JPH10247765A - セラミック基板 - Google Patents

セラミック基板

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JPH10247765A
JPH10247765A JP9048738A JP4873897A JPH10247765A JP H10247765 A JPH10247765 A JP H10247765A JP 9048738 A JP9048738 A JP 9048738A JP 4873897 A JP4873897 A JP 4873897A JP H10247765 A JPH10247765 A JP H10247765A
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JP
Japan
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base material
substrate
organic binder
manufactured
ceramic
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JP9048738A
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English (en)
Inventor
Norihiro Ami
徳宏 阿美
Shosaku Ishihara
昌作 石原
Ryohei Sato
了平 佐藤
Masahide Okamoto
正英 岡本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】配線基板の配線周囲に存在する物質の誘電率に
よって引き起こされる信号の遅延を短縮する。 【解決手段】表面層11は、内層13と異なり、気泡径
は3μm以下で、気泡体積の割合は4.5%であり、基
材133を加熱処理した場合に通常得られる緻密状態に
達し、液体、蒸気、気体などは内部に進入してこない。
配線導体2、131が基材133に完全に固定されてい
るので、これらの界面を通じて、液体、蒸気、気体など
が内部に入り込むこともない。また、研磨等を施しても
パッド2など表面に配した配線やパターン等が表面層1
1の基材133ごと剥がれ落ちることはない。内層13
と表面層11との界面では両方の基材133同士が焼結
一体化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高性能な信号伝送特
性が要求される電子機器の実装用基板に関する。
【0002】
【従来の技術】情報処理や通信に関する電子機器に対す
る処理能力の要求には非常に高いものがある。大形コン
ピュータ等の一部の先端的な機器では、高速のスイッチ
ング速度で動作する論理、制御、記憶用等の素子を、短
い配線長でコンパクトに実装する必要がある。これは、
素子間の信号の伝送遅延を短縮するためである。
【0003】伝送遅延には、配線長の他、配線周囲の誘
電率も関係し、比誘電率の1/2乗に比例して伝送時間
が掛かる。そのため、信号伝送速度を向上させるには配
線周囲の誘電率は低い方が良い。
【0004】高密度の配線密度を実現させる手段として
基板がある。配線の担体となる基材は、有機高分子材料
または無機材料が用いられている。無機材料を基材とし
た基板の製造工程は、無機材料粉末を有機バインダと溶
剤でスラリ化する工程、上記スラリをシート状に成形す
る工程、シートに貫通孔(バイアホール)を明ける工
程、貫通孔に配線金属のペーストを埋め込む工程、貫通
孔に配線金属のペーストを埋め込んだシートに所定の配
線等のパターンを配線金属のぺーストで形成する工程、
配線等の形成されたシートを積層・圧着する工程、積層
・圧着体を熱処理する工程などからなっている。上述の
熱処理中に、積層・圧着体中の有機バインダ及び金属ペ
ースト中の有機物は分解・消滅し、同時に粉末状であっ
た無機材料及び金属ペーストは焼結・緻密化する。また
上述の貫通孔に埋め込まれた金属ペーストは層間の配線
になる。
【0005】無機の配線基板でも、アルミナからムライ
ト、ガラスへと比誘電率の低いものへ材料の変更が行わ
れる傾向にある。基材の材料を変える他は、添加物によ
って焼結密度を下げて誘電率を下げる試みも報告されて
いる(IBM社、特開平7−329247号公報)。特
開平7−329247号公報に示されている例では基材
となるガラスにシリカを添加することによって、基材の
焼結を遅らせ多孔質化させて低誘電化を図ろうとしてい
る。このように、添加物による方法は添加材の管理とい
う困難が発生する。さらに、基材の焼結を遅らせる方法
は、焼結現象の変更を意味し、熱処理工程の全面的な変
更が必要となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】配線周囲に存在する物
質の誘電率によって引き起こされる信号遅延の短縮であ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、本発明は多孔性を付与した基材によって支持された
配線を有することを特徴とするセラミック基板を提供す
る。
【0008】また、熱圧着または焼成の処理中に液化ま
たは焼尽する固形物を分散させたセラミックグリーンシ
ートの多層積層体を、熱圧着および焼成して製造したセ
ラミック基板を提供する。
【0009】また、熱圧着または焼成の処理中に液化す
る固体の有機高分子を分散させたセラミックグリーンシ
ートの多層積層体を、熱圧着および焼成して製造したセ
ラミック基板を提供する。
【0010】また、焼成後にセラミック基板の基材とな
る物質の粉末と、有機バインダが溶剤中に分散している
スラリから製造したセラミックグリーンシートを圧着お
よび熱処理することによって製造するセラミック基板
で、基材となる物質の粉末の平均粒子径をA、有機バイ
ンダの平均粒子径をBとした場合に、B>Aの大小関係
のある基材と有機バインダを含むスラリから製造したセ
ラミックグリーンシートを圧着および熱処理することに
よって製造したセラミックス基板を提供する。
【0011】また、焼成後にセラミックス基板の基材と
なる物質の粉末と、有機バインダが溶剤中に分散してい
るスラリから製造したセラミックグリーンシートを圧着
および熱処理することによって製造するセラミックス基
板で、基材となる物質の粉末の平均粒子径をA、有機バ
インダが水に不溶のビニル系の高分子を主成分とした有
機高分子固体でありその平均粒子径をBとした場合に、
B>Aの大小関係のある基材と有機バインダを含む水を
主たる分散媒としたスラリから製造したセラミックグリ
ーンシートを圧着および熱処理することによって製造し
たセラミックス基板を提供する。
【0012】また、三層以上から構成される多層基板
で、最上層の相対密度をa、最下層の相対密度をb、最
上層及び最下層以外の層の平均相対密度をcとした場合
に、a>cかつb>cの関係が成立する多層基板。尚、
上述の相対密度とは嵩密度を該当する物質の固有の密度
で除した値とするを提供する。
【0013】また、三層以上から構成される多層基板
で、最上層の相対密度をa、最下層の相対密度をb、最
上層及び最下層以外の層の平均相対密度をcとした場合
に、a>cかつb>cの関係が成立し、焼成後にセラミ
ックス基板の基材となる物質の粉末と、有機バインダが
溶剤中に分散しているスラリから製造したセラミックグ
リーンシートを圧着および熱処理することによって製造
するセラミックス基板で、基材となる物質の粉末の平均
粒子径をA、有機バインダが水に不溶のビニル系の高分
子を主成分とした有機高分子固体でありその平均粒子径
をBとした場合に、最上層及び最下層には、A>Bの大
小関係のある基材と有機バインダを含む水を主たる分散
媒としたスラリから製造したセラミックグリーンシート
を用い、最上層及び最下層以外の層には、B>Aの大小
関係のある基材と有機バインダを含む水を主たる分散媒
としたスラリから製造したセラミックグリーンシートを
用い、グリーンシートを圧着および熱処理することによ
って製造したセラミックス基板を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施例の斜視図を図1に
示す。本実施例はガラスと無機結晶の複合材料を基材に
用い、配線材料として銅を用いた基板1である。基板1
の表面にはLSIと接続するためのバンプ2と、LSI
接続後に基板1の表面に取り付けられる封止キャップを
受けるための封止パターン3が銅で形成されている。基
板1の裏面には外部と接続するためのピン4が形成され
ている。ピン4は基板1の裏面のピン用の銅パターンに
ろう付けによって接続されている。基板1の外周は樹脂
41で固められている。
【0015】図2に本実施例の全体的な断面構造を示
す。基板1は40層から成っており、表面層11には上
述のバンプ2、封止パターン3が、裏面層12にはピン
4が設けられている。表面層11と裏面層12の中間に
は38の層がある。これらを総称して内層13と記す。
外周には樹脂41があり、内層13の外周に接する部分
には樹脂41を染み込ませ樹脂層42を形成させてい
る。本発明による最も特徴的な構造は、内層13の微視
的な組織構造に表れる。
【0016】内層13の微視的な組織構造を図3を用い
て以下説明する。層間配線131、層内配線132は銅
である。これらの周囲にガラスと無機結晶の複合材料の
基材133が存在する。この基材133は気泡134を
多数含む。気泡134は基材133の内部だけでなく、
配線131、132と基材135との界面にも存在して
いた。気泡134の径は1から20μm、平均8μm
で、気泡134の体積割合は30%である。この気泡
径、気泡体積は後述の方法によって調整できる。このよ
うに、気泡を多く含む基材が配線の支持体となっている
組織構造が本発明の呈する特徴の一つである。
【0017】本実施例の表面層11の微視的な組織構造
を図4に示す。表面層11は、内層13と異なり、気泡
径は3μm以下で、気泡体積の割合は4.5%であり、
基材133を加熱処理した場合に通常得られる緻密状態
に達し、液体、蒸気、気体などは内部に進入してこな
い。配線導体2、131が基材133に完全に固定され
ているので、これらの界面を通じて、液体、蒸気、気体
などが内部に入り込むこともない。また、研磨等を施し
てもパッド2など表面に配した配線やパターン等が表面
層11の基材133ごと剥がれ落ちることはない。内層
13と表面層11との界面では両方の基材133同士が
焼結一体化する。
【0018】本実施例の側面の状態を断面図5で示す。
側面は樹脂41で固められている。内層13の側面は樹
脂41が深くまで浸透して、内層13の中の基材133
に染み込んで樹脂層42を形成している。樹脂層42で
液体、蒸気、気体などの内部への進入を防いでいる。
【0019】本実施例の製造方法を次に述べる。基本的
には代表的な基板の製造方法と同じで、基材となる無機
材料粉末と有機バインダとを溶剤でスラリ化する工程、
スラリをシート状に成形する工程、シートに貫通孔(バ
イアホール)を明ける工程、貫通孔に銅ペーストを埋め
込む工程、貫通孔に銅ペーストを埋め込んだシートに所
定の配線等のパターンを銅ペーストで形成する工程、配
線等の形成されたシートを積層・圧着する工程、積層・
圧着体を熱処理する工程、焼成後の基板にピンを接続す
る工程、ピン付け後の基板の側面を樹脂で固める工程か
らなっている。
【0020】上で開示した実施例の組織構造、すなわ
ち、表面層・裏面層と内層とで異なった組織構造を実現
するため方法を次に述べる。本実施例では表面・裏面層
のグリーンシートと内層のグリーンシートに異なった組
織を持つものを用いた。しかし、表面・裏面層と内層用
のグリーンシートの製造方法は同じで、基板1の基材1
33の粉末と有機バインダを水を主とした溶剤でスラリ
化し、スラリをドクターブレードでシート状にして、乾
燥させて、シートを得ている。表面層11・裏面層12
用と内層13用のグリーンシートで異なるのは用いてい
る有機バインダの粒径である。本実施例で用いている有
機バインダは、ビニル系高分子固体を改質して水中の分
散性が高まったものであり、水を主成分とした溶剤のス
ラリ中で、有機バインダのコロイド粒子となって分散す
るタイプである。このような有機バインダの具体的な例
は、特開平6−227855号公報に開示されている。
上述の有機バインダを用いてグリーンシートを作製する
と、上述の有機バインダは固体のコロイドとしてスラリ
中に存在しているので、シート中でもそれ自体がある体
積を占める。具体例は、本実施例の内層13用のグリー
ンシートではシート体積の37.5%を基材粒子が占め
たほか、27.5%をバインダ粒子が占めていた。残り
の35%は間隙である。
【0021】有機バインダ粒子は100℃程度に熱する
と軟化・流動する。軟化・流動し、有機バインダ粒子が
間隙に流れ出ると、初めシート中に有機バインダ粒子が
占めていた場所には有機バインダ粒子形の孔が開くこと
になる。このように基材粒子以上の大きさの孔が内部に
あるグリーンシートを焼結させると焼結後もこの孔は残
って多孔性の焼結体になる。図6に基材粉末粒子に平均
3μmの粒子を用いたときの、焼結体中の気孔の平均粒
径と、用いた有機バインダの平均粒径の関係を示した。
基材粒子の平均粒子径以上の平均粒子径の有機バインダ
を用いてグリーンシートを作製し、それを焼結させた場
合には有機バインダ径にほぼ比例した気孔が焼結体中に
残っている。他方、有機バインダの平均粒子径が基材粉
末よりも小さい領域では、上述の有機バインダによる多
孔化の効果は見られない。これは、有機バインダ粒子が
基材粉末の粒子に比して小さいと、グリーンシート中で
は有機バインダ粒子がおもに基材粒子と基材粒子間の間
隙に挾まり込んだ状態で存在しているため、有機バイン
ダが流動化しても、元々の間隙以上の大きさの孔をグリ
ーンシート中に生じず、基材本来の焼結緻密化状態に達
するためである。
【0022】表面層11、裏面層12のグリーンシート
には基材133の粉末粒子の平均粒子径3μmより小さ
い、平均粒径2μmのバインダ粒子を用いた。内層13
のグリーンシートには基材133の粉末粒子の平均粒子
径3μmより大きい、平均粒径10μmのバインダ粒子
を用いた。本実施例で、表面層11・裏面層12のグリ
ーンシートと内層13のグリーンシートで異なるのはこ
の点だけであり、以下説明するグリーンシートの製造工
程は両者同一である。これが、本実施例の製造上の利点
であり、特別に本発明による多孔性を与えるグリーンシ
ートの製造ラインを構築することなく、従来のグリーン
シート製造ライン1つで済ますことができる。本発明を
実現するに当たっては、新たな設備投資は不要であり、
製造コストの上昇を伴わない。
【0023】以下、本実施例の製造方法を示す。基材1
33の粉末100重量部に対して、30重量部の有機バ
インダを、水を主成分とした溶剤にてボールミル混合し
てスラリを作製した。基材133は、ほうけい酸塩系ガ
ラスとムライト結晶の混合粉末である。ほうけい酸塩系
ガラス、ムライト結晶とも平均粒径3μmである。有機
バインダは水分散性を高めたビニル系高分子であり、表
面層11および裏面層12用のグリーンシートには平均
粒径2μm、内層13用のグリーンシートには平均粒径
10μmの有機バインダを用いた。スラリをドクターブ
レードで、シート状に成形して50から120℃で乾燥
しシートを得た。50℃で乾燥させた場合のシート中の
体積割合は、基材粉末37.5%、バインダ粒子27.
5%、空隙35%であった。50℃で乾燥させた場合の
シートは脆いため、大形のシートを作製する場合には1
20℃で乾燥した方がよい。120℃で乾燥したシート
ではバインダ粒子は溶けて周囲の間隙に流動して、バイ
ンダ粒子に対応した約10μm径のへこみがシート表面
に発生したが、へこみの周囲はバインダによって良く接
着しているので、取り扱い上支障をきたすことは無かっ
た。
【0024】表面層11・裏面層12用のグリーンシー
トと内層13用のグリーンシートに対して、以下の加
工、処理を施して基板1を製造した。グリーンシートに
層間配線用の直径0.07mmのバイアホールをポンチ
で明けた。バイアホールにスクリーン印刷法で銅ペース
トを充填した後、層内配線を同じくスクリーン印刷法で
形成した。本実施例で用いた銅ペーストは、粒径3μm
の銅粉末、バインダ(分子量5万から9万のエチルセル
ロース)と溶剤(2、2、4−トリメチル−1、3−ペ
ンタジオールイソブチレート)を85℃に加熱しながら
約5時間混合した溶液を、らいかい機で30分撹拌し、
三本ロールミルで混練して、ペースト化したものを40
0番メッシュで濾過し、55℃で30分ほどゆっくり撹
拌して、安定化させたものである。層間配線用には粘度
35万mPa・sに、層内配線用には粘度10万mPa
・sに溶剤で調製したものを用いた。配線を施したグリ
ーンシートを積層しホットプレス120℃下、150k
gf/cm2の圧力で圧着した。圧着体を0.4気圧の
水蒸気を含む窒素雰囲気中で、100℃/時間の加熱速
度で加熱していき、850℃で脱バインダを進めるため
に15時間保持した後、再び100℃/時間の加熱速度
で加熱して1020℃で2時間保持して緻密化させて冷
却するという熱処理を施した。焼結後の基板の裏面をラ
ッピング研磨し、裏面の所定の銅パターンにピン4をろ
う付けした。ピン付け後の基板の側面に樹脂41を塗
布、乾燥・固化させた。樹脂41にはエポキシ系樹脂を
用いた。
【0025】本実施例の内層部の相対密度は70%、比
誘電率は3.2、一方表面及び裏面の相対密度は95.
5%、比誘電率は5.1であった。内部と表面・裏面で
の比誘電率の違いは、気孔の量の違いすなわち相対密度
の違いに依って引き起こされている。上述のように、本
実施例では大きな粒径のバインダによって焼結体中に気
孔を導入しているので、このバインダ量を調整すること
によって、結体中の気孔量、すなわち相対密度を変化さ
せることができる。図7に本発明によって相対密度を変
化させて、誘電率の変化を測定した結果を示す。基材1
33自体の固有の比誘電率は5.1であり、相対密度が
低下するに従って比誘電率も低下するという結果が得ら
れた。
【0026】本実施例の表面に施してある銅パターンの
接着力は90度ピール試験で25から15の範囲にあ
り、十分にセラミック部分と固着していた。本実施例を
大気圧中で水とメタノールに浸漬しても、これらの液体
が基板内部にしみこむ形跡は認められなかった。
【0027】本実施例の製造上の利点は、SiO2等を
加える例と比べると、基材以外の材料を添加しないの
で、材料管理が簡便であるほかに、グリーンシート用の
スラリ作製工程を複雑にすることもない。特に、焼結が
始まる時点では有機バインダは気化しており、SiO2
等のように基材の中に存在しているものではないので、
本実施例の基板の内層部の焼結は基材そのものの焼結現
象と同じである。したがって、本発明によって多孔性を
付与した基板を製造するに当たって、特別に焼成温度プ
ロファイルを変更する必要はなく、多孔性を付与してい
ない従来の基板と連続または同一焼成バッチで製造する
ことも可能であり、焼成製造ラインをそのままに他品種
生産のメリットを甘受することができる。
【0028】また、本発明により多孔性を付与した基板
は焼成時の気体の流通が容易になるために、ガラスを主
成分にしたセラミックス基板で問題となることの多い脱
バインダ性も良好になり、強度の向上や材料選択の幅が
広がったり、製造時間の短縮など、設計、製造の両面に
わたり本発明の効果は大きい。本発明による多孔性の付
与は、有機バインダなど圧着・焼成前に形を失う物質の
作用によるので、本発明は製造工程中に形を失う物質以
上の温度で焼結する基材であれば、基材の組成を問わず
応用できる。さらに、焼結現象は基材の焼結と変わらな
いので、焼成雰囲気、温度によって本発明が制限を受け
ることはない。
【0029】本発明は上述のグリーンシート中の孔の状
態によって焼結体の緻密化状態が変わるという現象を利
用している。グリーンシート中に孔を作るのには、特に
有機バインダ粒子である必要はなく、圧着または焼結工
程で消滅し、グリーンシート中に基材粉末粒子径以上の
孔が残る物質であれば、本発明によって多孔性を焼結基
板中に導入することができる。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば配線周囲に存在する物質
の誘電率によって引き起こされる信号遅延を短縮するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の斜視図。
【図2】本実施例の断面図。
【図3】本実施例の内層の組織構造を示す断面図。
【図4】本実施例の表面層近傍の断面図。
【図5】本実施例の側面近傍の断面図。
【図6】グリーンシート中の有機バインダの平均粒径と
焼結後の基材中の気泡の平均粒径との関係を示すグラ
フ。
【図7】本発明による基板の相対密度と基板の比誘電率
との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
2…バンプ、 11…表面層、 13…内層、 131…層間配線、 133…基材、 134…気泡。
フロントページの続き (72)発明者 岡本 正英 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地株式 会社日立製作所生産技術研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多孔性を付与した基材によって支持された
    配線を有することを特徴とするセラミック基板。
  2. 【請求項2】熱圧着または焼成の処理中に液化または焼
    尽する固形物を分散させたセラミックグリーンシートの
    多層積層体を、熱圧着および焼成して製造したことを特
    徴とするセラミック基板。
  3. 【請求項3】熱圧着または焼成の処理中に液化する固体
    の有機高分子を分散させたセラミックグリーンシートの
    多層積層体を、熱圧着および焼成して製造したことを特
    徴とするセラミック基板。
  4. 【請求項4】焼成後にセラミックス基板の基材となる物
    質の粉末と、有機バインダが溶剤中に分散しているスラ
    リから製造したセラミックグリーンシートを圧着および
    熱処理することによって製造するセラミックス基板にお
    いて、上記基材となる物質の粉末の平均粒子径をA、上
    記有機バインダの平均粒子径をBとした場合に、B>A
    の大小関係のある基材と有機バインダを含むスラリから
    製造したセラミックグリーンシートを圧着および熱処理
    することによって製造したことを特徴とするセラミック
    ス基板。
  5. 【請求項5】焼成後にセラミックス基板の基材となる物
    質の粉末と、有機バインダが溶剤中に分散しているスラ
    リから製造したセラミックグリーンシートを圧着および
    熱処理することによって製造するセラミックス基板にお
    いて、上記基材となる物質の粉末の平均粒子径をA、上
    記有機バインダが水に不溶のビニル系の高分子を主成分
    とした有機高分子固体でありその平均粒子径をBとした
    場合に、B>Aの大小関係のある上記基材と上記有機バ
    インダを含む水を主たる分散媒としたスラリから製造し
    たセラミックグリーンシートを圧着および熱処理するこ
    とによって製造したことを特徴とするセラミックス基
    板。
  6. 【請求項6】三層以上から構成される多層基板におい
    て、最上層の相対密度をa、最下層の相対密度をb、上
    記最上層及び最下層以外の層の平均相対密度をcとした
    場合に、a>cかつb>cの関係が成立する多層基板。
  7. 【請求項7】三層以上から構成される多層基板におい
    て、最上層の相対密度をa、最下層の相対密度をb、上
    記最上層及び最下層以外の層の平均相対密度をcとした
    場合に、a>cかつb>cの関係が成立し、焼成後にセ
    ラミックス基板の基材となる物質の粉末と、有機バイン
    ダが溶剤中に分散しているスラリから製造したセラミッ
    クグリーンシートを圧着および熱処理することによって
    製造するセラミックス基板において、上記基材となる物
    質の粉末の平均粒子径をA、上記有機バインダが水に不
    溶のビニル系の高分子を主成分とした有機高分子固体で
    ありその平均粒子径をBとした場合に、上記最上層及び
    最下層には、A>Bの大小関係のある上記基材と上記有
    機バインダを含む水を主たる分散媒としたスラリから製
    造したセラミックグリーンシートを用い、上記最上層及
    び最下層以外の層には、B>Aの大小関係のある上記基
    材と上記有機バインダを含む水を主たる分散媒としたス
    ラリから製造したセラミックグリーンシートを用い、上
    記のグリーンシートを圧着および熱処理することによっ
    て製造したことを特徴とするセラミックス基板。
JP9048738A 1997-03-04 1997-03-04 セラミック基板 Pending JPH10247765A (ja)

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JP9048738A JPH10247765A (ja) 1997-03-04 1997-03-04 セラミック基板

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