JPH10242778A - 電力増幅器 - Google Patents

電力増幅器

Info

Publication number
JPH10242778A
JPH10242778A JP9040285A JP4028597A JPH10242778A JP H10242778 A JPH10242778 A JP H10242778A JP 9040285 A JP9040285 A JP 9040285A JP 4028597 A JP4028597 A JP 4028597A JP H10242778 A JPH10242778 A JP H10242778A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
circuit
voltage
output
push
power amplifier
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9040285A
Other languages
English (en)
Inventor
Takaaki Igusa
卓昭 井草
Masatoshi Maeda
正利 前田
Kunio Seki
邦夫 関
Ritsuji Takeshita
律司 竹下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Renesas Eastern Japan Semiconductor Inc
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Tohbu Semiconductor Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd, Hitachi Tohbu Semiconductor Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP9040285A priority Critical patent/JPH10242778A/ja
Publication of JPH10242778A publication Critical patent/JPH10242778A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 たとえば車載バッテリから供給される比較的
低い電源電圧下で使用される電力増幅器において、その
高出力化と素子破壊防止を簡単かつ確実に両立させる。 【解決手段】 前段駆動回路の動作電圧をプッシュプル
出力回路の動作電圧よりも高く昇圧する昇圧回路ととも
に、その昇圧回路から前段駆動回路に与えられる昇圧電
圧を所定の基準電圧と比較する比較回路を設け、この比
較回路の出力を使って上記昇圧回路の出力電圧を一定電
圧に負帰還制御させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力増幅器、さら
には比較的低い電源電圧で使用されるオーディオ・パワ
ーアンプIC(半導体集積回路装置)に適用して有効な
技術に関するものであって、たとえば車載用音響再生シ
ステムいわゆるカーオーディオに利用して有効な技術に
関するものである(たとえば、ラジオ技術社発行「基礎
トランジスタアンプ設計法」24〜255ページ参
照)。
【0002】
【従来の技術】一般に、カーオーディオ用の電力増幅器
においては、高出力仕様への要求が非常に強い。しか
し、車載バッテリから供給される比較的低い電源電圧
(12V)では、高出力仕様への要求に十分に応えるこ
とができない。そこで、たとえば、出力回路をB級プッ
シュプル方式にしたり、あるいはBTL方式にしたりす
ることにより、比較的低い電源電圧でもって、実効的な
高出力化をはかることが行われてきたが、これだけでは
不十分であった。
【0003】比較的低い電源電圧でもって高出力化をは
かる別の手段としては、プッシュプル出力回路のプッシ
ュ側をpnpバイポーラ・トランジスタで構成する一
方、プル側をnpnバイポーラ・トランジスタで構成す
る方法がある。この方法によれば、バイポーラ・トラン
ジスタのベース・エミッタ間電圧(約0.7V)による
出力電圧の損失を回避することができ、これにより電源
電圧の利用効率を高めて、その分だけ高出力を得ること
ができる。
【0004】しかし、IC化に際し、pnpとnpnの
2種類のパワー・バイポーラ・トランジスタを1つの半
導体チップに形成することは、チップ面積の点で大きな
不利を生じる。ICのチップ面積を小さくすることは、
コスト面において非常に重要であり、これに重点を置く
ならば、プッシュプル出力回路のプッシュ側とプル側の
両方をnpnバイポーラ・トランジスタで構成するしか
ない。ところが、この場合は、pnpバイポーラ・トラ
ンジスタのベース・エミッタ間電圧(約0.7V)によ
る出力電圧の損失が生じ、これによる出力低下が避けら
れなくなる、という背反が生じる。
【0005】そこで、本発明者らは、半導体チップ面積
を増大させることなく、電源電圧の利用効率を高めて高
出力化を達成することができる電力増幅器を新たに検討
した。
【0006】図4は、公知ではないが、本発明者らが本
発明に先だって検討した電力増幅器の回路を示す。
【0007】同図に示す電力増幅器100は、負荷(ス
ピーカ)SPを駆動するプッシュプル出力回路11、こ
の出力回路11を入力信号Vinに応じて駆動する前段
駆動回路12、入力信号Vinを前置増幅する初段入力
回路13、増幅出力信号Voutを入力側に負帰還させ
る帰還回路14、駆動電流検出回路2、昇圧回路3、リ
ミッタ回路4により構成されている。
【0008】プッシュプル出力回路11は、npnパワ
ー・バイポーラ・トランジスタQ1,Q2により構成さ
れ、車載バッテリなどから供給される比較的低い電源電
圧(Vcc=約12V)で動作させられる。Q1は電源
電位Vccと負荷SPの間に直列に介在して、上記負荷
SPをプッシュ駆動するプッシュ側出力素子をなす。Q
2は上記負荷SPと基準電位GND(=0V)の間に直
列に介在して、上記負荷SPをプル駆動するプル側出力
素子をなす。プッシュ側のパワー・トランジスタQ1の
ベース側には、npnバイポーラ・トランジスタQ3が
ダーリントン接続されている。
【0009】前段駆動回路12は、プッシュ側出力素子
であるQ1とプル側出力素子であるQ2の各ベースを入
力信号Vinに応じて相補的に駆動する。
【0010】駆動電流検出回路2は、npnバイポーラ
・トランジスタQ4とpnpバイポーラ・トランジスタ
Q5,Q6により構成され、プッシュ側パワー・トラン
ジスタQ1のベース駆動電流を検出する。この場合、Q
4は、Q3にベース同士およびエミッタ同士で接続され
ている。これにより、前段駆動回路12からQ3を介し
てQ1のベースに入力される駆動電流が、Q4のコレク
タ電流に反映するようになっている。このQ4のコレク
タ電流は、Q5からQ6へカレントミラー転写された
後、駆動電流検出出力電流I2として、昇圧回路3へ伝
達されるようになっている。
【0011】昇圧回路3は、npnバイポーラ・トラン
ジスタQ7,Q8,Q14,Q16〜Q19、pnpバ
イポーラ・トランジスタQ9〜Q11,Q13、ダイオ
ードD1〜D3、容量素子C1,C2、定電流I3を流
す定電流回路31、クロックパルス発生回路32などに
より構成され、容量素子C1,C2を用いたチャージポ
ンプ動作により、前段駆動回路12の動作電圧(V1)
をプッシュプル出力回路1の動作電圧(Vcc)よりも
高く昇圧する。この昇圧電圧V1は、Q1をダーリント
ン駆動するQ3のコレクタにも供給される。
【0012】昇圧回路3での昇圧駆動レベル(昇圧能
力)は、容量素子C1への充電電流(チャージポンプ電
流)に応じて増大する。この充電電流は上記駆動電流検
出出力電流I2に応じて増大させられる。これにより、
前段駆動回路12に動作電圧として与えられる昇圧電圧
V1は、Q1のベース駆動電流に応じて増大する。すな
わち、前段駆動回路12の動作電圧(V1)は大出力時
ほど増大させられるようになっている。
【0013】リミッタ回路4は、pnpバイポーラ・ト
ランジスタQ12、npnバイポーラ・トランジスタQ
15、およびツェナーダイオードZ1により構成され、
上記昇圧回路3での昇圧駆動レベルをツェナーダイオー
ドZ1のツェナー電圧によって定められる一定以下に制
限する。
【0014】上述した電力増幅器100では、npnパ
ワー・バイポーラ・トランジスタQ1のベースを駆動す
る前段側の動作電圧(V1)を、昇圧回路3にて電源電
圧(Vcc)よりも高く昇圧することにより、そのQ1
のベース・エミッタ間での電圧損失分を補って、出力信
号Voutをほぼ電源電圧(Vcc−GND)いっぱい
に振幅させることができる。これにより、上記電圧損失
分による出力低下を回避して高出力化をはかることがで
きる。
【0015】このとき、上記昇圧電圧V1は、Q1のベ
ース駆動電流の変動影響を大きく受ける。すなわち、大
出力時には、Q1のベース駆動電流の増大に伴い、前段
駆動回路12での消費電流I1が増大するが、この消費
電流I1の増大により、上記昇圧電圧V1に電圧低下が
生じる。他方、小出力時には、Q1のベース駆動電流の
減少に伴い、前段駆動回路12での消費電流I1が減少
するが、今度は、この消費電流I1の減少により、上記
昇圧電圧V1に電圧上昇が生じる。
【0016】そこで、上述した電力増幅器では、上記昇
圧回路3にて生成される昇圧電圧V1を、上記駆動電流
検出出力電流I2に応じて増減させることにより、前段
