JP4154090B2 - 励磁制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、同期発電機に発生する発電機過励磁状態を制限制御して、発電機能力曲線内で安全で安定な運転をさせる励磁制御系に適用される励磁制限装置を有する、励磁制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、発電機の励磁システムは、交流励磁機を使用する交流励磁機方式と、直流励磁機を使用する直流励磁機方式と、サイリスタ整流器を励磁電源とするサイリスタ直接励磁方式に大別することができる。
【0003】
ここで、励磁システムの例として、現在の励磁方式の主流であるサイリスタ励磁方式に適用される励磁制御装置について図34を参照して説明する。
【0004】
図34において、同期機1は界磁巻線2を備えており、この同期機1の出力端は主変圧器3,系統並列用遮断器4を介して電力系統5に接続されている。また、サイリスタ整流器6は同期機1の界磁巻線2を界磁遮断器7を介して励磁する励磁回路に設けられており、その交流側入力端は励磁電源変圧器8を介して同期機1の出力端に接続されている。
【0005】
甲系自動電圧調整装置9Aは、同期機1の励磁制御を行い、乙系自動電圧調整装置9Bは、同期機1の励磁制御を行い、甲系と同一構成である。甲系の制御装置10Aは、その入力側が甲系のヒューズ11A及び甲系の計器用変圧器12Aに接続している。この甲系の制御装置10Aは同期機1の出力電圧が甲系の電圧設定器13Aで設定された電圧になるように、上記サイリスタ整流器6のサイリスタをゲート制御する。
【0006】
甲系の過励磁制限装置14Aは甲系の計器用変流器15Aの電流を入力とし、この甲系の過励磁制限装置14Aは何らかの原因により同期機1の界磁巻線2に過大な界磁電流が流れるような状態になったとき、その過励磁状態を反限時特性をもって検出して、甲系の制御装置10Aへ出力する。これに対して、甲系の制御装置10Aは過励磁制限信号を出力し、過励磁制限引き戻し値まで制限するように動作する。
【0007】
一方、乙系自動電圧調整装置9Bも上記甲系自動電圧調整装置9Aと同様な構成で、乙系の制御装置10B,乙系の電圧設定器13B,乙系の過励磁制限装置14Bからなり、乙系の計器用変圧器12B及び乙系のヒューズ11Bを介して、同期機1の出力端に接続されている。
【0008】
なお、甲系,乙系は各々常用系,待機系の役割をお互いに分担することにより、自動電圧調整装置の2重化を行っており、甲系の制御装置10Aまたは乙系の制御装置10Bのいずれかの常用系の制御信号が図示しない手段で選択されて励磁回路へ出力されている。
【0009】
ところで、同期機1はその界磁巻線2中に界磁電流を流し、発電しているが、ある一定以上の電流が流れると過励磁となり、界磁巻線2中に著しく温度上昇が生じ、同期機1の損傷を招くことになる。
【0010】
図35は、反限時検出特性を有する過励磁制限線図を示し、縦軸に界磁電流If(%)を、横軸に時間t(秒)をとって示している。図において、100は過励磁制限引き戻し値、101は過励磁制限検出開始設定値、102は過励磁制限線、103は待機系切替制限線である。ここで、各制限線は、界磁電流Ifが大きいとき高速に検出し、界磁電流Ifが小さいとき低速に検出するように界磁電流Ifの大きさに応じて設定されている。
【0011】
同期機1が定格負荷にて運転中、同期機1の界磁電流が過励磁制限検出開始設定値101を超えて、ある一定時間継続すると、予め定められた過励磁制御線102により過励磁検出の警報信号が甲系自動電圧調整装置9A,乙系自動電圧調整装置9Bに出力され、同期機1の界磁電流を過励磁制限引き戻し値100まで抑制する。この場合、所定の時間を経過しても同期機1の界磁電流が抑制されない場合には待機系切替制限線103により、同期機の励磁制御を待機系へ切替える。装置異常に起因した検出異常によって待機系への切替えが行われた場合、待機系により正常に運転が継続される。
【0012】
しかしながら、待機系が装置異常又は実際に過励磁状態となっている場合には、やがて常用系と同様に同期機1の界磁電流を過励磁引き戻し値まで抑制する過励磁制限制御を開始する。所定の時間を経過しても同期機1の界磁電流が抑制されない場合には両系故障となり、プラントトリップに至る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、自動電圧調整装置を2重化構成とした励磁制御装置で定格負荷運転中に、系統動揺やプラント運用条件等の要因により、同期機1が過励磁状態へと移行した場合、過励磁制限制御により、引き戻し制御を行うが,所定の時間を経過しても同期機1の過励磁状態が抑制されない場合には待機系へ切替を行うようにしている。
【0014】
しかしながら、現状の過励磁制限制御は、同期機1の励磁特性が反限時特性を有する過励磁制限線に到達した場合にのみ制限制御を開始するため、同期機1が瞬時に過励磁状態に移行する場合、当該系が過励磁を検出することにより待機系へ系切替を行い、待機系でも同様に過励磁を検出すると、直ちに自動電圧調整装置の両系故障となり,プラントトリップに至ってしまうという問題がある。
【0015】
系統動揺等の外的要因による過励磁状態から起こるプラントトリップはやむを得ないとしても、プラントの運用条件等による発電機の過励磁状態に関しては,自動電圧調整装置による迅速かつ確実な制限制御を行い、プラントの運用性の向上を図る必要がある。
【0016】
そこで、本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、励磁制御装置において、発電機が過励磁状態に移行した場合、その過励磁状態に応じた過励磁制限制御を随時行うこと及び2重化した自動電圧調整装置に関しては、常用系により制限しきれなかった場合は、待機系に制御を切替えて常用系と同様な過励磁制限制御を随時行うことにより、発電機の過励磁を主要因としたプラントトリップを防ぎ、プラントの運用効率を向上させる励磁制御装置を提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、電力系統に接続される同期機が所定の電圧を発生するように同期機の励磁制御を行う励磁制御信号を出力する一方、同期機の過励磁状態を反限時特性をもって検出して所定の過励磁制限引き戻し値まで制限するための過励磁制限信号を過励磁状態を弱め界磁とするように励磁制御信号へ付加出力する自動電圧調整装置とを有して同期機の励磁制御をする励磁制御装置において、界磁電流あるいは界磁電圧に対して反限時特性の過励磁の制限を段階的に順次定める複数の過励磁制限線と同期機の界磁電流信号あるいは界磁電圧信号とを各過励磁制限線毎に比較し、同期機の界磁電流信号あるいは界磁電圧信号が過励磁制限線以上となったそれぞれの過励磁制限線に対して個別に設ける各個別過励磁制限信号を加算した信号によって現過励磁状態から所定の過励磁制限引き戻し値まで制限可能とするように定めて出力する手段と、この手段により各出力される各個別過励磁制限信号を加算して得られた過励磁制限信号を励磁制御信号へ付加出力する手段を設けるようにしたものである。この手段によれば、同期機の界磁電流信号あるいは界磁電圧信号が複数段階的に順次定める過励磁制限線以上となった場合、過励磁制限線以上となった各個別過励磁制限信号が加算され過励磁制限信号とされる。これによって、順次段階的に各個別過励磁制限信号が加算されて出力されるので、過励磁状態に応じて最適な過励磁制御が迅速、かつ、確実に行われる。従って、従来のように一律に定める過励磁制御信号による引き戻しの遅れ制御や過度の制御を阻止し、プラントのトリップを回避することができる。
【0018】
請求項2の発明は、電力系統に接続される同期機が所定の電圧を発生するように同期機の励磁制御を行う励磁制御信号を出力する一方、同期機の過励磁状態を反限時特性をもって検出して所定の過励磁制限引き戻し値まで制限するための過励磁制限信号を過励磁状態を弱め界磁とするように励磁制御信号へ付加出力する自動電圧調整装置とを有して同期機の励磁制御をする励磁制御装置において、界磁電流あるいは界磁電圧に対して反限時特性の過励磁状態の制限を段階的に順次定める複数の過励磁制限線と同期機の界磁電流信号あるいは界磁電圧信号とを比較し、同期機の界磁電流信号あるいは界磁電圧信号がいずれかの過励磁制限線以上となったと検出した場合、最も過励磁状態の過励磁制限線を特定し、特定された過励磁制限線に対して設ける過励磁制限信号を該過励磁制限信号によって現過励磁状態から所定の過励磁制限引き戻し値まで制限可能とするように定めて出力する手段と、特定された最も過励磁状態の過励磁制限線に対応する過励磁制限信号を選択して励磁制御信号へ付加出力する手段とを設けるようにしたものである。この手段によれば、同期機の界磁電流信号あるいは界磁電圧信号が複数段階的に順次定める過励磁制限線以上となった場合、過励磁制限線以上となった最も過励磁状態の過励磁制限線に対応する過励磁制限信号が選択され過励磁制限信号とされる。これによって、順次段階的に過励磁制限信号が出力されるので、過励磁状態に応じて最適な過励磁制御が迅速、かつ、確実に行われる。従って、従来のように一律に定める過励磁制御信号による引き戻しの遅れ制御や過度な制御を阻止し、プラントのトリップを回避することができる。
【0019】
請求項3の発明は、電力系統に接続される同期機が所定の電圧を発生するように同期機の励磁制御を行う励磁制御信号を出力する一方、同期機の過励磁状態を検出して所定の過励磁制限引き戻し値まで制限するための過励磁抑制信号を過励磁状態を弱め界磁とするように励磁制御信号へ付加出力する自動電圧調整装置とを有して同期機の励磁制御をする励磁制御装置において、同期機の出力する有効電力及び無効電力を検出し、検出された有効電力信号と予め定める係数に基づいて、無効電力に対して過励磁の制限を段階的に順次定める複数の過励磁制限線を作成し、作成された過励磁制限線と比較し、同期機の無効電力信号が過励磁制限線以上となった各過励磁制限線に対して個別に設ける各個別過励磁制限信号を加算した信号によって現過励磁状態から所定の過励磁制限引き戻し値まで制限可能とするように定めて出力する手段と、この手段により各出力される各過励磁制限信号を加算して得られた過励磁制限信号を励磁制御信号に付加出力する手段とを設けるようにしたものである。この手段によれば、同期機の無効電力信号が複数段階的に順次算出され定める過励磁制限線以上となった場合、過励磁制限線以上となった各個別過励磁制限信号が加算され過励磁制限信号とされる。これによって、順次段階的に各個別過励磁制限信号が加算されて出力されるので、過励磁状態に応じて最適な過励磁制御が迅速、かつ、確実に行われる。従って、従来のように一律に定める過励磁制御信号による引き戻しの遅れ制御や過度の制御を阻止し、プラントのトリップを回避することができる。
【0020】
請求項4の発明は、電力系統に接続される同期機が所定の電圧を発生するように同期機の励磁制御を行う励磁制御信号を出力する一方、同期機の過励磁状態を検出して所定の過励磁制限引き戻し値まで制限するための過励磁制限信号を過励磁状態を弱め界磁とするように励磁制御信号へ付加出力する自動電圧調整装置とを有して同期機の励磁制御をする励磁制御装置において、同期機の有効電力及び無効電力を検出し、検出された有効電力信号と予め定める係数に基づいて無効電力に対して過励磁の制限を段階的に順次定める複数の過励磁制限線を作成し、作成された各過励磁制限線と比較し、同期機の無効電力信号がいずれかの過励磁制限線となったと検出した場合、最も過励磁状態に対する過励磁制限線を特定し、特定された過励磁制限線に対して設ける過励磁制限信号を該過励磁制限信号によって現過励磁状態から所定の過励磁制限引き戻し値まで制限可能とするように定めて出力する手段と、特定された最も過励磁状態の過励磁制限線に対応する過励磁制限信号を選択して励磁制御信号へ付加出力する手段とを設けるようにしたものである。この手段によれば、同期機の無効電力が複数段階的に順次算出され定める過励磁制限線以上となった場合、過励磁制限線以上となった最も過励磁状態の過励磁制限線に対応する過励磁制限信号が過励磁制限信号とされる。これによって、順次段階的に過励磁制限信号が出力されるので、過励磁状態に応じて最適な過励磁制御が迅速、かつ、確実に行われる。従って、従来のように一律に定める過励磁制御信号による引き戻しの遅れ制御や過度の制御を阻止し、プラントのトリップを回避することができる。
【0021】
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4記載の励磁制御装置において、励磁制御信号に基づくサイリスタの点弧位相角に対して過励磁制限信号に基づくサイリスタの点弧位相角を弱め励磁とするように付加出力して位相調整手段のサイリスタの点弧位相角をシフトさせて同期機の過励磁状態を抑制するようにしたものである。この手段によれば、位相調整手段のサイリスタの点弧位相角が過励磁制御信号に応じてシフトされ、過励磁状態に応じた迅速、かつ、確実な制御が行われる。
【0022】
請求項6の発明は、電力系統に接続される同期機が所定の電圧を発生するように同期機の励磁制御を行う励磁制御信号を出力する一方、同期機の過励磁状態を反限時特性をもって検出して所定の過励磁制限引き戻し値まで制限するための過励磁制限信号を過励磁状態を弱め界磁とするように励磁制御信号へ付加出力する自動電圧調整装置とを有して同期機の励磁制御をする励磁制御装置において、界磁電流あるいは界磁電圧に対して反限時特性の過励磁の制限をサイリスタ整流器の耐量に応じた運転領域内で最大限運転可能とするように定める複数の過励磁制限線と同期機の界磁電流信号あるいは界磁電圧信号とを比較する手段と、この手段による比較によって同期機の界磁電流信号あるいは界磁電圧信号が複数の過励磁制限線内のいずれかの過励磁制限線に達した場合、最も低い過励磁状態の過励磁制限線を特定し、特定された過励磁制限線に対して設ける過励磁制限信号を該過励磁制限信号によって現過励磁状態から所定の過励磁制限引き戻し値まで制限可能とするように定めて出力する手段と、最も低い過励磁制限線の出力する過励磁制限信号を選択して励磁制御信号へ付加出力する手段とを設けるようにしたものである。この手段によれば、同期機の界磁電流信号あるいは界磁電圧信号がサイリスタ整流器の耐量に応じて運転領域内で最大運転可能とするように定める複数の過励磁制限線に達した場合に、該当する各過励磁制限信号の内で、最も低い過励磁制限線の出力する過励磁制限信号が選択される。これによって、複数の過励磁制限線の内で最も低値の過励磁制御線の過励磁制限信号信号が出力されるので、過励磁状態に応じて最適な過励磁制御が迅速、かつ、確実に行われる。さらに、サイリスタ整流器の耐量領域近傍を有効に活用した運転ができる。従って、従来のように一律に定める過励磁制御信号による引き戻しの遅れ制御や過制御を阻止し、プラントのトリップを回避することができる。
【0023】
請求項7の発明は、電力系統に接続される同期機が所定の電圧を発生するように同期機の励磁制御を行う励磁制御信号を出力する一方、同期機の過励磁状態を反限時特性をもって検出して所定の過励磁制限引き戻し値まで制限するための過励磁制限信号を過励磁状態を弱め界磁とするように励磁制御信号へ付加出力する自動電圧調整装置とを有して同期機の励磁制御をする励磁制御装置において、界磁電流に対して反限時特性の過励磁の制限を一以上定める第一過励磁制限線と同期機の界磁電流信号とを比較して同期機の界磁電流信号が第一過励磁制限線以上の場合に、第一個別過励磁制限信号を出力する手段と、界磁電圧に対して反限時特性の過励磁の制限を一以上定める第二過励磁制限線と比較して同期機の界磁電圧信号が第二過励磁制限線以上の場合に、第二個別過励磁制限信号を出力する手段と、第一個別過励磁制限信号と第二個別過励磁制限信号とを加算して得られる加算信号を励磁制御信号へ付加出力するようにしたものである。この手段によれば、同期機の界磁電流信号が界磁電流に対して一以上定める第一過励磁制限線以上の場合に第一個別過励磁制限信号が出力されると共に、同期機の界磁電圧信号が界磁電圧に対して一以上定める第二過励磁制限線以上の場合に第二個別過励磁制限信号が出力される。そして、第一個別過励磁制限信号と第二個別過励磁制限信号とが加算され過励磁制限信号とされる。これによって、界磁電流に対する各第一個別過励磁制限信号と界磁電圧に対する各第二個別過励磁制限信号とが加算されて出力されるので、過励磁状態に応じて過励磁制御が迅速、かつ、確実に行われる。従って、従来のように一律に定める過励磁制御信号による引き戻しの遅れ制御や過度の制御を阻止し、プラントのトリップを回避することができる。
【0024】
請求項8の発明は、電力系統に接続される同期機が所定の電圧を発生するように同期機の励磁制御を行う励磁制御信号を出力する一方、同期機の過励磁状態を反限時特性をもって検出して所定の過励磁制限引き戻し値まで制限するための過励磁制限信号を過励磁状態を弱め界磁とするように励磁制御信号へ付加出力する自動電圧調整装置とを有して同期機の励磁制御をする励磁制御装置において、界磁電流に対して反限時特性の過励磁の制限を段階的に順次定める一以上の過励磁制限線と同期機の界磁電流信号とを各過励磁制限線毎に比較し、同期機の界磁電流信号が過励磁制限線以上の場合、各過励磁制限線に対して個別に設ける各第一個別過励磁制限信号を加算した信号によって現過励磁状態を制限可能とするように定めて出力する手段と、同期機の有効電力及び無効電力を検出し、検出された有効電力信号と予め定める係数に基づいて、無効電力に対して過励磁の制限を定める一以上の過励磁制限線を作成し、作成された各過励磁制限線と比較し、同期機の無効電力信号が過励磁制限線以上の場合、各過励磁制限線に対して個別に設ける各第二個別過励磁抑制信号を加算した信号によって現過励磁状態を制限可能とするように定めて出力する手段と、この手段により各出力される各第一個別過励磁制限信号と各第二個別過励磁制限信号とを加算して得られた信号を過励磁抑制信号へ付加出力する手段とを設けるようにしたものてある。この手段によれば、同期機の界磁電流信号が界磁電流に対して一以上定める過励磁制限線以上の場合に第一個別過励磁制限信号が出力されると共に、同期機の無効電力信号が無効電力に対して算出して一以上定める過励磁制限線以上の場合に第二個別過励磁制限信号が出力される。そして、第一個別過励磁制限信号と第二個別過励磁制限信号が加算され過励磁制限信号とされる。これによって、各第一個別過励磁制限信号と各第二個別過励磁制限信号とが加算されて出力されるので、過励磁状態に応じて最適な過励磁制御が迅速、かつ、確実に行われる。従って、従来のように一律に定める過励磁制御信号による引き戻しの遅れ制御や過度の制御を阻止し、プラントのトリップを回避することができる。
【0025】
請求項9の発明は、電力系統に接続される同期機が所定の電圧を発生するように同期機の励磁制御を行う励磁制御信号を出力する一方、同期機の過励磁状態を反限時特性をもって検出して所定の過励磁制限引き戻し値まで制限するための過励磁制限信号を過励磁状態を弱め界磁とするように励磁制御信号へ付加出力する自動電圧調整装置とを有して同期機の励磁制御をする励磁制御装置において、界磁電流あるいは界磁電圧に対して反限時特性の過励磁の制限を段階的に順次定める複数の過励磁制限線と同期機の界磁電流信号あるいは界磁電圧信号とを比較し、同期機の界磁電流信号あるいは界磁電圧信号が過励磁制限線以上となった場合に、該当する過励磁制限線に応じた各過励磁制限信号を出力する手段と、同期機の界磁電流信号あるいは界磁電圧信号の変化率を算出し、算出された変化率に応じて複数の過励磁制限線のいずれかを選択して、選択された過励磁制限線に対応する過励磁制限信号を励磁制御信号に付加出力する手段とを設けるようにしたものである。この手段によれば、同期機の界磁電流信号あるいは界磁電圧信号が過励磁制限線以上となった場合に該当する過励磁制限線に応じた各過励磁制限信号が出力される一方、同期機の界磁電流信号あるいは界磁電圧信号の変化率に応じて各過励磁制限信号のいずれかが選択され過励磁制限信号とされる。これによって、変化率に応じて過励磁制限信号が出力されるので、過励磁状態に応じて過励磁制御が迅速、かつ、確実に行われる。従って、従来のように一律な過励磁制御信号による引き戻しの遅れ制御や過度の制御を阻止し、プラントのトリップを回避することができる。
【0026】
請求項10の発明は、電力系統に接続される同期機が所定の電圧を発生するように同期機の励磁制御を行う励磁制御信号を出力する一方、同期機の過励磁状態を反限時特性をもって検出して所定の過励磁制限引き戻し値まで制限するための過励磁制限信号を過励磁状態を弱め界磁とするように励磁制御信号へ付加出力する自動電圧調整装置とを有して同期機の励磁制御をする励磁制御装置において、無効電力に対して反限時特性の過励磁の制限を段階的に順次算出して定める複数の過励磁制限線と同期機の無効電力信号とを比較し、同期機の無効電力信号が過励磁制限線以上となった場合に、該当する過励磁制限線に応じた各過励磁制限信号を出力する手段と、同期機の無効電力信号の変化率を算出し、算出された変化率に応じて複数の過励磁制限線のいずれかを選択して、選択された過励磁制限線に対応する過励磁制限信号を励磁制御信号に付加出力する手段とを設けるようにしたものである。この手段によれば、同期機の無効電力信号が過励磁制限線以上となった場合に該当する過励磁制限線に応じた各過励磁制限信号が出力される一方、同期機の無効電力信号の変化率に応じて各過励磁制限信号のいずれかが選択され過励磁制限信号とされる。これによって、変化率に応じて過励磁制限信号が出力されるので、過励磁状態に応じて過励磁制御が迅速、かつ、確実に行われる。従って、従来のように一律な過励磁制御信号による引き戻しの遅れ制御や過制御を阻止し、プラントのトリップを回避することができる。
【0027】
請求項11の発明は、電力系統に接続される同期機が所定の電圧を発生するように同期機の励磁制御を行う励磁制御信号を出力する一方、同期機の過励磁状態を反限時特性をもって検出して所定の過励磁制限引き戻し値まで制限するための過励磁制限信号を過励磁状態を弱め界磁とするように励磁制御信号へ付加出力する自動電圧調整装置とを有して同期機の励磁制御をする励磁制御装置において、界磁電圧あるいは界磁電圧に対して反限時特性の過励磁の制限を段階的に順次定める一以上の過励磁制限線と同期機の界磁電流信号あるいは界磁電圧信号とを比較し、同期機の界磁電流信号あるいは界磁電圧信号が過励磁制限線以上の場合、各過励磁制限線に応じて各個別過励磁制限信号を出力する手段と、同期機の界磁電流信号あるいは界磁電圧信号に応じて制御ゲインを算出する一以上の過励磁制限線に対応する手段と、各個別過励磁制限信号と対応する制御ゲインとに基づいて各個別過励磁制限信号を増減させて得られた信号の加算信号を励磁制御信号に付加出力する手段とを設けるようにしたものである。この手段によれば、同期機の界磁電流信号あるいは界磁電圧信号が過励磁制限線以上の場合、各過励磁制限線に応じた個別過励磁制限信号が出力されると共に、同期機の界磁電流信号あるいは界磁電圧信号に応じて制御ゲインが算出される。そして、算出された制御ゲインによって各個別過励磁信号が増減されて加算された信号が過励磁制限信号とされる。これによって、連続的に各個別過励磁制限信号が増減され加算されて出力されるので、過励磁状態に応じて過励磁制御が迅速、かつ、確実に行われる。従って、従来のように一律な過励磁制御信号による引き戻しの遅れ制御や過度の制御を阻止し、プラントのトリップを回避することができる。
【0028】
請求項12の発明は、請求項11記載の励磁制御装置において、制御ゲインを算出する一以上の過励磁制限線に対応する手段は、外部から設定可能な同期機の界磁電流設定信号あるいは界磁電圧設定信号と同期機の界磁電流信号あるいは界磁電圧信号との偏差信号に応じて制御ゲインを算出するようにしたものである。この手段によれば、外部から界磁電流設定信号あるいは界磁電圧設定信号が任意に設定されて、これに基づく偏差信号によって制御ゲインが算出されるので、運転状況に応じた適切な過励磁制御をすることができる。
【0029】
請求項13の発明は、電力系統に接続される同期機が所定の電圧を発生するように同期機の励磁制御を行う励磁制御信号を出力する一方、同期機の過励磁状態を反限時特性をもって検出して所定の過励磁制限引き戻し値まで制限するための過励磁制限信号を過励磁状態を弱め界磁とするように励磁制御信号へ付加出力する自動電圧調整装置とを有して同期機の励磁制御をする励磁制御装置において、無効電力に対して反限時特性の過励磁の制限を段階的に順次定める一以上の過励磁制限線と同期機の無効電力信号とを比較し、同期機の無効電力信号が過励磁制限線以上の場合、各過励磁制限線に応じて各個別過励磁抑制信号を出力する手段と、同期機の無効電力信号に応じて制御ゲインを算出する一以上の過励磁制限線に対応する手段と各個別過励磁制限信号と対応する制御ゲインとに基づいて各個別過励磁制限信号を増減させて得られた信号の加算信号を励磁制御信号に付加出力する手段とを設けるようにしたものである。この手段によれば、同期機の無効電力信号が過励磁制限線以上の場合、各過励磁制限線に応じた各個別過励磁制限信号が出力されると共に、同期機の無効電力信号に応じて制御ゲインが算出される。そして、算出された制御ゲインによって各個別過励磁信号が増減されて加算された信号が過励磁制限信号とされる。これによって、連続的に制御ゲインに応じて各個別過励磁制限信号が増減され加算されて出力されるので、過励磁状態に応じて過励磁制御が迅速、かつ、確実に行われる。従って、従来のように一律な過励磁制御信号による引き戻しの遅れ制御や過度の制御を阻止し、プラントのトリップを回避することができる。
【0030】
請求項14の発明は、請求項13記載の励磁制御装置において、制御ゲインを算出する一以上の過励磁制限線に対応する手段は、外部から設定可能な同期機の無効電力設定信号と同期機の無効電力信号との偏差信号に応じて制御ゲインを算出するようにしたものである。この手段によれば、外部から無効電力設定信号が任意に設定されて、これに基づく偏差信号によって制御ゲインが算出されるので、運転状況に応じた適切な過励磁制御をすることができる。
【0031】
請求項15の発明は、電力系統に接続される同期機が所定の電圧を発生するように同期機の励磁制御を行う励磁制御信号を出力する制御手段と、同期機の過励磁状態を反限時特性をもって検出して所定の過励磁制限引き戻し値まで制限するための過励磁制限信号を過励磁状態を弱め界磁とするように励磁制御信号へ付加出力する過励磁制限手段とからなる常用系と待機系との二重化構成の自動電圧調整装置とを有して同期機の励磁制御をする励磁制御装置において、各自系の自動電圧調整装置は、自系が常用系の場合に自系の過励磁制限手段から過励磁制限信号を含む過励磁状態情報を他系の過励磁制限手段へ伝達する手段を設けるようにしたものである。この手段によれば、常用系の自動電圧調整装置から待機系の自動電圧調整装置へ常用系の過励磁制限信号を含む過励磁状態情報が伝達される。これにより自系が待機系から常用系へ切替えられた場合、常用系であった他系の過励磁状態情報に基づいて過励磁制御が行われる。従って、従来のように常用系から待機系へ切替えに伴う過励磁を主要因とするプラントトリップを回避してプラントの運用効率を向上させることができる。
【0032】
請求項16の発明は、電力系統に接続される同期機が所定の電圧を発生するように同期機の励磁制御を行う励磁制御信号を出力する制御手段と、同期機の過励磁状態を反限時特性をもって検出して所定の過励磁制限引き戻し値まで制限するための過励磁制限信号を過励磁状態を弱め界磁とするように励磁制御信号へ付加出力する過励磁制限手段とからなる常用系と待機系との二重化構成の自動電圧調整装置とを有して同期機の励磁制御をする励磁制御装置において、各自系の自動電圧調整装置は、自系が常用系の場合、自系の検出した同期機の界磁電流信号あるいは界磁電圧信号と各自系の制御手段から出力される位相信号とを他系の待機系の励磁状態監視手段へ伝達する手段と、自系が待機系の場合に励磁状態監視手段によって常用系の位相信号の状態と界磁電流信号あるいは界磁電圧信号との相関関係を監視して所定の条件によって自系が常用系となるように切替る手段とを設けるようにしたものである。この手段によれば、待機系の励磁状態監視手段によって常用系の位相信号の状態と界磁電流信号あるいは界磁電圧信号との相関関係が所定の条件の場合に常用系に切替えられる。これにより自系が待機系から常用系へ自動的に円滑に切替えられ、常用系であった他系の過励磁状態情報に基づいて過励磁制御が行われる。従って、従来のように常用系から待機系へ切替えに伴う過励磁を主要因とするプラントのトリップを回避してプラントの運用効率を向上させることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施の形態を示す励磁制御装置の構成図である。
【0034】
図1において、従来技術を示す図34と同一符号は同一部分又は相当部分を示し、既に説明した部分は説明を省略する。なお、以下説明する第1実施の形態乃至第17実施の形態において、符号Aは、甲系自動電圧調整装置の系統を示し、符号Bは、乙系自動電圧調整装置の系統を示している。
【0035】
本発明の第1実施の形態は、甲系自動電圧調整装置9A内に第一段過励磁制御装置16Aと第二段過励磁制御装置17Aと第三段過励磁制御装置18Aと制御信号演算器19Aとを設ける一方、乙系自動電圧調整装置9B内に第一段過励磁制御装置16Bと第二段過励磁制御装置17Bと第三段過励磁制御装置18Bと制御信号演算器19Bとを設ける点に特徴を有している。
【0036】
以上の構成で、各計器用変流器15A(15B)にて検出された同期機1の界磁電流の検出信号が甲系自動電圧調整装置9Aの第一段過励磁制御装置16Aと第二段過励磁制御装置17Aと第三段過励磁制御装置18Aへ各入力されると共に、乙系自動電圧調整装置9Bの第一段過励磁制御装置16Bと第二段過励磁制御装置17Bと第三段過励磁制御装置18Bへ入力され、図2に示す同期機1の過励磁制限線104、105、106に基づいて過励磁状態の監視が行われる。
【0037】
ここで、同期機1の界磁電流が過励磁制限検出開始設定値101を越えて第一段過励磁制限線104に過励磁状態が達した場合、同期機1の界磁電流を過励磁制限引き戻し値100に引き戻すような過励磁制限信号が第一段過励磁制限装置16A(16B)より出力される。そして、制御信号演算器19A(19B)によって制御装置10A(10B)に励磁弱め信号が付加されるように出力される。
【0038】
この場合に、励磁弱め信号が付加されたにもかかわらず過励磁状態が継続し、図2に示す過励磁制限線105に過励磁状態が達した場合、同期機1の界磁電流を過励磁制限引き戻し値100に引き戻すような過励磁制限信号が第二段過励磁制限装置17A(17B)より出力され、制御信号演算器19A(19B)によって、他の過励磁制限信号と加算される。
【0039】
この場合、第一段過励磁制限装置16A(16B)により過励磁制限信号が出力されたままの状態なので、この過励磁制限信号との加算が行われる。加算後の過励磁制限信号が制御装置10A(10B)から出力される制御信号に対して励磁弱め信号として付加される。
【0040】
次に上記の如く、励磁弱め信号が付加されたにもかかわらずさらに過励磁状態が継続し、過励磁制限線106に過励磁状態が達した場合、先述と同様に、同期機1の界磁電流を過励磁制限引き戻し値100に引き戻すような過励磁制限信号が第三段過励磁制限装置18A(18B)より出力され、制御信号演算器19A(19B)によって、他の過励磁制限信号と加算される。
【0041】
この場合は第一段過励磁制限装置16A(16B)と第二段過励磁制限装置17A(17B)より過励磁制限信号は出力されたままの状態なので、これらの過励磁制限信号との加算が行われる。加算後の過励磁制限信号が制御装置10A(10B)へ励磁弱め信号として出力される。
【0042】
このように、同期機1の界磁電流が過励磁状態となると、励磁弱め信号が自動電圧調整装置9A,9Bから出力される。しかし、それにもかかわらず過励磁状態が継続した場合は、次段の過励磁制限線に達したタイミングにて次段の過励磁制限信号が現状の制限信号に随時加算される。本実施の形態によれば、自動電圧調整装置の有する過励磁制限制御を最大限に活かし、発電機過励磁を主要因としたプラントトリップを防ぎ、プラントの運用効率を向上させることができる。
【0043】
なお、図3は、第1実施の形態の他の変形例を示す構成図である。この変形例は、過励磁制限装置に界磁電流ではなく、界磁電圧を入力して実施するものである。図3の41A(41B)は、界磁電圧検出器を示し、界磁電圧の検出信号を甲系自動電圧調整装置9A、乙系自動電圧調整装置9Bへ各出力する。この構成によっても、同様の効果を得ることができる。
【0044】
図4は本発明の第2実施の形態を示す励磁制御装置の構成図である。図中、図1と同一符号は同一部分又は相当部分を示し、既に説明した部分は説明を省略する。
【0045】
第2実施の形態は、第1実施の形態を示す図1の制御信号演算器19A(19B)の代わりに過励磁制限制御検出器20A(20B)と過励磁制限制御信号選択器21A(21B)とを設けた点に特徴を有している。
【0046】
以上の構成で、同期機1の界磁電流が図2に示す過励磁状態となり、過励磁制限線104,105,106に達した場合、その到達タイミングが過励磁制限制御検出器20A(20B)で検出され、これをもとに各々の過励磁制限特性を有する第一過励磁制限装置16A(16B),第二過励磁制限装置17A(17B),第三過励磁制限装置18A(18B)からのいずれかの過励磁制限信号が過励磁制限制御信号選択器21A(21B)によって選択される。そして、選択された過励磁制限信号が制御装置10A(10B)へ励磁弱め信号として付加するように出力される。
【0047】
このように、同期機1の界磁電流が過励磁状態となると、励磁弱め信号が自動電圧調整装置9A,9Bから出力される。それにもかかわらず過励磁状態が継続した場合は、次段の過励磁制限線に達したタイミングにて次段の過励磁制限信号が現状の過励磁制限信号と順次切替えられる。これによれば、自動電圧調整装置の有する過励磁制限制御を最大限に活かし、発電機過励磁を主要因としたプラントトリップを防ぎ、プラントの運用効率を向上させることができる。
【0048】
なお、図5は、第2実施の形態の他の変形例としての構成図であって、過励磁制限装置に界磁電流ではなく、界磁電圧を入力するものである。図5の41A(41B)は、界磁電圧検出器を示し、界磁電圧の検出信号を甲系自動電圧調整装置9A、乙系自動電圧調整装置9Bへ出力する。この構成によっても、同様の効果を得ることができる。
【0049】
図6は、本発明の第3実施の形態を示す励磁制御装置の構成図である。
【0050】
図6において、第1実施の形態を示す図1と同一符号は同一部分又は相当部分を示し、既に説明した部分は説明を省略する。
【0051】
第3実施の形態は、第1実施の形態における制御信号演算器19A(19B)の過励磁制限信号を位相調整回路22A(22B)へ入力させて点弧位相角をシフトさせる点に特徴を有している。
【0052】
以上の構成で、制御信号演算器19A(19B)にて出力される過励磁制限信号が、位相調整回路22A(22B)に入力し、過励磁制限信号に応じた点弧位相角αに対して過励磁制御信号に担当分をシフトさせ、必要以上の過励磁状態とならないように制限される。
【0053】
このように、同期機1の界磁電流が過励磁状態となると、励磁弱め信号が自動電圧調整装置9A,9Bから出力される。それにもかかわらず過励磁状態が継続した場合は、次段の過励磁制限線に達したタイミングにて過励磁制限信号が現状の位相制御信号に加算される。これによれば、自動電圧調整装置の有する過励磁制限制御を最大限に活かし、発電機過励磁を主要因としたプラントトリップを防ぎ、プラントの運用効率を向上させることができる。
【0054】
図7は、第3実施の形態の第1の変形例を示し、甲系自動電圧調整装置9A,乙系自動電圧調整装置9Bへ界磁電流に代えて、界磁電圧を入力するものである。この構成によっても、同様の効果を得ることができる。
【0055】
図8は、第3実施の形態の第2の変形例を示す励磁制御装置の構成図である。
【0056】
図8において、図5と同一符号は同一部分又は相当部分を示し、既に説明した部分は説明を省略する。本変形例は、第2実施の形態における過励磁制限制御信号選択器21の過励磁制限信号を位相調整回路22A(22B)へ入力させて点弧位相角をシフトさせるものである。
【0057】
以上の構成で、第一段過励磁制限装置16A(16B)、第二段過励磁制限装置17A(17B)、第三段過励磁制限装置18A(18B)からの位相制御信号と各々の過励磁制限装置の過励磁制限制御の開始タイミングを検出する過励磁制限制御検出器20A(20B)とにより、選択すべき位相制御信号が過励磁制限制御信号選択器21A(21B)にて選択され、選択された位相制御信号が位相調整回路22A(22B)に入力し、かつ位相制御信号に応じた点弧位相角αに切替えて、必要以上の過励磁状態とならないように制限される。
