JPH10251690A - 洗浄方法 - Google Patents

洗浄方法

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JPH10251690A
JPH10251690A JP8230497A JP8230497A JPH10251690A JP H10251690 A JPH10251690 A JP H10251690A JP 8230497 A JP8230497 A JP 8230497A JP 8230497 A JP8230497 A JP 8230497A JP H10251690 A JPH10251690 A JP H10251690A
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solvent
cleaning
carbon
fluorine
hydrogen
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JP8230497A
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English (en)
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Hiroshi Obuse
洋 小布施
Seiji Furukawa
清治 古川
Fumiko Ishido
史子 石堂
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Kurita Water Industries Ltd
Original Assignee
Kurita Water Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フロン代替洗浄剤である炭化水素系溶媒と金属
イオンに配位し得る有機化合物を含有する洗浄剤組成物
で洗浄したのち、洗浄される物品の表面に付着している
洗浄剤組成物を短時間に除去して、優れた即乾性と清浄
仕上げを可能とする洗浄方法を提供する。 【解決手段】炭化水素系溶媒と金属イオンに配位し得る
有機化合物を含有する洗浄剤組成物で洗浄した物品を、
構成元素が炭素、水素及びフッ素である溶媒、又は、炭
素、水素、フッ素及び酸素である溶媒を用いて蒸気洗浄
することを特徴とする洗浄方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、洗浄方法に関す
る。さらに詳しくは、本発明は、炭化水素系溶媒と金属
イオンに配位し得る有機化合物を含有する洗浄剤で洗浄
したのち、フロンなどの地球環境に悪影響を与えるおそ
れのない溶媒を用いて洗浄し、洗浄される物品が直ちに
乾燥して精密仕上げが可能となる。特に、電子部品、電
機部品、一般機械部品、精密機械部品、光学・ガラス部
品などの洗浄に適した洗浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子部品、電機部品、一般機械部品、精
密機械部品、光学・ガラス部品などを洗浄する洗浄剤と
して、フロンやトリクロロエタンなどの溶媒が、長期間
にわたり広く用いられてきた。しかし、これらフロンや
トリクロロエタンなどの溶媒は、大気中を上昇して成層
圏に達するとオゾン層を破壊し、有害な紫外線が増え、
皮膚がんの増加、地球温度の上昇など、地球的規模の異
常気象や、生態系への悪影響が指摘され、使用量の削減
や使用の中止が決められた。このため、フロンなどの溶
媒の代わりに、このような懸念の少ない溶媒、いわゆる
フロン代替洗浄剤による洗浄が行われるようになってき
た。本発明者は、先に特開平8−231989号公報に
おいて、フロン代替洗浄剤として、炭化水素系溶媒と金
属イオンに配位し得る有機化合物を含有する洗浄組成物
を提案した。この組成物を用いた洗浄は、フロンやトリ
クロロエタンのような地球環境に悪影響を与える懸念が
少なく、かつイオン性の汚れに対する洗浄力が優れてい
る。しかし、この洗浄組成物は金属イオンに配位し得る
