JPH10252094A - 建設機械の制御装置 - Google Patents

建設機械の制御装置

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JPH10252094A
JPH10252094A JP5595597A JP5595597A JPH10252094A JP H10252094 A JPH10252094 A JP H10252094A JP 5595597 A JP5595597 A JP 5595597A JP 5595597 A JP5595597 A JP 5595597A JP H10252094 A JPH10252094 A JP H10252094A
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祥二 戸澤
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Caterpillar Mitsubishi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建設機械の制御装置に関し、フィードバック
制御時の制御偏差を考慮してブーム,スティックなどの
アーム部材を制御することにより、常に、フィードバッ
ク偏差情報を無くした理想的な状態でアーム部材を動作
させて所定の作業を高精度に行なえるようにする。 【解決手段】 一対のアーム部材のそれぞれが、自己以
外の他のアーム部材の制御系1A′(1B′)における
フィードバック偏差情報に基づいて、自己のアーム部材
の制御系1B′(1A′)における制御目標値を補正す
べく、相互に連携して制御されるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地面を掘削する油
圧ショベル等の建設機械に関し、特に、かかる建設機械
の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】油圧ショベル等の建設機械は、図14に
示すように、無限軌条部500Aを有する下部走行体5
00上に、運転操作室(キャビン)600付きの上部旋
回体100をそなえており、更にこの上部旋回体100
に、ブーム200,スティック300,バケット400
からなる関節式アーム機構を装備した構成となってい
る。
【0003】そして、ストロークセンサ210,22
0,230にて得られた、ブーム200,スティック3
00,バケット400の各伸縮変位情報に基づき、ブー
ム200,スティック300,バケット400を適宜そ
れぞれ油圧シリンダ120,121,122で駆動し
て、バケットの進行方向或いはバケットの姿勢を一定に
保って掘削できるようになっており、これにより、バケ
ットのごとき作業部材の位置と姿勢の制御を正確に且つ
安定して行ない得るようになっている。
【0004】なお、上述の油圧ショベルは、少なくとも
ブーム200(油圧シリンダ120)及びスティック3
00(油圧シリンダ121)が電磁弁などを用いてそれ
ぞれ独立した電気制御系(フィードバックループ制御
系)により制御されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般に油圧
ショベルでは、例えば、地面を平坦にならす(法面形
成)といった作業を行なうために、バケット400の歯
先(つまり、スティック300)を直線的に動かすとい
う動作が必要になるが、上述のような従来のものでは、
ブーム200及びスティック300をそれぞれ油圧シリ
ンダ120,121により独立制御されるようになって
いるため、法面を高精度に仕上げることが非常に困難に
なっている。
【0006】すなわち、上述のごとくブーム200及び
スティック300を電磁弁などを用いて電気的にフィー
ドバック制御する場合、それぞれ対応する油圧シリンダ
120,121を独立して制御すると、たとえそれぞれ
のフィードバック制御偏差が小さくても、ブーム20
0,スティック300の位置(姿勢)によっては、これ
らの制御偏差が無視できなくなり、目標とするバケット
400の歯先位置(制御目標値)に対する誤差が非常に
大きくなってしまう場合がある。
【0007】例えば、バケット400がこれから法面を
形成しようとしている位置にあるときに、上記の制御偏
差のためにスティック300に対してブーム200の制
御が遅れると、バケット400の歯先が地面に食い込む
ことになり、逆に、ブーム200に対してスティック3
00の制御が遅れると、バケット400が宙に浮いたま
ま動作する状態となってしまう。
【0008】このように、ブーム200及びスティック
300をそれぞれ完全に独立制御することは、制御目標
値を維持しながらブーム200及びスティック300を
動作させることを極めて困難にしてしまっている。本発
明は、このような課題に鑑み創案されたもので、上記フ
ィードバック制御時の制御偏差を考慮してブーム,ステ
ィックなどのアーム部材を制御することにより、常に、
フィードバック偏差情報を無くした理想的な状態でアー
ム部材を動作させて所定の作業を高精度に行なえるよう
にした、建設機械の制御装置を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明の建設機械の制御装置は、建設機械本体に装備
された関節式アーム機構を構成する相互に枢着された少
なくとも一対のアーム部材をシリンダ式アクチュエータ
で駆動する際に、検出された上記の各アーム部材の姿勢
情報に基づいて、上記の各アーム部材が所定の姿勢とな
るように、シリンダ式アクチュエータをフィードバック
制御する建設機械の制御装置において、上記の一対のア
ーム部材のそれぞれが、自己以外の他のアーム部材の制
御系におけるフィードバック偏差情報に基づいて、自己
のアーム部材の制御系における制御目標値を補正すべ
く、相互に連携して制御されるように構成されたことを
特徴としている。
【0010】上述のごとく構成された本発明の制御装置
では、上記の一対のアーム部材をそれぞれ制御する際、
自己以外の他のアーム部材の制御系におけるフィードバ
ック偏差情報に基づいて、自己のアーム部材の制御系に
おける制御目標値を補正しながら各アーム部材を相互に
連携して制御するので、フィードバック偏差情報を無く
した理想的な状態で各アーム部材を動作させることがで
きる。
【0011】また、請求項2記載の本発明の建設機械の
制御装置は、建設機械本体と、この建設機械本体に一端
部を枢着され他端側に作業部材を有するとともに、関節
部を介して相互に接続された少なくとも一対のアーム部
材を有する関節式アーム機構と、伸縮動作を行なうこと
により該アーム機構を駆動する複数のシリンダ式アクチ
ュエータを有するシリンダ式アクチュエータ機構と、上
記の各アーム部材の姿勢情報を検出する姿勢検出手段
と、この姿勢検出手段で検出された検出結果に基づい
て、上記の各アーム部材が所定の姿勢となるように、上
記のシリンダ式アクチュエータを制御する制御手段とを
そなえ、この制御手段が、上記一対のアーム部材のうち
の一方のアーム部材のための第1シリンダ式アクチュエ
ータをフィードバック制御する第1制御系と、上記一対
のアーム部材のうちの他方のアーム部材のための第2シ
リンダ式アクチュエータをフィードバック制御する第2
制御系とをそなえるとともに、この第2制御系における
フィードバック偏差情報に基づいて、第1制御系の制御
目標値を補正する第1補正制御系と、第1制御系におけ
るフィードバック偏差情報に基づいて、第2制御系の制
御目標値を補正する第2補正制御系とをそなえて構成さ
れたことを特徴としている。
【0012】上述のごとく構成された本発明の制御装置
では、制御手段(第1,第2制御系)が姿勢検出手段で
検出された検出結果に基づいて各アーム部材が所定の姿
勢となるように上記の各(第1,第2)アクチュエータ
を制御する際、第1,第2補正制御系がそれぞれ第2,
第1制御系におけるフィードバック偏差情報に基づいて
自己(第1,第2)の制御系の制御目標値を補正するの
で、各アクチュエータの制御状態を相互に考慮した制御
目標値の補正が行なわれ、各アーム部材はフィードバッ
ク偏差情報を無くした理想的な状態で動作する。
【0013】さらに、請求項3記載の本発明の建設機械
の制御装置は、上記請求項2記載の構成において、姿勢
検出手段が、シリンダ式アクチュエータの伸縮変位情報
を検出する伸縮変位検出手段として構成されたことを特
徴としている。これにより、本制御装置では、各アーム
部材の姿勢情報を、シリンダ式アクチュエータの伸縮変
位情報を検出することによって簡便に検出することがで
きる。
【0014】また、請求項4記載の本発明の建設機械の
制御装置は、上記請求項2記載の構成において、第1補
正制御系に、第2制御系におけるフィードバック偏差情
報から第1制御系の制御目標値を補正するための第1補
正値を発生する第1補正値発生部が設けられるととも