【0058】
このように、同期機1の界磁電流が過励磁状態となると、励磁弱め信号が自動電圧調整装置から出力される。それにもかかわらず過励磁状態が継続した場合は、次段の過励磁制限線に達したタイミングにて過励磁制限のための位相制御信号を現状の位相制御信号に切替えられる。本例によれば、自動電圧調整装置の有する過励磁制限制御を最大限に活かし、発電機過励磁を主要因としたプラントトリップを防ぎ、プラントの運用効率を向上させることができる。
【0059】
図9は、第3実施の形態の第3変形例を示し、過励磁制限装置に界磁電流の代わりに、界磁電圧の検出信号を入力するものである。この構成によっても、同様の効果を得ることができる。
【0060】
図10は、第4実施の形態を示す励磁制御装置の構成図である。
【0061】
図10において、従来技術を示す図34と同一符号は同一部分又は相当部分を示し、既に説明した部分は説明を省略する。
【0062】
第4実施の形態は、図34に示す過励磁制限装置14A(14B)の代わりに電力変換器25A(25B)と第一関数発生器29A(29B),第二関数発生器30A(30B),第三関数発生器31A(31B)と、電力信号演算器27A(27B)と、制御信号演算器19A(19B)を設けた点に特徴を有している。
【0063】
以上の構成で、ヒューズ11A(11B)と計器用変圧器12A(12B)にて検出された同期機1の出力電圧と、計器用変流器24A(24B)にて検出された同期機1の出力電流が電力変換器25A(25B)に入力され、有効電力と無効電力が算出される。そして、算出された有効電力が各段の第一関数発生器29A(29B),第二関数発生器30A(30B),第三関数発生器31A(31B)に入力され、各々の係数との関数演算により、無効電力の制限値が算出される。算出された無効電力と制限値は各々電力信号演算器27A(27B)に入力される。
【0064】
図11は、本実施の形態に用いる運転能力曲線図である。図において、縦軸にQ/et2をとり横軸にP/et2をとった場合、108,109,110が運転能力曲線を示し、これらの運転能力曲線に囲まれた領域が安定に運転可能な範囲となっている。無効電力の制限値は、図11において、第一段の電力検出過励磁制限線111と第二段の電力検出過励磁制限線112と第三段の電力検出過励磁制限線113として表現されている。例えば、電力検出過励磁制限線は次の式(1)で示される。
【0065】
Q/et2=a+bP/et2 ・・・・・(1)
ここで、Q:無効電力の目標値
P:有効電力
a・b:係数
et:発電機端子電圧
【0066】
ここで、同期機1の無効電力が上昇し、図11に示す第一段の電力検出過励磁制限線111に達した場合、同期機1の無効電力を引き戻すような過励磁制限信号が第一段目の電力信号演算器27A(27B)より出力され、制御信号演算器19A(19B)を介して制御装置10A(10B)の制御信号に励磁弱め信号として付加される。
【0067】
次に、励磁弱め信号が付加されたにもかかわらず無効電力が引き続き上昇し、第二段の電力検出過励磁制限線112に達した場合、同期機1の無効電力が引き戻すような過励磁制限信号が第二段目の電力信号演算器27A(27B)により出力され制御信号演算器19A(19B)にて、他の過励磁制限信号と加算される。この場合は第一段目の電力信号演算器27A(27B)より過励磁制限信号は出力されたままの状態なので、この過励磁制限信号との加算が行われる。加算後の過励磁制限信号は制御装置10A(10B)に励磁弱め信号として付加される。
【0068】
上記の如く、励磁弱め信号が付加されたにもかかわらずさらに無効電力が引き続き上昇し、第三段の電力検出過励磁制限線113に達した場合、先述と同様、同期機1の無効電力を引き戻すような過励磁制限信号が第三段目の電力信号演算器27A(27B)より出力され、制御信号演算器19A(19B)にて、他の過励磁制限信号と加算される。この場合は第一段目の電力信号演算器27A(27B)と第二段目の電力信号演算器27A(27B)より過励磁制限信号は出力されたままの状態なので、これらの過励磁制限信号との加算が行われる。加算後の過励磁制限信号は制御装置10A(10B)に励磁弱め信号として付加される。
【0069】
このように、同期機1の無効電力が上昇し、電力検出過励磁制限線に達すると、同期機1の過励磁状態とみなし、励磁弱め信号が自動電圧調整装置から出力される。それにもかかわらず過励磁状態が継続した場合は、次段の電力検出過励磁制限線に達したタイミングにて次段の過励磁制限信号を現状の過励磁制限信号に随時加算される。本例によれば、自動電圧調整装置の有する過励磁制限制御を最大限に活かし、発電機過励磁を主要因としたプラントトリップを防ぎ、プラントの運用効率を向上させることができる。
【0070】
なお、第4実施の形態の他の変形例として、有効電力、無効電力を算出する電力変換器の代わりに、有効電流、無効電流を算出する電流変換器を用いる手段でも同様に実施できる。この構成によっても、同様の効果を得ることができる。
【0071】
図12は、本発明の第5実施の形態を示す励磁制御装置の構成図である。図12において、第4実施の形態を示す図10と同一符号は同一部分又は相当部分を示し、既に説明した部分は説明を省略する。
【0072】
第5実施の形態は、図10の第一関数発生器29A(29B),第二関数発生器30A(30B),第二関数発生器31A(31B)と電力信号演算器27A(27B)と制御信号演算器19A(19B)の代わりに、第一段電力検出過励磁制限器32A(32B),第二段電力検出過励磁制限器33A(33B),第三段電力検出過励磁制限器34A(34B)と、電力検出過励磁制限制御検出器35A(35B)と、電力検出過励磁制限制御信号選択器36A(36B)とを設けた点に特徴を有している。
【0073】
この構成で、有効電力と無効電力とが第一段電力検出過励磁制限器32A(32B),第二段電力検出過励磁制限器33A(33B),第三段電力検出過励磁制限器34A(34B)へ入力され、各々の係数との関数演算により、無効電力の制限値が算出される。
【0074】
無効電力の制限値は第4実施の形態で説明したと同様の図11の電力検出過励磁制限線111,112,113にて表現される。(例: Q/et2=a+bP/et2 (Q:無効電力の目標値、P:有効電力、a・b:係数、et:発電機端子電圧))
【0075】
ここで、同期機1の無効電力が上昇し、第一段の電力検出過励磁制限線111に達した場合、同期機1の無効電力を引き戻すような過励磁制限信号が第一段電力検出過励磁制限器32A(32B)より出力されると共に、過励磁制限制御開始信号が電力検出過励磁制限制御検出器35A(35B)へ出力される。
【0076】
この場合、電力検出過励磁制限制御信号選択器36A(36B)では、電力過励磁制限制御検出器35A(35B)からの条件信号により第一段電力検出過励磁制限器32A(32B)からの過励磁制限信号を選択する。選択された過励磁制限信号が制御装置10A(10B)に励磁弱め信号とするように付加出力される。
【0077】
続いて、励磁弱め信号が付加されたにもかかわらず無効電力が引き続き上昇し、第二段の電力検出過励磁制限線112に達した場合、同期機1の無効電力を引き戻すような過励磁制限信号が第二段電力検出過励磁制限器33A(33B)より出力されると共に、過励磁制限制御開始信号か電力過励磁制限制御検出器35A(35B)へ出力される。
【0078】
この場合、電力検出過励磁制限制御信号選択器36A(36B)では、電力過励磁制限制御検出器35A(35B)からの条件信号により第二段電力検出過励磁制限器33A(33B)からの過励磁制限信号を選択する。選択された過励磁制限信号が制御装置10A(10B)に励磁弱め信号とするように付加出力される。
【0079】
さらに、励磁弱め信号が付加されたにもかかわらず、無効電力が引き続き上昇し、第三段の電力検出過励磁制限線113に達した場合、先述と同様、同期機1の無効電力を引き戻すような過励磁制限信号が第三段電力検出過励磁制限器34A(34B)より出力されると共に、過励磁制限制御開始信号が電力過励磁制限制御検出器35A(35B)へ出力される。
【0080】
この場合、電力検出過励磁制限制御信号選択器36A(36B)では、電力過励磁制限制御検出器35A(35B)からの条件信号により第三段電力検出過励磁制限器34A(34B)からの過励磁制限信号が選択される。選択された過励磁制限信号が制御装置10A(10B)に励磁弱め信号とするように付加出力される。
【0081】
このように、同期機1の無効電力が上昇し、電力検出過励磁制限線に達すると、同期機1が過励磁状態とみなし、励磁弱め信号が自動電圧調整装置から出力される。それにもかかわらず過励磁状態が継続した場合は、次段の電力検出過励磁制限線に達したタイミングにて現状の過励磁制限信号から次段の過励磁制限信号へ切替えられる。従って、自動電圧調整装置の有する過励磁制限制御を最大限に活かし、発電機過励磁を主要因としたプラントトリップを防ぎ、プラントの運用効率を向上させることができる。
【0082】
なお、他の変形例として、有効電力、無効電力を算出する電力変換器の代わりに、有効電流、無効電流を算出する電流変換器を用いても本発明を同様に実施できる。また、図12に示す第5実施の形態の変形例として、位相調整回路22A(22B)を設けることもできる。
【0083】
図13は、本発明の第6実施の形態を示す励磁制御装置の構成図である。図13において、第4実施の形態を示す図10と同一符号は同一部分又は相当部分を示し、既に説明した部分は説明を省略する。
【0084】
第6実施の形態は、制御信号演算器19A(19B)より出力される過励磁制限信号を入力する位相調整回路22A(22B)を設けた点に特徴を有している。
【0085】
この構成によると、制御信号演算器19A(19B)にて出力される過励磁制限信号がサイリスタ整流器6の点弧位相角αに関する位相制御信号として、位相調整回路22A(22B)に入力される。位相調整回路22A(22B)では、過励磁制限信号に応じた点弧位相角αによって制御装置10A(10B)の制御信号に基づく点弧位相角をシフトさせて、必要以上に過励磁状態とならないように制限する。
【0086】
このように、同期機1の無効電力が上昇し、電力検出過励磁制限線に達すると、同期機1が過励磁状態とみなし、励磁弱め信号が自動電圧調整装置から出力される。それにもかかわらず過励磁状態が継続した場合は、次段の電力検出過励磁制限線に達したタイミングにて次段の過励磁制限信号を現状の過励磁制限信号に随時加算される。本例によれば、自動電圧調整装置の有する過励磁制限制御を最大限に活かし、発電機過励磁を主要因としたプラントトリップを防ぎ、プラントの運用効率を向上させることができる。
【0087】
なお、他の変形例として、有効電力、無効電力を算出する電力変換器の代わりに、有効電流、無効電流を算出する電流変換器を用いても同様の作用効果を得ることができる。
【0089】
この構成によれば、制御信号演算器19A(19B)にて出力される過励磁制限信号がサイリスタ整流器6の点弧位相角αに関する位相制御信号として、位相調整回路22A(22B)に入力され、過励磁制限信号に応じた点弧位相角αの固定値にシフトさせ、必要以上の過励磁状態とならないよう制限される。
【0090】
このように同期機1の無効電力が上昇し、電力検出過励磁制限線に達すると、同期機の過励磁状態とみなし、励磁弱め信号が自動電圧調整装置から出力される。それにもかかわらず過励磁状態が継続した場合は、次段の電力検出過励磁制限線に達したタイミングにて現状の過励磁制限信号から次段の過励磁制限信号へ切替えられる。本例によれば、自動電圧調整装置の有する過励磁制限制御を最大限に活かし、発電機過励磁を主要因としたプラントトリップを防ぎ、プラントの運用効率を向上させることができる。
【0091】
なお、他の変形例として、有効電力、無効電力を算出する電力変換器の代わりに、有効電流、無効電流を算出する電流変換器を用いても同様の作用効果を得ることができる。
【0092】
図15は、第7実施の形態を示す励磁制御装置の構成図である。図15において、従来技術を示す図34と同一符号は同一部分又は相当部分を示し、既に説明した部分は説明を省略する。
【0093】
第7実施の形態は、従来技術を示す図34の過励磁制限装置14A(14B)の代わりに、過励磁制限装置38A(38B)と過励磁制限装置39A(39B)と低値選択回路40A(40B)を設けた点に特徴を有している。
