JPH10242648A - 多層プリント配線板の製造方法 - Google Patents

多層プリント配線板の製造方法

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JPH10242648A
JPH10242648A JP4369897A JP4369897A JPH10242648A JP H10242648 A JPH10242648 A JP H10242648A JP 4369897 A JP4369897 A JP 4369897A JP 4369897 A JP4369897 A JP 4369897A JP H10242648 A JPH10242648 A JP H10242648A
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hole
conductor circuit
plating
printed wiring
wall surface
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JP4369897A
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English (en)
Inventor
Kazunobu Morioka
一信 盛岡
Junji Kaneko
醇治 兼子
Daisuke Kanetani
大介 金谷
Hiroki Tamiya
裕記 田宮
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内層導体回路を備える多層板に穴を形成し、
この穴の壁面にPdを含有するメッキ核体を付与し、次
いで電解メッキによりメッキ皮膜を形成して、内層導体
回路を含む複数層に位置する導体間を電気的に接続して
いる多層プリント配線板の製造方法であって、穴の壁面
に形成したメッキ皮膜と内層導体回路の接続信頼性を良
好にできる多層プリント配線板の製造方法を提供する。 【解決手段】 メッキ核体を付与した後で、穴の壁面に
ある内層導体回路をソフトエッチングした後、スプレー
洗浄処理又は超音波洗浄処理を施して、穴の壁面にある
内層導体回路上に付与した前記のメッキ核体を除去し、
次いで穴の壁面に電解メッキを施すことを特徴とする。
また、メッキ核体を除去するに際して、ソフトエッチン
グした後、スプレー洗浄処理と共に超音波洗浄処理を施
すことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多層プリント配線
板の製造方法に関し、詳しくは内層の導体回路を含む複
数層に位置する導体間を電気的に接続するためのメッキ
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、多層板の内層導体回路を含む複数
層に位置する導体間を電気的に接続する手段として、P
dを含有するメッキ核体を穴(貫通穴又は非貫通穴)の
壁面に付与し、次いで無電解銅メッキを行い、次いで電
解銅メッキを行って、穴の壁面に銅のメッキ皮膜を形成
する方法が工業的におこなわれている。この場合の無電
解銅メッキ工程で用いられる無電解銅メッキ液には銅イ
オンの他に、還元剤としてのホルマリンや、キレート剤
としてのEDTAや、その他安定剤などを含んでいる。
近年、ホルマリンは、人体への悪影響等の作業環境の問
題が指摘され、また、EDTAは、安定性が良く自然分
解されないため、環境保護の観点から使用禁止の方向に
あり、これらの原材料を使用することが問題になってき
ている。
【0003】そこで、無電解メッキを行うことなしに穴
の壁面に電解メッキ皮膜を形成する方法として、穴の壁
面に導電性を示すようにメッキ核体を付与し、次いで直
接電解メッキを行うダイレクトプレーティング法が開発
され、徐々に実用化されつつある。そして、導電性を示
すようにメッキ核体を付与するシステムとして、Pd−
Snコロイド付与システム、有機Pdコロイド付与シス
テム、グラファイト付与システム等が提案されている。
【0004】しかし、穴の壁面にメッキ核体を付与する
際には、穴の壁面に露出した内層導体回路上にもメッキ
核体が吸着されるため、穴の壁面に電解メッキ皮膜を形
成すると、メッキ皮膜と内層導体回路の接続部に、メッ
キ核体の層が介在することになり、メッキ皮膜と内層導
体回路の密着性が損なわれ、その結果、メッキ皮膜と内
層導体回路の接続信頼性が乏しいという問題が生じてい
た。そこで、この密着性を良好にするために、メッキ核
体を付与した後、ソフトエッチングを施すことによっ
て、穴の壁面にある内層導体回路に付与したメッキ核体
を、内層導体回路と共に除去し、次いで電解メッキを行
うことが検討されている。
【0005】しかし、Pd−Snコロイドや有機Pdコ
ロイド等のPdを含有しているメッキ核体を用いて、穴
の壁面に導電性を付与する場合、メッキ核体は通常皮膜
状に付着した状態となる。そのため、メッキ核体を付与
した後、ソフトエッチングを施して、内層導体回路の表
面に付与したメッキ核体を、内層導体回路と共に完全に
除去することは困難であり、そのためソフトエッチング
を施した場合のメッキ皮膜と内層導体回路の密着性の改
善効果が不十分であった。また、密着性を向上させよう
としてソフトエッチングによる内層導体回路のエッチン
グ量を極端に大きくした場合には、図4に示すように、
膜厚が不均一なメッキ皮膜8が形成されるため、やはり
断線等の接続信頼性が乏しいという問題が生じることが
あった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
事情に鑑みてなされたものであって、その目的とすると
ころは、内層導体回路を備える多層板に穴を形成し、こ
の穴の壁面にPdを含有するメッキ核体を付与し、次い
で電解メッキによりメッキ皮膜を形成して、内層導体回
路を含む複数層に位置する導体間を電気的に接続してい
る多層プリント配線板の製造方法であって、穴の壁面に
形成したメッキ皮膜と内層導体回路の接続信頼性を良好
にできる多層プリント配線板の製造方法を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明の多
層プリント配線板の製造方法は、内層導体回路を備える
多層板に穴を形成し、この穴の壁面にPdを含有するメ
ッキ核体を付与し、次いで電解メッキによりメッキ皮膜
を形成して、内層導体回路を含む複数層に位置する導体
間を電気的に接続している多層プリント配線板の製造方
法において、メッキ核体を付与した後で、穴の壁面にあ
る内層導体回路をソフトエッチングした後、スプレー洗
浄処理又は超音波洗浄処理を施して、穴の壁面にある内
層導体回路上に付与した前記のメッキ核体を除去し、次
いで穴の壁面に電解メッキを施すことを特徴とする。
【0008】請求項2に係る発明の多層プリント配線板
の製造方法は、請求項1記載の製造方法において、メッ
キ核体を除去するに際して、ソフトエッチングした後、
スプレー洗浄処理と共に超音波洗浄処理を施すことを特
徴とする。
【0009】請求項3に係る発明の多層プリント配線板
の製造方法は、請求項1又は請求項2記載の製造方法に
おいて、ソフトエッチングした後の洗浄処理に使用する
処理液が酸性溶液であることを特徴とする。
【0010】請求項4に係る発明の多層プリント配線板
の製造方法は、請求項1から請求項3までの何れかに記
載の製造方法において、スプレー洗浄処理のスプレー圧
力が1.2〜7.0kgf/cm2 であることを特徴と
する。
【0011】請求項5に係る発明の多層プリント配線板
の製造方法は、請求項1から請求項3までの何れかに記
載の製造方法において、超音波洗浄処理の超音波発振周
波数が25kHz〜100kHzであることを特徴とす
る。
【0012】請求項6に係る発明の多層プリント配線板
の製造方法は、請求項1から請求項5までの何れかに記
載の製造方法において、ソフトエッチングした後の洗浄
処理に使用する処理液の液温が30〜80℃であること
を特徴とする。
【0013】請求項7に係る発明の多層プリント配線板
の製造方法は、請求項1から請求項6までの何れかに記
載の製造方法において、ソフトエッチングによる、穴の
壁面にある内層導体回路のエッチング量が0.5〜5.
0μmであることを特徴とする。
【0014】本発明では、メッキ核体を付与した後で、
穴の壁面にある内層導体回路をソフトエッチングした
後、スプレー洗浄処理又は超音波洗浄処理を施して、穴
の壁面にある内層導体回路上に付与した前記のメッキ核
体を除去し、次いで穴の壁面に電解メッキを施すので、
内層導体回路の表面に付与したメッキ核体を、内層導体
回路と共に完全に除去することが可能になる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面を参照
して説明する。
【0016】一方の面には内層導体回路2を形成し、他
方の面は金属層3で覆っている基板1aと、一方の面は
金属層3で覆っていて、他方の面は基板自体が露出して
いる基板1bを準備し、図1(a)に示すように、この
2枚の基板1a、1bを接着材料4を介して接着して、
多層板5を形成する。なお、本発明では、内層導体回路
を備える多層板の形成方法、構成材料については、特に
制限はなく、例えば、エポキシ樹脂ガラス布基材銅張積
層板やポリイミド樹脂ガラス布基材銅張積層板等の有機
系基板を、エポキシ樹脂ガラス布基材プリプレグやポリ
イミド樹脂ガラス布基材プリプレグ等の接着材料を用い
て積層、接着する方法や、導体回路を形成した有機系基
板にエポキシ樹脂等の樹脂層付き銅箔を積層、接着する
方法や、内層導体回路を形成した有機系基板上にエポキ
シ樹脂等の樹脂を塗布し、この塗布面にメッキ等によっ
て外層の金属層を形成する方法等によって形成すること
ができる。
【0017】次いで、図1(b)に示すように、多層板
5に穴6を形成し、穴6の内壁に内層導体回路2を露出
させる。穴6を形成する方法については、特に制限はな
く、例えば、ドリル法、炭酸ガスレーザー法、エキシマ
レーザー法等で形成できる。また、穴6はこの実施の形
態では貫通穴(スルーホール)としているが、非貫通穴
であっても本発明は適用できる。
【0018】次いで、図1(c)に示すように、多層板
5に形成した穴6の内壁にPdを含有するメッキ核体7
を付与して、導電性を示す程度以上にメッキ核体7の層
を形成する。この際、穴6の内壁に露出している内層導
体回路2上にもメッキ核体7は付着する。ここで使用す
るPdを含有するメッキ核体7としては、Pd−Snコ
ロイドや有機Pdコロイド等が例示できる。
【0019】次いで、図2(d)に示すように、穴6の
内壁に露出している内層導体回路2をソフトエッチング
して、内層導体回路2上に付着しているメッキ核体7を
除去する。しかし、このソフトエッチング処理だけで
は、メッキ核体7を完全に除去できないので、この実施
形態では、ソフトエッチング後に、スプレー洗浄処理又
は超音波洗浄処理を施して、内層導体回路2上に残存し
ているメッキ核体7を除去する。なお、本発明ではスプ
レー洗浄処理と超音波洗浄処理を併用することも可能で
ある。スプレー洗浄処理を行う際のスプレーノズルの形
状は、特に制約はないが、吐出部の隙間が0.3mm程
度のスリット状のノズルを用いると、多層板5に多数の
穴6を形成した場合でも、各穴6の内部の洗浄が均一に
行えるので好ましい。
【0020】ソフトエッチングした後の洗浄処理(スプ
レー洗浄処理又は超音波洗浄処理)に使用する処理液に
ついては、特に制約はないが、10重量%濃度の硫酸水
溶液等の酸性溶液を使用することが、内層導体回路2上
のメッキ核体7を完全に除去するためには好ましい。な
お、内層導体回路2が銅である場合に、洗浄処理液とし
て水を使用した場合には、銅表面は前工程のソフトエッ
チングで活性化されているので、即座に銅表面は酸化
し、残存するメッキ核体と酸化した銅表面との結合力が
高まる。そのため、残存するメッキ核体を洗浄によって
完全に除去することが困難となる。残存するメッキ核体
と酸化した銅表面との結合力が高まる理由としては、メ
ッキ核体と酸化した銅の間に化学親和力が働くためと考
えられる。
【0021】また、本発明では、スプレー洗浄処理のス
プレー圧力が1.2kgf/cm2より低い場合には、
内層導体回路2上に付着したメッキ核体7を十分に除去
するのに長時間を要し作業時間が長くなるという問題が
生じ、7.0kgf/cm2を越えると、スプレー圧力
が強すぎて内層導体回路以外の部分のメッキ核体7が脱
落してしまい、電解メッキによる穴内のメッキ皮膜の形
成ができない問題が生じる場合がある。従って、スプレ
ー洗浄処理のスプレー圧力は1.2〜7.0kgf/c
2 の範囲内であることが好ましい。
【0022】超音波洗浄処理は、液体中に加わる超音波
によって、空洞の消滅、発生が繰り返される作用(キャ
ビテーション現象)を利用して、被洗浄面の汚れを除去
する洗浄方法である。そして、一般的に、超音波発振周
波数が大きいと液体中に生じる空洞は小さいが洗浄力は
低く、一方、超音波発振周波数が小さいと液体中に生じ
る空洞は大きく洗浄力は高くなる。本発明では、超音波
洗浄処理の超音波発振周波数が25kHzより小さい
と、穴が非貫通穴であって、その大きさが小さい場合、
穴内の導体回路上に付着したメッキ核体を十分に洗浄、
除去できないことがあり、一方、100kHzより大き
いと、洗浄力が低いため、穴内の導体回路上に付着した
メッキ核体を十分に洗浄、除去することが困難となる。
従って、超音波洗浄処理の超音波発振周波数は25kH
z〜100kHzの範囲内であることが好ましい。
【0023】また、本発明では、ソフトエッチングした
後の洗浄処理に使用する処理液の液温が30℃より低い
と洗浄力が低く、穴内の導体回路上に付着したメッキ核
体を十分に洗浄、除去することが困難となり、一方、8
0℃より高いと高温のため作業性が悪くなるという問題
が生じる。従って、ソフトエッチングした後の洗浄処理
に使用する処理液の液温は30〜80℃の範囲内である
ことが好ましい。
【0024】また、本発明では、ソフトエッチングによ
る、穴の壁面にある内層導体回路のエッチング量につい
ては好ましい範囲がある。この点について、図2(d)
中に示すAの部分の拡大図である図3及び図4を参照し
て説明する。なお、ここにいう穴の壁面にある内層導体
回路のエッチング量は図3でXとして示している長さで
表わしている。このXは形成した穴6の壁面と内層導体
回路2の露出面10との最短距離を示している。本発明
では、図3で示す穴6の壁面にある内層導体回路2のエ
ッチング量(X)が0.5μmより小さいと、メッキ核
体7が付着している内層導体回路2はほとんどエッチン
グされないので、除去したい位置のメッキ核体7がソフ
トエッチングによって除去されないという問題が生じ
る。一方、穴6の壁面にある内層導体回路2のエッチン
グ量(X)が5.0μmより大きいと、図3に示すよう
に、穴6の内壁のメッキ核体7の層と内層導体回路2の
露出面10とが離れ過ぎるため、導電性がなくなる箇所
が発生し、次に電解メッキを施した際に、図4に示すよ
うに、膜厚の不均一なメッキ皮膜8が形成され、断線等
の接続信頼性が乏しいという問題が生じる。従って、ソ
フトエッチングによる、穴の壁面にある内層導体回路の
エッチング量(X)は0.5〜5.0μmの範囲内であ
ることが好ましい。
【0025】本発明でソフトエッチングに使用するエッ
チング液については、特に制約はないが、エッチングレ
ートが小さくなるように調製した過硫酸ナトリウムを主
成分とするエッチング液等のエッチング量を管理しやす
い液が好ましい。
【0026】この実施形態では、ソフトエッチング後の
スプレー洗浄処理又は超音波洗浄処理により内層導体回
路2上に残存しているメッキ核体7を除去し、次いで、
穴6の壁面に直接電解メッキを施してメッキ皮膜8を形
成する(図2(e))。電解メッキ液については、特に
制約はなく、例えば電解銅メッキの場合には、硫酸銅メ
ッキ液、ピロリン酸銅メッキ液等が使用できる。そし
て、外層の金属層3に回路形成が必要な場合は、テンテ
ィング法等によって穴6内を保護して、外層の金属層3
に回路形成して多層プリント配線板を製造する(図2
(f))。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
【0028】(実施例1−1〜実施例1−5)板厚が
0.8mmのエポキシ樹脂ガラス布基材両面銅張積層板
の一方の面の銅箔はそのまま残し、他方の面の銅箔をエ
ッチングでした基板と、板厚が1.2mmのエポキシ樹
脂ガラス布基材両面銅張積層板の一方の面の銅箔はその
まま残し、他方の面の銅箔には導体回路を形成した基板
を、接着材料としてエポキシ樹脂ガラス布基材プリプレ
グを使用して接着して、図1(a)に示すような多層板
5を形成した。
【0029】次いで、図1(b)に示すように、多層板
5の所定の箇所に直径が0.55mmの穴6(スルーホ
ール)をドリル加工により形成した。次いで、図1
(c)に示すように、多層板5に形成した穴6の内壁に
Pdを含有するメッキ核体7を付与して、導電性を示す
程度以上にメッキ核体7の層を形成した。具体的には、
まず、アトテックジャパン社製の商品名:クリーナーセ
キュリガント902を50ml/l(lはリットルを表
わし、以下も同様である)の濃度で含有する溶液に、1
0重量%の濃度の硫酸液を添加してpHが2.5となる
ように調整した洗浄液(液温50℃)に、穴6を形成し
た多層板5を5分間浸漬して、穴6内の洗浄と脱泡を行
った。次に、アトテックジャパン社製の商品名:コンデ
ィショナーネオパクトNを50ml/lの濃度で含有
し、且つ炭酸水素ナトリウムを3g/lの濃度で含有す
る溶液に、炭酸ナトリウムを添加してpHが9.0とな
るように調製した混合溶液(液温40℃)に、多層板5
を5分間浸漬して、穴6の内壁をコンディショニング
し、次工程におけるPdコロイドの吸着が達成されやす
いようした。
【0030】次に、Pdコロイドを含有する材料である
アトテックジャパン社製の商品名:ベーシックソリュー
ションネオパクトを100ml/lの濃度で含有する溶
液に、還元剤を含有する材料であるアトテックジャパン
社製の商品名:リダクションソリューションネオパクト
を添加して酸化還元電位が−230mVとなるように調
整した混合溶液(pH2.0、液温50℃)に、多層板
5を5分間浸漬して、穴6の内壁にPdコロイドを付着
させた。次に、アトテックジャパン社製の商品名:ポス
トディップソリューションネオパクトを200ml/l
の濃度で含有する溶液(pH12.0、液温25℃)に
多層板5を2分間浸漬し、Pdを被覆している有機ポリ
マーを除去し、穴6の内壁にPdを含有するメッキ核体
7である活性なPdを付与して導電性を示す層を形成し
た(図1(c))。
【0031】次いで、図2(d)に示すように、過硫酸
ナトリウムを20mg/l、98重量%硫酸を20ml
/l含有するエッチング液(液温25℃)に多層板5を
2.5分間浸漬して穴6の内壁に露出している内層導体
回路2をソフトエッチングした。ソフトエッチングによ
る、穴の壁面にある内層導体回路2のエッチング量を測
定した結果を表1及び表2に示す。次いで、吐出口の幅
が0.3mmであるスリット状のノズルを用いて、スプ
レー洗浄処理を施して、内層導体回路2上に残存してい
るメッキ核体7を除去した。スプレー洗浄に使用した処
理液の種類、液温、スプレー圧力は表1及び表2に示す
条件で行った。
【0032】次いで、硫酸銅メッキ液を用いて、穴6の
壁面に直接電解メッキを施して、図2(e)に示すよう
に、厚みが20μmの銅メッキ皮膜8を形成した。
【0033】次いで、通常のテンティング法により、外
層の金属層に導体回路を、図2(f)に示すように形成
し多層プリント配線板を作製した。なお、この多層プリ
ント配線板の導体回路のパターンは内層導体回路と、穴
の内壁に形成する銅メッキ皮膜との接続信頼性を評価す
る目的で設計したものであり、1枚の多層プリント配線
板中に300個の穴を形成していて、この穴内で内層導
体回路と銅メッキ皮膜は接続されている。
【0034】(実施例1−6)穴の内壁に露出している
内層導体回路をソフトエッチングするためのエッチング
液への多層板5の浸漬時間を15秒とした以外は、実施
例1−1と同様にして多層プリント配線板を作製した。
なお、穴の壁面にある内層導体回路2のエッチング量を
測定した結果を表2に示す。
【0035】(実施例1−7)穴の内壁に露出している
内層導体回路をソフトエッチングするためのエッチング
液への多層板5の浸漬時間を4分とした以外は、実施例
1−1と同様にして多層プリント配線板を作製した。な
お、得られた多層プリント配線板の穴の部分の断面を観
察したところ、図4に示すような、メッキ皮膜8の一部
に不均一な厚みの部分が形成されていた。また、穴の壁
面にある内層導体回路2のエッチング量を測定した結果
を表2に示す。
【0036】(実施例2−1〜実施例2−5)実施例1
−1におけるソフトエッチング後のスプレー洗浄処理に
代えて、超音波洗浄処理を行った以外は、実施例1−1
と同様にして多層プリント配線板を作製した。超音波洗
浄処理に使用した処理液の種類、液温、超音波発振周波
数は表2及び表3に示す条件で行った。また、穴の壁面
にある内層導体回路2のエッチング量を測定した結果を
表2及び表3に示す。
【0037】(実施例3)実施例1−1におけるソフト
エッチング後のスプレー洗浄処理のみの洗浄処理に代え
て、スプレー洗浄処理と超音波洗浄処理を共に行うよう
にした以外は、実施例1−1と同様にして多層プリント
配線板を作製した。この実施例では、まずスプレー洗浄
処理を施し、次いで超音波洗浄処理を施すようにし、各
処理で使用した処理液の種類、液温、スプレー圧力、超
音波発振周波数は表4に示す条件で行った。また、穴の
壁面にある内層導体回路2のエッチング量を測定した結
果を表4に示す。
【0038】(比較例1)実施例1−1におけるソフト
エッチング後のスプレー洗浄処理を施さないようにした
以外は、実施例1−1と同様にして多層プリント配線板
を作製した。穴の壁面にある内層導体回路2のエッチン
グ量を測定した結果は表4に示す。
【0039】(評価)上記で作製した多層プリント配線
板について、[−65℃で15分間、次いで室温で5分
間、次いで150℃で15分間の処理]を1サイクルと
する温度サイクル試験を1000サイクル実施し、内層
導体回路と、穴の内壁に形成した銅メッキ皮膜との接続
信頼性(導通の有無)をテスターを用いて測定し、1個
所でも断線があれば、その時点でのサイクル数を断線に
至るまでのサイクル数とし、得られた結果を下記の表1
〜表4に示した。測定数については、各実施例及び比較
例共にに、それぞれ300箇所の内層導体回路と、銅メ
ッキ皮膜との接続部について測定した。
【0040】また、表1〜表4に示した穴の壁面にある
内層導体回路のエッチング量は図3でXとして示してい
る長さであるが、この長さの測定は穴6の断面を研磨
し、顕微鏡にて観察して測定した。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】
【発明の効果】請求項1〜請求項7に係る発明の多層プ
リント配線板の製造方法では、メッキ核体を付与した後
で、穴の壁面にある内層導体回路をソフトエッチングし
た後、スプレー洗浄処理又は超音波洗浄処理を施して、
穴の壁面にある内層導体回路上に付与したメッキ核体を
除去し、次いで穴の壁面に電解メッキを施すので、内層
導体回路の表面に付与したメッキ核体を、内層導体回路
と共に完全に除去することが可能になる。従って、請求
項1〜請求項7に係る発明の多層プリント配線板の製造
方法によれば、穴の壁面に形成したメッキ皮膜と内層導
体回路の接続信頼性が良好な多層プリント配線板を製造
することが可能となる。
【0046】請求項2〜請求項7に係る発明の多層プリ
ント配線板の製造方法によれば、上記の効果に加えて、
穴の壁面に形成したメッキ皮膜と内層導体回路の接続信
頼性がより良好な多層プリント配線板を製造することが
可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層プリント配線板の製造方法の実施
の形態を説明する断面図である。
【図2】本発明の多層プリント配線板の製造方法の実施
の形態の図1に続く工程を説明する断面図である。
【図3】多層プリント配線板の製造方法の工程を説明す
る要部拡大断面図である。
【図4】図3に続く工程を説明する要部拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
1a、1b 基板 2 内層導体回路 3 金属層 4 接着材料 5 多層板 6 穴 7 メッキ核体 8 メッキ皮膜 10 露出面 X 内層導体回路のエッチング量を表わす長さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田宮 裕記 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内層導体回路を備える多層板に穴を形成
    し、この穴の壁面にPdを含有するメッキ核体を付与
    し、次いで電解メッキによりメッキ皮膜を形成して、内
    層導体回路を含む複数層に位置する導体間を電気的に接
    続している多層プリント配線板の製造方法において、メ
    ッキ核体を付与した後で、穴の壁面にある内層導体回路
    をソフトエッチングした後、スプレー洗浄処理又は超音
    波洗浄処理を施して、穴の壁面にある内層導体回路上に
    付与した前記のメッキ核体を除去し、次いで穴の壁面に
    電解メッキを施すことを特徴とする多層プリント配線板
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 メッキ核体を除去するに際して、ソフト
    エッチングした後、スプレー洗浄処理と共に超音波洗浄
    処理を施すことを特徴とする請求項1記載の多層プリン
    ト配線板の製造方法。
  3. 【請求項3】 ソフトエッチングした後の洗浄処理に使
    用する処理液が酸性溶液であることを特徴とする請求項
    1又は請求項2記載の多層プリント配線板の製造方法。
  4. 【請求項4】 スプレー洗浄処理のスプレー圧力が1.
    2〜7.0kgf/cm2 であることを特徴とする請求
    項1から請求項3までの何れかに記載の多層プリント配
    線板の製造方法。
  5. 【請求項5】 超音波洗浄処理の超音波発振周波数が2
    5kHz〜100kHzであることを特徴とする請求項
    1から請求項3までの何れかに記載の多層プリント配線
    板の製造方法。
  6. 【請求項6】 ソフトエッチングした後の洗浄処理に使
    用する処理液の液温が30〜80℃であることを特徴と
    する請求項1から請求項5までの何れかに記載の多層プ
    リント配線板の製造方法。
  7. 【請求項7】 ソフトエッチングによる、穴の壁面にあ
    る内層導体回路のエッチング量が0.5〜5.0μmで
    あることを特徴とする請求項1から請求項6までの何れ
    かに記載の多層プリント配線板の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010016334A (ja) * 2008-07-02 2010-01-21 Samsung Electro-Mechanics Co Ltd 印刷回路基板及びその製造方法
WO2012029865A1 (ja) * 2010-08-31 2012-03-08 富士フイルム株式会社 多層配線基板の製造方法

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