JPH10249470A - 金属線材の切断端部の整形方法 - Google Patents
金属線材の切断端部の整形方法Info
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- JPH10249470A JPH10249470A JP5873697A JP5873697A JPH10249470A JP H10249470 A JPH10249470 A JP H10249470A JP 5873697 A JP5873697 A JP 5873697A JP 5873697 A JP5873697 A JP 5873697A JP H10249470 A JPH10249470 A JP H10249470A
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- cut
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Abstract
(57)【要約】
【課題】金属線材の切断時に生じる鋭利な切断端部及び
同時に生じるバリやカエリなどを容易かつ効果的になく
す。 【解決手段】鋭利に切断された端部22dを有する金属
線材22cのその切断端部をTIG溶接機28で加熱す
ることにより、該切断端部22dを溶融させ、溶融した
金属自体の表面張力により、該切断端部を球形に整形す
る。
同時に生じるバリやカエリなどを容易かつ効果的になく
す。 【解決手段】鋭利に切断された端部22dを有する金属
線材22cのその切断端部をTIG溶接機28で加熱す
ることにより、該切断端部22dを溶融させ、溶融した
金属自体の表面張力により、該切断端部を球形に整形す
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属線材を切断し
たときに生じる鋭利な切断端部を処理する方法に関す
る。具体的には、金属線材を縦横に溶接してつくられる
ネット状部分を有する網、籠などの製品の作成の際に生
じる金属線材の鋭利な切断端部を処理する方法に関す
る。
たときに生じる鋭利な切断端部を処理する方法に関す
る。具体的には、金属線材を縦横に溶接してつくられる
ネット状部分を有する網、籠などの製品の作成の際に生
じる金属線材の鋭利な切断端部を処理する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】金属線材を縦横に溶接して作成される
網、籠などの金属線材用具においては、金属線材の溶接
後に各金属線材の長さを揃えることが要求される。この
ため、従来は、金属線材の溶接により用具を組み立てた
後、長さが設計値よりも長い各金属線材をニッパ等の切
断具で一本一本切断したり、あるいは、剪断機などで一
度に各金属線材を切断することが行われていた。
網、籠などの金属線材用具においては、金属線材の溶接
後に各金属線材の長さを揃えることが要求される。この
ため、従来は、金属線材の溶接により用具を組み立てた
後、長さが設計値よりも長い各金属線材をニッパ等の切
断具で一本一本切断したり、あるいは、剪断機などで一
度に各金属線材を切断することが行われていた。
【0003】このように、ニッパ等の切断具で切断した
り、あるいは、剪断機などで切断すると、各金属線材の
切断端部は鋭利となるのみならず、バリやカエリが発生
することが多い。このような鋭利な切断端部あるいはバ
リ、カエリは使用者の衣服に引っ掛かることによって衣
服を破いたり、あるいは、使用者の体を傷つける原因と
なるものであった。
り、あるいは、剪断機などで切断すると、各金属線材の
切断端部は鋭利となるのみならず、バリやカエリが発生
することが多い。このような鋭利な切断端部あるいはバ
リ、カエリは使用者の衣服に引っ掛かることによって衣
服を破いたり、あるいは、使用者の体を傷つける原因と
なるものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この問題を解決するた
め、用具の組み立て前に、各金属線材を予め所定の長さ
に切断し、さらに、一本ずつ研磨し、その後に、先端を
研磨した各金属線材を縦横に溶接して網、籠などの用具
をつくる方法も試みられてきた。しかしながら、この方
法においては、用具の組み立て後に各金属線材を切断す
ることにより各金属線材の長さを揃える場合とは異な
り、用具の組み立て前に各金属線材の切断を行うので、