【0094】
以上の構成で、過励磁制限装置38A(38B)は、図16に示す過励磁制限線114を有し、図示実線部分を有効とする。界磁電流が図示A領域で過励磁制限線114以上に達した場合、過励磁制限線114に応じた過励磁制限信号が出力される。一方、過励磁制限装置39A(39B)は、図16に示すように過励磁制限線114と異なる過励磁制限線115を有し、図示実線部分を有効とする。界磁電流が図示B領域で過励磁制限線115に達した場合に過励磁制限信号が出力される。そして、低値選択回路40A(40B)で過励磁制限信号が選択され出力される。本制御は機器の耐量曲線に応じた最大限の運転可能領域での運転を可能とするものであり、非常に有効な手段である。
【0095】
本実施の形態によれば、自動電圧調整装置の有する過励磁制限制御を最大限に活かし、発電機過励磁を主要因としたプラントトリップを防ぎ、プラントの運用効率を向上させることができる。
【0096】
図17は、第7実施の形態の他の第1の変形例を示す励磁制御装置の構成図であって、過励磁制限装置に界磁電流ではなく、界磁電圧を入力するものである。
【0097】
なお、他の第2の変形例として、過励磁制限装置と低値選択回路を多並列に設けて、各々の出力を加算して自動電圧調整装置に励磁弱め信号として付加することもできる。この手段は、界磁電流検出方式の過励磁制限装置と界磁電圧検出方式の過励磁制限装置の両方に適用可能である。
【0098】
図18は、本発明の第8実施の形態を示す励磁制御装置の構成図である。
【0099】
図18において、従来技術を示す図34と同一符号は同一部分又は相当部分を示し、既に説明した部分は説明を省略する。
【0100】
第8実施の形態は、図34に対して界磁電圧検出変圧器41A(41B)と電圧検出過励磁制限装置43A(43B)と制御信号演算器19A(19B)とを追設する点に特徴を有している。
【0101】
以上の構成で、従来技術で説明した界磁電流検出による過励磁制限制御に加えて、同期機1の界磁電圧が界磁電圧検出器41A(41B)で検出され、これが電圧検出過励磁制限装置43A(43B)に入力される。電圧検出過励磁制限装置43A(43B)では、図19に示す電圧検出過励磁制限線118、電圧検出待機系切替制限線119により、同期機1の界磁電圧の上昇による過励磁状態の制限制御を行うための過励磁制限信号が出力される。
【0102】
そして、過励磁制限装置14A(14B)と電圧検出過励磁制限装置43A(43B)からの各過励磁制限信号が制御信号演算器19A(19B)によって加算され、加算後の過励磁制限信号が制御装置10A(10B)に付加出力される。
【0103】
このように、同期機1の界磁電流、もしくは界磁電圧が上昇し、過励磁状態となり、いずれかの過励磁制限線に達した場合は、過励磁制限制御を開始し、過励磁制限引き戻し値まで、界磁電流もしくは界磁電圧を抑制するよう、制御装置10A(10B)からの制御信号に励磁弱め信号が付加される。
【0104】
本実施の形態によれば、自動電圧調整装置の有する過励磁制限制御を最大限に活かし、発電機過励磁を主要因としたプラントトリップを防ぎ、プラントの運用効率を向上させることができる。
【0105】
なお、他の変形例として、過励磁制限装置と電圧検出過励磁制限装置を多並列とし、各々の出力を加算して自動電圧調整装置に励磁弱め信号として付加することにより同様の作用効果を得ることもできる。
【0106】
図20は、第9実施の形態を示す励磁制御装置の構成図である。
【0107】
図20において、第8実施の形態を示す図18と同一符号は同一部分又は相当部分を示し、既に説明した部分は説明を省略する。
【0108】
第9実施の形態は、計器用変流器24A(24B)と電力変換器25A(25B)と電力信号演算器27A(27B)と第一段関数発生器29A(29B)を設けた点に特徴を有している。
【0109】
以上の構成で、従来技術で説明した界磁電流検出による過励磁制限制御に加えて、ヒューズ11A(11B)と計器用変圧器12A(12B)にて検出された同期機1の出力電圧と、計器用変流器24A(24B)にて検出された同期機1の出力電流が電力変換器25A(25B)に入力され、有効電力と無効電力とが算出される。そして、算出された有効電力が第一段関数発生器29A(29B)に入力され、係数との関数演算により、無効電力の制限値が算出される。
【0110】
ここで、無効電力の制限値は第4実施の形態で説明したと同様に図11の電力検出過励磁制限線111,112,113のいずれかにて表現される。(例:Q/et2=a+bP/et2(Q:無効電力の目標値、P:有効電力、a・b:係数、et:発電機端子電圧))
【0111】
算出された無効電力と制限値とが電力信号演算器27A(27B)に入力されると、電力信号演算器27A(27B)では、過励磁制限信号が演算される。さらに、過励磁制限装置14A(14B)と電力信号演算器27A(27B)からの各過励磁制限信号が制御信号演算器19A(19B)にて加算され、加算後の過励磁制限信号が制御装置10A(10B)へ付加出力される。
【0112】
このように、同期機1の界磁電流、もしくは無効電力が上昇し、過励磁状態となり、いずれかの過励磁制限線に達した場合は、過励磁制限制御を開始し、過励磁制限引き戻し値まで、界磁電流もしくは無効電力を抑制するように、制御装置に励磁弱め信号が付加される。本例によれば、自動電圧調整装置の有する過励磁制限制御を最大限に活かし、発電機過励磁を主要因としたプラントトリップを防ぎ、プラントの運用効率を向上させることができる。
【0113】
なお、第9実施の形態の他の第1の変形例として、過励磁制限装置と関数発生器と電力信号演算器を多並列とし、各々の出力を加算して自動電圧調整装置に励磁弱め信号として付加する手段がある。また、他の第2の変形例として、有効電力、無効電力を算出する電力変換器の代わりに、有効電流、無効電流を算出する電流変換器を用いる手段がある。いずれの手段においても同様の作用効果を得ることができる。
【0114】
図21は、本発明の第10実施の形態を示す励磁制御装置の構成図である。
【0115】
図21において、第2実施の形態を示す図4と同一符号は同一部分又は相当部分を示し、既に説明した部分は説明を省略する。
【0116】
第10実施の形態は、図4に示す第2実施の形態を示す過励磁制限制御検出器20A(20B)と過励磁制限制御信号選択器21A(21B)の代わりに、時刻設定器44A(44B)と制御入力変化率検出器45A(45B)と変化率判定器46A(46B)と変化率検出過励磁制限制御信号選択器50A(50B)を設けた点に特徴を有している。
【0117】
以上の構成で、計器用変流器15A(15B)にて検出された同期機1の界磁電流が第一段過励磁制限装置16A(16B),第二段過励磁制限装置17A(17B),第三段過励磁制限装置18A(18B)と制御入力変化率検出器45A(45B)へ入力される。時刻設定器44A(44B)では、時刻設定器44A(44B)より出力される基準時間信号により界磁電流の変化率が随時算出され、変化率判定器46A(46B)へ出力される。
【0118】
次に、変化率判定器46A(46B)では、算出された変化率に応じて、図22に示すような変化率領域1〜3のいずれかが選択される。
【0119】
一方、第一段過励磁制限装置16A(16B),第二段過励磁制限装置17A(17B),第三段過励磁制限装置18A(18B)については図23に示すような反限時特性を有する過励磁制限線120,121,122により、同期機1の過励磁制限制御が行われる。
【0120】
すなわち、第一段過励磁制限装置16A(16B)では、界磁電流が図23に示す過励磁制限線120に達すると過励磁制限信号が出力される。第二段過励磁制限装置17A(17B)では界磁電流が、図23に示す過励磁制限線121に達すると過励磁制限信号が出力される。第三段過励磁制限装置18A(18B)では、界磁電流が図23に示す過励磁制限線122に達すると過励磁制限信号が出力される。これらの各過励磁制限信号が変化率検出過励磁制限制御信号選択器50A(50B)へ出力される。
【0121】
変化率検出過励磁制限制御信号選択器50A(50B)では、例えば、変化率判定器46A(46B)によって変化率領域1が選択されれば、第一段過励磁制限装置16A(16B)からの過励磁制限信号が制御装置10A(10B)へ出力され、また、変化率判定器46A(46B)によって変化率領域2が選択されれば、第二段過励磁制限装置17A(17B)からの過励磁制限信号が制御装置10A(10B)へ出力され、また、変化率判定器46A(46B)によって変化率領域3が選択されれば、第三段過励磁制限装置18A(18B)からの過励磁制限信号が制御装置10A(10B)へ出力される。
【0122】
このように同期機1の界磁電流が上昇し、過励磁状態に達した場合、過励磁状態時点での界磁電流の変化率が算出され、変化率に応じた過励磁制限線が選択される。本例によれば、自動電圧調整装置の有する過励磁制限制御を最大限に活かし、発電機過励磁を主要因としたプラントトリップを防ぎ、プラントの運用効率を向上させることができる。
【0123】
図24は、第10実施の形態の他の変形例として示す構成図であって、過励磁制限装置に界磁電流ではなく、界磁電圧を入力する方法であり、同様の作用効果を得ることができる。
【0124】
図25は本発明の第11実施の形態を示す励磁制御装置の構成図である。
【0125】
図25において、第4実施の形態を示す図10と同一符号は同一部分又は相当部分を示し、既に説明した部分は説明を省略する。
【0126】
第11実施の形態は、図10の制御信号演算器19A(19B)の代わりに、時刻設定器44A(44B)と制御入力変化率検出器45A(45B)と変化率判定器46A(46B)と変化率検出過励磁制限制御信号選択器50A(50B)とを設けた点に特徴を有している。
【0127】
以上の構成で、電力変換器25A(25B)にて算出された有効電力が第一段関数発生器29A(29B),第二段関数発生器30A(30B),第三段関数発生器31A(31B)へ入力され、各々の係数との関数演算により、無効電力の制限値が算出され、電力変換器25A(25B)で検出された無効電力とともに各段の電力信号演算器27A(27B)に入力される。
【0128】
一方、無効電力が制御入力変化率検出器45A(45B)に入力され、時刻設定器44A(44B)より出力される基準時間信号により無効電力の変化率が随時算出される。変化率判定器46A(46B)では、算出された変化率に応じて、図22に示すと同様の変化率領域1〜3のいずれかが選択される(本実施の形態の場合、図22の縦軸は無効電力となる)。
【0129】
一方、各電力信号演算器27A(27B)については図11に示すような電力検出過励磁制限線111,112,113に応じた過励磁制限信号が変化率検出過励磁制限制御信号選択器50A(50B)へ出力される。これにより、変化率検出過励磁制限制御信号選択器50A(50B)により無効電力の変化率の大きさに応じた過励磁制限信号が選択され、同期機1の過励磁制限制御が行われる。
【0130】
このように同期機1の無効電力が上昇し、過励磁状態に達した場合、過励磁状態時点での無効電力の変化率が算出され、変化率に応じた電力検出過励磁制限線が選択され、この場合、過励磁制限制御が行われる本例によれば、自動電圧調整装置の有する過励磁制限制御を最大限に活かし、発電機過励磁を主要因としたプラントトリップを防ぎ、プラントの運用効率を向上させることができる。
【0131】
第11実施の形態の他の変形例として、有効電力、無効電力を算出する電力変換器の代わりに、有効電流、無効電流を算出する電流変換器を用いても同様の作用効果を得ることができる。
【0132】
図26は、本発明の第12実施の形態を示す励磁制御装置の構成図である。
【0133】
図26において、従来技術を示す図34と同一符号は同一部分又は相当部分を示し、既に説明した部分は説明を省略する。
【0134】
第12実施の形態は、図34にゲイン算出用関数発生器60A(60B)を設けた点に特徴を有している。
【0135】
以上の構成で、検出された界磁電流が過励磁制限装置14A(14B)とゲイン算出用関数発生器60A(60B)へ入力され、図35に示すと同様に過励磁制限線102により、同期機1の界磁電流の上昇による過励磁状態の制限制御が行われる。
【0136】
そして、過励磁制限制御が開始されるタイミングで、界磁電流に応じたゲインが算出され、ゲイン算出用関数発生器60A(60B)の出力に応じて過励磁制限装置14A(14B)の過励磁制限信号が連続的に増減され、過励磁制限信号が制御装置10A(10B)へ付加される。
【0137】
このように同期機1の界磁電流が上昇し、過励磁状態となり、過励磁制限線に達した場合は、過励磁制限制御を開始し、過励磁制限引き戻し値まで制御ゲインを連続的に変更しつつ、界磁電流を抑制するよう、制御装置に励磁弱め信号を付加される。本例によれば、自動電圧調整装置の有する過励磁制限制御を最大限に活かし、発電機過励磁を主要因としたプラントトリップを防ぎ、プラントの運用効率を向上させることができる。
【0138】
なお、第12施の形態の他の変形例として、過励磁制限装置とゲイン算出用関数発生器を多並列とし、各々の出力を加算して自動電圧調整装置に励磁弱め信号として付加することにより同様の作用効果を得ることができる。
【0139】
図27は、本発明の第13実施の形態を示す励磁制御装置の構成図である。
【0140】
図27において、従来技術を示す図34と同一符号は同一部分又は相当部分を示し、既に説明した部分は説明を省略する。
【0141】
第13実施の形態は、図34に設定器61A(61B)と、ゲイン算出用演算器62A(62B)を設けた点に特徴を有している。
【0142】
以上の構成で、図26に示す第12実施の形態とほぼ同様に、過励磁制限制御が開始されるタイミングで、設定器61A(61B)に予め設定してある界磁電流基準値と界磁電流値とがゲイン算出用演算器62A(62B)へ入力し、これらの偏差に応じて制御ゲインの算出が行われて過励磁制限装置14A(14B)へ出力される。過励磁制限装置14A(14B)では入力される制御ゲインの値に応じて過励磁制限装置14A(14B)の過励磁制限信号が連続的に変化される。そして、過励磁制限信号が制御装置10A(10B)へ付加出力される。
【0143】
このように同期機1の界磁電流が上昇し、過励磁状態となり、過励磁制限線に達した場合は、過励磁制限制御が開始され、過励磁制限引き戻し値まで制御ゲインが連続的に変更しつつ、界磁電流を抑制するよう、制御装置に励磁弱め信号が付加出力される。本例によれば、自動電圧調整装置の有する過励磁制限制御を最大限に活かし、発電機過励磁を主要因としたプラントトリップを防ぎ、プラントの運用効率を向上させることができる。
【0144】
なお、第13実施の形態の他の変形例として、過励磁制限装置とゲイン算出用関数発生器と設定器を多並列とし、各々の出力を加算して自動電圧調整装置に励磁弱め信号として同様の作用効果を得ることができる。
【0145】
図28は、本発明の第14実施の形態を示す励磁制御装置の構成図である。
【0146】
図28において、従来技術を示す図34と同一符号は同一部分又は相当部分を示し、既に説明した部分は説明を省略する。
【0147】
第14実施の形態は、図34の過励磁制限装置14A(14B)の代わりに、電力変換器25A(25B)と第一段関数発生器29A(29B)とゲイン算出用関数発生器60A(60B)と電力検出用過励磁制限装置63A(63B)を設けた点に特徴を有している。
【0148】
以上の構成で、ヒューズ11A(11B)と計器用変圧器12A(12B)にて検出された同期機1の出力電圧と、計器用変流器24A(24B)にて検出された同期機1の出力電流が電力変換器25A(25B)に入力され、有効電力と無効電力が算出される。そして、有効電力が第一段関数発生器29A(29B)へ入力され、係数との関数演算により、無効電力の制限値が算出される。
【0149】
ここで、無効電力の制限値は第4実施の形態で説明したと同様に図11の電力検出過励磁制限線111,112,113のいずれかにて表現される。(例:Q/et2=a+bP/et2(Q:無効電力の目標値、P:有効電力、a・b:係数、et:発電機端子電圧))
【0150】
次に、算出された無効電力と制限値とが電力検出用過励磁制限装置63A(63B)へ出力される。また、ゲイン算出用関数発生器60A(60B)では、無効電力に応じた制御ゲインが算出され電力検出用過励磁制限装置63A(63B)へ出力される。
【0151】
そして、過励磁状態での制限制御が開始されるタイミングによって、無効電力に応じた制御ゲインが算出されてゲイン算出用関数発生器60A(60B)の値に応じて電力検出用過励磁制限装置63A(63B)の過励磁制限信号が連続的に増減され、過励磁制限信号が制御装置10A(10B)へ付加出力される。
【0152】
このように同期機1の無効電力が上昇し、過励磁状態となり、過励磁制限線に達した場合は、過励磁制限制御が開始され、過励磁制限引き戻し値まで制御ゲインを連続的に変化しつつ、無効電力を抑制するように、制御装置に励磁弱め信号が付加出力される。本例によれば、自動電圧調整装置の有する過励磁制限制御を最大限に活かし、発電機過励磁を主要因としたプラントトリップを防ぎ、プラントの運用効率を向上させることができる。
【0153】
なお、第14実施の形態の他の第1の変形例として、電力検出用過励磁制限装置とゲイン算出用関数発生器と関数発生器を多並列とし、各々の出力を加算して自動電圧調整装置に励磁弱め信号として付加して本発明を実施することができる。また、第14実施の形態の他の第2の変形例として、有効電力、無効電力を算出する電力変換器の代わりに、有効電流、無効電流を算出する電流変換器を用いても同様の作用効果を得ることができる。
【0154】
図29は、本発明の第15実施の形態を示す励磁制御装置の構成図である。
【0155】
図29において、従来技術を示す図34と同一符号は同一部分又は相当部分を示し、既に説明した部分は説明を省略する。
【0156】
第15実施の形態は、図34の過励磁制限装置14A(14B)の代わりに、電力変換器25A(25B)と第一段関数発生器29A(29B)と設定器61A(61B)とゲイン算出用演算器62A(62B)と電力検出用過励磁制限器63A(63B)を設けた点に特徴を有している。
【0157】
以上の構成で、第14実施の形態とほぼ同様に、過励磁状態での制限制御が開始されるタイミングで、設定器61A(61B)に予め設定してある無効電力基準値と無効電力値とがゲイン算出用演算器62A(62B)へ入力され、これらの偏差に応じて制御ゲインの算出が行われ、この出力に応じて電力検出過励磁制限装置63A(63B)の過励磁制限信号が連続的に変化され、そして、過励磁制限信号が制御装置10A(10B)へ付加出力される。
【0158】
このように同期機1の無効電力が上昇し、過励磁状態となり、過励磁制限線に達した場合、過励磁制限制御が開始され、過励磁制限引き戻し値まで制御ゲインを連続的に変化しつつ、無効電力を抑制するように、制御装置に励磁弱め信号が付加される。本例によれば、自動電圧調整装置の有する過励磁制限制御を最大限に活かし、発電機過励磁を主要因としたプラントトリップを防ぎ、プラントの運用効率を向上させることができる。
【0159】
なお、第15実施の形態の他の第1の変形例として、電力検出用過励磁制限装置とゲイン算出用関数発生器と関数発生器と設定器を多並列とし、各々の出力を加算して自動電圧調整装置に励磁弱め信号として付加しても同様の作用効果を得ることができる。また、第15実施の形態を他の第2の変形例として、有効電力、無効電力を算出する電力変換器の代わりに、有効電流、無効電流を算出する電流変換器を用いても同様の作用効果を得ることができる。
【0160】
図30は、第16実施の形態を示す励磁制御装置の構成図である。
【0161】
図30において、従来技術を示す図34と同一符号は同一部分又は相当部分を示し、既に説明した部分は説明を省略する。
【0162】
第16実施の形態は、図34において、過励磁制限制御状態情報伝達装置52A(52B)を設けた点に特徴を有している。
【0163】
以上の構成で、過励磁制限制御状態情報伝達手段52A(52B)によって、各々他系の励磁制御状態が過励磁制限装置14A(14B)へ伝達することができ、自系が同期機1の過励磁状態を検出し、過励磁制限制御を行ったにもかかわらず過励磁状態が継続し続け、待機系に制御が切替った場合でも、直ちに待機系において引き続き過励磁制限制御が行われる。本例によれば、自動電圧調整装置の有する過励磁制限制御を最大限に活かし、発電機過励磁を主要因としたプラントトリップを防ぎ、プラントの運用効率を向上させることができる。
【0164】
なお、第16実施の形態の他の変形例として、図31に示すように過励磁制限装置に界磁電流ではなく、界磁電圧を入力するようにしても同様の作用効果を得ることができる。
【0165】
図32は、本発明の第17実施の形態を示す励磁制御装置の構成図である。
【0166】
図32において、第16実施の形態を示す図30と同一符号は同一部分又は相当部分を示し、既に説明した部分は説明を省略する。
【0167】
第17実施の形態は、図30において、過励磁制限制御状態情報伝達手段52A(52B)の代わりに励磁状態判定情報伝達手段64A(64B)と励磁情報監視手段65A(65B)を設けた点に特徴を有している。
【0168】
以上の構成で、励磁状態判定情報伝達手段64A(64B)により、各々自系の位相信号の状態と界磁電流値とを入力し、それらの相関関係を監視し、その状態情報が各々他系の励磁情報監視装置65B(65A)へ伝達される。
【0169】
ここで、自系の位相信号の状態と界磁電流値の相関関係が異常となり、一定時間継続した場合、自系による励磁制御が困難であることを他系の励磁情報監視手段65B(65A)が判断し、他系から自系に対して系切替え指令が制御装置10A(10B)へ渡される。これによって、自系から他系に自動電圧調整装置の制御が切替えられる。
【0170】
このように、他系に制御が切替った場合でも、直ちに他系において引き続き過励磁制限制御が行われる。本実施の形態によれば、自動電圧調整装置の有する過励磁制限制御を最大限に活かし、発電機過励磁を主要因としたプラントトリップを防ぎ、プラントの運用効率を向上させることができる。
【0171】
なお、第17実施の形態の他の変形例として、図33に示すように過励磁制限装置に界磁電流ではなく、界磁電圧を入力するようにしても同様の作用効果を得ることができる。
【0172】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明によれば、同期機の界磁電流信号あるいは界磁電圧信号が複数段階的に順次定める過励磁制限線以上となった場合、各個別過励磁制限信号を加算して出力するので、過励磁状態に応じて最適な過励磁制御が迅速、かつ、確実に行え、従来のように一律に定める過励磁制御信号による引き戻しの遅れ制御や過度の制御を阻止し、プラントのトリップを回避することができる。
【0173】
また、請求項2の発明によれば、同期機の界磁電流信号あるいは界磁電圧信号が複数段階的に順次定める過励磁制限線以上となった場合、過励磁制限線以上となった最も過励磁状態の過励磁制限線に対応する過励磁制限信号を選択出力するので、過励磁状態に応じて最適な過励磁制御が迅速、かつ、確実に行え、従来のように一律に定める過励磁制御信号による引き戻しの遅れ制御や過度な制御を阻止し、プラントのトリップを回避することができる。
【0174】
また、請求項3の発明によれば、同期機の無効電力信号が複数段階的に順次算出され定める過励磁制限線以上となった場合、過励磁制限線以上となった各個別過励磁制限信号を加算して過励磁制限信号とするので、過励磁状態に応じて最適な過励磁制御が迅速、かつ、確実に行え、従来のように一律に定める過励磁制御信号による引き戻しの遅れ制御や過度の制御を阻止し、プラントのトリップを回避することができる。
【0175】
また、請求項4の発明によれば、同期機の無効電力が複数段階的に順次算出され定める過励磁制限線以上となった場合、過励磁制限線以上となった最も過励磁状態の過励磁制限線に対応する過励磁制限信号を出力するので、過励磁状態に応じて最適な過励磁制御が迅速、かつ、確実に行え、従来のように一律に定める過励磁制御信号による引き戻しの遅れ制御や過度の制御を阻止し、プラントのトリップを回避することができる。
【0176】
また、請求項5の発明によれば、位相調整手段のサイリスタの点弧位相角が過励磁制御信号に応じてシフトするので、過励磁状態に応じた迅速、かつ、確実な制御を行うことができる。
【0177】
また、請求項6の発明によれば、同期機の界磁電流信号あるいは界磁電圧信号がサイリスタ整流器の耐量に応じて運転領域内で最大運転可能とするように定める複数の過励磁制限線に達した場合に、該当する各過励磁制限信号の内で、最も低い過励磁制限線の出力する過励磁制限信号を選択出力されるので、過励磁状態に応じて最適な過励磁制御が迅速、かつ、確実に行え、サイリスタ整流器の耐量領域近傍を有効に活用した運転ができる。
【0178】
また、請求項7の発明によれば、同期機の界磁電流信号が界磁電流に対して一以上定める第一過励磁制限線以上の場合の第一個別過励磁制限信号と同期機の界磁電圧信号が界磁電圧に対して一以上定める第二過励磁制限線以上の場合の第二個別過励磁制限信号とを加算して過励磁制限信号とするので、過励磁状態に応じて過励磁制御が迅速、かつ、確実に行え、従来のように一律に定める過励磁制御信号による引き戻しの遅れ制御や過度の制御を阻止し、プラントのトリップを回避することができる。
【0179】
また、請求項8の発明によれば、同期機の界磁電流信号が界磁電流に対して一以上定める過励磁制限線以上の場合の第一個別過励磁制限信号と同期機の無効電力信号が無効電力に対して算出して一以上定める過励磁制限線以上の第二個別過励磁制限信号とを加算して過励磁制限信号とするので、過励磁状態に応じて過励磁制御が迅速、かつ、確実に行え、従来のように一律に定める過励磁制御信号による引き戻しの遅れ制御や過度の制御を阻止し、プラントのトリップを回避することができる。
【0180】
また、請求項9の発明によれば、同期機の界磁電流信号あるいは界磁電圧信号の変化率に応じて各過励磁制限信号のいずれかを選択して過励磁制限信号とするので、過励磁状態に応じて過励磁制御が迅速、かつ、確実に行え、従来のように一律な過励磁制御信号による引き戻しの遅れ制御や過度の制御を阻止し、プラントのトリップを回避することができる。
【0181】
また、請求項10の発明によれば、同期機の無効電力信号の変化率に応じて各過励磁制限信号のいずれかを選択して過励磁制限信号を出力するので、過励磁状態に応じて過励磁制御が迅速、かつ、確実に行え、従来のように一律な過励磁制御信号による引き戻しの遅れ制御や過制御を阻止し、プラントのトリップを回避することができる。
【0182】
また、請求項11の発明によれば、同期機の界磁電流信号あるいは界磁電圧信号に応じて算出された制御ゲインによって各個別過励磁信号を加算した信号を過励磁制限信号として出力するので、過励磁状態に応じて過励磁制御が迅速、かつ、確実に行え、従来のように一律な過励磁制御信号による引き戻しの遅れ制御や過度の制御を阻止し、プラントのトリップを回避することができる。
【0183】
また、請求項12の発明によれば、外部から界磁電流設定信号あるいは界磁電圧設定信号が任意に設定されて、これに基づく偏差信号によって制御ゲインが算出されるので、運転状況に応じた適切な過励磁制御をすることができる。
【0184】
また、請求項13の発明によれば、同期機の無効電力信号に応じて算出された制御ゲインによって各個別過励磁信号を加算した信号を過励磁制限信号として出力するので、過励磁状態に応じて過励磁制御が迅速、かつ、確実に行え、従来のように一律な過励磁制御信号による引き戻しの遅れ制御や過度の制御を阻止し、プラントのトリップを回避することができる。
【0185】
また、請求項14の発明によれば、外部から無効電力設定信号が任意に設定されて、これに基づく偏差信号によって制御ゲインが算出されるので、運転状況に応じた適切な過励磁制御をすることができる。
【0186】
また、請求項15の発明によれば、常用系の自動電圧調整装置から待機系の自動電圧調整装置へ常用系の過励磁制限信号を含む過励磁状態情報を伝達するので、自系が待機系から常用系へ切替えられた場合、常用系であった他系の過励磁状態情報に基づいて過励磁制御が行え、従来のように常用系から待機系へ切替えに伴う過励磁を主要因とするプラントトリップを回避してプラントの運用効率を向上させることができる。
【0187】
また、請求項16の発明によれば、励磁状態監視手段によって常用系の位相信号の状態と界磁電流信号あるいは界磁電圧信号との相関関係が所定の条件の場合に常用系に切替えるようにするので、待機系から常用系へ自動的に円滑に切替ができ、従来のように常用系から待機系へ切替えに伴う過励磁を主要因とするプラントのトリップを回避してプラントの運用効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態を示す励磁制御装置の構成図である。
【図2】本発明の第1実施の形態に用いる過励磁制限線図である。
【図3】図1の第1実施の形態の変形例を示す励磁制御装置の構成図である。
【図4】本発明の第2実施の形態を示す励磁制御装置の構成図である。
【図5】図4の第2実施の形態の変形例を示す励磁制御装置の構成図である。
【図6】本発明の第3実施の形態を示す励磁制御装置の構成図である。
【図7】図6の第3実施の形態の変形例を示す励磁制御装置の構成図である。
【図8】図6の第3実施の形態の変形例を示す励磁制御装置の構成図である。
【図9】図6の第3実施の形態の変形例を示す励磁制御装置の構成図である。
【図10】本発明の第4実施の形態を示す励磁制御装置の構成図である。
【図11】本発明の第4実施の形態を示す運転能力曲線図である。
【図12】本発明の第5実施の形態の励磁制御装置の構成図である。
【図13】本発明の第6実施の形態を示す励磁制御装置の構成図である。
【図14】本発明の第6実施の形態の変形例を示す励磁制御装置の構成図である。
【図15】本発明の第7実施の形態を示す励磁制御装置の構成図である。
【図16】本発明の第7実施の形態に用いる過励磁制限線図である。
【図17】図15の第7実施の形態の変形例を示す励磁制御装置の構成図である。
【図18】本発明の第8実施の形態を示す励磁制御装置の構成図である。
【図19】本発明の第8実施の形態で用いる過励磁制限線図である。
【図20】本発明の第9実施の形態を示す励磁制御装置の構成図である。
【図21】本発明の第10実施の形態を示す励磁制御装置の構成図である。
【図22】本発明の第10実施の形態で用いる変化率検出線図である。
【図23】本発明の第10実施の形態で用いる過励磁制限線図である。
【図24】図21の第10実施の形態の変形例を示す励磁制御装置の構成図である。
【図25】本発明の第11実施の形態を示す励磁制御装置の構成図である。
【図26】本発明の第12実施の形態を示す励磁制御装置の構成図である。
【図27】本発明の第13実施の形態を示す励磁制御装置の構成図である。
【図28】本発明の第14実施の形態を示す励磁制御装置の構成図である。
【図29】本発明の第15実施の形態を示す励磁制御装置の構成図である。
【図30】本発明の第16実施の形態を示す励磁制御装置の構成図である。
【図31】図30の第16実施の形態の変形例を示す励磁制御装置の構成図である。
【図32】本発明の第17実施の形態を示す励磁制御装置の構成図である。
【図33】図32の第17実施の形態の変形例を示す励磁制御装置の構成図である。
【図34】従来技術を示す励磁制御装置の構成図である。
【図35】従来技術の過励磁制限線図である。
【符号の説明】
1 同期機
2 界磁巻線
3 主変圧器
4 系統並列用遮断器
5 電力系統
6 サイリスタ整流器
7 界磁遮断器
8 励磁電源変圧器
9A 甲系自動電圧調整装置
9B 乙系自動電圧調整装置
10A(10B) 制御装置
11A(11B) ヒューズ
12A(12B) 計器用変圧器
13A(13B) 電圧設定器
14A(14B) 過励磁制限装置
15A(15B) 計器用変流器
16A(16B) 第一段過励磁制限装置
17A(17B) 第二段過励磁制限装置
18A(18B) 第三段過励磁制限装置
19A(19B) 制御信号演算器
20A(20B) 過励磁制限制御検出器
21A(21B) 過励磁制限制御信号選択器
22A(22B) 位相調整回路
24A(24B) 計器用変流器
25A(25B) 電力変換器
27A(27B) 電力信号演算器
29A(29B) 第一段関数発生器
30A(30B) 第二段関数発生器
31A(31B) 第三段関数発生器
32A(32B) 第一段電力検出過励磁制限器
33A(33B) 第二段電力検出過励磁制限器
34A(34B) 第三段電力検出過励磁制限器
35A(35B) 電力検出過励磁制限制御検出器
36A(36B) 電力検出過励磁制限制御信号選択器
38A(38B,39A,39B) 過励磁制限装置
40A(40B) 低値選択回路
41A(41B) 界磁電圧検出器
43A(43B) 電圧検出過励磁制限装置
44A(44B) 時刻設定器
45A(45B) 制御入力変化率検出器
46A(46B) 変化率判定器
50A(50B) 変化率検出過励磁制限制御信号選択器
52A(52B) 過励磁制限制御状態情報伝達手段
60A(60B) ゲイン算出用関数発生器
61A(61B) 設定器
62A(62B) ゲイン算出用演算器
63A(63B) 電力検出用過励磁制限装置
64A(64B) 励磁状態判定情報伝達手段
65A(65B) 励磁状態監視手段
100 過励磁制限引き戻し値
101 過励磁制限検出開始設定値
102 過励磁制限線
103 待機系切替制限線
104 第一段過励磁制限線
105 第二段過励磁制限線
106 第三段過励磁制限線
108 発電機鉄心端部加熱限界曲線
109 発電機定格一定曲線
110 発電機過励磁限界曲線
111 第一段の電力検出過励磁制限線
112 第二段の電力検出過励磁制限線
113 第三段の電力検出過励磁制限線
114 過励磁制限線
115 過励磁制限線
116 過励磁制限電圧引き戻し値
117 過励磁制限検出開始電圧設定値
118 電圧検出過励磁制限線
119 電圧検出待機系切替制限線
120 変化率検出過励磁制限線
121 変化率検出過励磁制限線
122 変化率検出過励磁制限線

Claims (16)

  1. 電力系統に接続される同期機が所定の電圧を発生するように同期機の励磁制御を行う励磁制御信号を出力する一方、前記同期機の過励磁状態を反限時特性をもって検出して所定の過励磁制限引き戻し値まで制限するための過励磁制限信号を前記過励磁状態を弱め界磁とするように前記励磁制御信号へ付加出力する自動電圧調整装置とを有して同期機の励磁制御をする励磁制御装置において、
    界磁電流あるいは界磁電圧に対して前記反限時特性の過励磁の制限を段階的に順次定める複数の過励磁制限線と同期機の界磁電流信号あるいは界磁電圧信号とを各過励磁制限線毎に比較し、同期機の界磁電流信号あるいは界磁電圧信号が過励磁制限線以上となったそれぞれの過励磁制限線に対して個別に設ける各個別過励磁制限信号を加算した信号によって現過励磁状態から前記所定の過励磁制限引き戻し値まで制限可能とするように定めて出力する手段と、
    この手段により各出力される各個別過励磁制限信号を加算して得られた過励磁制限信号を前記励磁制御信号へ付加出力する手段とを備えることを特徴とする励磁制御装置。
  2. 電力系統に接続される同期機が所定の電圧を発生するように同期機の励磁制御を行う励磁制御信号を出力する一方、前記同期機の過励磁状態を反限時特性をもって検出して所定の過励磁制限引き戻し値まで制限するための過励磁制限信号を前記過励磁状態を弱め界磁とするように前記励磁制御信号へ付加出力する自動電圧調整装置とを有して同期機の励磁制御をする励磁制御装置において、
    界磁電流あるいは界磁電圧に対して反限時特性の過励磁状態の制限を段階的に順次定める複数の過励磁制限線と同期機の界磁電流信号あるいは界磁電圧信号とを比較し、同期機の界磁電流信号あるいは界磁電圧信号がいずれかの過励磁制限線以上となったと検出した場合、最も過励磁状態の過励磁制限線を特定し、特定された過励磁制限線に対して設ける過励磁制限信号を該過励磁制限信号によって現過励磁状態から前記所定の過励磁制限引き戻し値まで制限可能とするように定めて出力する手段と、
    前記特定された最も過励磁状態の過励磁制限線に対応する過励磁制限信号を選択して前記励磁制御信号へ付加出力する手段とを備えることを特徴とする励磁制御装置。
  3. 電力系統に接続される同期機が所定の電圧を発生するように同期機の励磁制御を行う励磁制御信号を出力する一方、前記同期機の過励磁状態を検出して所定の過励磁制限引き戻し値まで制限するための過励磁抑制信号を前記過励磁状態を弱め界磁とするように前記励磁制御信号へ付加出力する自動電圧調整装置とを有して同期機の励磁制御をする励磁制御装置において、
