JPH10245376A - モルホリン誘導体 - Google Patents

モルホリン誘導体

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JPH10245376A
JPH10245376A JP9049036A JP4903697A JPH10245376A JP H10245376 A JPH10245376 A JP H10245376A JP 9049036 A JP9049036 A JP 9049036A JP 4903697 A JP4903697 A JP 4903697A JP H10245376 A JPH10245376 A JP H10245376A
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JP
Japan
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compound
group
general formula
hydrogen atom
formula
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Withdrawn
Application number
JP9049036A
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English (en)
Inventor
Shunsaku Ota
俊作 太田
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Fujifilm Wako Pure Chemical Corp
Original Assignee
Wako Pure Chemical Industries Ltd
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Publication date
Application filed by Wako Pure Chemical Industries Ltd filed Critical Wako Pure Chemical Industries Ltd
Priority to JP9049036A priority Critical patent/JPH10245376A/ja
Publication of JPH10245376A publication Critical patent/JPH10245376A/ja
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

Landscapes

  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Nitrogen And Oxygen As The Only Ring Hetero Atoms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 α−アミノ酸類の合成の中間体の提供。 【解決手段】 一般式[1](R1 、R2 およびR3
それぞれ独立して水素原子またはアルキル基、R4 は水
素原子、アルキル基またはアミノ基の保護基、R 5 は水
素原子または置換基を有していてもよいアルキル基を示
す。但し、R1 およびR2 が共に水素原子の場合、なら
びにR1 およびR2 のいずれか一方が水素原子で、他方
がメチル基の場合を除く。)で示されるモルホリン誘導
体。 【効果】 一般式[1]の化合物を加水分解することに
より簡単に一般式[14]のα−アミノ酸を得ることが
できる。一般式[1]の化合物は、α−アミノ酸類の効
率のよい中間体として有用である。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はβ−ヒドロキシ−α
−アミノ酸等のα−アミノ酸類の合成の中間体として有
用な新規なモルホリン誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】アミノ酸は蛋白質の構成成分であり、ま
た生体内に存在する生理活性物質の前駆体として重要な
役割を果たしている。アミノ酸は医薬品、食品(調味
料、栄養強化剤を含む)、食品添加物、飼料添加物等に
用いられるほか、医薬品の合成原料、生物学的活性を有
するペプチドの合成原料としても有用である。例えば、
β−ヒドロキシ−α−アミノ酸としては、セリン、スレ
オニン等がその代表的なものとして知られ、これらは何
れも栄養学的に重要なものである。更に、β−ヒドロキ
シ−α−アミノ酸の一種である式
【0003】
【化3】
【0004】で示されるドロキシドーパ(L−DOP
S)は、神経伝達物質であるノルアドレナリンの合成ア
ミノ酸前駆体であり、パーキンソン病治療薬として有用
である。また式
【0005】
【化4】
【0006】で示されるL−ドーパは、神経伝達物質と
して重要なカテコールアミン類(ドーパミン、ノルアド
レナリンおよびアドレナリン)の生体内における合成前
駆体である。L−ドーパはパーキンソン病治療薬として