駆動回路12での消費電流I1の増減による上記昇圧電
圧V1の変動を緩和するようにしている。これととも
に、その昇圧回路3での昇圧駆動レベルを上記リミッタ
回路4で一定以下に制限させることにより、過度の電圧
昇圧による素子破壊を回避させるようにしている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た技術には、次のような問題のあることが本発明者らに
よってあきらかとされた。
【0018】すなわち、上述した電力増幅器では、高出
力を得るのに十分な昇圧電圧を確保するためには、リミ
ッタ回路4による昇圧駆動レベルの制限値を高めに設定
する必要がある一方で、その制限値を高めに設定する
と、過度の電圧昇圧による素子破壊が生じやすくなると
いう背反が生じる。つまり、高出力化と素子破壊防止を
確実に両立させることが困難であるという問題が生じ
る。
【0019】本発明の目的は、たとえば車載バッテリか
ら供給される比較的低い電源電圧下で使用される電力増
幅器において、その高出力化と素子破壊防止を簡単かつ
確実に両立させることができるようにする、という技術
を提供することにある。
【0020】本発明の前記ならびにそのほかの目的と特
徴は、本明細書の記述および添付図面からあきらかにな
るであろう。
【0021】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
下記のとおりである。
【0022】すなわち、前段駆動回路の動作電圧をプッ
シュプル出力回路の動作電圧よりも高く昇圧する昇圧回
路とともに、その昇圧回路から前段駆動回路に与えられ
る昇圧電圧を所定の基準電圧と比較する比較回路を設
け、この比較回路の出力を使って上記昇圧回路の出力電
圧を一定電圧に負帰還制御させる、というものである。
【0023】上述した手段によれば、出力の大小にかか
わりなく、前段駆動回路の動作電圧を常に適正な昇圧電
圧に保つことができる。
【0024】これにより、たとえば車載バッテリから供
給される比較的低い電源電圧下で使用される電力増幅器
において、その高出力化と素子破壊防止を簡単かつ確実
に両立させることができるようにする、という目的が達
成される。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、電源電位(Vcc)と負荷(SP)の間に直列に介
在して上記負荷(SP)をプッシュ駆動するプッシュ側
出力素子(Q1)と、上記負荷(SP)と基準電位(G
ND)の間に直列に介在して上記負荷(SP)をプル駆
動するプル側出力素子(Q2)からなるプッシュプル出
力回路(11)と、プッシュ側出力素子(Q1)とプル
側出力素子(Q2)を入力信号(Vin)に応じて相補
的に駆動する前段駆動回路(12)と、この前段駆動回
路(12)の動作電圧を上記プッシュプル出力回路(1
1)の動作電圧よりも高く昇圧する昇圧回路(3)と、
この昇圧回路(3)から上記前段駆動回路(11)に与
えられる昇圧電圧(V1)を所定の基準電圧(Vs)と
比較する比較回路(6)と、この比較回路(6)の出力
(Ic)に基づいて上記昇圧回路(3)の出力電圧(V
1)を一定に制御する負帰還制御回路(7)とを備えた
ものであり、これにより、出力の大小にかかわりなく、
前段駆動回路(12)の動作電圧(V1)を常に適正な
昇圧電圧に保って、たとえば車載バッテリから供給され
る比較的低い電源電圧(Vcc=約12V)下で使用さ
れる電力増幅器の高出力化と素子破壊防止を簡単かつ確
実に両立させることができるという作用が得られる。
【0026】請求項2に記載の発明は、請求項1におい
て、プッシュ側出力素子としてバイポーラ・トランジス
タ(Q1)を有する出力回路(11)と、上記出力素子
(Q1)の駆動電流を検出する駆動電流検出回路(2)
と、この検出回路(2)の検出出力に応じて昇圧駆動レ
ベルが増大する昇圧回路(3)と、上記昇圧回路(3)
における昇圧駆動レベルを一定以下に制限するリミッタ
回路(4)とを有し、上記リミッタ回路(4)の制限値
を上記昇圧電圧V1によって負帰還制御することによ
り、上記昇圧電圧V1を一定に保持させるようにしたも
のであり、これにより、上記バイポーラ・トランジスタ
(Q1)のベース・エミッタ間電圧による電圧損失分を
過不足なく補って、高出力化と素子破壊防止を簡単かつ
確実に達成できるようになるという作用が得られる。
【0027】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2において、プッシュプル出力回路(11)のプッシュ
側およびプル側の各出力素子をそれぞれnpn型バイポ
ーラ・トランジスタ(Q1,Q2)で構成したものであ
り、これにより、出力素子(Q1,Q2)を形成するた
めの半導体チップ面積を小さくして低コスト化をはかる
ことができるようになるという作用が得られる。
【0028】請求項4に記載の発明は、請求項1から3
のいずれかにおいて、昇圧回路(3)をチャージポンプ
回路で構成したものであり、これにより、たとえば車載
バッテリから供給される比較的低い電源電圧(Vcc=
約12V)を効率良く昇圧することができる。
【0029】請求項5に記載の発明は、請求項1から4
のいずれかにおいて、第1の容量素子(C1)を第1の
電圧(Vh)で充電する第1の回路状態(D1,D2,
Q18,Q19)と、第1の容量素子(C1)の充電電
圧に第2の電圧(Vp)を加算して第2の容量素子(C
1)に充電する第2の回路状態(Q13,Q16,Q1
7,D3)とを交互に切り換えることにより、第2の容
量素子(C2)から昇圧電圧V1を得るようにした昇圧
回路(3)を備えたものであり、これにより、第1の電
圧(Vh)と第2の電圧(Vp)の合計電圧を得ること
ができる。
【0030】請求項6に記載の発明は、請求項1から5
のいずれかにおいて、第1の容量素子(C1)を第1の
電圧(Vh)で充電する第1の回路状態(D1,D2,
Q18,Q19)と、第1の容量素子(C1)の充電電
圧に第2の電圧(Vp)を加算して第2の容量素子(C
2)に充電する第2の回路状態(Q13,Q16,Q1
7,D3)とを交互に切り換えることにより、第2の容
量素子(C2)から昇圧電圧V1を得るようにした昇圧
回路(3)と、第2の電圧(Vp)を一定以下に制限す
るリミッタ回路(4)と、このリミッタ回路(4)の制
限電圧を上記昇圧電圧V1によって負帰還制御すること
により、上記昇圧電圧V1を一定に保持させるようにし
たものであり、これにより、昇圧回路(3)およびリミ
ッタ回路(4を介して、前段駆動回路(12)の動作電
圧(V1)を常に適正な昇圧電圧に保つことができると
いう作用が得られる。
【0031】以下、本発明の好適な実施態様を図面を参
照しながら説明する。
【0032】なお、図において、同一符号は同一あるい
は相当部分を示すものとする。
【0033】図1は本発明の技術が適用された電力増幅
器の第1の実施態様を示す。
【0034】同図に示す電力増幅器100は、負荷(ス
ピーカ)SPを駆動するプッシュプル出力回路11、こ
の出力回路11を入力信号Vinに応じて駆動する前段
駆動回路12、入力信号Vinを前置増幅する初段入力
回路13、増幅出力信号Voutを入力側に負帰還させ
る帰還回路14、第1,第2の容量素子C1,C2によ
るチャージポンプ回路を用いた昇圧回路3、この昇圧回
路3から前段駆動回路12に動作電圧として与えられる
昇圧電圧V1を検出する電圧検出回路5、この電圧検出
回路5で検出した電圧V1を所定の基準電圧Vsと比較
する比較回路6、この比較回路6の出力に基づいて上記
昇圧回路3の昇圧駆動レベルを負帰還制御することによ
り上記昇圧電圧V1を一定に制御する負帰還制御回路7
により構成されている。
【0035】ここで、プッシュプル出力回路11はnp
nパワー・バイポーラ・トランジスタQ1,Q2を用い
て構成されている。一方のトランジスタQ1は、電源電
位Vccと負荷(スピーカ)SPの間に直列に介在して
上記負荷SPをプッシュ駆動するプッシュ側出力素子を
なす。他方のトランジスタQ1は、上記負荷SPと基準
電位GNDの間に直列に介在して上記負荷SPをプル駆
動するプル側出力素子をなす。
【0036】前段駆動回路12は、プッシュ側トランジ
スタQ1とプル側トランジスタQ2の各ベースを入力信
号Vinに応じて相補的に駆動する。
【0037】昇圧回路3はチャージポンプ回路を用いて
構成され、第1の容量素子C1を第1の電圧Vhで充電
する第1の回路状態と、第1の容量素子C1の充電電圧
に第2の電圧Vpを加算して第2の容量素子C1に充電
する第2の回路状態とを交互に切り換えることにより、
電源電圧(Vcc)よりも高い昇圧電圧V1を生成す
る。
【0038】次に、動作について説明する。
【0039】図1において、プッシュプル出力回路11
には車載バッテリからの電源電圧(Vcc=約12V)
が供給されるが、前段駆動回路12には昇圧回路3から
の昇圧電圧V1が動作電圧として供給される。
【0040】前段駆動回路12に電源電圧(Vcc)よ
りも高い昇圧電圧V1を供給することにより、出力回路
11のプッシュ側出力素子をなすnpnバイポーラ・ト
ランジスタQ1のベースは、電源電圧(Vcc)よりも
高い電圧で駆動されるようになる。これにより、Q1の
ベース・エミッタ間での電圧損失分を補って、出力信号
Voutをほぼ電源電圧(Vcc−GND)いっぱいに
振幅させることができる。
【0041】前段駆動回路12の消費電流I1は、Q1
のベース駆動入力の振幅が大きい大出力時ほど増大す
る。この消費電流I1の増大に伴い、上記昇圧電圧V1
に電圧降下が生じようとする。しかし、その昇圧電圧V
1が所定の基準電圧Vs以下になると、負帰還制御回路
7により、第1の容量素子C1の充電電圧に加算される
第2の電圧Vpが上昇させられて、昇圧回路3での昇圧
駆動レベル(昇圧能力)が高められる。これにより、前
段駆動回路12の消費電流I1が増大する大出力時で
も、その前段駆動回路12に与えられる昇圧電圧V1の
低下を阻止して、そのレベルを一定に保つことができ
る。
【0042】他方、Q1のベース駆動入力の振幅が小さ
い小出力時には、上記消費電流I1は減少する。この消
費電流I1の減少に伴い、上記昇圧電圧V1は上昇しよ
うとする。しかし、その昇圧電圧V1が所定の基準電圧
Vsを越えようとすると、負帰還制御回路7により、第
1の容量素子C1の充電電圧に加算される第2の電圧V
pが低下させられて、昇圧回路3での昇圧駆動レベルが
低減される。これにより、前段駆動回路12の消費電流
I1が減少する小出力時でも、その前段駆動回路12に
与えられる昇圧電圧V1の上昇を阻止して、そのレベル
を一定に保つことができる。
【0043】以上のようにして、前段駆動回路12に与
えられる昇圧電圧V1は、電力増幅出力の大小にかかわ
らず、常に一定電圧に保たれるようになる。しかも、そ
の一定電圧は、比較回路6の比較基準電圧Vsにより一
義的に決めることができる。
【0044】これにより、たとえば車載バッテリから供
給される比較的低い電源電圧下で使用される電力増幅器
において、その高出力化と素子破壊防止を簡単かつ確実
に両立させることができる。
【0045】図2は本発明の第2の実施態様を示す。
【0046】同図に示す電力増幅器100は、プッシュ
側出力素子をなすバイポーラ・トランジスタQ1の駆動
電流I2を検出する駆動電流検出回路2と、この検出回
路2の検出出力に応じて昇圧駆動レベルが増大する昇圧
回路3と、この昇圧回路3における昇圧駆動レベルを一
定以下に制限するリミッタ回路4と、上記昇圧回路3か
ら前段駆動回路12に与えられる昇圧電圧V1を検出す
る電圧検出回路5と、この電圧検出回路5で検出した電
圧V1を所定の基準電圧Vsと比較する比較回路6と、
この比較回路6の出力を上記昇圧回路3の昇圧電圧V1
に負帰還させる負帰還制御回路7を有する。
【0047】昇圧回路3はチャージポンプ回路を用いて
構成され、第1の容量素子C1を第1の電圧Vhで充電
する第1の回路状態と、第1の容量素子C1の充電電圧
に第2の電圧Vpを加算して第2の容量素子C1に充電
する第2の回路状態とを交互に切り換えることにより、
電源電圧(Vcc)よりも高い昇圧電圧V1を生成す
る。
【0048】この昇圧回路3の昇圧駆動レベルは、第1
の容量素子C1への充電電流(チャージポンプ電流)
と、第1の容量素子C1に加算する第2の電圧Vpに依
存する。すなわち、C1への充電電流が大きければ、そ
のC1での充電電圧の上昇率が高くなる。また、第2の
電圧Vpが高ければ、C1の充電電圧に加算される電圧
が上昇する。
【0049】リミッタ回路4は、上記第2の電圧Vpを
制限することにより、昇圧回路3での昇圧駆動レベルを
制御する。このリミッタ回路4での制限電圧(Vp)を
上記昇圧電圧V1によって負帰還制御することにより、
上記昇圧電圧V1を上記比較基準電圧Vsで設定される
一定電圧に保持させることができる。
【0050】図3は、図2に示した電力増幅器100の
要部における詳細回路例を示す。
【0051】同図において、プッシュプル出力回路11
は、npnパワー・バイポーラ・トランジスタQ1,Q
2により構成され、車載バッテリなどから供給される比
較的低い電源電圧(Vcc=約12V)で動作させられ
る。この場合、Q1は電源電位Vccと負荷SPの間に
直列に介在して、上記負荷SPをプッシュ駆動するプッ
シュ側出力素子をなす。Q2は上記負荷SPと基準電位
GND(=0V)の間に直列に介在して、上記負荷SP
をプル駆動するプル側出力素子をなす。プッシュ側のパ
ワー・トランジスタQ1のベース側には、npnバイポ
ーラ・トランジスタQ3がダーリントン接続されてい
る。
【0052】前段駆動回路12は、プッシュ側出力素子
であるQ1とプル側出力素子であるQ2の各ベースを入
力信号Vinに応じて相補的に駆動する。
【0053】駆動電流検出回路2は、トランジスタQ
4,Q5,Q6により構成され、プッシュ側パワー・ト
ランジスタQ1のベース駆動電流を検出する。この場
合、Q4は、Q3にベース同士およびエミッタ同士で接
続されている。これにより、前段駆動回路12からQ3
を介してQ1のベースに入力される駆動電流が、Q4の
コレクタ電流に反映するようになっている。このQ4の
コレクタ電流が、Q5からQ6へカレントミラー転写さ
れた後、駆動電流検出出力電流I2として、昇圧回路3
へ伝達されるようになっている。
【0054】昇圧回路3は、npnバイポーラ・トラン
ジスタQ7,Q8,Q14,Q16〜Q19、pnpバ
イポーラ・トランジスタQ9〜Q11,Q13、ダイオ
ードD1〜D3、第1,第2の容量素子C1,C2、定
電流回路31、クロックパルス発生回路32などにより
構成され、第1,第2の容量素子C1,C2を用いたチ
ャージポンプ動作により、前段駆動回路12の動作電圧
(V1)をプッシュプル出力回路1の動作電圧(Vc
c)よりも高く昇圧する。
【0055】チャージポンプ動作では、第1の容量素子
C1を第1の電圧Vhで充電する第1の回路状態と、第
1の容量素子C1の充電電圧に第2の電圧Vpを加算し
て第2の容量素子C2に充電する第2の回路状態とを、
クロックパルス発生32からQ14に入力されるクロッ
クパルスに同期して交互に切り換えることにより、第2
の容量素子C2に昇圧電圧V1を充電する。上記第1の
回路状態は、上記クロックパルスがロウのときに、トラ
ンジスタQ18,Q19とダイオードD1,D2により
形成される。また、上記第2の回路状態は、上記クロッ
クパルスがハイのときに、トランジスタQ13,Q1
6,Q17とダイオードD3により形成される。
【0056】昇圧回路3での昇圧駆動レベルは、上述し
たように、第1の容量素子C1への充電電流(チャージ
ポンプ電流)と、第1の容量素子C1に加算する第2の
電圧Vpに依存するが、第1の容量素子C1への充電電
流は、次のようにして、上記駆動電流検出出力電流I2
に応じて増大させられるようになっている。
【0057】すなわち、上記駆動電流検出出力電流I2
は、昇圧回路3内にて、定電流回路31の電流I3に加
算される。この加算電流(I2+I3)は、Q7とQ
8,Q9とQ13,Q16とQ17にてそれぞれカレン
トミラー伝達されて、第1の容量素子C1への充電電流
となる。これにより、昇圧回路3の昇圧駆動レベルは、
Q1のベース駆動電流に応じて増大させられるようにな
っている。
【0058】リミッタ回路4は、pnpバイポーラ・ト
ランジスタQ12、npnバイポーラ・トランジスタQ
15、ツェナーダイオードZ1、およびこのツェナーダ
イオードZ1に直列に挿入された抵抗素子R1により構
成され、上記昇圧回路3における昇圧駆動レベルを制限
する。このときの昇圧駆動レベルの制限は、第1の容量
素子C1の充電電圧に加算する第の電圧Vpをリミッタ
制御することにより行われる。そのリミッタ制御電圧
(Vp)は、ツェナーダイオードZ1のツェナー電圧と
抵抗素子R1の分圧電圧によって決定される。
【0059】電圧検出回路5は、ダイオードD4,D5
によるレベルシフト回路と、抵抗素子R2,R3による
分圧回路により構成され、第2の容量素子C2の両端に
充電される上記昇圧電圧V1をレベルシフトおよび分圧
して検出する。
【0060】電圧比較回路6は、定電流回路61、pn
pバイポーラ・トランジスタQ20,Q21,Q23,
Q24、npnバイポーラ・トランジスタQ22、抵抗
素子R4〜R6により構成される。定電流回路61、ト
ランジスタQ20,Q21、抵抗素子R6は、差動型の
電圧比較回路を形成する。その比較出力は抵抗R6の両
端から取り出され、トランジスタQ22で増幅および電
流変換される。この電流変換された比較出力電流Ic
は、Q23とQ24によるカレントミラー回路を介し
て、上記リミッタ回路4の抵抗素子R1に与えられる。
【0061】リミッタ回路4は、上述したように、ツェ
ナーダイオードZ1のツェナー電圧と抵抗素子R1の分
圧電圧で決定されるリミッタ制限電圧(Vp)によっ
て、昇圧回路V1での昇圧駆動レベル(Vp)をリミッ
タ制御する。したがって、上記電圧比較回路6の比較出
力電流Icを上記抵抗素子R1に与えることにより、そ
の抵抗素子R1での分圧電圧を変化させれば、昇圧電圧
V1のリミッタ制御値を変化させることができる。これ
により、昇圧電圧V1を電圧比較回路6およびリミッタ
回路4を介して一定電圧に負帰還制御することができ
る。この場合の負帰還制御回路6は、電圧比較回路6の
比較出力電流Icをリミッタ回路4に与える回路によっ
て形成される。
【0062】以上、本発明者によってなされた発明を実
施態様にもとづき具体的に説明したが、本発明は上記実
施態様に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しな
い範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例
えば、昇圧回路3の昇圧方式はチャージポンプ以外の方
式であっもよい。
【0063】以上の説明では主として、本発明者によっ
てなされた発明をその背景となった利用分野であるオー
ディオ・パワーアンプに適用した場合について説明した
が、それに限定されるものではなく、たとえばモータな
どのパワー負荷を低電圧電源で駆動する用途にも適用で
きる。
【0064】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち、代
表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記のとおりで
ある。
【0065】すなわち、例えば車載バッテリから供給さ
れる比較的低い電源電圧下で使用される電力増幅器にあ
って、その高出力化と素子破壊防止を簡単かつ確実に両
立させることができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の技術が適用された電力増幅器の第1の
実施態様を示すブロック回路図
【図2】本発明の第2の実施態様を示すブロック回路図
【図3】図2に示した電力増幅器の要部における詳細回
路図
【図4】本発明に先だって検討した電力増幅器の構成を
示す回路図
【符号の説明】
100 電力増幅器 SP 負荷(スピーカ) 11 プッシュプル出力回路 12 前段駆動回路 13 初段入力回路 14 帰還回路 C1 第1の容量素子 C2 第2の容量素子 2 駆動電流検出回路 3 昇圧回路 32 クロックパルス発生回路 4 リミッタ回路 5 電圧検出回路 6 比較回路 7 負帰還制御回路 Q1 プッシュ側出力素子としてのパワー・バイポーラ
・トランジスタ Q2 プル側出力素子としてのパワー・バイポーラ・ト
ランジスタ Vcc 電源電圧 Vin 入力信号 Vout 出力電圧 V1 昇圧電圧(前段駆動回路の動作電圧) Vs 比較基準電圧 Vh 第1の電圧 Vp 第2の電圧
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関 邦夫 東京都小平市上水本町5丁目20番1号 株 式会社日立製作所半導体事業部内 (72)発明者 竹下 律司 東京都小平市上水本町5丁目20番1号 株 式会社日立製作所半導体事業部内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電源電位と負荷の間に直列に介在して上
    記負荷をプッシュ駆動するプッシュ側出力素子と、上記
    負荷と基準電位の間に直列に介在して上記負荷をプル駆
    動するプル側出力素子からなるプッシュプル出力回路
    と、プッシュ側出力素子とプル側出力素子を入力信号に
    応じて相補的に駆動する前段駆動回路と、この前段駆動
    回路の動作電圧を上記プッシュプル出力回路の動作電圧
    よりも高く昇圧する昇圧回路と、この昇圧回路から上記
    前段駆動回路に与えられる昇圧電圧を所定の基準電圧と
    比較する比較回路と、この比較回路の出力に基づいて上
    記昇圧回路の出力電圧を一定に制御する負帰還制御回路
    とを備えた電力増幅器。
  2. 【請求項2】 プッシュ側出力素子としてバイポーラ・
    トランジスタを有する出力回路と、上記出力素子の駆動
    電流を検出する駆動電流検出回路と、この検出回路の検
    出出力に応じて昇圧回路での昇圧駆動レベルが増大する
    昇圧回路と、上記昇圧駆動レベルを一定以下に制限する
    リミッタ回路とを有し、上記リミッタ回路の制限値を上
    記昇圧電圧によって負帰還制御することにより、上記昇
    圧電圧を一定に保持させるようにしたことを特徴とする
    請求項1に記載の電力増幅器。
  3. 【請求項3】 プッシュプル出力回路のプッシュ側およ
    びプル側の各出力素子をそれぞれnpn型バイポーラ・
    トランジスタで構成したことを特徴とする請求項1また
    は2に記載の電力増幅器。
  4. 【請求項4】 昇圧回路をチャージポンプ回路で構成し
    たことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の
    電力増幅器。
  5. 【請求項5】 第1の容量素子を第1の電圧で充電する
    第1の回路状態と、第1の容量素子の充電電圧に第2の
    電圧を加算して第2の容量素子に充電する第2の回路状
    態とを交互に切り換えることにより、第2の容量素子か
    ら昇圧電圧を得るようにした昇圧回路を備えたことを特
    徴とする請求項1から4のいずれかに記載の電力増幅
    器。
  6. 【請求項6】 第1の容量素子を第1の電圧で充電する
    第1の回路状態と、第1の容量素子の充電電圧に第2の
    電圧を加算して第2の容量素子に充電する第2の回路状
    態とを交互に切り換えることにより、第2の容量素子か
    ら昇圧電圧を得るようにした昇圧回路と、上記第2の電
    圧を一定以下に制限するリミッタ回路と、このリミッタ
    回路の制限電圧を上記昇圧電圧によって負帰還制御する
    ことにより、上記昇圧電圧を一定に保持させるようにし
    た制御回路とを備えたことを特徴とする請求項1から5
    のいずれかに記載の電力増幅器。
JP9040285A 1997-02-25 1997-02-25 電力増幅器 Pending JPH10242778A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9040285A JPH10242778A (ja) 1997-02-25 1997-02-25 電力増幅器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9040285A JPH10242778A (ja) 1997-02-25 1997-02-25 電力増幅器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10242778A true JPH10242778A (ja) 1998-09-11

Family

ID=12576348

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9040285A Pending JPH10242778A (ja) 1997-02-25 1997-02-25 電力増幅器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10242778A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006319428A (ja) * 2005-05-10 2006-11-24 Kenwood Corp パワーアンプ集積回路および車載オーディオシステム
JP2007208972A (ja) * 2006-01-18 2007-08-16 Marvell World Trade Ltd 入れ子状のトランスインピーダンス増幅器
CN103973245A (zh) * 2013-01-24 2014-08-06 联发科技股份有限公司 放大器电路以及应用于放大器电路的方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006319428A (ja) * 2005-05-10 2006-11-24 Kenwood Corp パワーアンプ集積回路および車載オーディオシステム
JP2007208972A (ja) * 2006-01-18 2007-08-16 Marvell World Trade Ltd 入れ子状のトランスインピーダンス増幅器
CN103973245A (zh) * 2013-01-24 2014-08-06 联发科技股份有限公司 放大器电路以及应用于放大器电路的方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20020153940A1 (en) Amplifier system with on-demand power supply boost
US4992749A (en) Pulse-width modulating amplifier circuit
JPS5935522B2 (ja) 電力増幅器
WO1993000739A1 (en) Capacitive load driving circuit
JP2004072276A (ja) D級増幅器
JPH10242778A (ja) 電力増幅器
JP3127878B2 (ja) クランプ回路
JPH05176255A (ja) 電 源
JP3443591B2 (ja) コイル負荷駆動回路
JP3462579B2 (ja) 増幅回路
JP3621398B2 (ja) 充電ポンプ回路
JPH10327021A (ja) 増幅器用電圧供給回路
US4177433A (en) Reel motor preamplifier
US4990863A (en) Amplifier output stage
JPH11103216A (ja) オーディオパワーアンプ
JP3402934B2 (ja) 増幅回路
JPH1188066A (ja) オーディオパワーアンプic
JP3223060B2 (ja) 増幅回路
JP2847010B2 (ja) トランジスタ出力回路
JP3360419B2 (ja) 増幅回路
JPS6042644B2 (ja) 電力増幅器
JP2000323977A (ja) 出力回路
JP3189281B2 (ja) ショック音防止回路
JPH09214261A (ja) 電力増幅回路
JPS60123111A (ja) 増幅回路