JP2008241151A - 空調制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 利用者毎の要望の強度を考慮して空調を制御することができる空調制御システムを提供する。
【解決手段】 空調対象の空間Aの温度を変動させる空調設備装置1と、目標温度に基づいて空調設備装置1の動作を制御する空調制御装置2と、空調制御装置2に目標温度を設定するサーバ装置4と、空間Aに存在する利用者が入力した現在の温熱環境を示す環境情報Infをサーバ装置4へ提供する入力装置3とを備え、サーバ装置4は、入力された環境情報Infに基づいて各利用者の要望を取得する要望情報取得手段41と、入力された環境情報Infに基づいて各利用者の要望の強度を取得する要望強度取得手段42と、各利用者の要望情報Inf1および要望強度Inf2に基づいて目標温度を導出する制御計画立案手段45とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、空調制御システムに関するものである。
近年、温暖化による省エネルギーの社会的要求が高まっている。現在の省エネルギー法は、民生部門に対して、機器単体の省エネルギー性能の向上だけでなく、BEMS(Building and Energy ManagementSystem)などを利用した管理面での省エネルギーも義務付けている。
しかし、ビル管理の実態として、ビル管理者は必ずしも快適性および省エネルギーの観点から冷房、暖房等の空調装置を適切に運用しているわけではない。特に、省エネルギーと快適性とが複雑に関係する居住空間の温熱環境管理(例えば、温度管理)に関しては、管理の容易さから慣習的な目標温度を設定し、温熱環境を享受する利用者からのクレームによって設定値を変更する場合が一般的である。
つまり、建物や居住者の特性を十分に考慮しないで温度管理を行うため、居住空間は必ずしも利用者の快適な状態に保たれず、さらには空調装置で消費されるエネルギーの無駄が発生する場合がある。また、利用者はビル管理者の管理する温熱環境下におり、自己の温熱環境をコントロールできないことに対して不満がある利用者もいる。
このような空調制御の温度管理がもたらす問題に対して、利用者の温熱環境に対する要望を各個人が操作するパーソナルコンピュータ端末(以下、パソコンと称す)からリアルタイムで収集し、収集された各要望に基づいて目標温度を設定する方法があり、利用者が要望する温熱環境と目標温度とをリアルタイムに関連付け、時々刻々と変化する利用者特性や、居住空間の実際の温度と検出温度との差などの各建物の特性に応じて温熱環境を変化させることを可能にしている。(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−205202号公報
上記特許文献1のように、利用者からの要望を用いた空調制御システムでは、各利用者が、「温度を上げてほしい」または「温度を下げてほしい」という単純な要望を入力する1人1票方式であった。そのため、同じ温熱環境下であっても、現在の温熱環境に対する不満の大小は個人によって異なるにも関わらず、そのような利用者毎の要望の強度を表現することができないため、利用者全体の満足度を高めることができなかった。
また、上記要望の強度としては、例えば、「やや暑い」、「暑い」、「非常に暑い」等で表現されるが、利用者の性格等によって要望の強度を決める基準が異なるため、遠慮気味の人は「やや暑い」を使う頻度が多く、自己主張の激しい人は「非常に暑い」の使用を頻発することが考えられ、各利用者に応じた要望強度を設定する必要がある。
また、目標温度や外気温によっても各利用者の快適具合は異なるため、目標温度や外気温に応じた要望強度を設定する必要がある。
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、利用者毎の要望の強度を考慮して空調を制御することができる空調制御システムを提供することにある。