有用であり、ノルアドレナリンは血圧上昇剤として有用
である。
【0007】アミノ酸の製造法は大別すると、1)蛋白
質加水分解物から抽出、分離、精製する方法、2)化学
的合成法、3)発酵法がある。代表的なアミノ酸の化学
的合成法としては、ストレッカー法、α−ハロゲン酸の
アミノ化による方法、アシルアミノマロン酸エステル
法、α−ケト酸の還元アミノ化法、エルレンマイヤー法
(アズラクトン合成法)等が知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、β−
ヒドロキシ−α−アミノ酸等のα−アミノ酸類の合成の
中間体として有用な新規化合物を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、下記一般式
[1]で示されるモルホリン誘導体が、β−ヒドロキシ
−α−アミノ酸等のα−アミノ酸類の効率のよい合成の
中間体となることを見い出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0010】本発明は下記(1)〜(8)に関する。
【0011】(1)一般式[1]
【0012】
【化5】
【0013】(式中、R1 、R2 およびR3 はそれぞれ
独立して水素原子またはアルキル基を示し、R4 は水素
原子、アルキル基またはアミノ基の保護基を示し、R5
は水素原子または置換基を有していてもよいアルキル基
を示す。但し、R1 およびR2が共に水素原子の場合、
ならびにR1 およびR2 のいずれか一方が水素原子で、
他方がメチル基の場合を除く。)で示されるモルホリン
誘導体。 (2)R5 が式
【0014】
【化6】
【0015】(式中、R6 は水素原子、置換基を有して
いてもよいアルキル基または置換基を有していてもよい
アリール基を示す)で示される基である前記(1)の化
合物。 (3)R6 が3,4−メチレンジオキシフェニル基であ
る前記(2)の化合物。 (4)R1 が水素原子、R2 がtert−ブチル基、R
6 が3,4−メチレンジオキシフェニル基である前記
(2)の化合物。 (5)R1 が水素原子、R2 がtert−ブチル基、R
4 がメチル基、R6 が3,4−メチレンジオキシフェニ
ル基である前記(2)の化合物。 (6)R5 が水素原子である前記(1)の化合物。 (7)R1 が水素原子、R2 がtert−ブチル基、R
3 が水素原子、R5 が水素原子である前記(1)の化合
物。 (8)R1 が水素原子、R2 がtert−ブチル基、R
3 、R4 およびR5 がメチル基である前記(1)の化合
物。
【0016】本明細書において使用する各置換基の定義
は以下の通りである。「アルキル基」とは、炭素数1〜
8の直鎖または分枝鎖のアルキル基であり、例えばメチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、
イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、ヘ
キシル、イソヘキシル、オクチル、tert−オクチル
等が挙げられる。好ましくは炭素数1〜4の直鎖または
分枝鎖のアルキル基であり、例えばメチル、エチル、プ
ロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−
ブチル、tert−ブチル等である。
【0017】「アリール基」としては、フェニル、ナフ
チルが挙げられ、好ましくはフェニルである。
【0018】R5 またはR6 で示される「置換基を有し
ていてもよいアルキル基」とは、炭素数1〜6のアルキ
ル基に1〜3個の下記より選択される置換基を有してい
てもよいものであり、該置換基としては、ヒドロキシ、
アミノ、ハロゲン原子、アルキルアミノ、シアノ、カル
ボキシ、アルコキシカルボニル、アラルキルオキシカル
ボニル、カルバモイル、アルコキシ、置換基を有してい
てもよいアリール基〔環上に1〜3個の置換基を有して
いてもよく、該置換基としてはヒドロキシ、アミノ、ハ
ロゲン原子、ニトロ、アルキルアミノ、シアノ、カルボ
キシ、アルコキシカルボニル、アラルキルオキシカルボ
ニル、カルバモイル、アルキル、アルコキシ、アシル、
アルキレンジオキシ等が挙げられる〕、置換基を有して
いてもよいメルカプト基〔該置換基としては炭素数1〜
3のアルキル基、例えばベンジル基のようなアラルキル
基等〕が挙げられる。
【0019】R6 で示される「置換基を有していてもよ
いアリール基」とは、アリール基の環上に1〜3個の下
記より選択される置換基を有していてもよいものであ
り、該置換基としては、ヒドロキシ、アミノ、ハロゲン
原子、ニトロ、アルキルアミノ、シアノ、カルボキシ、
アルコキシカルボニル、アラルキルオキシカルボニル、
カルバモイル、アルキル、アルコキシ、アシル、アルキ
レンジオキシ等が挙げられる。
【0020】「ハロゲン原子」とは、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素であり、好ましくはフッ素、塩素、臭素であ
る。
【0021】「アルキルアミノ」とは、炭素数1〜6の
アルキルでモノ置換またはジ置換されたアミノであり、
