JPH10252282A - コンクリート躯体の補強工法 - Google Patents

コンクリート躯体の補強工法

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JPH10252282A
JPH10252282A JP10119152A JP11915298A JPH10252282A JP H10252282 A JPH10252282 A JP H10252282A JP 10119152 A JP10119152 A JP 10119152A JP 11915298 A JP11915298 A JP 11915298A JP H10252282 A JPH10252282 A JP H10252282A
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reinforcing
concrete
anchor pin
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hole
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JP10119152A
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English (en)
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Shinzo Yamada
眞三 山田
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HOOKU KK
Original Assignee
HOOKU KK
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Publication date
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    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E04BUILDING
    • E04GSCAFFOLDING; FORMS; SHUTTERING; BUILDING IMPLEMENTS OR AIDS, OR THEIR USE; HANDLING BUILDING MATERIALS ON THE SITE; REPAIRING, BREAKING-UP OR OTHER WORK ON EXISTING BUILDINGS
    • E04G23/00Working measures on existing buildings
    • E04G23/02Repairing, e.g. filling cracks; Restoring; Altering; Enlarging
    • E04G23/0218Increasing or restoring the load-bearing capacity of building construction elements
    • E04G2023/0251Increasing or restoring the load-bearing capacity of building construction elements by using fiber reinforced plastic elements
    • E04G2023/0262Devices specifically adapted for anchoring the fiber reinforced plastic elements, e.g. to avoid peeling off

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  • Working Measures On Existing Buildindgs (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンクリート躯体を補強することを目的と
し、炭素繊維シート材等が貼着されたコンクリート躯体
に於いては、その補強材の剥離を防止してコンクリート
躯体の補強効果の実効を図り、一方、シート材等が貼着
されていないコンクリート躯体に於いては、補強材を用
いずに比較的簡易に且つ低コストにてコンクリート躯体
を補強する工法を提供することを課題とする。 【解決手段】 表面にシート材又は鋼板等の補強材25が
貼着されたコンクリート躯体を補強する方法であって、
該補強材25の上からコンクリート躯体26に穴27を所定間
隔を置いて穿設し、少なくとも後端部に開口部2 を有
し、且つ該開口部2に連通する貫通中空部1aが形成さ
れ、しかも周壁には貫通中空部1aに連通する孔10が穿設
されたパイプ状のアンカーピン本体1 を前記穴27に先端
部1b側から嵌入し、該アンカーピン本体1 の先端部1bを
拡張具29を介して拡張することによりコンクリート躯体
26に固定することにある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、橋梁、トンネル、
建物等のコンクリート躯体の補強に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、コンクリート構造物は、鉄筋
を格子状に組み、型枠を設け、コンクリート打設を行っ
てコンクリート躯体を構築し、必要に応じて塗料で装飾
したり、タイルを配設したりする。勿論、かかるコンク
リート躯体は、当初より荷重に十分耐えうるように設計
施工されているのであるが、予想をはるかに越えた負荷
が加わる場合もある。また、年月と共に自然に老朽化し
ていくものであり、例えば、ひび割れ、漏水による鉄筋
腐食等が原因で躯体が劣化する。
【0003】そこで、コンクリート躯体の表面に炭素繊
維、硝子繊維、合成樹脂、金属メッシュ網等からなるシ
ート材や薄鉄板等の鋼板等の補強材を接着剤で貼着して
コンクリート躯体を補強する手段(以下、貼着補強法と
いう)が用いられている。かかる貼着補強法の一例とし
ては、既存のコンクリート躯体の表面を研磨し、且つ付
着強度を確保すべく硬化樹脂を塗布し、その上から接着
剤を介して補強材として炭素繊維シートを貼着し、更に
その上から樹脂を含浸させるという方法がある。かかる
方法であれば、補強材とコンクリート躯体とが一体化す
るためコンクリート躯体の剛性が増し、荷重によるひび
割れ等が起こり難くなるという利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記コ
ンクリート躯体の貼着補強法にあっては、コンクリート
から生ずる水分によって接着面が剥離して補強材が浮き
上がり、コンクリート躯体と補強材の一体性が失われる
こととなってコンクリート躯体の補強として十分に機能
しなくなるという問題点があった。
【0005】特に、橋梁の床版やトンネル等の周壁を構
築するコンクリート躯体にあっては、コンクリートから
生ずる水分のみならず地盤から多量の水分が発生するの
で上記問題点は顕著である。かかる剥離の対処法として
浮き上がり箇所に接着剤を注入するという方策も取られ
ているが、同じ箇所或いは異なる箇所が剥離するので何
ら根本的な問題を解決するものではない。
【0006】一方、上記貼着補強法は、上述のように多
工程からなり、作業も煩雑で、しかも資材費も比較的高
い。特に、コンクリート躯体の表面に絵柄等がペイント
されている場合に貼着補強法を施せば、再度絵柄を塗装
しなければならない。従って、かかる貼着補強法を用い
ずにコンクリート躯体の補強ができれば最も好ましいこ
とは明らかである。
【0007】本発明は、上記の如き従来の問題点に鑑み
てなされたもので、貼着補強法が施されたコンクリート
躯体に於いては、その補強材の剥離を防止してコンクリ
ート躯体の補強効果の実効を図り、一方、貼着補強法が
施されていないコンクリート躯体に於いては、補強材を
用いずに比較的簡易に且つ低コストにてコンクリート躯
体を補強する工法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためになされたもので、その課題を解決するため
の手段は、コンクリート躯体を補強する方法であって、
コンクリート躯体26に穴27を所定間隔を置いて穿設し、
該穴27にアンカーピン本体1 を、その先端部1bがコンク
リート躯体26内部に埋設された鉄筋28と交差する位置ま
で嵌入し、該アンカーピン本体1 の先端部1bを拡張具29
を介して拡張することによりコンクリート躯体26に固定
することにある。このようにコンクリート躯体26にアン
カーピン本体1 を所定間隔を置いて固定していくことに
より、コンクリート躯体の剛性が増す。即ち、アンカー
ピン本体1 を打ち込むことによりコンクリート躯体を構
成する各コンクリート層がアンカーピン本体1 によって
縫い付けられた状態となるので、荷重によって曲がる度
合いが少なくなり、結果的にコンクリート躯体26の剛性
が増すこととなる。特に、ンカーピン本体1 をコンクリ
ート躯体内部の鉄筋に交差する位置まで嵌入して固定し
ているので、より効果的である。また、請求項2記載の
ように、コンクリート躯体を補強する方法であって、コ
ンクリート躯体26に穴27を所定間隔を置いて穿設し、該
穴27に、少なくとも後端部1cに開口部2 を有し、且つ内
部に該開口部2 に連通する貫通中空部1aが形成され、し
かも周壁に該貫通中空部1aに連通する孔10が穿設された
パイプ状のアンカーピン本体1 を、その先端部1b側から
嵌入し、該アンカーピン本体1 の先端部1bを拡張具29を
介して拡張することによりコンクリート躯体26に固定す
れば、上述のようにコンクリート躯体の剛性が増すだけ
でなく、コンクリート躯体26内部の水分をアンカーピン
本体1 の孔10から外部に逃がすことができる。
【0009】さらに、請求項3記載の手段は、表面にシ
ート材又は鋼板等の補強材25が貼着されたコンクリート
躯体を補強する方法であって、該補強材25の上からコン
クリート躯体26に穴27を所定間隔を置いて穿設し、少な
くとも後端部1cに開口部2 を有し、且つ該開口部2 に連
通する貫通中空部1aが形成され、しかも周壁には貫通中
空部1aに連通する孔10が穿設されたパイプ状のアンカー
ピン本体1 を前記穴27に先端部1b側から嵌入し、該アン
カーピン本体1 の先端部1bを拡張具29を介して拡張する
ことによりコンクリート躯体26に固定することにある。
このように補強材25が貼着されたコンクリート躯体26
に、周壁に貫通中空部1aに連通する孔10が穿設されたア
ンカーピン本体1 を固定すれば、上記のように剛性が増
すだけでなく、コンクリート躯体26の内部から生ずる水
分がアンカーピン本体1 の孔10から貫通中空部1aを介し
アンカーピン本体1 の後端部1cの開口部2からコンクリ
ート躯体26の外部に発散されることとなる。従って、内
部から生ずる水分によって補強材25が剥離することを防
止でき、補強材25によりコンクリート躯体26を補強する
という実効を図ることができる。
【0010】また、請求項4記載のように、前記アンカ
ーピン本体1 を固定した後、該アンカーピン本体1 の後
端部1c側に取付け可能なピン嵌合部14と、前記アンカー
ピン本体1 の開口部2 に通ずる開口部14a と、前記補強
材25に当接する鍔部13とが設けられた座体11のピン嵌合
部14を前記アンカーピン本体1 の後端部1cに前記鍔部13
にて前記補強材25を押圧して固定すれば、上記のように
水分による補強材の剥離を防止するだけでなく、接着剤
の自然劣化による補強材25の剥離をも防止することがで
きる。
【0011】さらに、少なくとも後端部1cに開口部2 が
設けられ、且つ該開口部2 に連通する貫通中空部1aを有
するパイプ状のアンカーピン本体1 の先端部1b近傍には
内側方向に対向して突出された突起部3,…と、該突起部
3,…の間に先端部1bから軸芯方向に切込6,…とが設けら
れたアンカーピンに於いて、前記アンカーピン本体1の
周壁には前記貫通中空部1aに連通する孔10が穿設され、
しかも、該アンカーピン本体1 の後端部1c側には、前記
アンカーピン本体1 の開口部2 に通ずる開口部14a が形
成され、且つコンクリート躯体26又は補強材25の表面に
当接可能な鍔部13が形成された座体11が設けられたアン
カーピンによればコンクリート躯体に固定でき、しかも
コンクリート躯体内部から生ずる水分を孔10から外部へ
発散させることができる。さらに、コンクリート躯体に
補強材25が貼着されている場合であっても、鍔部13によ
りコンクリート躯体から補強材25が剥離することを防止
できる。また、前記アンカーピン本体1 と座体11とが螺
子作用より着脱自在に構成されていれば、アンカーピン
本体1 をコンクリート躯体に固定した後、座体11をアン
カーピン本体1 に螺着すると、座体11の鍔部13にて補強
材25の表面を押圧することとなる。従って、補強材25は
コンクリート躯体に圧着されることとなって、コンクリ
ート躯体に対して補強材25は確実に貼着されることとな
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るコンクリート
躯体の補強工法及び該工法に使用されるアンカーピンの
実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図
1〜図3に於いて、1 は、板材を曲げ加工して貫通中空
部1aが形成されたパイプ状のアンカーピン本体を示し、
その先端部1b及び後端部1cには、前記貫通中空部1aに連
通する開口部2,2 が開口されている。さらに、その先端
部1b近傍には一対の突起部3,3 がパイプ内側に対向する
位置に突設されている。
【0013】また、前記突起部3 に対して90°位相し、
且つアンカーピン本体1 の後端部1cに寄った位置には一
対の小孔5,5 が対向して穿設され、しかもその小孔5,5
