JPH10243990A - 互いに連通可能な3室を有する輸液容器 - Google Patents

互いに連通可能な3室を有する輸液容器

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JPH10243990A
JPH10243990A JP9048712A JP4871297A JPH10243990A JP H10243990 A JPH10243990 A JP H10243990A JP 9048712 A JP9048712 A JP 9048712A JP 4871297 A JP4871297 A JP 4871297A JP H10243990 A JPH10243990 A JP H10243990A
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JP
Japan
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container
container chamber
communication port
chamber
plug
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Withdrawn
Application number
JP9048712A
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English (en)
Inventor
Shuji Morimoto
修司 盛本
Kazuhiro Okochi
一宏 大河内
Nobuyoshi Tanaka
伸佳 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各薬剤を確実に分離して保存しながら、投薬
時には簡単な操作でこれらの薬剤等を混合でき、さらに
3種の薬剤等を収容してこれらを段階的に混合できる、
互いに連通可能な3室を有する輸液容器を提供する。 【解決手段】 第1容器室(1)と第2容器室(2)と第3
容器室(3)とを直列状に連結する。各容器室(1・2・
3)を互いに連通連結する連通口(7a・7b)にそれぞれ栓
体(8・9)を配置する。第1容器室(1)の栓体(8)と対
向する対向壁(16)と連通口(7a・7b)との相対距離を変更
可能にする。第1容器室(1)内と第2容器室(2)内にそ
れぞれ連結部材(17・20)を配置する。この連結部材(17
・20)を介して対向壁(16)と両栓体(8・9)とを連動さ
せ、上記相対距離の変更により両栓体(8・9)を移動さ
せて両連通口(7a・7b)をそれぞれ開封可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複数種の薬剤や液体
を分離した状態で保存しておき、これらの薬剤等を患者
へ投与する直前に混合できる、互いに連通可能な複数室
を有する輸液容器に関し、さらに詳しくは、各薬剤を互
いに確実に隔離して保存できるものでありながら、投薬
時には簡単な操作で各容器室内を互いに連通させて薬剤
等を容易に混合することができ、さらに、必要に応じて
3種の薬剤等を収容できるうえ、これらの薬剤等を段階
的に混合できる輸液容器に関する。
【0002】
【従来技術】従来、複数種の薬剤や液体を分離した状態
で保存しておき、これらの薬剤等を投薬直前に混合でき
るように構成した輸液容器としては、例えば特開昭62
−281947号公報に開示のものがある。
【0003】上記従来技術は、例えば図10に示すよう
に、溶解液(51)等を収容した第1容器室(52)と粉末薬剤
(53)を収容した第2容器室(54)とを容器連結部(55)で連
通連結して輸液容器(50)を構成してあり、容器連結部(5
5)に内嵌した栓体(56)を上部の押圧機構(57)で第1容器
室(52)内へ押込むことにより第1容器室(52)と第2容器
室(54)とを連通させて、粉末薬剤(53)を溶解液(51)に溶
解するように構成してある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では押圧
機構を押込むだけの簡単な操作で第1容器室と第2容器
室とが互いに連通するが、容器室が2室しかないうえ、
両容器室をそれぞれ密封する封止部材を1個の栓体で共
用しているため、次の問題点がある。
【0005】(1) 一般に、液状薬剤は容器に収容した
のち加熱水蒸気により滅菌処理が施されるが、粉末薬剤
は加熱や水分の存在下で変質し易いため、粉末薬剤を収
容した後は液状薬剤を滅菌処理することができない。こ
のため、別途調製された粉末薬剤を上記液状薬剤の滅菌
処理後に無菌条件下で第2容器室へ充填しなければなら
ず、この充填操作が煩雑であり容易でない。
【0006】(2) 上記栓体は一般にゴム製のものが用
いられるが、第1容器室に収容した液状薬剤を加熱水蒸
気により滅菌処理すると上記ゴム製の栓体が水分を吸着
し、これを乾燥することは容易ではない。このため、栓
体に吸着された水分により第2容器室内に収容した粉末
薬剤が変質する等して、長期に保存できなくなる虞れが
ある。
【0007】(3) 固形薬剤を凍結乾燥により調製する
と薬剤が多孔質に形成され比容が大きくなって溶解性に
優れるが、第1容器室内に液状薬剤が収容されるため第
2容器室を直接用いて凍結乾燥法を施すことができな
い。このため、凍結乾燥法により調製した固形薬剤は、
調製時の容器から第2容器室へ移し替える必要があり、
この移し替え時に比容の大きい形状を保持することが困
難である。
【0008】(4) 容器室が2室しかないため、3種の
薬剤を分離保管して投与直前に混合することができない
うえ、固形薬剤を液状薬剤に溶解・混合させる際に溶解
補助剤等を加えることができず、溶解・混合操作を素早
く行うことができない。しかも、混合操作時に摺動させ
る部分が容器の外部に連通しており、この摺動部分を軽
い力で移動させて混合操作を容易にしようとすると、摺
動部分の気密性が損なわれる虞れがあり、異物や雑菌な
どの侵入防止が容易ではない。
【0009】本発明は上記問題点を解消し、各薬剤を互
いに確実に分離して保存できるものでありながら、投薬
時には簡単な操作で各容器室内を互いに連通させて薬剤
等を容易に混合することができ、さらに、必要に応じて
3種の薬剤等を収容できるうえ、これらの薬剤等を段階
的に混合できる、互いに連通可能な3室を有する輸液容
器を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、例えば、本発明の実施の形態を示す図1か
ら図9に基づいて説明すると、互いに連通可能な3室を
有する輸液容器を次のように構成したものである。すな
わち、本発明1は、第1容器室(1)と第2容器室(2)と
第3容器室(3)とを直列状に連結して、少なくともいず
れかの容器室(1・2・3)に液状の薬剤等(4・5)を収
容するとともに、他の容器室(1・2・3)の少なくとも
いずれか一方に異なる薬剤等(4・5・6・6a・6b)を収
容し、上記第2容器室(2)と他の容器室(1・3)とを互
いに連通連結する連通口(7a・7b)にそれぞれ栓体(8・
9)を配置して各容器室(1・2・3)を密封し、上記第
1容器室(1)の容器壁のうち、少なくとも上記栓体(8)
に対向する対向壁(16)と上記連通口(7a・7b)との相対距
離を変更可能に構成し、この対向壁(16)と上記両栓体
(8・9)とを、第1容器室(1)内および第2容器室(2)
内にそれぞれ配置した連結部材(17・20)を介して連動可
能に構成し、上記対向壁(16)と連通口(7a・7b)との相対
距離を変更することにより、連通口(7a・7b)に対し上記
両栓体(8・9)を相対移動させて上記両連通口(7a・7b)
をそれぞれ開封可能に構成したことを特徴とする。
【0011】本発明2は、上記本発明1において、第1
容器室(1)と第3容器室(3)とにそれぞれ薬剤等(4・
5・6・6a・6b)を収容するとともに、第2容器室(2)
を空室にしたものである。
【0012】本発明3は、上記本発明1において、対向
壁(16)と連通口(7a・7b)とを互いに近接または離隔させ
て両者間の相対距離を変更することにより、連通口(7a
・7b)に対し栓体(8・9)を相対移動させて連通口(7a・
7b)のいずれか一方を開封可能に構成し、上記変更した
対向壁(16)と連通口(7a・7b)との相対距離を逆方向に変
更することにより、連通口(7a・7b)に対し栓体(8・9)
を相対移動させて連通口(7a・7b)の他方を開封可能に構
成したものである。
【0013】ここで、上記薬剤等とは、液状薬剤、粉末
薬剤、凍結乾燥法により調製した固形薬剤など、薬効成
分を有するものの外、特に液状薬剤には食塩水、ブドウ
糖溶液、蒸留水等の希釈液や、これらの液体に界面活性
剤等を含有させた溶解補助剤などが含まれる。
【0014】上記対向壁とは、第1容器室の栓体と対向
する位置の容器壁をいう。また、上記連結部材は、対向
壁と栓体や栓体同士を予め連結しておいてもよいが、連
結部材と対向壁や栓体等に係合部材を具備させておき、
連通操作時に対向壁と連通口とを互いに近接させること
により、これらが連結するように構成すると、各容器室
や栓体の組付時にはそれぞれが連結されていないので組
付操作が容易であるうえ、保管中に第1容器室に外力が
加わって対向壁と連通口とが互いに離隔しても栓体を移
動させることがなく、各容器室同士が不用意に連通しな
いのでより望ましい。
【0015】上記第1容器室は、容器全体を柔軟な合成
樹脂製袋で構成してもよく、また、比較的剛性の高い容
器の上記対向壁や他の容器壁の一部のみを波形に形成す
るなどして対向壁と連通口との相対距離を変更可能に構
成してもよい。なお、各容器室はそれぞれ別体に形成し
て互いに連結可能な構成にすると、各薬剤等を各容器室
に収容した状態で個別に調整・滅菌処理したのち各容器
室を連結することができるが、中間の第2容器室は他の
いずれかの容器室と一体に形成しておいてもよい。
【0016】上記両栓体は、対向壁と連通口とを互いに
近接または離隔させることにより、同時に或いは順序だ
てて移動させ、各連通口をそれぞれ同時に又は段階的に
開封するように構成してもよいが、例えば、対向壁と連
通口とを互いに近接させて一方の連通口を開封し、両者
を互いに離隔させて他方の連通口を開封するなど、対向
壁と連通口との相対距離を逆方向に変更して両連通口を
段階的に開封可能に構成してもよい。
【0017】また、上記各栓体はそれぞれ1個の密栓で
構成してもよいが、各容器室をそれぞれ別の密栓で密封
し、この2個の密栓を互いに連結固定して1個の栓体を
構成するようにしてもよい。
【0018】
【作用】各容器室は直列状に連結されており、第1容器
室と第3容器室とはそれぞれ異なる栓体により密封され
ているので、特に第1容器室と第3容器室にそれぞれ収
容された薬剤等同士は互いに確実に分離される。また、
本発明の輸液容器は第1容器室と第2容器室と第3容器
室とからなっているので、必要に応じて3種の薬剤等が
分離して収容される。そして投薬時には対向壁と連通口
との相対距離を変更することにより、連結部材を介して
栓体が連通口に対し相対移動して各容器室内同士が互い
に連通し、次いで、液状の薬剤等を移動させることによ
り、各容器室に収容された薬剤等同士が互いに混合され
る。
【0019】上記第1容器室と第3容器室とにそれぞれ
薬剤等を収容し、第2容器室を空室にした場合には、第
1容器室と第3容器室とにそれぞれ収容した薬剤等が2
個の栓体と第2容器室内の空間とにより隔てられるの
で、両薬剤等が一層確実に互いに分離される。
【0020】対向壁と連通口とを互いに近接または離隔
させて両者間の相対距離を変更することにより、連通口
に対し栓体を相対移動させて連通口のいずれか一方を開
封可能に構成し、上記変更した対向壁と連通口との相対
距離を逆方向に変更することにより、連通口に対し栓体
を相対移動させて連通口の他方を開封可能に構成した場
合には、対向壁と連通口との相対距離の変更方向が互い
に逆であるため、一方の連通口の開封操作と他方の連通
口の開封操作とが明確に分かれ、一方の連通口を開封し
て2種の薬剤等の混合が完了したのち他方の連通口が開
封される。
【0021】
【実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づ
き説明する。図1〜図3は本発明の第1実施形態を示
し、図1は輸液容器の縦断正面図、図2は一方の連通口
を開封した状態の縦断正面図、図3は両連通口を開封し
た状態の縦断正面図である。
【0022】図1に示すように、この輸液容器(10)は第
1容器室(1)と第2容器室(2)と第3容器室(3)とを直
列状に連結してなり、第1容器室(1)に液状薬剤(4)
を、第2容器室(2)に溶解補助剤(5)を、第3容器室
(3)に凍結乾燥法により得られた固形薬剤(6)をそれぞ
れ収容し、第1容器室(1)と第2容器室(2)との連通口
(7a)に第1栓体(8)を、第2容器室(2)と第3容器室
(3)との連通口(7b)に第2栓体(9)をそれぞれ内嵌して
各容器室(1・2・3)を密封してある。
【0023】上記第2栓体(9)は第2容器室(2)を密封
する第1密栓(11)と第3容器室(3)を密封する第2密栓
(12)とからなり、螺合部(13)を介して両密栓(11・12)を
互いに連結固定してある。この第1密栓(11)には内部に
連通路(14)が形成してあり、この連通路(14)の外端を連
通口(7b)の内面で封止してある。
【0024】上記第3容器室(3)の外面には、輸液を取
り出すためのポート部(15)が付設してある。本発明の輸
液容器(10)はいずれの容器室(1・2・3)にポート部(1
5)を付設してもよいことは言うまでもないが、輸液の全
量を円滑に取り出すためには第1容器室(1)または第3
容器室(3)に付設するのが望ましい。
【0025】上記第1容器室(1)は全体が比較的柔軟な
プラスチック材料で形成してあり、上記第1栓体(8)と
対向する対向壁(16)は、第1容器室(1)の容器内側や容
器外側へ変形させて、連通口(7a・7b)との相対距離を変
更することができる。
【0026】上記第1容器室(1)内と第2容器室(2)内
には、それぞれ連結部材(17・20)が配置してある。即
ち、第1容器室内(1)には、上記対向壁(16)から下向け
に延設した係止具(18)と上記第1栓体(8)から上向きに
延設した楔状の係合具(19)とからなる第1連結部材(17)
が配置してあり、一方、上記第1栓体(8)の下面に付設
した係止具(21)と上記第2栓体(9)から上向きに延設し
た楔状の係合具(22)とからなる第2連結部材(20)が配置
してある。
【0027】上記連結部材(17・20)は、いずれも係止具
(18・21)と係合具(19・22)とが係合されておらず、従っ
て、保管中などに第1容器室(1)へ外圧が加わり対向壁
(16)が変形しても栓体(8・9)が連動することがなく収
容された薬剤(4・5・6)を確実に分離しておくことが
できるうえ、各容器室(1・2・3)を個別に準備して簡
単に組み付けることができる。
【0028】即ち、上記輸液容器(10)は次の手順で簡単
に組み付けられる。先ず、第1容器室(1)に液状薬剤
(4)を収容したのち第1栓体(8)を連通口(7a)に内嵌し
て密封し、次いで、この連通口(7a)に第2容器室(2)を
連結固定し、この第2容器室(2)に溶解補助剤(5)を収
容したのち、第3容器室(3)との連通口(7b)を第2栓体
(9)の第1密栓(11)で密封する。その後、互いに連結さ
れている上記第1容器室(1)と第2容器室(2)とを、加
熱蒸気により滅菌処理する。なお、第1容器室(1)と第
2容器室(2)には共に液状の薬剤(4・5)が収容される
ので、それぞれ薬剤(4・5)を収容する前に両容器室
(1・2)を互いに連結してもよく、また両容器室(1・
2)を一体に形成しておいてもよい。
【0029】一方、第3容器室(3)内には凍結乾燥法に
より固形薬剤(6)を調製しておき、連通口(7b)に第2栓
体(9)の第2密栓(12)を内嵌して密封しておく。そして
この第3容器室(3)と上記第2容器室(2)とを無菌条件
下で連通口(7b)を介して連結固定し、第3容器室(3)に
ポート部(15)を付設して輸液容器(10)の組み付けを完了
する。
【0030】上記係止具(18・21)と係合具(19・22)は、
互いに近接方向へ移動させることにより連結することが
でき、この連結により上記対向壁(16)と上記両栓体(8
・9)とが連結部材(17・20)を介して連動可能となり、
上記対向壁(16)を移動させることにより上記両栓体(8
・9)を移動させて上記両連通口(7a・7b)をそれぞれ開
封し、各薬剤(4・5・6)を混合することができる。
【0031】次に、この薬剤混合操作を説明する。先
ず、上記対向壁(16)を容器内側へ変形させ、連通口(7a)
に近接させると第1連結部材(17)が連結して対向壁(16)
と第1栓体(8)とが連動可能となる。さらに対向壁(16)
を変形させると、第1栓体(8)が連通口(7a)内を下方へ
相対移動して第2連結部材(20)が連結し、次いで、第2
栓体(9)が連通口(7b)内を下方へ相対移動して、図2に
示すように、前記連通路(14)の外端が第3容器室(3)内
に開口し、この連通路(14)を介して第2容器室(2)内と
第3容器室(3)内とが連通する。これにより、第2容器
室(2)内の溶解補助剤(5)が第3容器室(3)内に流入し
て固形薬剤(6)が溶解される。
【0032】次に、上記対向壁(16)を容器外側へ変形さ
せて連通口(7a・7b)から離隔させると、両連結部材(17
・20)を介し両栓体(8・9)がそれぞれ連通口(7a・7b)
内を引き上げられてそれぞれ第1容器室(1)内と第2容
器室(2)内とに引き抜かれ、図3に示すように、両連通
口(7a・7b)がそれぞれ開封される。これにより、第1容
器室(1)内の液状薬剤(4)が第2容器室(2)を経て第3
容器室(3)内に流入し、固形薬剤(6)を溶解した溶解補
助剤(5)と混合され、所望の輸液の調製が完了する。そ
の後、ポート部(15)に点滴用の針(23)を刺通して患者に
輸液が投与される。
【0033】図4は本発明の第2実施形態を示す縦断正
面図であり、第1容器室(1)に液状薬剤(4)を収容する
とともに、第3容器室(3)に固形薬剤(6)を収容し、第
2容器室(2)は空室にしたものである。なお、第2容器
室(2)が空室であることから、この第2容器室(2)を第
1容器室(1)または第3容器室(3)と一体に形成してお
いてもよい。
【0034】この第2実施形態では、対向壁(16)を容器
内側へ変形させて連通口(7a・7b)に近接させることによ
り両連結部材(17・20)を連結し、その後、対向壁(16)を
連通口(7a・7b)から離隔させることにより両栓体(8・
9)をそれぞれ連通口(7a・7b)から外して両連通口(7a・
7b)を同時に開封するように構成してある。
【0035】図5は本発明の第3実施形態を示す縦断正
面図であり、第1容器室(1)に液状薬剤(4)を収容し、
第2容器室(2)と第3容器室(3)とにそれぞれ別種の固
形薬剤(6a・6b)を収容したものである。
【0036】各容器室(1・2・3)はそれぞれ個別に分
離した状態で密封可能なように、第1容器室(1)の連通
口(7a)には第1密栓(11)が、第2容器室(2)の上下の連
通口(7a・7b)にはそれぞれ第2密栓(12)と第3密栓(24)
が、第3容器室(3)の連通口(7b)には第4密栓(25)がそ
れぞれ嵌着してある。そしてこの第1密栓(11)と第2密
栓(12)とで前記第1栓体(8)を、第3密栓(24)と第4密
栓(25)とで前記第2栓体(9)を、それぞれ構成してあ
る。
【0037】上記第1密栓(11)には、上面に第1連結部
材(17)の楔状係合具(19)を、対向壁(16)に設けた係止具
(18)に向けて突設してあり、内部に連通路(14)を形成
し、この連通路(14)の内端を第1容器室(1)内に開口す
るとともに、外端を連通口(7a)で封止してある。この第
1密栓(11)に螺合して固定した第2密栓(12)には、下面
に第2連結部材(20)の係止具(21)が固定してある。
【0038】一方、第3密栓(24)には、上面に第2連結
部材(20)の楔状係合具(22)が上記第2密栓(12)に固定し
た係止具(21)に向けて突設してあり、下面に第4密栓(2
5)を螺合等により固定してある。
【0039】上記第2連結部材(20)は、第1栓体(8)が
連通口(7a)内を下方へ相対移動して第1密栓(11)内の連
通路(14)外端が第2容器室(2)内に開口する時点で係合
し連結するように構成してある。従って、この第3実施
形態では、対向壁(16)と連通口(7a・7b)とを互いに近接
させることにより、先ず第1栓体(8)が連通口(7a)内を
相対移動して第1容器室(1)内と第2容器室(2)内とが
連通路(14)を介して連通し、第2容器室(2)内に液状薬
剤(4)が流入して粉末の固形薬剤(6a)が溶解される。
【0040】次いで対向壁(16)と連通口(7a・7b)とを互
いに離隔させることにより、両栓体(8・9)がそれぞれ
連通口(7a・7b)から取り外されて、第1容器室(1)内と
第2容器室(2)内と第3容器室(3)内とが互いに連通
し、第3容器室(3)内の固形薬剤(6b)が液状薬剤(4)に
溶解され混合される。
【0041】上記各実施形態では、いずれも連結部材(1
7・20)を係止具(18・21)と係合具(19・22)とから構成し
たが、本発明の連結部材は容器組み付け当初から対向壁
(16)と第1栓体(8)との間や両栓体(8・9)間を連結す
るものであってもよく、例えば図6に示す変形例1のよ
うに、棒状の連結部材(20)の端部に栓体(9)を螺合して
固定する構成などが考えられる。
【0042】また、上記各実施形態では、いずれも対向
壁と連通口とを互いに近接させたのち離隔させる操作で
両連通口を開封するように構成したが、本発明では両者
を互いに近接させる操作のみや離隔させる操作のみの同
一方向への操作で連通操作を構成してもよい。この場
合、連通口の長さを異ならせることにより、短い連通口
が先に開封したのち長い連通口が開封されることから、
3種の薬剤を段階的に混合することができる。
【0043】また、上記各実施形態では上記栓体を連通
口内で摺動移動可能に構成したが、本発明の栓体は移動
により連通口を開封できればよく、例えば図7に示す変
形例2のようにアルミ箔やプラスチックフィルム等の防
湿性を備えた易破断膜(26)を連通口(7b)に固定して栓体
(9)を構成し、連結部材(20)でこの栓体(9)の一部を移
動させて破断することにより連通口(7b)を開封させても
よい。
【0044】上記各実施形態では、栓体に対向する対向
壁(16)の全体を変形させたが、本発明ではこの対向壁と
連結口との相対距離を変更可能に構成されておればよ
く、例えば、対向壁のうち連結部材の付設部周辺のみを
変形可能に構成したり、連通口が形成されている部位の
容器壁を変形可能に構成してもよい。
【0045】即ち、図8に示す変形例3では、第1容器
室(1)の連通口(7a)が形成された部位の容器壁(27)を変
形可能に構成してあり、この容器壁(27)を連通操作時に
上方へ移動させて図8の右半部に示す状態にすると、対
向壁(16)と連通口(7a・7b)との相対距離が短くなる。こ
のとき、栓体は連結部材(17)を介して対向壁(16)により
移動が制限されるため、連通口(7a・7b)に対し栓体が相
対的に移動することとなり、この結果、連通口(7a・7b)
が開封される。
【0046】さらに、図9に示す変形例4のように、第
1容器室(1)の他の容器壁(28)を変形可能に構成して対
向壁(16)と連通口(7a・7b)との相対距離を変更可能に構
成してもよい。即ち、この変形例4では第1容器室(1)
の胴部を構成する容器壁(28)を伸縮変形させることによ
り、対向壁(16)と連通口(7a・7b)との相対距離が変更さ
れる。
【0047】なお、上記各実施形態では第1容器室に液
状薬剤を収容する場合について説明したが、本発明の第
1容器室には固形薬剤を収容し、他の容器室に液状薬剤
を収容してもよいことは、いうまでもない。
【0048】
【発明の効果】本発明は上記のように構成され作用する
ことから、次の効果を奏する。
【0049】(イ) 各容器室は直列状に連結され、第1
容器室と第3容器室とはそれぞれ異なる栓体により単独
に密封されるので、両容器室に収容する薬剤等を互いに
確実に分離できるうえ、一方の容器室を蒸気加熱等で殺
菌処理する場合であっても、この容器室の栓体に付着し
た水分が他方の容器室に収容される薬剤等に悪影響を及
ぼす虞れがなく、各薬剤等を長期に保存することができ
る。
【0050】(ロ) 第1容器室と第3容器室はそれぞれ
異なる栓体により密封されるので、両容器室にそれぞれ
薬剤等を収容し殺菌したのち、両容器室を連結すること
ができ、例えば、溶解性に優れた凍結乾燥法による固形
薬剤であっても一方の容器室を直接用いて調製すること
ができる。
【0051】(ハ) 第1容器室と第2容器室と第3容器
室とからなり、必要に応じて3種の薬剤等をそれぞれ別
の容器室に収容して保存できるうえ、投薬時には対向壁
と連通口との相対距離を変更するという簡単な操作によ
り、連結部材を介して連通口に対し両栓体を相対移動さ
せ、各連通口を介して各容器室を互いに連通させること
ができ、各容器室にそれぞれ収容していた薬剤等を容易
に混合させることができる。
【0052】(ニ) 開封操作時に摺動移動する部位が全
て容器室内にあるため、この摺動部を介して外部から異
物や雑菌などが侵入することがなく、各容器室内の無菌
状態を確実に保持することができる。
【0053】(ホ) 第1容器室と第3容器室とにそれぞ
れ薬剤等を収容するとともに、第2容器室を空室にした
場合は、第1容器室と第3容器室とにそれぞれ収容した
薬剤等が2個の栓体と第2容器室内の空間とにより隔て
られ、両薬剤を一層確実に分離することができる。
【0054】(ヘ) 対向壁と連通口とを互いに近接また
は離隔させて両者間に相対距離を変更することにより、
連通口に対し栓体を相対移動させて連通口のいずれか一
方を開封可能に構成し、次いで、上記変更した対向壁と
連通口との相対距離を逆方向に変更することにより、連
通口に対し栓体を相対移動させて連通口の他方を開封可
能に構成した場合には、対向壁と連通口との相対距離の
変更方向が互いに逆であり、一方の連通口の開封操作と
他方の連通口の開封操作とが明確に分かれることから、
各容器室に収容した3種の薬剤等を確実に所定の順序に
従って段階的に混合することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す、互いに連通可能
な3室を有する輸液容器の縦断正面である。
【図2】第1実施形態の、一方の連通口を開封した状態
の縦断正面図である。
【図3】第1実施形態の、両連通口を開封した状態の縦
断正面図である。
【図4】第2実施形態を示す、図1相当図である。
【図5】第3実施形態を示す、図1相当図である。
【図6】変形例1を示す、第2容器室周辺を拡大した縦
断正面図である。
【図7】変形例2を示す、連通口周辺を拡大した縦断正
面図である。
【図8】変形例3を示す輸液容器の一部破断正面図であ
り、左半部は開封操作前の状態を、右半部は開封操作中
の状態をそれぞれ示す。
【図9】変形例4を示す、輸液容器の正面図である。
【図10】従来技術を示す縦断正面図であり、左半部は
連通操作前の状態を、右半部は連通操作後の状態をそれ
ぞれ示す。
【符号の説明】
1…第1容器室、 2…第2容器室、 3…第3容器室、 4…液状薬剤、 5…溶解補助剤、 6,6a,6b…固形薬剤、 7a,7b…連通口、 8…第1栓体、 9…第2栓体、 16…対向壁、 17…第1連結部材、 20…第2連結部材。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1容器室(1)と第2容器室(2)と第3
    容器室(3)とを直列状に連結して、少なくともいずれか
    の容器室(1・2・3)に液状の薬剤等(4・5)を収容す
    るとともに、他の容器室(1・2・3)の少なくともいず
    れか一方に異なる薬剤等(4・5・6・6a・6b)を収容
    し、 上記第2容器室(2)と他の容器室(1・3)とを互いに連
    通連結する連通口(7a・7b)にそれぞれ栓体(8・9)を配
    置して各容器室(1・2・3)を密封し、 上記第1容器室(1)の容器壁のうち、少なくとも上記栓
    体(8)に対向する対向壁(16)と上記連通口(7a・7b)との
    相対距離を変更可能に構成し、 この対向壁(16)と上記両栓体(8・9)とを、第1容器室
    (1)内および第2容器室(2)内にそれぞれ配置した連結
    部材(17・20)を介して連動可能に構成し、 上記対向壁(16)と連通口(7a・7b)との相対距離を変更す
    ることにより、連通口(7a・7b)に対し上記両栓体(8・
    9)を相対移動させてこの両連通口(7a・7b)をそれぞれ
    開封可能に構成したことを特徴とする、互いに連通可能
    な3室を有する輸液容器。
  2. 【請求項2】 第1容器室(1)と第3容器室(3)とにそ
    れぞれ薬剤等(4・5・6・6a・6b)を収容するととも
    に、第2容器室(2)を空室にした、請求項1に記載の互
    いに連通可能な3室を有する輸液容器。
  3. 【請求項3】 対向壁(16)と連通口(7a・7b)とを互いに
    近接または離隔させて両者間の相対距離を変更すること
    により、連通口(7a・7b)に対し栓体(8・9)を相対移動
    させて連通口(7a・7b)のいずれか一方を開封可能に構成
    し、 上記変更した対向壁(16)と連通口(7a・7b)との相対距離
    を逆方向に変更することにより、連通口(7a・7b)に対し
    栓体(8・9)を相対移動させて連通口(7a・7b)の他方を
    開封可能に構成した、請求項1に記載の互いに連通可能
    な3室を有する輸液容器。
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