有機化合物を含有しているために、洗浄後のすすぎ洗浄
と乾燥の工程において問題が残されていた。すなわち、
乾燥工程としては、従来より一般に蒸気洗浄が行われて
いる。蒸気洗浄においては、沸点が比較的低い溶媒が用
いられ、この溶媒の蒸気で飽和した気相中に、浸漬洗浄
又はスプレー洗浄をした後の、洗浄剤で濡れている物品
を入れる。すると、この物品と溶媒蒸気との温度差によ
って、蒸気が物品の表面で凝縮する。したがって、溶媒
の凝縮液によって、物品表面に付着している洗浄剤がす
すぎ洗浄される。物品の温度が溶媒蒸気と同じ温度に上
昇するまでは、溶媒の物品表面における凝縮が継続され
るので、物品表面が常に新しい溶媒凝縮液に接触するこ
とになり、効率的なすすぎ洗浄が行われる。したがっ
て、このような蒸気洗浄を行うと、高度な仕上がり性と
清浄性が得られる。この後、物品を蒸気相より外部に取
り出すと、物品は溶媒の沸点まで温度上昇しているの
で、迅速かつ容易に乾燥する。フロンやトリクロロエタ
ンなどの溶媒を用いた蒸気洗浄は、高度な清浄性と即乾
性を兼ね備えた、効率的なすすぎ洗浄と乾燥を兼ね備え
た方法である。また、フロンやトリクロロエタンなど
は、浸漬洗浄から蒸気洗浄まで、一貫して同一溶媒によ
る洗浄、いわゆる一液洗浄が可能である。このために、
フロンやトリクロロエタンなどが、精密洗浄分野を中心
として、洗浄剤として広く利用されてきた。フロン代替
洗浄剤としては、水性の洗浄剤や、非水溶媒に特殊な添
加剤を添加した洗浄剤が種々提案されている。しかし、
これらのフロン代替洗浄剤の中には、フロンやトリクロ
ロエタンなどのような、一液洗浄が可能で即乾性をあわ
せ持つ溶媒はまだ見いだされていない。このため、フロ
ン代替洗浄剤で洗浄した後の乾燥工程には、蒸気洗浄を
行わない方法も試みられている。これらの蒸気洗浄を行
わない乾燥方法としては、熱風乾燥や真空乾燥などの直
接乾燥法が知られている。また、フロンなどより地球環
境に対する悪影響が小さいとされているパーフルオロカ
ーボンのような、フッ素系溶媒を使用した浸漬洗浄や蒸
気洗浄も行われている。これらの従来の乾燥方法のう
ち、熱風乾燥や真空乾燥などの直接乾燥法では、水又は
沸点の高い洗浄剤成分を乾燥させるために、乾燥工程に
時間がかかり生産性が低くなるという問題がある。さら
にまた、水性洗浄剤で洗浄すると、洗浄される物品に錆
やシミが発生しやすいという問題もある。また、水以外
の溶媒で洗浄した場合には、直接乾燥工程で蒸発した溶
媒の大気中への放出という問題がある。また、パーフル
オロカーボンによる蒸気洗浄を行うと、フロンやトリク
ロロエタンと同等の即乾・精密仕上げは可能であるが、
パーフルオロカーボン自体は溶解力をほとんど有しない
ため、浸漬洗浄又はスプレー洗浄に使用し得る洗浄剤が
限られるという問題がある。また、気化し逸散するパー
フルオロカーボンの地球環境への悪影響も懸念されてい
る。本発明者が先に特開平8−231989号公報にお
いて提案した炭化水素系溶媒と金属イオンに配位し得る
有機化合物を含有する洗浄組成物は、フロン代替洗浄剤
の1種であり、浸漬洗浄又はスプレー洗浄で使用するこ
とにより、イオン性残渣に対する高い洗浄力を発揮す
る。しかし、金属イオンに配位し得る有機化合物の沸点
が高いために、乾燥前に何らかの溶媒によるすすぎ洗浄
が必要であった。すすぎ洗浄用の溶媒としては、安全性
を考慮すると、引火点の高い溶媒が望ましい。しかし、
引火点の高い溶媒は、一般に沸点もまた高いので、その
後の直接乾燥に長時間を必要とするという問題があっ
た。また、直接乾燥時に、気化した溶媒蒸気を大気中に
逸散させないための対策が必要となるという問題もあっ
た。また、この炭化水素系溶媒と金属イオンに配位し得
る有機化合物を含有する洗浄剤で洗浄した物品を、パー
フルオロカーボンなどの溶媒を用いて蒸気洗浄をして乾
燥する方法も試みたが、パーフルオロカーボンなどの溶
媒は、この洗浄剤組成物に対する溶解力が不足している
ため、複雑な形状の物品の場合には、すすぎ洗浄の効果
が悪く、このために完全に乾燥しがたいという問題があ
