JPH10249932A - 縦延伸熱可塑性ポリマーフィルムの製造方法及び熱可塑性ポリマーフィルムの縦延伸装置 - Google Patents

縦延伸熱可塑性ポリマーフィルムの製造方法及び熱可塑性ポリマーフィルムの縦延伸装置

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JPH10249932A
JPH10249932A JP7446897A JP7446897A JPH10249932A JP H10249932 A JPH10249932 A JP H10249932A JP 7446897 A JP7446897 A JP 7446897A JP 7446897 A JP7446897 A JP 7446897A JP H10249932 A JPH10249932 A JP H10249932A
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roller
speed
thermoplastic polymer
polymer film
film
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Application number
JP7446897A
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English (en)
Inventor
Kazuo Ozaki
和夫 尾崎
Fumitaka Terai
文隆 寺井
Ryuichi Katsumoto
隆一 勝本
Masaaki Otoshi
正明 大歳
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 縦方向に厚みムラのない均一な物性を有する
縦延伸熱可塑性ポリマーフィルムを簡便に製造する方法
を提供すること。 【解決手段】 熱可塑性ポリマーフィルムを、予熱した
後、低速ローラ及び高速ローラを通過させることにより
縦延伸することからなる縦延伸熱可塑性ポリマーフィル
ムの製造方法において、低速ローラおよび高速ローラの
少なくとも一方の周速を、高速ローラ通過後の熱可塑性
ポリマーフィルムに発生する周期的な厚み変動を補償す
るように、周期的に変動させることを特徴とする縦延伸
熱可塑性ポリマーフィルムの製造方法;及び予熱ロー
ラ、低速ローラ、高速ローラ、加熱手段、及び冷却ロー
ラからなる縦延伸装置で、冷却ローラ近傍に配置された
フィルムの厚み変動を測定する厚み計及びその得られた
厚み変動を補償するような周期と速度の変動値を低速ロ
ーラ又は高速ローラに与えて当該ローラの周速を制御す
るコントローラからなる縦延伸装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、縦延伸熱可塑性ポ
リマーフィルムの製造方法及びそれに用いられる縦延伸
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ポリマーフィルムは、包装用フ
ィルム、製版基板、印刷用フィルム、ラミネートフィル
ム、写真用支持体(例、ネガフィルムあるいはX線フィ
ルム用支持体)、磁気記録媒体あるいは光ディスク等の
支持体として広く使用されている。例えば、ポリエチレ
ンテレフタレート(PET)に代表されるポリエステル
系樹脂のフィルムは、寸法安定性、機械的強度、透明性
等の特性に優れていることから、主に写真用支持体、磁
気記録媒体の支持体として使用されている。特にポリエ
チレンテレフタレート(PET)は、写真分野におい
て、従来からレントゲンフィルム、リスフィルム等のシ
ート状写真感光材料の支持体として利用されている。ま
た最近では、PETより機械強度、熱安定性、ガスバリ
ヤ性に優れたポリエチレン−2,6−ナフタレート(P
EN)が、これらの特性をほとんど低下させずにフィル
ムを薄くすることができる熱可塑性ポリマーとして写真
用支持体等の分野で注目されている。
【0003】このようなポリエステル樹脂等の熱可塑性