請求項1の発明は、空調対象の空間の温度を変動させる空調設備装置と、目標温度に基づいて空調設備装置の動作を制御する空調制御装置と、空調制御装置に目標温度を設定する中央制御装置と、前記空間に存在する利用者が現在の温熱環境を示す環境情報を入力し、当該環境情報を中央制御装置へ提供する入力装置とを備え、前記中央制御装置は、入力装置からの環境情報に基づいて各利用者の要望を取得する要望情報取得手段と、入力装置からの環境情報に基づいて各利用者の要望の強度を取得する要望強度取得手段と、各利用者の要望情報および要望強度に基づいて前記目標温度を導出する制御計画立案手段とを備えることを特徴とする。
この発明によれば、利用者毎の要望の強度を考慮して空調を制御することができる。
請求項2の発明は、請求項1において、前記中央制御装置は、各利用者の要望強度の履歴を格納する記憶手段と、要望強度の履歴に基づいて、要望強度の正規化を利用者毎に行う正規化手段とを備え、前記制御計画立案手段は、各利用者の要望情報および正規化された要望強度に基づいて前記空間の目標温度を導出することを特徴とする。
この発明によれば、各利用者の性格や傾向を考慮して各利用者の要望強度を正規化し、この正規化された要望強度に基づいて目標温度が決定されるので、利用者の性格や傾向に応じて、利用者の合意に基づいた空調制御を行うことができる。
請求項3の発明は、請求項1において、前記中央制御装置は、各利用者の要望強度の履歴を各要望強度取得時の目標温度に対応させて格納する記憶手段と、現在の目標温度と同一の目標温度のときに取得した要望強度の履歴に基づいて、要望強度の正規化を利用者毎に行う正規化手段とを備え、前記制御計画立案手段は、各利用者の要望情報および正規化された要望強度に基づいて前記空間の目標温度を導出することを特徴とする。
この発明によれば、各利用者の性格や傾向だけでなく、空間内の温度レベルも考慮して各利用者の要望強度を正規化し、この正規化された要望強度に基づいて目標温度が決定されるので、利用者の性格や傾向、空間内の温度レベルに応じて、利用者の合意に基づいた空調制御を行うことができる。
請求項4の発明は、請求項1において、前記中央制御装置は、外気温を測定する測定手段と、各利用者の要望強度の履歴を各要望強度取得時の外気温に対応させて格納する記憶手段と、現在の外気温と同一の外気温のときに取得した要望強度の履歴に基づいて、要望強度の正規化を利用者毎に行う正規化手段とを備え、前記制御計画立案手段は、各利用者の要望情報および正規化された要望強度に基づいて前記空間の目標温度を導出することを特徴とする。
この発明によれば、各利用者の性格や傾向だけでなく、外気温も考慮して各利用者の要望強度を正規化し、この正規化された要望強度に基づいて目標温度が決定されるので、利用者の性格や傾向、外気温に応じて、利用者の合意に基づいた空調制御を行うことができる。
請求項5の発明は、請求項2乃至4いずれかにおいて、前記正規化手段は、要望強度の履歴のうち、最近の要望強度ほど当該要望強度の重みを大きくして、要望強度の正規化を行うことを特徴とする。
この発明によれば、利用者の性格や傾向の変化に応じて、利用者の合意に基づいた空調制御を行うことができる。
請求項6の発明は、請求項1乃至5いずれかにおいて、前記要望強度取得手段は、利用者毎に同一の環境情報を一定時間内に取得した回数に基づいて、要望強度を取得することを特徴とする。
この発明によれば、環境情報は要望情報のみで構成でき、簡略化した環境情報を用いることができる。
以上説明したように、本発明では、利用者毎の要望の強度を考慮して空調を制御することができるという効果がある。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
図1は、本実施形態の空調制御システムの構成を示しており、1乃至複数の利用者が存在し、本システムによって温熱環境を構築する空間(例えば建物内のフロア、各部屋、或いは広域な公共エリア)Aに設置される空調設備装置1及び空調制御装置2と、空間A内の各利用者が現在の温熱環境を示す環境情報Infを入力する通信ネットワークNT(イーサネット(登録商標)等)上の個人用パソコン端末からなる複数の入力装置3と、各入力装置3に通信ネットワークNTを介して接続し、各利用者が入力した温熱環境情報Infに基づいて空間Aの目標温度Toを設定する中央制御装置(以降、サーバ装置と称す)4とで構成される。
