JPH10252416A - タービン高速バルブ制御方法 - Google Patents

タービン高速バルブ制御方法

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JPH10252416A
JPH10252416A JP5371097A JP5371097A JPH10252416A JP H10252416 A JPH10252416 A JP H10252416A JP 5371097 A JP5371097 A JP 5371097A JP 5371097 A JP5371097 A JP 5371097A JP H10252416 A JPH10252416 A JP H10252416A
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正憲 清水
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勝 下村
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雅彦 南部
Yoshihiko Matsuura
芳彦 松浦
Tatsuki Maeda
龍己 前田
Kunio Matsushita
邦雄 松下
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タービン高速バルブ制御は、系統事故の発生
した場所、事故の大きさ、種類に係わらず「事故発生」
という一つの信号のみで開始しているため、GV弁、I
CV弁への全閉信号、復帰信号は同じく一つの弁開度指
令パターンを出しているだけである。このため、系統事
故の地点によっては、制御が不安定状態になって運転継
続ができず、絞り込み動作が適度でないため、機械的入
力トルクが速くなくなり、系統周波数が低下しすぎる状
態が生ずるとの課題があった。 【解決手段】 系統事故の地点、系統事故の大きさ、系
統事故の様相、事故前の発電出力などの違いにより、加
減弁、インターセプト弁の制御量あるいはタービン高速
バルブ制御を適用する発電機台数を変えるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、火力発電所、原
子力発電所などで使用したタンデム形タービンのタービ
ン高速バルブ制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電力系統に接続され火力発電所、原子力
発電所は、エネルギー源とするタンデム形タービン、同
期発電機を主機とし、これらを制御する一連の制御装置
から構成され、系統事故が発生した場合、系統状態によ
っては安定度が過渡的に悪くなり、不安定状態が持続し
たまま脱調、運転停止にいたることがある。これらの状
況を防ぐために、系統各所にいわゆる系統安定化装置
(以下、PSSと略称する)が設置され、また励磁装置
にもPSS、速応形励磁装置などが設置され、当該発電
機が過渡的に不安定状態にならないよう安定化の改善に
努めている。
【0003】タービン制御装置においてもこの安定化の
改善を図る手段として、例えば社団法人電気協同研究会
昭和54年1月発行 電気協同研究 第34巻 第5
号に記載されているように、系統事故時に高圧タービン
から中圧タービン、低圧タービンへ流入する蒸気を遮断
するインターセプト弁(以下、ICV弁と略称する)
や、通常の制御に使われている加減弁(以下、GV弁と
称する)に対して急速に全閉指令を与えるタービン高速
バルブ制御が考えられていた。
【0004】図25はタンデム形タービンの蒸気系の構
成及び弁配置について示す図であり、図において、10
1はボイラ、102は主蒸気止め弁、103はGV弁、
104は高圧タービン、105は中圧タービン、106
は低圧タービン、107は低圧タービン106の出力軸
に接続された発電機、108はインターセプト弁、10
9は再熱蒸気止め弁、110は再熱器、111は復水
器、112は低圧ヒータ、113は脱気器、114給水
ポンプ、115は高圧ヒータであり、出力トルクは、図
25から明らかなように、高圧タービン104と中低圧
タービン105,106と合成されたトルクとなる。
【0005】次に、現状のタービン高速バルブ制御につ
いて説明する。図26は現状のタービン高速バルブ信号
の動作例を説明するタービン系の制御、弁特性を示すブ
ロック図である。図において、121は速度リレー動作
特性部、122は油圧増幅器などの特性部、126はG
V弁全体の動作特性部であり、加減点143,GVポー
ト特性部123,タービン高速バルブ信号の加算点12
4,GV弁103の動作特性部からなる。
【0006】127は高速タービンの機器特性部、12
8はICV弁108に至る機器特性部、132はICV
弁全体の動作特性部であり、加減点144,ICVポー
ト特性部129,タービン高速バルブ信号の加算点13
0,ICV弁108の動作特性部131からなる。12
3はICV弁108から再熱器へ至る機器特性部、13
4は再熱器の動作特性部であり、加減点135,再熱器
136,定数部137,加減点138,積算点139か
らなる。140は高速タービンの出力分担率部、141
は中低圧タービンの機器特性部、142は中低圧タービ
ンの出力分担率部、145は加算点、146はタービン
高速バルブ信号出力部である。
【0007】なお、図25、図26は、ボイラ101を
熱源として使った火力機の例を示したが、原子力機では
再熱器が湿分分離過熱器に変えることで上図と同様の特
性となる。
【0008】次に、現状のタービン高速バルブ制御の動
作例を説明する。系統事故が発生し、タービン高速バル
ブ制御を適用する必要が生じたとき、GV弁103、I
CV弁108それぞれに全閉信号が出力される。また、
その後事故除去などの状況を見て各弁を元の状態に戻す
復帰信号を出力する。図27はこれらの全閉信号、復帰
信号からなるGV弁開度指令パターン、ICV弁開度指
令パターンの例を示す。なお、上記従来の技術に関連す
る先行技術としては、例えば、特公昭61−33354
号公報、特公昭55−31284号公報、特開昭62−
110498号公報、特開昭60−216006号公
報、特開昭60−216005号公報、特開昭60−1
64602号公報、特開昭59−21232号公報、特
開昭51−57304号公報等がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来のタービン高速バ
ルブ制御方法は以上のように構成されているので、系統
事故という信号をベースにして制御を行っているが、こ
の条件は系統事故の発生した場所、事故の大きさ、種類
に係わらず「事故発生」という一つの信号のみで制御を
開始しているため、GV弁、ICV弁への全閉信号、復
帰信号は同じく一つの弁開度指令パターンを出している
だけである。
【0010】このため、至近端の事故、もしくは3相地
絡事故(以下、3LGと略称する)のような厳しい事故
の場合、制御が開始され各弁が絞り込まれるまでの間
に、不安定状態に達してしまい運転継続ができなくなっ
てしまう場合が生ずる。また反対に遠方の事故、もしく
は軽いレベルの事故の場合、絞り込み動作が適度でない
ため、機械的入力トルクが速くなくなり、系統周波数が
低下しすぎる状態が生ずる。
【0011】さらに、事故の状況によっては、再熱器の
圧力が上昇して保護レベル以上に達し、保護動作が働く
ようなケースも生じるため、どのような事故の状況にお
いても保護レベルの範囲内で最大限に機能するタービン
高速バルブ制御方法が必要であるという課題があった。
【0012】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたもので、系統事故の違いによる保護動作
が働き、停止にいたる状況を防ぎ、どのような事故の場
合においても系統の安定化を保つとともに、保護による
停止に至ることなく運転継続が可能となるタービン高速
バルブ制御方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係
るタービン高速バルブ制御方法は、系統事故発生時に、
系統事故の内容に応じて加減弁の制御量を変えるもので
ある。
【0014】請求項2記載の発明に係るタービン高速バ
ルブ制御方法は、系統事故発生時に、系統事故の内容と
して該系統事故の地点を検出し、この検出した系統事故
地点の違いによって、加減弁の制御量を変えるものであ
る。
【0015】請求項3記載の発明に係るタービン高速バ
ルブ制御方法は、系統事故発生時に、系統事故の内容と
して該系統事故の大きさを検出し、この検出した系統事
故の大きさの違いによって、加減弁の制御量を変えるも
のである。
【0016】請求項4記載の発明に係るタービン高速バ
ルブ制御方法は、系統事故発生時に、系統事故の内容と
して該系統事故の様相を検出し、この検出した系統事故
の様相の違いによって加減弁の制御量を変えるものであ
る。
【0017】請求項5記載の発明に係るタービン高速バ
ルブ制御方法は、系統事故発生時に、系統事故の内容と
して事故前の発電出力の違いによって加減弁の制御量を
変えるものである。
【0018】請求項6記載の発明に係るタービン高速バ
ルブ制御方法は、系統事故発生時に、系統事故の内容と
して系統事故の地点、系統事故の大きさ、系統事故の様
相、事故前の発電機の出力量などを検出し、これ等の条
件の違いによって加減弁の制御量を変えるものである。
【0019】請求項7記載の発明に係るタービン高速バ
ルブ制御方法は、系統事故発生時に、系統事故の内容に
応じて加減弁の制御量を変えるものである。
【0020】請求項8記載の発明に係るタービン高速バ
ルブ制御方法は、系統事故発生時に、系統事故の内容と
して該系統事故の地点を検出し、この検出した系統事故
地点の違いによってインターセプト弁の制御量を変える
ものである。
【0021】請求項9記載の発明に係るタービン高速バ
ルブ制御方法は、系統事故発生時に、系統事故の内容と
して該系統事故の大きさを検出し、この検出した系統事
故の大きさの違いによってインターセプト弁の制御量を
変えるものである。
【0022】請求項10記載の発明に係るタービン高速
バルブ制御方法は、系統事故発生時に、系統事故の内容
として系統事故の様相を検出し、この検出した系統事故
の様相の違いによってインターセプト弁の制御量を変え
るものである。
【0023】請求項11記載の発明に係るタービン高速
バルブ制御方法は、系統事故発生時に、系統事故の内容
として事故前の発電出力の違いによってインターセプト
弁の制御量を変えるものである。
【0024】請求項12記載の発明に係るタービン高速
バルブ制御方法は、系統事故発生時に、系統事故の内容
として系統事故の地点、系統事故の大きさ、系統事故の
様相、事故前の発電機の出力量などを検出し、これ等の
条件の違いによってインターセプト弁の制御量を変える
ものである。
【0025】請求項13記載の発明に係るタービン高速
バルブ制御方法は、系統事故発生時に、系統事故の地
点、系統事故の大きさ、系統事故の様相、事故前の発電
機の出力量などの条件の違いによって、タービン高速バ
ルブ制御を適用する発電機の台数を変えるものである。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態1.図1はこの発明のタービン高速バルブ制
御方法を実施するために使用するタービン高速バルブ信
号出力部のブロック図であり、入力情報をインプット
し、内部でソフトウエア(以下、S/Wと略称する)の
処理により系統事故の区分を自由に演算できるデジタル
型の演算処理装置2と、この系統事故の区分に対応した
弁開度指令パターンを選択してタービン高速バルブ信号
として出力するメモリ3とを有する。入力情報として
は、例えば、系統事故情報,発電機電圧,発電機電流,
系統電圧,系統電流,発電機出力,系統保護リレー動作
情報を用いる。なお、このタービン高速バルブ信号出力
部1は、前記図26に示したタービン高速バルブ信号出
力部146と同様に使用するもので、このタービン高速
バルブ信号出力部1を使用するタービン系の制御、弁特
性を示すブロック図は図26と同様であるから図を省略
する。
【0027】図2は、単一発電機4に変圧器5を介して
接続されている電力系統の例を示したもので、CB−1
〜CB−8は系統に設けられた遮断器を示す。この遮断
器は図2に示すような単一発電機の発電所のみではな
く、複数台の発電機を持つ発電所にも適用できることは
言うまでもない。
【0028】図3はこの発明の実施の形態1における演
算処理装置2Aの一例を示すもので、OR回路11,1
2、AND回路13,14,15を有する。
【0029】次に動作について説明する。演算処理装置
2Aは、遮断器接点CB−1,CB−2間の系統保護リ
レー動作情報と遮断器接点CB−3,CB−4間の系統
保護リレー動作情報をOR回路11に入力し、遮断器接
点CB−5,CB−6間の系統保護リレー動作情報と遮
断器接点CB−7,CB−8間の系統保護リレー動作情
報をOR回路12に入力し、系統事故発生情報をAND
回路13,14,15に入力して論理処理を行い、系統
事故の内容として至近端事故a、中距離事故b、遠方事
故cを判別出力する。
【0030】そして、この判別出力された至近端事故
a、中距離事故b、遠方事故cに対応して、例えば図4
に示すように、あらかじめメモリ3に設定してある最適
なGV弁開度指令パターンa’〜c’を選択して、ター
ビン高速バルブ信号として出力する。この最適なGV弁
開度指令パターンは具体的に発電所の立地点などの詳細
仕様が決定した後に系統シミュレーションなどで検討し
決定する。
【0031】実施の形態2.図5はこの発明の実施の形
態2における演算処理装置2Bの一例を示す回路図であ
り、図において、21は一定時間の系統電圧VS の平均
値を求める演算回路、22、23、24はこの求めた平
均値が、平均値≦20%か、20<平均値≦60%か、
平均値>60%かを判定する判定回路、25、26、2
7は系統事故発生情報を論理の一要素とするAND回路
を有する。
【0032】次に動作について説明する。系統電圧VS
及び系統事故発生情報を入力として論理処理を行い、系
統事故の内容として系統事故の大きさ(厳しさ)を大規
模事故d、中規模事故e、小規模事故fと区別して判別
出力する。
【0033】そして、判別出力された大規模事故d、中
規模事故e、小規模事故fに対応して、例えば図6に示
すように、あらかじめメモリ3に設定してある最適なG
V弁開度指令パターンd’〜f’を選択してタービン高
速バルブ信号として出力する。上記最適なGV弁開度指
令パターンd’〜f’は具体的に発電所の立地点などの
詳細仕様が決定した後に系統シミュレーションなどで検
討し決定する。
【0034】実施の形態3.前記の実施の形態1、実施
の形態2では系統事故地点、系統事故の大きさなどに対
応してGV開度指令パターンを選択したが、系統事故の
内容として系統事故の様相(平衡、不平衡事故など)に
よっても最適なGV開度指令パターンが異なるため、系
統事故の様相をパラメータにしてGV開度指令パターン
を選択することも可能である。
【0035】図7はこの発明の実施の形態3における演
算処理装置2Cの一例を示す回路図であり、図におい
て、31は系統電圧VS の零相電圧を演算する演算回
路、32は零相電圧VO ≦20%かを判定する判定回
路、33は系統電圧VS の平均値を演算する演算回路、
この求めた平均値が、平均値≦40%か、平均値≦40
%か、平均値≦40%かを判定する判定回路34〜3
6、AND回路37a〜37h、OR回路38a,38
bとを有する。
【0036】次に動作について説明する。系統電圧VS
に基づく各判定回路の出力の論理処理によって、二つの
相が低下していれば2LG事故と判断し、全ての相が低
下していれば3LGと判断、それ以外は1LGと判断す
る。これらの判断結果と系統事故発生情報により、3L
G事故の場合g、2LG事故の場合hは事故の影響が大
きいため、大きくGV弁を動作させるGV弁開度制御パ
ターン(g,h)’を、1LG事故の場合iは影響が大
きくないためそれ相応のGV弁開度制御パターンi’
を、例えば図8に示すように、あらかじめ設定してある
メモリ3から選択してタービン高速バルブ信号として出
力する。この最適なGV弁開度指令GV制御パターン
は、前記各実施の形態1、実施の形態2と同じく具体的
な検討条件が決定した後に系統シミュレーションなどで
決定する。
【0037】実施の形態4.前記各実施の形態では、電
力系統の各条件を検出していたが、この実施の形態4で
は系統事故発生前の発電機出力PG を入力し、出力電力
量によって系統に与える影響が異なるため、この出力電
力量にてGV弁開度指令パターンを選択するものであ
る。
【0038】図9はこの実施の形態4における演算処理
装置2Dの一例を示す回路図であり、図において、41
〜44は事故発生前の発電機出力PG が、PG ≧95
%、95>PG ≧75%、75>PG ≧50%、50%
>PG であるかを判定する判定回路、45〜48は判定
回路41〜44の出力と系統事故発生情報とを入力する
AND回路である。
【0039】次に動作について説明する。事故前の発電
機出力PG に基づく判定回路41〜44の出力と系統事
故発生情報との論理処理によって、系統事故の内容とし
て最大出力j、高出力k、中出力l、低出力mを判別出
力する。そして、この判別出力された最大出力j、高出
力k、中出力l、低出力mに対応して、例えば図10に
示すように、あらかじめメモリ3に設定してある最適な
GV弁開度指令パターン(j,k)’,l’,m’を選
択して、GV弁開度指令信号として出力する。すなわ
ち、最大出力jのときには、事故時の影響が最も大きい
ため最大の変化をさせるGV弁開度指令パターンj’を
選択させる。また、それ以外の高出力k、中出力l、低
出力mについてはGV弁開度指令パターンk’,l’.
m’を選択出力する。
【0040】実施の形態5.以上の各実施の形態1から
実施の形態4では、GV弁開度指令パターンを、系統事
故地点、系統事故の大きさ、系統事故の様相、発電電力
量のそれぞれによって区別し、選択するものであった
が、これらの検討条件を組み合わせても同様の機能を発
揮させる事ができる。
【0041】図11はこの実施の形態5における演算処
理装置2Eの一例を示す回路図であり、図において、5
1〜55は前記図3、図5、図7に示す演算処理装置2
A,2B,2Cから系統事故地点、系統事故の大きさ、
系統事故様相の出力を入力とするOR回路、56〜58
はAND回路である。
【0042】次に動作について説明する。演算処理装置
2A,2B,2Cからの系統事故地点、系統事故の大き
さ、系統事故様相の各出力を、OR回路51〜55,A
ND回路56〜58によって論理処理し、系統事故の内
容として影響大n、影響中o、影響小pを判別出力す
る。そして、判別出力された影響大n、影響中o、影響
小pに対応して、例えば図12に示すように、あらかじ
めメモリ3に設定してある最適なGV弁開度指令パター
ンn’〜p’を選択してGV弁開度指令信号として出力
するものである。
【0043】また、上記実施の形態1から実施の形態4
における演算処理装置の条件の組み合わせは任意であ
り、例えば二つの演算処理装置の条件を使用しても検出
は可能であるし、四つの演算処理装置の全ての条件を使
用しても同様の検出を満足させることはできる。
【0044】実施の形態6.以上の各実施の形態は、G
V弁開度指令パターンにさまざまな検討条件による区分
に従い、予め設定したGV弁開度指令パターンの選択を
行っているが、これらのことは全てICV弁108の開
度指令パターンにも当てはめることができるもので、図
13はこの実施の形態6における演算処理装置2Fの一
例を示す回路図であり、前記図3に示す演算処理装置2
Aと同一構成であるので、同一部分には同一符号を付し
て重複説明を省略する。
【0045】この演算処理装置2Fで判別出力された至
近端事故A、中距離事故B、遠方事故Cに対応して、例
えば図14に示すように、あらかじめメモリ3に設定し
てある最適なICV弁開度指令パターンA’〜C’を選
択してタービン高速バルブ信号として出力する。
【0046】実施の形態7.図15はこの発明の実施の
形態7における演算処理装置2Gの一例を示す回路図で
あり、前記図5に示す演算処理装置2Bと同一構成であ
るので、同一部分には同一符号を付して重複説明を省略
する。
【0047】この演算処理装置2Gで判別出力された大
規模事故D、中規模事故E、小規模事故Fに対応して、
例えば図16に示すように、あらかじめメモリ3に設定
してある最適なICV弁開度指令パターンD’〜F’を
選択してタービン高速バルブ信号として出力する。
【0048】実施の形態8.図17はこの発明の実施の
形態8における演算処理装置2Hの一例を示す回路図で
あり、前記図7に示す演算処理装置2Cと同一構成であ
るので、同一部分には同一符号を付して重複説明を省略
する。
【0049】この演算処理装置2Hで判別出力された系
統事故の様相(平衡、不平衡事故など)G〜Iに対応し
て、例えば図18に示すように、あらかじめメモリ3に
設定してある最適なICV弁開度指令パターン(G,
H)’,I’を選択して、タービン高速バルブ信号とし
て出力する。
【0050】実施の形態9.図19はこの発明の実施の
形態9における演算処理装置2Iの一例を示す回路図で
あり、前記図9に示す演算処理装置2Dと同一構成であ
るので、同一部分には同一符号を付して重複説明を省略
する。
【0051】この演算処理装置2Iで判別出力された最
大出力J、高出力K、中出力L、低出力Mに対応して、
例えば図20に示すように、あらかじめメモリ3に設定
してある最適なICV弁開度指令パターン(J,K)’
〜M’を選択して、タービン高速バルブ信号として出力
する。
【0052】実施の形態10.図21はこの発明の実施
の形態10における演算処理装置2Jの一例を示す回路
図であり、前記図11に示す演算処理装置2Eと同一構
成であるので、同一部分には同一符号を付して重複説明
を省略する。
【0053】この演算処理装置2Jで判別出力された影
響大N、影響中O、影響小Pに対応して、例えば図22
に示すように、あらかじめメモリ3に設定してある最適
なICV弁開度指令パターンN’〜P’を選択して、タ
ービン高速バルブ信号として出力する。
【0054】実施の形態11.以上の各実施の形態は、
いずれも図2に示すような単一発電機の発電所の例を述
べたものであるが、特に複数台の発電機を有する発電所
の場合では、系統事故地点、系統事故の大きさ、系統事
故の様相、発電電力量のそれぞれによってGV弁、IC
V弁の弁開度指令パターンを変えて制御量を制御するも
のではなく、これらの検討条件を組み合わせて、タービ
ン高速バルブ制御を適用する発電機の台数を変えても同
様の機能を発揮させる事ができる。
【0055】図23は複数台の発電機4a〜4cが変圧
器5a〜5cを介して同一母線6に接続された系統構成
図を示し、図24は図11と図21の演算処理装置2
E、2Jによる検討条件を組み合わせてパターン区分を
行い、タービン高速バルブ制御の適用台数を変化させる
もので、例えば、演算処理装置2Eの判定結果が影響大
nの場合は発電機3台のGV弁にタービン高速バルブ信
号、影響中oの場合は発電機2台のGV弁にタービン高
速バルブ信号、影響小pの場合は発電機1台のGV弁に
タービン高速バルブ信号を出力する。
【0056】また、演算処理装置2Jの判定結果が影響
大Nの場合は発電機3台のICV弁にタービン高速バル
ブ信号、影響中Oの場合は発電機2台のICV弁にター
ビン高速バルブ信号、影響小Pの場合は発電機1台のI
CV弁にタービン高速バルブ信号を出力するもので、こ
れによって、各弁の制御量を変化させることと同様の効
果が得られる。
【0057】なお、上記各実施の形態におけるタービン
高速バルブ信号出力部1は、S/W処理により系統事故
の区分を自由に演算できるデジタル型の演算処理装置を
使用しているが、他の装置として補助リレー、オペアン
プを使用したアナログの比較器などのアナログ演算処理
装置を使用しても同様の機能を満足させることができ
る。
【0058】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、系統事故
発生時に、系統事故の内容に応じて加減弁の制御量を変
えるように構成したので、不必要な保護動作を防ぎ、適
切な系統安定化を図ることができる効果がある。
【0059】請求項2記載の発明によれば、系統事故発
生時に、系統事故の地点を検出して系統事故地点の違い
によって、加減弁の制御量を変えるように構成したの
で、加減弁の系統事故時における制御パターンを、系統
事故の発生地点によって最適に選択でき、発電機出力の
急増急減を抑制して、警報に掛かることなく発電機を運
転継続できるとともに、系統安定化への大きな寄与が実
現できる効果がある。
【0060】請求項3記載の発明によれば、系統事故発
生時に、系統事故の大きさを検出して系統事故の大きさ
の違いによって、加減弁の制御量を変えるように構成し
たので、加減弁の系統事故時における制御パターンを、
系統事故の大きさによって最適に選択でき、発電機出力
の急増急減を抑制して、警報に掛かることなく、発電機
を運転継続できるとともに、系統安定化への大きな寄与
が実現できる効果がある。
【0061】請求項4記載の発明によれば、系統事故発
生時に、系統事故の様相を検出して系統事故の様相の違
いによって加減弁の制御量を変えるように構成したの
で、加減弁の系統事故時における制御パターンを、系統
事故の様相によって最適に選択でき、発電機出力の急増
急減を抑制して、警報に掛かることなく、発電機を運転
継続できるとともに、系統安定化への大きな寄与が実現
できる効果がある。
【0062】請求項5記載の発明によれば、系統事故発
生時に、事故前の発電出力の違いによって加減弁の制御
量を変えるように構成したので、加減弁の系統事故時に
おける制御パターンを、事故前の発電出力によって最適
に選択でき、発電機出力の急増急減を抑制して、警報に
掛かることなく、発電機を運転継続できるとともに、系
統安定化への大きな寄与が実現できる効果がある。
【0063】請求項6記載の発明によれば、系統事故発
生時に、系統事故の地点、系統事故の大きさ、系統事故
の様相、事故前の発電機の出力量などの条件の違いによ
って加減弁の制御量を変えるように構成したので、加減
弁の系統事故時における制御パターンを、系統事故の地
点、系統事故の大きさ、系統事故の様相、事故前の発電
機の出力量などの条件の違いによって最適に選択でき、
発電機出力の急増急減を抑制して、警報に掛かることな
く、発電機を運転継続できるとともに、系統安定化への
大きな寄与が実現できる効果がある。
【0064】請求項7記載の発明によれば、系統事故発
生時に、系統事故の内容に応じて、インターセプト弁の
制御量を変えるように構成したので、不必要な保護動作
を防ぎ、適切な系統安定化を図ることができる効果があ
る。
【0065】請求項8記載の発明によれば、系統事故発
生時に、系統事故の地点を検出して系統事故地点の違い
によって、インターセプト弁の制御量を変えるように構
成したので、インターセプト弁の系統事故時における制
御パターンを、系統事故の発生地点によって最適に選択
でき、発電機出力の急増急減を抑制して、警報に掛かる
ことなく、発電機を運転継続できるとともに、系統安定
化への大きな寄与が実現できる効果がある。
【0066】請求項9記載の発明によれば、系統事故発
生時に、系統事故の大きさを検出して系統事故の大きさ
の違いによって、インターセプト弁の制御量を変えるよ
うに構成したので、インターセプト弁の系統事故時にお
ける制御パターンを、系統事故の大きさによって最適に
選択でき、発電機出力の急増急減を抑制して、警報に掛
かることなく、発電機を運転継続できるとともに、系統
安定化への大きな寄与が実現できる効果がある。
【0067】請求項10記載の発明によれば、系統事故
発生時に、系統事故の様相を検出して系統事故の様相の
違いによってインターセプト弁の制御量を変えるように
構成したので、インターセプト弁の系統事故時における
制御パターンを、系統事故の様相によって最適に選択で
き、発電機出力の急増急減を抑制して、警報に掛かるこ
となく、発電機を運転継続できるとともに、系統安定化
への大きな寄与が実現できる効果がある。
【0068】請求項11記載の発明によれば、系統事故
発生時に、事故前の発電出力の違いによってインターセ
プト弁の制御量を変えるように構成したので、インター
セプト弁の系統事故時における制御パターンを、事故前
の発電出力によって最適に選択、でき発電機出力の急増
急減を抑制して、警報に掛かることなく、発電機を運転
継続できるとともに、系統安定化への大きな寄与が実現
できる効果がある。
【0069】請求項12記載の発明によれば、系統事故
発生時に、系統事故の地点、系統事故の大きさ、系統事
故の様相、事故前の発電機の出力量などの条件の違いに
よってインターセプト弁の制御量を変えるように構成し
たので、インターセプト弁の系統事故時における制御パ
ターンを、系統事故の地点、系統事故の大きさ、系統事
故の様相、事故前の発電機の出力量などの条件の違いに
よって最適に選択でき、発電機出力の急増急減を抑制し
て、警報に掛かることなく、発電機を運転継続できると
ともに、系統安定化への大きな寄与が実現できる効果が
ある。
【0070】請求項13記載の発明によれば、系統事故
発生時に、系統事故の地点、系統事故の大きさ、系統事
故の様相、事故前の発電機の出力量などの条件の違いに
よって、タービン高速バルブ制御を適用する発電機の台
数を変えるように構成したので、加減弁、インターセプ
ト弁の系統事故時における制御パターンを、系統事故の
地点、系統事故の大きさ、系統事故の様相、事故前の発
電機の出力量などの条件の違いによって最適に選択で
き、複数の発電機出力をトータルとしての急増急減を抑
制して、警報に掛かることなく、発電機を運転継続でき
るとともに、系統安定化への大きな寄与が実現できる効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明のタービン高速バルブ制御方法を実
施するために使用するタービン高速バルブ信号出力部の
ブロック図である。
【図2】 単一発電機に変圧器を介して接続されている
電力系統図である。
【図3】 この発明の実施の形態1における演算処理装
置を示す回路図である。
【図4】 この発明の実施の形態1におけるGV弁開度
指令パターン図である。
【図5】 この発明の実施の形態2における演算処理装
置を示す回路図である。
【図6】 この発明の実施の形態2におけるGV弁開度
指令パターン図である。
【図7】 この発明の実施の形態3における演算処理装
置を示す回路図である。
【図8】 この発明の実施の形態3におけるGV弁開度
指令パターン図である。
【図9】 この発明の実施の形態4における演算処理装
置を示す回路図である。
【図10】 この発明の実施の形態4におけるGV弁開
度指令パターン図である。
【図11】 この発明の実施の形態5における演算処理
装置を示す回路図である。
【図12】 この発明の実施の形態5におけるGV弁開
度指令パターン図である。
【図13】 この発明の実施の形態6における演算処理
装置を示す回路図である。
【図14】 この発明の実施の形態6におけるGV弁開
度指令パターン図である。
【図15】 この発明の実施の形態7における演算処理
装置を示す回路図である。
【図16】 この発明の実施の形態7におけるGV弁開
度指令パターン図である。
【図17】 この発明の実施の形態8における演算処理
装置を示す回路図である。
【図18】 この発明の実施の形態8におけるGV弁開
度指令パターン図である。
【図19】 この発明の実施の形態9における演算処理
装置を示す回路図である。
【図20】 この発明の実施の形態9におけるGV弁開
度指令パターン図である。
【図21】 この発明の実施の形態10における演算処
理装置を示す回路図である。
【図22】 この発明の実施の形態10におけるGV弁
開度指令パターン図である。
【図23】 この発明の実施の形態11における複数台
の発電機に変圧器を介して接続されている電力系統図で
ある。
【図24】 この発明の実施の形態11における影響区
分ケースに対応したタービン高速バルブ制御適用発電機
台数の判断例を示す説明図である。
【図25】 タンデム形タービンの蒸気系の構成及び弁
配置について示す図である。
【図26】 現状のタービン高速バルブ信号の動作例を
説明するタービン系の制御、弁特性を示すブロック図で
ある。
【図27】 GV弁開度指令パターン、ICV弁開度指
令パターン図である。
【符号の説明】
103 加減弁、104 高圧タービン、105 中圧
タービン、106 低圧タービン、108 インターセ
プト弁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 下村 勝 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 南部 雅彦 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 松浦 芳彦 香川県高松市屋島西町2109番地8 株式会 社四国総合研究所内 (72)発明者 前田 龍己 香川県高松市屋島西町2109番地8 株式会 社四国総合研究所内 (72)発明者 松下 邦雄 香川県高松市屋島西町2109番地8 株式会 社四国総合研究所内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 系統事故が発生し、タービンからの入
    力、発電機からの出力がアンバランスになった場合、高
    圧タービンから中圧タービン、もしくは低圧タービンへ
    流入する蒸気を遮断するインターセプト弁や、通常時に
    速度制御もしくは負荷制御に使われている加減弁に対し
    て急速全閉指令を与えるタービン高速バルブ制御方法に
    おいて、系統事故発生時に、系統事故の内容に応じて前
    記加減弁の制御量を変えることを特徴とするタービン高
    速バルブ制御方法。
  2. 【請求項2】 系統事故の内容として該系統事故の地点
    を検出し、この検出した系統事故地点の違いによって、
    加減弁の制御量を変えることを特徴とする請求項1記載
    のタービン高速バルブ制御方法。
  3. 【請求項3】 系統事故の内容として該系統事故の大き
    さを検出し、この検出した系統事故の大きさの違いによ
    って、加減弁の制御量を変えることを特徴とする請求項
    1記載のタービン高速バルブ制御方法。
  4. 【請求項4】 系統事故の内容として該系統事故の様相
    を検出し、この検出した系統事故の様相の違いによって
    加減弁の制御量を変えることを特徴とする請求項1記載
    のタービン高速バルブ制御方法。
  5. 【請求項5】 系統事故の内容として、事故前の発電出
    力の違いによって加減弁の制御量を変えることを特徴と
    する請求項1記載のタービン高速バルブ制御方法。
  6. 【請求項6】 系統事故の内容として該系統事故の地
    点、系統事故の大きさ、系統事故の様相、事故前の発電
    機の出力量などを検出し、これ等の条件の違いによって
    加減弁の制御量を変えることを特徴とする請求項1記載
    のタービン高速バルブ制御方法。
  7. 【請求項7】 系統事故が発生し、タービンからの入
    力、発電機からの出力がアンバランスになった場合、高
    圧タービンから中圧タービン、もしくは低圧タービンへ
    流入する蒸気を遮断するインターセプト弁や、通常時に
    速度制御もしくは負荷制御に使われている加減弁に対し
    て急速全閉指令を与えるタービン高速バルブ制御方法に
    おいて、系統事故発生時に、系統事故の内容に応じて前
    記インターセプト弁の制御量を変えることを特徴とする
    タービン高速バルブ制御方法。
  8. 【請求項8】 系統事故の内容として該系統事故の地点
    を検出し、この検出した系統事故地点の違いによって、
    インターセプト弁の制御量を変えることを特徴とする請
    求項1記載のタービン高速バルブ制御方法。
  9. 【請求項9】 系統事故の内容として該系統事故の大き
    さを検出し、この検出した系統事故の大きさの違いによ
    って、インターセプト弁の制御量を変えることを特徴と
    する請求項1記載のタービン高速バルブ制御方法。
  10. 【請求項10】 系統事故の内容として該系統事故の様
    相を検出し、この検出した系統事故の様相の違いによっ
    てインターセプト弁の制御量を変えることを特徴とする
    請求項1記載のタービン高速バルブ制御方法。
  11. 【請求項11】 系統事故の内容として、事故前の発電
    出力の違いによってインターセプト弁の制御量を変える
    ことを特徴とする請求項1記載のタービン高速バルブ制
    御方法。
  12. 【請求項12】 系統事故の内容として、系統事故の地
    点、系統事故の大きさ、系統事故の様相、事故前の発電
    機の出力量などを検出し、これ等の条件の違いによって
    インターセプト弁の制御量を変えることを特徴とする請
    求項1記載のタービン高速バルブ制御方法。
  13. 【請求項13】 系統事故が発生し、タービンからの入
    力、複数台の発電機からの出力がアンバランスになった
    場合、高圧タービンから中圧タービン、もしくは低圧タ
    ービンへ流入する蒸気を遮断するインターセプト弁や、
    通常時に速度制御もしくは負荷制御に使われている加減
    弁に対して急速全閉指令を与えるタービン高速バルブ制
    御方法において、系統事故発生時に系統事故の地点、系
    統事故の大きさ、系統事故の様相、事故前の発電機の出
    力量などを検出し、これ等の条件の違いによってタービ
    ン高速バルブ制御を適用する発電機の台数を変えること
    を特徴とするタービン高速バルブ制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019143626A (ja) * 2018-02-21 2019-08-29 株式会社東芝 発電プラントの蒸気加減弁の制御装置および発電プラントの蒸気加減弁の制御方法

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WO2014129467A1 (ja) 2013-02-19 2014-08-28 株式会社東芝 蒸気タービンのバルブ制御装置及びそのバルブ制御方法
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