JPH10251628A - 蓄熱材マイクロカプセル分散液 - Google Patents

蓄熱材マイクロカプセル分散液

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JPH10251628A
JPH10251628A JP9060767A JP6076797A JPH10251628A JP H10251628 A JPH10251628 A JP H10251628A JP 9060767 A JP9060767 A JP 9060767A JP 6076797 A JP6076797 A JP 6076797A JP H10251628 A JPH10251628 A JP H10251628A
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JP
Japan
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heat storage
storage material
surfactant
surface tension
microcapsule dispersion
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JP9060767A
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Mamoru Ishiguro
守 石黒
Akio Chikasawa
明夫 近沢
Masaaki Yoshikawa
正晃 吉川
Akira Kishimoto
章 岸本
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Osaka Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蓄熱材マイクロカプセル分散液を長期の流
動、熱履歴、ポンプ内の剪断に長時間曝しても破壊する
ことのない安定な蓄熱材マイクロカプセル分散液を提供
する。 【解決手段】 蓄熱材マイクロカプセル分散液に1%(w
/w) 水溶液の表面張力が25〜50dyn/cmとなる界面活
性剤を添加する。界面活性剤の添加量はマイクロカプセ
ル固形重量100部に対し、0.01〜20部の範囲が
好ましい。界面活性剤としてはアニオン性界面活性剤が
好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は蓄熱材を内包したマ
イクロカプセル分散液に関するものであり、具体的に
は、ビル、家屋等の冷暖房用に用いられる熱搬送用媒体
に用いられる。本発明によるマイクロカプセル分散液を
冷凍機又は加熱装置を用い冷却や加熱を行ないマイクロ
カプセル内に内包された蓄熱材に潜熱を蓄えた後、空調
用回路内を循環させ熱交換機に供給することにより冷暖
房が可能になる熱搬送用マイクロカプセル分散液として
用いられる。本発明による蓄熱材マイクロカプセル分散
液は、樹脂製の袋や容器に充填することにより冷熱、暖
熱の蓄熱材としても用いられる。
【0002】
【従来の技術】一般に、空気調和機の熱交換器を冷却又
は加熱する方法として、冷却又は加熱装置と熱交換機と
の間で閉回路を構成し、冷却又は加熱装置で冷却又は加
熱された水又はブライン(例えばエチレングリコールや
無機塩類)等の熱媒をこの閉回路内で循環させて熱交換
器を冷却又は加熱させることにより、目的物たる空気を
冷却又は加熱させる方法があるが、この方法は熱媒の顕
熱のみを利用して熱交換するものであるため、温度差を
1℃とすると熱搬送能力は熱媒1kg当たり約1kcalが
限界であった。
【0003】そこで、相変化を伴う蓄熱材自体を直接熱
媒として搬送管中を流すことができれば、その顕熱に加
え潜熱(融解又は凝固熱)も熱搬送できるため、一定熱
量を送るのに搬送管径も縮小でき、搬送動力も軽減が可
能となる。この試みに対し各種蓄熱材を金属や樹脂製容
器に充填したものを搬送管中を流すという提案が為され
ている。(特公昭60−23279号公報、同59−4
5915号公報)
【0004】しかしながらこの方法では蓄熱材充填物自
体の大きさが数mm〜数cmのオーダーと極めて大きかった
り、比重が水又はブラインより大きく容易に沈降又は蓄
熱材の種類によっては浮遊してしまう結果、均一な流動
性が得られなかったり、管路を閉塞してしまう等、多く
の問題を有するものである。
【0005】上記、各種蓄熱材の充填物を水又はブライ
ン中に分散させて潜熱を搬送する手段として、特開平5
−117642号公報、同5−163486号公報、同
5−215369号公報、同5−237368号公報で
蓄熱材を内包するマイクロカプセル及びそれらを用いた
熱搬送法が記載されている。これらの手法は、蓄熱材を
内包したマイクロカプセル(以降蓄熱材マイクロカプセ
ルともいう。)を水又はブライン中に分散しこれを熱媒
として使用することにより熱搬送能力を高め、熱交換効
率の良い冷却又は加熱方法を目的とするものである。こ
れらの蓄熱材マイクロカプセル分散液は、蓄熱材の融解
−凝固に関わらず良好な流動性を有する液体として取り
扱えることが最も大きな特徴であり潜熱の搬送法として
は最も実用性の高い手法といえる。
【0006】しかしながら、蓄熱材マイクロカプセルの
分散液を熱媒として用いる際の問題点として、長期に亘
る熱履歴、及び配管、動力ポンプ内を通過する際に、次
第にマイクロカプセル皮膜の劣化と破壊が生じ、ひいて
はマイクロカプセルから放出された蓄熱材が分散液中に
混入することもある。よって、蓄熱材を内包するマイク
ロカプセル分散液を熱媒として長期に安定に使用するた
めにはマイクロカプセルの機械的安定性を充分高いもの
にする必要があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、蓄熱
材マイクロカプセル分散液を長期の流動、熱履歴、ポン
プ内の剪断に長時間曝しても破壊することのない安定な
蓄熱材マイクロカプセル分散液を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は熱搬送用マイク
ロカプセルの破壊防止策に関するものであり、その解決
策として、蓄熱材を内包するマイクロカプセル分散液に
特定の範囲の表面張力を有する界面活性剤、具体的には
1%(w/w )水溶液の表面張力が25〜50dyn/cmとな
る界面活性剤を添加することにより破壊が防止される。
界面活性剤の表面張力と、界面活性剤が添加された蓄熱
材マイクロカプセル分散液の表面張力は自ずと上記表面
張力と相等しい値に変化する。以降、本発明における界
面活性剤の表面張力はデュヌーイ氏の表面張力計(大平
理化工業(株)製)を用いて20℃において測定した値
を示す。
【0009】特開平7−204491号公報において蓄
熱材マイクロカプセルの製法として分子量が1,000
〜10,000の特定の乳化分散剤を用いることにより
得られたマイクロカプセルの安定性が向上することが記
載されているが、例えばこの公報中の実施例1で示され
るマイクロカプセルの固形分20%(w/w )濃度での表
面張力は58dyn/cmであり、1〜2日間程度機械的剪断
力にさらされても、マイクロカプセルの破壊は見られな
いが、実際には更なる耐久性が必要であることが判明し
これを改良すべく本発明に至った。
【0010】本発明者は蓄熱材マイクロカプセルの分散
液中の強度を高める目的で膜厚を調節したり、マイクロ
カプセル同士または管壁やポンプ内の摺動部分での剪断
破壊を防止するために衝撃吸収用の微粒子を添加したり
したが大きな改良は達成されなかった。しかしながら特
定の界面活性剤を添加して蓄熱材マイクロカプセル分散
液の表面張力を特定の範囲に設定することにより劇的に
マイクロカプセルの破壊が防止されるに至った。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の蓄熱材マイクロ
カプセル分散液について詳細に説明する。本発明の課題
は蓄熱材マイクロカプセル分散液に特定の範囲の表面張
力を有する界面活性剤を添加して蓄熱材マイクロカプセ
ル分散液の表面張力を前記界面活性剤の表面張力と相等
しい値に設定することにより達成される。通常20℃に
おける純水の表面張力は約73dyn/cmであるがこの値を
調節する手法としては、1.無機塩類を添加する。2.アル
コールやアセトン等の極性溶剤を添加する。3.界面活性
剤を添加する等の代表的な手法がある。1.の手法は僅か
ながらではあるが表面張力が増す傾向にあり本発明には
適さない。また、2.の手法はマイクロカプセルに少なか
らず悪影響を与えたり、引火性の薬品を使用するなどの
問題点も有するため好ましくない。一方3.の手法は最も
効果的でマイクロカプセルに与える悪影響もなく、しか
も最も簡便に安価に達成しうる手法である。
【0012】本発明で用いられる界面活性剤は、そのイ
オン性から分類してノニオン性、アニオン性、カチオン
性及び両性界面活性剤に分類され、具体的には次のよう
なものが挙げられる。
【0013】ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキ
シエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテル等のエーテル型、ポリオキシエチレ
ンモノラウレート等のエステル型、ソルビタンモノラウ
レート等のソルビタンエステル型、ポリグリセリン脂肪
酸エステル、オキシエチレンドデシルアミン等が挙げら
れる。
【0014】アニオン性界面活性剤としては、ラウリル
基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、オレ
イル基、ベンジル基等の飽和、不飽和基を有する脂肪
酸、スルホン酸及び硫酸のナトリウム塩及びカリウム
塩、及びジオクチルスルホコハク酸、アシルメチルタウ
リン酸、ラウロイルメチルタウリン酸のナトリウム塩、
及びカリウム塩等が挙げられる。カチオン性界面活性剤
としては、アルキルアンモニウムクロライド、アルキル
ベンジルアンモニウムクロライド等が挙げられる。両性
界面活性剤としては、ベタイン型、イミダゾリン型の各
種界面活性剤が挙げられる。
【0015】本発明で用いられる界面活性剤は該界面活
性剤の1%(w/w )水溶液の表面張力が25〜50dyn/
cmの値を示す界面活性剤が用いられ、しかも蓄熱材を内
包するマイクロカプセルと共存してもマイクロカプセル
に悪影響を与えず、化学的、物理的にも安定であること
等が要求される。即ち、界面活性剤の種類によってはマ
イクロカプセル皮膜の緻密性を低下させるものや、金属
製の配管中を高温で長時間流動することにより経時的に
分散液のpHの変動が生じて凝集を生じたり、配管壁に
付着するものがある。よってこれらの問題が生じない安
定な界面活性剤の選択が必要になる。
【0016】これらの条件を満たす好ましい界面活性剤
としてはアニオン性界面活性剤が挙げられる。特にpH
安定性という観点から硫酸塩及びスルホン酸塩から選ば
れる少なくとも一種が特に好ましく、具体例として硫酸
塩としては、ラウリル硫酸ナトリウム、2−エチルヘキ
シルラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルポリオキシエチ
レン硫酸ナトリウム、オクチルフェニルジオキシエチレ
ン硫酸ナトリウム等が挙げられ、スルホン酸塩として
は、ラウリルスルホン酸ナトリウム、ラウリルベンゼン
スルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸ナトリウ
ム、ジナフチルメタンスルホン酸ナトリウム、ラウリル
ジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム等が挙げら
れる。
【0017】上記界面活性剤は蓄熱材を内包するマイク
ロカプセル固形重量100部に対し、0.01〜20
部、好ましくは0.1〜10部の範囲で添加され、この
範囲の添加量であれば界面活性剤の表面張力と該界面活
性剤を添加された蓄熱材マイクロカプセル分散液の表面
張力とはほぼ相等しい数値を示す。また、この添加量よ
り少ないと本発明の効果が不充分であり、逆にこの添加
量より多いとマイクロカプセル皮膜の緻密性の低下や、
泡立ちが激しくなるため好ましくない。
【0018】一般に蓄熱材をマイクロカプセル化する方
法としては、複合エマルジョン法によるカプセル化法
(特開昭62−1452号公報)、蓄熱材粒子の表面に
熱可塑性樹脂を噴霧する方法(同62−45680号公
報)、蓄熱材粒子の表面に液中で熱可塑性樹脂による皮
膜を形成する方法(同62−149334号公報)、蓄
熱材粒子の表面でモノマーを重合させ被覆する方法(同
62−225241号公報)、界面重縮合反応によるポ
リアミド皮膜マイクロカプセルの製法(特開平2−25
8052号公報)等に記載されている方法を用いること
ができる。
【0019】カプセル膜材としては、界面重合法、イン
サイチュー法等の手法で得られる、ポリスチレン、ポリ
アクリロニトリル、ポリアミド、ポリアクリルアミド、
エチルセルロース、ポリウレタン、アミノプラスト樹
脂、またゼラチンとカルボキシメチルセルロース若しく
はアラビアゴムとのコアセルベーション法を利用した合
成あるいは天然の樹脂が用いられる。
【0020】通常、上記マイクロカプセル化法において
はその工程で蓄熱材を微小滴状に細かくする目的で乳化
剤が使用され、広い意味では乳化剤も界面活性剤の一種
であり本発明で述べる界面活性剤を乳化剤として使用す
ることも可能である。しかしながら本発明で述べる界面
活性剤を乳化剤として用いて作成したマイクロカプセル
は非常に緻密性に欠ける皮膜を有するものしか得られず
長期の流動には全く耐えないものであるためマイクロカ
プセルの製法は前述の特開平7−204491号公報に
よる製造法が最も好ましい。特開平7−204491号
公報によるマイクロカプセルの製造法と本発明を組み合
わせることにより耐久性が飛躍的に向上する。
【0021】本発明における蓄熱材として、トリデカン
(C13) 、テトラデカン(C14) 、ペンタデカン(C15) 、ヘ
キサデカン(C16) 、オクタデカン(C18) 等のn−パラフ
ィン類や、無機系共晶物及び無機系水和物、カプリル
酸、ラウリン酸、ステアリン酸等の脂肪酸類、炭素数1
2以上の高級アルコール類、ミリスチン酸メチル、パル
ミチン酸メチル、ステアリン酸メチル等のエステル化合
物が挙げられるがこれらに限定されない。蓄熱材には必
要に応じ過冷却防止材、比重調節材、劣化防止剤等を添
加することができる。
【0022】マイクロカプセルの粒子径は、その流動性
を高めるために通常10μm以下が好ましく、特に5μ
m以下にすることが好ましい。かくして得られた蓄熱材
マイクロカプセル分散液はそのままでも熱媒として本発
明の目的を達し得るものであるが、必要に応じエチレン
グリコール、プロピレングリコール、各種無機塩類、着
色剤、比重調節材、分散助剤、接着剤、湿潤剤、金属粉
等を添加することができる。
【0023】本発明の分散液中に占める蓄熱材マイクロ
カプセルの濃度は高いほど単位重量当たりの蓄熱量が高
まるため好ましいが、粘度の上昇を伴い流動性に乏しく
なるため好ましくない。そのため分散液中のマイクロカ
プセルの含有濃度は、通常10〜60(wt/wt) %の範囲
に設定するのが好ましい。
【0024】
【実施例】以下に本発明の実施例を示す。融点及び融解
熱は示差熱熱量計(米国パーキンエルマー社製、DSC
−7型)を用いて測定した。
【0025】マイクロカプセルの製造例 メラミン粉末5gに37%ホルムアルデヒド水溶液6.
5gと水10gを加え、pHを8に調整した後、約70
℃まで加熱してメラミン−ホルマリン初期縮合物水溶液
を得た。pHを4.5に調整した5%スチレン−無水マ
レイン酸共重合体のナトリウム塩水溶液(1%水溶液2
0℃測定表面張力54dyn/cm)100g中に、蓄熱材と
してn−ペンタデカン(融点9℃、融解熱39kcal/kg
)80gを激しく攪拌しながら添加し粒子径が約3μ
mになるまで乳化を行なった。上記乳化液に上記メラミ
ン−ホルムアルデヒド初期縮合物水溶液全量を添加し7
0℃で2時間攪拌を施した後、pHを9に調整してカプ
セル化を終了した。得られたマイクロカプセル分散液2
0%(w/w) の表面張力は57dyn/cmであった。
【0026】実施例1 製造例で示したマイクロカプセル分散液100固形重量
部に対し、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部
(1%(w/w) 水溶液20℃の表面張力35dyn/cm)を添
加し更に水を添加して蓄熱材マイクロカプセルの固形分
濃度が20%になるように調整した。このマイクロカプ
セル分散液の表面張力を測定したところ、37dyn/cmで
あった。
【0027】実施例2 製造例で示したマイクロカプセル分散液100固形重量
部に対し、オレイン酸ナトリウム10部(1%(w/w) 水
溶液20℃の表面張力33yn/cm )を添加し更に水を添
加して蓄熱材マイクロカプセルの固形分濃度が20%に
なるように調整した。このマイクロカプセル分散液の表
面張力を測定したところ、36dyn/cmであった。
【0028】実施例3 製造例で示したマイクロカプセル分散液100固形重量
部に対し、ジオクチルコハク酸ナトリウム0.1部(1
%(w/w) 水溶液20℃の表面張力28dyn/cm)を添加し
更に水を添加して蓄熱材マイクロカプセルの固形分濃度
が20%になるように調整した。このマイクロカプセル
分散液の表面張力を測定したところ、32dyn/cmであっ
た。
【0029】実施例4 製造例で示したマイクロカプセル分散液100固形重量
部に対し、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレ
ート8部(1%(w/w) 水溶液20℃の表面張力45dyn/
cm)を添加し更に水を添加して蓄熱材マイクロカプセル
の固形分濃度が20%になるように調整した。このマイ
クロカプセル分散液の表面張力を測定したところ、47
dyn/cmであった。
【0030】実施例5 製造例で示したマイクロカプセル分散液100固形重量
部に対し、セチルトリメチルアンモニウムクロライド1
部(1%(w/w) 水溶液20℃の表面張力38dyn/cm)を
添加し更に水を添加して蓄熱材マイクロカプセルの固形
分濃度が20%になるように調整した。このマイクロカ
プセル分散液の表面張力を測定したところ、39dyn/cm
であった。
【0031】比較例1 固形分濃度を20%に調整した製造例で示したマイクロ
カプセル分散液100部のみを用いて蓄熱材マイクロカ
プセル分散液を得た。
【0032】比較例2 製造例で示したマイクロカプセル分散液100固形重量
部に対し、予め溶解したポリビニルアルコール水溶液
(商品名クラレポバールPVA205、1%(w/w) 水溶
液20℃の表面張力50dyn/cm)を乾燥重量で1部を添
加し更に水を添加して蓄熱材マイクロカプセルの固形分
濃度が20%になるように調整した。このマイクロカプ
セル分散液の20℃の表面張力を測定したところ、53
dyn/cmであった。
【0033】比較例3 マイクロカプセルの製造例において、乳化剤として用い
たスチレン−無水マレイン酸共重合体のナトリウム塩の
代わりに実施例1で用いたドデシルベンゼンスルホン酸
を同濃度で同量用いた以外は同様にしてマイクロカプセ
ルを作製した。このマイクロカプセル分散液の固形分濃
度を20%に調整して蓄熱材マイクロカプセル分散液を
得た。得られたマイクロカプセル分散液の20℃の表面
張力を測定したところ36dyn/cmであった。
【0034】上記実施例及び比較例で得られた蓄熱材マ
イクロカプセル分散液の機械的安定性を下記手法で評価
を行った。 1.実施例及び比較例に示した蓄熱材マイクロカプセル分
散液10kgを吐出量毎分20リットルの能力のロータ
リー式マグネットポンプを用い室温で連続循環させた。
この処理を168時間(ポンプ内平均パス回数約200
00回)施した後、試料として100cc採取した。 2.この試料とヘキサン50ccをよく混合しマイクロカプ
セルが破壊することにより流出した蓄熱材重量をガスク
ロマトグラフィーで定量して破壊率を算出した。破壊率
は蓄熱材マイクロカプセル固形重量に対する破壊により
流出した蓄熱材重量比率で示し、値が0であることが破
壊を生じていないことを示す。その評価結果を表1に示
す。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【発明の効果】表1に示した結果からも明らかなよう
に、蓄熱材マイクロカプセル分散液に特定の表面張力の
値を有する界面活性剤を添加することにより、ポンプ内
での剪断力を長時間受けてもほとんど破壊することのな
い安定な蓄熱材マイクロカプセル分散液を得ることが可
能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉川 正晃 大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪 瓦斯株式会社内 (72)発明者 岸本 章 大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪 瓦斯株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蓄熱材を内包するマイクロカプセル分散
    液に、1%(w/w )水溶液の表面張力が25〜50dyn/
    cmとなる界面活性剤を添加して得られる蓄熱材マイクロ
    カプセル分散液。
  2. 【請求項2】 界面活性剤の添加量が蓄熱材を内包する
    マイクロカプセル固形重量100部に対し、0.01〜
    20部である請求項1記載の蓄熱材マイクロカプセル分
    散液。
  3. 【請求項3】 界面活性剤がアニオン性界面活性剤であ
    る請求項1記載の蓄熱材マイクロカプセル分散液。
  4. 【請求項4】 界面活性剤が硫酸塩及びスルホン酸塩か
    ら選ばれる少なくとも一種である請求項3記載の蓄熱材
    マイクロカプセル分散液。
JP9060767A 1997-03-14 1997-03-14 蓄熱材マイクロカプセル分散液 Pending JPH10251628A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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