サーバ装置4は、入力装置3から通信ネットワークNTを介して取得した温熱環境情報Infに基づいて各利用者の要望情報Inf1を取得する要望情報取得手段41と、入力装置3から通信ネットワークNTを介して受け取った環境情報Infに基づいて各利用者の要望強度Inf2を取得する要望強度取得手段42と、要望強度Inf2を正規化した重み付け要望強度Inf2’を生成する正規化手段43と、要望情報Inf1、重み付け要望強度Inf2’を集計して、該集計内容と判断基準のデータベース44に登録してある判断基準とに基づき、空間Aの目標温度Toを導出し、空調制御装置2へ通信ネットワークNTを介して渡す制御計画立案手段45と、環境情報Inf、要望情報Inf1、要望強度Inf2、目標温度To等の履歴を格納する履歴記憶手段46とで構成される。
本実施形態のシステムに用いる空調設備装置1は、図2(a)に示すように冷凍機(冷却塔)或いはボイラからなる熱源(図示せず)から冷温水の形態で空調機器室100内に設置した空調機101と、空間A内に配設したダクト102と、吹出口104とからなる空調設備で構成され、空調機101内で空気の加熱、冷却(空気との熱交換)を行い、この熱交換された空気を、ダクト102を通じて環境制御対象のフロアたる空間Aに設けられた十数カ所の吹出口104から空間A内に給気するようになっている。還気については空間Aの中央通路より空調機器室100に向け破線で示す還気経路105を確保し、同時に外気を混合し、空気調和を実施する空調設備を用いている。この空調設備では、空調機101が給気温度を変更し、室内温度を制御するようになっている。
ここで本実施形態の温熱環境制御対象の空間Aは、例えばオフィスのフロアであり、この空間Aには図2(b)に示すように机106が多数配置され、これら各机が個人個人により使用されるようなっている。このような空間Aにおいて、温熱環境を享受する利用者使用の机上のパーソナルコンピュータたる入力装置3は、サーバ装置4内の図示しないWEBサーバにアクセスし、環境情報を入力するためのコンテンツを当該WEBサーバから取得することで、環境情報入力手段31を実現している。図示例では全ての入力装置3は通信ネットワークNTを介して、サーバ装置4との交信可能なシステムが構築されているものとし、サーバ装置4と入力装置3との間で、環境情報入力手段31を実現する一般的なブラウザソフトが稼動する。各入力装置3は、環境情報を入力する際に対象となる空調設備装置1の空調番号(当該空調設備装置1の空調エリアを特定する番号)とユニークな識別情報(例えば、個人名もしくはメールアドレス等)が入力され、環境情報Infは、該ユニークな識別情報および空調番号とともにサーバ装置4に引き渡される。
サーバ装置4は本実施形態のシステムの中枢を構成するものであり、データ取得のタイミング等を有し、各入力装置3が起動して環境情報を入力するためのコンテンツが自動的に立ち上がると、この立ち上がりに対応して当該入力装置3に対して、必要なデータを提供する機能を備えている。
つまり環境情報を入力するためのコンテンツは入力装置3が起動すると自動的に立ち上がる設定となっており、立ち上がりと同時にサーバ装置4に対して入力装置3はアクセスを行い、自身の起動を示す信号(識別情報)を送るとともに、質問形式のフォーマットなど必要な情報をサーバ装置4側から取得することで環境情報入力手段31を実現するのである。なお、入力装置3が自身の起動を示す信号をサーバ装置4へ送信する構成は、上記構成に限定されるものではない。
