JPH1025289A - ジオキサテトラセンジオン誘導体 - Google Patents

ジオキサテトラセンジオン誘導体

Info

Publication number
JPH1025289A
JPH1025289A JP18220096A JP18220096A JPH1025289A JP H1025289 A JPH1025289 A JP H1025289A JP 18220096 A JP18220096 A JP 18220096A JP 18220096 A JP18220096 A JP 18220096A JP H1025289 A JPH1025289 A JP H1025289A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
formula
layer
dioxatetracenedione
derivative
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP18220096A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3618911B2 (ja
Inventor
Shunichi Matsumoto
俊一 松本
Hirobumi Kawaguchi
博文 川口
Yasushi Mizuta
泰史 水田
Akio Sugai
章雄 菅井
Nobuko Akiba
伸子 秋葉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Mita Industrial Co Ltd
Original Assignee
Mita Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mita Industrial Co Ltd filed Critical Mita Industrial Co Ltd
Priority to JP18220096A priority Critical patent/JP3618911B2/ja
Publication of JPH1025289A publication Critical patent/JPH1025289A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3618911B2 publication Critical patent/JP3618911B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 電子輸送剤として好適である、新規なジオキ
サテトラセンジオン誘導体と、それを用いた高感度の電
子写真感光体とを提供する。 【解決手段】 一般式(1) で表されるジオキサテトラセ
ンジオン誘導体。またこの電子写真感光体は、ジオキサ
テトラセンジオン誘導体(1) を含む感光層を備えてい
る。 〔式中、Xは一般式(a) 又は(b) で表される基、R
びRはアルキル基、アルコキシ基、アリール基又はア
ルコキシカルボニル基、aは0〜4、bは0〜3の整数
を示す〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なジオキサテ
トラセンジオン誘導体と、それを用いた、たとえば静電
式複写機、レーザービームプリンタ、普通紙ファクシミ
リ装置等の画像形成装置に使用される電子写真感光体に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記画像形成装置においては、光照射に
よって電荷を発生する電荷発生剤、発生した電荷を輸送
する電荷輸送剤、およびこれらの物質が分散される層を
構成する結着樹脂等からなる、いわゆる有機感光体(OP
C) が広く使用されている。有機感光体としては、大別
して、電荷発生剤と電荷輸送剤とを同一の層中に含有さ
せた単層型の感光層を備えたものと、電荷発生剤を含む
電荷発生層と、電荷輸送剤を含む電荷輸送層とを積層し
た積層型の感光層を備えたものとがあり、このうち積層
型の感光層を備えた感光体が一般的である。また上記積
層型の感光層は、機械的強度の面から、電荷発生層より
も膜厚の厚い電荷輸送層を、感光体の外側に配置するの
が一般的である。
【0003】これらの感光体に使用される電荷輸送剤と
しては、正孔輸送性のものと電子輸送性のものとがある
が、現在知られている電荷輸送剤のうち、感光体に実用
的な感度を付与しうるキャリヤ移動度の高いものは、そ
の多くが正孔輸送性である。このため、現在実用化され
ている有機感光体は、前述した感光体の外側に電荷輸送
層を設けた積層型の場合、負帯電型となる。
【0004】しかし、上記負帯電型の積層型感光層を有
する感光体は、オゾンの発生量が多い負極性コロナ放電
によって帯電させる必要があり、オゾンによる環境への
影響や、あるいは感光体自体の劣化が問題となる。そこ
でこのような問題を解決するために、キャリヤ移動度の
高い電子輸送剤の開発、検討がなされており、たとえば
特開平1−206349号公報には、ジフェノキノン構
造を有する化合物を電子輸送剤として使用することが提
案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらジフェノ
キノン類等の従来の電子輸送剤は、一般に結着樹脂との
相溶性に乏しく、均一に分散されないため、電子のホッ
ピング距離が長くなり、とくに低電界での電子移動が生
じにくい。そのため、従来の電子輸送剤はそれ自体、高
いキャリヤ移動度を有するものが種々提案されている
が、これを実際に感光体に使用した際には、その特性が
十分に発揮されず、感光体の残留電位が高くなり、光感
度が不十分であった。
【0006】また、前記のように現在、実用化されてい
る有機感光体の多くは積層型の感光層を備えたものであ
るが、これに比べて単層型の感光層を備えた感光体は構
造が簡単で製造が容易である上、被膜欠陥の発生を抑制
し、光学的特性を向上させる点でも多くの利点がある。
しかもこのような単層型の感光層を備えた感光体は、た
とえば電荷輸送剤として電子輸送剤と正孔輸送剤とを併
用することで、1つの感光体を正帯電型および負帯電型
の両方に使用でき、感光体の応用範囲を拡げられる可能
性があるが、前記ジフェノキノン類等の従来の電子輸送
剤は、正孔輸送剤との相互作用により、電子および正孔
の輸送を阻害するという問題があるため、かかる単層型
の感光層を備えた感光体は、広く実用化されるに至って
いない。
【0007】本発明の目的は、上記の技術的な課題を解
決し、電子写真感光体などの電子輸送剤として好適な新
規化合物と、それを用いた、従来に比べて高感度の電子
写真感光体とを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の、本発明のジオキサテトラセンジオン誘導体は、一般
式(1) :
【0009】
【化8】
【0010】〔式中Xは一般式(a) :
【0011】
【化9】
【0012】または一般式(b) :
【0013】
【化10】
【0014】で表される基を示し、式(a) 中のR3aおよ
びR3bは同一または異なるアルキル基、式(b) 中のR4a
およびR4bは同一または異なって水素原子、アルキル
基、シアノ基、アルコキシカルボニル基またはアシル基
を示す。ただしR4a、R4bは同時に水素原子でない。R
1 およびR2 は同一または異なってアルキル基、アルコ
キシ基、アリール基またはアルコキシカルボニル基を示
し、aは0〜4の整数、bは0〜3の整数を示す。ただ
しaまたはbが2以上であるとき、各R1 、R2 は異な
ってもよい。〕で表されることを特徴とするものであ
る。
【0015】かかる本発明のジオキサテトラセンジオン
誘導体は電子受容性にすぐれており、従来のジフェノキ