ポリマーは、延伸することにより優れた物性が得られる
ことが知られており、熱可塑性ポリマーは、通常一軸延
伸フィルムあるいは二軸延伸フィルムとして使用されて
いる。上記二軸延伸フィルムは、縦一軸延伸した後、横
延伸することにより製造される。熱可塑性ポリマーを縦
延伸する際、破断することなく安定して延伸が行えるよ
うに種々の方法が提案されている。例えば、特開平4−
282225号公報には、縦延伸を行うための低速ロー
ラ及び高速ローラの間を通過する熱可塑性ポリマーフィ
ルムの加熱を徐々に温度を上げながら行うことが;また
特開平8−118466号公報には、種々な特性のフィ
ルムに対して適用できるように平行延伸、クロス延伸が
切り替え可能な装置が;さらに、特開平8−11204
号公報には、安定して高倍率の延伸ができるように低速
ローラ上に2個のピンチローラが設けられた装置が、提
案されている。
【0004】上記装置あるいは方法により、縦延伸熱可
塑性ポリマーを安定して得ることは可能である。しかし
ながら、本発明者の検討によると、ポリマーの種類、フ
ィルムの製造条件により、得られる延伸フィルムの縦延
伸方向に短い周期の厚みムラが発生することが明らかに
なった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】縦延伸フィルムは、一
般に、上記のように低速ローラと高速ローラの一定の周
速差を利用してポリマーフィルムを延伸して作製され
る。本発明者の検討よれば、ある応力に対してひずみ量
が複数現れる特性(S−S(Stress-Strain) 特性)を有
するポリマーフィルムにおいては、上記のローラの周速
差による延伸を行なうと、延伸される量(ひずみ量)に
差が生じるが、この差は不規則でなく周期的に現れるこ
とが明らかとなった。このひずみ量の差は、厚みムラと
して現れ、そして、延伸条件が同じであれば、この厚み
ムラは周期、ムラの大きさ(振幅)は一定であることも
明らかとなった。一般に、この周期は、周波数で数Hz
程度であり、この周期を補償するように、例えばその位
相及び厚みムラの振幅に応じた周期的な速度変動を低速
または高速ローラに与えることにより、厚みムラのない
縦延伸フィルムが得られることが明らかとなった。本発
明の目的は、縦方向に厚みムラのない均一な物性を有す
る縦延伸熱可塑性ポリマーフィルムを簡便に製造する方
法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱可塑性ポリ
マーフィルムを、予熱した後、低速ローラ(ロール)及
び周速が低速ローラより大きい高速ローラ(ロール)を
通過させることにより縦延伸することからなる縦延伸熱
可塑性ポリマーフィルムの製造方法において、低速ロー
ラおよび高速ローラの少なくとも一方の周速を、高速ロ
ーラ通過後の熱可塑性ポリマーフィルムに発生する周期
的な厚み変動を補償するように、周期的に変動させるこ
とを特徴とする縦延伸熱可塑性ポリマーフィルムの製造
方法にある。
【0007】本発明の縦延伸熱可塑性ポリマーフィルム
の製造方法の好ましい態様は下記の通りである。 1)周速の周期的な変動が、低速ローラおよび高速ロー
ラの少なくとも一方の周速設定値に、周期及び速度の変
動を与えることにより行われる。 2)周期的に変動させる周速の変動の周期は、周波数で
表現すると数Hz(一般に1〜10Hz)である。 3)周期的に変動させる周速の変動幅が、回転速度の±
20%以内にある。 4)周期的に変動させる周速の周期が、熱可塑性ポリマ
ーフィルムに発生する厚み変動の周期に、その位相を1
80度移動した(ずらした)厚み変動を与える周期であ
る。 5)熱可塑性ポリマーフィルムが、芳香族ポリエステル
(ポリエチレンテレフタレート又はポリエチレンナフタ
レートが好ましく、特にポリエチレンナフタレート)か
らなる。 6)縦延伸熱可塑性ポリマーフィルムが、さらに横延伸
される。 7)ポリエステルフィルムが、さらに平均粒径が0.1
〜1μmの範囲の不活性微粒子(好ましくはシリカ)を
5〜100ppmの範囲で含んでいる。
【0008】更に本発明は、上記製造方法に有利に利用
することができる下記の装置にもある。熱可塑性ポリマ
ーフィルムを予熱するための予熱ローラ、該フィルムを
縦延伸するための低速ローラ及び周速が低速ローラより
大きい高速ローラ、低速ローラおよび高速ローラ間の該
フィルムを加熱するための加熱手段、及び延伸されたフ
ィルムを冷却するための冷却ローラからなる熱可塑性ポ
リマーフィルムの縦延伸装置において、冷却ローラ近傍
に配置された冷却された熱可塑性ポリマーフィルムの厚
み変動を測定する厚み計及びその得られた厚み変動を補
償するような周期と速度の変動値を低速ローラ及び/又
は高速ローラに与えて当該ローラの周速を制御するコン
トローラからなる熱可塑性ポリマーフィルムの縦延伸装
置。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明について以下に詳細に説明
する。本発明の横延伸熱可塑性ポリマーフィルムの製造
方法に使用される熱可塑性ポリマーとしては、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレ
ート等のポリエステル(芳香族系ポリエステルが好まし
い)、ポリエチレン(高密度ポリエチレン、超高密度ポ
リエチレンが好ましい)、ポリプロピレン、シンジオタ
クチックポリスチレン等のポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリアミドを挙げることができる。これらの中で、
ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンが好まし
く、特に芳香族系ポリエステルが寸法安定性、機械的強
度、透明性に優れていることから好ましい。
【0010】本発明で使用することができるポリエステ
ルの代表例としては、主たる構成単位がエチレンテレフ
タレートまたはエチレン−2,6−ナフタレートからな
るポリエステル(即ち、ポリエチレンテレフタレート
(PET)またはポリエチレン−2,6−ナフタレート
(PEN))、及びエチレンテレフタレート及びエチレ
ン−2,6−ナフタレートの両方の単位を含むポリエス
テル(共重合体)を挙げることができる。
【0011】上記PEN、PETに於て、他の成分によ
る構成単位を20モル%以下の範囲で共重合により含ん
でいても良い。共重合単位となりうる二官能性カルボン
酸成分としては、例えば、イソフタル酸、5−ナトリウ
ムスルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸とそれ
らのアルキルエステル、1,4−シクロヘキサンジカル
ボン酸、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボ
ン酸とそれらのアルキルエステル、そしてトリメリット
酸、ピロメリット酸などの多官能性カルボン酸またはそ
れらのアルキルエステルなどを挙げることができる。ま
たポリエチレンテレフタレートの場合、他の共重合単位
となりうる二官能性カルボン酸成分としてさらに2,6
−ナフタレンジカルボン酸を、またポリエチレン−2,
6−ナフタレートの場合、他の二官能性カルボン酸成分
としてさらにテレフタル酸を挙げることができる。一
方、エチレングリコール以外の同様に共重合単位となり
うるグリコール成分としては、ジエチレングリコール、
ブタンジオール、分子量150〜20000のポリアル
キレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル及びビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物な
どを挙げることができる。ポリエステルとして、上記二
塩基酸の任意の化合物と、上記グリコールの任意の化合
物から得られるポリエステルも、勿論本発明で使用する
ことができる。
【0012】また、上記ポリエステルの製造時に使用す
るエステル化反応触媒、エステル交換反応触媒、重縮合
反応触媒は、従来から知られているチタン化合物、マン
ガン化合物、亜鉛化合物、アンチモン化合物、ゲルマニ
ウム化合物などを適宜使用することができる。触媒の添
加量は、ポリエステルに対して50〜500ppmが一
般的であり、100〜200ppmが好ましい。また、
目的に応じてそのほかの金属化合物や含窒素塩基性化合
物、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白
剤、染料などを使用してもよい。また、ポリエステルの
製造方法は、従来から知られている通常の方法で行うこ
とができる。すなわち、回分式、半回分式、連続式のい
ずれでもよく、またエステル交換反応法でも直接エステ
ル化反応法でもよい。更に、これらの重合反応後に、固
相重合反応を行なっても良い。
【0013】本発明で得られる熱可塑性ポリマーフィル
ムは、表面の滑り性付与剤として、不活性微粒子を30
0ppm以下(好ましくは5〜100ppm)の量で含
むことが好ましい。不活性微粒子としては、タルク、シ
リカ、酸化アルミニウム、炭酸カルシウムなどの無機化
合物や、架橋されたアクリル樹脂、ベンゾグアナミン樹
脂等の架橋高分子などの有機化合物を挙げることができ
る。これらの中でシリカが好ましく、特に破砕型シリカ
が好ましい。このような熱可塑性ポリマーフィルムは、
熱可塑性ポリマーと上記微粒子の混合物を溶融押し出し
して、延伸することにより得ることができる。不活性微
粒子の粒子径分布は、0.01〜5μmの範囲が好まし
く、特に0.01〜3μmの範囲が好ましい。粒子径が
5μmを超える粗大粒子は、フィルム表面の平滑性を低
下させたり、またフィルム形成時にボイドを発生させて
ヘイズを高くする傾向にある。また、0.01μm未満
の粒子では滑り性向上の効果がほとんどない。本発明で
は、特に平均粒径が0.1〜1μmの範囲の不活性微粒
子を5〜100ppmの範囲で含んでいることが好まし
い。
【0014】本発明では、熱可塑性ポリマーがポリエス
テルの場合、ポリマーフィルム中に、ポリエステル重合
工程で、金属化合物とリン化合物とを反応させ、リン酸
金属塩として析出させた粒子(いわゆる内部粒子)を含
んでいても良い。
【0015】上記熱可塑性ポリマーを用いて縦延伸又は
縦横の二軸延伸熱可塑性ポリマーフィルムの製造方法
は、例えば、下記のように行なわれる。図1を参照しな
がら説明する。熱可塑性ポリマーとして芳香族系ポリエ
ステル(及び好ましくは上記微粒子)を用いた場合、こ
れをあらかじめ乾燥させ(一般に80〜180℃で、8
〜36時間行なわれ、特にポリエステルのガラス転移温
度以下の場合は減圧雰囲気下での乾燥が好ましい)、こ
れをホッパー1から押出機2に投入する。押出機内は2
80〜330℃(好ましくは290〜325℃)に加熱
されており、押出機内でポリエステルは溶融混合され
る。この溶融混合は、一般に0.5分以上(好ましくは
1〜20分)行なわれる。また、さらに溶融ポリマーは
目開き1〜100μmのフィルターを通過させることが
好ましい。溶融ポリエステル(一般に280〜330℃
に加熱されている)は、Tダイ3からキャスティングロ
ーラ4上に、シート状に溶融押し出しされ、5〜110
℃で冷却固化され、無定型シート(未延伸フィルム)を
得る。次いで、予熱ローラ6で予備加熱された後、加熱
下に低速ローラ5と高速ローラ7により、70〜190
℃の温度にて縦方向(長尺方向)に一般に2〜5倍(好
ましくは2.5〜4倍)に延伸され、次いで冷却ローラ
8で冷却される。その後、熱風10が送られている横延
伸装置9に入り、両側をテンターで保持されて予熱部1
2で加熱された後、延伸部13で100〜190℃(好
ましくは120〜180℃)の温度にて横方向(幅方
向)に2〜5倍(好ましくは2.8〜4.5倍)に延伸
され、熱固定部14で165〜290℃(好ましくは2
20〜270℃)で熱処理され、次いで熱緩和部15で
熱緩和され、最後に冷却部16で冷却され、得られた二
軸延伸ポリエステルフィルムが巻取機11で巻き取られ
る。延伸時の温度は、例えば、PETの場合、110〜
150℃が好ましく、PENの場合、115〜180℃
が好ましい。尚、縦延伸のみのフィルムを得る場合は、
横延伸装置に入らずそののまま巻き取られる。
【0016】次いで、本発明の特徴的部分である熱可塑
性ポリマーを用いて縦延伸熱可塑性ポリマーフィルムを
製造する方法を、本発明の縦延伸装置の一例を示す図2
を参照しながら詳しく説明する。上記のように溶融ポリ
エステルをキャスティングローラ上で冷却固化して得ら
れた無定型シート20(未延伸フィルム)を、予熱ロー
ラ21a、21bで予備加熱(一般に50〜120℃)
した後、加熱された低速ローラ22(一般に表面温度2
0〜100℃)とニップローラ23との間を通し、加熱
ヒーター27で加熱しながら高速ローラ24(一般に表
面温度10〜80℃)とニップローラ25との間を通
す。無定形シート20aは高速ローラ24により引き伸
ばされ、縦延伸される。延伸されたシートは、冷却ロー
ラ26a、26b(一般に10〜80℃)で冷却され、
パスローラ26c、26dで搬送されて、縦延伸ポリエ
ステルフィルムが得られる。
【0017】上記低速ローラの周速は、5〜100m/
分の範囲が好ましく、そして高速ローラの周速は、5〜
400m/分の範囲が好ましい。上記無定型シートの厚
さは100〜1000μmの範囲が好ましい。
【0018】図2において、冷却された延伸フィルムは
搬送ローラ26cと26dとの間で厚み計29により厚
みが測定され、厚みのデータは高速ローラの周速を制御
するコントローラ28に送られる。そして、このコント
ローラ28で、その厚みのデータから得られる厚み変動
をローラの周速の速度変動と周期変動に変換して高速ロ
ーラの周速を制御する。勿論、低速ローラの周速を制御
しても、両ローラの周速を制御してもよい。また、上記
厚み計を用いず、前もって同条件で縦延伸した時の延伸
フィルムの厚み変動のデータを得ておき、そのデータを
基に低速ローラ及び/又は高速ローラの周速を制御して
も良い。また、低速または高速ローラを周期的に変動さ
せる周速の周期(周期的に変動させる周速を波として表
わした場合の周期)は、熱可塑性ポリマーフィルムに発
生する厚み変動の周期に、その位相を180度移動した
(ずらした)厚み変動を与えるような周期である。
【0019】上記延伸フィルムの厚みのデータから得ら
れる厚み変動をローラの周速の変動幅と周期に変換する
本発明の方法は例えば下記のように行われる。図3を参
照して説明する。上記方法は、一般に、周速の周期的な
変動が、低速ローラおよび高速ローラの少なくとも一方
の周速設定値に、周期及び速度の変動値を与えることに
より行われることが好ましい。(A)に示す厚み変動が
あった場合、例えばフィルムの厚みの初期設定値が10
0μmで、横軸が変動値0μmで±10μmの変動があ
った場合、低速及び高速ローラによりこの変動を補償す
るためには、フィルムの厚みが+10μm変動した位置
では−10μmとなるよう、−10μm変動した位置で
は+10μmとなるような厚み変動を与えるように、低
速または高速ローラ周速の変動を与えれば良い。高速ロ
ーラに変動を与える場合、周速が大きくなった時にロー
ラ間の差が増大するので、フィルムの厚み変動が+10
μmの位置で周速を極大に、−10μmの位置で周速を
極小になるように、即ち厚みの変動と同じように増減の
関係で周速に変動を与えれば良い。低速ローラに周速の
変動を与える場合は、周速が小さくなった時にローラ間
の差が増大するので、高速ローラとは反対に、フィルム
の厚み変動が+10μmの位置で周速を極小に、−10
μmの位置では周速を極大になるように変動を与えれば
良い。
【0020】上記のように、周速の周期的な変動が、低
速ローラおよび高速ローラの少なくとも一方の周速設定
値に、周期及び速度の変動値を与えることにより行われ
ることが好ましい。厚み変動の周期、即ち低速または高
速ローラを周期的に変動させる周速の周期は、周波数で
表現すると1〜10Hzの範囲、時間で表現すると0.
1〜1秒の範囲が好ましい。また、その周期的に変動さ
せる周速の変動幅は、一般に回転速度の±30%以内に
あり、±20%以内が好ましい。例えば、図3の(A)
における延伸フィルムの厚みが100μm、厚み変動a
がプラス側で10μm(マイナス側も同じ)、周期cが
0.18秒(延伸倍率が4)の場合、図3の(B)の高
速ローラの設定周速が100m/分で、周速変動cが
1.2m/分(マイナス側)及び2.7m/分(プラス
側)で、周期dは上記bと同じ0.18秒で厚み変動を
ほぼ補償することができる。前記低速または高速ローラ
を周期的に変動させる周速の周期の位相は、測定する厚
み変動の位相に一般に対応させるが、厚み変動に対応し
て変化する低速または高速ローラのトルクを検出してそ
れに対応させてもよい。コントローラにより低速または
高速ローラに送られる信号は、厚み変動に対応する上記
のような波状のアナログ信号でも、極大値と極小値のみ
のディジタル信号でも良い。
【0021】上記フィルムの厚み変動の測定は、フィル
ムの中央部の一点を縦方向に測定してもよいし、複数の
地点で測定しその平均を用いていも良い。厚み変動を測
定する厚み計としては、例えば、赤外線厚み計、β線厚
み計、レーザ式厚み計、及び接触式厚み計を挙げること
ができる。そして、本発明では、上記検出した厚み変動
に基づいて演算処理して、自動的に低速または高速ロー
ラの周速を制御するため、種々の制御システム(例、P
制御、PI制御、PID制御)を利用したコントローラ
を使用することが、好ましい。
【0022】上記縦延伸したポリエステルフィルム(熱
可塑性ポリマーフィルムも同様)は、その厚さが50〜
1000μmの範囲が一般的であり、50〜600μm
の範囲が好ましい。また、そのフィルムの幅は、一般に
100〜2000mmの範囲にあり、100〜1000
mmが好ましく、特に100〜500が好ましい。ま
た、上記縦延伸ポリエステルフィルムを更に横延伸する
場合、得られる横延伸したポリエステルフィルム(熱可
塑性ポリマーフィルムも同様)は、その厚さが20〜3
00μmの範囲が一般的であり、30〜200μmの範
囲が好ましい。また、そのフィルムの幅は、一般に10
0〜10000mmの範囲にあり、100〜5000m
mが好ましく、特に100〜3000が好ましい。
【0023】前記図2では、ニップローラ式による縦延
伸方法を説明したが、低速ローラ及び/又は高速ローラ
を用いる延伸方法であれば、クローバーローラ式、ある
いは連続延伸式等のいずれの方法にでも、本発明の方法
を適用することができる。また、上記縦延伸フィルムを
更に横延伸する場合は、幅方向の厚み変動を抑えるた
め、フィルム表面の幅方向の温度分布がほぼ一定となる
ように、フィルム表面を過熱しながら横延伸を行なうこ
とが好ましい。
【0024】本発明では、上記二軸延伸フィルムは、二
軸延伸した巻取られた後、50℃以上ガラス転移温度以
下の範囲の温度で熱処理を行なっても良い。熱処理を行
なうのに要する時間は、0.1〜1500時間が一般的
である。この効果は熱処理温度が高いほど早く進む。し
かし熱処理温度がガラス転移温度を超えるとフィルム内
の分子がむしろ乱雑に動き逆に自由体積が増大し、分子
が流動し易い、即ち巻きぐせの付き易いフィルムとな
る。従ってこの熱処理はガラス転移温度以下で行うこと
が必要である。
【0025】
【実施例】以下、実施例にて本発明をさらに具体的に説
明するが、本発明はこれによって限定されるものではな
い。
【0026】[実施例1]図2を参照しながら説明す
る。未延伸ポリエチレン−2,6−ナフタレートフィル
ム20a(厚さ:300μm、幅:300mm)を図2
の縦延伸装置を用いて縦延伸した。上記未延伸フィルム
(無定型シート)20aを、75℃に加熱された予熱ロ
ーラ21a、21bを通過させて予備加熱した後、周速
20m/分の75℃に加熱された低速ローラ22(表面
温度75℃)とニップローラ23との間を通し、ヒータ
ー表面温度600℃の赤外線ヒーター(加熱ヒーター)
27で加熱しながら(フィルムとヒーター表面の距離:
20mm)、周速80m/分の高速ローラ(表面温度:
30℃)24とニップローラ25との間を通すことによ
り、未延伸フィルムを4倍縦延伸した。次いで、冷却ロ
ーラ26a、26b(表面温度30℃)で冷却し、パス