図3は入力装置3の起動後のモニタ画面を示しており、当該入力装置3の利用者が現在の温熱環境を示す環境情報Infを入力する画面であって、「温度を上げてほしい」、「温度を下げてほしい」という温度への要望、および「非常に不快」、「不快」、「やや不快」という快適性を各々選択して入力する画面であって、該当する要望および快適性に対応するチェック欄C1〜C5をマウス等のポインティングデバイスを用いてチェックし、送信釦B1をクリック操作することにより、その時点での特定の利用者が現在の温熱環境を示す環境情報Infが自己の識別情報、空調番号とともにサーバ装置4へアップロードされる。また、この環境情報Infを入力する画面は、入力装置3の起動時だけでなく、利用者の操作またはサーバ装置4からの指示によって、任意のタイミングで入力装置3に当該画面を表示させることができる。なお、サーバ装置4側では、この識別情報によって、図3中の利用者の「名前」、「性別」等の個人属性が特定される。
このようにして入力装置3から入力された環境情報Infに対して、サーバ装置4では図4のフローチャートに沿って処理を行う。まず、サーバ装置4に各入力装置3から環境情報Infが収集されると、要望情報取得手段41は、環境情報Inf中の温度への要望から、各利用者の温度への要望が、「温度を上げてほしい」、「温度を下げてほしい」のいずれであるかを判定することで、「温度を上げてほしい」であれば要望情報Inf1を「+1」とし、「温度を下げてほしい」であれば要望情報Inf1を「−1」とする。また、要望強度取得手段42は、環境情報Inf中の快適性から、各利用者の温度への要望の強度(要望強度)Inf2を「1」「2」「3」のいずれかのポイントPに分類し、「やや不快」であればポイントPを「1」とし、「不快」であればポイントPを「2」とし、「非常に不快」であればポイントPを「3」とする(ステップS1)。これら各利用者の要望情報Inf1および要望強度Inf2は履歴記憶手段46に順次格納される。
そして、要望情報Inf1が正であれば温度を上昇させる要望、負であれば温度を下降させる要望であり、その要望の強度は要望強度Inf2の大きさによって決まる。すなわち、要望強度Inf2によって利用者毎の要望の強度が表現可能となっている。
しかし、各利用者が快適性を入力する際に、個人毎の性格等によって、遠慮気味の人は要望強度の大きい「非常に不快」をあまり使用せず、自己主張の激しい人は要望強度の大きい「非常に不快」を多用する傾向があり、両者の「非常に不快」を同じ要望強度「3」に設定することは、本システムの目的にそぐわない。「不快」、「やや不快」も同様に、個人毎に使用頻度が異なり、同様のことがいえる。
そこで、履歴記憶手段46には、各利用者(識別情報)の過去の要望強度Inf2の履歴が格納されており、正規化手段43は、この履歴に基づいて、要望強度Inf2を利用者毎に正規化する(ステップS2)。この正規化処理は、図5に示す利用者毎(識別情報毎)の要望強度Inf2(ポイントP)に対する出現頻度Fの履歴から、
Figure 2008241151
にしたがって重み係数Wを導出する。例えば、図5であれば、
Figure 2008241151
となる。
そして、正規化手段43は、図6に示すように、各利用者が入力した要望強度Inf2に重み係数Wを乗じて重み付け要望強度Inf2’を算出する。例えば、図5の利用者が入力した快適性が「非常に不快」であれば、環境強度Inf2のポイントPが「3」となり、このポイント「3」に重み係数W「0.52」を乗じた結果「1.56」が、この利用者の重み付け要望強度Inf2’となる。
このように算出された各利用者の重み付け要望強度Inf2’も履歴記憶手段46に順次格納され、制御計画立案手段45は、利用者毎に最新の要望情報Inf1および重み付け要望強度Inf2’を履歴記憶手段46から抽出して有効データとする(ステップS3)。
そして、制御計画立案手段45は、各利用者の要望情報Inf1および重み付け要望強度Inf2’の有効データから要望率を算出し、この要望率を元に合意形成ロジックによる処理を行う(ステップS4)。制御計画立案手段45が行う合意形成ロジックについて、図7(a)のフローチャートに基づいて説明する。まず利用者H1〜H3の要望情報Inf1が「1」、つまり「温度を上げてほしい」であるのに対して、利用者H4の要望情報Inf1が「−1」、つまり「温度を下げてほしい」であり、さらに利用者H1の重み付け要望強度Inf2’が「1.56」、利用者H2の重み付け要望強度Inf2’が「1.00」、利用者H3の重み付け要望強度Inf2’が「1.50」、利用者H4の重み付け要望強度Inf2’が「0.75」であるとする。
利用者H1〜H3の要望が「温度を上げてほしい」、利用者H4の要望が「温度を下げてほしい」である場合、制御計画立案手段45がフローチャートのステップS21で算出する要望率は、「温度を上げてほしい」要望率が[(1.56+1.00+1.50)/(1.56+1.00+1.50+0.75)]となり、「温度を下げてほしい」要望率が[(0.75)/(1.56+1.00+1.50+0.75)]となる。そして、データベース44には図7(b)に示す判定基準が登録してあり、この判断基準の領域と要望率とに基づいたロジックにより目標温度を決定する。つまり条件に適合する領域の決定をステップS22で行い、図7(b)の判定基準に上述の算出した要望率をプロットし、そのプロットする位置が□の範囲の場合には現在の目標温度Toを維持し、▽の場合には、現在の目標温度Toから所定値(例えばΔt=0.5℃)下げた温度を新たな目標温度Toとし、△の範囲内にあれば、現在の目標温度(設定温度)Toから所定値(例えばΔt=0.5℃)上げた温度を新たな目標温度Toとする(ステップS23〜S25)。このプロットによって目標温度Toが決定する(ステップS26)。
目標温度Toが決定されると、この決定した目標温度Toを空調制御装置2に設定するための処理を行う。つまり、新たな目標温度To(目標温度To=目標温度To±Δt)を上述のように図7(b)から求めると(ステップS5)、更に求めた目標温度Toが制御範囲の下限値と上限値の間にあるか否かをチェックする(ステップS6)。
このチェックで範囲内であれば、当該目標温度Toを新しい目標温度Toとして決定する。一方、上限値を越えるか或いは下限値を下回る場合には、上限値或いは下限値を目標温度Toとして決定する(ステップS7)。
この目標温度Toの決定後(ステップS8)、制御計画立案手段45は、空調の制御内容を入力装置3で表示するためのフィードバック情報を更新し(ステップS9)、この後、決定した目標温度Toの情報を空調制御装置2へ送信して、空調制御装置2に新しい目標温度Toを設定する処理を行い(ステップS10)、この処理後ステップS1に戻って以後システムの運転が停止されるまで、上述の動作を繰り返す。空調制御装置2は、空間A内の温度を測定する室温センサ2aを備えており、室温センサ2aが計測した温度計測データが、上記決定された目標温度Toに一致するように空調設備装置1を制御する。なお、上記ステップS9で生成したフィードバック情報は、入力装置3からの要求によって入力装置3へ引き渡され、利用者は、入力装置3に表示された空調の制御内容を確認することができる。
このように、各利用者の性格や傾向を考慮して各利用者の要望強度を正規化し、この正規化された要望強度に基づいて目標温度Toが決定されるので、利用者の性格や傾向に応じて、利用者の合意に基づいた空調制御を行うことができる。
(実施形態2)
本実施形態の空調制御システムの構成は、実施形態1と同様であり、同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。
図8は入力装置3の起動後のモニタ画面を示しており、当該入力装置3の利用者が現在の温熱環境を示す環境情報Infを入力する画面であって、「非常に暑い」、「暑い」、「やや暑い」、「やや寒い」、「寒い」、「非常に寒い」という寒暑感を各々選択して入力する画面であって、該当する寒暑感に対応するチェック欄C11〜C16をマウス等のポインティングデバイスを用いてチェックし、送信釦B2をクリック操作することにより、その時点での特定の利用者が現在の温熱環境を示す環境情報Infが自己の識別情報、空調番号とともにサーバ装置4へアップロードされる。
そして、サーバ装置4に各入力装置3から環境情報Infが収集されると、要望情報取得手段41は、環境情報Inf中の寒暑感から、各利用者の温度への要望が、「温度を上げてほしい」、「温度を下げてほしい」のいずれであるかを判定する。具体的には、「非常に暑い」、「暑い」、「やや暑い」であれば、「温度を下げてほしい」と判定して、要望情報Inf1を「+1」とし、「やや寒い」、「寒い」、「非常に寒い」であれば、「温度を上げてほしい」と判定して、要望情報Inf1を「−1」とする。