ノン系化合物よりも高い電子輸送能を示すとともに、電
荷発生剤(顔料)とのマッチングにすぐれており、当該
電荷発生剤からの電子の注入が円滑に行われる。また上
記ジオキサテトラセンジオン誘導体は、溶剤への溶解性
および結着樹脂との相溶性が良好であり、感光層中に均
一に分散されるため、電子のホッピング距離が短く、と
くに低電界での電子輸送性にすぐれている。それゆえ本
発明のジオキサテトラセンジオン誘導体は、電子写真感
光体の電子輸送剤としての機能にすぐれている。
【0016】また、本発明のジオキサテトラセンジオン
誘導体は、その高い電子輸送能を利用して、太陽電池、
エレクトロルミネッセンス素子などの用途に使用するこ
ともできる。また、本発明の電子写真感光体は、導電性
基体上に、上記一般式(1) で表されるジオキサテトラセ
ンジオン誘導体を含む感光層を設けたことを特徴とする
ものであり、高感度である。
【0017】すなわち上記ジオキサテトラセンジオン誘
導体を含む感光層は、低電界での電子輸送性にすぐれる
とともに、層中で電子と正孔が再結合する割合が減少
し、見かけの電荷発生効率が実際の値に近づく結果、感
光体の感度が向上する。また感光体の残留電位も低くな
り、繰り返し露光を行った際の安定性、耐久性も向上す
る。
【0018】とくにジオキサテトラセンジオン誘導体
は、電子および正孔の輸送を阻害する、正孔輸送剤との
相互作用を生じないため、とくに同じ層中に正孔輸送剤
が含有される単層型の感光層に使用した際に、より高感
度の感光体を構成できる。また、上記ジオキサテトラセ
ンジオン誘導体とともに、前記一般式(EA1) で表され、
かつその酸化還元電位が−0.8〜−1.4Vであるジ
フェノキノン系化合物を電子受容性化合物として併用す
ると、当該電子受容性化合物が、電荷発生剤から電子を
引き抜いてジオキサテトラセンジオン誘導体に伝達する
働きをするため、電荷発生剤からジオキサテトラセンジ
オン誘導体への電子の注入がさらに円滑になり、感光体
の感度がさらに向上する。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を説明する。ま
ず、本発明のジオキサテトラセンジオン誘導体のうち、
前記一般式(1) 中のXが一般式(a) :
【0020】
【化11】
【0021】で表される基である、一般式(11):
【0022】
【化12】
【0023】〔上記両式中の各符号は、前記と同じであ
る。〕で表される化合物について説明する。上記のジオ
キサテトラセンジオン誘導体(11)は、本来的に電子受容
性にすぐれているジオキサテトラセンジオン環に、電子
受容性である−SO2 −を有するスルファモイル基導入
するとともに、このスルファモイル基の末端の水素原子
を、溶剤への溶解性および結着樹脂との相溶性の向上に
寄与しうるアルキル基に置換したものであって、高い電
子輸送能を示すとともに、溶剤への溶解性や結着樹脂と
の相溶性にすぐれている。
【0024】かかるジオキサテトラセンジオン誘導体(1
1)を合成するには、まず一般式(11a) :
【0025】
【化13】
【0026】で表されるジオキサテトラセンジオン誘導
体と濃硫酸とを、反応温度50〜60℃程度で反応させ
たのち塩析して、一般式(11b) :
【0027】
【化14】
【0028】で表されるスルホン酸ナトリウム体をえ
る。ついでこのスルホン酸ナトリウム体(11b) と、塩化
スルホニル〔SO2 Cl2 〕とを、たとえば少量のジメ
チルホルムアミドの存在下で、反応温度55〜65℃程
度で反応させて、一般式(11c) :
【0029】
【化15】
【0030】で表されるスルホニルクロリド体をえる。
そしてこのスルホニルクロリド体を、一般式(11d) :
【0031】
【化16】
【0032】で表されるアミン化合物とを、たとえばテ
トラヒドロフラン等の溶媒中で、反応温度30〜35℃
で反応させると、ジオキサテトラセンジオン誘導体(11)
がえられる。上記ジオキサテトラセンジオン誘導体(11)
の具体例としては、これに限定されないがたとえば、式
(11-1)で表される化合物があげられる。
【0033】
【化17】
【0034】つぎに、本発明のジオキサテトラセンジオ
ン誘導体のうち、前記一般式(1) 中のXが一般式(b) :
【0035】
【化18】
【0036】で表される基である、一般式(12):
【0037】
【化19】
【0038】〔上記両式中の各符号は、前記と同じであ
る。〕で表される化合物について説明する。上記のジオ
キサテトラセンジオン誘導体(12)は、前述したように本
来的に電子受容性にすぐれているジオキサテトラセンジ
オン環にビニル基を導入して、分子のπ電子共役系を拡
げることにより、電子受容性を高めるとともに溶剤への
溶解性および結着樹脂との相溶性を向上し、また上記ビ
ニル基の末端に、溶剤への溶解性および結着樹脂との相
溶性の向上に寄与しうるアルキル基、または電子受容性
であるシアノ基、アルコキシカルボニル基、アシル基を
置換して、これらの作用を補強したものである。
【0039】よってジオキサテトラセンジオン誘導体(1
2)は、上述したビニル基の作用と、このビニル基の末端
に置換した置換基の作用とによって、高い電子輸送能を
示すとともに、溶剤への溶解性や結着樹脂との相溶性に
すぐれている。かかるジオキサテトラセンジオン誘導体
(12)を合成するには、下記反応工程式に示すように、一
般式(12a) で表されるジオキサテトラセンジオン誘導体
のアルデヒド体と、一般式(12b) で表される亜りん酸エ
ステル誘導体とを、たとえば水素化ナトリウムの存在
下、テトラヒドロフラン等の溶媒中で、反応温度20℃
前後で反応させればよい。
【0040】
【化20】
【0041】上記ジオキサテトラセンジオン誘導体(12)
の具体例としては、これに限定されないがたとえば、式
(12-1)で表される化合物があげられる。
【0042】
【化21】
【0043】なお、上記各式中のR1 、R2 に相当する
アルキル基としては、たとえばメチル、エチル、ノルマ
ルプロピル、イソプロピル、ノルマルブチル、イソブチ
ル、第2級ブチル、第3級ブチル、ペンチル、ヘキシル
等の、炭素数1〜6のアルキル基があげられ、アルコキ
シ基としては、たとえばメトキシ、エトキシ、ノルマル
プロポキシ、イソプロポキシ、ノルマルブトキシ、イソ
ブトキシ、第2級ブトキシ、第3級ブトキシ、ペンチル
オキシ、ヘキシルオキシ等があげられる。
【0044】またアリール基としては、たとえばフェニ
ル、トリル、キシリル、ビフェニリル、o−テルフェニ
ル、ナフチル、アントリル、フェナントリル等があげら
れ、アルコキシカルボニル基としては、たとえばメトキ
シカルボニル、エトキシカルボニル、ノルマルプロポキ
シカルボニル、イソプロポキシカルボニル、第3級ブト
キシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシル
オキシカルボニル等があげられる。
【0045】またR3a、R3b、R4a、R4bに相当するア
ルキル基としては、前記と同様の低級アルキル基、とく
にメチル、エチル、ノルマルプロピル、イソプロピル、
ノルマルブチル等の炭素数1〜4のアルキル基があげら
れる。またR4a、R4bに相当するアルコキシカルボニル
基としては、前記と同様の基があげられ、アシル基とし
ては、たとえばアセチル、プロピオニル、ブチリル、イ
ソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ベ
ンゾイル、2−ナフトイル、o−トルオイル等があげら
れる。
【0046】また上記各基は置換基を有していてもよ
く、かかる置換基としては、たとえばふっ素、塩素、臭
素、よう素等のハロゲン原子や、あるいは前述したアル
キル基、アルコキシ基、アリール基、シアノ基、アルコ