った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、フロン代替
洗浄剤である炭化水素系溶媒と金属イオンに配位し得る
有機化合物を含有する洗浄剤組成物で洗浄したのち、洗
浄される物品の表面に付着している洗浄剤組成物を短時
間に除去して、優れた即乾性と清浄仕上げを可能とする
洗浄方法を提供することを目的としてなされたものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、物品を炭化水素
系溶媒と金属イオンに配位し得る有機化合物を含有する
洗浄剤組成物で洗浄したのち、炭素、水素及びフッ素か
らなる溶媒、又は、炭素、水素、フッ素及び酸素からな
る溶媒で蒸気洗浄することにより、即乾性と清浄仕上げ
を同時に達成し得ることを見いだし、この知見に基づい
て本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、
(1)炭化水素系溶媒と金属イオンに配位し得る有機化
合物を含有する洗浄剤組成物で洗浄した物品を、構成元
素が炭素、水素及びフッ素である溶媒、又は、炭素、水
素、フッ素及び酸素である溶媒を用いて蒸気洗浄するこ
とを特徴とする洗浄方法、(2)構成元素が炭素、水素
及びフッ素である溶媒、又は、炭素、水素、フッ素及び
酸素である溶媒ですすぎ洗浄したのち、該溶媒で蒸気洗
浄することを特徴とする第(1)項記載の洗浄方法、
(3)構成元素が炭素、水素及びフッ素である溶媒が、
デカフルオロペンタン又はオクタフルオロシクロペンタ
ンであり、構成元素が炭素、水素、フッ素及び酸素であ
る溶媒がノナフルオロブチルメチルエーテル又はノナフ
ルオロブチルエチルエーテルである第(1)項又は第(2)
項記載の洗浄方法、及び、(4)洗浄される物品が、電
子部品、電機部品、一般機械部品、精密機械部品又は光
学・ガラス部品である第(1)項、第(2)項又は第(3)項
記載の洗浄方法、を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明方法においては、炭化水素
系溶媒と金属イオンに配位し得る有機化合物を含有する
洗浄剤組成物で洗浄した物品を、構成元素が炭素、水素
及びフッ素である溶媒、又は、構成元素が炭素、水素、
フッ素及び酸素である溶媒を用いて蒸気洗浄する。本発
明方法において使用する炭化水素系溶媒には特に制限は
なく、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、イソヘキ
サン、n−ヘプタン、イソヘプタン、イソオクタン、デ
カン、ドデカン、ヘキサデカン、イコサンなどのパラフ
ィン系炭化水素、1−デセン、1−ドデセンなどのオレ
フィン系炭化水素、シクロヘキサン、デカリンなどのナ
フテン系炭化水素、リモネン、ピネンなどのテルペン系
炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベン
ゼン、テトラリンなどの芳香族炭化水素などのほか、石
油エーテル、石油ベンジン、リグロイン、ソルベントナ
フサなどを挙げることができる。本発明において、これ
らの炭化水素系溶媒は、1種を単独で使用することがで
き、2種以上を混合して使用することができる。これら
の炭化水素系溶媒のうち、炭素数5〜20の脂肪族炭化
水素は洗浄効果に優れるので、特に好適に使用すること
ができる。安全性を重視する場合には、これらのうち、
引火点が70℃以上の溶媒(消防法第四類第三石油類)
を使用することが望ましい。
【0006】本発明方法において使用する金属イオンに
配位し得る有機化合物は、炭化水素系溶媒に可溶のもの
であれば特に制限はなく、このような金属イオンに配位
し得る有機化合物としては、例えば、酸素原子を配位原
子とする1−アルキル−2−ピロリジノン、トリアルキ
ルホスフィンオキシド、ジアルキルスルホキシドなどを
挙げることができる。これらの化合物において、アルキ
ル基は炭素数3〜18の直鎖状アルキル基であることが
好ましいが、アルキル基が短い側鎖を有する化合物であ
っても使用することができる。このような配位性化合物
としては、具体的には、例えば、1−n−オクチル−2
−ピロリジノン(NOP)、1−n−ドデシル−2−ピ
ロリジノン(NDP)、トリ−n−オクチルホスフィン
オキシド(TOPO)、ジ−n−ブチルスルホキシド
(DBSO)、トリ−n−ブチルホスフィンオキシド
(TBPO)などを挙げることができる。これらの配位
性化合物は炭化水素系溶媒に1種のみを添加することが
でき、あるいは2種以上を添加することができる。本発
明方法において、炭化水素系溶媒と金属イオンに配位し
得る有機化合物を含有する洗浄剤組成物による洗浄方法
には特に制限はなく、例えば、浸漬洗浄、スプレー洗浄
などによることができる。浸漬洗浄においては、洗浄槽
に入れた洗浄剤組成物に洗浄される物品を浸漬する。こ
のとき、洗浄剤組成物を撹拌し、流動させ、あるいは洗
浄剤組成物に超音波を伝達することにより、洗浄効率を
高めることができる。スプレー洗浄においては、洗浄さ
れる物品に、洗浄剤組成物をノズルなどから噴射するこ
とにより洗浄することができる。
【0007】本発明方法において使用する構成元素が炭
素、水素及びフッ素である溶媒、又は、炭素、水素、フ
ッ素及び酸素である溶媒には特に制限はないが、沸点が
40〜150℃であることが好ましい。溶媒の沸点が4
0℃未満であると、蒸気洗浄において、洗浄される物品
の表面への溶媒の凝縮量が少なく、また、溶媒の揮散に
よる損失が大きくなるおそれがある。溶媒の沸点が15
0℃を超えると、加熱に必要なエネルギーが増大し、ま
た、洗浄される物品が熱により悪影響を受けるおそれが
ある。構成元素が炭素、水素及びフッ素である溶媒、又
は、炭素、水素、フッ素及び酸素である溶媒には不燃性
のものもあり、それらは引火の危険性がないので、洗浄
作業上、安全に使用することができる。本発明方法に使
用する構成元素が炭素、水素及びフッ素である溶媒、又
は、炭素、水素、フッ素及び酸素である溶媒は、分子内
に水素原子を有するので、炭素及びハロゲンのみからな
る溶媒に比較して、大気圏内において分解されやすく、
地球環境に与える悪影響を抑えることができる。構成元
素が炭素、水素、フッ素及び酸素である溶媒は、極性の
大きい化合物に対する溶解力が強いので、金属イオンに
配位し得る有機化合物のような極性の大きい化合物の洗
浄に対して、特に有効である。分子中の酸素は、エーテ
ル型酸素であってもよいし、アルコール型酸素であって
もよい。
【0008】本発明方法に用いる構成元素が炭素、水素
及びフッ素である溶媒としては、デカフルオロペンタ
ン、例えば、1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフ
ルオロペンタン CF3CHFCHFCF2CF3 や、オクタフルオロシクロペンタン、例えば、1,2,
3,3,4,4,5,5−オクタフルオロシクロペンタン
【化1】 などを挙げることができる。また、本発明方法に用いる
構成元素が炭素、水素、フッ素及び酸素である溶媒とし
ては、例えば、ノナフルオロブチルメチルエーテル C49OCH3、 ノナフルオロブチルエチルエーテル C49OC25、 ジフルオロメチル−2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオ
ロブチルエーテル CHF2−O−CH2CF2CFHCF3、 1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシ
プロパン CF3CH(OH)CF3、 1,1,1,2,2,4,4,4−オクタフルオロ−3−ヒド
ロキシブタン CF3CF2CH(OH)CF3、 1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−トリフルオ
ロメチル−2−ヒドロキシプロパン (CF3)3C(OH)、 1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2
−ヒドロキシプロパン (CF3)2C(OH)CH3 などを挙げることができる。これらの溶剤の中で、1,
1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロペンタン、
1,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロシクロペン
タン、ノナフルオロブチルメチルエーテル及びノナフル
オロブチルエチルエーテルを特に好適に使用することが
できる。
【0009】本発明方法においては、構成元素が炭素、
水素及びフッ素である溶媒、又は、炭素、水素、フッ素
及び酸素である溶媒による蒸気洗浄に先立って、構成元
素が炭素、水素及びフッ素である溶媒、又は、炭素、水
素、フッ素及び酸素である溶媒を用いてすすぎ洗浄(リ
ンス)を行うことができる。蒸気洗浄に先立ってすすぎ
洗浄を行うことにより、蒸気洗浄時の液の置換性を高
め、より完全な洗浄を行うことができる。すすぎ洗浄の
方法には特に制限はなく、例えば、浸漬洗浄、スプレー
洗浄などによることができる。浸漬洗浄においては、洗
浄槽に入れた溶媒に洗浄される物品を浸漬する。このと
き、溶媒を撹拌し、流動させ、あるいは溶媒に超音波を
伝達することにより、洗浄効率を高めることができる。
スプレー洗浄においては、洗浄される物品に、溶媒をノ
ズルなどから噴射することにより洗浄することができ
る。すすぎ洗浄においては、必要に応じて、構成元素が
炭素、水素及びフッ素である溶媒、又は、炭素、水素、
フッ素及び酸素である溶媒の代わりに、炭化水素系溶媒
と金属イオンに配位し得る有機化合物を含有する洗浄剤
組成物と、蒸気洗浄に用いる構成元素が炭素、水素及び
フッ素である溶媒、又は、炭素、水素、フッ素及び酸素
である溶媒の双方に親和性を有する溶媒を用いることが
できる。
【0010】本発明方法において、蒸気洗浄の方法には
特に制限はなく、公知の蒸気洗浄方法によることができ
る。例えば、ヒーターを取り付けた蒸気洗浄槽に、構成
元素が炭素、水素及びフッ素である溶媒、又は、炭素、
水素、フッ素及び酸素である溶媒を入れ、加熱すること
により空間に溶媒の蒸気を充満させ、その空間に洗浄さ
れる物品を導いて蒸気洗浄することができる。洗浄され
る物品は、炭化水素系溶媒と金属イオンに配位し得る有
機化合物を含有する洗浄剤組成物を用いて洗浄した物品
であってもよく、あるいは、さらに、構成元素が炭素、
水素及びフッ素からなる溶媒、又は、炭素、水素、フッ
素及び酸素からなる溶媒を用いてすすぎ洗浄した物品で
あってもよい。前工程で用いた洗浄剤組成物又はわずか
の洗浄剤組成物を含む溶媒で濡れている物品が蒸気洗浄
槽内に導かれると、物品と溶媒蒸気との温度差によっ
て、溶媒蒸気が物品の表面で凝縮する。その結果、溶媒
の凝縮液によって、物品の表面に付着している洗浄剤組
成物がすすぎ洗浄される。物品の温度が溶媒蒸気と同じ
温度に上昇するまでは、溶媒の物品表面における凝縮が
継続するので、物品の表面は常に新しい溶媒の凝縮液に
接触することになり、効率的な洗浄が行われる。このよ
うな蒸気洗浄を行うことにより、高度な仕上がり性と清
浄性が得られる。この後、物品を蒸気洗浄槽より外部に
取り出すと、物品は溶媒の沸点まで温度上昇しているの
で、迅速かつ容易に乾燥する。
【0011】図1は、本発明方法の実施の一態様の工程
系統図である。洗浄される物品を、洗浄槽において、炭
化水素系溶媒と金属イオンに配位し得る有機化合物を含
有する洗浄剤組成物により洗浄する。次いで、すすぎ洗
浄槽において、構成元素が炭素、水素及びフッ素である
溶媒、又は、炭素、水素、フッ素及び酸素である溶媒を
用いてすすぎ洗浄する。最後に、蒸気洗浄槽において、
構成元素が炭素、水素及びフッ素である溶媒、又は、炭
素、水素、フッ素及び酸素である溶媒の蒸気に洗浄され
る物品を接触させて、蒸気洗浄を行う。蒸気洗浄槽から
取り出された物品は、溶媒の沸点近くまで加熱されてい
て、溶媒の蒸気圧が高いので速やかに乾燥する。本発明
の洗浄方法においては、洗浄剤組成物に対する溶解性が
強い構成元素が炭素、水素及びフッ素である溶媒、又
は、炭素、水素、フッ素及び酸素である溶媒を用いて蒸
気洗浄するので、良好な仕上がり清浄度を得ることがで
きる。蒸気洗浄に、従来より使用されてきたパーフルオ
ロカーボンを用いると、洗浄剤組成物がパーフルオロカ
ーボンにほとんど溶解しないため、洗浄される物品の表
面における洗浄剤組成物残液とパーフルオロカーボンと
の置換が速やかに進行せず、洗浄と乾燥を十分に行うた
めには長時間を要した。これに対して、本発明方法によ
り、構成元素が炭素、水素及びフッ素である溶媒、又
は、炭素、水素、フッ素及び酸素である溶媒を用いて蒸
気洗浄を行うと、これらの溶媒の炭化水素系溶媒と金属
イオンに配位し得る有機化合物を含有する洗浄剤組成物
に対する溶解力が大きいので、洗浄剤組成物残液と溶媒
との液置換が迅速に進行し、清浄度に優れた乾燥表面を
迅速に得ることができ、電子部品、電機部品、一般機械
部品、精密機械部品、光学・ガラス部品などの精密洗浄
を効果的かつ効率的に行うことができる。
【0012】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。 実施例1 部品を表面実装した寸法80mm×120mmのプリント基
板の洗浄を行った。炭化水素系溶媒[テクリーンN−2
0、日本石油(株)]86.6重量部に1−n−ドデシル
−2−ピロリジノン13.4重量部を溶解した洗浄剤を
浸漬洗浄槽に入れて40℃に保ち、ラックに収めたプリ
ント基板を浸漬し、超音波を伝達して4分間浸漬洗浄し
た。次いで、プリント基板をラックに収めたまま、20
℃に保ったノナフルオロブチルメチルエーテル[HFE
−7100、住友3M(株)、沸点60℃]に4分間浸漬
してすすぎ洗浄した。さらに、下部にヒーターを取り付
けた容量60リットルのステンレス鋼製の容器にノナフ
ルオロブチルメチルエーテル8リットルを入れ、空間に
ノナフルオロブチルメチルエーテルの蒸気が充満してい
る簡易蒸気洗浄槽に、ラックに収めたままのプリント基
板を入れ、4分間蒸気洗浄を行った。プリント基板を簡
易蒸気洗浄槽から取り出し、蒸気洗浄直後のプリント基
板の乾燥状態を目視により観察した。洗浄剤の残留は、
基板上にも、実装部品にも、全く認められなかった。 実施例2 浸漬洗浄から直ちに蒸気洗浄に移り、すすぎ洗浄を行わ
なかった以外は、実施例1と同じ操作を繰り返した。簡
易蒸気洗浄槽から取り出した蒸気洗浄直後のプリント基
板には、洗浄剤の残留は、基板上にも、実装部品にも、
全く認められなかった。 実施例3 ノナフルオロブチルメチルエーテルの代わりに、1,1,
1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロブチルペンタ
ン[バートレルXF、三井デュポンフロロケミカル
(株)、沸点55℃]を用いた以外は、実施例1と同じ操
作を繰り返した。簡易蒸気洗浄槽から取り出した蒸気洗
浄直後のプリント基板には、洗浄剤の残留は、基板上に
も、実装部品にも、全く認められなかった。 実施例4 浸漬洗浄から直ちに蒸気洗浄に移り、すすぎ洗浄を行わ
なかった以外は、実施例3と同じ操作を繰り返した。簡
易蒸気洗浄槽から取り出した蒸気洗浄直後のプリント基
板には、洗浄剤の残留は、基板上にも、実装部品にも、
全く認められなかった。 比較例1 ノナフルオロブチルメチルエーテルの代わりに、オクタ
デカフルオロオクタン[CF3CF2CF2CF2CF2
2CF2CF3、PF−5080、住友3M(株)、沸点
102℃]を用いた以外は、実施例1と同じ操作を繰り
返した。簡易蒸気洗浄槽から取り出した蒸気洗浄直後の
プリント基板には、基板表面の非貫通孔中などに、洗浄
剤が残留していた。 比較例2 浸漬洗浄から直ちに蒸気洗浄に移り、すすぎ洗浄を行わ
なかった以外は、比較例1と同じ操作を繰り返した。簡
易蒸気洗浄槽から取り出した蒸気洗浄直後のプリント基
板には、基板表面のみならず、実装部品の表面にも、洗
浄剤が残留していた。 比較例3 炭化水素系溶媒[テクリーンN−20、日本石油(株)]
86.6重量部に1−n−ドデシル−2−ピロリジノン
13.4重量部を溶解した浸漬洗浄液を40℃に保ち、
実施例1と同様にして、ラックに収めたプリント基板を
浸漬し、超音波を伝達して4分間浸漬洗浄した。次い
で、プリント基板をラックに収めたまま、100℃に保
った熱風乾燥器に入れて4分間乾燥したのち、熱風乾燥
器から取り出し、プリント基板の乾燥状態を目視により
観察した。プリント基板には、基板表面の非貫通孔中な
どに、洗浄剤が残留していた。実施例1〜4及び比較例
1〜3の結果を、第1表に示す。
【0013】
【表1】
【0014】[注]○:洗浄剤の残留が、基板上にも実
装部品にも全く認められない。 △:基板表面の非貫通孔中などに、洗浄剤が残留してい
る。 ×:洗浄剤が、基板表面だけでなく、実装部品の表面に
も残留している。 第1表の結果に見られるように、炭素、水素及びフッ素
からなる溶媒である1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−
デカフルオロブチルペンタン[バートレルXF]、又
は、炭素、水素、フッ素及び酸素からなる溶媒であるノ
ナフルオロブチルメチルエーテル[HFE−7100]
を用いて蒸気洗浄すれば、すすぎ洗浄工程の有無に関わ
らず、蒸気洗浄槽から取り出した直後に完全に乾燥した
状態とすることができる。これに対して、蒸気洗浄用溶
媒として炭素とフッ素のみからなる溶媒であるオクタデ
カフルオロオクタン[PF−5080]を使用した場合
には、すすぎ洗浄を行っても基板表面の非貫通孔中など
に洗浄剤が残留し、さらに、すすぎ洗浄を行わないと、
基板表面のみならず実装部品の表面にも洗浄剤が残留す
る。また、蒸気洗浄を行うことなく、100℃の熱風乾
燥器で乾燥した場合には、4分間の乾燥では不十分で、
基板表面の非貫通孔中などに洗浄剤が残留し、さらに乾
燥を継続する必要がある。以上の結果より、炭化水素系
溶媒と金属イオンに配位し得る有機化合物を含有する洗
浄剤組成物で洗浄した後に、炭素、水素及びフッ素から
なる溶媒、又は、炭素、水素、フッ素及び酸素からなる
溶媒を用いてすすぎ洗浄及び蒸気洗浄、あるいは蒸気洗
浄のみを行えば、洗浄される物品は直ちに乾燥し、精密
仕上げが可能であることが分かった。
【0015】
【発明の効果】本発明の洗浄方法によれば、炭化水素系
溶媒と金属イオンに配位し得る有機化合物を含有する洗
浄剤で洗浄した後に蒸気洗浄を行うことにより、地球環
境に悪影響を与える懸念が少なく、フロンやトリクロロ
エタンによる洗浄と同様な、即乾性と精密仕上げが可能
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明方法の実施の一態様の工程系統
図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C11D 7/34 C11D 7/34 7/36 7/36 C23G 5/032 C23G 5/032 H01L 21/304 341 H01L 21/304 341V 351 351V

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭化水素系溶媒と金属イオンに配位し得る
    有機化合物を含有する洗浄剤組成物で洗浄した物品を、
    構成元素が炭素、水素及びフッ素である溶媒、又は、炭
    素、水素、フッ素及び酸素である溶媒を用いて蒸気洗浄
    することを特徴とする洗浄方法。
  2. 【請求項2】構成元素が炭素、水素及びフッ素である溶
    媒、又は、炭素、水素、フッ素及び酸素である溶媒です
    すぎ洗浄したのち、該溶媒で蒸気洗浄することを特徴と
    する請求項1記載の洗浄方法。
  3. 【請求項3】構成元素が炭素、水素及びフッ素である溶
    媒が、デカフルオロペンタン又はオクタフルオロシクロ
    ペンタンであり、構成元素が炭素、水素、フッ素及び酸
    素である溶媒がノナフルオロブチルメチルエーテル又は
    ノナフルオロブチルエチルエーテルである請求項1又は
    請求項2記載の洗浄方法。
  4. 【請求項4】洗浄される物品が、電子部品、電機部品、
    一般機械部品、精密機械部品又は光学・ガラス部品であ
    る請求項1、請求項2又は請求項3記載の洗浄方法。
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