また、要望強度取得手段42は、環境情報Inf中の寒暑感から、各利用者の温度への要望の強度(要望強度)Inf2を「1」「2」「3」のいずれかのポイントPに分類する。具体的には、「やや暑い」、「やや寒い」であれば、ポイントPを「1」とし、「暑い」、「寒い」であれば、ポイントPを「2」とし、「非常に暑い」、「非常に寒い」であれば、ポイントPを「3」とする。これら各利用者の要望情報Inf1および要望強度Inf2は履歴記憶手段46に順次格納される。
以降の要望強度Inf2の正規化処理や、目標温度Toの決定処理等は実施形態1と同様であり、説明は省略する。
(実施形態3)
本実施形態の空調制御システムの構成は、実施形態1と同様であり、同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。
本実施形態のサーバ装置4の履歴記憶手段46には、各利用者の要望情報Inf1および要望強度Inf2を取得したときの目標照度Toを各データに対応して格納している。
そして、正規化手段43は、要望強度Inf2を正規化する際に、現在の目標温度Toと同じ目標温度Toであったときに取得した過去の要望強度Inf2を抽出し、これら抽出した履歴に基づいて正規化処理を行う。この正規化処理は、現在の目標温度Toと同じ目標温度Toであったときの利用者毎(識別情報毎)の要望強度Inf2の出現頻度Fから、上記[数1]にしたがって重み係数Wを導出する。そして、正規化手段43は、各利用者が入力した要望強度Inf2に重み係数Wを乗じて重み付け要望強度Inf2’を算出する。
例えば、図9(a)は、目標温度To=26℃および28℃のときの、ある利用者の要望強度Inf2(ポイントP)に対する出現頻度Fの履歴を示しており、上記[数1]より、目標温度To=26℃時の重み係数W11=0.71、目標温度To=28℃時の重み係数W12=0.40となり、目標温度Toを横軸、重み係数Wを縦軸にとったグラフにプロットすると、図9(b)のようになり、この特性は図9(b)中の直線L1のように、目標温度Toが高いほど重み係数Wが低減する直線に近似される。
各利用者の要望強度Inf2は空間A内の温度レベルに影響されており、上記のように、現在の目標温度Toと同じ目標温度Toであったときに取得した過去の要望強度Inf2の履歴に基づいて、利用者毎の要望強度Inf2の正規化を行うことで、空間A内の温度レベルに応じて、利用者の合意に基づいた空調制御を行うことができる。
なお、実施形態2においても、利用者毎の要望強度の正規化を同様に行うことで、上記効果を得ることができる。
(実施形態4)
本実施形態の空調制御システムの構成は、図10に示すように、外気温センサ47を設け、サーバ装置4に測定した外気温Tgのデータを出力しており、サーバ装置4の履歴記憶手段46には、各利用者の要望情報Inf1および要望強度Inf2を取得したときの外気温を各データに対応して格納している。
そして、正規化手段43は、現在の外気温Tgと同じ外気温Tgであったときに取得された過去の要望強度Inf2を抽出し、これら抽出した履歴に基づいて、要望強度Inf2を利用者毎に正規化する。この正規化処理は、現在の外気温Tgと同じ外気温Tgであったときの利用者毎(識別情報毎)の要望強度Inf2の出現頻度Fから、上記[数1]にしたがって重み係数Wを導出する。そして、正規化手段43は、各利用者が入力した要望強度Inf2に重み係数Wを乗じて重み付け要望強度Inf2’を算出する。
例えば、図11(a)は、最暑日(外気温Tg=33℃)および秋口(外気温Tg=22℃)のときの、ある利用者の要望強度Inf2(ポイントP)に対する出現頻度Fの履歴を示しており、上記[数1]より、最暑日の重み係数W21=0.40、秋口の重み係数W22=0.71となり、日時を横軸、重み係数W及び外気温Tgを縦軸にとったグラフにプロットすると(□:重み係数W、■:外気温Tg)図11(b)のようになり、重み係数Wの特性は図11(b)中の曲線L2のように近似される。