キシカルボニル基、アシル基等があげられる。つぎに、
本発明の電子写真感光体について説明する。
【0047】本発明の電子写真感光体は、導電性基体上
に、前記一般式(1) で表される本発明のジオキサテトラ
センジオン誘導体の1種または2種以上を電子輸送剤と
して含有する感光層を設けたものである。感光層には、
いわゆる単層型感光層と積層型感光層とがあるが、本発
明はこのいずれにも適用可能である。単層型の感光層
は、電子輸送剤であるジオキサテトラセンジオン誘導体
(1) を、電荷発生剤とともに結着樹脂中に含有させたも
のである。かかる単層型の感光層は、前述したように単
独の構成で正負いずれの帯電にも対応できるとともに、
層構成が簡単で生産性にすぐれている。また、先に形成
した層上に層を塗り重ねる場合のように被膜欠陥が発生
するのを抑制できること、層間の界面が少なく、光学的
特性を向上できること等の利点もある。
【0048】また上記ジオキサテトラセンジオン誘導体
(1) を電子輸送剤として、正孔輸送性にすぐれた正孔輸
送剤と併用した単層型の感光層は、前述したようにジオ
キサテトラセンジオン誘導体(1) が正孔輸送剤との相互
作用を生じないため、さらに高感度である。つまり両輸
送剤は、電子輸送および正孔輸送が効率よく起こる高濃
度で同一層中に含有させても、層中で電荷移動錯体が形
成されないため、電子輸送剤であるジオキサテトラセン
ジオン誘導体(1) は電子を、正孔輸送剤は正孔を、それ
ぞれ効率よく輸送でき、その結果、感光体の残留電位が
大きく低下して、感度が向上する。
【0049】一方、積層型の感光層は、導電性基体上
に、電荷発生剤を含有する電荷発生層と、電荷輸送剤を
含有する電荷輸送層とをこの順で、あるいは逆の順で積
層、形成したものである。ただし電荷発生層は、電荷輸
送層に比べて膜厚がごく薄いため、その保護のために
は、導電性基体上に電荷発生層を形成し、その上に電荷
輸送層を形成するのが好ましい。
【0050】積層型感光層は、上記電荷発生層、電荷輸
送層の形成順序と、電荷輸送層に使用する電荷輸送剤の
種類によって、正負いずれの帯電型となるかが選択され
る。たとえば上記の、導電性基体上に電荷発生層を形成
し、その上に電荷輸送層を形成した層構成において、電
荷輸送層の電荷輸送剤として、本発明のジオキサテトラ
センジオン誘導体(1) のような電子輸送剤を使用した場
合には、感光層は正帯電型となる。この場合、電荷発生
層には正孔輸送剤を含有させてもよい。
【0051】一方、上記の層構成において、電荷輸送層
の電荷輸送剤として正孔輸送剤を使用した場合には、感
光層は負帯電型となる。この場合には、電荷発生層に、
本発明のジオキサテトラセンジオン誘導体(1) を、電子
輸送剤として含有させればよい。また本発明の感光体に
おいては、ジオキサテトラセンジオン誘導体(1) ととも
に、酸化還元電位が−0.8〜−1.4Vである電子受
容性化合物を併用するのが好ましい。
【0052】上記電子受容性化合物は、そのLUMO
〔Lowest Unoccupied Molecular Orbital 、基底空分子
軌道〕のエネルギー凖位が電荷発生剤のそれよりも低い
ため、光照射による電荷発生剤での電子・正孔対の生成
の際に、電荷発生剤から電子を引き抜く働きをする。こ
のため、電荷発生剤中での電子と正孔の再結合による消
失の割合が減少して、電荷発生効率が向上する。
【0053】また上記電子受容性化合物は、電荷発生剤
から引き抜いた電子を、電子輸送剤であるジオキサテト
ラセンジオン誘導体に効率よく伝達する働きもする。こ
のため上記両者の併用系では、電荷発生剤からの電子の
注入と輸送がスムーズに行われ、感光体の感度がさらに
向上する。電子受容性化合物の酸化還元電位が上記範囲
内に限定されるのは、以下の理由による。
【0054】すなわち、酸化還元電位が−0.8Vより
も低い電子受容性化合物は、トラップ−脱トラップを繰
り返しながら移動する電子を脱トラップ不可能なレベル
に落とし込み、キャリヤトラップを生じるために電子輸
送の妨げとなり、その結果、感光体の感度が低下する。
また逆に、酸化還元電位が−1.4Vより高い電子受容
性化合物の場合は、LUMOのエネルギー準位が電荷発
生剤よりも高くなり、電子・正孔対の生成の際に、電子
を電荷発生剤から引き抜く働きをしないため、電荷発生
効率の向上につながらず、やはり感光体の感度が低下し
てしまう。
【0055】なお、上記電子受容性化合物の酸化還元電
位は、感光体の感度を考慮すると、上記範囲内でもとく
に、−0.85〜−1.00Vであるのが好ましい。酸
化還元電位の測定は、たとえば以下の材料を用い、3電
極式のサイクリックボルターメトリーにして行う。 電極:作用電極(グラッシーカーボン電極)、対極(白
金電極) 参照電極:銀硝酸電極(0.1モル/リットルAgNO
3 −アセトニトリル溶液) 測定溶液 電解質:過塩素酸テトラ−n−ブチルアンモニウム0.
1モル 測定物質:電子受容性化合物 0.001モル 溶剤:CH2 Cl2 1リットル 以上の材料を調合して測定溶液を調製する。
【0056】そして図1に示すように、索引電圧(V)
と電流(μA)との関係を求めて、同図に示すE1 とE
2 とを測定し、以下の計算式により酸化還元電位を求め
る。 酸化還元電位=(E1 +E2 )/2 (V) かかる電子受容性化合物としては、電子受容性を有し、
かつその酸化還元電位が−0.8〜−1.4Vの範囲内
である化合物であればとくに制限はなく、たとえばベン
ゾキノン系化合物;ナフトキノン系化合物;アントラキ
ノン系化合物;ジフェノキノン系化合物;マロンニトリ
ル系化合物;チオピラン系化合物;2,4,8−トリニ
トロチオキサントン;3,4,5,7−テトラニトロ−
9−フルオレノン等のフルオレノン系化合物;ジニトロ
アントラセン;ジニトロアクリジン;ニトロアントラキ
ノン;ジニトロアントラキノン等の電子受容性を有する
化合物の中から、酸化還元電位が前記の範囲内である化
合物が、選択して使用される。
【0057】ただし電荷発生剤や、本発明のジオキサテ
トラセンジオン誘導体との相性を考慮すると、上記例示
の各化合物の中でもとくに、一般式(EA1) :
【0058】
【化22】
【0059】〔式中Ra1、Ra2、Ra3およびRa4は、同
一または異なって、水素原子、アルキル基、アルコキシ
基、アリール基、アラルキル基、シクロアルキル基、置
換基を有していてもよいアミノ基を示す。〕で表される
ジフェノキノン系化合物に属し、かつ酸化還元電位が前
記の範囲内である化合物が最も好適に使用される。
【0060】なお、上記式中のRa1、Ra2、Ra3および
a4は、これに限定されるものではないが、そのうちの
2つ以上が同一の基であるのが好ましい。上記Ra1、R
a2、Ra3およびRa4に相当するアルキル基、アルコキシ
基およびアリール基としては、前記と同様の基があげら
れる。またアラルキル基としては、たとえばベンジル、
ベンズヒドリル、トリチル、フェネチルなどがあげら
れ、シクロアルキル基としては、たとえばシクロプロピ
ル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルな
どの、炭素数3〜6のシクロアルキル基があげられる。
また、置換基を有していてもよいアミノ基としては、た
とえばアミノのほか、モノメチルアミノ、ジメチルアミ
ノ、モノエチルアミノ、ジエチルアミノなどがあげられ
る。
【0061】かかるジフェノキノン系化合物の具体例と
しては、これに限定されないがたとえば、式(EA1-1) で
表される3,5−ジメチル−3′,5′−ジt−ブチル
−4,4′−ジフェノキノン(酸化還元電位−0.86
V)や、式(EA1-2) で表される3,5,3′,5′−テ
トラキス(t−ブチル)−4,4′−ジフェノキノン
(酸化還元電位−0.94V)などがあげられる。
【0062】
【化23】
【0063】これらの電子受容性化合物は、それぞれ単
独で使用できる他、二種以上を併用することもできる。
本発明の電子写真感光体に用いられる電荷発生剤、正孔
輸送剤および結着樹脂は、次のとおりである。 《電荷発生剤》電荷発生剤としては、たとえばセレン、
セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化カドミウム、α−
シリコン等の無機光導電材料の粉末や、あるいはフタロ
シアニン系顔料、ペリレン系顔料、ビスアゾ系顔料、ジ
チオケトピロロピロール系顔料、ナフタロシアニン系顔
料、スクアライン系顔料、モノアゾ系顔料、トリスアゾ
系顔料、アンサンスロン系顔料、インジゴ系顔料、アズ
レニウム系顔料、シアニン系顔料、トリフェニルメタン
系顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン
系顔料、キナクリドン系顔料、ピリリウム塩等があげら
れる。これら電荷発生剤は、目的とする感光体の感度領
域にあわせて、それぞれ単独で使用される他、2種以上
を併用することもできる。
【0064】上記例示の電荷発生剤の中でもとくに好適
なものとしては、X型無金属フタロシアニン、オキソチ
タニルフタロシアニン等のフタロシアニン系顔料や、ペ
リレン系顔料、ビスアゾ系顔料等があげられる。このう
ちフタロシアニン系顔料は、ジオキサテトラセンジオン
誘導体(1) とのマッチングにすぐれているとともに、7
00nm以上の波長領域の光に対して高感度であり、し
たがって上記の波長領域の光源を使用するデジタル光学
系の画像形成装置に好適に使用される。
【0065】またペリレン系顔料、ビスアゾ系顔料はと
もに、やはりジオキサテトラセンジオン誘導体(1) との
マッチングにすぐれているとともに、可視領域の光に対
して高感度であり、したがって上記の波長領域の光源を
使用するアナログ光学系の画像形成装置に好適に使用さ
れる。 《正孔輸送剤》正孔輸送剤としては、たとえばベンジジ
ン系化合物、フェニレンジアミン系化合物、ナフチレン
ジアミン系化合物、フェナントリレンジアミン系化合
物、オキサジアゾール系化合物〔たとえば2,5−ジ
(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジ
アゾール等〕、スチリル系化合物〔たとえば9−(4−
ジエチルアミノスチリル)アントラセン等〕、カルバゾ
ール系化合物〔たとえばポリ−N−ビニルカルバゾール
等〕、有機ポリシラン化合物、ピラゾリン系化合物〔た
とえば1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニ
ル)ピラゾリン等〕、ヒドラゾン系化合物、トリフェニ
ルアミン系化合物、インドール系化合物、オキサゾール
系化合物、イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化
合物、チアジアゾール系化合物、イミダゾール系化合
物、ピラゾール系化合物、トリアゾール系化合物、ブタ
ジエン系化合物、ピレン−ヒドラゾン系化合物、アクロ
レイン系化合物、カルバゾール−ヒドラゾン系化合物、
キノリン−ヒドラゾン系化合物、スチルベン系化合物、
スチルベン−ヒドラゾン系化合物、およびジフェニレン
ジアミン系化合物等が好適に使用される。これらはそれ
ぞれ単独で使用される他、2種以上を併用することもで
きる。 《結着樹脂》結着樹脂としては、たとえばスチレン系重
合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アク
リロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合
体、アクリル系重合体、スチレン−アクリル系共重合
体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩
素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、アル
キッド樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、ポリカーボネ
ート、ポリアリレート、ポリスルホン、ジアリルフタレ
ート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポ
リエーテル樹脂等の熱可塑性樹脂や、シリコーン樹脂、
エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹
脂その他架橋性の熱硬化性樹脂、さらにエポキシ−アク
リレート、ウレタン−アクリレート等の光硬化性樹脂等
があげられる。これら結着樹脂は単独で使用できるほ
か、2種以上を併用することもできる。 《電子輸送剤》本発明の電子写真感光体には、前記本発
明のジオキサテトラセンジオン誘導体(1) とともに、他
の電子輸送剤を併用することもできる。
【0066】かかる電子輸送剤としては、たとえばベン
ゾキノン系化合物、ジフェノキノン系化合物、ナフトキ
ノン系化合物、マロノニトリル、チオピラン系化合物、
テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、ク
ロルアニル、ブロモアニル、2,4,8−トリニトロチ
オキサントン、フルオレノン系化合物〔たとえば2,
4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,7−
トリニトロ−9−ジシアノメチレンフルオレノン等〕、
2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8
−トリニトロチオキサントン、ジニトロベンゼン、ジニ
トロアントラセン、ジニトロアクリジン、ニトロアント
ラキノン、ジニトロアントラキノン、無水こはく酸、無
水マレイン酸、ジブロモ無水マレイン酸、2,4,7−
トリニトロフルオレノンイミン系化合物、エチル化ニト
ロフルオレノンイミン系化合物、トリプトアントリン系
化合物、トリプトアントリンイミン系化合物、アザフル
オレノン系化合物、ジニトロピリドキナゾリン系化合
物、チオキサンテン系化合物、2−フェニル−1,4−
ベンゾキノン系化合物、2−フェニル−1,4−ナフト
キノン系化合物、5,12−ナフタセンキノン系化合
物、α−シアノスチルベン系化合物、4′−ニトロスチ
ルベン系化合物、ならびに、ベンゾキノン系化合物の陰
イオンラジカルとカチオンとの塩等の、種々の電子吸引
性化合物が好適に使用される。これらはそれぞれ単独で
使用される他、2種以上を併用することもできる。
【0067】次に、本発明の電子写真感光体の製造方法
について説明する。単層型の感光層を有する電子写真感
光体を得るには、本発明のジオキサテトラセンジオン誘
導体(1) を、電荷発生剤や結着樹脂、さらに必要に応じ
て正孔輸送剤や他の電子輸送剤等と共に適当な溶剤に溶
解または分散した塗布液を、塗布等の手段によって導電
性基体上に塗布し、乾燥させればよい。
【0068】上記単層型の感光層においては、結着樹脂
100重量部に対して電荷発生剤は0.1〜50重量
部、好ましくは0.5〜30重量部の割合で配合され、
本発明のジオキサテトラセンジオン誘導体(1) を含む電
子輸送剤は5〜100重量部、好ましくは10〜80重
量部の割合で配合される。また正孔輸送剤は5〜500
重量部、好ましくは25〜200重量部の割合で配合さ
れる。さらに、電子輸送剤と正孔輸送剤との総量は、結
着樹脂100重量部に対して20〜500重量部、好ま
しくは30〜200重量部とするのが適当である。単層
型の感光層に電子受容性化合物を含有させる場合は、結
着樹脂100重量部に対して、当該電子受容性化合物を