に、第2補正制御系に、第1制御系におけるフィードバ
ック偏差情報から第2制御系の制御目標値を補正するた
めの第2補正値を発生する第2補正値発生部が設けれら
たことを特徴としている。
【0015】これにより、本制御装置では、第1補正制
御系に第1補正値発生部を設け、第2補正制御系に第2
補正値発生部を設けるという簡素な構成で、第1制御系
の制御目標値を補正するための第1補正値,第2制御系
の制御目標値を補正するための第2補正値をそれぞれ発
生して、確実に、制御目標値の補正を行なうことができ
る。
【0016】さらに、請求項5記載の本発明の建設機械
の制御装置は、上記請求項4記載の構成において、第1
補正制御系に、上記の第1補正値に対して第1重み係数
を付加する第1重み係数付加部が設けられたことを特徴
としている。これにより、第1補正制御系では、第1制
御系の制御目標値を補正するための第1補正値を必要に
応じて可変にすることができ、制御目標値の補正を柔軟
に行なうことができる。
【0017】また、請求項6記載の本発明の建設機械の
制御装置は、上記請求項4記載の構成において、第2補
正制御系に、上記の第2補正値に対して第2重み係数を
付加する第2重み係数付加部が設けられたことを特徴と
している。これにより、第2補正制御系でも、第2制御
系の制御目標値を補正するための第2補正値を必要に応
じて可変にすることができ、制御目標値の補正を柔軟に
行なうことができる。
【0018】さらに、請求項7記載の本発明の建設機械
の制御装置は、建設機械本体と、この建設機械本体に対
して、一端が回動可能に接続されるブームと、このブー
ムに対して一端が関節部を介して回動可能に接続される
とともに、先端が地面を掘削し内部に土砂を収容可能な
バケットを他端に枢着されるスティックと、上記の建設
機械本体とブームとの間に介装され、端部間の距離が伸
縮することによりブームを建設機械本体に対して回転さ
せるブーム油圧シリンダと、上記のブームとスティック
との間に介装され、端部間の距離が伸縮することによ
り、スティックをブームに対して回転させる、スティッ
ク油圧シリンダと、ブームの姿勢情報を検出するブーム
姿勢検出手段と、スティックの姿勢情報を検出するステ
ィック姿勢検出手段と、ブーム姿勢検出手段の検出結果
に基づいて、ブーム油圧シリンダをフィードバック制御
するブーム制御系と、スティック姿勢検出手段の検出結
果に基づいて、スティック油圧シリンダをフィードバッ
ク制御するスティック制御系と、このスティック制御系
におけるフィードバック偏差情報に基づいて、ブーム制
御系の制御目標値を補正するブーム補正制御系と、ブー
ム制御系におけるフィードバック偏差情報に基づいて、
スティック制御系の制御目標値を補正するスティック補
正制御系とをそなえて構成されたことを特徴としてい
る。
【0019】上述のごとく構成された本発明の建設機械
の制御装置では、ブーム/スティック制御系が対応する
ブーム/スティック姿勢検出手段で検出された検出結果
に基づいてブーム/スティック油圧シリンダをフィード
バック制御する際、ブーム/スティック補正制御系がそ
れぞれスティック/ブーム制御系におけるフィードバッ
ク偏差情報に基づいて自己の制御系の制御目標値を補正
するので、常に、各油圧シリンダの制御状態を相互に考
慮した制御目標値の補正が行なわれ、ブーム,スティッ
クはそれぞれフィードバック偏差情報の無い理想的な状
態で動作する。
【0020】また、請求項8記載の本発明の建設機械の
制御装置は、上記請求項7記載の構成において、ブーム
姿勢検出手段が、ブーム油圧シリンダの伸縮変位情報を
検出するブーム油圧シリンダ伸縮変位検出手段として構
成されるとともに、スティック姿勢検出手段が、スティ
ック油圧シリンダの伸縮変位情報を検出するスティック
油圧シリンダ伸縮変位検出手段として構成されたことを
特徴としている。
【0021】これにより、本制御装置では、ブーム/ス
ティックの姿勢情報を、ブーム/スティック油圧シリン
ダの伸縮変位情報を検出することによって簡便に検出す
ることができる。さらに、請求項9記載の本発明の建設
機械の制御装置は、上記請求項7記載の構成において、
ブーム補正制御系に、スティック制御系におけるフィー
ドバック偏差情報からブーム制御系の制御目標値を補正
するたためのブーム補正値を発生するブーム補正値発生
部が設けられるとともに、上記のスティック補正制御系
に、ブーム制御系におけるフィードバック偏差情報から
スティック制御系の制御目標値を補正するたためのステ
ィック補正値を発生するスティック補正値発生部が設け
られたことを特徴としている。
【0022】これにより、本制御装置では、ブーム補正
制御系にブーム補正値発生部を設け、スティック補正制
御系にスティック補正値発生部を設けるという簡素な構
成で、ブーム制御系の制御目標値を補正するためのブー
ム補正値,スティック制御系の制御目標値を補正するた
めのスティック補正値をそれぞれ発生して、確実に、制
御目標値の補正を行なうことができる。
【0023】また、請求項10記載の本発明の建設機械
の制御装置は、上記請求項9記載の構成において、ブー
ム補正制御系に、上記のブーム補正値に対してブーム重
み係数を付加するブーム重み係数付加部が設けられたこ
とを特徴としている。これにより、ブーム補正制御系で
は、ブーム制御系の制御目標値を補正するためのブーム
補正値を必要に応じて可変にすることができ、制御目標
値の補正を柔軟に行なうことができる。
【0024】さらに、請求項11記載の本発明の建設機
械の制御装置は、上記請求項9記載の構成において、ス
ティック補正制御系に、上記のスティック補正値に対し
てスティック重み係数を付加するスティック重み係数付
加部が設けられたことを特徴としている。これにより、
スティック補正制御系でも、スティック制御系の制御目
標値を補正するためのスティック補正値を必要に応じて
可変にすることができ、制御目標値の補正を柔軟に行な
うことができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面により、本発明の実施
の形態について説明する。本実施形態にかかる建設機械
としての油圧ショベルは、図1に示すように、左右に無
限軌条部500Aを有する下部走行体500上に、運転
操作室600付き上部旋回体(建設機械本体)100が
水平面内で回転自在に設けられている。
【0026】そして、この上部旋回体100に対して、
一端が回動可能に接続されるブーム(アーム部材)20
0が設けられ、更にブーム200に対して、一端が関節
部を介して回動可能に接続されるスティック(アーム部
材)300が設けられている。さらに、スティック30
0に対して、一端が関節部を介して回動可能に接続さ
れ、先端が地面を掘削し内部に土砂を収容可能なバケッ
ト(作業部材)400がが設けられている。なお、図1
において符号112で示すものはバケット400の歯先
である。
【0027】このように、ブーム200,スティック3
00,バケット400で、上部旋回体100に一端部を
枢着され他端側にバケット400を有するとともに、関
節部を介して相互に接続された一対のアーム部材として
のブーム200,スティック300を少なくとも有する
関節式アーム機構が構成される。また、シリンダ式アク
チュエータとしてのブーム油圧シリンダ120,スティ
ック油圧シリンダ121,バケット油圧シリンダ122
(以下、ブーム油圧シリンダ120をブームシリンダ1
20又は単にシリンダ120ということがあり、スティ
ック油圧シリンダ121をスティックシリンダ121又
は単にシリンダ121ということがあり、バケット油圧
シリンダ122をバケットシリンダ122又は単にシリ
ンダ122ということがある)が設けられている。
【0028】ここで、ブームシリンダ120は、上部旋
回体100に対して一端が回動可能に接続されるととも
に、ブーム200に対して他の一端が回動可能に接続さ
れ、即ち上部旋回体100とブーム200との間に介装
されて、端部間の距離が伸縮することにより、ブーム2
00を上部旋回体100に対して回動させることができ
るものである。
【0029】また、スティックシリンダ121は、ブー
ム200に対して一端が回動可能に接続されるととも
に、スティック300に対して他の一端が回動可能に接
続され、即ちブーム200とスティック300との間に
介装されて、端部間の距離が伸縮することにより、ステ
ィック300をブーム200に対して回動させることが
できるものである。
【0030】さらに、バケットシリンダ122は、ステ
ィック300に対して一端が回動可能に接続されるとと
もに、バケット400に対して他の一端が回動可能に接
続され、即ちスティック300とバケット400との間
に介装されて、端部間の距離が伸縮することにより、バ
ケット400をスティック300に対して回動させるこ
とができるものである。なお、バケット油圧シリンダ1
22の先端部には、リンク機構130が設けられてい
る。
【0031】このように上記の各シリンダ120〜12
2で、伸縮動作を行なうことによりアーム機構を駆動す
る複数のシリンダ式アクチュエータを有するシリンダ式
アクチュエータ機構が構成される。なお、図示しない
が、左右の無限軌条部500Aをそれぞれ駆動する油圧
モータや、上部旋回体100を旋回駆動する旋回モータ
も設けられている。
【0032】ところで、図2に示すように、シリンダ1
20〜122や上記の油圧モータや旋回モータのための
油圧回路が設けられており、この油圧回路には、エンジ
ンEによって駆動されるポンプ51,52,主制御弁
(コントロールバルブ)13,14,15等が介装され
ている。また、主制御弁13,14,15を制御するた
めに、パイロット油圧回路が設けられており、このパイ
ロット油圧回路には、エンジンEによって駆動されるパ
イロットポンプ50,電磁比例弁3A,3B,3C,電
磁切替弁4A,4B,4C,セレクタ弁18A,18
B,18C等が介装されている。
【0033】ところで、電磁比例弁3A,3B,3Cを
介して、主制御弁13,14,15を制御することによ
り、制御したいモードに応じて、ブーム200,スティ
ック300,バケット400が所望の伸縮変位となるよ
うに制御するコントローラ(制御手段)1が設けられて
いる。なお、このコントローラ1は、マイクロプロセッ
サ,ROMやRAM等のメモリ,適宜の入出力インタフ
ェースなどで構成される。
【0034】そして、このコントローラ1へは種々のセ
ンサからの検出信号(設定信号を含む)が入力されるよ
うになっており、コントローラ1は、これらのセンサか
らの検出信号に基づき、上記の制御を実行するようにな
っている。なお、このようなコントローラ1による制御
を半自動制御というが、この半自動掘削モードにおいて
も、掘削中に手動にてバケット角及び目標法面高さの微
調整は可能である。
【0035】上記の半自動制御モードとしては、バケッ
ト角制御モード(図9参照),法面掘削モード(バケッ
ト歯先直線掘削モード又はレイキングモード)(図10
参照),法面掘削モードとバケット角制御モードとを組
み合わせたスムージングモード(図11参照),バケッ
ト角自動復帰モード(オートリターンモード)(図12
参照)等がある。
【0036】ここで、バケット角制御モードは、図9に
示すように、スティック300及びブーム200を動か
してもバケット400の水平方向(垂直方向)に対する
角度(バケット角)が常に一定に保たれるモードで、こ
のモードは、モニタパネル10上のバケット角制御スイ
ッチをONにすると、実行される。なお、バケット40
0が手動にて動かされた時、このモードは解除され、バ
ケット400が止まった時点でのバケット角が新しいバ
ケット保持角として記憶される。
【0037】法面掘削モードは、図10に示すように、
バケット400の歯先112が直線的に動くモードであ
る。但し、バケットシリンダ122は動かない。また、
バケット400の移動に伴いバケット角φが変化する。
法面掘削モード+バケット角制御モード(スムージング
モード)は、図11に示すように、バケット400の歯
先112が直線的に動くモードであり、バケット角φも
掘削中一定に保たれる。
【0038】なお、本実施形態では、後述するように、
法面掘削モードにおいてバケット400の歯先112
(スティック300)を精度高く直線的に動かすことが
できるよう、従来のようにブーム200,スティック3
00を完全に独立したフィードバック制御系により制御
するのではなく、相互に連携して制御するようになって
いる。
【0039】バケット自動復帰モードは、図12に示す
ように、バケット角が予め設定された角度に自動的に復
帰するモードであり、復帰バケット角はモニタパネル1
0によって設定される。このモードはブーム/バケット
操作レバー6上のバケット自動復帰スタートスイッチ7
をONにすることで始動する。バケット400が予め設
定された角度まで復帰した時点でこのモードは解除され
る。
【0040】さらに、上記の法面掘削モード,スムージ
ングモードは、モニタパネル10上の半自動制御スイッ
チをONにし、かつ、スティック操作レバー8上の法面
掘削スイッチ9をONにし、スティック操作レバー8と
ブーム/バケット操作レバー6の両方又はどちらか一方
が動かされた時に、これらのモードに入るようになって
いる。なお、目標法面角はモニタパネル10上のスイッ
チ操作にて設定される。
【0041】また、法面掘削モード,スムージングモー
ドでは、スティック操作レバー8の操作量が目標法面角
に対して平行方向のバケット歯先移動速度を与え、ブー
ム/バケット操作レバー6の操作量が垂直方向のバケッ
ト歯先移動速度を与えるようになっている。従って、ス
ティック操作レバー8を動かすと、目標法面角に沿っ
て、バケット歯先112が直線移動を開始し、掘削中に
ブーム/バケット操作レバー6を動かすことによって、
手動による目標法面高さの微調整が可能となる。
【0042】また、法面掘削モード,スムージングモー
ドでは、ブーム/バケット操作レバー6を操作すること
によって掘削中のバケット角を微調整するほか、目標法
面高さも変更することができる。なお、このシステムで
は、手動モードも可能であるが、この手動モードでは、
従来の油圧ショベルと同等の操作が可能となるほかに、
バケット歯先112の座標表示が可能である。
【0043】また、半自動システム全体のサービス・メ
ンテナンスを行なうためのサービスモードも用意されて
おり、このサービスモードはコントローラ1に外部ター
ミナル2を接続することによって行なわれる。そして、
このサービスモードによって、制御ゲインの調整や各セ
ンサの初期化等が行なわれる。ところで、コントローラ
1に接続される各種センサとして、図2に示すように、
圧力スイッチ16,圧力センサ19,28A,28B,
レゾルバ(角度センサ)20〜22,傾斜角センサ24
等が設けられており、更にコントローラ1には、エンジ
ンポンプコントローラ27,ON−OFFスイッチ7,
9,目標法面角設定器付きモニタパネル10が接続され
ている。なお、外部ターミナル2は、制御ゲインの調整
や各センサの初期化時等に、コントローラ1に接続され
る。
【0044】なお、エンジンポンプコントローラ27
は、エンジン回転数センサ23からのエンジン回転数情
報を受けてエンジンE及びポンプ51,52の傾転角を
制御するもので、コントローラ1との間で協調情報を遣
り取りできるようになっている。又、レゾルバ20〜2
2での検出信号は、信号変換器(変換手段)26を介し
てコントローラ1へ入力されるようになっている。
【0045】圧力センサ19は、スティック300の伸
縮用,ブーム200の上下用の各操作レバー6,8から
主制御弁13,14,15に接続されているパイロット
配管に取り付けられて、パイロット配管内のパイロット
油圧を検出するものであるが、かかるパイロット配管内
のパイロット油圧は、操作レバー6,8の操作量によっ
て変化するため、この油圧を計測することで操作レバー
6,8の操作量を推定できるようになっている。
【0046】圧力センサ28A,28Bはブームシリン
ダ120,スティックシリンダ121の伸長伸縮状態を
検出するものである。なお、スティック操作レバー8は
設定された掘削斜面に対して平行方向のバケット歯先移
動速度を決定するものとして使用され、ブーム/バケッ
ト操作レバー6は設定斜面に対して垂直方向のバケット
歯先移動速度を決定するものとして使用される。従っ
て、スティック操作レバー8とブーム/バケット操作レ
バー6の同時操作時は設定斜面に対して平行及び垂直方
向の合成ベクトルにてバケット歯先の移動方向とその速
度が決定されることになる。
【0047】圧力スイッチ16は、ブーム200,ステ
ィック300,バケット400のための操作レバー6,
8用のパイロット配管にセレクタ17等を介して取り付
けられて、操作レバー6,8が中立か否かを検出するた
めに使用される。即ち、操作レバー6,8が中立状態の
時、圧力スイッチ16の出力がOFFとなり、操作レバ
ー6,8が使用されると、圧力スイッチ16の出力がO
Nとなる。なお、中立検出用圧力スイッチ16は上記圧
力センサ19の異常検出及び手動/半自動モードの切替
用としても利用される。
【0048】レゾルバ20は、ブーム200の姿勢をモ
ニタしうるブーム200の建設機械本体100への枢着
部(関節部)に設けられてブーム200の姿勢(姿勢情
報)を検出する第1角度センサ(ブーム姿勢検出手段)
として機能するものであり、レゾルバ21は、スティッ
ク300の姿勢をモニタしうるスティック300のブー
ム200への枢着部(関節部)に設けられてスティック
300の姿勢を検出する第2角度センサ(スティック姿
勢検出手段)として機能するものである。
【0049】また、レゾルバ22は、バケット400の
姿勢をモニタしうるリンク機構枢着部に設けられてバケ
ット400の姿勢を検出する第3角度センサとして機能
するもので、これらのレゾルバ20〜22で、アーム機
構の姿勢を角度情報で検出する角度検出手段が構成され
ている。信号変換器(変換手段)26は、レゾルバ20
で得られた角度情報(ブームの姿勢情報)をブームシリ
ンダ120の伸縮変位情報に変換し、レゾルバ21で得
られた角度情報(スティックの姿勢情報)をスティック
シリンダ121の伸縮変位情報に変換し、レゾルバ22
で得られた角度情報をバケットシリンダ122の伸縮変
位情報に変換するもの、即ち、レゾルバ20〜22で得
られた角度情報を対応するシリンダ120〜122の伸
縮変位情報に変換するものである。
【0050】つまり、本実施形態では、信号変換器26
とブーム姿勢検出手段としてのレゾルバ20とで、ブー
ム油圧シリンダ120の伸縮変位情報を検出するブーム
油圧シリンダ伸縮変位検出手段が構成され、信号変換器
26とスティック姿勢検出手段としてのレゾルバ21と
で、スティック油圧シリンダ121の伸縮変位情報を検
出するスティック油圧シリンダ伸縮変位検出手段が構成
されている。
【0051】このため、信号変換器26は、各レゾルバ
20〜22からの信号を受ける入力インタフェース26
A,各レゾルバ20〜22で得られた角度情報に対応す
るシリンダ120〜122の伸縮変位情報を記憶するル
ークアップテーブル26B−1を含むメモリ26B,各
レゾルバ20〜22で得られた角度情報に対応するシリ
ンダ120〜122の伸縮変位情報を求めシリンダ伸縮
変位情報をコントローラ1に通信しうる主演算装置(C
PU)26C,主演算装置(CPU)26Cからのシリ
ンダ伸縮変位情報を送出する出力インタフェース26D
等をそなえて構成されている。
【0052】ところで、各レゾルバ20〜22で得られ
た角度情報θbm,θst,θbkに対応するシリンダ120
〜122の伸縮変位情報λbm,λst,λbkは余弦定理を
用いて次式で求めることができる。 λbm=(L101102 2+L101111 2 −2L101102・L101111cos( θbm+Axbm ))1/2 ・・(1) λst=(L103104 2+L104105 2−2L103104・L104105cosθst)1/2 ・・(2) λbk=(L106107 2+L107109 2−2L106107・L107109cosθbk)1/2 ・・(3) ここで、上式において、Lijは固定長、Axbm は固定角
を表し、Lの添字ijは節点i,j間の情報を有する。
例えばL101102は節点101と節点102との距離を表
す。尚、節点101をxy座標の原点とする(図8参
照)。
【0053】もちろん、各レゾルバ20〜22で角度情
報θbm,θst,θbkが得られる毎に、上式を演算手段
(例えばCPU26C)で演算してもよい。この場合
は、CPU26Cが、各レゾルバ20〜22で得られた
角度情報から角度情報に対応するシリンダ120〜12
2の伸縮変位情報を演算により求める演算手段を構成す
ることになる。
【0054】なお、信号変換器26で変換された信号
は、半自動制御時のフィードバック制御用に利用される
ほか、バケット歯先112の位置計測/表示用座標を計
測するためにも利用される。また、半自動システムにお
けるバケット歯先位置は油圧ショベルの上部旋回体10
0のある1点を原点として演算されるが、上部旋回体1
00がフロントリンケージ方向に傾斜した時、制御演算
上の座標系を車両傾斜分だけ回転することが必要にな
る。傾斜センサ24はこの座標系の回転分を補正するた
めに使用される。
【0055】前述のごとく、コントローラ1からの電気
信号によって、電磁比例弁3A〜3Cはパイロットポン
プ50から供給される油圧を制御し、制御された油圧を
切替弁4A〜4C又はセレクタ弁18A〜18Cを通し
て主制御弁13,14,15に作用させることにより、
シリンダ目標速度が得られるように、主制御弁13,1
4,15のスプール位置を制御することが行なわれる
が、切替弁4A〜4Cを手動モード側にすれば、手動に
てシリンダを制御することができる。
【0056】なお、スティック合流調整比例弁11は目
標シリンダ速度に応じた油量を得るために2つのポンプ
51,52の合流度合を調整するものである。また、ス
ティック操作レバー8には、ON−OFFスイッチ(法
面掘削スイッチ)9が取り付けられており、オペレータ
がこのスイッチを操作することによって、半自動モード
が選択又は非選択される。そして、半自動モードが選択
されると、バケット歯先を直線的に動かすことができる
ようになる。
【0057】さらに、ブーム/バケット操作レバー6に
は、ON−OFFスイッチ(バケット自動復帰スタート
スイッチ)7が取り付けられており、オペレータがこの
スイッチ7をONすることによって、バケット400を
予め設定された角度に自動復帰させることができるよう
になっている。安全弁5は電磁比例弁3A〜3Cに供給
されるパイロット圧を断続するためのもので、この安全
弁5がON状態の時のみパイロット圧が電磁比例弁3A
〜3Cに供給されるようになっている。従って、半自動
制御上、何らかの故障があった場合等は、この安全弁5
をOFF状態にすることにより、速やかにリンケージの
自動制御を停止することができる。
【0058】また、エンジンEの回転速度はオペレータ
が設定したエンジンスロットルの位置によって異なり、
更にエンジンスロットルが一定であっても負荷によって
エンジン回転速度は変化する。ポンプ50,51,52
はエンジンEに直結されているので、エンジン回転速度
が変化すると、ポンプ吐出量も変化するため、主制御弁
13,14,15のスプール位置が一定であっても、シ
リンダ速度はエンジン回転速度の変化に応じて変化して
しまう。これを補正するためにエンジン回転速度センサ
23が取り付けられているのである。すなわち、エンジ
ン回転速度が低い時は、バケット歯先の目標移動速度を
遅くするようになっている。
【0059】目標法面角設定器付きモニタパネル10
(以下、単に「モニタパネル」と呼ぶ場合がある)は、
目標法面角α(図8,11参照),バケット復帰角の設
定器として使用されるほか、バケット歯先400の座標
や計測された法面角あるいは計測された2点座標間距離
の表示器としても使用されるようになっている。なお、
このモニタパネル10は、操作レバー6,8とともに運
転操作室600内に設けられる。
【0060】すなわち、本実施形態にかかるシステムに
おいては、従来のパイロット油圧ラインに圧力センサ1
9及び圧力スイッチ16を組込み、操作レバー6,8の
操作量を検出し、レゾルバ20,21,22を用いてフ
ィードバック制御を行ない、制御は各シリンダ120,
121,122毎にフィードバック制御ができるような
構成となっている。これにより、圧力補償弁等の油器の
追加が不要となる。ただし、本実施形態では、後述する
ように各シリンダ120,121は連携制御されるよう
になっている。
【0061】また、本実施形態にかかるシステムは、車
両傾斜角センサ24を用いて、上部旋回体100の傾斜
による影響を補正し、コントローラ1からの電気信号に
て、シリンダ120,121,122を駆動するために
電磁比例弁3A〜3Cを利用した構成にもなっている。
なお、手動/半自動モード切替スイッチ9によりオペレ
ータは任意にモードを選択できるようになっているほ
か、目標法面角を設定することもできるようになってい
るのである。
【0062】つぎに、コントローラ1にて行なわれる半
自動システムの制御アルゴリズムについて述べるが、こ
のコントローラ1にて行なわれる半自動制御モード(バ
ケット自動復帰モードを除く)の制御アルゴリズムは概
略図4に示すようになっている。すなわち、最初に、バ
ケット歯先112の移動速度及び方向を、目標法面設定
角,スティックシリンダ121及びブームシリンダ12
0を制御するパイロット油圧,車両傾斜角,エンジン回
転速度の情報より求める。次に、その情報を基に各シリ
ンダ120,121,122の目標速度を演算する。こ
の時、エンジン回転速度の情報はシリンダ速度の上限を
決定するとき必要となる。
【0063】また、コントローラ1は、図3,4に示す
ように、各シリンダ120,121,122毎に制御部
1A,1B,1Cをそなえており、各制御は、図4に示
すように、制御フィードバックループとして構成されて
いる。ここで、本発明の建設機械の制御装置の要部につ
いて説明すると、図4に示す閉ループ制御内の補償構成
は、各制御部1A,1B,1Cとも、図5に示すよう
に、変位,速度についてのフィードバックループとフィ
ードフォワードループの多自由度構成となっており、制
御ゲイン(制御パラメータ)可変のフィードバックルー
プ式補償手段72と、制御ゲイン(制御パラメータ)可
変のフィードフォワード式補償手段73とをそなえて構
成されている。
【0064】すなわち、目標速度が与えられると、フィ
ードバックループ処理に関しては、目標速度と速度フィ
ードバック情報との偏差に所定のゲインKvp(符号6
2参照)を掛けるルートと、目標速度を一旦積分して
(図5の積分要素61参照)、この目標速度積分情報と
変位フィードバック情報との偏差に所定のゲインKpp
(符号63参照)を掛けるルートと、上記目標速度積分
情報と変位フィードバック情報との偏差に所定のゲイン
Kpi(符号64参照)を掛け更に積分(符号66参
照)を施すルートによる処理がなされ、更にフィードフ
ォワードループ処理に関しては、目標速度に所定のゲイ
ンKf(符号65参照)を掛けるルートによる処理がな
されるようになっている。
【0065】このうち、フィードバックループ処理につ
いてもう少し詳しく説明すると、本装置には、図5に示
すように、シリンダ120〜122の動作情報を検出す
る動作情報検出手段91が設けられており、コントロー
ラ1では、この動作情報検出手段91からの検出情報
と、目標値設定手段80で設定された目標動作情報(例
えば、目標移動速度)とを入力情報として、ブーム20
0等のアーム部材及び作業部材(バケット)400が目
標とする動作状態となるように制御信号を設定する。
【0066】なお、動作情報検出手段91は、具体的に
は、ブーム200,スティック300の姿勢を検出する
上述した姿勢情報検出手段83であるが、この姿勢情報
検出手段83は、後述する運転状態検出手段90として
の機能を兼ね備えており、このような動作情報検出手段
91と後述の運転状態検出手段90とにより、検出手段
93が構成されている。
【0067】一方、上記のゲインKvp,Kpp,Kp
i,Kfの値は、それぞれゲインスケジューラ(制御パ
ラメータ用スケジューラ)70によって変更可能に構成
されており、このようにゲインKvp,Kpp,Kp
i,Kfの値を変更,補正することで、ブーム200や
バケット400等を目標とする動作状態に制御するよう
になっているのである。
【0068】すなわち、本装置には、図5に示すよう
に、作動油の油温を検出する油温検出手段81と、各シ
リンダ120〜122の負荷を検出するシリンダ負荷検
出手段82と、各シリンダの位置情報を検出するシリン
ダ位置検出手段83とをそなえた運転状態検出手段90
が設けられており、上記ゲインスケジューラ70は、こ
の運転状態検出手段90からの検出情報(即ち、建設機
械の運転情報)に基づいて、各ゲインKvp,Kpp,
Kpi,Kfを変更するように構成されているのであ
る。
【0069】このうち、油温検出手段81は、電磁比例
弁3A,3B,3Cの近傍に設けられた温度センサであ
り、ゲインスケジューラ70では、油圧シリンダ120
〜122に関連する温度に応じて各ゲインを補正するよ
うになっている。なお、油圧シリンダ120〜122に
関連する温度とは、例えば、制御用油(パイロットオイ
ル)の温度であり、ここでは、パイロットオイルの温度
が作動油の温度を代表する代表油温として検出されるよ
うになっている。
【0070】また、図5に示すように、非線形除去テー
ブル71が、電磁比例弁3A〜3Cや主制御弁13〜1
5等の非線形性を除去するために設けられているが、こ
の非線形除去テーブル71を用いた処理は、テーブルル
ックアップ手法を用いることにより、コンピュータにて
高速に行なわれるようになっている。ところで、本実施
形態では、図4に示すように、ブーム制御系(第1制御
系)1A′にスティック制御系(第2制御系)1B′に
おけるフィードバック制御偏差(フィードバック偏差情
報)が供給されるとともに、スティック制御系1B′に
ブーム制御系1A′におけるフィードバック制御偏差が
供給され、各制御系1A′,1B′においてこのフィー
ドバック制御偏差に基づいてブーム/シリンダの制御目
標値(位置,速度)の補正を行なうようになっている。
【0071】このため、コントローラ1は、図6に示す
ように、上記のブーム制御系1A′,スティック制御系
1B′のほかに、スティック制御系1B′におけるフィ
ードバック制御偏差に基づいてブーム制御系1A′の制
御目標値を補正するブーム(第1)補正制御系11Aと
して、ブーム(第1)補正値発生部111Aとブーム
(第1)重み係数付加部112Aとをそなえるととも
に、ブーム制御系1A′におけるフィードバック制御偏
差に基づいてスティック制御系1B′の制御目標値を補
正するスティック(第2)補正制御系11Bとして、ス
ティック(第2)補正値発生部111Bとブーム(第
2)重み係数付加部112Bとを有している。
【0072】ここで、上記のブーム補正値発生部111
Aは、スティック制御系1B′におけるフィードバック
制御偏差(以下、単に制御偏差ということがある)から
ブーム制御系1A′におけるブームシリンダ120の制
御目標値を補正するためのブーム補正値(ブーム修正
量)を発生するもので、ここでは、この図6中に示すよ
うに、他の制御系であるスティック制御系1B′からの
制御偏差の大きさに略比例してブーム補正値を大きくす
るように設定されている。
【0073】また、ブーム補正値発生部111Bは、ブ
ーム制御系1A′における制御偏差からスティック制御
系1B′におけるスティックシリンダ121の制御目標
値を補正するためのブーム補正値を発生するもので、上
述のブーム補正値発生部111Aと同様に、他の制御系
であるブーム制御系1A′からの制御偏差の大きさに略
比例してブーム補正値を大きくするように設定されてい
る。
【0074】さらに、ブーム重み係数付加部112A,
スティック重み係数付加部112Bは、それぞれ対応す
るブーム補正値発生部111A,スティック補正値発生
部111Bで発生したブーム補正値,スティック補正値
に対して重み係数を付加するもので、ここでは、例えば
図7に示すように、ブーム補正値にはブーム重み係数付
加部112Aにより実線で示すような特性(バケット4
00の歯先位置と建設機械本体100との距離に応じて
付加する係数の正負が入れ代わるような特性)を有する
ブーム重み係数がかけられる一方、スティック補正値に
はスティック重み係数付加部112Bにより破線で示す
ような特性(上記ブーム重み係数と略逆特性)を有する
スティック重み係数がかけられるようになっている。
【0075】これにより、各補正制御系11A,11B
では、各制御系1A′,1B′における制御目標値を補
正するための補正値が可変になり、制御目標値の補正を
柔軟に行なうことができるようになる。なお、上述のよ
うな重み係数付加部112A(112B)は各補正制御
系11A,11Bのいずれか一方のみに設けてもよい
が、ここでは、このように各補正制御系11A,11B
の両方に設けることで、後述する制御偏差の相殺を高速
に行なえるようにしている。
【0076】以下、上述のごとく構成されたコントロー
ラ1での制御目標値の補正処理について説明する。例え
ば、法面掘削モード(バケット歯先直線掘削モード)に
おいて、バケット400の歯先位置が建設機械本体10
0に近い場所に位置するときに、ブーム200(ブーム
シリンダ120)の制御がスティック300(スティッ
クシリンダ121)の制御に対して遅れると、スティッ
ク300の動作速度が相対的に増加し、スティック制御
系1B′において制御偏差が生じる。
【0077】この制御偏差はブーム補正制御系11Aの
ブーム補正値発生部111Aに入力され、ブーム補正値
発生部111Aは、受けた制御偏差の大きさに応じて、
ブームシリンダ120の制御目標値を上げるためのブー
ム補正値を発生するが、今、バケット400の歯先位置
が建設機械本体100に近い場所に位置するので、この
ブーム補正値にはブーム重み係数付加部112Aにおい
てその値を大きくするような正の重み係数がかけられる
(図7中の実線参照)。
【0078】そして、このように重み係数をかけられた
ブーム補正値はブームシリンダ120の目標値と加算さ
れ、この結果、ブームシリンダ120の動作速度が増加
する。一方、このとき、ブーム制御系1A′で生じた制
御偏差がスティック補正制御系11Bのスティック補正
値発生部111Bに入力されており、スティック補正値
発生部111Bは、受けた制御偏差の大きさに応じて、
上述のブーム補正値発生部111Aとは逆に、スティッ
クシリンダ121の制御目標値を減少させるためのステ
ィック補正値を発生するが、今、上述バケット400の
歯先位置が建設機械本体100に近い場所に位置するの
で、このスティック補正値にはスティック重み係数付加
部112Bにおいてその値を小さくするような負の重み
係数がかけられる(図7中の破線参照)。
【0079】そして、このように重み係数をかけられた
スティック補正値はスティックシリンダ121の目標値
と加算され、この結果、スティックシリンダ121の動
作速度が減少する。これにより、ブーム制御系1A′に
おける制御偏差とスティック制御系1B′における制御
偏差とが相互に相殺されることになり、ブーム200,
スティック300は法面掘削モード(バケット歯先直線
掘削モード)での直線的な掘削作業を安定して高精度に
行なうことができる。
【0080】なお、バケット400の歯先位置が建設機
械本体100から遠い場所に位置するときに、ブーム2
00(ブームシリンダ120)の制御がスティック30
0(スティックシリンダ121)の制御に対して遅れる
と、スティック300の動作速度も遅れるが、この場合
は、ブーム重み係数付加部112Aにてブーム補正値に
負の重み係数がかけられるとともに、ブーム重み係数付
加部112Bにてブーム補正値に正の重み係数がかけら
れるので、スティックシリンダ121の動作速度が相対
的に増加し制御偏差が相互に相殺されることになる。
【0081】つまり、上述のコントローラ1は、ブーム
200,スティック300をそれぞれ制御する際、自己
以外の制御系1B′,1A′における制御偏差に基づい
て、自己の制御系1A′,1B′における制御目標値を
補正しながらブーム200,スティック300を相互に
連携して制御して、常に、各制御系1A′,1Bにおけ
る制御偏差を無くした理想的な状態でブーム200,ス
ティック300を動作させるようになっているのであ
る。
【0082】このような構成により、油圧ショベルを用
いて、図13に示すような目標法面角αの法面掘削作業
を半自動で行なう際に、本発明によるシステムでは、従
来の手動制御のシステムに比して、ブーム200及びス
ティック300の合成移動量を掘削速度に合わせて自動
調整する電子油圧システムにより、上記のような半自動
制御機能を実現することができる。即ち、油圧ショベル
に搭載されたコントローラ1へ種々のセンサからの検出
信号(目標法面角の設定情報を含む)が入力され、この
コントローラ1が、これらのセンサからの検出信号(信
号変換器26を介したレゾルバ20〜22での検出信号
も含む)に基づき、電磁比例弁3A,3B,3Cを介し
て、主制御弁13,14,15を制御することにより、
ブーム200,スティック300,バケット400が所
望の伸縮変位となるような制御を施して、上記のような
半自動制御を実行するのである。
【0083】そして、この半自動制御に際しては、ま
ず、バケット歯先112の移動速度及び方向を、目標法
面設定角,スティックシリンダ121及びブームシリン
ダ120を制御するパイロット油圧,車両傾斜角,エン
ジン回転速度の情報より求め、その情報を基に各シリン
ダ120,121,122の目標速度を演算するのであ
る。この時エンジン回転速度の情報はシリンダ速度の上
限を決定する時必要となる。
【0084】また、このときの制御は、基本的に、各シ
リンダ120,121,122毎のフィードバックルー
プとしているが、本実施形態では、前述したように、ブ
ーム200(ブームシリンダ120),スティック30
0(スティックシリンダ121)をそれぞれ制御する
際、自己以外の他の制御系1B′,1A′における制御
偏差に基づいて、自己の制御系1A′,1B′における
制御目標値をそれぞれ補正制御系11A,11Bにおい
て補正しながらブーム200,スティック300を相互
に連携して制御して、常に、各制御系1A′,1Bにお
ける制御偏差を無くした理想的な状態でブーム200,
スティック300を動作させる。
【0085】なお、この半自動システムにおける目標法
面角の設定は、モニタパネル10上のスイッチによる数
値入力による方法,2点座標入力法,バケット角度によ
る入力法によりなされ、同じく半自動システムにおける
バケット復帰角の設定は、モニタパネル10上のスイッ
チによる数値入力による方法,バケット移動による方法
によりなされるが、いずれも公知の手法が用いられる。
【0086】また、上記各半自動制御モードとその制御
法は、レゾルバ20〜22で検出された角度情報を信号
変換器26でシリンダ伸縮変位情報に変換したものに基
づいて、次のようにして行なわれる。まず、バケット角
度制御モードでは、バケット400とx軸となす角(バ
ケット角)φを任意の位置で一定となるように、バケッ
トシリンダ122長さを制御する。このとき、バケット
シリンダ長さλbkは、ブームシリンダ長さλbm,スティ
ックシリンダ長さλst及び上記の角度φが決まると求め
られる。
【0087】スムージングモードでは、バケット角度φ
は一定に保たれるから、バケット歯先位置112と節点
108は平行に移動する。まず、節点108がx軸に対
して平行に移動する場合(水平掘削)を考えると、次の
ようになる。すなわち、この場合は、掘削を開始するリ
ンケージ姿勢における節点108の座標を(x108 ,y
108 )とし、この時のリンケージ姿勢におけるブームシ
リンダ120とスティックシリンダ121のシリンダ長
さを求め、x108 が水平に移動するようにブーム200
とスティック300の速度を求める。なお、節点108
の移動速度はスティック操作レバー8の操作量によって
決定される。
【0088】また、節点108の平行移動を考えた場
合、微小時間Δt後の節点108の座標は(x108 +Δ
x,y108 )で表わされる。Δxは移動速度によって決
まる微小変位である。従って、x108 にΔxを考慮する
ことで、Δt後の目標ブーム及びスティックシリンダの
長さが求められる。法面掘削モードでは、スムージング
モードと同様の要領の制御でよいが、移動する点が節点
108からバケット歯先112の位置へ変更され、更に
バケットシリンダ長さが固定されることを考慮した制御
となる。
【0089】また、車両傾斜センサ24による仕上げ傾
斜角の補正については、フロントリンケージ位置の演算
は図8における節点101を原点としたxy座標系で行
なわれる。従って、車両本体がxy平面に対して傾斜し
た場合、上記xy座標が回転し、地面に対する目標傾斜
角が変化してしまう。これを補正するため、車両に傾斜
角センサ24を取り付け、この傾斜角センサ24によっ
て、車両本体がxy平面に対してβだけ回転しているこ
とが検出された場合、βだけ加算した値と置き直すこと
によって補正すればよい。
【0090】エンジン回転速度センサ23による制御精
度悪化の防止については、以下のとおりである。即ち、
目標バケット歯先速度の補正については、目標バケット
歯先速度はスティック及びブーム/バケット操作レバー
6,8の位置とエンジン回転速度で決定される。また、
油圧ポンプ51,52はエンジンEに直結されているた
め、エンジン回転速度が低い時、ポンプ吐出量も減少
し、シリンダ速度が減少してしまう。そのため、エンジ
ン回転速度を検出し、ポンプ吐出量の変化に合うように
目標バケット歯先速度を算出しているのである。
【0091】また、目標シリンダ速度の最大値の補正に
ついては、目標シリンダ速度はリンケージの姿勢及び目
標法面傾斜角によって変化することと、ポンプ吐出量が
エンジン回転速度の低下に伴い減少する場合、最大シリ
ンダ速度も減少させる必要があることとを考慮した補正
が行なわれる。なお、目標シリンダ速度が最大シリンダ
速度を越えた時は、目標バケット歯先速度を減少して、
目標シリンダ速度が最大シリンダ速度を越えないように
する。
【0092】以上、種々の制御モードとその制御法につ
いて説明したが、いずれもシリンダ伸縮変位情報に基づ
いて行なう手法で、この手法による制御内容については
公知である。すなわち、本実施形態にかかるシステムで
は、レゾルバ20〜22で角度情報を検出したのちに、
角度情報を信号変換器26でシリンダ伸縮変位情報に変
換しているので、以降と公知の制御手法を使用できるの
である。
【0093】このようにして、コントローラ1にて、各
種の制御がなされるが、本実施形態にかかるシステムで
は、レゾルバ20〜22で検出された角度情報信号が、
信号変換器26で、シリンダ変位情報に変換されて、コ
ントローラ1へ入力されているので、従来のように、ブ
ーム200,スティック300,バケット400用シリ
ンダの各伸縮変位を検出するための高価なストロークセ
ンサを使用しなくても、従来の制御系で使用していたシ
リンダ伸縮変位を用いた制御を実行することができる。
これにより、コストを低く抑えながら、バケット400
の位置と姿勢を正確に且つ安定して制御しうるシステム
を提供しうるのである。
【0094】また、フィードバック制御ループが各シリ
ンダ120,121,122毎に独立しており、制御ア
ルゴリズムが変位、速度およびフィードフォワードの多
自由制御としているので、制御系を簡素化できるほか、
油圧機器の非線型性をテーブルルックアップ手法により
高速に線形化することができるので、制御精度の向上に
も寄与している。
【0095】さらに、車両傾斜センサ24により車両傾
斜の影響を補正したり、エンジン回転速度を読み込むこ
とにより、エンジンスロットルの位置及び負荷変動によ
る制御精度の悪化を補正しているので、より正確な制御
の実現に寄与している。また、外部ターミナル2を用い
てゲイン調整等のメインテナンスもできるので、調整等
が容易であるという利点も得られる。
【0096】さらに、圧力センサ19等を用いてパイロ
ット圧の変化により、操作レバー7,8の操作量を求
め、更に従来のオープンセンタバルブ油圧システムをそ
のまま利用しているので、圧力補償弁等の追加を必要と
しない利点があるほか、目標法面角設定器付モニタ10
でバケット歯先座標をリアルタイムに表示することもで
きる。また、安全弁5を用いた構成により、システムの
異常時における異常動作も防止できる。
【0097】また、ブーム200(ブームシリンダ12
0),スティック300(スティックシリンダ121)
を、従来のようにそれぞれ完全に独立したフィードバッ
ク制御系により制御するのではなく、自己以外の他の制
御系1B′,1A′における制御偏差に基づいて、自己
の制御系1A′,1B′における制御目標値をそれぞれ
補正制御系11A,11Bにおいて補正しながらブーム
200,スティック300を相互に連携して制御して、
常に、各制御系1A′,1Bにおける制御偏差を無くし
た理想的な状態でブーム200,スティック300を動
作させるので、あらゆる建設作業(特に、バケット歯先
直線掘削モードでの作業)を極めて高精度に行なうこと
ができ、作業の仕上げ精度を大幅に向上することができ
る。
【0098】さらに、本実施形態では、レゾルバ20,
21,信号変換器26を用いて、ブーム200,スティ
ック300の姿勢情報を、それぞれ油圧シリンダ12
0,12121の伸縮変位情報を検出することによって
簡便に検出することができるので、簡素な構成でブーム
200,スティック300の姿勢情報を正確に得ること
ができる。
【0099】また、図6により前述したように、ブーム
補正制御系11Aにブーム補正値発生部111Aを設
け、スティック補正制御系11Bにスティック補正値発
生部111Bを設けるという簡素な構成で、ブーム制御
系1A′の制御目標値を補正するためのブーム補正値,
スティック制御系1B′の制御目標値を補正するための
スティック補正値をそれぞれ発生して、確実に、ブーム
シリンダ120,スティックシリンダ121の制御目標
値の補正を行なうことができるので、補正処理時の信頼
性も向上する。
【0100】さらに、ブーム補正制御系11Aに、ブー
ム重み係数付加部112Aを設けるとともに、スティッ
ク補正制御系11Bに、スティック重み係数付加部11
2Bを設けることにより、各補正値を必要に応じて可変
にすることが可能になっているので、ブームシリンダ1
20,スティックシリンダ121の制御目標値の補正を
柔軟に行なうことができ、ブーム200,スティック3
00がどのような状態(姿勢)にあっても常に最適な補
正,制御を高速に行なうことができる。なお、このよう
な重み係数付加部112A(112B)は各補正制御系
11A,11Bのいずれか一方のみに設けるようにして
もよい。
【0101】また、上述した実施形態では、本発明を油
圧ショベルに適用した場合について説明しているが、本
発明は、これに限定されるものではなく、シリンダ式ア
クチュエータで駆動される関節式アーム機構を有するト
ラクタ,ローダ,ブルドーザ等の建設機械であれば同様
に適用され、いずれの建設機械においても上述と同様の
作用効果を得ることができる。
【0102】また、上述した実施形態では、シリンダ式
アクチュエータを動作させる流体圧回路が油圧回路であ
る場合について説明しているが、本発明は、これに限定
されるものではなく、作動油以外の液体圧や空気圧など
による流体圧回路を用いてもよく、この場合も上述した
実施形態と同様の作用効果を得ることができる。さら
に、上述した実施形態では、油圧回路に介装されたポン
プ51,52が吐出量可変型のものである場合について
説明したが、油圧回路に介装されるポンプは吐出量固定
型(固定容量型)のものでもよく、この場合も上述した
実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0103】また、上述した実施形態では、エンジンE
が、例えばディーゼルエンジンである場合について説明
したが、本発明は、流体圧回路に吐出圧を作用させるポ
ンプを駆動することのできる原動機(各種内燃機関等)
であればよく、ディーゼルエンジン等に限定されるもの
ではない。そして、本発明は上述した実施形態に限定さ
れるものではなく、本発明とその趣旨を逸脱しない範囲
で種々変形して実施することができる。
【0104】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の建設機械
の制御装置によれば、建設機械本体に装備された関節式
アーム機構を構成する相互に枢着された少なくとも一対
のアーム部材をそれぞれ制御する際、自己以外の他のア
ーム部材の制御系におけるフィードバック偏差情報に基
づいて、自己のアーム部材の制御系における制御目標値
を補正しながら各アーム部材を相互に連携して制御する
ので、常に、フィードバック偏差情報を無くした理想的
な状態で各アーム部材を動作させることができ、これに
より、あらゆる建設作業を極めて高精度に行なうことが
できる(請求項1)。
【0105】また、本発明の建設機械の制御装置によれ
ば、第1/第2(ブーム/スティック)制御系が姿勢検
出手段で検出された検出結果に基づいて第1/第2シリ
ンダ式アクチュエータ(ブーム/スティック油圧シリン
ダ)を制御する際、第1/第2(ブーム/スティック)
補正制御系がそれぞれ第2/第1(スティック/ブー
ム)制御系におけるフィードバック偏差情報に基づいて
自己の制御系の制御目標値を補正するので、常に、各ア
クチュエータ(油圧シリンダ)の制御状態を相互に考慮
した制御目標値の補正が行なわれ、各アーム部材(ブー
ム,スティック)はフィードバック偏差情報の無い理想
的な状態で動作する。従って、この場合も、あらゆる建
設作業を極めて高精度に行なうことができるようになる
(請求項2,7)。
【0106】なお、上記の姿勢検出手段は、上記のシリ
ンダ式アクチュエータ(ブーム/スティック油圧シリン
ダ)の伸縮変位情報を検出する(ブーム/スティック)
伸縮変位検出手段として構成すれば、各アーム部材(ブ
ーム,スティック)の姿勢情報を、シリンダ式アクチュ
エータ(油圧シリンダ)の伸縮変位情報を検出すること
によって簡便に検出することができるので、簡素な構成
で各アーム部材(ブーム,スティック)の姿勢情報を正
確に得ることができる(請求項3,8)。
【0107】また、本制御装置では、上記の第1(ブー
ム)補正制御系に第1(ブーム)補正値発生部を設け、
第2(スティック)補正制御系に第2(スティック)補
正値発生部を設けるという簡素な構成で、第1(ブー
ム)制御系の制御目標値を補正するための第1(ブー
ム)補正値,第2(スティック)制御系の制御目標値を
補正するための第2(スティック)補正値をそれぞれ発
生して、確実に、制御目標値の補正を行なうことができ
るので、補正処理時の信頼性も向上する(請求項4,
9)。
【0108】さらに、上記の第1(ブーム)補正制御系
に、上記の第1(ブーム)補正値に対して第1(ブー
ム)重み係数を付加する第1(ブーム)重み係数付加部
を設ければ、第1(ブーム)補正値を必要に応じて可変
にすることができるので、制御目標値の補正を柔軟に行
なうことができ、アーム部材(ブーム)がどのような状
態(姿勢)にあっても常に最適な補正,制御を行なうこ
とができる(請求項5,10)。
【0109】また、上記の第2(スティック)補正制御
系に、上記の第2(スティック)補正値に対して第2
(スティック)重み係数を付加する第2(スティック)
重み係数付加部を設ければ、第2(スティック)補正値
も必要に応じて可変にすることができるので、この場合
も、制御目標値の補正を柔軟に行なうことができ、アー
ム部材(スティック)がどのような状態(姿勢)にあっ
ても常に最適な補正,制御を行なうことができる(請求
項6,11)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる制御装置を搭載し
た油圧ショベルの模式図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる制御システム構成
を概略的に示す図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる制御装置の制御系
構成を概略的に示す図である。
【図4】本発明の一実施形態にかかる制御システムの全
体構成を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態にかかる要部制御ブロック
図である。
【図6】本発明の一実施形態にかかる要部制御ブロック
図である。
【図7】本発明の一実施形態にかかる重み係数付加部の
特性を説明するための図である。
【図8】本発明による油圧ショベルの動作部分の概略図
である。
【図9】本発明による油圧ショベルの動作を示す概略図
である。
【図10】本発明による油圧ショベルの動作を示す概略
図である。
【図11】本発明による油圧ショベルの動作を示す概略
図である。
【図12】本発明による油圧ショベルの動作を示す概略
図である。
【図13】本発明による油圧ショベルの動作を示す概略
図である。
【図14】従来の油圧ショベルの概略構成を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 コントローラ(制御手段) 1A〜1C 制御部 1A′ ブーム(第1)制御系 1B′ スティック(第2)制御系 2 外部ターミナル 3A〜3C 電磁比例弁 4A〜4C 電磁切替弁 5 安全弁 6 ブーム,バケット操作レバー 7 バケット自動復帰スタートスイッチ 8 スティック操作レバー 9 法面掘削スイッチ 10 目標法面角設定器付モニタパネル 11 スティック合流比例弁 11A ブーム(第1)補正制御系 11B スティック(第2)補正制御系 13 ブーム用主制御弁 14 スティック用主制御弁 15 バケット用主制御弁 16 圧力スイッチ 17 セレクタ弁(操作レバー用) 18 セレクタ弁(手動/半自動モード用) 19 圧力センサ 20 ブームシリンダ用レゾルバ(第1角度センサ:ブ
ーム姿勢検出手段) 21 スティックシリンダ用レゾルバ(第2角度セン
サ:スティック姿勢検出手段) 22 バケットシリンダ用レゾルバ(第3角度センサ) 23 エンジン回転速度センサ 24 傾斜角センサ 26 信号変換器(変換手段) 26A 入力インタフェース 26B メモリ 26B−1 ルークアップテーブル 26C 主演算装置(CPU) 26D 出力インタフェース 27 エンジンポンプコントローラ 28A,28B 圧力センサ 50 パイロットポンプ 51,52 ポンプ 70 ゲインスケジューラ 71 非線形除去テーブル 72 フィードバックループ式補償手段 73 フィードフォワードループ式補償手段 80 目標値設定手段 81 油温検出手段 82 シリンダ負荷検出手段 83 姿勢検出手段 90 運転状態検出手段 91 動作情報検出手段 100 上部旋回体(建設機械本体) 111A ブーム(第1)補正値発生部 111B スティック(第2)補正値発生部 112 歯先 112A ブーム(第1)重み係数付加部 112B スティック(第2)重み係数付加部 120 ブームシリンダ(シリンダ式アクチュエータ) 121 スティックシリンダ(シリンダ式アクチュエー
タ) 122 バケットシリンダ(シリンダ式アクチュエー
タ) 130 リンク機構 200 ブーム 300 スティック 400 バケット 500 下部走行体 500A 無限軌条部 600 運転操作室 E エンジン

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建設機械本体に装備された関節式アーム
    機構を構成する相互に枢着された少なくとも一対のアー
    ム部材をシリンダ式アクチュエータで駆動する際に、検
    出された上記の各アーム部材の姿勢情報に基づいて、上
    記の各アーム部材が所定の姿勢となるように、該シリン
    ダ式アクチュエータをフィードバック制御する建設機械
    の制御装置において、 該一対のアーム部材のそれぞれが、自己以外の他のアー
    ム部材の制御系におけるフィードバック偏差情報に基づ
    いて、自己のアーム部材の制御系における制御目標値を
    補正すべく、相互に連携して制御されるように構成され
    たことを特徴とする、建設機械の制御装置。
  2. 【請求項2】 建設機械本体と、 該建設機械本体に一端部を枢着され他端側に作業部材を
    有するとともに、関節部を介して相互に接続された少な
    くとも一対のアーム部材を有する関節式アーム機構と、 伸縮動作を行なうことにより該アーム機構を駆動する複
    数のシリンダ式アクチュエータを有するシリンダ式アク
    チュエータ機構と、 上記の各アーム部材の姿勢情報を検出する姿勢検出手段
    と、 該姿勢検出手段で検出された検出結果に基づいて、上記
    の各アーム部材が所定の姿勢となるように、該シリンダ
    式アクチュエータを制御する制御手段とをそなえ、 該制御手段が、 該一対のアーム部材のうちの一方のアーム部材のための
    第1シリンダ式アクチュエータをフィードバック制御す
    る第1制御系と、 該一対のアーム部材のうちの他方のアーム部材のための
    第2シリンダ式アクチュエータをフィードバック制御す
    る第2制御系とをそなえるとともに、 該第2制御系におけるフィードバック偏差情報に基づい
    て、該第1制御系の制御目標値を補正する第1補正制御
    系と、 該第1制御系におけるフィードバック偏差情報に基づい
    て、該第2制御系の制御目標値を補正する第2補正制御
    系とをそなえて構成されたことを特徴とする、建設機械
    の制御装置。
  3. 【請求項3】 該姿勢検出手段が、該シリンダ式アクチ
    ュエータの伸縮変位情報を検出する伸縮変位検出手段と
    して構成されたことを特徴とする、請求項2記載の建設
    機械の制御装置。
  4. 【請求項4】 該第1補正制御系に、該第2制御系にお
    けるフィードバック偏差情報から該第1制御系の制御目
    標値を補正するための第1補正値を発生する第1補正値
    発生部が設けられるとともに、 該第2補正制御系に、該第1制御系におけるフィードバ
    ック偏差情報から該第2制御系の制御目標値を補正する
    ための第2補正値を発生する第2補正値発生部が設けら
    れたことを特徴とする、請求項2記載の建設機械の制御
    装置。
  5. 【請求項5】 該第1補正制御系に、該第1補正値に対
    して第1重み係数を付加する第1重み係数付加部が設け
    られたことを特徴とする、請求項4記載の建設機械の制
    御装置。
  6. 【請求項6】 該第2補正制御系に、該第2補正値に対
    して第2重み係数を付加する第2重み係数付加部が設け
    られたことを特徴とする、請求項4記載の建設機械の制
    御装置。
  7. 【請求項7】 建設機械本体と、 該建設機械本体に対して、一端が回動可能に接続される
    ブームと、 該ブームに対して一端が関節部を介して回動可能に接続
    されるとともに、先端が地面を掘削し内部に土砂を収容
    可能なバケットを他端に枢着されるスティックと、 該建設機械本体と該ブームとの間に介装され、端部間の
    距離が伸縮することにより該ブームを該建設機械本体に
    対して回転させるブーム油圧シリンダと、 該ブームと該スティックとの間に介装され、端部間の距
    離が伸縮することにより、該スティックを該ブームに対
    して回転させる、スティック油圧シリンダと、 該ブームの姿勢情報を検出するブーム姿勢検出手段と、 該スティックの姿勢情報を検出するスティック姿勢検出
    手段と、 該ブーム姿勢検出手段の検出結果に基づいて、該ブーム
    油圧シリンダをフィードバック制御するブーム制御系
    と、 該スティック姿勢検出手段の検出結果に基づいて、該ス
    ティック油圧シリンダをフィードバック制御するスティ
    ック制御系と、 該スティック制御系におけるフィードバック偏差情報に
    基づいて、該ブーム制御系の制御目標値を補正するブー
    ム補正制御系と、 該ブーム制御系におけるフィードバック偏差情報に基づ
    いて、該スティック制御系の制御目標値を補正するステ
    ィック補正制御系とをそなえて構成されたことを特徴と
    する、建設機械の制御装置。
  8. 【請求項8】 該ブーム姿勢検出手段が、該ブーム油圧
    シリンダの伸縮変位情報を検出するブーム油圧シリンダ
    伸縮変位検出手段として構成されるとともに、該スティ
    ック姿勢検出手段が、該スティック油圧シリンダの伸縮
    変位情報を検出するスティック油圧シリンダ伸縮変位検
    出手段として構成されたことを特徴とする、請求項7記
    載の建設機械の制御装置。
  9. 【請求項9】 該ブーム補正制御系に、該スティック制
    御系におけるフィードバック偏差情報から該ブーム制御
    系の制御目標値を補正するためのブーム補正値を発生す
    るブーム補正値発生部が設けられるとともに、 該スティック補正制御系に、該ブーム制御系におけるフ
    ィードバック偏差情報から該スティック制御系の制御目
    標値を補正するためのスティック補正値を発生するステ
    ィック補正値発生部が設けられたことを特徴とする、請
    求項7記載の建設機械の制御装置。
  10. 【請求項10】 該ブーム補正制御系に、該ブーム補正
    値に対してブーム重み係数を付加するブーム重み係数付
    加部が設けられたことを特徴とする、請求項9記載の建
    設機械の制御装置。
  11. 【請求項11】 該スティック補正制御系に、該スティ
    ック補正値に対してスティック重み係数を付加するステ
    ィック重み係数付加部が設けられたことを特徴とする、
    請求項9記載の建設機械の制御装置。
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