JPH10251747A - 疲労強度に優れた鋼板部材 - Google Patents

疲労強度に優れた鋼板部材

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JPH10251747A
JPH10251747A JP8460897A JP8460897A JPH10251747A JP H10251747 A JPH10251747 A JP H10251747A JP 8460897 A JP8460897 A JP 8460897A JP 8460897 A JP8460897 A JP 8460897A JP H10251747 A JPH10251747 A JP H10251747A
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JP
Japan
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shape
fatigue strength
worked
hardness
plastic working
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Pending
Application number
JP8460897A
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English (en)
Inventor
Michiharu Nakaya
道治 中屋
Tetsuo Toyoda
哲夫 十代田
Hidenori Shirasawa
秀則 白沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 応力集中が生じる形状加工部を有する鋼板部
材について、その疲労強度を向上させる。 【解決手段】 形状加工部2が板厚方向に貫通状に形成
され、一方の板面S1における前記形状加工部の応力集
中が生じる周縁部に対し、該周縁部を押し拡げる塑性加
工が施されている。塑性加工が施されていない他方の板
面S2および形状加工面S3から0.5mm離れた位置P
における基準硬さをHv1、塑性加工面S4の中央部から
0.2mm離れた位置Qにおける加工硬さをHv2としたと
き、下記式(1) を満たし、かつ他方の板面S2における
形状加工部の周縁部での周方向の圧縮残留応力をσr
(N/mm2 ) としたとき、下記式(2) を満足する。前記
形状加工部の形状としては、穴や切り欠きを含む。 0.45≧(Hv2−Hv1)/Hv1…(1)、 σr ≧0.4
0Hv1…(2)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は機械構造部品、自動
車部品、一般鋼板製品等として用いられる、優れた疲労
特性を有する鋼板部材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の安全性向上および燃費向
上の観点から、自動車用鋼板部材の高強度薄肉化が広く
進められている。鋼板部材には、穴加工や切り欠き加工
等により応力集中が生じる形状加工部が形成されるのが
通例であるが、鋼板部材の素材として高強度鋼板を用い
た場合、部材の切欠き感受性が高くなるため、疲労強度
が低下するという問題がある。
【0003】また、薄鋼板部材の場合、形状加工部は打
ち抜き加工に代表されるようなせん断加工により形成さ
れる場合が大半である。この場合、せん断加工により生
じたバリや破断面に存在するボイド等により疲労強度は
さらに大きく低下するようになる。
【0004】かかる疲労強度の低下の問題に対して、形
状加工部をレーザー加工や機械切削加工により形成する
ことが試みられている。これらの加工方法では、専用の
設備が必要になるうえ、大量生産には向かないため製造
コスト面では不利である。また、せん断加工により生じ
たバリや破断面の悪影響を避けることができるが、積極
的に疲労強度を向上させることはできない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる問題に
鑑みなされたもので、応力集中が生じる形状加工部を有
する鋼板部材について、その疲労強度を向上させること
を課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の鋼板部材は、形
状加工部が板厚方向に貫通状に形成され、一方の板面に
おける前記形状加工部の応力集中が生じる周縁部に対
し、該周縁部を押し拡げる塑性加工が施され、該塑性加
工が施されていない他方の板面および形状加工面から
0.5mm離れた位置における基準硬さをHv1、塑性加工
面の中央部から0.2mm離れた位置における加工硬さを
Hv2としたとき、下記式(1) を満たし、かつ他方の板面
における形状加工部の周縁部での周方向の圧縮残留応力
をσr (N/mm2 ) としたとき、下記式(2) を満足する
ものである。前記形状加工部の形状としては、穴や切り
欠きを含む。 0.45≧(Hv2−Hv1)/Hv1……(1) σr ≧0.40Hv1 ……(2)
【0007】前記形状加工部の周縁部に対して、該周縁
部を押し拡げる塑性加工を施すことにより、周縁部にお
ける疲労破壊の起点となる凹凸部分が圧壊されて平滑
化、高硬度化され、また大きな圧縮残留応力が付与され
る。
【0008】圧縮残留応力は大きいほど疲労強度を改善
する効果があり、前記塑性加工の程度を大きくすれば良
いが、素材鋼板の降伏応力を越えて圧縮残留応力を付与
することは出来ず、また必要以上の塑性加工を付与する
ことは、成形荷重の上昇、加工工具の磨耗の観点から望
ましくない。また、塑性加工による過度の高硬度化は切
欠き感受性を却って増加させる原因となり、疲労強度を
低下させるおそれがある。このため、本発明では、塑性
加工の影響が少ない基準硬さHv1、塑性加工の影響が顕
著な加工硬さHv2について、式(1) を満足するように規
定した。すなわち、塑性加工が施されていない板面側の
基準硬さHv1に比べて塑性加工を施した板面側の加工硬
さHv2が大きくなり過ぎて式(1) を満たすことができな
いようになると、後述の実施例から明らかなとおり、過
度の塑性加工による必要以上の成形荷重上昇、工具磨耗
等の損失を受けるうえに、切欠き感受性の増加によりか
えって疲労強度が低下するようになる。
【0009】また、一般に、疲労強度は素材の強度とと
もに上昇し、圧縮残留応力は疲労強度を改善する効果を
有しているが、材料強度に比して残留応力が小さ過ぎる
と疲労強度の改善効果は相対的に小さくなり、ばらつき
の範囲内となる。それゆえ、鋼板強度ひいてはこれにほ
ぼ対応する基準硬さHv1と関係するある値以上の圧縮残
留応力σr (塑性加工を施さない側の板面における形状
加工部の周縁部での周方向の圧縮残留応力)が必要にな
り、式(2) を満たすことがでさない場合には、後述の実
施例から明らかなとおり、十分な疲労強度の上昇は望め
ないようになる。
【0010】素材鋼板に対する形状加工としては、打ち
抜き加工等のせん断加工が生産性に優れており、多用さ
れている。せん断加工を施した場合、工具進入側すなわ
ち加工を受けた側の形状加工部周縁部は、応力集中が緩
和され、また圧縮残留応力が付与されるため、疲労破壊
の起点とはなりにくい。一方、工具抜け側の板面にはば
りが形成され、加工面もせん断破壊面となるため疲労破
壊の起点となりやすい。従って、形状加工部がせん断加
工により形成される場合、周縁部を押し拡げる塑性加工
は、請求項2に記載したように、せん断加工によりバリ
が生じる板面側に施すことが効果的である。なお、切削
加工やレーザー加工により形状加工を行う場合は、塑性
加工を施す板面の選択順位は問わない。
【0011】
【実施例】440N/mm2 級〜780N/mm2 級の薄鋼
板から平面曲げ疲労試験片(90×30mm)を作製し
た。試験片の中央部には形状加工部として10mmφの丸
穴を打ち抜き加工および切削加工により開けた。その
後、図2に示したように、試験片1を支持板4に支持
し、一方の板面S1に対し、パンチ5の押し込みによる
塑性加工を穴の開口周縁部に施し、該周縁部を拡径加工
した。打ち抜き穴の場合は、バリのある板面S1からパ
ンチを押し込んだ。パンチ5は頂角が30度と60度の
円錐パンチ、および35φの球頭パンチを用い、パンチ
荷重は0.5〜4.5 tonの範囲で変化させた。疲労試
験は、両振り(R=−1)、周波数24Hzの条件で行っ
た。
【0012】一方、疲労試験片と同様の試験片を用い
て、穴の開口周縁部の残留応力および基準硬さ及び加工
硬さを測定した。残留応力は、パンチ加工が施されてい
ない板面(図1のS2)における穴の開口周縁部に周方
向に沿ってゲージ長さ1mmの歪みゲージを貼り付けた
後、歪ゲージを貼り付けた板部を切断して、周方向の応
力を開放する方法(切断開放法)により測定した。な
お、歪みゲージはゲージの中心が開口縁より径外方向に
0.5mmの位置となるように貼り付けた。
【0013】また、硬さは図1に示すように、パンチ加
工が施されていない板面S2および穴(形状加工部)2
の内面(形状加工面)S3から0.5mm離れた位置Pに
おける硬さ(基準硬さ:Hv1)及びパンチ加工面(塑性
加工面)S4の中央部から0.2mm離れた位置Qにおけ
る硬さ(加工硬さ:Hv2)を測定した。なお、3は打ち
抜き加工の際に生じたバリを示す。
【0014】素材鋼板の板厚、引張強さTS、穴加工方
法、穴周縁部の塑性加工に使用したパンチの種類、板面
S1からの拡径加工の深さH(図1参照)ならびに硬
さ、残留応力の測定結果を表1に示す。また、素材鋼板
の引張強さに対する発明例及び比較例の疲労限との関係
を整理したものを図3に示す。
【0015】
【表1】
【0016】表1および図3より、発明例は適度な圧縮
残留応力により高い疲労強度を有していることがわか
る。しかし、パンチによる塑性加工の程度が低く、式
(2) を満たす残留応力が付与されていない比較例(試料
No. 3,4,8,11)では、例えばNo. 1とNo. 3、
No. 6とNo. 8から明らかなとおり、同じ素材を用いて
も、また打ち抜き加工により生じたばりが圧壊除去され
ていても、発明例の疲労強度は比較例よりも50N/mm
2 以上高い。また、過剰な塑性加工を施した結果、式
(1) を満足しないようになったNo. 12〜14では、残
留応力は十分な値を有しているが、例えばNo. 6とNo.
12から明らかなように、硬さの過度の上昇による切欠
き感受性の上昇により疲労強度がかえって低下している
ことがわかる。
【0017】
【発明の効果】本発明の疲労強度に優れた鋼板部材によ
れば、形状加工部の周縁部における疲労破壊の起点とな
る凹凸部分が圧壊されて平滑化、高硬度化され、また素
材鋼板の引張強さに応じて最適な圧縮残留応力が付与さ
れているため、優れた疲労強度が得られる。とくに、打
ち抜き加工等のせん断加工により形状加工を施した場
合、せん断加工によりバリが生じる板面側に前記塑性加
工を施すことにより、大きな疲労強度の向上効果が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】塑性加工が施された鋼板試験片の要部断面図で
ある。
【図2】試験片の加工穴の開口周縁部に対する塑性加工
(パンチ加工)要領を示す説明図である。
【図3】発明例および比較例の素材鋼板の引張強さと試
験片の疲労限との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 試験片(鋼板部材) 2 穴(形状加工部) 3 バリ P 基準硬さ測定位置 Q 加工硬さ測定位置 S1 塑性加工を施す側の板面 S2 塑性加工を施さない側の板面 S3 穴内面(形状加工面) S4 パンチ加工面(塑性加工面)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 形状加工部が板厚方向に貫通状に形成さ
    れ、一方の板面における前記形状加工部の応力集中が生
    じる周縁部に対し、該周縁部を押し拡げる塑性加工が施
    され、該塑性加工が施されていない他方の板面および形
    状加工面から0.5mm離れた位置における基準硬さをH
    v1、塑性加工面の中央部から0.2mm離れた位置におけ
    る加工硬さをHv2としたとき、 0.45≧(Hv2−Hv1)/Hv1 であり、かつ他方の板面における形状加工部の周縁部で
    の周方向の圧縮残留応力をσr (N/mm2 ) としたと
    き、 σr ≧0.40Hv1 であることを特徴とする疲労強度に優れた鋼板部材。
  2. 【請求項2】 形状加工部がせん断加工により形成さ
    れ、せん断加工によりバリが生じる板面側から塑性加工
    が施された請求項1に記載した疲労強度に優れた鋼板部
    材。
JP8460897A 1997-03-17 1997-03-17 疲労強度に優れた鋼板部材 Pending JPH10251747A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010106896A (ja) * 2008-10-28 2010-05-13 Aisin Aw Co Ltd シャフト、プラネタリギヤ装置および自動変速機

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010106896A (ja) * 2008-10-28 2010-05-13 Aisin Aw Co Ltd シャフト、プラネタリギヤ装置および自動変速機

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