JP2000070605A - 水切り洗浄方法及び装置 - Google Patents

水切り洗浄方法及び装置

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JP2000070605A
JP2000070605A JP10251618A JP25161898A JP2000070605A JP 2000070605 A JP2000070605 A JP 2000070605A JP 10251618 A JP10251618 A JP 10251618A JP 25161898 A JP25161898 A JP 25161898A JP 2000070605 A JP2000070605 A JP 2000070605A
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道則 横澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 物品の水切り洗浄を非共沸水切り洗浄剤を用
いて冷浴で行う際に、付着水を染みなく除去することが
でき、蒸気発生槽及び水切り洗浄槽中の洗浄剤の濃度変
動が少なく、安定して長時間運転ができる方法及び装置
の提供。 【解決手段】 被洗浄物品を、ハイドロフルオロカーボ
ンまたはハイドロフルオロエーテルと、沸点がそれらよ
りも高いアルコール又は界面活性剤とから成る水切り洗
浄剤を満たした水切り洗浄槽中で洗浄して付着水を除去
し、次いで水切り洗浄槽とは別に設けられた蒸気発生槽
で発生した水切り洗浄剤蒸気を導入して洗浄装置の上部
に形成した蒸気層で蒸気洗浄を行うとともに、水切り洗
浄剤の一部を、水切り洗浄槽と蒸気発生槽の間で循環さ
せる物品の水切り洗浄方法。上記洗浄方法を行うための
水切り洗浄槽、蒸気発生槽および、水切り洗浄剤の一部
を水切り洗浄槽と蒸気発生槽の間で循環させる送液管を
有する水切り洗浄装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、精密機械、光学機
械や電子機器等の金属製、プラスチック製、ガラス製の
部品等に付着した水を除去するのに適した洗浄方法及び
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】精密金属部品、光学部品、電子機器の多
くが加工途中で水を使用しており、この工程の後処理と
して必要な付着残留水の除去及び乾燥には、被洗浄物を
腐食せずに水を洗い落とすことができ、しかもその洗浄
液自体の除去が容易にできるような適当な沸点を持つ洗
浄剤が用いられる。そのような、洗浄剤として、これま
でクロロフルオロカ−ボン系洗浄剤(例えば、CFC-113
、沸点48℃)に界面活性剤を混合した組成物が使用
されてきた。しかし、クロロフルオロカーボンについて
はオゾン層保護の観点からウィ−ン条約やモントリオ−
ル議定書に基づき国際的な規制が実施され、我が国でも
生産は既に停止されている。
【0003】そのため、CFC-113 等のクロロフルオロカ
ーボン系付着水除去用溶剤組成物が有する低毒性、不燃
性、低腐食性の特性を失うことなく、水置換性能が優
れ、且つオゾン層を破壊する恐れがない付着水除去用溶
剤組成物の開発が望まれている。そこで発明者らは、こ
のような溶剤を探索した結果、ハイドロフルオロエーテ
ルに界面活性剤を混合した付着水除去用溶剤組成物(特
願平8-122073号)やハイドロフルオロエーテルに1,2-ジ
クロロエチレン及び界面活性剤を混合した付着水除去用
溶剤組成物(特願平10-12967号)を提案した。
【0004】しかしながら近年は部品の軽量化要求に伴
いプラスチック化や微細な加工がされているため、従来
の洗浄方法のように沸騰している液に浸漬すると熱でプ
ラスチック基材が傷んだり液対流のため被洗物の衝突に
より破損してしまうことが多くあり、このような部品に
は冷浴を用い、かつ洗浄効率を高めるために必要に応
じ、超音波を使用しての水切り洗浄が行われている。
【0005】沸騰浴において洗浄を行う従来法において
は、洗浄及びすすぎが終わってすすぎ槽から取り出され
た被洗浄物品は、洗浄槽及びすすぎ槽の上部に形成され
た洗浄液の飽和蒸気層において蒸気洗浄が行われるが、
冷浴にて水切り洗浄を行い、ヒーターの代わりに超音波
を使用した場合、洗浄機上部に飽和蒸気層が形成されな
い為、洗浄剤の持出ロスが多大になったり洗浄が充分で
なくシミが生成する。そこで洗浄機内に洗浄槽とは別に
蒸気発生槽を設置してそこから洗浄剤蒸気を洗浄装置上
部に導入して蒸気層を形成させることも行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】オゾン層破壊の恐れが
ない付着水除去用水切り洗浄剤としてハイドロフルオロ
カーボン、ハイドロフルオロエーテルあるいはそれらの
混合物が用いられる(以下「ハイドロフルオロカーボ
ン」を「HFC」、「ハイドロフルオロエーテル」を
「HFE」と呼び、また両者及びその混合物を総称して
「HFC/E」と呼ぶ)。この場合水切り洗浄剤が単一
物質又は共沸混合物であるときには組成変化が生じない
ので蒸気発生槽と洗浄槽が独立していても連続した水切
り洗浄が可能である。HFC/E単体では水との親和性
が足りず、水切り洗浄能力が充分でないのでアルコール
や界面活性剤が混合されている。この場合HFC/Eと
アルコールとの共沸混合物ではアルコール含有量が約5
%と少ないため水切り性能が不足するのでアルコールを
共沸範囲より増加させて使用されるのが普通である。従
ってアルコールや界面活性剤の沸点がHFC/Eより高
い場合には、蒸気発生槽中でHFC/Eが多く蒸発する
ためアルコール濃度或は界面活性剤濃度が次第に上昇す
るのに対して、水切り洗浄槽中では被洗浄物に同伴され
たり凝縮器から凝縮して戻されるHFC/Eによりアル
コール濃度或は界面活性剤濃度が逆に減少する。その為
運転開始後短時間で水切り洗浄能力が劣化するという問
題があった。
【0007】発明者らは、水切り洗浄において、特に温
浴や沸騰浴を用いない洗浄方法における上記問題点を解
決し、常に高い水切り洗浄能力を持続させる方法につい
て検討した結果、水切り洗浄槽とは別に設けられた蒸気
発生槽と水切り洗浄槽との間で水切り洗浄剤の一部を循
環させることにより、両槽とも濃度の変動が少なくなり
安定な運転が可能となることを見いだした。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、被洗
浄物品を、ハイドロフルオロカーボン或いはハイドロフ
ルオロエーテルもしくはその両者の混合物と、沸点がそ
れらよりも高いアルコールとから成る非共沸水切り洗浄
剤もしくは上記ハイドロフルオロカーボン或いはハイド
ロフルオロエーテルもしくはその両者の混合物と、沸点
がそれらよりも高い界面活性剤とから成る水切り洗浄剤
又はそれらの混合物からなる水切り洗浄剤を満たした水
切り洗浄槽中で洗浄して付着水を除去し、次いで水切り
洗浄槽とは別に設けられた蒸気発生槽で発生した水切り
洗浄剤蒸気を導入して洗浄装置の上部に形成した蒸気層
で蒸気洗浄を行うとともに、水切り洗浄剤の一部を、水
切り洗浄槽と蒸気発生槽の間で循環させることを特徴と
する物品の水切り洗浄方法である。
【0009】また本発明は上記洗浄方法を実施するため
の装置であって、非共沸の水切り洗浄剤混合物により付
着水を除去する水切り洗浄槽と、水切り洗浄槽とは別に
設けられ、そこで発生した水切り洗浄剤の蒸気を、蒸気
洗浄のための蒸気層として前記水切り洗浄装置上部に導
入形成させるための蒸気発生槽とを有し、かつ水切り洗
浄剤の一部を、水切り洗浄槽と蒸気発生槽の間で循環さ
せる送液管を有することを特徴とする物品の水切り洗浄
装置である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において水切り洗浄剤の1
成分として用いられるハイドロフルオロカーボン(HF
C)とは、炭化水素の水素原子の一部が弗素原子のみで
置換され、塩素原子を含まない弗素化炭化水素であり、
ハイドロフルオロエーテル(以下、HFEという。)と
はエーテル類の水素原子の一部が弗素原子のみで置換さ
れ、塩素原子を含まない弗素化エーテルである。
【0011】本発明で用いるHFCまたはHFE液体と
しては、沸点が30〜150℃のものが好ましい。HF
C/E液体の沸点が30℃未満では、蒸発ロスが大き
く、水の結露の問題もある。また、HFC/E液体の沸
点が150℃を越えるとその蒸発エネルギーが大きくな
り、被洗浄物品を損傷するおそれが生ずる。
【0012】また、引火性等、安全面を考慮すると本発
明で用いる水切り洗浄剤は実質的に不燃性であることが
望ましい。不燃性の水切り洗浄剤は、HFC/Eとして
高度に弗素置換したものを使用すること及び、後述する
ようにHFC/Eとアルコールまたは界面活性剤との混
合比率を調整することにより得られる。HFC/Eとし
て具体的には、炭素と結合した原子の過半数が弗素であ
るもの、すなわち分子中のF/(H+F)原子比が0.
5を超えるものが好ましい。
【0013】このようなHFC/Eのうち、本発明に好
適に使用できる水切り洗浄剤としては不燃性、低毒性、
地球環境の観点から、HFCとしては具体的には1,1,1,
2,3,4,4,5,5,5,- デカフルオロペンタン(以下、HFC
43−10meeという。沸点55℃)、1,1,2,2,3,3,
4,4-オクタフルオロブタン(以下、338pccとい
う。沸点44℃)などがあり、HFEとしては1,2,2,2-
テトラフルオロエチル−ヘプタフルオロプロピルエーテ
ル(沸点40℃)、1,1,1,2,3,3-ヘキサフルオロ−2−
ヘプタフルオロプロピロキシ−3−(1,2,2,2-テトラフ
ルオロエトキシ)−プロパン(沸点104℃)、ノナフ
ルオロブチル−メチルエーテル(沸点60℃)、ノナフ
ルオロブチル−エチルエーテル(沸点78℃)などを挙
げることができる。
【0014】HFC/Eと混合して用いるアルコール
は、不燃性とすすぎ効果を保持するHFC/Eの飽和蒸
気層を形成するために、その沸点がHFC/Eの沸点よ
りも高いものであり、好ましくは10℃以上高いアルコ
ールである。また水との親和性の高いものが好ましい。
このようなアルコールとしてメチルアルコール、エチル
アルコール、2−プロパノール等が例示される。またこ
れらの混合物を使用することもできる。
【0015】水切り洗浄槽におけるHFC/Eとアルコ
ールとの混合比率は、両成分の種類、両者の沸点差や、
被洗浄物品の汚れの程度等にもよるが、(HFC/E)
/(アルコール)(重量比)=94/6〜88/12の
範囲で混合するのが好ましい。アルコールの量が少ない
と水との親和性が足りず水切り洗浄能力が不充分であ
る。またアルコールの量が多すぎると、可燃性となった
り被洗浄物品の表面に残り、すすぎ効果が低下したり、
あるいは被洗浄物品を損傷する恐れがあるので好ましく
ない。
【0016】また水切り洗浄液として、HFC/Eと界
面活性剤との混合物を用いる場合、界面活性剤は、その
沸点がHFC/Eの沸点より高く、かつHFC/Eに溶
解するものを用いる。このような界面活性剤としては、
クロロフルオロカーボン系付着水除去用溶剤に通常用い
られている各種の界面活性剤を用いることができるが、
本発明の場合、特に弗素含有界面活性剤又はポリオキシ
エチレンアルキルエーテル基を含有する界面活性剤が好
ましい。
【0017】弗素含有界面活性剤としては、例えば
【化1】 (但し、Rは炭素数2−10のアルキル基、Rfは炭素
数5−18のパーフルオロアルキル基、mは1−20の
整数)のような、パーフルオロアルキル基及びオキシエ
チレン基を有するアミン等を挙げることができる。具体
的にはN−アルキル−N−ポリオキシエチレンパーフル
オロオクタンスルホンアミドやN−アルキル−N−(p
−アフロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンア
ミドが例示される。
【0018】また、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル基を含有する界面活性剤としては、 R−C64 −O(C24 O)n H (但し、Rは炭素数5−10のアルキル基、nは1−2
0の整数)のようなポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエーテル等が挙げられ、具体的には、ポリオキシエチ
レンオクチルフェニルエーテル等が例示される。
【0019】その他、これまでクロロフルオロカーボン
系付着水除去用溶剤に用いられてきた陰イオン系界面活
性剤であるカルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル
塩、リン酸エステル塩など、陽イオン系界面活性剤であ
るアルキル第4アンモニウム塩、ノニオン系界面活性剤
等も使用することができ、またこれらを混合して使用す
ることもできる。
【0020】HFC/Eと界面活性剤との混合比率は、
(HFC/E)/(界面活性剤)(重量比)=99.9
9/0.01〜95/5の範囲で混合するのが好まし
い。界面活性剤の量が少ないと水との親和性が足りず付
着水除去効果が低下し、また界面活性剤の量が多いと、
被洗浄物品の表面に残りすすぎ効果が低下するので好ま
しくない。
【0021】また、本発明においては、HFC/Eに、
アルコール及び界面活性剤の両者を混合した水切り洗浄
剤を使用することもできる。三者を混合した場合、HF
C/Eに対する界面活性剤の溶解力が向上するので有利
である。
【0022】本発明においては、被洗浄物品を、HFC
/Eと、沸点がそれらよりも高いアルコールまたは界面
活性剤とからなる水切り洗浄剤を満たした水切り洗浄槽
中で洗浄して付着水を除去し、通常は更にすすぎを行
う。一方、洗浄槽とは別に水切り洗浄槽と同じ成分の洗
浄剤を満たした蒸気発生槽を設置し、そこで発生した洗
浄剤蒸気を洗浄装置上部に導入して蒸気層を形成させ、
そこですすぎの終わった被洗浄物を蒸気洗浄する。しか
し、この操作を長時間続けると、水切り洗浄槽中ではア
ルコール或は界面活性剤濃度が減少し、一方、蒸気発生
槽中ではアルコール或は界面活性剤濃度が上昇し、その
結果水切り洗浄能力が落ちてくる。そこで本発明におい
ては、蒸気発生槽と水切り洗浄槽との間で水切り洗浄剤
の一部を循環させ、それによって蒸気発生槽及び水切り
洗浄槽濃度の変動を抑え、高い洗浄力が長時間維持でき
るようにしたものである。
【0023】以下本発明に用いる水切り洗浄装置を添付
図面に基づいて具体的に説明する。図1は本発明の水切
り洗浄方法に用いる洗浄装置の一例である。図1におい
て2は水切り洗浄槽であり、必要に応じすすぎ槽3を設
ける。本発明ではこの他に蒸気発生槽6を設け、水切り
洗浄槽、すすぎ槽、蒸気発生槽は一つの共有空間を有す
る洗浄装置1内に収容されている。また水切り洗浄槽に
隣接して水分離槽4が設置され、更に水分離槽には貯槽
5が隣接設置されている。水切り洗浄槽にはHFC/E
と、沸点がそれらよりも高いアルコールまたは界面活性
剤とから成る水切り洗浄剤を、またすすぎ槽にも水切り
洗浄剤と同様の成分のすすぎ液を満たす。洗浄槽及びす
すぎ槽は、それぞれ複数個の槽から構成されていても良
い。
【0024】水切り洗浄槽及びすすぎ槽はいずれも上部
が開口し、その開口部を通じて被洗浄物品の出し入れを
行うことができる。被洗浄物品はまず水切り洗浄槽の上
部開口部より装置内に導入され、一定時間洗浄槽に浸漬
されて水切り洗浄液により洗浄され、表面に付着した油
やフラックス等を除去する。
【0025】ついで被洗浄物品を水切り洗浄槽から取り
出してすすぎ槽に移し、ここでその表面に付着した洗浄
剤をすすぎ液ですすいで除去する。
【0026】水切り洗浄槽の温度は高い方が洗浄効果を
高める意味で好ましいが、一方、温度が高すぎると、被
洗浄物が熱による損傷を受けるので、水切り洗浄槽の温
度は水切り洗浄剤の沸点以下で、且つ被洗浄物品が熱に
よる損傷を受けない温度で運転する。そのため、水切り
洗浄槽或はすすぎ槽には沸騰させない範囲で温度を上昇
させる目的で、加温装置7を設置してもよい。本発明
は、比較的低温浴で洗浄を行う場合に特に有効である。
また水切り洗浄槽及びすすぎ槽には洗浄効率やすすぎ効
率を高めるために、必要に応じて超音波発生器8を取り
つけてもよい。
【0027】一方、これと別に設けられた蒸気発生槽6
は、その上部が水切り洗浄槽及びすすぎ槽の開口部と連
通し、蒸気発生槽で発生した飽和蒸気が水切り洗浄槽及
びすすぎ槽の上部に形成される。
【0028】本発明においては水切り洗浄槽と別に蒸気
発生槽を設け、蒸気発生槽で発生した水切り洗浄液の飽
和蒸気が水切り洗浄槽及びすすぎ槽の上部に形成され、
洗浄槽、すすぎ槽から取り出された被洗浄物品はこの飽
和蒸気層10に静置して蒸気洗浄を行った後、被洗浄物
品を水切り洗浄装置の上部開口部より取り出す。最後に
被洗浄物品の表面に付着した洗浄剤を気化蒸散させ、洗
浄された染みの無い物品が得られる。
【0029】水切り洗浄槽中の洗浄液は、蒸気発生槽と
の間で液の循環と同時に水の分離が行われる。まず、水
切り洗浄槽の上部からオーバーフローした洗浄液は、水
分離槽に送られ、被洗浄物品から洗い落とされた水分
は、比重差により洗浄液と分離され排水口9より除去さ
れる。水を分離した洗浄液は貯槽に貯められた後、ポン
プ11により、送液管12を通って一部は蒸気発生槽
に、また一部は水切り洗浄槽に送液管13を通って水切
り洗浄槽に戻される。また逆に蒸気発生槽の上部からは
戻り送液管14を通って貯槽に戻され、水切り洗浄槽か
らのオーバーフロー洗浄液と合流する。
【0030】なお蒸気発生槽で発生させ、水切り洗浄槽
の上部に形成された飽和蒸気は、コンデンサー15で冷
却され、水分離器16で洗浄液と水とに分離され、水を
排水口17から除去した後、第2すすぎ槽に還流し、オ
ーバーフローにより第1すすぎ槽を経て洗浄槽に戻され
る。
【0031】液循環を行わない場合、蒸気発生槽中の水
切り洗浄剤は、運転継続により除々にHFC/Eより高
沸点のアルコール或は活性剤が濃縮される。また逆に水
切り洗浄槽ではアルコール或は活性剤が被洗浄物に同伴
されて除去されるとともに凝縮器からHFC/Eが凝縮
して戻されることによりアルコール或は界面活性剤濃度
が減少していく。しかし本発明により蒸気発生槽中の水
切り洗浄剤の一部を水切り洗浄槽に戻すことにより、一
時的に減少した水切り洗浄槽中のアルコール分或は活性
剤はすばやく当初の濃度に戻る。すなわち当初の水切り
能力が運転中に劣化することなく維持できる。
【0032】蒸発による蒸気発生槽からの液の減量を補
うために、水切り洗浄槽から洗浄液を蒸気発生槽に送る
送液管だけを取りつけた装置を用いたのでは、水切り洗
浄槽中のアルコール或は活性剤濃度減少を抑えることは
できない。本発明においては蒸気発生槽から水切り洗浄
槽への戻り送液管14を設け、液を循環することが重要
である。
【0033】また本発明の第2の発明は、水切り洗浄剤
として、非共沸の水切り洗浄剤混合物を用いて上記洗浄
方法を実施するための、水切り洗浄槽、蒸気発生槽とを
有し、かつ水切り洗浄剤の一部を水切り洗浄槽と蒸気発
生槽の間で循環させる送液管とを有する物品の水切り洗
浄装置である。
【0034】本発明の水切り洗浄装置は、水切り洗浄剤
として、非共沸の水切り洗浄剤混合物を用いて物品の汚
れ成分を溶解除去し、洗浄槽から取り出した被洗浄物体
を蒸気洗浄する方法に広く応用できるが、特に第1の発
明のように、ハイドロフルオロカーボン或いはハイドロ
フルオロエーテルもしくはその両者の混合物と、沸点が
それらよりも高いアルコールまたは界面活性剤とから成
る非共沸水切り洗浄剤を用いて洗浄する方法で、特に洗
浄を冷浴を用いて行う洗浄法に適した装置である。
【0035】
【実施例】[実施例1]図1の水切り洗浄装置における
蒸気発生槽、水切り洗浄槽、第1すすぎ槽及び第2すす
ぎ槽に、2−プロピルアルコールをそれぞれ表1記載の
濃度で含有する1,1,1,2,3,4,4,5,5,5,−デカフルオロペ
ンタンを入れた。次に蒸気発生槽の水切り洗浄剤を沸騰
させ、蒸気発生槽−水切り洗浄槽間の液循環をさせなが
ら10時間運転した。10時間後の各槽の2−プロピル
アルコールの濃度を表1に示す。表1から分かるように
水切り洗浄槽の2−プロピルアルコール濃度は、運転前
とほとんど変わらず一定であった。
【0036】
【表1】各槽の2−プロピルアルコール濃度(%)
【0037】[比較例1]図1において、蒸気発生槽か
ら水切り洗浄槽への戻り送液管14をはずした以外は図
1と同じ装置を用いて実施例1と同様の操作をおこなっ
た。結果を表2に示す。表2から明らかなように、この
装置では蒸気発生槽への水切り洗浄剤の補給はされる
が、循環が行われないため、10時間後の水切り洗浄槽
の2−プロピルアルコール濃度は、運転前に比べ1%以
上も減少していた。
【0038】
【表2】各槽の2−プロピルアルコール濃度(%)
【0039】[実施例2]厚さ10mmの塩化ビニル製ブ
ロックに直径1mmの穴を40個空け、その穴に水を注入
したものを図1に示す装置の水切り洗浄槽に超音波を使
用しながら30秒間浸漬させた。その結果33個の穴の
水が置換されていた。次に実施例1の試験で10時間運
転した直後に同様の操作を行ったところ、35個の穴の
水が置換されていた。即ち10時間後でも水切り洗浄能
力は維持されていた。
【0040】[比較例2]比較例1で用いたと同じ 装
置を用いて実施例2と同様の操作をおこなった。その結
果、当初31個の穴の水が置換されていたものが、10
時間運転後では26個しか置換されていなかった。即ち
運転継続とともに大幅に水の置換能力が減少することが
わかった。
【0041】[実施例3]長さ60mm、幅8mm、厚さ1
mmの良く磨いたアルミの板を水に浸漬した後、図1に示
す装置に30秒間浸漬した。引き上げたアルミ板を目視
にて観察したところ、水は完全に置換され、表面はきれ
いな状態であった。
【0042】[比較例3]実施例3と同じアルミ板を用
い、図1の装置を用いたが、蒸気発生槽のヒーターによ
る加熱を行わずに、実施例3と同じアルミ板を用い、実
施例3と同様な操作を行った。水切り洗浄槽の上部に飽
和蒸気層が形成されなかったため、アルミ板と冶具の接
触面に水染みが残った。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、蒸気発生槽を水切り洗
浄槽とは別に設け、かつ蒸気発生槽と水切り洗浄槽の間
で水切り洗浄剤の一部を循環することにより、非共沸水
切り洗浄剤を用い、しかも冷浴で洗浄を行っても、蒸気
洗浄により付着水をきれいにかつ染みなく除去すること
ができ、かつ蒸気発生槽及び水切り洗浄槽中の水切り洗
浄剤の濃度変動が少なく、安定して長時間運転ができる
ので、金属製やプラスチック製の精密部品、光学部品、
電子部品等を傷めることなく、付着水の除去を効果的に
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水切り洗浄方法を実施するための装置
の1例である。
【符号の説明】
1 洗浄装置 2 水切り洗浄槽 3 すすぎ槽 4 水分離槽 5 貯槽 6 蒸気発生槽 7 ヒーター 8 超音波発生器 9 排水口 10 飽和蒸気層 11 ポンプ 12 洗浄液送液管 13 洗浄液送液管 14 洗浄液戻り送液管 15 コンデンサー 16 水分離器 17 排水口

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被洗浄物品を、ハイドロフルオロカーボ
    ン或いはハイドロフルオロエーテルもしくはその両者の
    混合物と、沸点がそれらよりも高いアルコールとから成
    る非共沸水切り洗浄剤もしくは上記ハイドロフルオロカ
    ーボン或いはハイドロフルオロエーテルもしくはその両
    者の混合物と、沸点がそれらよりも高い界面活性剤とか
    ら成る水切り洗浄剤又はそれらの混合物からなる水切り
    洗浄剤を満たした水切り洗浄槽中で洗浄して付着水を除
    去し、次いで水切り洗浄槽とは別に設けられた蒸気発生
    槽で発生した水切り洗浄剤蒸気を導入して洗浄装置の上
    部に形成した蒸気層で蒸気洗浄を行うとともに、水切り
    洗浄剤の一部を、水切り洗浄槽と蒸気発生槽の間で循環
    させることを特徴とする物品の水切り洗浄方法。
  2. 【請求項2】 ハイドロフルオロカーボン或いはハイド
    ロフルオロエーテルが30-150℃の沸点を有するものであ
    ることを特徴とする請求項1記載の水切り洗浄方法。
  3. 【請求項3】 ハイドロフルオロカーボン或いはハイド
    ロフルオロエーテルの分子中のF/(H+F)原子比が
    0.5 を超えるものであることを特徴とする請求項1また
    は2に記載の水切り洗浄方法。
  4. 【請求項4】 アルコールがメチルアルコール、エチル
    アルコール、2−プロピルアルコールもしくはそれらの
    混合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    に記載の水切り洗浄方法。
  5. 【請求項5】 非共沸の水切り洗浄剤混合物により付着
    水を除去する水切り洗浄槽と、水切り洗浄槽とは別に設
    けられ、そこで発生した水切り洗浄剤の蒸気を、蒸気洗
    浄のための蒸気層として前記水切り洗浄装置上部に導入
    形成させるための蒸気発生槽とを有し、かつ水切り洗浄
    剤の一部を、水切り洗浄槽と蒸気発生槽の間で循環させ
    る送液管を有することを特徴とする物品の水切り洗浄装
    置。
  6. 【請求項6】 非共沸の水切り洗浄剤混合物が、ハイド
    ロフルオロカーボン或いはハイドロフルオロエーテルも
    しくはその両者の混合物と、沸点がそれらよりも高いア
    ルコールとから成る非共沸水切り洗浄剤もしくは上記ハ
    イドロフルオロカーボン或いはハイドロフルオロエーテ
    ルもしくはその両者の混合物と、沸点がそれらよりも高
    い界面活性剤とから成る水切り洗浄剤であることを特徴
    とする請求項5記載の物品の水切り洗浄装置。
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