JPH10250028A - 製版用フィルムおよび該フィルムを用いた製版方法と製版システム - Google Patents

製版用フィルムおよび該フィルムを用いた製版方法と製版システム

Info

Publication number
JPH10250028A
JPH10250028A JP9326657A JP32665797A JPH10250028A JP H10250028 A JPH10250028 A JP H10250028A JP 9326657 A JP9326657 A JP 9326657A JP 32665797 A JP32665797 A JP 32665797A JP H10250028 A JPH10250028 A JP H10250028A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
plate making
plate
ink
photoreceptor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9326657A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3814391B2 (ja
Inventor
Osamu Kakishita
修 垣下
Kazuo Kuzukawa
和夫 葛川
Jun Nishioka
潤 西岡
Shigeki Nishimura
茂樹 西村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KUZUKAWA KOGYO KK
Mitsubishi Plastics Inc
Original Assignee
KUZUKAWA KOGYO KK
Mitsubishi Plastics Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KUZUKAWA KOGYO KK, Mitsubishi Plastics Inc filed Critical KUZUKAWA KOGYO KK
Priority to JP32665797A priority Critical patent/JP3814391B2/ja
Publication of JPH10250028A publication Critical patent/JPH10250028A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3814391B2 publication Critical patent/JP3814391B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Or Reproduction Of Printing Formes (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価で解像度が高く、かつ精度と寸法安定性
の良好な製版用フィルムを提供する。 【解決手段】 製版システムは、少なくとも表面が親水
性、インク吸収性の透明プラスチックフィルムの表面に
所定の画像を紫外線吸収性インクを用いて描画するため
のインクジェット描画手段、描画された前記透明プラス
チックフィルムをフォトマスクとして感光体に紫外線を
露光する露光手段、および露光された前記感光体を現像
して印刷版とする現像手段を具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばオフセット
印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷などの印刷に用い
る印刷版の製造に用いる製版用フィルムおよびその製版
用フィルムを用いた製版方法と製版システムに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、PS版によるオフセット印刷、樹
脂凸版によるフレキソ印刷、感光性樹脂によるスクリー
ン印刷では感光剤に銀塩を用いたリスフィルムを使用し
ている。いずれの場合も、版材の感光層表面に銀塩フィ
ルムをセットした後、フィルムを通して感光層に光また
は紫外線を照射し、光化学反応などによって光または紫
外線が照射された感光層部分を可溶化または不溶化さ
せ、その後、感光層に現像処理を施して可溶部分を除去
し、版材上に画像に対応する画線部を形成する原理を用
いている。
【0003】しかし、リスフィルムを使用すると現像液
の廃液処理が必要であり、さらに現像・焼付・定着シス
テムの装置の価格や、リスフィルム自体の価格が非常に
高価であることから改良が求められていた。
【0004】一方、近年電子技術の発達は目覚ましいも
のがあり、コンピュータの高機能機種が低価格で入手可
能となってきており、種々の分野で利用できるようにな
ってきている。コンピュータや記録装置などの出力用描
画機も技術改良が大幅に進み、高精細度のプリントアウ
ト性能を活かしたCAD方面への展開が有望視されてお
り、製版におけるリスフィルムの代替の可能性がある。
【0005】描画機はその画像形成原理によりいくつか
の方式に分類されるが、リスフィルムの代替となるフィ
ルムとしては、例えばPET等のポリエステルフィルム
を基材とし、その基材の表面にそれぞれの画像形成方式
専用の特殊処理を施した透明フィルムを用いればよい。
しかし、製版を目的とすることから、解像度はもとより
基材フィルムの寸法安定性に優れていることも必要であ
り、その描画方式を選択する大きな要素となる。
【0006】すなわち、熱印字装置や電子写真方式で
は、フィルム上に画像を形成する際、当然フィルムにヘ
ッドの熱が連続的に加わることとなり、特にベタの印刷
等を行う際には、フィルムが伸びたり変形したりしてし
まい、製版用途から要求される精度が得られなくなる。
【0007】その点ではインクジェット方式はこのよう
な問題は生じない。しかし、透明フィルムとして用いる
プラスチックフィルムは通常疎水性であるのに対し、使
用されるインクの特性から親水性の膜が不可欠となる。
親水性の膜を有するフィルムについては、特開平6−4
7924号に開示されているが、解像度の点でまだ問題
があった。さらに、インクジェット方式によるフィルム
には、インクの濡れや吸収性に優れ、インクの流れ出し
による汚れの発生や高湿度下における印刷画面の滲み、
画面表面のべとつき等のない記録シートを用いることが
要求される。
【0008】高解像度の版を作るために感光体の露光に
紫外線が使用される。描画され、インクののった部分は
紫外線に対する遮光性が、インクののらないフィルム部
分には紫外線に対する透過性が不可欠な要素として要求
され、そのような特性を有するインクとフィルムを組み
合わせることが必要となる。
【0009】一方、製版を行うのに製版フィルムを用い
ることの煩雑さを避けるため、描画装置を用いて版材に
画像を直接形成させるダイレクト製版も提案されてい
る。
【0010】ダイレクト製版システムの一つとしては、
例えばレーザー製版システムが従来より知られている。
このシステムでは、ディジタル画像情報に基づいてオン
・オフされるレーザービームで、PS版、電子写真版等
の版材の表面を走査し、レーザービームが照射された部
分の化学変化、あるいは物理変化により、版材上に画像
情報に対応する画像部が形成されるようになっている。
しかしながら、かかるレーザー製版システムでは、レー
ザービームを発生させるレーザー装置、レーザー装置か
ら出力される単一レーザービームを画像情報に基づいて
変調し、これを版材の表面に案内する複雑な光学系、駆
動系ないし走査系を必要とするので、装置またはシステ
ムが大規模で高価なものとなる。また、このシステムに
よっても種々の版を製版することができるが、例えば銀
塩を感光性材料とする版材を用いた場合、感度と解像度
は高いが版材が高価であるという問題がある。また、感
光体にトナー画像を形成させる電子写真方式のシステム
にレーザー製版システムを適用すると、プロセスも複雑
で解像度も十分でない。版材として光重合型印刷版を用
いてレーザー製版するシステムでは、解像度およびコス
トの面では優れているが、感度が十分でないので高出力
のレーザーを必要とし、不経済なシステムになるといっ
た問題がある。
【0011】レーザーを用いる以外の他のダイレクト製
版システムとしてはサーマルヘッド等の熱描画装置およ
びインク描画装置を用いる方法も提案されている。しか
し、感熱製版システムではサーマルヘッドから感熱記録
面に伝わった熱が、そのまわりのサーマルヘッドと接触
していない部分にも伝わり、この部分をも変化させるの
で、画線部と非画線部との境界がシャープにならず、従
って、その解像力に限界があるといった問題がある。ま
た、インクジェット製版システムでは、感熱製版システ
ムのような問題はないが、例えば版材上の感光樹脂の種
類によって最適のインクを選択する必要があるなど、煩
雑さが増す問題がある。
【0012】また、捺染等においては、柄の部分には通
常は版を使用するが、インクジェット方式等による布帛
への直接描画を行う方法も開発されている。しかし、生
産性については版を作成した上で捺染を実施する方式に
比べて劣っており、大量生産にはやはり製版方式の方が
優れている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の製版方法は、あるいは高価であり、あるいは作成され
る版の解像度、寸法安定性の点で不十分であり、あるい
は操作が煩雑であり、あるいは量産性に劣るなどの欠点
を持っていた。
【0014】本発明はこのような従来の欠点を解消し、
安価で解像度に優れ、かつ精度と寸法安定性に良好で、
量産性に優れた製版用フィルムおよびこの製版用フィル
ムを用いた製版方法と製版システムを提供することを目
的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明による製版用フィ
ルムは、透明基材と、該基材上に設けられた下記一般式
(1)で表される繰り返し単位から構成される高分子化
合物を主成分とする層とを有することを特徴とする。
【0016】
【化5】
【0017】ここで、Aは
【0018】
【化6】
【0019】と
【0020】
【化7】
【0021】とからなり、その付加形態が
【0022】
【化8】
【0023】であり、x、yおよびzはそれぞれ1以上
の整数であり、x、y、zより計算される重量比、44
(x+z)/(炭素数3以上のα−オレフィンオキシド
の分子量)y、は80/20〜94/6であり、Xは活
性水素基を2個有する有機化合物の残基、Yは炭素数1
以上の炭化水素基、R1 はジカルボン酸類化合物残基ま
たはジイソシアネート系化合物残基である。
【0024】上述した重量比、すなわち44(x+z)
/(炭素数3以上のα−オレフィンオキシドの分子量)
yが80/20より小さいと親水性が低下し、インク吸
収性、印刷適性で劣るものとなる。一方、94/6を超
えると、インクの滲み耐水性等の点で劣るものとなる。
Yは前記一般式(1)の高分子化合物に疎水性を付与す
る機能を有するものであり、例えば好ましいものとして
はエチル基等のアルキル基等が挙げられ、x、y、zの
割合を上述の範囲内とすることにより、親水性を失わ
ず、かつ、水に対して不溶化することができる。従っ
て、本発明のフィルムは、特開平6−47924号にお
ける透明フィルムとは異なり、印刷後にインクが徐々に
広がることを防止することができる。
【0025】ここで、製版用フィルムは、その400n
mにおける光線透過率が10〜40%であることが望ま
しい。
【0026】本発明による製版方法は、上述した製版用
フィルムの高分子化合物を主成分とする層の表面に画像
を描画する工程、描画された製版用フィルムを感光体に
密着させる工程、製版用フィルムを通して感光体を露光
する工程、および製版用フィルムを感光体から剥離し、
該感光体を現像する工程を有することを特徴とする。
【0027】ここで、描画工程をインクジェット記録方
式で行うことが望ましい。
【0028】さらに、本発明による製版システムは、少
なくとも表面が親水性、インク吸収性の透明プラスチッ
クフィルムの表面に所定の画像を紫外線吸収性インクを
用いて描画するためのインクジェット描画手段、描画さ
れた透明プラスチックフィルムをフォトマスクとして感
光体に紫外線を露光する露光手段、および露光された感
光体を現像して印刷版とする現像手段を具備することを
特徴とする。
【0029】ここで、好適には、透明プラスチックフィ
ルムは、先に記述した透明基材と、該基材上に設けられ
た一般式(1)で表される繰り返し単位から構成される
高分子化合物を主成分とする層とを有する製版用フィル
ムである。
【0030】また、製版システムにおける描画手段、露
光手段および現像手段は、大画面を描くための描画手
段、露光手段および現像手段であるとすることができ
る。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明による製版用フィルムは、
透明な基材、特に透明プラスチック基材上に、上述した
一般式(1)で表される繰り返し単位から構成される高
分子化合物の層を形成したものである。この高分子化合
物は、エチレングリコールにエチレンオキシドを付加重
合した後、アルキレンオキシドを付加重合し、さらにエ
チレンオキシドを付加重合して生成したポリアルキレン
オキシドにジカルボン酸化合物またはジイソシアネート
化合物を反応させて生成することができる。
【0032】上記ジカルボン酸化合物としては環状ジカ
ルボン酸化合物または直鎖状のジカルボン酸化合物が望
ましく、ジカルボン酸、ジカルボン酸無水物、ジカルボ
ン酸の低級アルキルエステルがあげられる。上記ジカル
ボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル
酸、マロン酸、コハク酸、セバシン酸、マレイン酸、フ
マル酸、アジピン酸、イタコン酸があげられる。また、
上記ジカルボン酸無水物としては、上記各種ジカルボン
酸の無水物があげられる。また、上記ジカルボン酸の低
級アルキルエステルとしては、上記各種ジカルボン酸の
メチルエステル、ジメチルエステル、エチルエステル、
ジエチルエステル、プロピルエステル、ジプロピルエス
テル等があげられる。
【0033】特に好ましくは炭素数12〜36の直鎖状
ジカルボン酸およびその低級アルキルエステルがあげら
れる。上記炭素数12〜36の直鎖状ジカルボン酸とし
ては、具体的には、1,10−デカメチレンジカルボン
酸、1,14−テトラデカメチレンジカルボン酸、1,
18−オクタデカメチレンジカルボン酸、1,32ード
トリアコンタンメチレンジカルボン酸等があげられ、上
記その低級アルキルエステルとしては、これらジカルボ
ン酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエス
テル、ジプロピルエステル等があげられる。これらは単
独で、もしくは2種以上併せて用いることができる。な
かでも、特に反応の容易性という観点から、上記ジカル
ボン酸無水物およびジカルボン酸の低級アルキルエステ
ルを用いることが好ましい。
【0034】また、上記ジイソシアネート化合物として
は、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、ト
ルエンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、メチレンビスシクロ
ヘキシルジイソシアネート(H12MDI)等があげられ
る。これらは単独で、または2種以上併せて用いること
ができる。
【0035】このようにして得られた一般式(1)の高
分子化合物を透明プラスチック基材に被覆し、さらに紫
外線、γ線などの電離性放射線を照射して高分子化合物
を架橋反応させると良い。
【0036】本発明においては、安価で、かつ精度と寸
法安定性の良好な製版用フィルムを得るために、例えば
インクジェット方式による描画に好適な特別の透明プラ
スチックフィルムを採用する。インクジェット描画装置
はコンピューター制御によって高精細な画像を描画する
ことができる。
【0037】例えばインクジェットによって描画される
場合、描画された部分は感光体の露光に用いる紫外線の
遮光のために紫外線波長領域に吸収ピークを有すること
が不可欠であり、描画されるフィルムは透明で紫外線が
透過できることが必要である。すなわち、描画されたイ
ンクの存在するところは紫外線の遮光性があり、インク
の存在しないところは紫外線に対する透過性があること
が必要であり、そのコントラストは大きい程よい。紫外
線吸収性の染料の含有量を多くすれば紫外線遮光濃度が
大きくなってそのコントラストが大きくなるはずだが、
現実にはインク中に含有させうる染料の量には溶解限界
が存在する。従って、染料の含有量を無制限に大きくす
ることはできず、特にノズル詰まり等に非常に厳しいイ
ンクジェット用のインクでは染料の含有量は通常数%程
度である。
【0038】そこで、フィルム自体に紫外線に対する遮
光性をもたせることが考えられる。ベースフィルム自体
の紫外線遮光濃度に比しインクの紫外線遮光濃度が圧倒
的に大きいとはいうものの、インクおよびフィルムの紫
外線遮光濃度の和が描画部分の遮光濃度を示すことにな
ることから、描画部分の紫外線遮光濃度を大きくするた
めに、ベースフィルム自体の紫外線遮光濃度を大きくす
ることは工業上の有用な手段である。すなわち、製版と
いう作業において実用上問題のない範囲でベースフィル
ムの紫外線透過性を制御すれば描画部における必要な遮
光濃度を達成することができる。
【0039】本発明においては400nmにおける光線
透過率が10〜40%であることが望ましい。
【0040】フィルムにおいて紫外線の遮光濃度を制御
する方法には、支持体または記録材の結晶化度等をコン
トロールすることにより行ういわゆる内部ヘーズの制御
方法と、表面粗さをコントロールすること等により行う
いわゆる外部ヘーズの制御方法とがある。本発明におい
ては、これらのいずれを用いてもよい。
【0041】また、インクジェット方式によりフィルム
上に描画を行う場合、インクの特性からフィルムは少な
くともその表面は親水性であることが必要である。その
ような材料としてポリビニルアルコール系高分子フィル
ム、セルロース系高分子フィルムが知られており、ポリ
エチレンオキシド系高分子フィルムもその分子構造中の
エーテル基によって良好な親水性を示す特異な物質であ
る。さらに、ポリエチレンオキシドは熱可塑性を有する
ことから、押出製膜等ドライな工程で大量生産が可能な
ことが特徴である。
【0042】しかしながら、インクジェットに用いられ
るインクとしてはノズル詰まりを防止するために乾燥の
遅い水混和性多価アルコールまたはそのエーテル類を主
体に組成したものを用いることが多く、ポリエチレンオ
キシド系の高分子フィルムに印字した場合には、時間の
経過とともに滲みを生じることが多い。そこで、本発明
者等は、優れた熱可塑性と親水性を残しながらインクに
よる滲み等をなくすフィルム材料について多くの検討を
重ね、上述した材料を発見するに至ったものである。
【0043】本発明の製版用フィルムは、分子構造の中
に疎水基を適切に入れることにより熱可塑性と親水性を
保持しながら、印刷後にインクが徐々に広がることを防
止できる。これにより、解像度、画像の鮮明さを大幅に
上昇させることが可能となる。また、インクで描画され