例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミ
ノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミ
ノ等である。
【0022】「アルコキシカルボニル」とは、アルコキ
シ部分の炭素数が1〜6のアルコキシカルボニルであ
り、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニ
ル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニ
ル、ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニ
ル等である。
【0023】「アラルキルオキシカルボニル」とは、ア
ラルキル部分の炭素数が7〜13のアラルキルオキシカ
ルボニルであり、例えば、ベンジルオキシカルボニル、
フェネチルオキシカルボニル、3−フェニルプロピルオ
キシカルボニル、ナフチルメチルオキシカルボニル等で
ある。
【0024】「アルコキシ」とは、炭素数1〜6の直鎖
または分枝鎖のアルコキシであり、例えば、メトキシ、
エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、t
ert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等
が挙げられる。好ましくは炭素数1〜4の直鎖または分
枝鎖のアルコキシであり、例えば、メトキシ、エトキ
シ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、tert
−ブトキシ等である。
【0025】「アシル」とは、ホルミル、アセチル、プ
ロピオニル、ブチリル、イソブチリル、ピバロイル、バ
レリル、イソバレリル、ヘキサノイル等の炭素数1〜6
の直鎖または分枝鎖のアルカノイル、ベンゾイル、ナフ
トイル等の炭素数7〜11のアリールカルボニル、フェ
ニルアセチル、フェニルプロピオニル等の炭素数8〜1
4のアリールアルカノイルが挙げられる。
【0026】「アルキレンジオキシ」とは、アリール基
の環上の2つのヒドロキシ基がアルキレンを介して環を
形成する置換基であって、アルキレン部分の炭素数が1
〜4、好ましくは1〜2のものであり、例えば、メチレ
ンジオキシ、エチレンジオキシ等である。
【0027】R4 で示される「アミノ基の保護基」は、
通常この分野で使用されるものであればいずれであって
もよく、アシル(例えば、ホルミル、アセチル、プロピ
オニル、ブチリルおよびピバロイルのような炭素数1〜
6のアルカノイル、ベンゾイルおよびナフトイルのよう
な炭素数7〜11のアリールカルボニル)、アルコキシ
カルボニル(アルコキシ部分の炭素数が1〜6であり、
例えば、tert−ブトキシカルボニル、tert−ア
ミルオキシカルボニル等)、アラルキルオキシカルボニ
ル(アラルキル部分の炭素数が7〜13であり、例え
ば、ベンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカル
ボニル等)、アラルキル(例えば、ベンジル、フェネチ
ル、フェニルプロピル等)、トリアルキルシリル(それ
ぞれのアルキル部分の炭素数が1〜4であり、例えば、
トリメチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル
等)、アルキルジアリールシリル(例えば、tert−
ブチルジフェニルシリル等)、トリメチルシリルエチ
ル、ハロアルキルカルボニル(アルキル部分の炭素数が
1〜6であり、例えば、トリフルオロアセチル等)、ア
リールスルホニル(例えば、ベンゼンスルホニル、p−
トルエンスルホニル)、9−フルオレニルメチルオキシ
カルボニル、アルコキシアルキル(アルコキシ部分の炭
素数が1〜4、アルキル部分の炭素数が1〜3であり、
例えば、メトキシメチル、エトキシメチル、ブトキシメ
チル等)等が挙げられる。
【0028】本発明の一般式[1]で示されるモルホリ
ン誘導体は以下に説明する製造方法によって製造するこ
とができる。尚、以下の製造方法において、「カルボキ
シ保護基」および「ヒドロキシ保護基」の定義は以下の
通りである。
【0029】「カルボキシ保護基」は、カルボキシ基と
エステルを形成し得る、アルキル(例えば、メチル、エ
チル、tert−ブチル)、ベンジル、フェナシル、ト
リクロロエチル、p−ニトロベンジル、p−メトキシベ
ンジル、ジフェニルメチル等である。カルボキシ保護基
は通常この分野で用いられるものであれば、いかなるも
のでも使用し得る。
【0030】「ヒドロキシ保護基」は、ヒドロキシ基と
シリルエーテル、アルキルエーテルまたはエステルを形
成して、反応から水酸基を保護するものであり、シリル
エーテル系保護基(例えば、トリメチルシリル、ter
t−ブチルジメチルシリル、tert−ブチルジフェニ
ルシリル)、アルキルエーテル系保護基(例えば、p−
メトキシフェニル、ベンジル、p−メトキシベンジル、
tert−ブチル、トリチル、メトキシメチル、2−メ
トキシエトシメチル、ベンジルオキシメチル、テトラヒ
ドロピラニル)、エステル系保護基(例えば、アセチ
ル、ベンゾイル等のアシル)等が挙げられる。ヒドロキ
シ保護基は通常この分野で用いられるものであれば、い
かなるものでも使用し得る。
【0031】
【化7】
【0032】
【化8】
【0033】(式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5
よびR6 は前記と同義であり、R7 はヒドロキシ保護基
を示し、R8 はカルボキシ保護基を示し、Halはハロ
ゲン原子を示す)
【0034】反応(A) 一般式[2]で示されるカルボニル化合物にシアン化水
素を付加することにより一般式[3]で示されるシアノ
ヒドリン化合物を得る。シアノヒドリンの合成は公知の
手法を用いて行うことができる。好適には、一般式
[2]で示されるカルボニル化合物の亜硫酸水素ナトリ
ウム付加物にシアン化ナトリウムを反応させることによ
り行う。
【0035】反応(B) 一般式[3]で示されるシアノヒドリン化合物を加水分
解することにより一般式[4]で示されるα−ヒドロキ
シカルボン酸を得る。加水分解は、メタノール、エタノ
ール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、水ま
たはそれらの混合物等の溶媒中、塩酸、硫酸等の酸、ま
たは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基の存在
下、20℃〜100℃の適当な温度で行うことができ
る。また、一般式[4]で示されるα−ヒドロキシカル
ボン酸は、公知の方法(例えば、Wheeler O.H.ら、J. A
m. Chem. Soc., 78, 63-64 (1956))によって得ること
ができる。
【0036】反応(C) 一般式[4]で示されるα−ヒドロキシカルボン酸のヒ
ドロキシ基を常法に従って保護することにより一般式
[5]で示される化合物を得る。例えば、一般式[4]
で示される化合物を、無溶媒または塩化メチレン、クロ
ロホルム等の不活性溶媒中、トリエチルアミン、ピリジ
ン等の塩基の存在下、無水酢酸等の酸無水物と反応させ
ることによりアシル基で保護された化合物を得る。
【0037】反応(D) 一般式[5]で示される化合物を、一般式[6]で示さ
れるアミノ酸誘導体との縮合反応に付すことにより、一
般式[7]で示される化合物を得る。縮合反応はそれ自
体公知の方法により行われ、縮合剤を用いる方法、酸ア
ジド法、活性エステル法、混合酸無水物法等により行う
ことができる。例えば、一般式[5]の化合物を、アセ
トニトリル、テトラヒドロフラン等の不活性溶媒中、
N,N−カルボニルジイミダゾール等のイミダゾール誘
導体を用いて反応性誘導体に変換した後、一般式[6]
のアミノ酸誘導体と反応させて一般式[7]の化合物を
得る。あるいは、一般式[5]のカルボキシ基を酸クロ
ライド等の酸ハライドに変換した後、一般式[6]のア
ミノ酸誘導体と反応させて一般式[7]の化合物を得
る。あるいは、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、
ジエチルエーテル、ジオキサン、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、水等の溶媒中、N,N’−
ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)等の縮合剤
の存在下で、一般式[5]の化合物と一般式[6]のア
ミノ酸誘導体を縮合させて一般式[7]の化合物を得
る。DCCを用いて反応を行う場合、N−ヒドロキシス
クシンイミドまたはN−ヒドロキシベンゾトリアゾール
等を添加してもよい。
【0038】反応(E) 一般式[7]で示される化合物を、常法に従ってカルボ
キシ保護基とヒドロキシ保護基の脱保護反応に付すこと
により一般式[8]の化合物を得る。例えば、一般式
[7]で示される化合物をメタノール、エタノール、イ
ソプロピルアルコール等のアルコール類、水またはそれ
らの混合物等の溶媒中、塩酸、硫酸等の酸、または水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基の存在下、加水
分解することにより一般式[8]の化合物を得る。
【0039】反応(F) 一般式[8]で示される化合物を、分子内縮合反応に付
すことにより、一般式[9]で示されるモルホリン誘導
体を得る。縮合反応は公知のエステル形成反応を用いる
ことができる。例えば、アセトニトリル、テトラヒドロ
フラン等の不活性溶媒中、0℃〜40℃の適当な温度
で、一般式[8]の化合物をN,N−カルボニルジイミ
ダゾール等のイミダゾール誘導体を用いて反応性誘導体
に変換し分子内でエステル結合させることにより、一般
式[9]のモルホリン誘導体を得る。
【0040】反応(G) 反応(G)は、一般式[1]においてR5 が置換基を有
していてもよいアルキル基である化合物を製造する方法
である。R4 がアミノ基の保護基の場合、一般式[9]
で示されるモルホリン誘導体を、アセトン、ジエチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の溶媒中、
水素化ナトリウム、炭酸カリウム、リチウムジイソプロ
ピルアミド(LDA)等の塩基の存在下、0℃〜40℃
の適当な温度で、一般式[10]で示されるハライド化
合物と反応させることにより一般式[1]においてR5
が置換基を有していてもよいアルキル基であるモルホリ
ン誘導体を得る。R4 が水素原子の場合は、一般式
[9]の化合物のモルホリン環の窒素原子を、常法に従
ってアミノ基の保護基で保護した後、前記と同様にして
一般式[10]の化合物と反応させることにより一般式
[1]においてR5 が置換基を有していてもよいアルキ
ル基である化合物を得る。
【0041】反応(H) 反応(H)は、一般式[1]においてR5 が−CH(O
H)R6 である化合物を製造する方法である。R4 がア
ミノ基の保護基の場合、一般式[9]で示されるモルホ
リン誘導体を、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、
ジエチルエーテル、ジオキサン、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド等の溶媒中、リチウムジイソ
プロピルアミド(LDA)等の塩基の存在下、一般式
[11]で示されるアルデヒド誘導体と−80℃〜−2
0℃、好ましくは−80℃〜−50℃の適当な温度で反
応させることにより、一般式[12]で示されるモルホ
リン誘導体を得る。R4 が水素原子の場合は、一般式
[9]の化合物のモルホリン環の窒素原子を、常法に従
ってアミノ基の保護基で保護した後、前記と同様にして
一般式[11]の化合物と反応させることにより一般式
[12]の化合物を得る。
【0042】
【化9】
【0043】本発明の一般式[1]で示されるモルホリ
ン誘導体を加水分解することにより、一般式[14]で
示されるα−アミノ酸に変換することができる。加水分
解は常法に従って行うことができる。例えば、一般式
[1]で示されるモルホリン誘導体を、メタノール、エ
タノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、
水またはそれらの混合物等の溶媒中、塩酸、硫酸等の
酸、または水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基
の存在下、20℃〜100℃の適当な温度にて加水分解
する。加水分解の工程で回収される一般式[4]のα−
ヒドロキシカルボン酸は、前記の反応(C)で再び利用
することができる。一般式[12]で示されるモルホリ
ン誘導体を、前記と同様に加水分解することにより、一
般式[15]で示されるβ−ヒドロキシ−α−アミノ酸
に変換することができる。
【0044】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。実施例で製造した化合物の構造を以下に示す。
【0045】
【化10】
【0046】
【化11】
【0047】実施例1 6−tert−ブチルモルホリン−2,5−ジオン
(7)の合成 a)2−アセトキシ−3,3−ジメチルブタン酸(4) 窒素気流下、公知の方法(Wheeler O.H.ら、J. Am. Che
m. Soc., 78, 63-64(1956)) により製造した2−ヒド
ロキシ−3,3−ジメチルブタン酸(3)(4.62
g、35mmol)をクロロホルム(20ml)に溶か
し、トリエチルアミン(10.73ml、77mmo
l)を加えて氷冷した。ここに無水酢酸(7.7ml、
77mmol)を滴下し、一晩攪拌した。溶媒を留去
し、10%塩酸で酸性とした後エーテルで抽出した。エ
ーテル層を乾燥後、濃縮し、残留物をn−ヘキサンで再
結晶して2−アセトキシ−3,3−ジメチルブタン酸
(4)を得た。無色針状晶、融点69.1〜70.1
℃。収量、5.396g(88.6%)。
【0048】b)N−カルボキシメチル−2−ヒドロキ
シ−3,3−ジメチルブタンアミド(6) 窒素気流下、2−アセトキシ−3,3−ジメチルブタン
酸(4)(6.00g、34.5mmol)をアセトニ
トリル(40ml)に溶かし、氷冷した。CDI(N,
N−カルボニルジイミダゾール;6.20g、38.3
mmol)を4分割して加えた後1時間攪拌した。グリ
シンエチルエステル塩酸塩(7.20g、51.8mm
ol)を加え、一晩攪拌した。溶媒を留去した後10%
塩酸で酸性とし、酢酸エチルで抽出した。有機溶媒層を
乾燥後、溶媒を留去すると油状の残留物(中間体のエス
テル体5;7.41g、78.7%)が得られた。間も
なく結晶化したが、未精製のままつぎの工程に用いた。
上記で得た粗製のエステル体(5)に4N NaOH
(15ml、60mmol)およびメタノール(30m
l)を加え、80℃にて30分間加熱した。冷後メタノ
ールを留去し、濃塩酸で酸性とし、析出する結晶を濾
取、水洗、乾燥した。収量、4.26g。エタノール/
エーテルから再結晶すると、N−カルボキシメチル−2
−ヒドロキシ−3,3−ジメチルブタンアミド(6)が
無色針状晶として得られた。融点201.5〜202.
5℃。
【0049】c)6−tert−ブチルモルホリン−
2,5−ジオン(7) 窒素気流下、N−カルボキシメチル−2−ヒドロキシ−
3,3−ジメチルブタンアミド(6)(378mg、
2.0mmol)をテトラヒドロフラン(THF)(5
ml)に懸濁し、ついでCDI(340mg、2.1m
mol)を加え室温で2時間攪拌した。酢酸エチルおよ
び10%塩酸を加えて抽出し、短時間乾燥後、溶媒を留
去すると結晶性残留物が得られた。収量、240mg
(70%)。酢酸エチルより再結晶すると6−tert
−ブチルモルホリン−2,5−ジオン(7)が無色針状
晶として得られた。融点184.4〜185.1℃。
【0050】d)6−tert−ブチル−3,3,4−
トリメチルモルホリン−2,5−ジオン(7’) 窒素気流下、6−tert−ブチルモルホリン−2,5
−ジオン(7)(378mg,2.0mmol)をジメ
チルホルムアミド(DMF)(2ml)に溶かし、氷水
で冷却した。水素化ナトリウム(100mg,4mmo
l)およびヨウ化メチル(0.5ml)を加えて室温で
2時間攪拌した。10%塩酸と酢酸エチルを加えて抽出
し、有機層を乾燥後、溶媒を留去した。残留した油状物
質を分取液体クロマトグラフィーで精製し、主分画より
結晶性物質が得られたので、これをエーテル/ヘキサン
より再結晶し、6−tert−ブチル−3,3,4−ト
リメチルモルホリン−2,5−ジオン(7’)を無色針
状晶として得た。収量、107mg(50%)。
【0051】実施例2 6−tert−ブチル−4−メチルモルホリン−2,5
−ジオン(10)の合成 a)N−カルボキシメチル−N−メチル−2−ヒドロキ
シ−3,3−ジメチルブタンアミド(9) 窒素気流下、公知の方法(Wheeler O.H.ら、J. Am. Che
m. Soc., 78, 63-64(1956)) により製造した2−アセ
トキシ−3,3−ジメチルブタン酸(4)(3.633
g、20.7mmol)をアセトニトリル(20ml)
に溶かし、氷冷した。CDI(N,N−カルボニルジイ
ミダゾール;3.52g、21.7mmol)を4分割
して加えた後1時間攪拌した。サルコシンメチルエステ
ル塩酸塩(2.861g、20.7mmol)とDBU
(ジアザビシクロウンデセン、3.4ml、22.8m
mol)を加え、一晩攪拌した。溶媒を留去した後、1
0%塩酸で酸性とし、酢酸エチルで抽出した。有機溶媒
層を乾燥後、溶媒を留去し、油状の残留物をシリカゲル
フラッシュカラムクロマトグラフィー(溶媒:エーテ
ル)で精製した。主分画の溶媒を留去すると結晶性残留
物が得られるのでエーテル/n−ヘキサンから再結晶し
た。白色針状晶、融点50.5〜51.2℃。これは、
中間体のエステル体(8)であった。収量、2.537
g(47.3%)。 エステル体(8)(2.537g、9.8mmol)に
4N NaOHを過剰量加え、80℃にて30分間加熱
した。冷後、濃塩酸で酸性とし、酢酸エチルで抽出し
た。有機層を乾燥後、減圧留去した。カルボン酸9は固
形化したが未精製のまま次の工程に用いた。収量、2.
016g(>100%)。
【0052】b)6−tert−ブチル−4−メチルモ
ルホリン−2,5−ジオン(10) 窒素気流下、N−カルボキシメチル−N−メチル−2−
ヒドロキシ−3,3−ジメチルブタンアミド(9)
(2.016g、10.37mmol)をTHFに溶か
し、0℃に冷却した。CDI(1.766g、10.9
mmol)を加え、室温で3時間攪拌した。THFを留
去後、10%塩酸で酸性にし、酢酸エチルで抽出し、有
機層を乾燥した。酢酸エチル留去後の残留物をシリカゲ
ルフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、更に
主分画を酢酸エチル/ヘキサンで再結晶して6−ter
t−ブチル−4−メチルモルホリン−2,5−ジオン
(10)を得た。微黄色針状晶、融点63.1〜64.
9℃。収量、0.752g(39.2%)。
【0053】実施例3 6−tert−ブチルモルホリン−2,5−ジオン誘導
体とピペロナールの反応(化合物11の合成) 窒素気流下、−78℃でLDA(リチウムジイソプロピ
ルアミド)〔THF(8ml)、ジイソプロピルアミン
(0.62ml、4.4mmol)、1.6Mn−Bu
Li(2.5ml、4.0mmol)〕の溶液に6−t
ert−ブチル−4−メチルモルホリン−2,5−ジオ
ン(10)(200mg、1.08mmol)を加え、
−78℃で15分間攪拌した。次にピペロナール(17
8mg、1.19mmol)を加えて−78℃で30分
間攪拌した。10%塩酸で酸性とした後、酢酸エチルで
抽出、有機層を乾燥後留去した。分取液体クロマトグラ
フィー(溶媒:エーテル)で精製、さらに主分画を酢酸
エチル/ヘキサンから再結晶して化合物11を得た。無
色針状晶、融点178.6〜179.6℃。収量、14
0mg(38.7%)。
【0054】
【発明の効果】本発明の一般式[1]で示されるモルホ
リン誘導体は、α−アミノ酸類の効率のよい中間体とし
て有用である。一般式[1]のモルホリン誘導体を加水
分解することにより簡単にα−アミノ酸を得ることがで
きる。本発明のモルホリン誘導体を用いれば、アミノ酸
のα位への置換基の導入を簡単に行うことができる。
【0055】特に本発明の一般式[12]で示されるモ
ルホリン誘導体は、β−ヒドロキシ−α−アミノ酸類の
効率のよい中間体として有用である。一般式[12]の
モルホリン誘導体は、一般式[9]の化合物と一般式
[11]のアルデヒド誘導体から良好な収率で合成する
ことができる。一般式[12]のモルホリン誘導体を加
水分解することにより簡単にβ−ヒドロキシ−α−アミ
ノ酸を得ることができる。本発明の一般式[1]のモル
ホリン誘導体は結晶性が良好であることから、α−アミ
ノ酸、特に、例えばセリン、スレオニン等のβ−ヒドロ
キシ−α−アミノ酸類の安定な合成原料となり得る。
【0056】また、一般式[1]の化合物を加水分解す
る工程で回収される一般式[4]のα−ヒドロキシカル
ボン酸は、一般式[1]の化合物の製造工程で再利用す
ることができる。よって本発明の中間体を用いることに
よりα−アミノ酸を低コストで製造することができる。
【0057】本発明の一般式[1]の化合物から製造さ
れ得るα−アミノ酸類としてはパーキンソン病治療薬と
して有用なL−ドーパ、ドロキシドーパ(L−DOP
S)等もある。本発明の化合物はこれらのα−アミノ酸
類の効率のよい合成中間体として使用され得る。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式[1] 【化1】 (式中、R1 、R2 およびR3 はそれぞれ独立して水素
    原子またはアルキル基を示し、R4 は水素原子、アルキ
    ル基またはアミノ基の保護基を示し、R5 は水素原子ま
    たは置換基を有していてもよいアルキル基を示す。但
    し、R1 およびR2が共に水素原子の場合、ならびにR
    1 およびR2 のいずれか一方が水素原子で、他方がメチ
    ル基の場合を除く。)で示されるモルホリン誘導体。
  2. 【請求項2】 R5 が式 【化2】 (式中、R6 は水素原子、置換基を有していてもよいア
    ルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を
    示す)で示される基である請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】 R6 が3,4−メチレンジオキシフェニ
    ル基である請求項2記載の化合物。
  4. 【請求項4】 R1 が水素原子、R2 がtert−ブチ
    ル基、R6 が3,4−メチレンジオキシフェニル基であ
    る請求項2記載の化合物。
  5. 【請求項5】 R1 が水素原子、R2 がtert−ブチ
    ル基、R4 がメチル基、R6 が3,4−メチレンジオキ
    シフェニル基である請求項2記載の化合物。
  6. 【請求項6】 R5 が水素原子である請求項1記載の化
    合物。
  7. 【請求項7】 R1 が水素原子、R2 がtert−ブチ
    ル基、R3 が水素原子、R5 が水素原子である請求項1
    記載の化合物。
  8. 【請求項8】 R1 が水素原子、R2 がtert−ブチ
    ル基、R3 、R4 およびR5 がメチル基である請求項1
    記載の化合物。
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