JPH10250306A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JPH10250306A
JPH10250306A JP9063390A JP6339097A JPH10250306A JP H10250306 A JPH10250306 A JP H10250306A JP 9063390 A JP9063390 A JP 9063390A JP 6339097 A JP6339097 A JP 6339097A JP H10250306 A JPH10250306 A JP H10250306A
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rubber
layer
weight
case cord
tire
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Yasuhisa Minagawa
康久 皆川
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低空気透過性のケースコード被覆ゴム層とジ
エン系ゴムを主成分とする他のタイヤ部材との接着性に
すぐれたインナーライナーのない軽量なチューブレスタ
イヤをうること。 【解決手段】 ケースコード列を内部に有するケースコ
ード被覆ゴム層とその内側に直接配設されてなるインス
レーション層とをもつチューブレスタイヤであって、ケ
ースコード被覆ゴム層用ゴム組成物Aのゴム成分が50
〜70重量%のジエン系ゴムと50〜30重量%の高飽
和ゴムとからなり、かつインスレーション層用ゴム組成
物Bのゴム成分が65〜100重量%のジエン系ゴムと
35〜0重量%の高飽和ゴムとからなり、前記ゴム組成
物Aがゴム組成物Bよりも多い高飽和ゴムを含んでなる
インナーライナーのないチューブレスタイヤ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インナーライナー
のないチューブレス空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】従来からチューブレス空気入りタイヤに
おいては、空気圧を保持するためにブチルゴムなどの低
空気透過性のゴムがインナーライナーに用いられてき
た。図3は、典型的な従来のチューブレス空気入りタイ
ヤのケースコード被覆ゴム層付近の概略断面図であり、
図3中、1はケースコード被覆ゴム層であって、その中
にケースコード4が通常一列に配列されている。そのタ
イヤ内側には空気圧保持用のブチルゴムなどからなるイ
ンナーライナー7があり、タイヤ外側にはインスレーシ
ョン層8を介してジエン系ゴムを主成分とするサイドウ
ォール層9が設けられている。
【0003】一方、低燃費性という要請にもとづいてタ
イヤの軽量化が求められ、かつタイヤの製造工程の簡素
化も要請されており、低空気透過性のブチルゴムやイソ
ブチレン−メチルスチレン共重合体の臭素化物などを配
合したゴム組成物でタイヤのケースコード被覆ゴム層1
を作製し、インナーライナー7を省くことが提案されて
いる(特開平6−156007号、特開平6−5566
5号、特開平8−157648号各公報)。
【0004】しかし、ブチルゴムなどの高飽和ゴムは高
不飽和ゴムであるジエン系ゴムとの接着性に劣るため、
ケースコード被覆ゴム層とサイドウォールやトレッドゴ
ムなどのジエン系ゴムを主成分とする他のタイヤ部材と
のあいだの接着性が劣り、えられるタイヤの耐久性に問
題があった。
【0005】該問題点に鑑み、本発明者らは、ケースコ
ード被覆ゴム層に低空気透過性およびジエン系ゴムを主
成分とする他のタイヤ部材との充分な接着性を付与すべ
く種々検討し、本発明を完成するに至った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】叙上の事実に鑑み、本
発明の目的はインナーライナーのないチューブレスタイ
ヤであって、ケースコード被覆ゴム層とジエン系ゴムを
主成分とする他のタイヤ部材との接着性にすぐれ、かつ
耐久性のあるインナーライナーのない軽量なチューブレ
ス空気入りタイヤを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ケースコード
