JPH10245934A

JPH10245934A - 建築用パネル

Info

Publication number: JPH10245934A
Application number: JP6749097A
Authority: JP
Inventors: Yusuke Miyama; 祐助深山
Original assignee: M D I KK
Current assignee: M D I KK
Priority date: 1997-03-06
Filing date: 1997-03-06
Publication date: 1998-09-14

Abstract

(57)【要約】【課題】仕上り面の面一性が高く、難しい加熱温度の
管理を回避し、かつ断熱性に優れた建築用パネルを供す
ること。【解決手段】枠体１と面材３、５とからなり、面材
３、５をサイディングボード、繊維強化石膏ボード、Ａ
ＬＣ板、ケイ酸カルシウム板のいずれかの組合わせから
構成し、独立気泡性発泡ポリウレタン７により面材３、
５を接着する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本願発明は建築物の建築に使
用される建築用パネルに関し、特に防・耐火構造とした
ものに関する。

【０００２】

【従来の技術】建築用パネルは枠体の両面に面材を設け
たもので、通常枠体には木質系の外周フレームと中間に
面材保持のための下地材を設け、面材には合板及び意匠
用の壁材を用い、後者を前者にビス又は釘打ち等して固
着してなる。しかし、このような木質系の建築用パネル
は、枠体への面材の取付けに当たりビス頭が露出してい
るため、仕上げとしてのビス頭の処理に手間がかかるこ
と、防・耐火性がないこと、下地材が多いため重量が重
いこと等の欠点がある。

【０００３】そこで、２液混合性の硬質ポリウレタンフ
ォームの自己接着性を利用して枠体と面材を接着すると
いう技術が開発された。これは、枠体に剛性枠体を、ま
た面材に石材タイルを用い、面材間に２液混合性の硬質
ポリウレタンを注入発泡することにより製造する。この
場合、適正な発泡強度及び接着強度を得るために、発泡
時の温度を適正な範囲に保持する必要がある。このた
め、枠体及び面材の予備加熱を行ない、さらにホットプ
レス機にセットした上で発泡を行なう。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、かかる技術に
は次の如き欠点がある。まず、石材タイルを面材に載置
するための目地処理が難しく、発泡後、硬質ポリウレタ
ンフォームが噴出してしまうことがあった。また、目地
合わせ、とくに下面の仕上げ材の目地合わせが難しく、
石材タイルの載置・固定にも手間がかかるという欠点が
あった。また硬質ポリウレタンの注入・発泡後の収縮に
よるひずみのため、石材タイルを面一に載置するのが難
しいという欠点がある。さらに、硬質ポリウレタンフォ
ームが隅々まで行き渡らず、パネル端部の仕上げが剥離
してしまうという欠点があった。

【０００５】そこで、面材として大面積の薄板鋼板を用
いてその改良を図ってみた。しかし、鋼板の熱伝導率は
大きいので、パネル構造に際しての硬質ポリウレタンの
発泡成形のための温度管理が非常に難しく、温度調節を
失敗すると硬質ポリウレタンフォームの接着力の低下を
招くという欠点があった。また薄板鋼板のため剛性に乏
しく、仕上り面が波打つという欠点もあった。また硬質
ポリウレタンを独立気泡で発泡した場合、面材が日射熱
でひずみ、パネルの外周部にしわが広がるという欠点が
あった。さらに鋼板の熱伝導率は大きいので、断熱性が
ないという欠点があった。本願発明は上記欠点を解消
し、仕上り面の面一性が高く、難しく高コスト化の要因
となる予備加熱温度の管理やホットプレスの使用を回避
し、かつ断熱性に優れた建築用パネルを供することを目
的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、本
願発明は、枠体と該枠体の対向面に組み立てられた面材
とからなり、上記面材を窯業系サイディングボード、石
膏ボード、繊維強化石膏ボード、ＡＬＣ板、ケイ酸カル
シウム板のいずれかの組合わせから構成し、上記面材間
に注入された硬質ポリウレタンの発泡により形成される
硬質ポリウレタンフォームを介して上記面材と枠体を一
体的に接着してなることを特徴とする建築用パネルを供
する。この際、上記硬質ポリウレタンフォームが独立気
泡性であることが考えられる。また、上記面材が中間下
地材のない枠体の外周フレーム間に掛け渡されることが
考えられる。

【０００７】

【発明の実施の形態】次に、実施の形態を示す図面に基
づき本願発明による建築用パネルをさらに詳しく説明す
る。

【０００８】１は枠体であり、軽量形鋼からなる外周フ
レーム１ａを溶接して方形に組み立て、対向する辺に沿
って角パイプからなる柱フレーム１ｂを、また対角線に
沿って厚手の平鋼からなるブレース１ｃを溶接してな
る。１ｄは厚手の平鋼からなる間柱フレーム、１ｅは厚
手の平鋼からなる接合片、１ｆはウレタン注入孔、１ｇ
はパネル組立時に使用するボルト孔、１ｈはエア抜き
孔、１ｉは外周フレーム１ａに溶着した補強用のアング
ル材である。該枠体１の外側にはタイル模様等適宜の模
様を付与された窯業系サイディングボードが面材３とし
て設けられ、内側には繊維強化石膏ボードが面材５とし
て設けらる。上記枠体１、面材３及び面材５によって形
成された空間にウレタン注入孔１ｆより硬質ポリウレタ
ンを注入し発泡充填する。硬質ポリウレタンは独立気泡
性のものであり、例えばイソシアネート成分とポリオー
ル成分からなる如き２液混合性のものを用いる。

【０００９】上記枠体１、面材３及び面材５は、硬質ポ
リウレタンが注入後反応し発泡、発熱することにより得
られる硬質ポリウレタンフォーム７の高度の自己接着性
により、相互に固着する。独立気泡性の硬質ポリウレタ
ンフォームは、連続気泡性のものに比し、断熱性、防水
性が大である。反面温度変化による収縮及び膨張（ひず
み）も連続気泡性のものに比し大であるという欠点があ
るが、断熱性、防水性は建築材において最も重視される
ため、本願発明では独立気泡性の硬質ポリウレタンフォ
ームを用いるのである。

【００１０】独立気泡性の硬質ポリウレタンフォームに
はこのような特性があるため、鋼材や石材のように熱伝
導率が大きい素材（例えば、鋼の熱伝導率：３１〜４
８、亜鉛鉄板：３８、大理石：５．３〜５．６、花崗
岩：５．１〜６．０である）では発泡時の反応熱が早期
に逃げてしまう。このため接着性を維持・接続させるた
めには、十分な予備加熱（予備加熱工程）とパネル全体
を加熱する工程（ホットプレス工程）が必要となる。予
備加熱工程は、オーブン室等で面材等が例えば２０℃〜
４０℃位になるように保持する。しかしながら、本願発
明による面材は普通に入手可能な建築材のうち、窯業系
サイディングボード、石膏ボード、繊維強化石膏ボー
ド、ＡＬＣ板、ケイ酸カルシウム板の如き熱伝導率が
１．０ｋｃａｌ／ｍ．ｈ．℃以下と非常に低いものから
構成するため、厳寒期の予備加熱工程を軽減し、又、ホ
ットプレス工程を必要としない通常のプレス工程での発
泡が可能となる。

【００１１】また、独立気泡性硬質ポリウレタンフォー
ムは温度変化による収縮・膨張（ひずみ）が連続気泡性
硬質ポリウレタンフォームに比して大であるため、適用
面材の強度は比較的に大でなければならない。本願発明
による面材を普通に入手可能な建築材のうち、窯業系サ
イディングボード、石膏ボード、繊維強化石膏ボード、
ＡＬＣ板、ケイ酸カルシウム板のいずれかの組合せとし
たのはかかる理由からでもある。

【００１２】ここで図９乃至図１３に基づき本願発明に
よる建築用パネルの製造について述べる。まず枠体１の
両側に夫々面材３、面材５を組み立て、組立てパネル６
をつくる（図９）。次いで、該組立てパネル６を下部プ
レス架台９ａに載置し、次いで中敷プレス板９ｂを該組
立てパネル６の上に載せ、同様の手順で、組立てパネル
６を複数枚（図示例では４枚）積み重ねた後、上部プレ
ス架台９ｃを載置し（図１０）、上下のプレス架台９
ａ、９ｃを通しボルト８で締め付ける（図１１）。こう
して組立てパネル６を拘束・セットしたプレス架台９
は、底面に設けたジェット噴射装置１０を作動させ（図
１３参照）、鏡面仕上げされている床面１１上を数ｍｍ
浮上する。この状態では床面１１との摩擦がないので、
重量物である組立てパネル６を搭載したプレス架台９も
簡単に人力で押すことができ、注入機１２の設置部所ま
で移動することができる。注入機１２のところまで移動
したらジェット噴射装置１０の作動を停止し、一旦プレ
ス架台９をそこに静止させる。この状態で注入機１２に
より硬質ポリウレタンの注入・充填をし、（図１２
Ａ）、次いで再びジェット噴射装置１０を作動させ、養
生工程に押し出す。養生工程では、組立てパネル６はプ
レス架台９に拘束状態のまま載置され、所定の養生時間
（２０分間乃至３０分間位）の経過をまつ（図１２
Ｂ）。養生が終了すると脱型され、建築用パネルの完成
となる。空となったプレス架台９は再び各所において次
の組立てパネル６を搭載することになる（図１２Ｃ）。

【００１３】ところで、本願発明による建築用パネルは
面材３、５の熱伝導率が１．０ｋｃａｌ／ｍ．ｈ．℃以
下と極めて低いから、硬質ポリウレタンの発泡時の反応
熱が逃げ難い。このため、特にホットプレス工程を設け
なくとも、また予備加熱工程を軽減しても、材料自体の
反応熱により適正な発泡及びこれに伴う接着力の発現が
十分可能となる。したがって、パネルの製造時間が短縮
され、また厳寒期でも室内を１０℃程度とすることによ
り、デリケートな調節を要する予備加熱温度の管理をす
る必要がない。

【００１４】上記面材３は広巾の長尺に形成されてお
り、枠体１の外周フレーム１ａ間に単一板として掛け渡
される。しかも、隣接する面材３、３間は、図４に示す
ように適応形状に切り込まれ、該切込部３ａにブチレン
ゴムその他適宜素材からなるシールド材１３を介して接
合されている。上記面材５も同様の構成となっている。
このため、上記のような製造工程を経て相互に強固に接
着された面材３、５は、あたかも面材全体が単一板とし
て外周フレーム１ａ間に張設されたかのようになり、仕
上り面の高度の面一性が得られる。

【００１５】また、芯材は独立気泡性硬質ポリウレタン
フォーム７であるため軽量化に資し、面材３、５の有す
る特性より建築材において最も重視される断熱性、防水
性が大であるという効果がある。

【００１６】また、組立てパネル６の組立では作業場の
各所で行なわれており、注入機１２による硬質ポリウレ
タンの注入・充填は次々に移送されてくるプレス架台９
に対し連続的に行なわれる。したがって、硬質ポリウレ
タンの注入・充填後は迅速にプレス架台９を移動させな
ければならないが、プレス架台９は重量物であるので通
常移動が容易でない。ところが本願発明においては、移
動時にプレス架台９が浮上しているので、床面１１との
摩擦がなく、重量物であるにもかかわらず、人力により
極めて容易に押し出すことができるのである。

【００１７】作業場の各所で組立てパネル６の組立てを
するのは、組立てパネル６が重量物（１枚２００Ｋｇ乃
至２５０Ｋｇの場合であることが多い）であるため、容
易にプレス架台９に載せることができないからであり、
また複数枚の組立てパネル６を搭載されたプレス架台９
はさらに重量物となる（本例の場合は１ｔを越える）か
らである。つまり、このように重量物であると人力で所
望の場所に移動させるのは容易ではなく、またその移動
に大変な時間がかかる。しかしながら、本願発明におい
ては、プレス架台が浮上式であるため、人力での移動が
容易であるので組立てパネル６の組立てを作業場の各所
で行なっておき、これを搭載したプレス架台９を次々に
硬質ポリウレタンの注入場所まで移送してくれば、効率
的に作業することが可能となるからである。

【００１８】また養生にはどうしても所定の時間を要す
るのであるが、本願発明においては、プレス架台９の移
動を環状に沿って行なっているから、十分な養生時間を
確保しつつ、養生終了後脱型され空になったプレス架台
９に作業場の各所で組立てパネル６を直ちに搭載するこ
とができる。これも作業の迅速化に大いに貢献する。

【００１９】本願発明による建築用パネルは上記した実
施の形態にのみ制限されるものではない。例えば、面材
としては図示実施の形態に挙げた窯業系サイディングボ
ード、繊維強化石膏ボード以外に、石膏ボード、ＡＬＣ
板、ケイ酸カルシウム板を用いることができ、これらの
いずれかの組合せより内・外の面材とすることが可能で
ある。また面材３、５を接合する切込部３ａの形状は適
宜に変更することが可能であり、例えば図７、図８に示
すような形状の切込部３ａ、５ａとすることもできる。
なお、図４及び図７は切込部３ａ、５ａをわかり易くす
るために面材３、５の接着前を示し、図８は同接着後を
示す。

【００２０】

【発明の効果】このように本願発明によれば、仕上り面
の面一性が高く、かつ断熱性、防水性に優れた建築用パ
ネルを供することできる。また建築用パネルの製造に関
し、難しい発泡時の温度管理を回避することができ、さ
らに製造時間の短縮が可能となる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願発明にかかる建築用パネルの実施の形態を
示す正面図である。

【図２】本願発明にかかる建築用パネルの実施の形態を
示す背面図である。

【図３】本願発明にかかる建築用パネルの実施の形態を
示す右側面図である。

【図４】本願発明にかかる建築用パネルの実施の形態を
示し、面材の接合を示す断面図である。

【図５】本願発明にかかる建築用パネルの実施の形態を
示し、枠体を示す正面図である。

【図６】図５のＶＩ−ＶＩ断面図である。

【図７】本願発明にかかる建築用パネルの実施の形態を
示し、面材の他の接合例を示す断面図である。

【図８】本願発明にかかる建築用パネルの実施の形態を
示し、面材の他の接合例を示す断面図である。

【図９】本願発明にかかる建築用パネルの製造工程を示
す図である。

【図１０】本願発明にかかる建築用パネルの製造工程を
示す図である。

【図１１】本願発明にかかる建築用パネルの製造工程を
示す図である。

【図１２】本願発明にかかる建築用パネルの製造工程を
示す図である。

【図１３】本願発明の製造に使用するプレス架台の斜視
図である。

【符号の説明】

１枠体１ａ外周フレーム１ｂ柱フレーム１ｃブレース１ｄ間柱フレーム１ｅ接合片１ｆウレタン注入孔１ｇボルト孔１ｈエア抜き孔１ｉアングル材３面材３ａ切込部５面材６組立てパネル７硬質ポリウレタンフォーム８通しボルト９プレス架台９ａ下部プレス架台９ｂ中敷プレス板９ｃ上部プレス架台１０ジェット噴射装置１１床面１２注入機１３シールド材

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】枠体と該枠体の対向面に組み立てられた
面材とからなり、上記面材を窯業系サイディングボー
ド、石膏ボード、繊維強化石膏ボード、ＡＬＣ板、ケイ
酸カルシウム板のいずれかの組合わせから構成し、上記
面材間に注入された硬質ポリウレタンの発泡により形成
される硬質ポリウレタンフォームを介して上記面材と枠
体を一体的に接着してなることを特徴とする建築用パネ
ル。
【請求項２】請求項１記載の建築用パネルにおいて、
上記硬質ポリウレタンフォームが独立気泡性であること
を特徴とする建築用パネル。
【請求項３】請求項１又は請求項２記載の建築用パネ
ルにおいて、上記面材は中間下地材のない枠体の外周フ
レーム間に掛け渡されることを特徴とする建築用パネ
ル。