から先端部1bにかけて切込6,6 が設けられている。
【0014】また、アンカーピン本体1 の外周壁には、
その後端部1cから先端部1b方向に螺子部8 が螺設されて
いる。10は、アンカーピン本体1 の周壁に4ケ所穿設さ
れた長楕円状の孔を示す。
【0015】11は、前記アンカーピン本体1 に固定さ
れ、且つ円盤状の鍔部13を有する座体を示し、その鍔部
13の一面側11a には2条の円形状の溝部12,12 が形成さ
れ、且つ他面側11b の中心には筒状のピン嵌合部14が突
設され、しかもピン嵌合部14の両端側14a,14a は開口さ
れている。かかる筒状のピン嵌合部14の内周壁にはアン
カーピン本体1 の螺子部8 に螺合しうるピン被螺子部15
が螺設され、且つピン嵌合部14の外周壁には後述の被覆
体18に螺合する螺子部16が螺設されている。
【0016】18は、前記座体11を内側に包み込むように
取付けられる略碗状の被覆体を示し、その碗底には開口
部19が設けられ、且つその開口部19に連通する筒状の座
体嵌合部20が被覆体18の内側に突設されている。かかる
筒状の座体嵌合部20の内周壁には座体11の螺子部16に螺
合しうる座体被螺子部22が螺設されている。
【0017】上記構成からなるアンカーピンを用いて、
貼着補強法が施されたコンクリート躯体の補強工法につ
いて説明する。先ず、炭素繊維シート材等の補強材25が
エポキシ樹脂等の接着剤によって貼着されたコンクリー
ト躯体26に、その補強材25の上からドリルにて、図4に
示すように、アンカーピン本体1 が嵌入可能で、且つア
ンカーピン本体1 を嵌入した際にその螺子部8 がコンク
リート躯体26の外面側に突出する程度の深さの穴27を設
ける。
【0018】尚、アンカーピン本体1 は、前記穴27に嵌
入された際、その先端部1bがコンクリート躯体26の内部
に埋設された鉄筋28に交差する程度の長さが好ましく、
股、アンカーピン本体1 を嵌入する穴27は1平方メート
ル当たり16ケ所を目安とし、略等間隔に設けるのであ
るが、施工するコンクリート躯体26によって適宜その長
さや太さ等は設計変更される。
【0019】次に、穴27にアンカーピン本体1 を嵌入
し、後端部1cの開口部2 から先端が尖状の拡張具29を挿
入してその拡張具29の後端を打込棒(図示せず)を介し
て打叩する。かかる拡張具29によってアンカーピン本体
1 の突起部3,3 が押し拡げられてアンカーピン本体1 の
先端部1b側がコンクリート躯体26に食い込み固定され
る。
【0020】アンカーピン本体1 を固定した後、座体11
の鍔部13の一面側11a にエポキシ樹脂等の接着剤を塗布
し、アンカーピン本体1 の螺子部8 に座体11のピン嵌合
部14のピン被螺子部15を螺合して補強材25の表面に鍔部
13の一面側11a を圧着する。このとき一面側11a に形成
された溝部12,12 は接着剤溜まりとなる。
【0021】最後に、座体11の螺子部16に被覆体18の座
体嵌合部20の座体被螺子部22を螺着することによって被
覆体18にて座体11を覆う。
【0022】本発明に係るコンクリート躯体の補強工法
によれば、コンクリート躯体26から生じる水分を、アン
カーピン本体1 に穿設された孔10よりアンカーピン本体
1 の貫通中空部1aを介して後端部1cの開口部2 からコン
クリート躯体の外部に逃がす、即ち、水分の排出口とし
て発散する作用を有する。従って、水分によって補強材
25の接着面が剥離して浮き上がることもなく、コンクリ
ート躯体26と補強材25との一体性が維持されることとな
って補強材25による補強の実効を図ることができる。
【0023】さらに、コンクリート躯体26に貼着された
補強材25が、アンカーピン本体1 に螺合された座体11の
鍔部13によってコンクリート躯体26に押圧されているの
で、水分が原因でなくとも接着剤の自然劣化等によって
起こる補強材25の剥離をも防止できるという利点があ
る。
【0024】また、アンカーピン本体1 をコンクリート
躯体26の表面に対して略鉛直方向に多数設けることによ
ってコンクリート躯体26は補強されることとなる。即
ち、図5(イ)に示すように、通常のコンクリート躯体
26に於いては、荷重Gが加わることによりコンクリート
層A,B間にずれが生じてコンクリート躯体は曲がり易
いのであるが、本発明に係るアンカーピンによる補強工
法がなされているコンクリート躯体26に於いては、同図
(ロ)に示すように、コンクリート層C及びDがアンカ
ーピン本体1 によって縫い付けられているため、C,D
層間に摩擦力が作用することとなって層のずれを防止で
きる。従ってコンクリート躯体26の剛性が増すのであ
る。特に、上述のようにアンカーピン本体1 をコンクリ
ート躯体内部の鉄筋に交差する位置まで嵌入して固定す
れば、より効果的である。
【0025】尚、上記実施形態に於いて、アンカーピン
本体1 の孔10は長楕円状であったが、必ずしも、孔10は
長楕円状に限定されるものではなく、円形状、方形状等
その他任意形状に形成可能である。また、その孔の大き
さや数も適宜設計変更可能である。要は、コンクリート
躯体26の内部から生じる水分を逃がすためにアンカーピ
ン本体1 の周壁に少なくとも1個の孔10が穿設されてい
ればよいのである。
【0026】また、上記実施形態に於いて、座体11には
被覆体18を取付けているが、被覆体18は、単なる釘隠の
ようなものであって必ずしも必要なものではない。勿
論、被覆体18が一体的に形成された座体11を用いてもよ
い。加えて、アンカーピン本体1 と座体11とが一体的に
形成されたアンカーピンを用いることも可能である。
【0027】さらに、上記実施形態に於いて、座体11の
鍔部13は円盤状であったが、必ずしも円盤状に限定され
ず、正方形状、六角形状等であってもよい。特に、六角
形状等に形成すれば、座体11をアンカーピン本体1 に固
定する際、スパナ等によって締付けることができるの
で、確実に座体11の鍔部13にて補強材25を圧着すること
ができるという利点がある。
【0028】また、上記実施形態に於いて、アンカーピ
ン本体1 の螺子部8 は、アンカーピン本体1 の外周壁に
螺設され、且つ座体11のピン被螺子部15は、座体11のピ
ン嵌合部14の内周壁に螺設されているが、図6に示すよ
うに、アンカーピン本体1 の螺子部8 を内周壁に設け、
且つ座体11のピン被螺子部15をピン嵌合部14の外周壁に
設けてもよい。かかるアンカーピン本体1 及び座体11を
用いれば、補強材25からの出っ張りを極めて少なくする
ことができるという利点がある。
【0029】さらに、上記実施形態に於いて、アンカー
ピン本体1 と座体11との固定は螺子作用にて螺合される
構成であったが、必ずしも螺子作用による固定に限定さ
れず、凹凸嵌合等によって固定されていてもよく、又、
図7に示すように、アンカーピン本体1 の後端部1c側に
複数のピンホール31, …が穿設され、且つ座体11のピン
嵌合部14に複数のピンホール32, …が穿設され、該アン
カーピン本体1 の後端部1cに座体11のピン嵌合部14を外
嵌し、ピンホール31とピンホール32に嵌入棒33を嵌入す
ることによってアンカーピン本体1 と座体11とを固定し
てもよい。要は、座体11にはアンカーピン本体1 に連結
可能であって、水分を外部に逃がすために開口部14a が
設けられていればよいのである。
【0030】尚、上記実施形態に於けるコンクリート躯
体の補強工法は、コンクリート躯体26に貼着補強法が施
された場合について説明したが、本発明に係るコンクリ
ート躯体の補強工法は、貼着補強法が施されているコン
クリート躯体26のみを対象とするものではなく、表面に
ペンキ等で塗装されているコンクリート躯体26や表面に
何ら養生されていないコンクリート躯体26そのままのも
の等も補強することができるものである。例えば、コン
クリート躯体26に上記実施形態のように穴を設けてアン
カーピン本体1 を固定すれば、コンクリート躯体内部か
ら生じる水分を発散させる作用を有し、しかもアンカー
ピン本体1 によってコンクリート躯体の剛性が増す。従
って、貼着補強法が施されていないコンクリート躯体に
於いてもコンクリート躯体を補強できることとなる。
【0031】
【発明の効果】叙上のように、本発明に係るコンクリー
ト躯体の補強工法によれば、コンクリート躯体にアンカ
ーピン本体をコンクリート躯体内部に埋設された鉄筋と
交差する位置まで嵌入し、該アンカーピン本体を所定間
隔を置いて固定していくことにより、コンクリート躯体
の剛性が増す。従って、コンクリート躯体に加わる荷重
によってそのコンクリート躯体が湾曲し難くなり、コン
クリート躯体の耐久性を向上させることができる。
【0032】また、請求項2記載の手段によれば、コン
クリート躯体及び地盤から生ずる水分をその孔を介して
コンクリート躯体の外部に発散させることができる。従
って、コンクリート躯体内部に水分が溜まり難く、埋設
された鉄筋が腐食する等によるコンクリート躯体の劣化
を防止することができる。
【0033】さらに、請求項3記載のように、補強材が
貼着されたコンクリート躯体に、周壁に貫通中空部に連
通する孔が穿設されたアンカーピン本体を固定すれば、
コンクリート躯体の内部から生ずる水分がアンカーピン
本体の孔からコンクリート躯体の外部に発散されること
となるので、補強材とコンクリート躯体表面の間に水分
が溜まり補強材が剥離することを防止できる。従って、
補強材によりコンクリート躯体を補強するという目的の
実効を図ることができる。
【0034】また、請求項4記載のように、前記アンカ
ーピン本体を固定した後、座体の鍔部にて前記補強材を
押圧して固定すれば、補強材はコンクリート躯体に圧着
されることとなって、接着剤の自然劣化による補強材の
剥離をも防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアンカーピンの一実施形態を示す
分解要部破断図。
【図2】同側面図。
【図3】同正面図。
【図4】本発明に係るコンクリート躯体の補強工法の一
実施形態を示す断面図。
【図5】コンクリート躯体の剛性に関する参考図を示
し、(イ)は従来のコンクリート躯体、(ロ)は本発明
に係る補強工法を施したコンクリート躯体。
【図6】本発明に係るアンカーピンの他実施形態を示す
分解要部破断図。
【図7】本発明に係るアンカーピンの他実施形態を示す
分解要部破断図。
【符号の説明】
1 …アンカーピン本体、1a…貫通中空部、1b…先端部、
1c…後端部、2 …開口部、3 …突起部、6 …切込、8 …
螺子部、10…孔、11…座体、13…鍔部、14…ピン嵌合
部、14a …開口部、15…ピン被螺子部、25…補強材、26
…コンクリート躯体、27…穴、28…鉄筋、29…拡張具

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート躯体を補強する方法であっ
    て、コンクリート躯体(26)に穴(27)を所定間隔を置いて
    穿設し、該穴(27)にアンカーピン本体(1) を、その先端
    部(1b)がコンクリート躯体(26)内部に埋設された鉄筋(2
    8)と交差する位置まで嵌入し、該アンカーピン本体(1)
    の先端部(1b)を拡張具(29)を介して拡張することにより
    コンクリート躯体(26)に固定することを特徴とするコン
    クリート躯体の補強工法。
  2. 【請求項2】 コンクリート躯体を補強する方法であっ
    て、コンクリート躯体(26)に穴(27)を所定間隔を置いて
    穿設し、該穴(27)に、少なくとも後端部(1c)に開口部
    (2) を有し且つ内部に該開口部(2) に連通する貫通中空
    部(1a)が形成され、しかも周壁には貫通中空部(1a)に連
    通する孔(10)が穿設されたパイプ状のアンカーピン本体
    (1) を、その先端部(1b)側から嵌入し、該アンカーピン
    本体(1) の先端部(1b)を拡張具(29)を介して拡張するこ
    とによりコンクリート躯体(26)に固定することを特徴と
    するコンクリート躯体の補強工法。
  3. 【請求項3】 表面にシート材又は鋼板等の補強材(25)
    が貼着されたコンクリート躯体を補強する方法であっ
    て、該補強材(25)の上からコンクリート躯体(26)に穴(2
    7)を所定間隔を置いて穿設し、該穴(27)に、少なくとも
    後端部(1c)に開口部(2) を有し、且つ該開口部(2) に連
    通する貫通中空部(1a)が形成され、しかも周壁には貫通
    中空部(1a)に連通する孔(10)が穿設されたパイプ状のア
    ンカーピン本体(1) を、その先端部(1b)側から嵌入し、
    該アンカーピン本体(1) の先端部(1b)を拡張具(29)を介
    して拡張することによりコンクリート躯体(26)に固定す
    ることを特徴とするコンクリート躯体の補強工法。
  4. 【請求項4】 前記アンカーピン本体(1) を固定した
    後、該アンカーピン本体(1) の後端部(1c)側に取付け可
    能なピン嵌合部(14)と、前記アンカーピン本体(1) の開
    口部(2) に通ずる開口部(14a) と、前記補強材(25)に当
    接する鍔部(13)とが設けられた座体(11)の該ピン嵌合部
    (14)を、前記アンカーピン本体(1) の後端部(1c)に前記
    鍔部(13)にて前記補強材(25)を押圧しながら固定する請
    求項3記載のコンクリート躯体の補強工法。
  5. 【請求項5】 前記穴(27)がコンクリート躯体(26)内部
    に埋設された鉄筋(28)と交差する位置まで穿設され、且
    つ前記アンカーピン本体(1) の先端部(1b)が前記鉄筋(2
    8)を越える位置で固定される請求項2〜4の何れかに記
    載のコンクリート躯体の補強工法。
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