列を内部に有するケースコード被覆ゴム層とその内側に
直接配設されてなるインスレーション層とをもつチュー
ブレスタイヤであって、ケースコード被覆ゴム層用ゴム
組成物Aのゴム成分が50〜70重量%のジエン系ゴム
と50〜30重量%の高飽和ゴムまたはポリノルボルネ
ンゴムとからなり、かつインスレーション層用ゴム組成
物Bのゴム成分が65〜100重量%のジエン系ゴムと
35〜0重量%の高飽和ゴムまたはポリノルボルネンゴ
ムとからなり、前記ゴム組成物Aがゴム組成物Bよりも
多い高飽和ゴムまたはポリノルボルネンゴムを含んでな
るインナーライナーのないチューブレス空気入りタイヤ
に関する。
【0008】また、本発明はケースコード列を内部に有
するケースコード被覆ゴム層をもつチューブレスタイヤ
において、ケースコード被覆ゴム層のケースコード列か
らタイヤ内側部分が35〜70重量%のジエン系ゴムと
65〜30重量%の高飽和ゴムまたはポリノルボルネン
ゴムとをゴム成分とするゴム組成物Cからなり、ケース
コード被覆ゴム層のケースコード列からタイヤ外側部分
が65〜100重量%のジエン系ゴムと35〜0重量%
の高飽和ゴムまたはポリノルボルネンゴムとをゴム成分
とするゴム組成物Bからなり、前記ゴム組成物Cがゴム
組成物Bよりも多い高飽和ゴムまたはポリノルボルネン
ゴムを含んでなるインナーライナーのないチューブレス
空気入りタイヤにも関する。
【0009】このばあい、ビード部を巻くケースコード
被覆ゴム層のタイヤ外側部分にも前記ゴム組成物Bから
なる層を有するのが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態は、ケ
ースコード被覆ゴム層用ゴム組成物A(以下、単に「ゴ
ム組成物A」ともいう)のゴム成分が50〜70重量%
のジエン系ゴムと50〜30重量%の高飽和ゴムまたは
ポリノルボルネンゴムとからなり、かつケースコード被
覆ゴム層のタイヤ内圧側に存在するインスレーション層
用ゴム組成物B(以下、単に「ゴム組成物B」ともい
う)のゴム成分が65〜100重量%のジエン系ゴムと
35〜0重量%の高飽和ゴムまたはポリノルボルネンゴ
ムとからなることを特徴とする。ゴム組成物Aがゴム組
成物Bよりも多い高飽和ゴムまたはポリノルボルネンゴ
ムを含むことから、ゴム組成物Aからなるケースコード
被覆ゴム層は低空気透過性にすぐれ、かつゴム組成物B
からなるインスレーション層は、従来は主としてケース
コード被覆ゴム層の耐久性のために設けられていたが、
本発明においては前記ケースコード被覆ゴム層とジエン
系ゴムを主成分とする他のタイヤ部材との接着層として
の役割も果たす。そして本発明のチューブレス空気入り
タイヤは、ケースコード被覆ゴム層1として特定のゴム
組成物Aを用い、図3においてインナーライナー7を省
いた構成を有する。
【0011】本発明におけるゴム組成物Aを構成するジ
エン系ゴムは、従来からタイヤの分野でとくにケースコ
ード被覆ゴム層を用いられているものであればよく、た
とえば天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエン
ゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニ
トリルブタジエンゴムなどがあげられ、これらを単独で
または任意に組み合わせて用いることができるが、機械
的強度という点から主として天然ゴムを用いるのが好ま
しい。
【0012】また、本発明においてゴム組成物Aを構成
する高飽和ゴムは、従来からタイヤの分野で用いられて
いるものが使用できる。とくにケースコード被覆ゴム層
に低空気透過性を付与するものであればよく、たとえば
ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、イソブチレン−p
−メチルスチレン共重合体の臭素化物、エピクロロヒド
リンゴム、エポキシ化天然ゴム、多硫化ゴムなどがあげ
られ、これらを単独でまたは任意に組み合わせて用いる
ことができるが、低空気透過性、耐水蒸気性という点か
らブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、イソブチレン−
p−メチルスチレン共重合体の臭素化物を用いるのが好
ましく、さらに機械的強度という点からブチルゴム、ハ
ロゲン化ブチルゴム、イソブチレン−p−メチルスチレ
ン共重合体の臭素化物を用いるのがとくに好ましい。ま
たポリノルボルネンゴムも低空気透過性および耐水蒸気
性という点から好ましい。
【0013】ここで、本発明において用いる高飽和ゴム
の不飽和度とは、繰返しユニット100個中、主鎖に二
重結合を有するユニットの個数をいい、機械的強度がよ
いという点から0〜50個、または空気透過性が低くな
るという点から好ましくは0〜70個であるのがよい。
【0014】本発明におけるゴム組成物Aのゴム成分の
配合割合は、低空気透過性およびジエン系ゴムとの接着
性の両立という点からジエン系ゴム50〜70重量%、
高飽和ゴムまたはポリノルボルネンゴム(以下、「高飽
和ゴム」に代表させて説明する)50〜30重量%であ
るが、空気透過性を下げるという点からジエン系ゴム5
0〜65重量%、高飽和ゴム50〜35重量であるのが
好ましく、さらに接着力も高いという点からジエン系ゴ
ム55〜65重量%、高飽和ゴム45〜35重量%であ
るのがとくに好ましい。
【0015】また、ゴム組成物Aは、加工性と低空気透
過性の両立という点から関係式(1):(ゴム成分10
0重量部中のジエン系ゴム含有量(重量部))+4×
(ゴム成分100重量部に対する可塑剤の配合量(重量
部))≦76の関係を満たす可塑剤をゴム成分に配合し
てなるのが好ましい。
【0016】可塑剤としては、ゴムの分野、とくにタイ
ヤの分野に用いられているものであればよく、たとえば
ミネラルオイル、アロマオイルなどがあげられ、これら
を単独でまたは任意に組み合わせて用いることができる
が、接着性という点からミネラルオイルを用いるのが好
ましい。
【0017】また、ゴム組成物Aは、えられるケースコ
ード被覆ゴム層のジエン系ゴムとの接着性をより向上さ
せるために架橋剤であるヘキサメチレン−1,6−ビス
チオ硫酸ジナトリウム塩2水和物(D−HTS)を配合
してなるのが好ましい。
【0018】このばあいの配合割合としては、ゴム成分
100重量部に対して、接着性という点から0.5〜1
0重量部配合すればよいが、機械的強度という点から
0.5〜5重量部配合するのが好ましい。
【0019】さらに、ゴム組成物Aには、前記ゴム成分
以外の成分としてカーボンブラック、シリカなどの充填
剤、イオウなどの加硫剤、ステアリン酸、亜鉛華などの
加硫助剤、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリ
ルスルフェンアミド(NS)、ジベンゾチアジルスルフ
ィド(DM)などの加硫促進剤、アルキルフェノールジ
スルフィド、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チア
ジアゾール、2−ジ−n−ブチルアミノ−4,6−ジメ
ルカプト−S−トリアジンなどの配合剤を、えられるケ
ースコード被覆ゴム層の低空気透過性を損なわない量で
適宜配合してもよい。
【0020】とくに、カーボンブラックを配合するばあ
いは、ゴム成分100重量部に対して、ゴムの機械的強
度を出し、低空気透過性という点から30〜100重量
部配合すればよいが、接着性という点から30〜60重
量部配合するのが好ましく、さらに、電気抵抗を下げる
という点から40〜60重量部配合するのがとくに好ま
しい。
【0021】本発明におけるゴム組成物Aは各成分を常
法により混練りすることによりうることができる。
【0022】通常のタイヤに設けられている従来からの
インスレーション層は、ジエン系ゴムを主成分とし、ケ
ースコード被覆ゴム層に耐久性を持たせる役割を果たす
ものである。これに対し、本発明におけるインスレーシ
ョン層は、低空気透過性をうるために高飽和ゴムを配合
した前記ゴム組成物Aからなるケースコード被覆ゴム層
と、ジエン系ゴムを主成分とする他のタイヤ部材とのあ
いだの接着層としての役割も果たし、ジエン系ゴムおよ
び高飽和ゴムを含むことにより、前記ケースコード被覆
ゴム層とジエン系ゴムタイヤ部材との両方に対して良好
な接着性を有する。
【0023】本発明におけるインスレーション層用のゴ
ム組成物Bを構成するジエン系ゴムおよび高飽和ゴムま
たはポリノルボルネンゴムの概念および種類について
は、前述したゴム組成物Aのばあいと同様である。
【0024】本発明におけるゴム組成物Bのゴム成分の
配合割合は、ケース被覆ゴム層との接着性の向上という
点からジエン系ゴム65〜100重量%、高飽和ゴム3
5〜0重量%であるが、ケース被覆ゴム層との接着性の
さらなる向上という点からジエン系ゴム65〜85重量
%、高飽和ゴム35〜15重量%であるのが好ましい。
【0025】また、ゴム組成物Bには、前記ゴム成分以
外の成分として前述のゴム組成物Aについて掲げたもの
と同様の配合剤を、ケースコード被覆ゴム層とジエン系
ゴムを主成分とする他のタイヤ部材との接着性を損なわ
ない量で適宜配合してもよい。
【0026】また、本発明のゴム組成物Bも各成分を常
法により混練りすることによりうることができる。
【0027】なお、本発明においていうジエン系ゴムを
主成分とするタイヤ部材としては、たとえばサイドウォ
ール部、トレッド部およびベルトなどがあげられる。
【0028】また、前記ゴム成分Aにより被覆するコー
ドとしては、従来からタイヤの分野で用いられているも
のであればよく、たとえばレーヨン、ナイロン、テトロ
ン(ポリエステル)、ケブラーなどの有機系繊維、ガラ
ス繊維、スチールワイヤーなどがあげられるが、ゴム組
成物Aとの接着性、えられるタイヤの耐久性、軽量化と
いう点から好ましくは有機系繊維を用いるのがよく、な
かでもポリエステルを用いるのがとくに好ましい。
【0029】ゴム組成物Aでコードを被覆してケースコ
ード被覆ゴム層をうる方法としては従来からの方法でよ
いが、たとえばゴム組成物Aからえた2枚のゴムシート
のあいだにコードをはさみ、ロールにより押し出して被
覆(ゴム引き)することによりえられる。また、ゴム組
成物Bからなるインスレーション層をケースコード被覆
ゴム層とジエン系ゴムを主成分とする他のタイヤ部材と
のあいだに設けるには、従来からの方法でよいが、ゴム
組成物Bからなるゴムシートをタイヤ成形時にトップ反
に貼り合わせるという方法で行なうのが好ましい。他は
従来のタイヤ製造における方法および条件により本発明
のインナーライナーのないチューブレスタイヤをうるこ
とができる。
【0030】本発明の第1の実施の形態によれば、前記
構成とすることにより、ケースコード被覆ゴム層そのも
のに低空気透過性を付与し、かつジエン系ゴムを主成分
とするトレッドゴムやサイドウォールゴムなどの他のタ
イヤ部材およびケースコードとの接着性を充分なものに
することができる。これにより、軽量で耐久性のあるイ
ンナーライナーのないチューブレス空気入りタイヤをう
ることができる。
【0031】通常、ケースコード被覆ゴム層は、前述の
ように、ケースコード被覆ゴム層用ゴム組成物からなる
2枚のゴムシートにコードをはさみ、ロールにより押し
出してゴム引きして作製する。したがって図1の概略断
面図に示すように、ケースコード被覆ゴム層1は、ケー
スコード被覆内側ゴム層2およびケースコード被覆外側
ゴム層3の2つのゴム層とケースコード4とからなると
もいえる。
【0032】そこで、本発明の第2の実施の形態は、ケ
ースコード被覆内側ゴム層用ゴム組成物C(以下、単に
「ゴム組成物C」ともいう)のゴム成分が35〜70重
量%のジエン系ゴムと65〜30重量%の高飽和ゴムと
からなり、かつケースコード被覆外側ゴム層用ゴム組成
物Bのゴム成分が65〜100重量%のジエン系ゴムと
35〜0重量%の高飽和ゴムとからなり、ゴム組成物C
がゴム組成物Bよりも多い高飽和ゴムを含んでなるイン
ナーライナーのないチューブレス空気入りタイヤにも関
する。
【0033】つまり、本発明の第2の実施の形態におい
ては図1に示す2層からなるケースコード被覆ゴム層に
おいて、ケースコード被覆内側ゴム層に低空気透過性を
付与し、ケースコード被覆外側ゴム層に前記内側ゴム層
とジエン系ゴムを主成分とする他のタイヤ部材との両方
に対する充分な接着性を付与する。これにより、耐久性
があり軽量化したインナーライナーのないチューブレス
タイヤをうることができる。
【0034】なお、このケースコード被覆ゴム層を用い
てタイヤを作製するばあい、ジエン系ゴムを主成分とす
る他のタイヤ部材との接着性の点から、図2の概略断面
図に示すように、ケースコード被覆内側ゴム層2がビー
ド6から巻き上がった部分のタイヤ外側部分に、ケース
コード被覆外側ゴム層3を構成するものと同じゴム組成
物Bからなる層(ビード部外側ゴム層)を設けるのが好
ましい。
【0035】本発明の第2の実施の形態によれば、さら
にインスレーション層を有しない構造をとることがで
き、ケースコード被覆ゴム層とジエン系ゴムを主成分と
する他のタイヤ部材との接着性が充分で、より軽量化さ
れたインナーライナーのないチューブレスタイヤをうる
ことができる。
【0036】本発明におけるゴム組成物Cを構成するジ
エン系ゴムおよび高飽和ゴムまたはポリノルボルネンゴ
ムの概念および種類については、前述したゴム組成物A
およびBのばあいと同様である。
【0037】ゴム組成物Cのゴム成分の配合割合は、低
空気透過性とジエン系ゴムとの接着性の両立という点か
らジエン系ゴム35〜70重量%、高飽和ゴム65〜3
0重量%であるが、低空気透過性を重視するという点か
らジエン系ゴム35〜65重量%、高飽和ゴム65〜3
5重量%であるのが好ましく、さらに、接着性を重視す
るという点からジエン系ゴム50〜70重量%、高飽和
ゴム50〜30重量%であるのがとくに好ましい。
【0038】また、ゴム組成物Cは前記ゴム組成物Aと
同様に、前述の関係式(1)を満たす可塑剤および/ま
たは架橋剤であるヘキサメチレン−1,6−ビスチオ硫
酸ジナトリウム塩2水和物を配合してなるのが好まし
い。さらに前述のゴム成分以外の配合剤を、えられるケ
ースコード被覆内側ゴム層の低空気透過性を損なわない
量で適宜配合してもよい。カーボンブラックを配合する
ばあいについてもゴム組成物Aのばあいと同様である。
また、ゴム組成物Cも、各成分を常法で混練りすること
によりうることができる。
【0039】本発明におけるケースコード被覆外側ゴム
層は、前述のゴム組成物Bからなる。
【0040】ゴム組成物CおよびBを用いてコードを被
覆してケースコード被覆ゴム層をうる方法としては、そ
れぞれのゴム組成物からえたゴムシートのあいだにコー
ドをはさみ、ロールで押し出してゴム引きすればよい
が、その後、図2に示すようにビード部を巻くケースコ
ード被覆ゴム層のタイヤ外側部分にビード部外側ゴム層
を設けるばあいは、サイドウォールゴムの内側にアッセ
ンブルしたものを用意し、従来からの方法でサイドウォ
ールをはりつけることにより設けるのが好ましい。他は
従来のタイヤ製造における方法および条件により本発明
のインナーライナーのない、さらにはインスレーション
層のないチューブレスタイヤをうることができる。
【0041】本発明の第2の実施の形態によれば、前記
構成とすることにより、ケースコード被覆内側ゴム層に
低空気透過性を付与し、ケースコード被覆外側ゴム層の
前記内側ゴム層およびジエン系ゴムを主成分とする他の
タイヤ部材に対する接着性を充分なものにし、さらに前
記内側ゴム層および外側ゴム層とケースコードとの接着
性を充分なものにすることができる。これによりインス
レーション層を省くこともでき、軽量で耐久性のあるイ
ンナーライナーのないチューブレス空気入りタイヤをう
ることができる。
【0042】
【実施例】以下に実施例を用いて本発明を説明するが、
本発明はこれらのみに限定されるものではない。
【0043】製造例1〜7 ケースコード被覆ゴム層用ゴム組成物A(および/また
はゴム組成物C)として表1に示す配合割合のゴム組成
物A−1〜A−7を、まずバンバリーミキサーを用いて
ゴム成分、カーボンブラック、可塑剤を混練し、えられ
た混練物にロールを用いてイオウ、NS、亜鉛華、D−
HTS、ステアリン酸を混練するという方法で製造し
た。
【0044】なお、高飽和ゴムとしてはイソブチレン−
p−メチルスチレン共重合体の臭素化物(エクソン社製
のEXXPRO90−10)(不飽和度:0)、可塑剤
としては出光興産(株)製のダイアナプロセスオイルP
S−32、カーボンブラックとしてはHAFクラスのN
330として三菱化学(株)製のダイヤブラックHを用
いた。
【0045】[空気透過性の評価]えられたゴム組成物
A−1〜A−6を油圧プレスにて加硫圧9.8MPa
(100kgf/cm2)、加硫温度170℃、加硫時
間12分間の条件で加硫してえた加硫ゴム組成物A−1
〜A−6の空気透過性を、ASTM D−1434−7
5Mの試験方法にしたがい、東洋精機(株)製のガス透
過率測定装置M−C1を用いて測定した。結果を表1に
示す。
【0046】[コードとゴム組成物Aとの接着性の評
価]5cm当たり約48本のポリエステル糸(1670
DTE×2(直径0.66mm))をケースコード被覆
ゴム層用ゴム組成物Aとしてのゴム組成物A−1〜A−
6でゴム引きし、テキスタイルコード入りゴムシート
(ケースコード被覆ゴム層)A−1〜A−6をえた。え
られたゴムシート2枚を内部のコードの向きが互いに直
角になるようにして重ね、あいだにマイラーシートを挿
入して150℃で30分間、9.8MPaの圧力で加硫
接着した。えられた接着強度測定用サンプルについて、
引張試験器を用いて、テストスピード50mm/min
で剥離試験を行ない、接着(剥離)強度(kgf/25
mm)を測定した。結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】製造例7〜11 インスレーション層用(およびケースコード被覆外側ゴ
ム層用)ゴム組成物Bとして表2に示す配合割合のゴム
組成物B−1〜B−5を、製造例1と同様にして製造し
た。なお高飽和ゴムとしては製造例1と同じものを用い
た。
【0049】[インスレーション層用(ケースコード被
覆外側ゴム層用)ゴム組成物Bとジエン系ゴムを主成分
とする他のタイヤ部材との接着性の評価]えらえたゴム
組成物B−1〜B−5からロールを用いて厚さ2mmで
シート状にし、そのシートから厚さ2mm、幅80m
m、長さ150mmのゴムシートB−1〜B−5を作製
した。また、天然ゴム40重量部ブタジエンゴム60重
量部、カーボンブラック45重量部、イオウ1.5重量
部および加硫促進剤(NS)1重量部からなるゴム組成
物から同様にして同サイズのジエン系ゴムシートを作製
した。
【0050】ゴムシートB−1〜B−5とジエン系ゴム
シートを加硫圧2MPa、加硫温度170℃および加硫
時間12分間の条件で油圧プレスを用いて加硫接着して
接着強度測定用サンプルをえ、前述と同じ条件および方
法で接着強度(剥離強度)(kgf/25mm)を測定
した。結果を表2に示す。
【0051】
【表2】
【0052】[ゴム組成物A(ゴム組成物C)とゴム組
成物Bとの接着性]ケースコード被覆ゴム層用ゴム組成
物A(またはゴム組成物C)としてのゴム組成物A−1
〜A−6とインスレーション層用(ケースコード被覆外
側ゴム層用)ゴム組成物Bとしてのゴム組成物B−1〜
B−5との接着強度を前記と同様にして測定した。さら
に、接着させたもの(ゴム組成物Cからなる内側ゴム層
とゴム組成物Bからなる外側ゴム層からなるゴム層)の
空気透過性も測定した。結果を表3に示す。
【0053】
【表3】
【0054】[ケースコード被覆内側ゴム層用ゴム組成
物Cおよびケースコード被覆外側ゴム層用ゴム組成物B
とケースコードとの接着性の評価]ケースコード被覆内
側ゴム層用ゴム組成物Cとしてのゴム組成物A−1〜A
−5とケースコード被覆外側ゴム層用組成物Bとしての
ゴム組成物B−3とのあいだに前述のポリエステル糸を
はさんでゴム引きしてテキスタイルコード入りゴムシー
トをえ、前記と同様にして接着強度を測定した。結果を
表4に示す。
【0055】
【表4】
【0056】実施例1 ケースコード被覆ゴム層用ゴム組成物Aとしてゴム組成
物A−4、インスレーション層用ゴム組成物Bとしてゴ
ム組成物B−4を用い、他は従来の方法で205/65
R15のサイズを有する本発明によるインナーライナー
のないチューブレスタイヤ(タイヤ1)を作製した。
【0057】ケースコード被覆内側ゴム層用ゴム組成物
Cとしてゴム組成物A−4を、ケースコード被覆外側ゴ
ム層用ゴム組成物Bとしてゴム組成物B−4を用い、図
2に示すようなケースコード被覆ゴム層をえ、サイドウ
ォール内側にビード外側ゴム層をアッセンブルしたもの
をはりつけたほかは従来の方法でタイヤ1と同じサイズ
の本発明によるインナーライナーおよびインスレーショ
ン層のないチューブレスタイヤ(タイヤ2)を作製し
た。
【0058】また、ジエン系ゴム(NR70重量部、S
BR30重量部)のみをケースコード被覆ゴム層に用
い、他は従来の方法でタイヤ1と同じサイズのインスレ
ーション層がなくインナーライナーのあるチューブレス
タイヤ(タイヤ3)を作製した。
【0059】さらに、インナーライナーのないこと以外
はタイヤ3のばあいと同様にしてタイヤ4を作製した。
【0060】えられたタイヤ1〜4のタイヤ重量を測定
し、転がり抵抗および空気透過(エアリーク)性を以下
の要領で測定した。結果を表5に示す。
【0061】[転がり抵抗]ドラム試験機を用いて、8
0km/h、荷重400kgfの条件で測定し、タイヤ
2のばあいを100として指数で示した。値が小さいほ
ど転がり抵抗が小さい。
【0062】[空気透過(エアリーク)性]えられたタ
イヤをリムに組み、内圧を3kgf/cm2にして3カ
月後の内圧の低下率を測定して、タイヤ2のばあいを1
00として指数で示した。値が大きいほど低下率が小さ
い。
【0063】[耐久性]えられたタイヤをリムに組み、
走行速度80km/h、内圧190kPa、加重646
kgという条件で室内でのドラム耐久テストを行なっ
た。すべてのタイヤについて、20,000km走行後
にも異常はなかった。
【0064】
【表5】
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、ケースコード被覆ゴム
層とジエン系ゴムを主成分とする他のタイヤ部材との接
着性にすぐれ、より軽量なインナーライナーのないチュ
ーブレスタイヤをうることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第2の実施の形態におけるケースコー
ド被覆ゴム層の概略断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態におけるケースコー
ド被覆ゴム層の一実施態様を示す概略断面図である。
【図3】従来のチューブレス空気入りタイヤのケースコ
ード被覆ゴム層付近の層構造を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 ケースコード被覆ゴム層 2 ケースコード被覆内側ゴム層 3 ケースコード被覆外側ゴム層 4 ケースコード 5 ビード部外側ゴム層 6 ビード 7 インナーライナー 8 インスレーション層 9 サイドウォール層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B60C 9/08 B60C 9/08 K

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケースコード列を内部に有するケースコ
    ード被覆ゴム層とそのタイヤ外側に直接配設されてなる
    インスレーション層とをもつチューブレスタイヤであっ
    て、ケースコード被覆ゴム層用ゴム組成物Aのゴム成分
    が50〜70重量%のジエン系ゴムと50〜30重量%
    の高飽和ゴムまたはポリノルボルネンゴムとからなり、
    かつインスレーション層用ゴム組成物Bのゴム成分が6
    5〜100重量%のジエン系ゴムと35〜0重量%の高
    飽和ゴムまたはポリノルボルネンゴムとからなり、前記
    ゴム組成物Aがゴム組成物Bよりも多い高飽和ゴムを含
    んでなるインナーライナーのないチューブレス空気入り
    タイヤ。
  2. 【請求項2】 ケースコード列を内部に有するケースコ
    ード被覆ゴム層をもつチューブレスタイヤにおいて、ケ
    ースコード被覆ゴム層のケースコード列からタイヤ内側
    部分が35〜70重量%のジエン系ゴムと65〜30重
    量%の高飽和ゴムまたはポリノルボルネンゴムとをゴム
    成分とするゴム組成物Cからなり、ケースコード被覆ゴ
    ム層のケースコード列からタイヤ外側部分が65〜10
    0重量%のジエン系ゴムと35〜0重量%の高飽和ゴム
    またはポリノルボルネンゴムとをゴム成分とするゴム組
    成物Bからなり、前記ゴム組成物Cがゴム組成物Bより
    も多い高飽和ゴムまたはポリノルボルネンゴムを含んで
    なるインナーライナーのないチューブレス空気入りタイ
    ヤ。
  3. 【請求項3】 ビード部を巻くケースコード被覆ゴム層
    のタイヤ外側部分に前記ゴム組成物Bからなる層を有す
    る請求項2記載のインナーライナーのないチューブレス
    空気入りタイヤ。
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