JP2016208586A - 電力システムにおける事故安定化装置及びその方法 - Google Patents

電力システムにおける事故安定化装置及びその方法 Download PDF

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Abstract

【課題】系統事故により発電所内で長時間の瞬時電圧低下が想定される場合であっても、発電出力を維持できる電力システムにおける事故安定化技術を提供する。
【解決手段】事故安定化装置10は、発電所11とこの発電所11から電力の供給を受ける外部送電系統12との間に設置され、これらの間を電気的に接続する投入と電気的な接続を遮断する開放とに切り替え可能なバイパス遮断器13と、バイパス遮断器13に対して並列に接続されて、所定の抵抗値を有する制動抵抗器14と、外部送電系統12の運転状態に関する系統情報sを受け付ける系統情報受付部51と、受け付けた系統情報sが、外部送電系統12における外乱事象の発生を検出するための外乱発生条件を満たすか否かを判定する第1判定部52と、外乱発生条件を満たすときに、投入されているバイパス遮断器13を開放させる開放信号tを出力する制御信号出力部53と、を備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明の実施形態は、外部送電系統で発生した系統事故に対応するための電力システムにおける事故安定化技術に関する。
一般的な電力システムは、発電所とこの発電所から電力の供給を受ける外部送電系統とから構成される。発電所の出力調整能力に余裕のある電力システムでは、短絡事故や接地事故などの系統事故が発生した際に、脱調する発電機の解列および発電機の増出力を行うことで、大規模な系統動揺に発展しないように安定制御される。
一方、出力調整能力に余裕が少ない電力システムでは、系統事故が発生した際に、出力調整による安定制御の介入度が限られている。特に、送電網の中心から離れるほど送電可能容量が減少するため、出力調整能力に余裕が少なくなり、電力システムの安定度は低下する。安定度の低い電力システムでは、発電所の至近端で系統事故が発生した場合、発電機が脱調するおそれがある。
そして、発電機の脱調により発電所出力が大きく増減した場合、需給バランスを維持することができなくなり、電力システム全体の電圧崩壊や大規模な停電を引き起こす。
従来から、送電網の端部に接続される発電機の脱調を防止し、系統事故時の送電網の安定制御を行うことを目的とした送電系統の安定化装置が導入されてきた。
例えば、半導体スイッチング素子を有するゲート回路を、伝送する電流の大きさに応じてOn/Offをして電流を制動抵抗器回路へ流すという技術が開示されている。この技術は、制動抵抗器回路に電流を流し、電力を消費することで発電機の加速を抑えるもので、発電機の脱調を防止するとともに送電系統の過渡安定度を改善している。
特開2002−17041号公報
ところで、電力システムの中には様々な発電所が存在しており、原子力・火力などのプラント(汽力発電所)は大容量の同期発電機を用いて発電が行われている。この同期発電機は、外部送電系統との同期を維持しようとする同期化力が強く、慣性も大きい。このため、汽力発電所は、電力システムの過渡安定度を高め、系統事故により発生する系統動揺への耐性を高める上で重要な存在となる。
この汽力発電所では、熱源で水を加熱することにより発生させた蒸気により、蒸気タービンを回転させ、蒸気タービンに接続された同期発電機を回転させることにより発電を行っている。このため、汽力発電所には、発電に用いる水や蒸気を循環させるための大型ポンプが設置されており、この大型ポンプは誘導電動機や可変速インバータ駆動などの電動機を用いて駆動されている。
ポンプを駆動するための電動機は、発電機で発電された電力を、所内電源を介して給電され駆動している。このため、短絡事故や接地事故などの系統事故が発生し、事故点に電流が流れこむことにより、発電所内で長時間の瞬時電圧低下が発生した場合、電動機の駆動能力が低下する。これにより、発電に用いる蒸気流量が維持できず、プラントの発電出力が低下するおそれがあった。
誘導電動機の例を挙げて具体的に説明すると、誘導電動機の発生トルクは、電圧の2乗に比例するため、瞬時電圧低下により電圧が定格電圧の半分になると誘導電動機の発生トルクは定格出力時の4分の1に減少する。誘導電動機の出力は、トルク×回転数に因るため、定格出力時のポンプ負荷により誘導電動機の出力が減少し負荷トルクと出力との定格運転時の釣り合い点から、より回転数の低い運転点へと移動する。このため、ポンプの回転速度は低下する。
ポンプが速度低下すると、発電に用いる水や蒸気を十分に循環できず発電出力低下する。特に、複数のポンプを直列に接続する構成となっている場合、上流のポンプの回転数が低下すると、下流のポンプの吸い込み圧力が低下し、プラント運転の続行が不可能となるおそれもある。
また、大型ポンプを駆動する電動機のほかに電動弁や制御盤などのプラント運転に必要な機器ついても所内電源から給電を受けている。このため、これらの所内負荷についても、発電所内で瞬時電圧低下が発生した場合、正常に駆動できずプラント運転に影響を及ぼすおそれがあった。
従来の事故安定化技術は、送電網における異常電流のダンピングによって電力システムの安定度を改善するものであり、系統事故を起因として発電所内で瞬時電圧低下が発生した場合に、電動機などの所内負荷の駆動に与える影響については考慮されておらず、プラントの発電出力の低下を抑制するものではない。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、系統事故により発電所内で長時間の瞬時電圧低下が想定される場合であっても、発電出力を維持できる電力システムにおける事故安定化技術を提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係る電力システムにおける事故安定化装置において、発電所とこの発電所から電力の供給を受ける外部送電系統との間に設置されて、これらの間を電気的に接続する投入状態と電気的な接続を遮断する開放状態とに切り替え可能なバイパス遮断器と、前記バイパス遮断器に対して並列に接続されて、所定の抵抗値を有する制動抵抗器と、前記外部送電系統の運転状態に関する系統情報を受け付ける系統情報受付部と、受け付けた前記系統情報が、前記外部送電系統における外乱事象の発生を検出するために設定された外乱発生条件を満たすか否かを判定する第1判定部と、前記外乱発生条件を満たすときに、前記投入状態の前記バイパス遮断器を前記開放状態に切り替える開放信号を出力する制御信号出力部と、を備えることを特徴とする。
本発明の実施形態に係る電力システムにおける事故安定化方法において、発電所とこの発電所から電力の供給を受ける外部送電系統との間に設置されて、これらの間を電気的に接続する投入状態と電気的な接続を遮断する開放状態とに切り替え可能なバイパス遮断器と、前記バイパス遮断器に対して並列に接続されて、所定の抵抗値を有する制動抵抗器とを用いて、前記外部送電系統の運転状態に関する系統情報を受け付けるステップと、受け付けた前記系統情報が、前記外部送電系統における外乱事象の発生を検出するために設定された外乱発生条件を満たすか否かを判定するステップと、前記外乱発生条件を満たすときに、前記投入状態の前記バイパス遮断器を前記開放状態に切り替える開放信号を出力するステップと、を含むことを特徴とする。
本発明の実施形態により、系統事故により発電所内で長時間の瞬時電圧低下が想定される場合であっても、発電出力を維持できる電力システムにおける事故安定化技術が提供される。
発電所と外部送電系統との間に設置された、第1実施形態に係る事故安定化装置の構成を示す構成図。 本実施形態に適用される制動抵抗器の抵抗値の設定方法を説明する図。 (A)通常時の事故安定化装置の状態を示す図、(B)外乱事象が発生した際の事故安定化装置の状態を説明する図、(C)外乱事象が収束した後の事故安定化装置の状態を説明する図。 (A)3相交流で外部電力系統に送電する場合において、本実施形態に係る事故安定化装置の適用例を示す上面図、(B)本実施形態に係る事故安定化装置の外観図。 第1実施形態に係る事故安定化装置の制御動作を示すフローチャート。 (A)発電所至近端で3相短絡事故が発生した場合に、本実施形態と比較例とで発電機端子及び外部送電系統の出力電圧を比較したグラフ、(B)本実施形態と比較例とで主発電機の内部相差角を比較したグラフ。 発電所と外部送電系統との間に設置された、第2実施形態に係る事故安定化装置の構成を示す構成図。 第2実施形態に係る事故安定化装置の制御動作を示すフローチャート。 発電所と外部送電系統との間に設置された、第3実施形態に係る事故安定化装置の構成を示す構成図。 発電所と外部送電系統との間に設置された、第3実施形態に係る事故安定化装置の変形例を示す構成図。 一般的な発電所と外部送電系統との構成を示す図(比較例)。
(第1実施形態)
以下、本実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、発電所11と外部送電系統12との間に設置された、第1実施形態に係る電力システムにおける事故安定化装置10(以下、事故安定化装置10と省略する)の構成を示している。
本実施形態に係る電力システムにおける事故安定化装置10は、発電所11とこの発電所11から電力の供給を受ける外部送電系統12との間に設置されて、これらの間を電気的に接続する投入状態と電気的な接続を遮断する開放状態とに切り替え可能なバイパス遮断器13と、バイパス遮断器13に対して並列に接続されて、所定の抵抗値を有する制動抵抗器14と、外部送電系統12の運転状態に関する系統情報sを受け付ける系統情報受付部51と、受け付けた系統情報sが、外部送電系統12における外乱事象の発生を検出するために設定された外乱発生条件を満たすか否かを判定する第1判定部52と、外乱発生条件を満たすときに、投入されているバイパス遮断器13を開放させる開放信号tを出力する制御信号出力部53と、を備える。
なお、発電所11は、発生させた熱エネルギーにより水蒸気を発生させ、この水蒸気を用いてタービンを回転させて主発電機15で発電を行う火力発電所や原子力発電所などの汽力発電所である。外部送電系統12とは、送電線28を介して発電所11で発電された電力を受電する外部負荷を含む、発電所11外部の送電網全般を意味する。
まず、発電所11内の構成について説明する。
主発電機15は、発電機回路遮断器17を介して主回路相分離母線18に接続されており、発電した電力を主回路相分離母線18に供給する。自動電圧調整器16は、界磁電圧制御を行い主発電機15の端子電圧を一定に維持している。
主回路相分離母線18に供給された電力は、発電所11内の所内負荷側と発電所11外の外部送電系統12側とに分岐する。
所内負荷側に送られる電力は、所内変圧器19により電圧が降圧されて、2方向に分岐する。分岐された電力は、遮断器20(20,20)を介して2つの所内母線21(21,21)に供給される。所内母線21には各種の所内負荷が接続され給電される。
所内母線21は、給水用のポンプを駆動する給水ポンプ電動機22(221a,221b)、復水用のポンプを駆動する復水ポンプ電動機23、発電機補機電動機24、及び電動弁や制御盤などの低圧母線負荷26が接続されており、それぞれの負荷に電力を供給している。なお、給水ポンプ電動機221aは、電動機可変速駆動インバータ25を介して電力が供給される。
所内母線21は、給水ポンプ電動機22(222a,222b)、復水ポンプ電動機23、発電機補機電動機24、及び低圧母線負荷26が接続されており、それぞれの負荷に電力を供給している。なお、復水ポンプ電動機23は、電動機可変速駆動インバータ25を介して電力が供給される。
所内母線21は、所内負荷に電力を供給する所内電源の役割を有しており、所内母線21の電圧が一定以上に維持されることにより、発電所11の出力を維持することが可能となりプラントが安定的に運転される。なお、所内母線21(21,21)に接続される負荷の構成は一例を示したものであり、本構成に限定されるものでは無い。
一方、外部送電系統12側に送電される電力は、主変圧器27により電圧が昇圧されて、発電所11と外部送電系統12との間に設置された事故安定化装置10を介して外部送電系統12に送られる。
事故安定化装置10は、バイパス遮断器13と、制動抵抗器14と、制御装置50と、を備えている。
バイパス遮断器13は、発電所11と外部送電系統12との間に設置される遮断器であり、これらの間を電気的に接続する投入状態と電気的な接続を遮断する開放状態とに切り替え可能である。
バイパス遮断器13は、通常時は投入状態であり、外乱事象が発生したときに開放状態に切り替えられる。バイパス遮断器13における投入/開放の切り替えは、制御装置50から出力される開放信号tを用いて行われる。
ここで、外乱事象とは、外部送電系統12で発生する、短絡事故、地絡事故などの系統事故や外部送電系統12を流れる電圧または電流の不平衡状態を意味する。外乱事象は、所内負荷の運転(駆動)に影響を与える所内母線21の電圧低下または主発電機15の脱調が発生するおそれがある外部送電系統12の電圧低下を引き起こす。
なお、バイパス遮断器13の絶縁方式については、気中絶縁方式、ガス絶縁方式などの既存の絶縁方式を適用して、広く超高圧送電系統で使用されている汎用品を用いる。これにより、経済性の高い事故安定化装置10を構成することができる。
制動抵抗器14は、バイパス遮断器13に対して並列かつ電気的に接続されており、所定の抵抗値を有する。なお、制動抵抗器14の抵抗値は適切に設定される必要があり、抵抗値の設定方法については後述する。
制動抵抗器14は、広く超高圧送電系統で使用されている汎用品を用いても良いが、油入り変圧器に類似した筐体に高抵抗の導体(例えば、鉄)を油中に設置する構造の抵抗器が好適である。この構造の抵抗器は、熱負荷の拡散を図ることができ、大気中に高抵抗の導体をそのまま設置する場合と比べて省スペースとなる。
制動抵抗器14は、抵抗として作用している間に発生する熱エネルギーに対し、十分な熱容量を持つように設計される。また、複数回の連続投入を想定する場合は、連続投入時の合計した熱エネルギーに応じて十分な熱容量を持つように設計される。
制動抵抗器14は、作用時間が短時間で頻繁に投入されるものではないため、作用中はほとんど熱拡散せず、導体の温度上昇のみを考慮すればよい。このため、制動抵抗器14の冷却方式については、自然循環による冷却のみで十分となる。
通常時には、バイパス遮断器13は投入されているため、抵抗値が高い制動抵抗器14側には僅かしか電流が流れず、大半の電流はバイパス遮断器13を介して流れる。一方で、外乱事象の発生時には、バイパス遮断器13が開放されるため、制動抵抗器14を介して電流が流れる。
制御装置50は、系統情報受付部51と、第1判定部52と、制御信号出力部53と、を備えている。なお、制御装置50を構成する各ユニットの機能は、所定のプログラムコードを、プロセッサなどの電子回路において実行することによって実現しても良く、このようなソフトウェア処理に限らず、例えば、ASIC等の電子回路を用いたハードウェア処理で実現しても良いし、ソフトウェア処理とハードウェア処理とを組み合わせて実現しても良い。
系統情報受付部51は、外部送電系統12に設けられている運用装置(図示省略)から出力された系統情報sを、外部送電系統12と制御装置50の間を接続する伝送ネットワークを介して受け付ける。
系統情報sは、外部送電系統12の運転状態に関する情報であり、短絡事故や地絡事故などの系統事故が発生した際に運用装置から出力される事故検出信号、外部送電系統12内の任意の接続点で測定された電圧信号、電流信号を含むものである。また、事故検出信号には、発生した事故の種類、事故の発生位置の情報が含まれている。
第1判定部52は、系統情報受付部51で受け付けた系統情報sに基づいて、外部送電系統12において外乱事象が発生しているか否かを判定する。第1判定部52は、系統情報sを用いて外乱事象発生の有無を検出するための外乱発生条件を予め設定している。
外乱発生条件の代表的なものとして、(1).短絡事故が発電所11の至近端で起きたかどうか、(2).所内母線21の電圧維持に支障が出るほどの電圧低下かどうか、(3).主発電機15が加速脱調する恐れがある電圧低下かどうか、(4).所内負荷の運転に影響を与えるほどの電圧または電流の不平衡が発生しているかどうか、の4つの条件がある。
第1判定部52は、条件(1)については、事故検出信号を受け付けた際に、事故検出信号が発電所11の至近端での短絡事故を示す場合に外乱発生条件を満たすと判定する。
条件(2)については、測定された電圧信号の電圧値と定格電圧値とを比較して、所内母線21の電圧維持に支障が出るほどの電圧低下が発生している場合に外乱発生条件を満たすと判定する。あるいは、所内母線21の電圧維持に支障が出るほどの電圧低下を検出するための基準値を予め設けておいて、測定電圧値がこの基準値を下回った場合に外乱発生条件を満たすと判定しても良い。
また、測定された電流信号の電流値を用いて条件判定を行っても良く、測定された電流値と定格電流とを比較して、所内母線21の電圧維持に支障が出るほどの電流上昇が発生している場合に外乱発生条件を満たすと判定しても良い。
条件(3)については、測定された電圧信号の電圧値と定格電圧値とを比較して、主発電機15が加速脱調する恐れがある電圧低下が発生している場合に外乱発生条件を満たすと判定する。
条件(4)については、測定された電圧信号の電圧値(または電流値)の平均値や偏差を計測して電圧値の平衡度合いを検出する。そして、この平衡度合いが、一定の基準範囲を超えた場合に不平衡が発生しているとして外乱発生条件を満たすと判定する。
第1判定部52は、上述した条件(1)〜(4)のいずれか1つの条件を満たした場合に外乱発生条件を満たすと判定する。一方、いずれの条件も満たさない場合は、外乱発生条件を満たさないと判定する。
なお、外乱発生条件は、条件(1)〜(4)に限定されるものではなく、例えば事故信号に含まれる事故の種類、位置情報に基づいてさらに細かく条件を設定しても良い。外乱発生条件を複数の設定し、複数の系統情報s(事故信号、電圧信号、及び電流信号)に基づいて判定することにより外乱事象をより正確に検出することが可能となる。
なお、条件(2)、(3)、及び(4)で、外乱事象を判定するために必要な電圧低下の度合い、基準値、平衡度合いは、主発電機15の内部電圧、内部インピーダンス、所内負荷の構成、外部送電系統12の負荷など発電所11や外部送電系統12が有するパラメータによって変化するため、事前に解析を行って、その結果に基づいて設定される。
制御信号出力部53は、第1判定部52で外乱発生条件を満たすと判定されたときに、投入状態のバイパス遮断器13を開放状態に切り替える開放信号tを出力する。
その後、外乱事象が収束し、つまり外乱発生条件を満たさなくなった場合には、開放信号tの出力を停止する。これにより、開放状態であったバイパス遮断器13は再び投入状態に切り替えられる。
次に、図2を用いて、制動抵抗器14の抵抗値の設定方法を説明する。
制動抵抗器14の抵抗値は、外乱事象が発生した際に所内母線21の電圧維持及び主発電機15の加速脱調防止の機能を達成するように適切な抵抗値に設定される必要がある。
まず、所内母線21の電圧維持の機能を達成する観点で抵抗値を検討する。
所内母線21は、所内変圧器19を介して主回路相分離母線18に接続している。通常時、主回路相分離母線18の電圧は、自動電圧調整器16により主発電機15を制御することで定格に保たれている。そして、運用電圧の設定や所内変圧器19のタップ比の調整により、所内母線21の電圧も定格に保たれている。
系統事故(例えば、短絡事故)により主回路相分離母線18の電圧が低下すると、所内母線21の電圧も低下する。
このとき、制動抵抗器14を投入した場合の所内母線21の電圧について単位法で検討すると、主発電機15の内部電圧と外部送電系統12の電圧との差分を、主発電機15の内部インピーダンスと主変圧器27のインピーダンス及び制動抵抗器14のインピーダンスの分圧したものに外部送電系統12の電圧を加えた値となる。
この関係から、想定される外部送電系統12における電圧低下の割合と、所内母線21の電圧の目標値(例えば、定格電圧の80%)を決めると、制動抵抗器14の最低抵抗値Xminが求まる。
一方、最大抵抗値については、主発電機15の電圧が自動電圧調整器16によりコントロールされている限り、抵抗値を大きくしても電圧はほぼ一定に保たれる。したがって、所内母線21の電圧維持の観点からは、最低抵抗値Xmin以上となる範囲101が適切な抵抗値の範囲となる。なお、範囲101は、主発電機15や外部送電系統12の条件で変動する。
続いて、主発電機15の加速脱調防止の観点で抵抗値を検討する。
主発電機15の加速脱調を防止するため、制動抵抗器14で十分にエネルギーを消費する必要がある。
つまり、制動抵抗器14で消費されるエネルギーと外部送電系統12へ送電した電力の合計が、脱調を防止するために消費しなければならないエネルギーより大きいことが脱調防止の条件となる。
ここで、制動抵抗器14で消費されるエネルギー:P、送電系統へ送電した電力:P、脱調防止に必要なエネルギー:Pと定義すると、脱調防止をするためには以下の式(1)が条件となる。
+P≧P ・・・式(1)
制動抵抗器14の抵抗値をR、制動抵抗器14に流れる電流をIとした場合、抵抗器で単位時間当たり消費されるエネルギーはRIとなる。これを制動抵抗器が投入されている期間で積分したものがPとなるため、式(1)に代入して変形すると、次式(2)となる。
R≧(P―P)/(Iの積分値) ・・・式(2)
電流は、主発電機15の能力及び電路のインピーダンスによって上限が存在し、積分値も定数となる。この関係から抵抗値の選択範囲の下限値Yminが決まる。
一方、制動抵抗器14の端子間電圧をVとした場合、抵抗器で単位時間当たり消費されるエネルギーはV/Rで、これを制動抵抗器が投入されている期間で積分したものがPとなるため、(1)に代入して変形すると、次式(3)となる。
R≦(Vの積分値)/(P―P) ・・・式(3)
端子間電圧は、主発電機15の電圧が自動電圧調整器16によりコントロールされているため上限が存在し、積分値も定数となる。この関係から、抵抗値の選択範囲の最大値Ymaxが求まる。
したがって、主発電機15の加速脱調防止の観点からは、Ymin≦R≦Ymax(範囲102)が適切な抵抗値の範囲となる。なお、範囲102は、所内母線21の電圧や主変圧器27の条件で変動する。
所内母線21の電圧維持を目的とする抵抗値の範囲101と発電機脱調防止を目的とする抵抗値の範囲102とに基づいて定まる抵抗値の範囲103が、所内母線21の電圧維持かつ主発電機15の加速脱調防止の機能を達成する適切な抵抗値の範囲となる。制動抵抗器14の抵抗値は、この範囲103内で設定される。
図3(A)〜(C)を用いて、本実施形態の作用を具体的に説明する。なお、図3(A)〜(C)では、所内母線21に接続される所内負荷の構成を簡略化して示している。
図3(A)は、通常時の事故安定化装置10の構成を示しており、主発電機15で発電された電力は、主回路相分離母線18に供給される。そして、主回路相分離母線18で分岐された電力は、主変圧器27、バイパス遮断器13、及び送電線28を経て外部送電系統12へ送電される。通常時には、バイパス遮断器13は投入状態であるため、大半の電流はバイパス遮断器13を流れる。
主回路相分離母線18で分岐された他方の電力は、所内変圧器19を介して所内母線21に供給される。そして、所内母線21から所内負荷に給電されている。
この状況で、発電所11の至近端で短絡事故が発生した場合、発電所11から外部送電系統12へ電力を送電できなくなる。このため、主発電機15の負荷は急激に減少して、主発電機15への機械入力とのアンバランスが生じる。同時に、主発電機15から事故点へ短絡電流が流れる。
図3(B)は、発電所11の至近端で短絡事故が発生した際の事故安定化装置10の構成を示している。
制御装置50は、系統情報sを常時受け付けており、発電所11の至近端における短絡事故に係る事故信号を受け付けた場合、外乱発生条件を満たすと判定して、バイパス遮断器13の開放信号tを出力する。これにより、バイパス遮断器13は開放状態となる。
バイパス遮断器13が開放されると、主変圧器27と外部送電系統12との間に制動抵抗器14が電気的に挿入された状態となる。
これにより、バイパス遮断器13を通して事故点へと流れ込んでいた短絡電流は、制動抵抗器14を通して流れるようになる。流れる電流の大きさと制動抵抗器14の抵抗値によって制動抵抗器14にてジュール損が発生し、制動抵抗器14は主発電機15の負荷として機能する。
制動抵抗器14の抵抗値は、短絡事故が発生する直前の主発電機15の出力を想定して、予め設定されたものであるため、制動抵抗器14の負荷と主発電機15の機械入力がバランスし、主発電機15の加速が抑止される。
同時に、制動抵抗器14を通過する電流によって抵抗器の両端に電位差が生じる。制動抵抗器14の両端に電位差が生じることで、主発電機15で発電された電力は外部送電系統12側と所内負荷側に供給可能となるため、所内母線21の電圧は維持される。これにより、所内母線21から給電を受ける所内負荷は、短絡事故の影響を受けること無く駆動できる。
図3(C)は、短絡事故が収束した後の事故安定化装置10の構成を示している。
制御装置50は、短絡事故が収束すると、外乱発生条件を満たさなくなるため、開放信号tの出力を停止する。これにより、バイパス遮断器13は、開放状態から投入状態に切り替えられる。
バイパス遮断器13が投入され通常時の状態に復帰すると、再び外部送電系統12へ送電される電力の大半はバイパス遮断器13を通して送電される。
図4(A)は、発電所11で発電された電力を3相交流で送電する場合における事故安定化装置10の適用例を示している。図4(B)は、発電所11と外部送電系統12との間に設置された事故安定化装置10の外観図を示している。なお、制御装置50の各機能の構成は図1と同一となるため説明を省略している。
発電所11で発電された電力は、3本の送電線28(28,28,28)を介して外部送電系統12に3相交流で送電されている。バイパス遮断器13及び制動抵抗器14は、発電所11と外部送電系統12との間で、3相のそれぞれに対して設置される。
制御装置50は、3つのバイパス遮断器13に対して1つ設けられており、外部送電系統12で発生する外乱事象に応じてバイパス遮断器13の投入/開放を制御する。
具体的には、まず、系統情報受付部51(図1)は、外部送電系統12の運転状態に関する系統情報sを各相それぞれについて受け付ける。
第1判定部52は、受け付けた系統情報sが外乱発生条件を満たすか否かを各相ごとに判定する。例えば、3相短絡事故が発電所11の至近端で発生した場合、3相のすべてにおいて上述の条件(1)を満たすと判定される。
3相短絡以外の事故、例えば一相地絡、二相地絡、線間短絡などが発生した場合、事故相の電圧が低下するとともに、負荷の状態によっては不平衡電流が流れる。このとき、条件(2)〜(4)を満たす相について、外乱発生条件を満たすと判定する。
制御信号出力部53は、外乱発生条件を満たす相に対応するバイパス遮断器13に開放信号tを出力する。例えば、線間短絡事故が発生して、送電線28と28に係る電力相で外乱発生条件を満たす場合、バイパス遮断器13と13に開放信号tを出力する。
図5は、第1実施形態に係る事故安定化装置10の制御動作を示すフローチャートを示している(適宜、図1参照)。
系統情報受付部51は、外部送電系統12から系統情報s(事故信号、電圧信号、及び電流信号)を受け付ける(S10)。なお、系統情報受付部51は、系統情報sの受け付けを常時実行している。
そして、第1判定部52は、受け付けた系統情報sが外乱事象を検出するために予め設定されている外乱発生条件を満たすか否かを判定する(S11)。外乱発生条件を満たさない場合は、終了する(S11:NO)。
制御信号出力部53は、外乱発生条件を満たす場合には、開放信号tを出力する(S11:YES、S12)。
制御信号出力部53は、第1判定部52において外乱発生条件を満たさないと判定されるまで、換言すると外乱事象が収束するまで開放信号tの出力を継続する(S13:NO)。
一方、第1判定部52において外乱発生条件を満たさないと判定された場合、つまり外乱が収束した場合には、開放信号tの出力を停止して終了する(S13:NO、S14)。
図6は、本実施形態(図1)と比較例(図11)との間で、発電所11の至近端で3相短絡事故を模擬した場合における電力系統解析の結果を比較したものである。比較例の構成として、図11に示すように、発電所11と外部送電系統12とを接続した一般的な構成を用いている。
ここでは、1秒後に発生した3相短絡事故が、250ms継続した状態を模擬して電力系統解析を行っている。また、本実施形態を適用した場合では、短絡事故が発生した50ms後にバイパス遮断器13が開放され、事故が収束した直後に再び投入されるものと仮定する。
図6(A)は、本実施形態と比較例のそれぞれにおける、発電機端子電圧と外部送電系統電圧の出力を示すグラフである。
本実施形態を適用した場合、発電機端子電圧(符号301)は、短絡事故直後に大幅に低下(残留電圧は主に主変圧器27のインピーダンスによるもの)する。しかし、バイパス遮断器13を開放すると同時に、電圧が80%以上迄瞬時に上昇し、所内母線21に接続する所内負荷の運転に十分な電圧が維持されることが分かる。
そして、事故が収束してバイパス遮断器13が投入されると、制動抵抗器14による電圧補償により一時的に定格電圧より上昇するが、その後に定格電圧以下まで戻り、電圧が安定することが分かる。外部送電系統12の電圧(符号302)も事故収束後に安定する。
一方、比較例の構成では、発電機端子電圧(符号303)に示すように、短絡事故中は主に主変圧器27のインピーダンスによる残留電圧しか残らず(30%以下)、所内負荷の運転継続が危ぶまれる。外部送電系統12の電圧(符号304)は、所内電源の電圧に引きずられて低下し、事故が復帰しても定格電圧を維持できなくなる。
図6(B)は、本実施形態と比較例のそれぞれにおける、主発電機15の内部相差角の挙動を示すグラフである。
本実施形態では、短絡事故後、主発電機15の内部相差角(符号305)は100°以下に抑制され、主発電機15の運転継続が可能となっていることが示されている。
一方、主発電機15の内部相差角(符号306)については、比較例の構成では180
°を超えて加速脱調の様相を示している。
このように、発電所11において長時間の大幅な瞬時電圧低下を引き起こす外乱事象が発生した場合であっても、バイパス遮断器13を開放し、制動抵抗器14を挿入して電圧を補償することで、所内母線21の電圧が維持され所内負荷の駆動低下が防止される。所内母線21の電圧で、大幅な電圧低下が起こっている時間は、実際の事故継続時間にかかわらず、バイパス遮断器13が動作するまでの僅かな時間となる。
所内負荷の駆動低下が防止されることで発電に用いる蒸気流量は維持され、瞬時電圧低下以前のプラント出力で運転できる。同時に、主発電機15の機械入力と電気出力のアンバランスを解消し、脱調を阻止されているため、主発電機15も運転状態が維持される。
このため、発電所11全体で瞬時電圧低下による影響を乗り越え、発電所11を電力系統から解列せずに、定常運転を続けることができる。
(第2実施形態)
図7は、第2実施形態に係る事故安定化装置10を示す構成図である。なお、第1実施形態(図1)と対応する構成および部分については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
第2実施形態の事故安定化装置10が第1実施形態と異なる点は、制動抵抗器14の温度及び故障を検出して、温度信号及び故障信号を抵抗情報uとして出力する抵抗情報検出器29と、出力された抵抗情報uを受け付ける抵抗情報受付部54と、抵抗情報uに基づいて制動抵抗器14を投入できるか否かを判定する第2判定部55と、をさらに備えて、制御信号出力部53は、外乱発生条件を満たし、かつ制動抵抗器14が投入できると判定された場合に開放信号tを出力する点にある。
抵抗情報検出器29は、制動抵抗器14の近傍あるいは制動抵抗器14を内部に収容するように設置されており、制動抵抗器14の温度及び故障を検出する。制動抵抗器14の温度は、サーミスタや熱電対などの温度検出器を用いて検出する。制動抵抗器14の故障は、温度検出器を用いて検出する異常発熱、故障時に生じる異常ガス、あるいは故障検出電流を流した際の電圧値などから検出する。
そして、抵抗情報検出器29は、検出した温度及び故障を電気信号に変換して、温度信号及び故障信号を抵抗情報uとして抵抗情報受付部54に出力する。なお、故障信号は故障発生時のみ出力される。
第2判定部55は、抵抗情報受付部54で受け付けた抵抗情報uに基づいて制動抵抗器14を投入(通電)できるか否かを判定する。制動抵抗器14は、温度により抵抗値が変動するため、温度状態により適切な抵抗値(図2参照)でない場合は、投入不可と判定する。また、故障信号を受け付けた場合も、投入不可と判定する。
そして、制御信号出力部53は、外乱発生条件を満たし、かつ制動抵抗器14が投入できると判定された場合に開放信号tを出力する。したがって、制動抵抗器14が正常に機能を果たす状態である場合のみ、バイパス遮断器13が開放されて制動抵抗器14は投入される。
図8は、第1実施形態に係る事故安定化装置10の制御動作を示すフローチャートを示している(適宜、図7参照)。
系統情報受付部51は、外部送電系統12から系統情報s(事故信号、電圧信号、及び電流信号)を受け付ける(S20)。なお、系統情報受付部51は、系統情報sの受け付けは常時実行される。
そして、第1判定部52は、受け付けた系統情報sが外乱事象を検出するために予め設定されている外乱発生条件を満たすか否かを判定する(S21)。外乱発生条件を満たさない場合は、終了する(S21:NO)。
外乱発生条件を満たす場合に、抵抗情報受付部54は、抵抗情報検出部から出力される抵抗情報uを受け付ける(S22)。
第2判定部55は、抵抗情報受付部54で受け付けた抵抗情報uに基づいて制動抵抗器14を投入(通電)できるか否かを判定する(S23)。制動抵抗器14が投入不可である場合は、終了する(S23:NO)。
制御信号出力部53は、制動抵抗器14が投入可能な場合は、開放信号tを出力する(S23:YES、S24)。
制御信号出力部53は、第1判定部52において外乱発生条件を満たさないと判定されるまで開放信号tの出力を継続する(S25:NO)。
一方、第1判定部52において外乱発生条件を満たさないと判定された場合、つまり外乱が収束した場合には、開放信号tの出力を停止して終了する(S25:YES、S26)。
このように、動作直後で温度が高く、開放しても十分な効果を得られない場合または抵抗器が故障している場合に、制動抵抗器14の投入は不可と判定しバイパス遮断器13の開放を実行しない。これにより、制動抵抗器14の保護が実現できる。なお、第2判定部55による判定動作が機能しなかった場合の補助として、バイパス遮断器13の開放時間をタイマーで制限する構成としても良い。
(第3実施形態)
図9は、第3実施形態に係る事故安定化装置10を示す構成図である。なお、第1実施形態(図1)と対応する構成および部分については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
第3実施形態の事故安定化装置10が第1実施形態と異なる点は、制動抵抗器14に並列に接続された補助抵抗器30(30、30、…30)と、補助抵抗器30と制動抵抗器14との電気な接続をOn/Offする切替スイッチ31(31、31、…31)と、切替スイッチ31を切り替えて、制動抵抗器14と補助抵抗器30との合成抵抗の抵抗値を調整する抵抗値調整部56と、を備える点である。
補助抵抗器30は、制動抵抗器14に対して並列に複数接続される。補助抵抗器30を設けることで、バイパス遮断器13が開放された際に、電流は制動抵抗器14と補助抵抗器30との合成抵抗を流れる。
複数の補助抵抗器30は、それぞれ同じ抵抗値を有するものでも良いし、異なる抵抗値を有するものでも良い。制動抵抗器14と補助抵抗器30との合成抵抗が、広い抵抗値の範囲を取り得ることが望ましい。
切替スイッチ31は、補助抵抗器30と制動抵抗器14との電気的な接続をOn/Offするスイッチである。このスイッチを切り替えることで、制動抵抗器14に接続される補助抵抗器30の並列段数が変更でき、合成抵抗の抵抗値が調整できる。
なお、制動抵抗器14は、常に通電状態となっているため、わずかながら電流が流れた状態でスイッチのOn/Offを行うことになる。このため、切替スイッチ31は、通常時の負荷電流(バイパス遮断器13は投入された状態における電流)を切ることができるものを使用する。
抵抗値調整部56は、設定された抵抗値となるように、切替スイッチ31を切り替えて制動抵抗器14に接続される制動抵抗器14の並列段数が変更し、合成抵抗の抵抗値が調整する。なお、抵抗値の設定は、所内母線21の電圧維持かつ主発電機15の加速脱調防止の機能を達成する適切な抵抗値の範囲内(図2参照)で、ユーザにより設定される。また、負荷追従運転などの場合は、主発電機15の出力に応じて合成抵抗の抵抗値を自動で設定しても良い。
負荷追従運転など主発電機15の出力が大幅に変化する運転条件のプラントでは、固定された抵抗値では対応不可能な運転領域が存在するおそれがある。
このように、外乱事象発生時に投入される抵抗を可変にすることで、プラント出力維持に最大の効果が発揮するように抵抗値を調整でき、運転条件に柔軟に対応することができる。
図10は、第3実施形態に係る事故安定化装置10の変形例を示す構成図である。なお、第3実施形態(図9)と対応する構成および部分については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本変形例では、第2実施形態(図7)で示した制動抵抗器14の温度及び故障を検出する抵抗情報検出器29と、制動抵抗器14の温度信号を受け付ける抵抗情報受付部54を利用する。
抵抗値調整部56は、抵抗値受付部で受け付けた制動抵抗器14の温度信号を入力する。そして、この温度に応じて制動抵抗器14と補助抵抗器30との合成抵抗の抵抗値を調整する。抵抗値の調整は、所内母線21の電圧維持かつ主発電機15の加速脱調防止の機能を達成する適切な抵抗値の範囲内で行う。
制動抵抗器14が、短時間投入を前提としている場合、1回の投入で導体の温度が大きく上昇し、抵抗値も大きく変化することになる。短時間でバイパス遮断器13を切り替えて制動抵抗器14を複数回投入する場合、温度が十分に下がりきらず抵抗値の上昇により、制動抵抗器14の投入が制限される場合がある。
本変形例により、制動抵抗器14の温度が大きく上昇し、抵抗値が変化した場合でも常に適切な抵抗値に調整できる。このため、制動抵抗器14を投入する条件の制限が大幅に緩和される。
以上述べた各実施形態の電力系統における事故安定化装置によれば、発電所と外部送電系統との間に、投入状態と遮断状態とを切り替え可能な遮断器と、この遮断器に並列に接続された抵抗器とを用いて、外乱事象が発生した際に遮断器を投入状態から遮断状態に切り替えることで、外乱事象により発電所内で長時間の瞬時電圧低下が想定される場合であっても、発電出力を維持することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…事故安定化装置、11…発電所、12…外部送電系統、13…制動抵抗器、14…バイパス遮断器、15…主発電機、16…発電機回路遮断器、17…自動電圧調整器、18…主回路相分離母線、19…所内変圧器、20…遮断器、21(21,21)…所内母線、22(221a,221b,222a,222b)…給水ポンプ電動機、23(23,23)…復水ポンプ電動機、24(24,24)…発電機補機電動機、25(25,25)…電動機可変速駆動インバータ、26(26,26)…低圧母線負荷(電動弁や制御盤など)、27…主変圧器、28…送電線、29…抵抗情報検出器、30(30,30,・・・,30)…補助抵抗器、31(31,31,・・・,31)…切替スイッチ、50…制御装置、51…系統情報受付部、52…第1判定部、53…制御信号出力部、54…抵抗情報受付部、55…第2判定部、56…抵抗値調整部、s…系統情報、t…開放信号、u…抵抗情報。

Claims (8)

  1. 発電所とこの発電所から電力の供給を受ける外部送電系統との間に設置されて、これらの間を電気的に接続する投入状態と電気的な接続を遮断する開放状態とに切り替え可能なバイパス遮断器と、
    前記バイパス遮断器に対して並列に接続されて、所定の抵抗値を有する制動抵抗器と、
    前記外部送電系統の運転状態に関する系統情報を受け付ける系統情報受付部と、
    受け付けた前記系統情報が、前記外部送電系統における外乱事象の発生を検出するために設定された外乱発生条件を満たすか否かを判定する第1判定部と、
    前記外乱発生条件を満たすときに、前記投入状態の前記バイパス遮断器を前記開放状態に切り替える開放信号を出力する制御信号出力部と、を備えることを特徴とする電力システムにおける事故安定化装置。
  2. 前記系統情報は、前記外部送電系統から事故発生時に送信される事故情報、前記外部送電系統内の任意の接続点で測定された電圧信号、及び前記外部送電系統内の任意の接続点で測定される電流信号の少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記載の電力システムにおける事故安定化装置。
  3. 前記制動抵抗器の抵抗値は、前記発電所内の負荷に前記電力を供給する所内母線の電圧維持に必要な電位差を生じさせる抵抗値の範囲と前記発電所の発電機における加速脱調を防止に必要な消費エネルギーを生じさせる抵抗値の範囲に基づいて設定されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電力システムにおける事故安定化装置。
  4. 前記バイパス遮断器及び前記制動抵抗器は、多相交流によって電力を送電する場合において、各相のそれぞれに対して設置されて、
    前記系統情報受付部は、前記外部送電系統の運転状態に関する前記系統情報を各相それぞれについて受け付けて、
    第1判定部は、受け付けた前記系統情報が前記外乱発生条件を満たすか否かを各相ごとに判定して、
    前記制御信号出力部は、前記外乱発生条件を満たす相に対応する前記バイパス遮断器に前記開放信号を出力することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電力システムにおける事故安定化装置。
  5. 前記制動抵抗器の温度及び故障を検出して、温度信号及び故障信号を抵抗情報として出力する抵抗情報検出器と、
    出力された前記抵抗情報を受け付ける抵抗情報受付部と、
    前記抵抗情報に基づいて前記制動抵抗器を投入できるか否かを判定する第2判定部と、をさらに備えて、
    前記制御信号出力部は、前記外乱発生条件を満たし、かつ前記制動抵抗器が投入できると判定された場合に前記開放信号を出力することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電力システムにおける事故安定化装置。
  6. 前記制動抵抗器に並列に接続された補助抵抗器と、
    前記補助抵抗器と前記制動抵抗器との電気な接続をOn/Offする切替スイッチと、
    前記切替スイッチを切り替えて、前記制動抵抗器と前記補助抵抗器との合成抵抗の抵抗値を調整する抵抗値調整部と、をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の電力システムにおける事故安定化装置。
  7. 前記抵抗値調整部は、前記制動抵抗器の温度に応じて前記制動抵抗器と前記補助抵抗器との合成抵抗の抵抗値を調整することを特徴とする請求項6に記載の電力システムにおける事故安定化装置。
  8. 発電所とこの発電所から電力の供給を受ける外部送電系統との間に設置されて、これらの間を電気的に接続する投入状態と電気的な接続を遮断する開放状態とに切り替え可能なバイパス遮断器と、前記バイパス遮断器に対して並列に接続されて、所定の抵抗値を有する制動抵抗器とを用いて、
    前記外部送電系統の運転状態に関する系統情報を受け付けるステップと、
    受け付けた前記系統情報が、前記外部送電系統における外乱事象の発生を検出するために設定された外乱発生条件を満たすか否かを判定するステップと、
    前記外乱発生条件を満たすときに、前記投入状態の前記バイパス遮断器を前記開放状態に切り替える開放信号を出力するステップと、を含むことを特徴とする電力システムにおける事故安定化方法。
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