各利用者が入力する要望強度Inf2は外気温Tgに影響されており、上記のように、現在の外気温Tgと同じ外気温Tgであったときに取得した過去の要望強度Inf2の履歴に基づいて、利用者毎の要望強度の正規化を行うことで、外気温Tgに応じて、利用者の合意に基づいた空調制御を行うことができる。
なお、実施形態2においても、利用者毎の要望強度の正規化を同様に行うことで、上記効果を得ることができる。
(実施形態5)
本実施形態の空調制御システムの構成は、実施形態1と同様であり、同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。
サーバ装置4の履歴記憶手段46には、各利用者の要望強度Inf2の履歴が格納されており、正規化手段43は、要望強度Inf2を利用者毎に正規化する際に、最近の要望強度Inf2ほど重みを大きくして、実施形態1乃至4いずれかと同様の正規化処理を行う。
各利用者が入力する要望強度Inf2の傾向は、月日の経過によって変化する場合があり、本実施形態のように最近の要望強度Inf2ほど重みを大きくして、利用者毎の要望強度の正規化を行うことで、利用者の性格や傾向の変化に応じて、利用者の合意に基づいた空調制御を行うことができる。
(実施形態6)
本実施形態の空調制御システムの構成は、実施形態1と同様であり、同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。
図12は入力装置3の起動後のモニタ画面を示しており、当該入力装置3の利用者が現在の温熱環境を示す環境情報Infを入力する画面であって、「温度を上げてほしい」、「温度を下げてほしい」という温度への要望を各々選択して入力する画面であって、該当する温度への要望に対応するチェック欄C21,C22をマウス等のポインティングデバイスを用いてチェックし、送信釦B3をクリック操作することにより、その時点での特定の利用者が現在の温熱環境を示す環境情報Infが自己の識別情報、空調番号とともにサーバ装置4へアップロードされる。
そして、サーバ装置4に各入力装置3から環境情報Infが収集されると、要望情報取得手段41は、環境情報Infから、各利用者の温度への要望が、「温度を上げてほしい」、「温度を下げてほしい」のいずれであるかを判定することで、「温度を上げてほしい」であれば要望情報Inf1を「+1」とし、「温度を下げてほしい」であれば要望情報Inf1を「−1」とする。
また、要望強度取得手段42は、同一内容の環境情報Infが、一定時間内に入力された回数(連続入力回数)をカウントし、このカウント回数によって、各利用者の温度への要望の強度(要望強度)Inf2を「1」「1.5」「2」のいずれかのポイントPに分類する。具体的には、一定時間内に1回の入力(通常入力)であれば、ポイントPを「1」とし、一定時間内に連続2回の入力であれば、ポイントPを「1.5」とし、一定時間内に連続3回以上の入力であれば、ポイントPを「2」とする。これら各利用者の要望情報Inf1および要望強度Inf2は履歴記憶手段46に順次格納される。
一般に、要望強度が強いほど、利用者は連続して同一内容の環境情報Infを入力する傾向がある。例えば、図13(a)は、遠慮気味の利用者が入力したある環境情報Inf(「温度を上げてほしい」または「温度を下げてほしい」)の履歴を示し、図13(b)は、自己主張の激しい利用者が入力したある環境情報Inf(「温度を上げてほしい」または「温度を下げてほしい」)の履歴を示しており、通常入力、連続2回入力、連続3回以上入力の各出現頻度Fを表している。
そして、正規化手段43は、この履歴に基づいて、要望強度Inf2を利用者毎に正規化する。この正規化処理は、図13に示す利用者毎(識別情報毎)の要望強度Inf2(ポイントP)に対する出現頻度Fの履歴から、上記[数1]にしたがって重み係数Wを導出する。例えば、図13(a)の場合は、重み係数W31=0.87、図13(b)の場合は、重み係数W32=0.56となる。
このように、同一の環境情報Infの連続入力回数をカウントして要望強度Inf2を取得するので、環境情報Infは要望情報Inf1のみで構成でき、簡略化した環境情報Infを用いることができる。
以降の要望強度Inf2の正規化処理や、目標温度Toの決定処理等は実施形態1乃至5いずれかと同様であり、説明は省略する。
実施形態1の空調制御システムの構成を示す図である。 同上の空調制御対象の空間を示す図であって、(a)は空間における空調設備の配置例図、(b)は空間における入力装置及びサーバ装置の配置例図である。 同上の入力装置のモニタ画面を示す図である。 同上のサーバ装置による空調制御処理のフローチャートを示す図である。 同上の要望強度の出現頻度を示す図である。 同上の重み付け要望強度の算出処理を示す図である。 (a)は同上の制御計画立案手段の動作説明用フローチャート、(b)は合意形成のロジックの説明図である。 実施形態2の空調制御システムの入力装置のモニタ画面を示す図である。 (a)は実施形態3の空調制御システムの要望強度の出現頻度を示す図、(b)は算出された重み係数を示す図である。 実施形態4の空調制御システムの構成を示す図である。 (a)は同上の要望強度の出現頻度を示す図、(b)は算出された重み係数を示す図である。 実施形態6の空調制御システムの入力装置のモニタ画面を示す図である。 (a)(b)は同上の要望強度の出現頻度を示す図である。
符号の説明
1 空調設備装置
2 空調制御装置
3 入力装置
4 サーバ装置
41 要望情報取得手段
42 要望強度取得手段
43 正規化手段
44 データベース
45 制御計画立案手段
46 履歴記憶手段
A 空間
NT 通信ネットワーク

Claims (6)

  1. 空調対象の空間の温度を変動させる空調設備装置と、目標温度に基づいて空調設備装置の動作を制御する空調制御装置と、空調制御装置に目標温度を設定する中央制御装置と、前記空間に存在する利用者が現在の温熱環境を示す環境情報を入力し、当該環境情報を中央制御装置へ提供する入力装置とを備え、
    前記中央制御装置は、入力装置からの環境情報に基づいて各利用者の要望を取得する要望情報取得手段と、入力装置からの環境情報に基づいて各利用者の要望の強度を取得する要望強度取得手段と、各利用者の要望情報および要望強度に基づいて前記目標温度を導出する制御計画立案手段とを備える
    ことを特徴とする空調制御システム。
  2. 前記中央制御装置は、各利用者の要望強度の履歴を格納する記憶手段と、要望強度の履歴に基づいて、要望強度の正規化を利用者毎に行う正規化手段とを備え、前記制御計画立案手段は、各利用者の要望情報および正規化された要望強度に基づいて前記空間の目標温度を導出することを特徴とする請求項1記載の空調制御システム。
  3. 前記中央制御装置は、各利用者の要望強度の履歴を各要望強度取得時の目標温度に対応させて格納する記憶手段と、現在の目標温度と同一の目標温度のときに取得した要望強度の履歴に基づいて、要望強度の正規化を利用者毎に行う正規化手段とを備え、前記制御計画立案手段は、各利用者の要望情報および正規化された要望強度に基づいて前記空間の目標温度を導出することを特徴とする請求項1記載の空調制御システム。
  4. 前記中央制御装置は、外気温を測定する測定手段と、各利用者の要望強度の履歴を各要望強度取得時の外気温に対応させて格納する記憶手段と、現在の外気温と同一の外気温のときに取得した要望強度の履歴に基づいて、要望強度の正規化を利用者毎に行う正規化手段とを備え、前記制御計画立案手段は、各利用者の要望情報および正規化された要望強度に基づいて前記空間の目標温度を導出することを特徴とする請求項1記載の空調制御システム。
  5. 前記正規化手段は、要望強度の履歴のうち、最近の要望強度ほど当該要望強度の重みを大きくして、要望強度の正規化を行うことを特徴とする請求項2乃至4いずれか記載の空調制御システム。
  6. 前記要望強度取得手段は、利用者毎に同一の環境情報を一定時間内に取得した回数に基づいて、要望強度を取得することを特徴とする請求項1乃至5いずれか記載の空調制御システム。
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