ローラ26c、26dで搬送して、膜厚75μmの縦延
伸ポリエステルフィルムを得た。上記延伸において、冷
却された延伸フィルムは搬送ローラ26cと26dとの
間で厚み計29(精度±0.5%の赤外線厚み計)によ
り厚みが測定され、厚みのデータは高速ローラの周速を
制御するコントローラ28に送られる。そして、このコ
ントローラ28で、その厚みのデータから得られる厚み
変動をローラの周速の変動幅と変動周期に変換して高速
ローラの周速を制御した。上記厚み変動の平均値は1
0.2μm、周期変動は0.191〜0.193秒であ
った。また、ローラの周速の周期は厚み変動の周期と同
期させた。厚み変動はほとんどなかったので、周速の変
動幅は平均5.8m/分(プラス側)及び4.1m/分
(マイナス側)に設定した。
【0027】[実施例2]実施例1において、未延伸ポ
リエチレン−2,6−ナフタレートフィルムとして、厚
さ:400μm、幅:300mmのものを使用した以外
は実施例1と同様にして縦延伸ポリエチレン−2,6−
ナフタレートフィルム(厚み100μm)を連続的に得
た。上記厚み変動の平均値は12.5μm、周期変動は
0.180〜0.183秒であった。また、ローラの周
速の周期は厚み変動の周期と同期させた。厚み変動はほ
とんどなかったので、周速の変動幅は平均5.3m/分
(プラス側)及び4.3m/分(マイナス側)に設定し
た。
【0028】[実施例3]実施例1において、未延伸ポ
リエチレン−2,6−ナフタレートフィルムとして、厚
さ:600μm、幅:300mmのものを使用した以外
は実施例1と同様にして縦延伸ポリエチレン−2,6−
ナフタレートフィルム(厚み100μm)を連続的に得
た。上記厚み変動の平均値は16.6μm、周期変動は
0.178〜0.180秒であった。また、ローラの周
速の周期は厚み変動の周期と同期させた。厚み変動はほ
とんどなかったので、周速の変動幅は平均4.7m/分
(プラス側)及び4.2m/分(マイナス側)に設定し
た。
【0029】[比較例1]実施例1において、高速ロー
ラに周速の変動を与えるコントローラを作動させなかっ
た以外は実施例1と同様にして二軸延伸ポリエチレンテ
レフタレートフィルムを連続的に得た。
【0030】[比較例2]実施例2において、高速ロー
ラに周速の変動を与えるコントローラを作動させなかっ
た以外は実施例2と同様にして二軸延伸ポリエチレンテ
レフタレートフィルムを連続的に得た。
【0031】[比較例3]実施例3において、高速ロー
ラに周速の変動を与えるコントローラを作動させなかっ
た以外は実施例3と同様にして二軸延伸ポリエチレンテ
レフタレートフィルムを連続的に得た。
【0032】各実施例、比較例における製造条件及び得
られたフィルムの厚みムラを表1に示す。
【0033】
【表1】 ──────────────────────────────────── 延伸前の 高速ローラ 延伸後 厚みムラ フィルム 周速±変動 変動周期 厚さ 変動 周期 厚さ(μm) (m/分) (秒) (μm)(μm) (秒) ──────────────────────────────────── 実施例1 300 80+5.8,-4.1 0.192 75 1.5 − 実施例2 400 80+5.3,-4.3 0.182 100 2.0 − 実施例3 600 80+4.7,-4.2 0.179 150 2.4 − ──────────────────────────────────── 比較例1 300 80±0 − 75 10.2 0.191〜0.193 比較例2 400 80±0 − 100 12.5 0.180〜0.183 比較例3 600 80±0 − 150 16.6 0.178〜0.180 ──────────────────────────────────── 備考)厚みムラの周期は平均値を示した。
【0034】
【発明の効果】本発明の縦延伸熱可塑性ポリマーフィル
ムの製造方法は、低速ローラおよび高速ローラの少なく
とも一方の周速を、高速ローラ通過後の熱可塑性ポリマ
ーフィルムに発生する周期的な厚み変動を補償するよう
に、周期的に変動させることにより行うことを特徴とす
る。この方法により、縦方向に厚みムラのない均一な物
性を有する縦延伸あるいは二軸延伸フィルムを簡便に得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリエステルフィルムを製造する製造
装置の一例を示す、概略図である。
【図2】本発明の縦延伸装置の一例を示す概略図であ
る。
【図3】上記延伸フィルムの厚みのデータから得られる
厚み変動をローラの周速の変動幅と周期に変換する本発
明の方法を説明するための図である。
【符号の説明】
1 ホッパー 2 押出機 3 Tダイ 4 キャスティングローラ 5 低速ローラ 6 予熱ローラ 7 高速ローラ 8 冷却ローラ 9 横延伸装置 10 熱風 11 巻取機 12 予熱部 13 延伸部 14 熱固定部 15 熱緩和部 20無定型シート 21a、21b 予熱ローラ 22 低速ローラ 23、25 ニップローラ 24 高速ローラ 26a、26b 冷却ローラ 26c、26d パスローラ 27 加熱ヒーター 28 コントローラ 29 厚み計
フロントページの続き (72)発明者 大歳 正明 静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真 フイルム株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ポリマーフィルムを、予熱した
    後、低速ロール及び周速が低速ローラより大きい高速ロ
    ーラを通過させることにより縦延伸することからなる縦
    延伸熱可塑性ポリマーフィルムの製造方法において、低
    速ローラおよび高速ローラの少なくとも一方の周速を、
    高速ローラ通過後の熱可塑性ポリマーフィルムに発生す
    る周期的な厚み変動を補償するように、周期的に変動さ
    せることを特徴とする縦延伸熱可塑性ポリマーフィルム
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 該周速の周期的な変動が、低速ローラお
    よび高速ローラの少なくとも一方の周速設定値に、周期
    及び速度の変動を与えることにより行われる請求項1に
    記載の縦延伸熱可塑性ポリマーフィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 該周期的に変動させる周速の周期が、熱
    可塑性ポリマーフィルムに発生する厚み変動の周期に、
    その位相を180度移動した厚み変動を与える周期であ
    る請求項1に記載の縦延伸熱可塑性ポリマーフィルムの
    製造方法。
  4. 【請求項4】 熱可塑性ポリマーフィルムが、芳香族ポ
    リエステルである請求項1に記載の縦延伸熱可塑性ポリ
    マーフィルムの製造方法。
  5. 【請求項5】 熱可塑性ポリマーフィルムを予熱するた
    めの予熱ローラ、該フィルムを縦延伸するための低速ロ
    ーラ及び周速が低速ローラより大きい高速ローラ、低速
    ローラおよび高速ローラ間の該フィルムを加熱するため
    の加熱手段、及び延伸されたフィルムを冷却するための
    冷却ローラからなる熱可塑性ポリマーフィルムの縦延伸
    装置において、 冷却ローラ近傍に配置された冷却された熱可塑性ポリマ
    ーフィルムの厚み変動を測定する厚み計及びその得られ
    た厚み変動を補償するような周期と速度の変動値を低速
    ローラ及び/又は高速ローラに与えて当該ローラの周速
    を制御するコントローラからなる熱可塑性ポリマーフィ
    ルムの縦延伸装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006256064A (ja) * 2005-03-16 2006-09-28 Konica Minolta Opto Inc 光学フィルム、及びその製造方法
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JP2012166547A (ja) * 2011-01-27 2012-09-06 Fujifilm Corp ポリエステルフィルム、及びその製造方法、太陽電池用バックシート、並びに太陽電池発電モジュール

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