た後に、例えば透明かつ疎水性の樹脂で描画部をオーバ
ーコートすることにより、耐水性や耐擦傷性を向上させ
ることができる。
【0044】
【実施例】以下に本発明の実施例を示して具体的に説明
する。
【0045】エチレングリコールにエチレンオキシドを
付加重合した後、ブチレンオキシドを付加重合し、さら
にエチレンオキシドを付加重合して得たポリアルキレン
オキシドに、オクタデカン−1,18−ジカルボン酸メ
チルを加え、エステル交換反応を行った。このようにし
て得られた重量平均分子量15万の高分子化合物を押出
機により溶融し、Tダイ温度140℃にて厚さ10μm
に押出し、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレー
トフィルム上にコーティングし、さらにγ線を10Mr
ad照射して、製版用フィルムの透明プラスチックフィ
ルムを作成した。このようにして得られた透明プラスチ
ックフィルムは紫外線に対して透明であり、その表面は
親水性で、インクの吸収性も良かった。
【0046】この製版用透明プラスチックフィルムを用
いる製版システムの実施例のブロック図を図1に示す。
【0047】インクジェット記録装置1により紫外線吸
収性インクを用いて、製版用透明プラスチックフィルム
2に所定の画像が描画される。インクジェット記録装置
1は、好ましくはコンピュータである制御手段3によっ
て制御される。描画された製版用透明プラスチックフィ
ルムは製版用のフォトマスク4として使用される。すな
わち、表面に感光性の膜を有する感光体5にこのフォト
マスク4を密着させ、露光装置6でマスク4を通して感
光体5を紫外線に露光し、その後、マスクを剥離して、
現像装置7で、水洗、乾燥、感光膜の硬化処理などを行
って、印刷用の版8を作成する。
【0048】具体的には、例えばコンピュータでイメー
ジを作成したものをデータ変換し、このデータに基づい
て、透明フィルムにヒューレットパッカード社のプロッ
ターHPデザインジェット330を用いて画像を描画し
た。使用したインクは370〜420nmの波長に吸収
ピークを持つ、紫外線の遮光性に優れた水性インクとし
て、ガーバー社製 Screenjet Emulsion Dye を使用し
た。
【0049】このようにして描画された透明プラスチッ
クフィルムを印刷製版用のフォトマスクとして、以下に
述べる製版を行った。
【0050】実施例1 旭化成工業(株)製のAPRフレックス(登録商標、ポ
リウレタン系凸版用感光性樹脂、FBタイプ)に、露光
用マスクとして上述した画像が形成された、一般式
(1)で表される繰り返し単位から構成される高分子化
合物の層を含む透明プラスチックフィルムを密着させ、
メタルハライドランプ(6kW)で5分間露光した後透
明プラスチックフィルムを剥離した。次いで3分間水洗
した後、再度水中で10分間再露光した。さらに、感光
性樹脂の表面を公知の方法に従って5分間リンス液処理
した後、5分間乾燥して版厚0.7mm、ショアー硬さ
約60度の樹脂凸版が得られた。この凸版を用いて線幅
100〜150μmの解像性を有するパッケージおよび
段ボール印刷用として良好なフレキソ印刷を実施するこ
とができた。
【0051】実施例2 砂目立ちしたアルミニウム板を陽極酸化した後、フッ化
ジルコニウム塩で前処理した上に、パラジアゾジフェニ
ルアミン−パラホルムアルデヒド縮合体を厚さ5〜8μ
m塗布して感光化したPS版(富士写真フィルム製)
に、上述したように画像が形成された透明プラスチック
フィルムを密着させ、メタルハライドランプ(3kW)
で40秒露光し、透明プラスチックフィルムを剥離し
た。その後、PS版自動現像機にて公知の方法に従って
水洗、強化膜処理、ベーキングを行い、オフセット印刷
を実施したところ、線幅100μmの解像度を示し、良
好な結果が得られた。
【0052】実施例3 アルミニウム枠に100メッシュのテトロン紗を貼り、
その上にバケットにてジアゾ感光乳剤スーパーキング
(登録商標、PVA−酢酸ビニルエマルジョンとジアゾ
の混合液、東京応化工業(株)製)を、厚さ30μm塗
布した後、暗乾燥し、上述した描画済みの透明プラスチ
ックフィルムを密着させ、メタルハライドランプ(3k
W)で40秒間露光した後、透明プラスチックフィルム
を剥離した。次いで、水洗、乾燥、硬膜液処理してシル
クスクリーン版を得た。このシルクスクリーン版を用い
て、線幅150μmの解像性を有する捺染、銘板、看板
等の印刷用として良好なシルクスクリーン印刷を実施す
ることができた。
【0053】実施例4 印刷の版の大きさを、914mm×2000mmの大画
面とした以外は実施例3と同様にしてシルクスクリーン
版を得た。このシルクスクリーン版を用いて、線幅15
0μmの解像性を有する屋外等の広告にも使用できる大
画面印刷用として良好なシルクスクリーン印刷を実施す
ることができた。
【0054】実施例5 実施例1に用いた印刷用透明プラスチックフィルムと同
様にして、一般式(1)を繰り返し単位として有する高
分子化合物を主成分とするフィルムを押出機により厚さ
10μmで押し出し、厚さ100μmのポリエチレンテ
レフタレートフィルム上にコーティングして透明プラス
チックフィルムを作成した。ただし、タッチロールによ
りニップし、タッチロールの温度を10℃、25℃、3
5℃、50℃に制御して記録材の透明性を変化させて4
種類の製版用フィルムA、B、C、Dを得た。それぞれ
のフィルムについて波長400nmの光に対する光線透
過率を測定したところ、フィルムAは58%、フィルム
Bは36%、フィルムCは15%、フィルムDは1%で
あった。
【0055】次いで、実施例3に示す方法で各フィルム
にスクリーン印刷を行った。すなわち、フィルムA、
B、C、Dの4種類のフィルムに描画した後、厚さ30
μmおよび200μmの2種類の厚さで感光剤を塗布し
たテトロン紗に密着させ、それぞれメタルハライドラン
プで15秒間と2分間露光して、スクリーン印刷版を得
た。得られたスクリーン版を用いてスクリーン印刷を行
った。その結果を表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】この結果から、400nmにおける光線透
過率が10〜40%の範囲内にあるフィルムB、Cにつ
いては、感光剤の塗布厚が30μmで15秒露光して
も、塗布厚が200μmで2分露光しても印刷画像のコ
ントラストが大きく、解像度に優れていた。透過率が4
0%より大きいフィルムAについては、塗布厚が200
μmの場合、2分間の露光ではコントラストがはっきり
しなくなるが、露光時間を制限すれば良好な画像を得る
ことができる。また、透過率が10%より小さいフィル
ムDについては、感光剤の塗布厚が30μmの場合、1
5秒の露光では非画線部の露光が不足してコントラスト
が明確ではなくなるが、露光時間を長くすれば良好な画
像を得ることができる。
【0058】実施例6 実施例1に用いた透明プラスチックフィルムと同様の製
版用透明フィルムに、インクジェット記録装置により紫
外線吸収性インクを用いて画像を描画した。得られた画
像について耐水性および耐擦傷性の評価を以下のように
して行った。また、同様のフィルムに有機溶剤にアクリ
ル樹脂を溶かした液をスプレーして表面に薄い皮膜を形
成したものについても同様の評価を行った。
【0059】耐水性の評価:得られたフィルムを1×5
cm角に切断し、幅(W)23cm×長さ(L)28c
m×高さ(H)3cmのバットに約2cmの深さまで水
を入れ、これに浸漬し、一定時間後にフィルムを取り出
して画像濃度を目視により観察した。ただし、フィルム
上には5mm幅の黒の直線画像が描かれている。その結
果を表2に示す。
【0060】
【表2】
【0061】耐擦傷性の評価:得られたフィルムの画像
記録層表面を1×2cm角に折りたたんだ綿布で擦り、
その後記録層表面を目視により観察した。フィルム上に
は5mm幅の黒の直線画像が描かれていたが、1回擦っ
ただけで表面に傷がついた。これに対し、上記スプレー
して表面に薄い膜を形成したフィルムでは20回擦って
も傷がつかなかった。すなわち、インクジェット印刷に
より描画を形成した後、描画部をオーバーコートするこ
とにより、製版用透明フィルムの耐水性、耐擦傷性をさ
らに向上させることができることが分かった。
【0062】なお、表面の皮膜形成には上記アクリル樹
脂の他、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンフタレート等透
明でかつ疎水性の樹脂がよい。ただし、インクの乾燥が
完全になされる前に皮膜が形成される可能性もあること
からその厚さは5μm以下であることが好ましく、2μ
m以下であることが更に好ましい。また、皮膜の形成方
法には種々あるが、例えば、ラミネート、コーティン
グ、デッピング等があり、インクジェット記録後行うこ
とを考慮すると、上記スプレーによることのほうが簡便
である。
【0063】比較例 従来のインクジェット用OHPフィルムを用いて上述し
たプロッタにより同様に描画し、これをフォトマスクと
して、実施例1〜3と同様の方法で製版を行った。いず
れの場合も鮮明な印刷版が得られず、印刷製版用フォト
マスクフィルムとして使用できなかった。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
上述した一般式(1)で表される繰り返し単位から構成
される高分子化合物を主成分とする層を透明基材上に有
する製版用マスクを用いるので、フレキソ印刷、オフセ
ット印刷、シルクスクリーン印刷等、各種の印刷に好適
に使用できる印刷版を実現することができ、高解像度の
印刷を安価に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による製版システムの実施例のブロック
図である。
【符号の説明】
1 インクジェット記録装置 2 製版用透明プラスチックフィルム 3 制御手段 4 フォトマスク 5 感光体 6 露光装置 7 現像装置 8 印刷用の版
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 葛川 和夫 京都府京都市中京区二条通西洞院東入正行 寺町662番地 葛川工業株式会社内 (72)発明者 西岡 潤 滋賀県長浜市三ツ矢町5番8号 三菱樹脂 株式会社長浜工場内 (72)発明者 西村 茂樹 滋賀県長浜市三ツ矢町5番8号 三菱樹脂 株式会社長浜工場内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基材と、該基材上に設けられた下記
    一般式(1)で表される繰り返し単位から構成される高
    分子化合物を主成分とする層とを有することを特徴とす
    る製版用フィルム: 【化1】 ここで、Aは 【化2】 と 【化3】 とからなり、その付加形態が 【化4】 であり、x、yおよびzはそれぞれ1以上の整数であ
    り、x、y、zより計算される重量比、44(x+z)
    /(炭素数3以上のα−オレフィンオキシドの分子量)
    y 、は80/20〜94/6であり、Xは活性水素基を
    2個有する有機化合物の残基、Yは炭素数1以上の炭化
    水素基、R1 はジカルボン酸類化合物残基またはジイソ
    シアネート系化合物残基である。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の製版用フィルムの波長
    400nmの光に対する光線透過率が10〜40%であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の製版用フィルム。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の製版用フィルムの前記
    高分子化合物を主成分とする層の表面に画像を描画する
    工程、 描画された前記製版用フィルムを感光体に密着させる工
    程、 前記製版用フィルムを通して前記感光体を露光する工
    程、および前記製版用フィルムを前記感光体から剥離
    し、該感光体を現像する工程を有することを特徴とする
    製版方法。
  4. 【請求項4】 前記描画工程をインクジェット記録方式
    で行うことを特徴とする請求項3に記載の製版方法。
  5. 【請求項5】 少なくとも表面が親水性、インク吸収性
    の透明プラスチックフィルムの表面に所定の画像を紫外
    線吸収性インクを用いて描画するためのインクジェット
    描画手段、描画された前記透明プラスチックフィルムを
    フォトマスクとして感光体に紫外線を露光する露光手
    段、および露光された前記感光体を現像して印刷版とす
    る現像手段を具備することを特徴とする製版システム。
  6. 【請求項6】 前記透明プラスチックフィルムが請求項
    1に記載の製版用フィルムであることを特徴とする請求
    項5に記載の製版システム。
  7. 【請求項7】 前記描画手段、露光手段および現像手段
    が、大画面を描くための描画手段、露光手段および現像
    手段であることを特徴とする請求項6に記載の製版シス
    テム。
JP32665797A 1996-11-29 1997-11-27 製版用フィルムおよび該フィルムを用いた製版方法 Expired - Fee Related JP3814391B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32665797A JP3814391B2 (ja) 1996-11-29 1997-11-27 製版用フィルムおよび該フィルムを用いた製版方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8-319351 1996-11-29
JP31935196 1996-11-29
JP32665797A JP3814391B2 (ja) 1996-11-29 1997-11-27 製版用フィルムおよび該フィルムを用いた製版方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006034233A Division JP2006221181A (ja) 1996-11-29 2006-02-10 製版システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10250028A true JPH10250028A (ja) 1998-09-22
JP3814391B2 JP3814391B2 (ja) 2006-08-30

Family

ID=26569690

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32665797A Expired - Fee Related JP3814391B2 (ja) 1996-11-29 1997-11-27 製版用フィルムおよび該フィルムを用いた製版方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3814391B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007298805A (ja) * 2006-05-01 2007-11-15 Seiko Epson Corp フォトマスク、フォトマスクの製造方法、フォトマスクの製造装置および配線基板
JPWO2006019134A1 (ja) * 2004-08-19 2008-05-08 三菱樹脂株式会社 インクジェット記録材料

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2006019134A1 (ja) * 2004-08-19 2008-05-08 三菱樹脂株式会社 インクジェット記録材料
US7951435B2 (en) 2004-08-19 2011-05-31 Mitsubishi Plastics, Inc. Inkjet recording material
JP2007298805A (ja) * 2006-05-01 2007-11-15 Seiko Epson Corp フォトマスク、フォトマスクの製造方法、フォトマスクの製造装置および配線基板

Also Published As

Publication number Publication date
JP3814391B2 (ja) 2006-08-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2103863A1 (en) Method for preparing high resolution wash-off images and non-photosensitive elements for use therein
JP2886254B2 (ja) 感光性樹脂版の製造方法及びそれに用いる製版装置
EP0883026A1 (en) Method of forming an image
CN104303105A (zh) 液态制版方法
US6387594B1 (en) Plate making film, plate making ink, plate making method using the film, and plate making system using the film
WO2000077576A1 (en) Method for producing a digitally imaged screen for use in a screen printing process
JP3814391B2 (ja) 製版用フィルムおよび該フィルムを用いた製版方法
US6811931B1 (en) Photomask original form having layer for protecting film surface and method for preparing the same, and protective layer-forming liquid for photomask original form
JP3768339B2 (ja) 製版用フィルムおよび該フィルムを用いた製版方法と製版システム
JP2006221181A (ja) 製版システム
JPH1016421A (ja) 水なし平版印刷版及びその製造方法
EP0048160B1 (en) Photosensitive recording material, and method of half-tone etching
JP6241034B2 (ja) 凸版印刷版用感光性樹脂積層体
JPH09131979A (ja) 直描型水なし平版印刷版原版
JP3949278B2 (ja) 印刷製版用フォトマスクフィルム
JP3810653B2 (ja) 印刷用版材用塗布液、印刷用版材、印刷用版材の作製方法、再生方法及び印刷機
JP3496370B2 (ja) 直描型水なし平版印刷版原版
JPH04320839A (ja) 記入シート
JPH09131977A (ja) 直描型水なし平版印刷版原版
JPS60192693A (ja) 製版用画像フイルムおよびその製造方法
WO2000014601A1 (en) Method of production of a negative photomechanical film, substrate and ink composition for carrying out such a method
JP2003287885A (ja) 画像形成方法
Stelter Capabilities of existing optical laser pattern generator for large area micro images
JP2002361816A (ja) 印刷用版材の作製方法,再生方法及び印刷機及び印刷用版材並びに印刷用版材用塗布液
JP2010155371A (ja) 印刷版の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051208

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051216

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060210

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060210

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060530

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060605

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees