JPH10247578A - 放電型サージ吸収素子の製造方法 - Google Patents

放電型サージ吸収素子の製造方法

Info

Publication number
JPH10247578A
JPH10247578A JP6386897A JP6386897A JPH10247578A JP H10247578 A JPH10247578 A JP H10247578A JP 6386897 A JP6386897 A JP 6386897A JP 6386897 A JP6386897 A JP 6386897A JP H10247578 A JPH10247578 A JP H10247578A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
case member
lid
lid member
discharge
silicon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6386897A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3192603B2 (ja
Inventor
Yoshito Kasai
良人 河西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Okaya Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Okaya Electric Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Okaya Electric Industry Co Ltd filed Critical Okaya Electric Industry Co Ltd
Priority to JP06386897A priority Critical patent/JP3192603B2/ja
Publication of JPH10247578A publication Critical patent/JPH10247578A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3192603B2 publication Critical patent/JP3192603B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Emergency Protection Circuit Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ケース部材と蓋部材との接合をより短時間に
済ますことができると共に、接合時に余計なガスが発生
することのない製造方法を実現する。 【解決手段】 ケース部材12の両端開口部に一対の蓋部
材14,14を気密に接合させて外囲器16となし、内部に放
電ガスと、放電間隙26を隔てて対向する一対の放電電極
18,18を収納させた第1の放電型サージ吸収素子10の製
造方法であって、蓋部材14をシリコンによって構成する
と共に、ケース部材12を内部に可動イオンを含む硼珪酸
ガラスより構成し、放電ガス雰囲気中において、ケース
部材12の開口部を蓋部材14で閉塞した状態で、蓋部材14
に直流電源34のプラス側を接続すると共に、ケース部材
12の外周面にはマイナス側を接続し、所定温度で加熱し
ながら電圧を印加することにより、蓋部材14の内面とケ
ース部材12の開口部端面とを陽極接合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電源線や通信線
等を伝って侵入して来るサージ等の過電圧から電子機器
の電子回路を保護するために、線間あるいは各線とグラ
ンドとの間に挿入接続されるサージ吸収素子に係り、特
に、所定の放電ガスを充填した外囲器内に設けられた放
電間隙における放電現象を少なくとも利用してサージの
吸収を行う放電型サージ吸収素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、図7に示すように、電子機器の電
子回路60に通じる電源線や通信線等の線L1,L2間、あ
るいは各線とGND(グランド)との間にサージ吸収素
子62を接続し、誘導雷等のサージから電子回路60を保護
することが行われている。すなわち、線L1,L2間ある
いは線L1,L2−GND間に、サージ吸収素子62の定格
以上のサージ電圧が印加される場合には、上記サージ吸
収素子62が導通してサージをバイパスし、もって電子回
路60を保護する仕組みである。
【0003】このようなサージ吸収素子として、現在で
は様々な方式のものが使用されており、図8はその一例
である放電型サージ吸収素子70を示している。この放電
型サージ吸収素子70は、両端が開口したセラミック等の
絶縁材よりなる円筒状ケース部材72の開口部を、導電性
を備えた一対の蓋部材74によって気密に封止した外囲器
76内に、希ガス(He,Ne,Ar等)や窒素ガス等の
不活性ガスを主体とした放電ガスを充填させると共に、
NiやFe、Al等の金属よりなる一対の放電電極78
と、ZnO,Fe23,SnO2等よりなる電圧非直線
抵抗体80を収納してなる。各放電電極78の基端部78a
は、上記蓋部材74の内面に接続されている。この蓋部材
74の外面には、リード線82がハンダ84を介して接続され
ている。また、上記電圧非直線抵抗体80の両端は、各放
電電極78の先端側凹部78bの底面に接続されている。さ
らに、両放電電極の先端部78c,78c間には、所定の放
電間隙86が形成されている。以上の結果、放電型サージ
吸収素子70は、外囲器76内において、放電間隙86と電圧
非直線抵抗体80との並列接続構造を備えることとなる。
【0004】しかして、上記リード線82,82間に、電圧
非直線抵抗体80のクリップ電圧以上の電圧値を有するサ
ージが印加されると、直ちに、電圧非直線抵抗体80を通
じて電流が流れてサージ吸収が開始される。この電流
は、サージ吸収動作の進展に伴って増加し、この電流に
よる電圧非直線抵抗体80の電圧降下が放電間隙86の放電
開始電圧以上になると、上記放電間隙86に気中放電、す
なわちグロー放電を経てアーク放電が生成し、アーク放
電の大電流を通じてサージが吸収される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、所定の放
電ガスが充填された外囲器76内における放電現象を利用
してサージを吸収する機構を少なくとも備えた放電型サ
ージ吸収素子70の場合、その動作の安定化のためには、
外囲器76の高い気密性が要求される。ところで、上記ケ
ース部材72の両端を蓋部材74にて閉塞する方法として最
も簡単なのは、図8に示したように、低融点ガラス88を
介して両部材間を融着させるものである。この方法を詳
述すると、まずガラスペーストを印刷やスピンコート法
によってケース部材72の開口部端面に被着させ、摂氏40
0度程度に加熱して仮焼成しておき、放電ガスで満たさ
れた雰囲気中において、蓋部材74の内面周縁部を上記ガ
ラスペーストに密着させて摂氏450度程度で本焼成させ
る。
【0006】他の方法としては、ケース部材72としてグ
リーンシート・アルミナ(半生状態のセラミック)より
なるものを、また蓋部材74として42合金よりなるもの
を選定すると共に、該ケース部材72の開口部端面にMo
−Mnを塗布して摂氏1300〜1500度で焼付をした後、そ
の表面にNiメッキを施し、このNiメッキを施した部
分と42合金製の蓋部材74とを溶融した銀蝋を介して接
合させることが挙げられる。
【0007】しかしながら、従来の封止方法では、何れ
も接合時の加熱工程において余計なガスが発生して放電
ガスに混入するため、サージ吸収素子の放電特性に少な
からぬ影響を及ぼす点で問題であった。もちろん、外囲
器形成後に内部の排気と放電ガスの充填を行う方法もあ
るが、製造工程が煩雑化するばかりでなく、この場合に
は外囲器の何れかの箇所に排気管を接続しなければなら
ず、例え処理後に当該排気管を切除するとしても、溶融
封止部分が突出したまま残されるため、外観の悪化や形
状の大型化は避けられないものであった。また、従来の
封止方法は、何段階もの準備工程が必要とされ、しかも
焼成や焼付、融着といった工程を経るため、どうしても
全体の処理時間が長くならざるを得ず、上記低融点ガラ
スを用いる場合で約3時間、銀蝋を用いる場合では約4
時間もの時間がかかっていた。
【0008】この発明は、放電型サージ吸収素子の製造
過程における従来の問題点に鑑みて案出されたものであ
り、その目的とするところは、ケース部材と蓋部材との
接合をより短時間に済ますことができると共に、接合時
に余計なガスが発生することがなく、したがって両部材
の接合後に排気管を接続して外囲器内の排気や放電ガス
の充填を行う必要のない製造方法を実現することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明に係る放電型サージ吸収素子の製造方法
は、少なくとも一端が開口したケース部材と、該ケース
部材の開口部を閉塞する蓋部材と、上記ケース部材の開
口部に上記蓋部材を気密に接合させて形成される外囲器
と、該外囲器内に充填される放電ガスと、上記外囲器内
に所定の放電間隙を隔てて対向配置される複数の放電電
極とを少なくとも備えた放電型サージ吸収素子の製造方
法であって、少なくとも上記蓋部材における上記ケース
部材と接触する部分をシリコンによって構成すると共
に、少なくとも上記ケース部材における上記蓋部材と接
触する部分を内部に可動イオンを含むガラスより構成
し、放電ガス雰囲気中において、上記ケース部材の開口
部を蓋部材で閉塞した状態で、蓋部材のシリコン部分に
直流電源のプラス側を接続すると共に、上記ケース部材
のガラス部分に上記直流電源のマイナス側を接続し、所
定温度で加熱しながら上記直流電源より電圧を印加する
ことによって、上記蓋部材のシリコン部分とケース部材
のガラス部分とを陽極接合することを特徴とする。
【0010】上記ケース部材として両端が開口したもの
を用いると共に、該ケース部材の両端開口部に一対の蓋
部材を気密に接合させて上記外囲器を形成するタイプの
放電型サージ吸収素子の場合には、少なくとも上記蓋部
材における上記ケース部材と接触する部分をそれぞれシ
リコンによって構成すると共に、少なくとも上記ケース
部材における上記蓋部材と接触する部分を内部に可動イ
オンを含むガラスより構成し、放電ガス雰囲気中におい
て、上記ケース部材の両端開口部を各蓋部材で閉塞した
状態で、両蓋部材のシリコン部分に直流電源のプラス側
を接続すると共に、上記ケース部材のガラス部分に上記
直流電圧のマイナス側を接続し、所定温度で加熱しなが
ら上記直流電源より電圧を印加することによって、両蓋
部材のシリコン部分とケース部材のガラス部分とを、同
時に陽極接合することができる。
【0011】内部にNa+やH+等の可動イオンを含むガ
ラスとシリコンとを接触させた状態で、所定の温度で加
熱しつつシリコン側がプラスの電位となる方向に直流高
電界をかけると、一定時間後にはガラス中のイオンがマ
イナス側に移動して、シリコンとの界面近傍には空間電
荷層が生じ、大きな吸引力でガラスとシリコンとが化学
結合される。このいわゆる陽極接合法を用いてケース部
材と蓋部材との接合を行えば、接合工程において不要な
ガスが発生するおそれがないため、接合後に排気管を接
続して外囲器内のガスを排気した後に放電ガスを充填さ
せる必要がなくなる。また、比較的単純かつ簡素な工程
で接合を完了できるため、全体の所用時間を2時間程度
に短縮化することができる。そして、簡素な接合工程で
済む割には、数kg/cm2といった高い接合強度を実現でき
る。
【0012】上記ケース部材のガラス部分は、例えばN
+を含む硼珪酸ガラスより構成される。また、ケース
部材の一部分(蓋部材と接触する部分)のみを内部に可
動イオンを含むガラスよって構成し、残りの部分は他の
材料で構成することもできるが、ケース部材全体をその
ようなガラスで構成してもよい。
【0013】上記蓋部材についても、全体をシリコンで
構成してもよく、一部分(ケース部材と接触する部分)
のみをシリコンで構成してもよい。この場合には、シリ
コン以外の材料で構成した蓋部材の表面に、例えばシリ
コンをスパッタリングによって所定の厚さに被着させる
方法が使える。スパッタリングとは一般に、真空容器内
で放電を起こさせ、その放電エネルギで材料を飛散させ
て薄膜を形成する技術であり、この場合には蓋部材側を
陽極に、またシリコン側を陰極に接続して100V以上
の電圧をかけることによってスパッタリングが実現でき
る。
【0014】
【発明の実施の態様】図1に示すように、本発明に係る
第1の放電型サージ吸収素子10は、両端が開口した円筒
状ケース部材12の開口部を、一対の蓋部材14によって気
密に封止した外囲器16内に、希ガス(He,Ne,Ar
等)や窒素ガス等の不活性ガスを主体とした放電ガスを
充填させると共に、NiやFe、Al等の金属よりなる
一対の放電電極18,18と、ZnO,Fe23,SnO2
等よりなる電圧非直線抵抗体20を収納してなる。各放電
電極18の基端部18aは、上記蓋部材14の内面に接続され
ている。この蓋部材14の外面には、リード線22がハンダ
24を介して接続されている。また、上記電圧非直線抵抗
体20の両端は、各放電電極18の先端側凹部18bの底面に
接続されている。さらに、両放電電極18の先端部18c間
には、所定の放電間隙26が形成されている。以上の結
果、第1の放電型サージ吸収素子10は、外囲器16内にお
いて、放電間隙26と電圧非直線抵抗体20との並列接続構
造を備えることとなる。
【0015】上記蓋部材14は、ケース部材12の開口部を
閉塞する円板部14aと、ケース部材12の外周面12aに接
する縁部14bとを備えている。この円板部14a及び縁部
14bは、Si中にPやAs等の不純物を混入したn形の
シリコン半導体によって一体的に形成されている。これ
は、例えばシリコン半導体よりなる厚手の円板状部材の
一面を、周りに縁部を残してエッチングすることによっ
て実現される。上記ケース部材12は、内部にNa+やH+
等の可動イオンを含んだガラス、例えば硼珪酸ガラス
(商品名:パイレックスガラス)より構成される。
【0016】上記ケース部材12の開口部と蓋部材14との
接合は、以下の工程を経て実現される。まず、図2に示
すように、所定の放電ガスで満たされた雰囲気中におい
て、ホットプレート28の表面に、内面に放電電極18が接
続された一方の蓋部材14を、外面を下にして載置する。
この際に、蓋部材14の外面とホットプレート28の表面と
の間に、NiやCu等よりなる円形の電極板30を介在さ
せることが望ましい。つぎに、上記蓋部材14の内面に、
ケース部材12の一方の開口端面を当接させる。該ケース
部材12の他方の開口端面上には、他方の蓋部材14の内面
を当接させる。この蓋部材14の外面上には、上記と同様
の電極板30を載置したうえで、各部材間の接触を良好に
する目的で若干の圧力が加えられる。上記ケース部材12
の外周面12aには、円筒状の電極環32が圧着させられて
いる。
【0017】上記一方の蓋部材14には、ホットプレート
28及び電極板30を介して、直流電源34のプラス側が接続
されると共に、他方の蓋部材14にも電極板30を介して直
流電源34のプラス側が接続される。また、上記ケース部
材12の外周面12aには、上記電極環32を介して上記直流
電源34のマイナス側が接続される。
【0018】しかして、上記ホットプレート28によって
両蓋部材14とケース部材12とが摂氏200〜600度に加熱さ
れた状態で、直流電源34より50〜1000Vの電圧が印加さ
れると、図3に示すように、ケース部材12を構成する硼
珪酸ガラス内の陽イオン(Na+)が電極環32との接触
部近傍に移動すると同時に、蓋部材14との界面近傍にマ
イナスの電荷が集中して空間電荷層36が形成され、大き
な吸引力が生じて縁部14bをも含めた蓋部材14の内面は
ケース部材12の端面及び外周面の端部に同時に陽極接合
される。
【0019】なお、上記の陽極接合をより強固なものと
するためには、蓋部材14の内面及びケース部材12の端面
を可能な限り平滑化しておくことが必要であり、例えば
表面の凹凸を1μm以下に抑えることが望ましい。
【0020】上記のように、ケース部材の外周面12aを
取り囲むように円筒状の電極環32を圧着させたのは、ケ
ース部材の外周面12aに均一に電界を加えて両端面全域
にムラ無く空間電荷層36を形成させるためであり、ひい
ては蓋部材14とケース部材12との当接部分を隙間無く接
合するためである。そのための具体的な方法としては、
例えば金属製の円筒を縦方向に2〜4分割したもので、
ケース部材の外周面12aを距離をおいて取り囲んでお
き、所定の手段を用いて各分割片を外周面12aに向けて
押圧して円筒状の電極環32を完成させることが挙げられ
る。この場合には、各分割片を直流電源34のマイナス側
に接続しておくことが必要である。
【0021】図4は、第2の放電型サージ吸収素子40を
示すものである。この第2の放電型サージ吸収素子40
は、両端が開口した円筒状ケース部材42と、放電電極を
も兼ねた一対の蓋部材44を備え、該蓋部材44によってケ
ース部材42の両端開口部を気密に閉塞することによって
外囲器16が形成されている。この外囲器16内には、希ガ
ス(He,Ne,Ar等)や窒素ガス等の不活性ガスを
主体とした放電ガスが充填されている。
【0022】上記ケース部材42は、アルミナ等のセラミ
ックよりなる円筒状の本体部46と、該本体部46の両端面
に接合された硼珪酸ガラスよりなる一対の円環部48とを
備えている。この円環部48は、本体部46の端面にガラス
ペーストを厚膜印刷し、乾燥及び焼成工程を経て表面に
研磨処理を施すことで形成されるものであり、本体部46
の端面との間に強固かつ気密な接合が実現されている。
【0023】上記蓋部材44は、外囲器16の中心に向けて
大きく突き出た放電電極部50と、ケース部材42(円環部
48)の両端面に接する接合部52と、該接合部52を保持す
る縁部54とを備えている。また、両蓋部材44の放電電極
部50,50間には、所定の放電間隙56が形成されている。
上記放電電極部50と縁部54とは、放電特性の良好なNi
やFe等によって一体的に形成されている。また、上記
接合部52は、n形のシリコン半導体より構成されてい
る。上記接合部52は、上記縁部54の内面側凹部にシリコ
ン半導体をスパッタリングさせた後に、表面を研磨する
ことで形成されるものであり、縁部54と強固な接合が実
現されている。上記放電電極部50の裏側には、ハンダ24
を介してリード線22が接続されている。
【0024】上記ケース部材42の開口部と蓋部材44との
接合は、以下の工程を経て実現される。まず、図5に示
すように、所定の放電ガスで満たされた気密雰囲気中に
おいて、ホットプレート28の表面に、一方の蓋部材44を
外面を下にして載置する。つぎに、上記蓋部材44の接合
部52に、ケース部材42(円環部48)の一方の開口端面を
当接させる。つぎに、該ケース部材42(円環部48)の他
方の開口端面上に、他方の蓋部材44の接合部52を当接さ
せる。なお、各部材間の接触を良好にする目的で、一番
上に位置する蓋部材44の外面には、若干の圧力が加えら
れる。両円環部48の外周面には、それぞれリング状の電
極環58が圧着される。
【0025】上記一方の蓋部材44には、ホットプレート
28経由して直流電源34のプラス側が接続されると共に、
他方の蓋部材44にも直流電源34のプラス側が直に接続さ
れる。上記ケース部材42の円環部48には、上記電極環58
を介して上記直流電源34のマイナス側が接続される。
【0026】しかして、上記ホットプレート28によって
両蓋部材44とケース部材42とが摂氏200〜600度に加熱さ
れた状態で、直流電源34より50〜1000Vの電圧が印加さ
れると、図6に示すように、ケース部材42の円環部48を
構成する硼珪酸ガラス内の陽イオン(Na+)が電極環5
8との接触部近傍に移動すると同時に、蓋部材44の接合
部52との界面近傍にマイナスの電荷が集中して空間電荷
層36が形成され、大きな吸引力が生じて接合部52の表面
はケース部材42(円環部48)の端面に陽極接合される。
【0027】なお、上記の陽極接合をより強固なものと
するためには、接合部52の表面及び円環部48の端面を可
能な限り平滑化しておくことが必要であり、例えば表面
の凹凸を1μm以下に抑えることが望ましい。