0.1〜40重量部、好ましくは0.5〜20重量部の
割合で配合するのが適当である。
【0069】また、単層型の感光層の厚さは5〜100
μm、好ましくは10〜50μmである。積層型の感光
層のうち、前述したように電荷発生層が下側に配置され
た感光層を有する電子写真感光体を得るには、まず導電
性基体上に電荷発生層を形成し、ついでこの電荷発生層
上に、電荷輸送剤と結着樹脂とを含む塗布液を塗布等の
手段によって塗布し、乾燥させて電荷輸送層を形成すれ
ばよい。
【0070】上記積層型の感光層のうち電荷発生層とし
ては、電荷発生剤のみからなるものと、結着樹脂中に電
荷発生剤を含有させたものとがあり、前者の電荷発生層
は、導電性基体上に電荷発生剤を蒸着したり、あるいは
電荷発生剤を含む塗布液を、塗布等の手段によって塗布
して乾燥させたりすることで形成される。また後者の電
荷発生層は、電荷発生剤と結着樹脂とを含む塗布液を塗
布等の手段によって塗布し、乾燥させることで形成され
る。
【0071】上記のうち後者の、樹脂結着型の電荷発生
層において、電荷発生剤と結着樹脂とは、種々の割合で
使用することができるが、結着樹脂100重量部に対し
て電荷発生剤を5〜1000重量部、好ましくは30〜
500重量部の割合で配合するのが適当である。また電
荷発生層に電子受容性化合物を含有させる場合は、結着
樹脂100重量部に対して、当該電子受容性化合物を
0.1〜40重量部、好ましくは0.5〜20重量部の
割合で配合するのが適当である。
【0072】電荷発生層上に積層される電荷輸送層を構
成する電荷輸送剤と結着樹脂とは、電荷の輸送を阻害し
ない範囲および結晶化しない範囲で種々の割合で使用す
ることができるが、光照射により電荷発生層で生じた電
荷を容易に輸送できるように、結着樹脂100重量部に
対して電荷輸送剤を10〜500重量部、好ましくは2
5〜100樹脂の割合で配合するのが適当である。
【0073】また前記電荷発生層に、電荷輸送層に含有
させるのと反対の輸送性の電荷輸送剤を含有させる場合
は、当該電荷輸送剤を結着樹脂100重量部に対して
0.5〜50重量部、好ましくは1〜40重量部で配合
するのが適当である。積層型の感光層の厚さは、電荷発
生層が0.01〜5μm程度、好ましくは0.1〜3μ
m程度であり、電荷輸送層が2〜100μm、好ましく
は5〜50μm程度である。
【0074】単層型感光体にあっては導電性基体と感光
層との間に、また積層型感光体にあっては導電性基体と
電荷発生層との間、導電性基体と電荷輸送層との間また
は電荷発生層と電荷輸送層との間に、それぞれ感光体の
特性を阻害しない範囲でバリア層を形成してもよい。ま
た、感光体の表面には保護層を形成していてもよい。単
層型および積層型の各感光層には、電子写真特性に悪影
響を与えない範囲で、それ自体公知の種々の添加剤、た
とえば酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、一重項クエンチャ
ー、紫外線吸収剤等の劣化防止剤、軟化剤、可塑剤、表
面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、ア
クセプター、ドナー等を配合することができる。
【0075】また、感光層の感度を向上させるために、
たとえばテルフェニル、ハロナフトキノン類、アセナフ
チレン等の公知の増感剤を電荷発生剤と併用してもよ
い。本発明の感光体に使用される導電性基体としては、
導電性を有する種々の材料を使用することができ、たと
えばアルミニウム、鉄、銅、スズ、白金、銀、バナジウ
ム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケ
ル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮等の
金属単体や、上記金属が蒸着またはラミネートされたプ
ラスチック材料、ヨウ化アルミニウム、酸化スズ、酸化
インジウム等で被覆されたガラス等があげられる。
【0076】導電性基体はシート状、ドラム状等の何れ
であってもよく、基体自体が導電性を有するか、あるい
は基体の表面が導電性を有していればよい。また、導電
性基体は、使用に際して、充分な機械的強度を有するも
のが好ましい。本発明における感光層は、前記した各成
分を含む樹脂組成物を溶剤に溶解ないし分散した塗布液
を導電性基体上に塗布、乾燥して製造される。
【0077】すなわち、前記例示の電荷発生剤、電荷輸
送剤、結着樹脂等を、適当な溶剤とともに、公知の方
法、たとえば、ロールミル、ボールミル、アトライタ、
ペイントシェーカーあるいは超音波分散器等を用いて分
散混合して塗布液を調製し、これを公知の手段により塗
布、乾燥すればよい。塗布液をつくるための溶剤として
は、種々の有機溶剤が使用可能であり、たとえばメタノ
ール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等の
アルコール類、n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサ
ン等の脂肪族系炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン等の芳香族炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタ
ン、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水
素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒド
ロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエ
チレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、ア
セトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケ
トン類、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類、ジメ
チルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルスルホキシド等があげられる。これらの溶剤は1種又
は2種以上を混合して用いることができる。
【0078】さらに、電荷輸送剤や電荷発生剤の分散
性、感光層表面の平滑性をよくするために界面活性剤、
レベリング剤等を使用してもよい。以上のように、本発
明のジオキサテトラセンジオン誘導体は電子輸送能にす
ぐれているので、これを電子輸送剤として使用した電子
写真感光体は高感度である。したがって本発明の感光体
を使用すると、静電式複写機等の画像形成装置の高速
化、高性能化をはかることができる。
【0079】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を説明する。 《ジオキサテトラセンジオン誘導体》 合成例1 100mlの濃硫酸に、式(11a-1) :
【0080】
【化24】
【0081】で表される5,12−ジオキサ−6,11
−テトラセンジオン3.0g(0.01モル)を少量ず
つ添加したのち、60℃でかく拌して反応させた。つぎ
にこの反応液が水に溶けるようになった時点で氷水に注
ぎ、さらに220gの塩化ナトリウムを加えて塩析した
のち、固体をろ別した。つぎにこの固体を塩化ナトリウ
ム水溶液で洗浄して、式(11b-1) :
【0082】
【化25】
【0083】で表されるスルホン酸ナトリウム体5.6
gをえた。つぎに、上記スルホン酸ナトリウム体5.6
gを、100mlの塩化スルホニル、および0.01m
lのジメチルホルムアミドに溶かして60℃で1時間、
かく拌したのち塩化スルホニルを減圧留去して、式(11c
-1) :
【0084】
【化26】
【0085】で表されるスルホニルクロリド体を含む反
応液をえた。つぎに上記反応液に、脱水テトラヒドロフ
ラン10mlと、式(11d-1) :
【0086】
【化27】
【0087】で表されるアミン化合物3.7gとを加え
て、30〜35℃で3時間、かく拌して反応させた。つ
ぎに上記反応液を放冷後、塩酸水溶液に注ぎ、クロロホ
ルムにて有機層を抽出し、さらに無水硫酸ナトリウムで
乾燥したのち、溶液を留去し、えられた固体をカラムク
ロマトグラフィーによって精製して、式(11-1):
【0088】
【化28】
【0089】で表される目的化合物2.7g(収率6
4.3%)をえた。この化合物の融点は194〜196
℃であった。また上記化合物の赤外線吸収スペクトルを
測定したところ、図2に示す結果がえられ、 1H NM
Rスペクトルを測定したところ、図3に示す結果がえら
れた。 合成例2 アルゴンガス気流中で、水素化ナトリウム0.17g
(7ミリモル)と脱水テトラヒドロフラン7mlとをか
く拌しながら、式(12b-1) :
【0090】
【化29】
【0091】で表される亜りん酸エステル誘導体の溶液
を滴下した。上記の溶液は、亜りん酸エステル誘導体
1.56g(7ミリモル)を、10mlの脱水テトラヒ
ドロフランに溶かしたものである。つぎにこの反応液
に、式(12a-1) :
【0092】
【化30】
【0093】で表される3−ホルミル−5,12−ジオ
キサ−6,11−テトラセンジオン1.0g(3.4ミ
リモル)を20mlの脱水テトラヒドロフランに溶かし
た溶液を滴下し、室温で5時間、かく拌して反応させ
た。つぎに上記反応液を氷水に注ぎ、クロロホルムにて
有機層を抽出し、水洗後、クロロホルムを留去し、えら
れた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキ
サン:クロロホルム=1:4)によって精製して、式(1
2-1):
【0094】
【化31】
【0095】で表される目的化合物0.58g(収率4
7%)をえた。この化合物の融点は186〜188℃で
あった。また上記化合物の赤外線吸収スペクトルを測定
したところ、図4に示す結果がえられた。さらに上記化
合物のマススペクトル(EI法)を測定したところ、図
5に示す結果がえられた。分子イオンピークm/z=3
62であった。 《デジタル光源用感光体(単層型)》 実施例1 電荷発生剤である、式(CG1) :
【0096】
【化32】
【0097】で表されるX型無金属フタロシアニン5重
量部と、電子輸送剤である、合成例1でえた、前記式(1
1-1)で表される化合物30重量部と、正孔輸送剤であ
る、式(HT1) :
【0098】
【化33】
【0099】で表されるN,N,N′,N′−テトラキ
ス(p−メチルフェニル)−3,3′−ジメチルベンジ
ジン50重量部と、結着樹脂であるポリカーボネート1
00重量部とを、800重量部のテトラヒドロフランと
ともに、ボールミルにて50時間、混合し、分散させて
単層型感光層用の塗布液を調整した。 つぎにこの塗布
液を、導電性基材であるアルミニウム素管上に、ディッ
プコート法にて塗布し、100℃で60分間、熱風乾燥
させて、膜厚15〜20μmの単層型感光層を形成し
て、デジタル光源用の感光体を製造した。
【0100】実施例2 電荷発生剤として、X型無金属フタロシアニンに代え
て、式(CG2) :
【0101】
【化34】
【0102】で表されるオキソチタニルフタロシアニン
5重量部を使用したこと以外は実施例1と同様にして、
単層型感光層を有するデジタル光源用の感光体を製造し
た。 実施例3、4 電子輸送剤として、式(11-1)の化合物に代えて、合成例
2でえた、前記式(12-1)で表される化合物30重量部を
使用したこと以外は実施例1、2と同様にして、単層型
感光層を有するデジタル光源用の感光体を製造した。
【0103】比較例1、2 電子輸送剤として、式(11-1)の化合物に代えて、前記式
(EA1-1) で表される3,5−ジメチル−3′,5′−ジ
t−ブチル−4,4′−ジフェノキノン30重量部を使
用したこと以外は実施例1、2と同様にして、単層型感
光層を有するデジタル光源用の感光体を製造した。
【0104】比較例3 電子輸送剤を含有しないほかは実施例1と同様にして、
単層型感光層を有するデジタル光源用の感光体を製造し
た。上記各実施例、比較例の電子写真感光体について、
下記の光感度試験Iを行い、その特性を評価した。
【0105】光感度試験I ジェンテック(GENTEC)社製のドラム感度試験機
を用いて、各実施例、比較例の電子写真感光体に印加電
圧を加えて、その表面を+700Vに帯電させた。つぎ
に、上記試験機の露光光源であるハロゲンランプの白色
光から、バンドパスフィルターによって取り出した、波
長780nm(半値幅20nm)、光強度16μW/c
2 の単色光を、上記帯電状態の感光体の表面に照射
(照射時間80msec.)して、露光開始から330
msec.経過した時点での表面電位を、露光後電位V
L (V)として測定した。この露光後電位VL (V)が
小さいほど、感光体は高感度である。
【0106】結果を表1に示す。
【0107】
【表1】
【0108】《デジタル光源用感光体(単層型−電子受
容性化合物併用系)》 実施例5 電子受容性化合物である、式(EA2-1) :
【0109】
【化35】
【0110】で表されるp−ベンゾキノン(酸化還元電
位−0.81V)10重量部を添加したこと以外は、実
施例1と同様にして、単層型感光層を有するデジタル光
源用の感光体を製造した。 実施例6 電子受容性化合物として、p−ベンゾキノンに代えて、
式(EA2-2) :
【0111】
【化36】
【0112】で表される2,6−ジt−ブチル−p−ベ
ンゾキノン(酸化還元電位−1.31V)10重量部を
添加したこと以外は、実施例5と同様にして、単層型感
光層を有するデジタル光源用の感光体を製造した。 実施例7 電子受容性化合物として、p−ベンゾキノンに代えて、
前記式(EA1-1) で表される3,5−ジメチル−3′,
5′−ジt−ブチル−4,4′−ジフェノキノン(酸化
還元電位−0.86V)10重量部を添加したこと以外
は、実施例5と同様にして、単層型感光層を有するデジ
タル光源用の感光体を製造した。
【0113】実施例8 電子受容性化合物として、p−ベンゾキノンに代えて、
前記式(EA1-2) で表される3,5,3′,5′−テトラ
キス(t−ブチル)−4,4′−ジフェノキノン(酸化
還元電位−0.94V)10重量部を添加したこと以外
は、実施例5と同様にして、単層型感光層を有するデジ
タル光源用の感光体を製造した。
【0114】実施例9〜12 電子輸送剤として、式(11-1)の化合物に代えて、合成例
2でえた、前記式(12-1)で表される化合物30重量部を
使用したこと以外は実施例5〜8と同様にして、単層型
感光層を有するデジタル光源用の感光体を製造した。上
記各実施例の電子写真感光体について、前記の光感度試
験Iを行い、その特性を評価した。結果を表2に示す。
【0115】
【表2】
【0116】実施例13 電荷発生剤であるX型無金属フタロシアニン100重量
部と、結着樹脂であるポリビニルブチラール100重量
部とを、2000重量部のテトラヒドロフランととも
に、ボールミルにて50時間、混合し、分散させて電荷
発生層用の塗布液を調整した。
【0117】つぎにこの塗布液を、導電性基材であるア
ルミニウム素管上に、ディップコート法にて塗布し、1
00℃で60分間、熱風乾燥させて、膜厚1μmの電荷
発生層を形成した。つぎに、電子輸送剤である、合成例
1でえた、前記式(11-1)で表される化合物100重量部
と、結着樹脂であるポリカーボネート100重量部と
を、800重量部のトルエンとともに、ボールミルにて
50時間、混合し、分散させて電荷輸送層用の塗布液を
調整した。
【0118】つぎにこの塗布液を、上記電荷発生層上
に、ディップコート法にて塗布し、100℃で60分
間、熱風乾燥させて、膜厚20μmの電荷輸送層を形成
して、積層型感光層を有するデジタル光源用の感光体を
製造した。 実施例14 電子輸送剤として、式(11-1)の化合物に代えて、合成例
2でえた、前記式(12-1)で表される化合物30重量部を
使用したこと以外は実施例13と同様にして、積層型感
光層を有するデジタル光源用の感光体を製造した。
【0119】比較例4 電子輸送剤として、式(11-1)の化合物に代えて、前記式
(EA1-1) で表される3,5−ジメチル−3′,5′−ジ
t−ブチル−4,4′−ジフェノキノン30重量部を使
用したこと以外は実施例13と同様にして、積層型感光
層を有するデジタル光源用の感光体を製造した。
【0120】上記各実施例、比較例の電子写真感光体に
ついて、前記の光感度試験Iを行い、その特性を評価し
た。結果を表3に示す。
【0121】
【表3】
【0122】《アナログ光源用感光体(単層型)》 実施例15、16、比較例5 電荷発生剤として、X型無金属フタロシアニンに代え
て、式(CG3) :
【0123】
【化37】
【0124】で表される化合物(Ip=5.50eV)
5重量部を使用したこと以外は、実施例1、3、比較例
1と同様にして、単層型感光層を有するアナログ光源用
の感光体を製造した。 比較例6 電子輸送剤を含有しないほかは実施例15、16、比較
例5と同様にして、単層型感光層を有するアナログ光源
用の感光体を製造した。
【0125】上記各実施例、比較例の電子写真感光体に
ついて、下記の光感度試験IIを行い、その特性を評価し
た。 光感度試験II ジェンテック(GENTEC)社製のドラム感度試験機
を用いて、各実施例、比較例の電子写真感光体に印加電
圧を加えて、その表面を+700Vに帯電させた。
【0126】つぎに、上記試験機の露光光源であるハロ
ゲンランプの白色光(光強度147μW/cm2 )を、
上記帯電状態の感光体の表面に照射(照射時間50ms
ec.)して、露光開始から330msec.経過した
時点での表面電位を、露光後電位VL (V)として測定
した。この露光後電位VL (V)が小さいほど、感光体
は高感度である。
【0127】結果を表4に示す。
【0128】
【表4】
【0129】《アナログ光源用感光体(積層型)》 実施例17、18、比較例7 電荷発生剤として、X型無金属フタロシアニンに代え
て、前記式(CG3) で表されるペリレン顔料100重量部
を使用したこと以外は、実施例13、14、比較例4と
同様にして、積層型感光層を有するアナログ光源用の感
光体を製造した。
【0130】上記各実施例、比較例の電子写真感光体に
ついて、前記の光感度試験IIを行い、その特性を評価し
た。結果を表5に示す。
【0131】
【表5】
【0132】
【発明の効果】本発明のジオキサテトラセンジオン誘導
体は、電子輸送能にすぐれるとともに、溶剤への溶解性
および結着樹脂との相溶性が良好である。よって本発明
のジオキサテトラセンジオン誘導体を電子輸送剤とした
使用した電子写真感光体は高感度である。また上記ジオ
キサテトラセンジオン誘導体と、特定の電子受容性化合
物とを併用すると、感光体の感度をさらに向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子受容性化合物の酸化還元電位を求めるため
の、牽引電圧(V)と電流(μA)との関係を示すグラ
フである。
【図2】本発明の、合成例1で合成した化合物の赤外線
吸収スペクトルを示すグラフである。
【図3】本発明の、合成例1で合成した化合物のNMR
スペクトルを示すグラフである。
【図4】本発明の、合成例2で合成した化合物の赤外線
吸収スペクトルを示すグラフである。
【図5】本発明の、合成例2で合成した化合物のマスス
ペクトルを示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菅井 章雄 大阪府大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工業株式会社内 (72)発明者 秋葉 伸子 大阪府大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) : 【化1】 〔式中Xは一般式(a) : 【化2】 または一般式(b) : 【化3】 で表される基を示し、式(a) 中のR3aおよびR3bは同一
    または異なるアルキル基、式(b) 中のR4aおよびR4b
    同一または異なって水素原子、アルキル基、シアノ基、
    アルコキシカルボニル基またはアシル基を示す。ただし
    4a、R4bは同時に水素原子でない。R1 およびR2
    同一または異なってアルキル基、アルコキシ基、アリー
    ル基またはアルコキシカルボニル基を示し、aは0〜4
    の整数、bは0〜3の整数を示す。ただしaまたはbが
    2以上であるとき、各R1 、R2 は異なってもよい。〕
    で表されることを特徴とするジオキサテトラセンジオン
    誘導体。
  2. 【請求項2】導電性基体上に、一般式(1) : 【化4】 〔式中Xは一般式(a) : 【化5】 または一般式(b) : 【化6】 で表される基を示し、式(a) 中のR3aおよびR3bは同一
    または異なるアルキル基、式(b) 中のR4aおよびR4b
    同一または異なって水素原子、アルキル基、シアノ基、
    アルコキシカルボニル基またはアシル基を示す。ただし
    4a、R4bは同時に水素原子でない。R1 およびR2
    同一または異なってアルキル基、アルコキシ基、アリー
    ル基またはアルコキシカルボニル基を示し、aは0〜4
    の整数、bは0〜3の整数を示す。ただしaまたはbが
    2以上であるとき、各R1 、R2 は異なってもよい。〕
    で表されるジオキサテトラセンジオン誘導体を含む感光
    層を設けたことを特徴とする電子写真感光体。
  3. 【請求項3】感光層が、一般式(EA1) : 【化7】 〔式中Ra1、Ra2、Ra3およびRa4は同一または異なっ
    て水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、
    アラルキル基、シクロアルキル基または置換基を有して
    いてもよいアミノ基を示す。〕で表され、かつその酸化
    還元電位が−0.8〜−1.4Vであるジフェノキノン
    系化合物を、電子受容性化合物として含有している請求
    項2記載の電子写真感光体。
JP18220096A 1996-07-11 1996-07-11 ジオキサテトラセンジオン誘導体 Expired - Fee Related JP3618911B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18220096A JP3618911B2 (ja) 1996-07-11 1996-07-11 ジオキサテトラセンジオン誘導体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18220096A JP3618911B2 (ja) 1996-07-11 1996-07-11 ジオキサテトラセンジオン誘導体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1025289A true JPH1025289A (ja) 1998-01-27
JP3618911B2 JP3618911B2 (ja) 2005-02-09

Family

ID=16114112

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18220096A Expired - Fee Related JP3618911B2 (ja) 1996-07-11 1996-07-11 ジオキサテトラセンジオン誘導体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3618911B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010032720A (ja) * 2008-07-28 2010-02-12 Kyocera Mita Corp 電子写真感光体

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010032720A (ja) * 2008-07-28 2010-02-12 Kyocera Mita Corp 電子写真感光体

Also Published As

Publication number Publication date
JP3618911B2 (ja) 2005-02-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0592936A (ja) ジナフトキノン誘導体及びそれを用いた感光体
JPH06130688A (ja) 電子写真感光体
JP3121144B2 (ja) 電子写真感光体
JP3618911B2 (ja) ジオキサテトラセンジオン誘導体
JPH07157454A (ja) フェニレンジアミン誘導体およびそれを用いた電子写真感光体
JP3250959B2 (ja) ジアザナフト[2,3−b]フルオレン誘導体およびそれを用いた電子写真感光体
JP3589796B2 (ja) 電子写真感光体
JP3121142B2 (ja) 電子写真感光体
JP3121141B2 (ja) 電子写真感光体
JP3121145B2 (ja) 電子写真感光体
JP3524994B2 (ja) トリプトアントリン誘導体および電子写真感光体
JP3121143B2 (ja) 電子写真感光体
JP3805193B2 (ja) スチルベン誘導体およびそれを用いた電子写真感光体
JP3131616B2 (ja) 電子写真感光体
JP3131615B2 (ja) 電子写真感光体
JP3121146B2 (ja) 電子写真感光体
JP3121147B2 (ja) 電子写真感光体
JP3641068B2 (ja) エナミン誘導体およびそれを用いた電子写真感光体
JP3608877B2 (ja) キノン誘導体およびそれを用いた電子写真感光体
JPH07309824A (ja) トリニトロフルオレノンイミン誘導体および電子写真感光体
JP3641069B2 (ja) フェナントレンビスエナミン誘導体とそれを用いた電子写真感光体
JP2002148832A (ja) 電子写真感光体
JPH05992A (ja) キノン系化合物と電子写真感光体
JP2007219237A (ja) トリアリールアミン誘導体及びその製造方法ならびに電子写真感光体
JPH06118673A (ja) 電子写真感光体

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Effective date: 20041019

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Effective date: 20041111

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071119

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 4

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081119

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091119

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091119

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101119

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees