサー、輻射温度検出センサーなど）３や室温センサー
１ｉからの情報を用いることができるようになってい
る。設定情報生成手段３における設定情報生成の具体的
内容を例示すれば、以下のようである。なお、以下の例
では、冷房制御のみ示すが、暖房制御にも同様の思想を
適用することができる。

【００２０】（１）冷房時の「力強い」という意図に対
する場合温度設定……使用者により設定された温度風量設定……大風向設定……下方向へ吹出湿度設定……低そして、このときの温度制御に関しては、図３に示すよ
うに、室内温度が設定温度に対して大きくオーバーシュ
ートするようにしてもよい。オーバーシュートは、制御
系のゲインに起因するものであり、このゲインは空気調
和機の冷暖房能力に相当する。

【００２１】（２）冷房時の「とても力強い」という意
図に対する場合温度設定……使用者により設定された温度風量設定……最大風向設定……下方向であって人の位置する方向湿度設定……低特に上記の設定によって、使用者に向けて強く令風が
吹きつけることになり、体感温度が実際の室温よりも低
くなるため、「とても力強い」という意図に則したもの
となる。

【００２２】（３）冷房時の「やや力強い」という意図
に対する場合温度設定……使用者により設定された温度風量設定……大風向設定……人の位置する方向を中心に所定角度内で
首振り（更には下方向吹出を上方向吹出に変更）湿度設定……中

【００２３】（４）冷房時の「優しい（冷えすぎは困
る）」という意図に対する場合温度設定……使用者により設定された温度風量設定……小風向設定……人の位置していない方向で且つ上方向へ
吹出（或いは上方向で首振り）湿度設定……中特に上記の設定によって、使用者には殆ど風が当たら
ないので、体感温度が実際の室温よりも低くなるのを防
止でき、「優しい」という意図により則したものとな
る。

【００２４】（５）冷房時の「優しい（冷えすぎは困
る）」という意図に対する場合使用者が設定した設定温度とは別に目標温度を設定し、
室温を目標温度に近づけていく制御が考えられる。具体
的には、設定温度に対して室温が３℃以上高いときに
は、目標温度を設定温度よりも２℃高い温度とする。ま
た、設定温度に対して室温が２℃以上高いときには、目
標温度を設定温度よりも１℃高い温度とし、設定温度に
対して室温が１℃以上高いときには、目標温度を設定温
度と同じとする。そして、室内温度が目標温度に達して
安定したら、目標温度を設定温度に近づける変更を行
う。このような処理は、設定情報生成手段３が温度設定
情報として目標温度情報を制御手段５に対して段階的に
与えることで実現できる。

【００２５】例えば、室温が３３℃で設定温度が２８℃
であった場合には、図４に示すように、まず目標温度を
３０℃（設定温度２８℃＋２℃）として、この目標温度
に近づけるように冷房を行う。そして、室温が３０℃で
安定したら、目標温度を２９℃とし、同様にこの目標温
度に近づくように冷房を行う。そして、室温が２９℃で
安定したら、目標温度を設定温度と同じ２８℃とし、同
様にこの温度に近づくように冷房を行う。これにより、
室温がオーバーシュートによって下がり過ぎるのを防止
し、優しい冷房を実現することができる。

【００２６】制御手段５は、図２に示しているように、
前記設定情報生成手段３にて生成された各種の設定情
報、即ち、設定温度情報、風量設定情報、風向設定情
報、湿度設定情報を受け取り、前記の設定温度情報に基
づいて冷暖房手段６ａを制御し、前記の風量設定情報に
基づいて風量調節手段６ｂを制御し、前記の風向設定情
報に基づいて風向調節手段６ｃを制御し、湿度設定情報
に基づいて湿度調節手段６ｄを制御するようになってい
る。各手段に対する制御自体は、既存の技術を用いて行
えばよい。

【００２７】なお、上記の実施の形態では、「力強い」
や「優しい」といった人の意図を例示したが、これらに
限るものではない。また、前述の（１）乃至（５）の制
御内容は例示であって、これらに限られないことは勿論
である。

【００２８】

【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、使用者が温度設定などのキーの操作を行った際に、
その操作の中に含まれる使用者の意図を推測して制御に
反映させるようにしたので、使用者の要望に合致した空
気調和を行うことができるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】一般的なリモートコントローラの外観構成を示
した平面図である。

【図２】この発明の実施の形態の空気調和機の概略構成
を示したブロック図である。

【図３】この発明の「力強い」という意図に対応する温
度制御内容の一例を示した応答図である。

【図４】この発明の「優しい」という意図に対応する温
度制御内容の一例を示した応答図である。

【符号の説明】

１リモートコントローラ２意図推測手段３設定情報生成手段４センサー５制御手段６空気調和力発生手段６ａ冷暖房手段６ｂ風量調節手段６ｃ風向調節手段６ｄ湿度調節手段

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】室内の空気調和を行う少なくとも冷房又
は暖房手段を備えて成る空気調和力発生手段と、前記空
気調和力発生手段を制御する制御手段と、前記制御手段
の制御に必要な情報を取得するセンサーと、少なくとも
温度設定を行うための入力手段と、少なくとも温度設定
の入力態様から使用者の意図を推測する意図推測手段
と、前記意図推測手段にて推測された意図に対応した設
定情報を生成し、この設定情報を前記制御手段に与える
設定情報生成手段と、を備えたことを特徴とする空気調
和機。
【請求項２】推測された意図が「力強い」またはこれ
に相当するものである場合に、前記設定情報生成手段
は、室内温度が設定温度に対して急速に近づくような設
定情報を生成して前記冷房又は暖房手段に与えるように
なっていることを特徴とする請求項１に記載の空気調和
機。
【請求項３】推測された意図が「優しい」またはこれ
に相当するものである場合に、前記設定情報生成手段
は、室内温度が設定温度に徐々に近づくような設定情報
を生成して前記冷房又は暖房手段に与えるようになって
いることを特徴とする請求項１又は請求項２に記載の空
気調和機。
【請求項４】使用者が設定した設定温度とは別に当該
設定温度よりも冷房時は高く暖房時は低い目標温度を生
成し、室温を当該目標温度に近づける冷暖房制御を行
い、室温が目標温度に達して安定した後に前記手法で目
標温度を再び生成するか或いは前記設定温度を目標温度
とし、室温を当該目標温度に近づける冷暖房制御を行う
ことを特徴とする請求項３に記載の空気調和機。
【請求項５】前記空気調和力発生手段として、風量調
節手段および風向調節手段を備えるとともに、前記意図
推測手段にて所定の意図が推測された場合に、前記設定
情報生成手段が、前記風量調整手段に対して所定の風量
設定情報を、風向調節手段に対して所定の風向設定情報
を、それぞれ与えるようになっていることを特徴とする
請求項１乃至請求項４のいずれかに記載の空気調和機。