    前記同期機の出力する有効電力及び無効電力を検出し、検出された有効電力信号と予め定める係数に基づいて、無効電力に対して過励磁の制限を段階的に順次定める複数の過励磁制限線を作成し、作成された過励磁制限線と比較し、同期機の無効電力信号が過励磁制限線以上となった各過励磁制限線に対して個別に設ける各個別過励磁制限信号を加算した信号によって現過励磁状態から前記所定の過励磁制限引き戻し値まで制限可能とするように定めて出力する手段と、
    この手段により各出力される各過励磁制限信号を加算して得られた前記過励磁制限信号を前記励磁制御信号に付加出力する手段とを備えることを特徴とする励磁制御装置。
  4. 電力系統に接続される同期機が所定の電圧を発生するように同期機の励磁制御を行う励磁制御信号を出力する一方、前記同期機の過励磁状態を検出して所定の過励磁制限引き戻し値まで制限するための過励磁制限信号を前記過励磁状態を弱め界磁とするように前記励磁制御信号へ付加出力する自動電圧調整装置とを有して同期機の励磁制御をする励磁制御装置において、
    前記同期機の有効電力及び無効電力を検出し、検出された有効電力信号と予め定める係数に基づいて無効電力に対して過励磁の制限を段階的に順次定める複数の過励磁制限線を作成し、作成された各過励磁制限線と比較し、同期機の無効電力信号がいずれかの過励磁制限線となったと検出した場合、最も過励磁状態に対する過励磁制限線を特定し、特定された過励磁制限線に対して設ける過励磁制限信号を該過励磁制限信号によって現過励磁状態から前記所定の過励磁制限引き戻し値まで制限可能とするように定めて出力する手段と、
    前記特定された最も過励磁状態の過励磁制限線に対応する過励磁制限信号を選択して前記励磁制御信号へ付加出力する手段とを備えることを特徴とする励磁制御装置。
  5. 前記励磁制御信号に基づくサイリスタの点弧位相角に対して過励磁制限信号に基づくサイリスタの点弧位相角を弱め励磁とするように付加出力して位相調整手段のサイリスタの点弧位相角をシフトさせて同期機の過励磁状態を抑制することを特徴とする請求項1乃至請求項4記載の励磁制御装置。
  6. 電力系統に接続される同期機が所定の電圧を発生するように同期機の励磁制御を行う励磁制御信号を出力する一方、前記同期機の過励磁状態を反限時特性をもって検出して所定の過励磁制限引き戻し値まで制限するための過励磁制限信号を前記過励磁状態を弱め界磁とするように前記励磁制御信号へ付加出力する自動電圧調整装置とを有して同期機の励磁制御をする励磁制御装置において、
    界磁電流あるいは界磁電圧に対して反限時特性の過励磁の制限をサイリスタ整流器の耐量に応じた運転領域内で最大限運転可能とするように定める複数の過励磁制限線と同期機の界磁電流信号あるいは界磁電圧信号とを比較する手段と、
    この手段による比較によって同期機の界磁電流信号あるいは界磁電圧信号が複数の過励磁制限線内のいずれかの過励磁制限線に達した場合、最も低い過励磁状態の過励磁制限線を特定し、特定された過励磁制限線に対して設ける過励磁制限信号を該過励磁制限信号によって現過励磁状態から前記所定の過励磁制限引き戻し値まで制限可能とするように定めて出力する手段と、
    前記最も低い過励磁制限線の出力する過励磁制限信号を選択して前記励磁制御信号へ付加出力する手段とを備えることを特徴とする励磁制御装置。
  7. 電力系統に接続される同期機が所定の電圧を発生するように同期機の励磁制御を行う励磁制御信号を出力する一方、前記同期機の過励磁状態を反限時特性をもって検出して所定の過励磁制限引き戻し値まで制限するための過励磁制限信号を前記過励磁状態を弱め界磁とするように前記励磁制御信号へ付加出力する自動電圧調整装置とを有して同期機の励磁制御をする励磁制御装置において、
    界磁電流に対して反限時特性の過励磁の制限を一以上定める第一過励磁制限線と同期機の界磁電流信号とを比較して同期機の界磁電流信号が前記第一過励磁制限線以上の場合に、第一個別過励磁制限信号を出力する手段と、
    界磁電圧に対して反限時特性の過励磁の制限を一以上定める第二過励磁制限線と比較して同期機の界磁電圧信号が前記第二過励磁制限線以上の場合に、第二個別過励磁制限信号を出力する手段と、
    前記第一個別過励磁制限信号と前記第二個別過励磁制限信号とを加算して得られる加算信号を前記励磁制御信号へ付加出力する手段とすることを特徴とする励磁制御装置。
  8. 電力系統に接続される同期機が所定の電圧を発生するように同期機の励磁制御を行う励磁制御信号を出力する一方、前記同期機の過励磁状態を反限時特性をもって検出して所定の過励磁制限引き戻し値まで制限するための過励磁制限信号を前記過励磁状態を弱め界磁とするように前記励磁制御信号へ付加出力する自動電圧調整装置とを有して同期機の励磁制御をする励磁制御装置において、
    界磁電流に対して反限時特性の過励磁の制限を段階的に順次定める一以上の過励磁制限線と同期機の界磁電流信号とを各過励磁制限線毎に比較し、同期機の界磁電流信号が過励磁制限線以上の場合、各過励磁制限線に対して個別に設ける各第一個別過励磁制限信号を加算した信号によって現過励磁状態を制限可能とするように定めて出力する手段と、
    前記同期機の有効電力及び無効電力を検出し、検出された有効電力信号と予め定める係数に基づいて、無効電力に対して過励磁の制限を定める一以上の過励磁制限線を作成し、作成された各過励磁制限線と比較し、同期機の無効電力信号が過励磁制限線以上の場合、各過励磁制限線に対して個別に設ける各第二個別過励磁抑制信号を加算した信号によって現過励磁状態を制限可能とするように定めて出力する手段と、
    この手段により各出力される各第一個別過励磁制限信号と各第二個別過励磁制限信号とを加算して得られた信号を前記過励磁抑制信号へ付加出力する手段とを備えることを特徴とする励磁制御装置。
  9. 電力系統に接続される同期機が所定の電圧を発生するように同期機の励磁制御を行う励磁制御信号を出力する一方、前記同期機の過励磁状態を反限時特性をもって検出して所定の過励磁制限引き戻し値まで制限するための過励磁制限信号を前記過励磁状態を弱め界磁とするように前記励磁制御信号へ付加出力する自動電圧調整装置とを有して同期機の励磁制御をする励磁制御装置において、
    界磁電流あるいは界磁電圧に対して反限時特性の過励磁の制限を段階的に順次定める複数の過励磁制限線と同期機の界磁電流信号あるいは界磁電圧信号とを比較し、同期機の界磁電流信号あるいは界磁電圧信号が過励磁制限線以上となった場合に、該当する過励磁制限線に応じた各過励磁制限信号を出力する手段と、
    同期機の界磁電流信号あるいは界磁電圧信号の変化率を算出し、算出された変化率に応じて前記複数の過励磁制限線のいずれかを選択して、選択された過励磁制限線に対応する過励磁制限信号を前記励磁制御信号に付加出力する手段とを備えることを特徴とする励磁制御装置。
  10. 電力系統に接続される同期機が所定の電圧を発生するように同期機の励磁制御を行う励磁制御信号を出力する一方、前記同期機の過励磁状態を反限時特性をもって検出して所定の過励磁制限引き戻し値まで制限するための過励磁制限信号を前記過励磁状態を弱め界磁とするように前記励磁制御信号へ付加出力する自動電圧調整装置とを有して同期機の励磁制御をする励磁制御装置において、
    無効電力に対して反限時特性の過励磁の制限を段階的に順次算出して定める複数の過励磁制限線と同期機の無効電力信号とを比較し、同期機の無効電力信号が過励磁制限線以上となった場合に、該当する過励磁制限線に応じた各過励磁制限信号を出力する手段と、
    同期機の無効電力信号の変化率を算出し、算出された変化率に応じて前記複数の過励磁制限線のいずれかを選択して、選択された過励磁制限線に対応する過励磁制限信号を前記励磁制御信号に付加出力する手段とを備えることを特徴とする励磁制御装置。
  11. 電力系統に接続される同期機が所定の電圧を発生するように同期機の励磁制御を行う励磁制御信号を出力する一方、前記同期機の過励磁状態を反限時特性をもって検出して所定の過励磁制限引き戻し値まで制限するための過励磁制限信号を前記過励磁状態を弱め界磁とするように前記励磁制御信号へ付加出力する自動電圧調整装置とを有して同期機の励磁制御をする励磁制御装置において、
    界磁電圧あるいは界磁電圧に対して反限時特性の過励磁の制限を段階的に順次定める一以上の過励磁制限線と同期機の界磁電流信号あるいは界磁電圧信号とを比較し、同期機の界磁電流信号あるいは界磁電圧信号が過励磁制限線以上の場合、各過励磁制限線に応じて各個別過励磁制限信号を出力する手段と、
    同期機の界磁電流信号あるいは界磁電圧信号に応じて制御ゲインを算出する前記一以上の過励磁制限線に対応する手段と、
    前記各個別過励磁制限信号と対応する前記制御ゲインとに基づいて前記各個別過励磁制限信号を増減させて得られた信号の加算信号を前記励磁制御信号に付加出力する手段とを備えることを特徴とする励磁制御装置。
  12. 前記制御ゲインを算出する一以上の過励磁制限線に対応する手段は、外部から設定可能な同期機の界磁電流設定信号あるいは界磁電圧設定信号と同期機の界磁電流信号あるいは界磁電圧信号との偏差信号に応じて前記制御ゲインを算出することを特徴とする請求項11記載の励磁制御装置。
  13. 電力系統に接続される同期機が所定の電圧を発生するように同期機の励磁制御を行う励磁制御信号を出力する一方、前記同期機の過励磁状態を反限時特性をもって検出して所定の過励磁制限引き戻し値まで制限するための過励磁制限信号を前記過励磁状態を弱め界磁とするように前記励磁制御信号へ付加出力する自動電圧調整装置とを有して同期機の励磁制御をする励磁制御装置において、
    無効電力に対して反限時特性の過励磁の制限を段階的に順次定める一以上の過励磁制限線と同期機の無効電力信号とを比較し、同期機の無効電力信号が過励磁制限線以上の場合、各過励磁制限線に応じて各個別過励磁抑制信号を出力する手段と、
    同期機の無効電力信号に応じて制御ゲインを算出する前記一以上の過励磁制限線に対応する手段と、
    前記各個別過励磁制限信号と対応する前記制御ゲインとに基づいて前記各個別過励磁制限信号を増減させて得られた信号の加算信号を前記励磁制御信号に付加出力する手段とを備えることを特徴とする励磁制御装置。
  14. 前記制御ゲインを算出する一以上の過励磁制限線に対応する手段は、外部から設定可能な同期機の無効電力設定信号と同期機の無効電力信号との偏差信号に応じて前記制御ゲインを算出することを特徴とする請求項13記載の励磁制御装置。
  15. 電力系統に接続される同期機が所定の電圧を発生するように同期機の励磁制御を行う励磁制御信号を出力する制御手段と、前記同期機の過励磁状態を反限時特性をもって検出して所定の過励磁制限引き戻し値まで制限するための過励磁制限信号を前記過励磁状態を弱め界磁とするように前記励磁制御信号へ付加出力する過励磁制限手段とからなる常用系と待機系との二重化構成の自動電圧調整装置とを有して同期機の励磁制御をする励磁制御装置において、
    各自系の自動電圧調整装置は、自系が常用系の場合に自系の過励磁制限手段から過励磁制限信号を含む過励磁状態情報を他系の過励磁制限手段へ伝達する手段を備えることを特徴とする励磁制御装置。
  16. 電力系統に接続される同期機が所定の電圧を発生するように同期機の励磁制御を行う励磁制御信号を出力する制御手段と、前記同期機の過励磁状態を反限時特性をもって検出して所定の過励磁制限引き戻し値まで制限するための過励磁制限信号を前記過励磁状態を弱め界磁とするように前記励磁制御信号へ付加出力する過励磁制限手段とからなる常用系と待機系との二重化構成の自動電圧調整装置とを有して同期機の励磁制御をする励磁制御装置において、
    各自系の自動電圧調整装置は、自系が常用系の場合、自系の検出した同期機の界磁電流信号あるいは界磁電圧信号と各自系の制御手段から出力される位相信号とを他系の待機系の励磁状態監視手段へ伝達する手段と、
    自系が待機系の場合に前記励磁状態監視手段によって常用系の位相信号の状態と前記界磁電流信号あるいは界磁電圧信号との相関関係を監視して所定の条件によって自系が常用系となるように切替る手段とを備えることを特徴とする励磁制御装置。
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