各金属線材の長さが揃わず、各金属線材の先端が不揃い
になるという問題を有するものであった。
め、用具の組み立て前に、各金属線材を予め所定の長さ
に切断し、さらに、一本ずつ研磨し、その後に、先端を
研磨した各金属線材を縦横に溶接して網、籠などの用具
をつくる方法も試みられてきた。しかしながら、この方
法においては、用具の組み立て後に各金属線材を切断す
ることにより各金属線材の長さを揃える場合とは異な
り、用具の組み立て前に各金属線材の切断を行うので、
各金属線材の長さが揃わず、各金属線材の先端が不揃い
になるという問題を有するものであった。
【0005】あるいは、用具の組み立て後に、各金属線
材を切断し、各金属線材を所定の長さに揃えた後に、各
金属線材の切断端部を引張って、切断端部を丸める方法
も試みられている。しかしながら、この方法において
は、用具の組み立て後に、用具を構成している各金属線
材を引張することになるので、引張力の大きさによって
は、用具の形状自体が歪んでしまうという問題を内包し
ていた。
材を切断し、各金属線材を所定の長さに揃えた後に、各
金属線材の切断端部を引張って、切断端部を丸める方法
も試みられている。しかしながら、この方法において
は、用具の組み立て後に、用具を構成している各金属線
材を引張することになるので、引張力の大きさによって
は、用具の形状自体が歪んでしまうという問題を内包し
ていた。
【0006】本発明は以上のような従来の金属線材の切
断端部の処理方法が有する種々の問題点に鑑みてなされ
たものであり、用具を構成している各金属線材を切断し
たときに生じる鋭利な切断端部、さらには、その切断端
部に生じるバリやカエリなどをなくし、用具の組み立て
作業時の安全性を高めるとともに、従来の処理方法より
も低コストで切断端部を処理することができる方法を提
供することを目的とする。
断端部の処理方法が有する種々の問題点に鑑みてなされ
たものであり、用具を構成している各金属線材を切断し
たときに生じる鋭利な切断端部、さらには、その切断端
部に生じるバリやカエリなどをなくし、用具の組み立て
作業時の安全性を高めるとともに、従来の処理方法より
も低コストで切断端部を処理することができる方法を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明のうち請求項1に記載した方法は、鋭利に切
断された端部を有する金属線材のその切断端部を加熱す
ることにより、該切断端部を溶融させ、溶融した金属自
体の表面張力により、該切断端部を前記金属線材とほぼ
同一径の球形に整形することを特徴とする。
め、本発明のうち請求項1に記載した方法は、鋭利に切
断された端部を有する金属線材のその切断端部を加熱す
ることにより、該切断端部を溶融させ、溶融した金属自
体の表面張力により、該切断端部を前記金属線材とほぼ
同一径の球形に整形することを特徴とする。
【0008】本発明の発明者は金属線材の鋭利な切断端
部の処理方法を長年研究することによって、極めて容易
であり、かつ、効果的な処理方法を発見した。先ず、金
属線材の切断端部を適当な手段を用いてその溶融点以上
に加熱する。切断端部は極めて短時間の内に溶融状態に
なる。溶融の手段としては、後述のTIG溶接機、MI
G溶接機又はMAG溶接機などを用いることができる。
この溶融状態に移行した金属線材に何も手を加えずにそ
のまま放置しておけば、溶融状態の金属自体の表面張力
により、溶融した金属はほぼ半球形状となる。溶融した
金属はそのまま冷却され、半球形状に固まる。この半球
形状の部分は金属線材とほぼ等しい直径を有し、鋭利な
切断端部は半球状のなだらかな端部に変わる。
部の処理方法を長年研究することによって、極めて容易
であり、かつ、効果的な処理方法を発見した。先ず、金
属線材の切断端部を適当な手段を用いてその溶融点以上
に加熱する。切断端部は極めて短時間の内に溶融状態に
なる。溶融の手段としては、後述のTIG溶接機、MI
G溶接機又はMAG溶接機などを用いることができる。
この溶融状態に移行した金属線材に何も手を加えずにそ
のまま放置しておけば、溶融状態の金属自体の表面張力
により、溶融した金属はほぼ半球形状となる。溶融した
金属はそのまま冷却され、半球形状に固まる。この半球
形状の部分は金属線材とほぼ等しい直径を有し、鋭利な
切断端部は半球状のなだらかな端部に変わる。
【0009】このように、単に、切断端部を加熱し、溶
融させ、その後は放置しておくだけで、鋭利であった切
断端部は半球形状の切断端部に変わる。さらに、金属線
材の切断の際に生じるバリやカエリなども鋭利な切断端
部とともに一体的に溶融し、半球形状の部分に組み入れ
られた状態となる。従って、鋭利な切断端部のみなら
ず、バリやカエリなどの鋭利な細かい金属片なども効果
的に処理することができる。
融させ、その後は放置しておくだけで、鋭利であった切
断端部は半球形状の切断端部に変わる。さらに、金属線
材の切断の際に生じるバリやカエリなども鋭利な切断端
部とともに一体的に溶融し、半球形状の部分に組み入れ
られた状態となる。従って、鋭利な切断端部のみなら
ず、バリやカエリなどの鋭利な細かい金属片なども効果
的に処理することができる。
【0010】本発明のうち、請求項2に記載した方法
は、網状に金属線材を結合させた部分を少なくとも一部
に有する金属線材用具を形成し、前記金属線材用具の外
縁から外方に突出している金属線材の端部を切り揃え、
前記金属線材の切断端部を加熱することにより、溶融さ
せ、溶融した金属自体の表面張力により、該切断端部を
前記金属線材とほぼ同一径の球形に整形することを特徴
とする。
は、網状に金属線材を結合させた部分を少なくとも一部
に有する金属線材用具を形成し、前記金属線材用具の外
縁から外方に突出している金属線材の端部を切り揃え、
前記金属線材の切断端部を加熱することにより、溶融さ
せ、溶融した金属自体の表面張力により、該切断端部を
前記金属線材とほぼ同一径の球形に整形することを特徴
とする。
【0011】本方法によれば、金属線材で網、籠などの
用具を形成した後、請求項1に記載した方法と同様に、
各金属線材の切断端部やバリ、カエリなどの細かい金属
片を効果的に処理することができる。本方法は用具形成
後に各金属線材の切断端部を処理するものであるため、
各金属線材の長さを容易に揃えることができる。
用具を形成した後、請求項1に記載した方法と同様に、
各金属線材の切断端部やバリ、カエリなどの細かい金属
片を効果的に処理することができる。本方法は用具形成
後に各金属線材の切断端部を処理するものであるため、
各金属線材の長さを容易に揃えることができる。
【0012】請求項3に記載した方法は、前記切断端部
の切断断面の一部のみを加熱することを特徴とする。鋭
利な切断断面を球形に整形するためには、切断断面の全
域を加熱し、溶融させることは必ずしも必要ではない。
切断断面の一部のみを加熱することによっても、その熱
が周囲に伝達し、結果的に、切断端部全域が溶融し、切
断断面を球形に整形することが可能である。このよう
に、全切断断面を加熱させることなく、切断断面の一部
のみを加熱することによっても切断断面の球形化を行う
ことができるので、作業時間の短縮を図ることができる
とともに、溶融に要する電力の節減を図ることもでき
る。
の切断断面の一部のみを加熱することを特徴とする。鋭
利な切断断面を球形に整形するためには、切断断面の全
域を加熱し、溶融させることは必ずしも必要ではない。
切断断面の一部のみを加熱することによっても、その熱
が周囲に伝達し、結果的に、切断端部全域が溶融し、切
断断面を球形に整形することが可能である。このよう
に、全切断断面を加熱させることなく、切断断面の一部
のみを加熱することによっても切断断面の球形化を行う
ことができるので、作業時間の短縮を図ることができる
とともに、溶融に要する電力の節減を図ることもでき
る。
【0013】切断断面の一部のみを加熱する場合には、
請求項4に記載されているように、切断断面のほぼ中央
の領域を溶融することが好ましい。あるいは、バリやカ
エリが発生している部分を集中的に加熱するようにして
もよい。特に、請求項5に記載されているように、切断
断面の全面積のうち約65%以上の領域を加熱すれば、
切断断面の全面積を加熱した場合とほぼ同様の効果を得
ることができる。
請求項4に記載されているように、切断断面のほぼ中央
の領域を溶融することが好ましい。あるいは、バリやカ
エリが発生している部分を集中的に加熱するようにして
もよい。特に、請求項5に記載されているように、切断
断面の全面積のうち約65%以上の領域を加熱すれば、
切断断面の全面積を加熱した場合とほぼ同様の効果を得
ることができる。
【0014】前記切断端部の溶融は、前記金属線材を構
成している金属と反応しない不活性ガスでシールドされ
た溶接機を用いて行うことが好ましい。特に、TIG溶
接機又は非溶極式ガスシールド溶接機を用いることが好
ましい。TIG溶接とは、タングステン・イナートガス
・アーク溶接(Tungsten Inert-gas Arc Welding)の略称
であり、タングステン棒を電極として用い、ガス溶接と
同様のやり方で、溶加材のロッドをアークで溶かしつつ
行う溶接である。非溶極式ガスシールド溶接機として
は、例えば、プラズマアーク溶接機やプラズマジェット
溶接機などがある。これらの溶接機も、TIG溶接機と
同様に、トーチ自体は溶融せずに、対象物を溶融するこ
とができるものである。
成している金属と反応しない不活性ガスでシールドされ
た溶接機を用いて行うことが好ましい。特に、TIG溶
接機又は非溶極式ガスシールド溶接機を用いることが好
ましい。TIG溶接とは、タングステン・イナートガス
・アーク溶接(Tungsten Inert-gas Arc Welding)の略称
であり、タングステン棒を電極として用い、ガス溶接と
同様のやり方で、溶加材のロッドをアークで溶かしつつ
行う溶接である。非溶極式ガスシールド溶接機として
は、例えば、プラズマアーク溶接機やプラズマジェット
溶接機などがある。これらの溶接機も、TIG溶接機と
同様に、トーチ自体は溶融せずに、対象物を溶融するこ
とができるものである。
【0015】本発明のうち請求項8に係る方法は、鋭利
に切断された端部を有する金属線材のその切断端部に溶
加材を用いて溶極式アーク溶接を行い、前記溶加材から
なる球形部分を前記切断端部に形成し、前記切断端部を
球形に整形することを特徴とする。
に切断された端部を有する金属線材のその切断端部に溶
加材を用いて溶極式アーク溶接を行い、前記溶加材から
なる球形部分を前記切断端部に形成し、前記切断端部を
球形に整形することを特徴とする。
【0016】請求項1乃至7に記載されている方法は、
溶加材を用いることなく、溶融した金属自体の表面張力
を利用することにより、切断端部を球形に整形する方法
である。従って、球形の部分は金属線材を構成している
金属自体からなる。これに対して、請求項8に記載され
ている方法は、溶加材を用いて、切断端部を球形に整形
するものである。従って、請求項8における球形の部分
は金属線材を構成している金属自体ではなく、溶加材か
らなるものである。このように、溶加材を用いることに
よって、鋭利な切断端部を球形に整形することが可能で
ある。ただし、溶加材を用いて切断端部を球形に整形す
る場合には、その球形部分の直径は金属線材の直径とは
必ずしも同一にはならない。一般的には、球形部分の直
径の方が金属線材の直径よりもやや大きくなる。
溶加材を用いることなく、溶融した金属自体の表面張力
を利用することにより、切断端部を球形に整形する方法
である。従って、球形の部分は金属線材を構成している
金属自体からなる。これに対して、請求項8に記載され
ている方法は、溶加材を用いて、切断端部を球形に整形
するものである。従って、請求項8における球形の部分
は金属線材を構成している金属自体ではなく、溶加材か
らなるものである。このように、溶加材を用いることに
よって、鋭利な切断端部を球形に整形することが可能で
ある。ただし、溶加材を用いて切断端部を球形に整形す
る場合には、その球形部分の直径は金属線材の直径とは
必ずしも同一にはならない。一般的には、球形部分の直
径の方が金属線材の直径よりもやや大きくなる。
【0017】請求項9に係る方法は、網状に金属線材を
結合させた部分を少なくとも一部に有する金属線材用具
を形成し、前記金属線材用具の外縁から外方に突出して
いる金属線材の端部を切り揃え、前記金属線材の切断端
部に溶加材を用いて溶極式アーク溶接を行い、前記溶加
材からなる球形部分を前記金属線材の前記切断端部に形
成し、前記切断端部を球形に整形することを特徴とす
る。
結合させた部分を少なくとも一部に有する金属線材用具
を形成し、前記金属線材用具の外縁から外方に突出して
いる金属線材の端部を切り揃え、前記金属線材の切断端
部に溶加材を用いて溶極式アーク溶接を行い、前記溶加
材からなる球形部分を前記金属線材の前記切断端部に形
成し、前記切断端部を球形に整形することを特徴とす
る。
【0018】本方法によっても、請求項2に記載した方
法と同様に、用具形成後に各金属線材の切断端部を処理
するものであるため、各金属線材の長さを容易に揃える
ことができる。
法と同様に、用具形成後に各金属線材の切断端部を処理
するものであるため、各金属線材の長さを容易に揃える
ことができる。
【0019】請求項8又は9に係る方法における溶極式
アーク溶接はMIG溶接機又はMAG溶接機を用いて行
うことが好ましい。MIG溶接とは、メタル・イナート
ガス・アーク溶接(Metal Inert-gas Arc Welding) の略
称であり、タングステン電極の代わりに、溶加材の電極
線を連続的に送り、アークを発生させて行う溶接であ
る。MAG溶接とは、メタル・アクティブガス・アーク
溶接(Metal Active Gas Arc Welding)の略称であり、シ
ールドガスとして二酸化炭素又は約20%の二酸化炭素
を含むアルゴンガスを用いる点及び特定形状のフラック
ス入りワイヤを用いる点がMIG溶接と異なり、他の点
はMIG溶接と同様である。
アーク溶接はMIG溶接機又はMAG溶接機を用いて行
うことが好ましい。MIG溶接とは、メタル・イナート
ガス・アーク溶接(Metal Inert-gas Arc Welding) の略
称であり、タングステン電極の代わりに、溶加材の電極
線を連続的に送り、アークを発生させて行う溶接であ
る。MAG溶接とは、メタル・アクティブガス・アーク
溶接(Metal Active Gas Arc Welding)の略称であり、シ
ールドガスとして二酸化炭素又は約20%の二酸化炭素
を含むアルゴンガスを用いる点及び特定形状のフラック
ス入りワイヤを用いる点がMIG溶接と異なり、他の点
はMIG溶接と同様である。
【0020】前記TIG溶接機、非溶極式ガスシールド
溶接機、MIG溶接機又はMAG溶接機には直流電流を
供給してもよいが、特に、パルス電流を供給すれば、溶
接効率を高めることができる。
溶接機、MIG溶接機又はMAG溶接機には直流電流を
供給してもよいが、特に、パルス電流を供給すれば、溶
接効率を高めることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は縦方向の金属線材10と水
平方向(横方向)の金属線材12とを溶接させてつくっ
た籠14を示す。このように、籠14を形成した後、最
上位置にある水平方向の金属線材12aよりも上方に突
出している縦方向の金属線材10の上端部を適当な切断
機を用いて切断し、金属線材10の長さを揃える。
平方向(横方向)の金属線材12とを溶接させてつくっ
た籠14を示す。このように、籠14を形成した後、最
上位置にある水平方向の金属線材12aよりも上方に突
出している縦方向の金属線材10の上端部を適当な切断
機を用いて切断し、金属線材10の長さを揃える。
【0022】この際、縦方向の金属線材10の上端10
aは鋭利な切断端部を形成し、さらに、その切断端部に
はバリやカエリが発生する。このような鋭利な切断端部
やバリ、カエリを球形に整形する方法の一実施形態を以
下に示す。
aは鋭利な切断端部を形成し、さらに、その切断端部に
はバリやカエリが発生する。このような鋭利な切断端部
やバリ、カエリを球形に整形する方法の一実施形態を以
下に示す。
【0023】例えば、図2に示すように、金属線材を縦
横に溶接することにより形成したネット20の切断端部
を球形に整形する場合を例にとる。ネット20を構成す
る金属線材のうち、縦方向に延びている金属線材22
a,22b,22cの長さを揃えるため、それらの上端
部を切断機により切断すると、各金属線材22a,22
b,22cの先端は鋭利な切断端部となり、場合によっ
ては、バリやカエリが発生する。
横に溶接することにより形成したネット20の切断端部
を球形に整形する場合を例にとる。ネット20を構成す
る金属線材のうち、縦方向に延びている金属線材22
a,22b,22cの長さを揃えるため、それらの上端
部を切断機により切断すると、各金属線材22a,22
b,22cの先端は鋭利な切断端部となり、場合によっ
ては、バリやカエリが発生する。
【0024】ネット20を構成する金属線材のうち、水
平方向の金属線材24aを適当な治具26上に載せ、ネ
ット20全体を固定するとともに、整形の対象となる金
属線材22cを位置決めする。
平方向の金属線材24aを適当な治具26上に載せ、ネ
ット20全体を固定するとともに、整形の対象となる金
属線材22cを位置決めする。
【0025】この後、金属線材22cを構成している金
属と反応しない不活性ガスでシールドされたTIG溶接
機28にパルス電流源30からパルス電流を流し、TI
G溶接機28の一部であるトーチ32の電極と切断面2
2dとの間にアークを発生させ、切断面22dの全域を
加熱し、溶融させる。
属と反応しない不活性ガスでシールドされたTIG溶接
機28にパルス電流源30からパルス電流を流し、TI
G溶接機28の一部であるトーチ32の電極と切断面2
2dとの間にアークを発生させ、切断面22dの全域を
加熱し、溶融させる。
【0026】金属線材22cの切断面22dは短時間の
うちに溶融し、溶融した金属自体の表面張力の作用によ
り、溶融した金属は金属線材22cとほぼ同一の半径を
有する半球形状を形成する。切断面22dに発生したバ
リやカエリなども切断面22dとともに溶融し、それら
が一体となって半球形状を構成する。
うちに溶融し、溶融した金属自体の表面張力の作用によ
り、溶融した金属は金属線材22cとほぼ同一の半径を
有する半球形状を形成する。切断面22dに発生したバ
リやカエリなども切断面22dとともに溶融し、それら
が一体となって半球形状を構成する。
【0027】この後、溶融した金属をそのまま室温で放
置し、冷却させる。こうして、切断面22dは、図3に
示すように、半球形状22eをなしたまま、固化する。
このように、本実施形態に係る方法によれば、極めて容
易に鋭利な切断端部を球形化させることができ、同時
に、バリやカエリなどもなくすことができる。
置し、冷却させる。こうして、切断面22dは、図3に
示すように、半球形状22eをなしたまま、固化する。
このように、本実施形態に係る方法によれば、極めて容
易に鋭利な切断端部を球形化させることができ、同時
に、バリやカエリなどもなくすことができる。
【0028】本発明の発明者は線径2.5mmのステン
レススチールの先端を切断し、鋭利な切断端部を形成し
た後、上記の方法に従って、この切断端部の切断面を球
形化する実験を行った。溶接機はTIG溶接機を用い、
このTIG溶接機に0.4秒のパルスの電流を約35A
流した。ステンレススチールの切断端部は半球形状をな
して固化し、鋭利な部分やバリ、カエリは一切なくなっ
ていた。試しに、ストッキングを球形化させた切断端部
に擦りつけたところ、ストッキングは一切引っ掛から
ず、かつ、一切ほつれることがなかった。
レススチールの先端を切断し、鋭利な切断端部を形成し
た後、上記の方法に従って、この切断端部の切断面を球
形化する実験を行った。溶接機はTIG溶接機を用い、
このTIG溶接機に0.4秒のパルスの電流を約35A
流した。ステンレススチールの切断端部は半球形状をな
して固化し、鋭利な部分やバリ、カエリは一切なくなっ
ていた。試しに、ストッキングを球形化させた切断端部
に擦りつけたところ、ストッキングは一切引っ掛から
ず、かつ、一切ほつれることがなかった。
【0029】上記の実施形態においては、金属線材22
cの切断面22dの全域を加熱し、溶融させたが、本発
明者の実験によれば、切断面22dの一部の領域のみを
加熱するだけでも、その熱が周囲の領域に伝達し、結果
的に、切断面全域が溶融し、上記の実施形態と同様の効
果を得ることができることを見い出した。
cの切断面22dの全域を加熱し、溶融させたが、本発
明者の実験によれば、切断面22dの一部の領域のみを
加熱するだけでも、その熱が周囲の領域に伝達し、結果
的に、切断面全域が溶融し、上記の実施形態と同様の効
果を得ることができることを見い出した。
【0030】また、切断面22dの一部のみを加熱し、
溶融させる場合には、切断面22dの外周の領域よりも
中央の領域を加熱する方が効果的であることもわかっ
た。さらに、多くの実験結果によれば、切断面22dの
面積の少なくとも65%を加熱すれば、周囲の領域にも
熱が伝達し、切断面22dの全体を溶融させ、切断面2
2dを球形化させることができることがわかった。
溶融させる場合には、切断面22dの外周の領域よりも
中央の領域を加熱する方が効果的であることもわかっ
た。さらに、多くの実験結果によれば、切断面22dの
面積の少なくとも65%を加熱すれば、周囲の領域にも
熱が伝達し、切断面22dの全体を溶融させ、切断面2
2dを球形化させることができることがわかった。
【0031】なお、上述の実施形態においては、TIG
溶接機を用いたが、プラズマアーク溶接機又はプラズマ
ジェット溶接機などの非溶極式ガスシールド溶接機を用
いることも可能である。
溶接機を用いたが、プラズマアーク溶接機又はプラズマ
ジェット溶接機などの非溶極式ガスシールド溶接機を用
いることも可能である。
【0032】上述の実施形態においては、溶加材を用い
ることなく、溶融した金属線材22c自体の表面張力を
利用することにより、切断端部22dが球形に整形され
る。従って、半球形状22eは金属線材を構成している
金属自体からなる。
ることなく、溶融した金属線材22c自体の表面張力を
利用することにより、切断端部22dが球形に整形され
る。従って、半球形状22eは金属線材を構成している
金属自体からなる。
【0033】一方、溶加材を用いて、切断端部22dを
球形を整形することも可能である。この場合には、溶極
式アーク溶接を行い、溶加材からなる球形部分を金属線
材22cの切断端部22dに形成する。この方法によっ
ても、切断端部22dを半球形状22eに整形すること
ができる。
球形を整形することも可能である。この場合には、溶極
式アーク溶接を行い、溶加材からなる球形部分を金属線
材22cの切断端部22dに形成する。この方法によっ
ても、切断端部22dを半球形状22eに整形すること
ができる。
【0034】ただし、上述の実施形態の場合とは異な
り、溶加材を用いる分だけ、半球形状22eの直径は金
属線材22cの直径よりも多少大きくなる。溶極式アー
ク溶接を行う溶接機としては、MIG溶接機又はMAG
溶接機を用いる。
り、溶加材を用いる分だけ、半球形状22eの直径は金
属線材22cの直径よりも多少大きくなる。溶極式アー
ク溶接を行う溶接機としては、MIG溶接機又はMAG
溶接機を用いる。
【0035】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、金属線
材を切断する際に生じる鋭利な切断端部や、切断に伴っ
て生じるバリやカエリなどを容易かつ効果的に球形化す
ることができ、従来の処理方法よりも低コストかつ容易
に金属線材用具の作業時の安全性を高めることができ
る。
材を切断する際に生じる鋭利な切断端部や、切断に伴っ
て生じるバリやカエリなどを容易かつ効果的に球形化す
ることができ、従来の処理方法よりも低コストかつ容易
に金属線材用具の作業時の安全性を高めることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】金属線材を溶接してつくった籠の斜視図であ
る。
る。
【図2】金属線材の切断端部を球形化する本発明の方法
の実施過程を示す概略図である。
の実施過程を示す概略図である。
【図3】本発明に係る方法により球形化した金属線材の
端部を示す平面図である。
端部を示す平面図である。
10、12 金属線材 14 籠 20 ネット 22a,22b,22c,24a 金属線材 26 治具 28 TIG溶接機 30 パルス電流源
Claims (13)
- 【請求項1】 鋭利に切断された端部を有する金属線材
のその切断端部を加熱することにより、該切断端部を溶
融させ、溶融した金属自体の表面張力により、該切断端
部を前記金属線材とほぼ同一径の球形に整形する方法。 - 【請求項2】 網状に金属線材を結合させた部分を少な
くとも一部に有する金属線材用具を形成し、 前記金属線材用具の外縁から外方に突出している金属線
材の端部を切り揃え、前記金属線材の切断端部を加熱す
ることにより、溶融させ、溶融した金属自体の表面張力
により、該切断端部を前記金属線材とほぼ同一径の球形
に整形する方法。 - 【請求項3】 前記切断端部の切断断面の一部のみを加
熱することを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。 - 【請求項4】 前記切断断面の一部は前記切断断面のほ
ぼ中央の領域であることを特徴とする請求項3に記載の
方法。 - 【請求項5】 前記切断断面を加熱する領域は該切断断
面の全面積の約65%以上であることを特徴とする請求
項3に記載の方法。 - 【請求項6】 前記切断端部の溶融は、前記金属線材を
構成している金属と反応しない不活性ガスでシールドさ
れた溶接機を用いて行われることを特徴とする請求項1
乃至5の何れか一項に記載の方法。 - 【請求項7】 前記溶接機はTIG溶接機又は非溶極式
ガスシールド溶接機であることを特徴とする請求項6に
記載の方法。 - 【請求項8】 鋭利に切断された端部を有する金属線材
のその切断端部に溶加材を用いて溶極式アーク溶接を行
い、前記溶加材からなる球形部分を前記切断端部に形成
し、前記切断端部を球形に整形する方法。 - 【請求項9】 網状に金属線材を結合させた部分を少な
くとも一部に有する金属線材用具を形成し、 前記金属線材用具の外縁から外方に突出している金属線
材の端部を切り揃え、 前記金属線材の切断端部に溶加材を用いて溶極式アーク
溶接を行い、前記溶加材からなる球形部分を前記金属線
材の前記切断端部に形成し、前記切断端部を球形に整形
する方法。 - 【請求項10】 前記溶極式アーク溶接はMIG溶接機
又はMAG溶接機を用いて行うものであることを特徴と
する請求項8又は9に記載の方法。 - 【請求項11】 前記TIG溶接機、非溶極式ガスシー
ルド溶接機、MIG溶接機又はMAG溶接機にはパルス
電流を供給するものであることを特徴とする請求項7又
は10に記載の方法。 - 【請求項12】 請求項1乃至11の何れか一項に記載
の方法により切断端部が球形に整形された金属線材。 - 【請求項13】 請求項12に記載の金属線材を用いて
つくられた金属線材用具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5873697A JPH10249470A (ja) | 1997-03-13 | 1997-03-13 | 金属線材の切断端部の整形方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5873697A JPH10249470A (ja) | 1997-03-13 | 1997-03-13 | 金属線材の切断端部の整形方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10249470A true JPH10249470A (ja) | 1998-09-22 |
Family
ID=13092809
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5873697A Pending JPH10249470A (ja) | 1997-03-13 | 1997-03-13 | 金属線材の切断端部の整形方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10249470A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0995531A2 (en) * | 1998-10-21 | 2000-04-26 | Ogata S-MEC Kabushiki Kaisha | Burr processing apparatus |
JP2013078779A (ja) * | 2011-10-03 | 2013-05-02 | Fuji Techno Kk | 飲料容器取っ手部のバリ除去方法および飲料容器 |
KR101448399B1 (ko) * | 2013-08-06 | 2014-10-07 | 김제환 | 메탈라스 커팅장치 |
CN104493017A (zh) * | 2014-12-03 | 2015-04-08 | 建科机械(天津)股份有限公司 | 方形钢筋笼成型机的箍筋切断装置 |
-
1997
- 1997-03-13 JP JP5873697A patent/JPH10249470A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0995531A2 (en) * | 1998-10-21 | 2000-04-26 | Ogata S-MEC Kabushiki Kaisha | Burr processing apparatus |
EP0995531A3 (en) * | 1998-10-21 | 2000-12-20 | Ogata S-MEC Kabushiki Kaisha | Burr processing apparatus |
US6281462B1 (en) | 1998-10-21 | 2001-08-28 | Saburo Iiyama | Burr processing apparatus |
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CN104493017A (zh) * | 2014-12-03 | 2015-04-08 | 建科机械(天津)股份有限公司 | 方形钢筋笼成型机的箍筋切断装置 |
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