【0028】また、上記のように円環部48の外周面を取
り囲むようにリング状の電極環58を圧着させたのは、円
環部48の外周面に均一に電界を加えて端面全域にムラ無
く空間電荷層36を形成させるためであり、ひいては蓋部
材44とケース部材42との当接部分を隙間無く接合するた
めである。そのための具体的な方法としては、例えば可
撓性を備えた導電材よりなるリングに縦方向の切れ目を
入れたものを用意し、この切れ目を拡げながらケース部
材の円環部48を内部に填め入れ、リング自体が有する復
元力によって円環部48の表面に密着させる方法がある。
【0029】
【発明の効果】本発明に係る放電型サージ吸収素子の製
造方法は、上記のようにケース部材の開口部と蓋部材と
の接合を陽極接合法を用いて実現するものであり、比較
的簡単な工程で済むため短時間で接合が完了すると共
に、接合工程を通じて余計なガスが発生するおそれがな
い。したがって、両部材を接合して外囲器を形成した後
に、排気管を接続して内部のガスを排出して放電ガスを
充填し、その後に排気管を封じ切る手間を省くことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の放電型サージ吸収素子を示
す断面図である。
【図2】第1の放電型サージ吸収素子の製造工程を示す
説明図である。
【図3】第1の放電型サージ吸収素子の蓋部材とケース
部材とが陽極接合される様子を示す説明図である。
【図4】本発明に係る第2の放電型サージ吸収素子を示
す断面図である。
【図5】第2の放電型サージ吸収素子の製造工程を示す
説明図である。
【図6】第2の放電型サージ吸収素子の蓋部材とケース
部材とが陽極接合される様子を示す説明図である。
【図7】サージ吸収素子の使用例を示す回路図である。
【図8】従来の放電型サージ吸収素子を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
10 第1の放電型サージ吸収素子 12 ケース部材 14 蓋部材 16 外囲器 18 放電電極 26 放電間隙 34 直流電源 40 第2の放電型サージ吸収素子 42 ケース部材 44 蓋部材 46 本体部 48 円環部 50 放電電極部 52 接合部 56 放電間隙

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一端が開口したケース部材
    と、該ケース部材の開口部を閉塞する蓋部材と、上記ケ
    ース部材の開口部に上記蓋部材を気密に接合させて形成
    される外囲器と、該外囲器内に充填される放電ガスと、
    上記外囲器内に所定の放電間隙を隔てて対向配置される
    複数の放電電極とを少なくとも備えた放電型サージ吸収
    素子の製造方法であって、少なくとも上記蓋部材におけ
    る上記ケース部材と接触する部分をシリコンによって構
    成すると共に、少なくとも上記ケース部材における上記
    蓋部材と接触する部分を内部に可動イオンを含むガラス
    より構成し、放電ガス雰囲気中において、上記ケース部
    材の開口部を蓋部材で閉塞した状態で、蓋部材のシリコ
    ン部分に直流電源のプラス側を接続すると共に、上記ケ
    ース部材のガラス部分に上記直流電源のマイナス側を接
    続し、所定温度で加熱しながら上記直流電源より電圧を
    印加することによって、上記蓋部材のシリコン部分とケ
    ース部材のガラス部分とを陽極接合することを特徴とす
    る放電型サージ吸収素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記ケース部材として両端が開口したも
    のを用いると共に、該ケース部材の両端開口部に一対の
    蓋部材を気密に接合させて上記外囲器を形成する放電型
    サージ吸収素子の製造方法において、少なくとも上記蓋
    部材における上記ケース部材と接触する部分をそれぞれ
    シリコンによって構成すると共に、少なくとも上記ケー
    ス部材における上記蓋部材と接触する部分を内部に可動
    イオンを含むガラスより構成し、放電ガス雰囲気中にお
    いて、上記ケース部材の両端開口部を各蓋部材で閉塞し
    た状態で、両蓋部材のシリコン部分に直流電源のプラス
    側を接続すると共に、上記ケース部材のガラス部分に上
    記直流電圧のマイナス側を接続し、所定温度で加熱しな
    がら上記直流電源より電圧を印加することによって、両
    蓋部材のシリコン部分とケース部材のガラス部分とを、
    同時に陽極接合することを特徴とする請求項1に記載の
    放電型サージ吸収素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記ケース部材のガラス部分を、Na+
    を含む硼珪酸ガラスより構成したことを特徴とする請求
    項1または2に記載の放電型サージ吸収素子の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 上記蓋部材における上記ケース部材と接
    触する部分に、シリコンをスパッタリングによって所定
    の厚さに被着させ、以て上記シリコン部分を形成するこ
    とを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の放電型サ
    ージ吸収素子の製造方法。
JP06386897A 1997-03-03 1997-03-03 放電型サージ吸収素子の製造方法 Expired - Fee Related JP3192603B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06386897A JP3192603B2 (ja) 1997-03-03 1997-03-03 放電型サージ吸収素子の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06386897A JP3192603B2 (ja) 1997-03-03 1997-03-03 放電型サージ吸収素子の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10247578A true JPH10247578A (ja) 1998-09-14
JP3192603B2 JP3192603B2 (ja) 2001-07-30

Family

ID=13241725

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP06386897A Expired - Fee Related JP3192603B2 (ja) 1997-03-03 1997-03-03 放電型サージ吸収素子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3192603B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005074084A1 (ja) * 2004-02-02 2005-08-11 Csd Co., Ltd. 火花ギャップアレスタ
US7636228B2 (en) 2004-12-06 2009-12-22 Array Proto Technology Inc. Arrester
JP2013101839A (ja) * 2011-11-09 2013-05-23 Mitsubishi Materials Corp サージアブソーバおよびその製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005074084A1 (ja) * 2004-02-02 2005-08-11 Csd Co., Ltd. 火花ギャップアレスタ
US7636228B2 (en) 2004-12-06 2009-12-22 Array Proto Technology Inc. Arrester
JP2013101839A (ja) * 2011-11-09 2013-05-23 Mitsubishi Materials Corp サージアブソーバおよびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3192603B2 (ja) 2001-07-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5559663A (en) Surge absorber
JP4140173B2 (ja) チップ型サージアブソーバおよびその製造方法
JP3192603B2 (ja) 放電型サージ吸収素子の製造方法
JP3303025B2 (ja) チップ型マイクロギャップ式サージアブソーバ
JP6728383B2 (ja) 気密な金属−セラミック接続を形成する方法
JPH0668949A (ja) 避雷器
JP2007227388A (ja) 電子部品封入体
JP4239422B2 (ja) サージアブソーバ
JP2853010B2 (ja) サージ吸収素子及びその製造方法
JPH03194878A (ja) 放電型サージ吸収素子
JP2887779B2 (ja) 放電管の製造方法
JP2001076678A (ja) セラミック放電灯及び高圧放電灯
JP2701052B2 (ja) サージ吸収素子
JP3508565B2 (ja) チップ型サージアブソーバ及びその製造方法
JP4239420B2 (ja) サージアブソーバ及びその製造方法
JPH0132712Y2 (ja)
JP4265319B2 (ja) チップ型サージアブソーバ及びその製造方法
JPS6180783A (ja) サ−ジ吸収素子の気密封止方法
JP2001068575A (ja) 半導体装置用のシールリングとそれを用いた半導体装置の製造方法
JPH0536460A (ja) 放電型サージ吸収素子
JPH1022042A (ja) 電子部品封入体
JP2910006B2 (ja) サージアブソーバ
JPH1069960A (ja) サージアブソーバ
JP2541068B2 (ja) 封止電極及びこれを用いたサ―ジアブソ―バ
JPH0216554Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees