JPH10248450A - 魚釣り用リールの逆転防止装置 - Google Patents

魚釣り用リールの逆転防止装置

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JPH10248450A
JPH10248450A JP5573497A JP5573497A JPH10248450A JP H10248450 A JPH10248450 A JP H10248450A JP 5573497 A JP5573497 A JP 5573497A JP 5573497 A JP5573497 A JP 5573497A JP H10248450 A JPH10248450 A JP H10248450A
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JP
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reverse rotation
cam body
reel
rotating
engaging
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Application number
JP5573497A
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English (en)
Inventor
Yuji Miya
勇二 宮
Yukihisa Sato
幸久 佐藤
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Ryobi Ltd
Original Assignee
Ryobi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リールを高速かつ軽快に回転操作できる逆転
防止装置を提供する。 【解決手段】 ロータ7等と一体回転可能な逆転防止歯
車22と、固定部18により、逆転防止歯車22から離
間する解放位置P1と、逆転防止歯車22と係合する係
合位置P2との間を移動可能に支持された逆転防止爪2
3と、逆転防止爪23をロータ7等の正転開始に連動し
て解放位置P1に、逆転開始に連動して係合位置P2へ
移動させる制御機構30とをリールに設ける。制御機構
30には、軸筒4と回転自在に嵌合する嵌合部32a及
び嵌合部32aから半径方向外側に延びて逆転防止爪2
3と係合可能な係合部32bを有し、軸筒4の周りの回
転に伴って係合部32bにより逆転防止爪23を解放位
置P1及び係合位置P2の少なくともいずれか一方に駆
動可能なカム体32と、カム体32の嵌合部32bを軸
筒4の方向から押圧挟持し得るよう軸筒4の外周に装着
されたばね33とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、魚釣り用リールに
設けられた回転部の逆転を防止する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の魚釣り用リールでは、ロータ等の
回転部と一体回転可能にラチェット歯車を設けるととも
に、リールの固定部にラチェット歯車と係脱可能な逆転
防止爪を装着し、ロータが逆転操作されたときに逆転防
止爪をラチェット歯車に係合させている。なお、本明細
書において正転とは、釣り糸が巻き取られるときの回転
運動を意味し、逆転はその反対に釣り糸が繰り出される
ときの回転運動を意味する。この種の逆転防止装置で
は、逆転防止爪がラチェット歯車と係合した状態からロ
ータを正転させた場合、その逆転防止爪がラチェット歯
車の歯部を乗り越えて正転が許容される。しかしなが
ら、そのような状態でロータを正転させると、逆転防止
爪とラチェット歯車とが繰り返し離接して絶え間ない接
触音が発生する。
【0003】そこで、実開平5−2678号公報、実開
平5−15772号公報あるいは実開平6−75166
号公報に開示された逆転防止装置では、ロータの正転時
に逆転防止爪をラチェット歯車から完全に離間した解放
位置に保持して無音での釣り糸の巻き上げを可能として
いる。すなわち、これらの装置では、ロータの回転中心
に設けられた回転軸又はその外周に一体回転可能に装着
されたカラー筒の外周にねじりコイルばね状のカム体を
巻き付けて装着し、そのカム体の一部をアーム状に構成
して逆転防止爪と係合させている。そして、ロータの正
転開始時に、ロータの回転軸の外周とカム体の内周との
間に作用する摩擦力を利用してカム体を回転させ、その
回転により逆転防止爪を解放位置へと駆動している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の装置で
は、ねじりコイルばね状のカム体と回転軸等の回転部と
の間に作用する摩擦力によってカム体がねじられて回転
軸等が締め付けられ、その結果、両者間の摩擦力が増大
して回転部の回転抵抗が大きくなる。
【0005】本発明は、リールの回転抵抗の増加を防止
して回転操作を高速かつ軽快に行える魚釣り用リールの
逆転防止装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】以下、本発明の実施形態
を示す図面に対応付けて本発明を説明する。但し、本発
明は図示の形態に限定されない。
【0007】請求項1の発明は、ハンドルの回転に伴っ
て回転するリールの回転部(2、4、5、6、7)に対
して一体に回転するように設けられた逆転防止歯車(2
2)と、リールの固定部(18、1b)により、逆転防
止歯車(22)から離間する解放位置(P1)と、逆転
防止歯車(22)と係合して回転部(2、4、5、6、
7)の逆転を阻止する係合位置(P2)との間を移動可
能に支持された逆転防止爪(23)と、逆転防止爪(2
3)を、回転部(2、4、5、6、7)の正転開始に連
動して解放位置(P1)に、逆転開始に連動して係合位
置(P2)へと移動させる制御機構(30、50)と、
を具備した魚釣り用リールの逆転防止装置において、制
御機構(30、50)が、回転部(2、4、5、6、
7)を構成する回転軸(例えば4)と回転自在に嵌合す
る嵌合部(32a、54)、及びその嵌合部(32a、
54)から半径方向外側に延びて逆転防止爪(23)と
係合可能な係合部(32b、55)を有し、回転軸
(4)の周りの回転に伴って係合部(32b、55)に
より逆転防止爪(23)を解放位置(P1)及び係合位
置(P2)の少なくともいずれか一方に向けて駆動可能
なカム体(32、52)と、カム体(32、52)の嵌
合部(32a、54)を回転部(2、4、5、6、7)
の回転軸(4)の方向から押圧挟持し得るように回転軸
(4)の外周に装着された弾発手段(33、53)と、
を備えた魚釣り用リールの逆転防止装置により、上述し
た課題を解決する。
【0008】請求項2の発明は、請求項1記載の魚釣り
用リールの逆転防止装置において、カム体(52)の嵌
合部(54、58)は、外周に環状溝(54a、58
b)が設けられた円筒体として構成され、カム体(5
2)の係合部(55)は、環状溝(54a、58b)に
巻き付けられて少なくとも一端(55a)が回転部
(2、4、5、6、7)の回転軸(4)から径方向外側
に延びたばね材にて構成されたことを特徴とする。
【0009】請求項3の発明は、請求項2記載の魚釣り
用リールの逆転防止装置において、前記円筒体がころが
り軸受け(58)を有していることを特徴とする。
【0010】請求項4の発明は、請求項1又は2に記載
の魚釣り用リールの逆転防止装置において、カム体(3
2、52)の嵌合部(32a、54)と弾発手段(3
3、53)との間にはワッシャー(37、56)が介在
されていることを特徴とする。
【0011】請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれ
かに記載の魚釣り用リールの逆転防止装置において、回
転部(2、4、5、6、7)の回転軸(4)の外周には
カラー筒(41)が着脱自在に取り付けられ、このカラ
ー筒(41)の外周にカム体(52)の嵌合部(54)
及び弾発手段(53)が取り付けられていることを特徴
とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
−第1の実施形態− 図1は、本発明の第1の実施形態に係る逆転防止装置が
組み込まれたスピニングリールの全体構成を示してい
る。このスピニングリールは、不図示の竿管への取付脚
1aを有するリール本体1と、そのリール本体1に回転
自在に装着されたハンドル軸2と、リール本体1の前端
部にベアリング3a、3bを介して回転自在に支持され
た軸筒4とを有している。
【0013】ハンドル軸2は、リール本体1の側方に配
置された不図示のハンドルの操作によって軸線周りに回
転駆動される。ハンドル軸2にはマスター歯車5が一体
回転可能に装着され、そのマスター歯車5は軸筒4の後
端部に設けられたピニオン6と噛み合っている。軸筒4
の前端部にはロータ7がナット8によって一体回転可能
に取り付けられている。従って、ハンドル軸2が回転す
ると、その回転がマスター歯車5、ピニオン6及び軸筒
4を介してロータ7に伝達されてロータ7が軸筒4の周
りに回転する。ハンドル軸2、マスター歯車5、ピニオ
ン6、軸筒4及びロータ7はリールの回転部を構成す
る。
【0014】軸筒4の中心にはスプール軸9がその軸線
方向に移動自在に装着される。スプール軸9の先端(図
1の左端)にはスプール10が取り付けられている。ス
プール軸9の後端はオシレート機構11と連結される。
オシレート機構11は、マスター歯車5の回転をスプー
ル軸9の軸線方向の運動に変換してスプール10をリー
ルの前後方向に往復運動させる。
【0015】ロータ7の外周には一対のサポートアーム
7a、7aが設けられ、それらのサポートアーム7a、
7aの先端にはベールアームホルダ12及びベールアー
ムレバー13がピン14、14を中心として回動自在に
取り付けられている。ベールアームレバー13には不図
示の釣り糸を案内するためのラインローラ15が取り付
けられ、そのラインローラ15とベールアームホルダ1
2との間にベールアーム16が装着されている。ベール
アーム16を釣り糸の巻き取り位置に倒してラインロー
ラ15に釣り糸を巻き掛けた状態でハンドルを正転させ
ると、ロータ7が正転しつつスプール10が前後に往復
して釣り糸が巻き取られる。
【0016】リール本体1の前端部1bには、ベアリン
グ17を介して制動部材18が回転自在に装着される。
リール本体1には、この制動部材18の内周面と当接可
能な制動片19を備えた制動レバー20がピン21を中
心として回動操作可能に取り付けられる。制動レバー2
0にて回転が制動された制動部材18はリールの固定部
を構成する。
【0017】図1及び図2に示したように、ロータ7の
内周面にはラチェット歯車(逆転防止歯車)22が一体
に形成される。制動部材18には、一端にラチェット歯
車22への係合部23aを備えた逆転防止爪23が支点
ねじ24にて取り付けられる。この逆転防止爪23は、
支点ねじ24を中心として、その一端の係合部23aが
ラチェット歯車22から離間した解放位置P1(図2の
実線位置)と、係合部23aがラチェット歯車22と噛
み合い可能な係合位置P2(図2の想像線位置)との間
を揺動可能である。逆転防止爪23の位置に応じて制動
部材18とロータ7とが接続又は切り離され、制動レバ
ー20によるロータ7の回転制動が可能な状態と不可能
な状態とが切り換わる。
【0018】すなわち、逆転防止爪23が係合位置P2
にあるときは、ロータ7の逆転(図2の矢印Y方向)に
伴って係合部23aがラチェット歯車22と噛合し、制
動部材18に対するロータ7の逆転が阻止される。但
し、この状態でも制動レバー20を操作しなければ、制
動部材18とロータ7とがリール本体1に対して一体的
に正転(図2の矢印X方向)及び逆転可能である。
【0019】しかし、制動レバー20を操作して制動片
19を制動部材18に押し付けると、その押し付け力に
応じてロータ7の逆転が制動される。従って、釣り糸に
作用する魚の引き具合に応じて操作レバー20を操作す
ることにより、釣り糸に適切な張力を加えることができ
る。一方、逆転防止爪23が解放位置P1にあるときは
制動部材18とロータ7とが切り離されるため、制動レ
バー20の操作に拘わりなく、ロータ7が回転可能とな
る。
【0020】逆転防止爪23は、制御機構30によりロ
ータ7の回転方向に応じて解放位置P1又は係合位置P
2に切り換えられる。図2及び図3に示したように、制
御機構30は、支点ねじ24の外周に装着されるととも
に逆転防止爪23に一端が係止されて逆転防止爪23を
支点ねじ24の周りに係合位置P1側へ付勢するねじり
コイルばね31と、逆転防止爪23の他端部23bと係
合して逆転防止爪23を解放位置P2に駆動するカム体
32と、カム体32を軸筒4の回転方向に応じて回転さ
せる皿ばね(弾発手段)33とを有している。
【0021】カム体32は、軸筒4の外周に回動自在に
嵌合する環状の嵌合部32a、及びその嵌合部32aの
外周から半径方向外方へ延びて逆転防止爪23と係合可
能なアーム部(係合部)32bとを有している。図3に
示すように、嵌合部32aはベアリング3aとロータ7
との間において軸筒4の外周に回転自在に嵌合される。
嵌合部32aとベアリング3aとの間にはワッシャー3
5及びワッシャー支持座金36が設けられ、嵌合部32
aとロータ7との間にはワッシャー37及び上記の皿ば
ね33が設けられる。皿ばね33は軸筒4の軸線方向に
幾らか押し込まれた状態で装着され、その反発力により
嵌合部32aが一対のワッシャー35、37の間に押圧
挟持されている。
【0022】以上の構成によれば、ロータ7及びベアリ
ング3aと、これらに挟まれたカム体32の嵌合部32
a、ワッシャー35、37、皿ばね33及びワッシャ支
持座金36との間には皿ばね33の反発力に応じて相互
に摩擦力が作用する。このため、軸筒4及びロータ7が
正転すると、その摩擦力によってカム体32が軸筒4の
周りに図2の正転方向Xへ回転し、この結果、カム体3
2の係合部32bが逆転防止爪23の他端部23bと係
合して逆転防止爪23が解放位置P1へと駆動される。
解放位置P1では逆転防止爪32がラチェット歯車22
から完全に離間しているため、両者の間で接触音が発生
せず、ロータ7を無音で正転させて釣り糸を巻き取るこ
とができる。
【0023】この正転時においては、皿ばね33の反発
力に基づく摩擦力がロータ7の回転速度に拘わりなく一
定に保たれる。従って、必要最小限の摩擦力が働くよう
に皿ばね33の寸法やばね定数、ワッシャー35、37
の厚さや素材を設定することにより、釣り糸を軽快かつ
高速に巻き取ることができる。
【0024】一方、ロータ7が逆転するようにハンドル
を操作した場合には、その逆転開始時にカム体32が軸
筒4の周りをストッパピン38に当接するまで逆転し
(図2の想像線参照)、カム体32の係合部32bと逆
転防止爪23とが離間する。このため、逆転防止爪23
がねじりコイルばね31の力で係合位置P2へと駆動さ
れ、逆転防止爪23の係合部23aとラチェット歯車2
2とが係合する。この状態で制動レバー20を操作すれ
ば上述のごとくロータ7の逆転が制動される。
【0025】なお、ワッシャー35、37は省略しても
よい。但し、ワッシャー37を設けた場合には、カム体
32と皿ばね33との間に作用する余分な回転抵抗や摩
擦力を抑えてこれらの耐久性を向上させることができ
る。軸筒4に対するカム体32及び皿ばね33の位置決
め及び保持は、上記の構成に限定されない。軸筒4に一
体に形成されたフランジや軸筒4の外周に装着された止
め輪等の公知の位置決め保持手段を用いてよい。
【0026】−第2の実施形態−図4〜図6は、本発明
の第2の実施形態に係る逆転防止装置が組み込まれたス
ピニングリールを示している。なお、図1〜図3との共
通部分には同一符号を付してあり、それらについての説
明は省略する。
【0027】図4及び図5に示すように、本実施形態の
スピニングリールでは、軸筒4の外周にカラー筒41が
着脱自在に装着され、そのカラー筒41の一端側にラチ
ェット歯車22が一体回転可能に取り付けられる。リー
ル本体1の前端部(固定部)1bには逆転防止爪23が
支点ねじ24を介して揺動自在に取り付けられる。
【0028】リール本体1の後端にはつまみ45が設け
られ、そのつまみ45はスプール軸9と平行なロッド4
6を介してリール本体1の前端部1bに取り付けられた
アンチレバーカム47と連結される。つまみ45をロッ
ド46の周りに回転操作すると、その回転方向に応じて
アンチレバーカム47が図5の上下方向に移動する。ア
ンチレバーカム47が図5の下方に移動したときには、
そのアンチレバーカム47と逆転防止爪23の他端23
bとが係合し、逆転防止爪23がストッパ48に当接し
た解放位置P1(図5の実線位置)に拘束される。この
状態では、逆転防止爪23の一端側の二つの係合部23
a、23aがラチェット歯車22から完全に離間する。
そのため、ロータ7の正転(図5の矢印X方向)及び逆
転(図5の矢印Y方向)が許容される。
【0029】一方、アンチレバーカム47が図5の実線
位置に切り換えられた場合には、アンチレバーカム47
と逆転防止爪23とが離間する。この状態では、軸筒4
の回転方向に応じて制御機構50により逆転防止爪23
が解放位置P1と係合位置(図5の想像線位置)P2と
の間で駆動される。なお、リール本体1の前端部1bに
は、アンチレバーカム47を逆転防止爪23と係合した
位置及び離間した位置にそれぞれ保持するためのデット
ポイントばね49が設けられる。
【0030】図5及び図6に示すように、制御機構50
は、カラー筒41の外周に回転自在に嵌合されたカム体
52と、同じくカラー筒41の外周に緩く装着されたコ
イルばね(弾性手段)53とを有している。カム体52
は、カラー筒41の外周に回転自在に嵌合された円筒体
(嵌合部)54と、その円筒体54の外周の環状溝54
aに巻き付けて装着されたばね材製のリング(係合部)
55とを有している。リング55の両端部55a、55
aは半径方向外方に延びて逆転防止爪23のピン23c
を挟み込む。
【0031】コイルばね53は、カム体52の一端と密
着するワッシャー56と、カラー筒41の一端部に装着
された止め輪57との間に圧縮状態で装着される。この
コイルばね53の反発力により、カム体52の円筒体5
4がカラー筒41の一端の拡大部41aとワッシャー5
6との間に押圧挟持される。
【0032】以上の構成では、アンチレバーカム47が
図5の実線位置に拘束された状態で軸筒4が正転した場
合、これに伴ってカラー筒41も同一方向に回転する。
そのため、カラー筒41に嵌合されたカム体52の円筒
体54はコイルばね53の押圧に伴う摩擦力によって正
転方向に回転し、円筒体54の環状溝54aに巻き付け
られたリング55も円筒体54との間に働く摩擦力によ
り軸筒4の周りに正転する。この結果、リング55の両
端部55a、55aと係合した逆転防止爪23が支点ね
じ24の周りを図5の反時計方向に回転して解放位置P
1に移動する。解放位置P1では逆転防止爪23がラチ
ェット歯車22から完全に離間しているため、両者の間
で接触音が発生せず、ロータ7を無音で正転させて釣り
糸を巻き取ることができる。
【0033】この正逆転時においては、コイルばね53
の反発力に基づく摩擦力がロータ7の回転速度に拘わり
なく一定に保たれる。従って、必要最小限の摩擦力が働
くようにコイルばね53の寸法やばね定数、ワッシャー
56の厚さや素材を設定することにより、釣り糸を軽快
かつ高速に巻き取ることができる。また、仮にカラー筒
41とカム体52の円筒体54とが滑りを生じることな
く一体的に回転した場合でも、円筒体54に対してリン
グ55が滑るため、ロータ7を支障なく回転させること
ができる。
【0034】一方、ロータ7が逆転するようにハンドル
を操作した場合には、その逆転開始時にカム体52が軸
筒4の周りに逆転するために、逆転防止爪23が支点ね
じ24の周りを図5の時計方向に駆動されて係合位置P
2へと移動する。このため、逆転防止爪23の係合部2
3aとラチェット歯車22とが係合してロータ7の逆転
が阻止される。
【0035】本実施形態では、制御機構50を構成する
カム体52、コイルばね53、ワッシャー56及び止め
輪57を軸筒4に対して着脱自在なカラー筒41に装着
したため、カラー筒41と制御機構50とがユニット化
され、制御機構50の組み付け、取外しを容易に行え
る。
【0036】なお、図7に示したように、リング55の
一端55aのみを半径方向に延ばして逆転防止爪23の
ピン23cと係合させてもよい。また、第2の実施形態
でも図7に示すようにロータ7の内周にラチェット歯車
22を形成して逆転防止爪23と係脱させてもよい。図
8に示したように、カラー筒41の外周に円筒体として
のころがり軸受け58を設け、その外輪58aの外周に
環状溝58bを設けてもよい。
【0037】本発明は上述した実施形態に限定されず、
各種の変更が可能である。カム体及びラチェット歯車は
ロータの回転中心線上に限らず、ロータと一体に回転す
る各種の回転軸上に設けることができる。例えば、図9
に示すように、第1の実施形態と同様のカム体32をハ
ンドル軸2の外周に回動自在に装着するとともに、軸筒
4の後端部にラチェット歯車22を装着し、リール本体
1の側壁内面に揺動自在に装着された逆転防止爪23を
カム体32の揺動に応じて支点ねじ24の周りに揺動さ
せてもよい。ラチェット歯車22をマスター歯車5と同
軸に設けてもよい。
【0038】本発明はスピニングリールに限定されず、
両軸受けリール等各種の魚釣り用リールに適用できる。
両軸受けリールに設ける場合には、例えばハンドル軸に
ラチェット歯車と制御機構とを設け、リール本体の輪く
らい側面、あるいはこれに取り付けられる側板の内面に
逆転防止爪を揺動自在に装着すればよい。
【0039】
【発明の効果】以上に説明したように、請求項1の発明
によれば、弾発手段の弾発力によってカム体の嵌合部が
回転軸の方向から押圧挟持されて摩擦力が発生し、その
摩擦力により回転軸に嵌合されたカム体が回転軸に追従
して回転する。そのため、回転部の回転方向や回転速度
に拘わりなく回転軸とカム体との間に働く摩擦力を一定
に保つことができ、ロータ等の回転部の回転操作を高速
かつ軽快に行うことができる。従って、釣り人は疲れる
ことなく長時間に亘って釣りを楽しむことができる。
【0040】また、釣り糸を高速で巻き取れるため、巻
き取り速度の低下に起因する魚の取り込み中のバラシや
リーリング中の根がかりを防止できる。弾発手段の寸法
や弾発率(ばね定数)あるいは取付状態での変位量を調
整してその弾発力を増減させることにより、回転軸とカ
ム体との摩擦力を任意に調整できるので、部品の生産や
寸法管理が容易になる。回転軸やカム体に余分な回転抵
抗や摩擦力が加わらないため、回転軸やカム体の摩耗や
損傷を抑えてリールの耐久性を向上させることができ
る。
【0041】請求項2の発明によれば、カム体が、嵌合
部としての円筒体と、その円筒体の外周に設けられた環
状溝に巻き付けられたばね材製の係合部とを有している
ため、釣り糸を高速で巻き上げる際に回転軸とカム体の
嵌合部との滑りが阻害されても、嵌合部としての円筒体
と係合部とが滑ることにより回転部を支障なく回転操作
することができる。
【0042】請求項3の発明によれば、円筒体がころが
り軸受けを有しているため、回転部の外周とカム体の嵌
合部としての円筒体との間における回転抵抗を低減さ
せ、弾発手段の力に基づいて逆転防止爪を確実に回転駆
動させることができる。
【0043】請求項4の発明によれば、カム体の嵌合部
と弾発手段との間にワッシャーを介在したため、カム体
の嵌合部と弾発手段との間に余分な回転抵抗や摩擦が加
わらず、回転軸やカム体の摩耗や損傷を抑えてリールの
耐久性を向上させることができる。ワッシャーの寸法や
素材を変更することにより、回転軸とカム体との間の摩
擦力を任意に調整できるので、部品の生産や寸法管理が
容易となる。
【0044】請求項5の発明によれば、カム体及び弾発
手段を回転軸に対して着脱自在なカラー筒に装着したた
め、カラー筒上において制御機構をユニット化でき、制
御機構の組み付けや取外しを容易に行えるようになる。
弾発手段の弾発力を変更することにより、カラー筒への
嵌合部の回転制動力を容易に調整できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の逆転防止装置が組み
込まれたスピニングリールの縦断面図。
【図2】図1のII−II線に沿った断面図。
【図3】図1の要部を拡大して示す図。
【図4】本発明の第2の実施形態の逆転防止装置が組み
込まれたスピニングリールの縦断面図。
【図5】図4のV−V線に沿った断面図。
【図6】図4の要部を拡大して示す図。
【図7】図5の変形例を示した図。
【図8】図6の変形例を示した図。
【図9】ハンドル軸上に逆転防止爪を設けた例を示す
図。
【符号の説明】
1 リール本体 2 ハンドル軸 4 軸筒 5 マスター歯車 7 ロータ 22 ラチェット歯車(逆転防止歯車) 23 逆転防止爪 30、50 制御機構 31 ねじりコイルばね 32、52 カム体 32a 嵌合部 32b アーム部(係合部) 33 皿ばね(弾発手段) 37、56 ワッシャー 53 コイルばね(弾発手段) 54 円筒体(嵌合部) 54a、58b 環状溝 55 リング(係合部) 58 ころがり軸受け(円筒体) P1 解放位置 P2 係合位置 X 正転方向 Y 逆転方向

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハンドルの回転に伴って回転するリール
    の回転部に対して一体に回転するように設けられた逆転
    防止歯車と、 前記リールの固定部により、前記逆転防止歯車から離間
    する解放位置と、前記逆転防止歯車と係合して前記回転
    部の逆転を阻止する係合位置との間を移動可能に支持さ
    れた逆転防止爪と、 前記逆転防止爪を、前記回転部の正転開始に連動して前
    記解放位置に、逆転開始に連動して前記係合位置へと移
    動させる制御機構と、を具備した魚釣り用リールの逆転
    防止装置において、前記制御機構が、 前記回転部を構成する回転軸と回転自在に嵌合する嵌合
    部、及びその嵌合部から半径方向外側に延びて前記逆転
    防止爪と係合可能な係合部を有し、前記回転軸の周りの
    回転に伴って前記係合部により前記逆転防止爪を前記解
    放位置及び前記係合位置の少なくともいずれか一方に向
    けて駆動可能なカム体と、 前記カム体の前記嵌合部を前記回転部の前記回転軸の方
    向から押圧挟持し得るように前記回転軸の外周に装着さ
    れた弾発手段と、を備えていることを特徴とする魚釣り
    用リールの逆転防止装置。
  2. 【請求項2】 前記カム体の前記嵌合部は、外周に環状
    溝が設けられた円筒体として構成され、 前記カム体の前記係合部は、前記環状溝に巻き付けられ
    て少なくとも一端が前記回転部の前記回転軸から径方向
    外側に延びたばね材にて構成されていることを特徴とす
    る請求項1記載の魚釣り用リールの逆転防止装置。
  3. 【請求項3】 前記円筒体がころがり軸受けを有してい
    ることを特徴とする請求項2記載の魚釣り用リールの逆
    転防止装置。
  4. 【請求項4】 前記カム体の前記嵌合部と前記弾発手段
    との間にはワッシャーが介在されていることを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の魚釣り用リールの逆転防止装
    置。
  5. 【請求項5】 前記回転部の前記回転軸の外周にはカラ
    ー筒が着脱自在に取り付けられ、このカラー筒の外周に
    前記カム体の前記嵌合部及び前記弾発手段が取り付けら
    れていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
    載の魚釣り用リールの逆転防止装置。
JP5573497A 1997-03-11 1997-03-11 魚釣り用リールの逆転防止装置 Pending JPH10248450A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007143418A (ja) * 2005-11-24 2007-06-14 Daiwa Seiko Inc 魚釣用リールの逆転防止装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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