JPH10239631A - 頭部装着型画像表示装置 - Google Patents

頭部装着型画像表示装置

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JPH10239631A
JPH10239631A JP9318812A JP31881297A JPH10239631A JP H10239631 A JPH10239631 A JP H10239631A JP 9318812 A JP9318812 A JP 9318812A JP 31881297 A JP31881297 A JP 31881297A JP H10239631 A JPH10239631 A JP H10239631A
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JP
Japan
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optical system
image
image display
eyepiece optical
plane
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Application number
JP9318812A
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English (en)
Inventor
Jiyunko Takahashi
潤子 高橋
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH10239631A publication Critical patent/JPH10239631A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、偏心した反射面を有した接眼光学系
を広い観察画角に構成しても、明瞭で、歪みの少ない観
察像を与える頭部装着型画像表示装置の提供を目的とし
ている。 【解決手段】目的達成のため、頭部装着型画像表示装置
が有する接眼光学系の少なくとも1つの反射作用を有す
る面の面形状が、面内及び面外共に回転対称軸を有しな
い回転非対称面形状であるように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像表示装置に関
し、特に、観察者の頭部又は顔面に保持することを可能
にする頭部又は顔面装着型画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】頭部又は顔面装着型画像表示装置の従来
の周知なものとして、特開平3−101709号のもの
がある。図10(a)に全体の光学系を、図10(b)
にその接眼光学系の部分を示すように、この画像表示装
置は、画像表示素子20の表示画像を正レンズよりなる
リレー光学系21にて空中像25として伝達し、凹面反
射鏡22からなる接眼光学系23でこの空中像を拡大し
て観察者の眼球24(瞳)内に投影するものである。
【0003】また、従来の他のタイプのものとして、米
国特許第4,669,810号のものがある。この装置
は、図11に示すように、CRT30の画像をリレー光
学系31を介して中間像32を形成し、反射ホログラフ
ィック素子33とホログラム面を有するコンバイナ34
によって観察者の眼に投影するものである。
【0004】また、従来の他のタイプの画像表示装置と
して、特開昭62−214782号のものがある。この
装置は、図12に示すように、画像表示素子40を接眼
レンズ41で拡大して、直接、観察者眼球42(瞳)で
観察できるようにしたものである。
【0005】さらに、従来の他のタイプの画像表示装置
として、米国特許第4,026,641号のものがあ
る。この装置は、図13に示すように、画像表示素子5
0の像を、伝達素子51で湾曲した物体面52に伝達
し、その物体面52をトーリック反射面53で空中に投
影するようにしたものである。
【0006】また、従来の他のタイプの画像表示素子と
しては、米国再発行特許第27,356号のものがあ
る。この装置は、図14に示すように、半透過凹面鏡6
0と半透過平面鏡61によって構成される接眼光学系6
4が、物体面62を射出瞳63に投影するものである。
【0007】その他、米国特許第4,322,135
号、米国特許第4,969,724号、欧州特許第0,
583,116A2号、特開平7−333551号のも
のも知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来技術では、光学系を構成する反射面と透過面の形状
が、球面や回転対称非球面、トーリック面、アナモルフ
ィック面等で構成されていた。そのため、光線の収差と
ディストーションとの良好な補正を同時に行うことが不
可能であった。このように、観察画像の収差が良好に補
正されず、猶且つ、ディストーションが補正しきれてい
ないと、観察者は観察像を歪んだ状態でしか観察でき
ず、不快感を残し、眼球疲れや頭痛を起こす原因ともな
る。
【0009】また、この光学系を左右眼に夫々設けて使
用する場合には、上記不具合に加えて左右眼で対称でな
い歪みが生じる恐れもあり、左右の像が融像できないと
いう問題も生ずる。特にこの問題が顕著に表れるのは、
臨場感を増すために高解像度の表示素子や高画角な接眼
光学系等、画像表示装置自体の性能をアップしたときで
あり、これらハイグレードな装置の機能を低下させるば
かりでなく、例えば図形等を表示する場合に、その図形
等が歪んで観察され、正しい形状を認識することができ
ず、臨場感が全く失われてしまうこととなってしまう。
【0010】本発明は従来技術のこのような問題点に鑑
みてなされたものであり、その目的は、広い画角におい
ても明瞭で、歪みの少ない観察像を与える頭部装着型画
像表示装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の頭部装着型画像表示装置は、画像表示素子
と、前記画像表示素子により形成された画像を虚像とし
て観察できるように観察者眼球位置に中間像を形成する
ことなしに導く接眼光学系とを有し、前記接眼光学系が
2回反射を含む構成であり、少なくとも1つの反射作用
を有する面の面形状を、面内及び面外共に回転対称軸を
有しない回転非対称面形状にて形成している。
【0012】また、本発明の他の頭部装着型画像表示装
置は、画像表示素子と、前記画像表示素子により形成さ
れた画像を虚像として観察できるように観察者眼球位置
に中間像を形成することなしに導く接眼光学系とを有
し、前記接眼光学系が2回反射を含む構成であり、少な
くとも1つの反射作用を有する面の面形状が、面内及び
面外共に回転対称軸を有しない回転非対称面形状であ
り、且つその面形状は対称面を1面のみ有する形状であ
るように構成している。
【0013】さらに、本発明の他の頭部装着型画像表示
装置は、画像表示素子と、前記画像表示素子により形成
された画像を虚像として観察できるように観察者眼球位
置に中間像を形成することなしに導く接眼光学系とを有
し、前記接眼光学系が2回反射を含む構成であり、少な
くとも1つの反射作用を有する面の形状が、面内及び面
外共に回転対称軸を有しない回転非対称面形状であり、
そして前記接眼光学系は、画像表示素子からの光線の光
路が交差すること無しに瞳に導くような構成をしてい
る。
【0014】そして、本発明のさらに他の頭部装着型画
像表示装置は、画像表示素子と、前記画像表示素子によ
り形成された画像を虚像として観察できるように観察者
眼球位置に中間像を形成することなしに導く接眼光学系
とを有し、前記接眼光学系が2回反射を含む構成であ
り、少なくとも1つの反射作用を有する面の形状が、面
内及び面外共に回転対称軸を有しない回転非対称面形状
であり、且つその面形状は対称面を1面のみ有する形状
であり、そして前記接眼光学系は、画像表示素子からの
光線の光路が交差すること無しに瞳に導くような構成を
している。
【0015】以下に、本発明で上記のような頭部装着型
画像表示装置の接眼光学系において、少なくとも1つの
反射作用を有する面に面内及び面外共に回転対称軸を有
しない回転非対称面を設けた構成、特に、その回転非対
称面の面形状が対称面を1面のみ有する形状(以下面対
称自由曲面と称する)を利用した構成をとる理由と作用
について説明する。
【0016】まず、最初に、本発明の頭部装着型画像表
示装置に用いる代表的な接眼光学系を図8に例示し、本
発明の原理を説明する。図8の場合は、接眼光学系7の
光路上に配置された面は、3つ面(3,4,5)から成
っている。この頭部装着型画像表示装置は、まず画像表
示素子6から発した光線束が、前記接眼光学系7の画像
表示素子6と対向配置されている透過面である第3面5
に入射する。そしてその入射光は、観察者の瞳1の直前
に配置している反射兼透過面である第1面3で瞳1の位
置から遠ざかる方向に反射され、観察者の瞳1と反射兼
透過面である第1面3に対向配置されている反射面であ
る第2面4で瞳1方向に反射させる。そしてその反射
が、反射兼透過面である第1面3を透過して観察者の瞳
1(観察者眼球の虹彩位置又は眼球の回旋中心付近)に
入射し観察者の眼球内に投影されるように、前記接眼光
学系の射出瞳位置を前記観察者の瞳1の位置に略一致さ
せるように構成している。
【0017】このように、本発明における接眼光学系の
面番号は、原則として射出瞳(観察者の瞳1)から画像
表示素子6に到る逆光線追跡の順に付してある。また本
発明の説明は、理解を容易にするために、反射回数が2
回と少ない構成の図8に例示したタイプの接眼光学系を
前提として行っていく。しかし、本発明に使用される接
眼光学系のタイプは、図8に示した2回反射の光学系に
限定されるものでないことはもちろんであり、既に本出
願人が1996年 4月15日付で特許庁に出願した特願平8−
92301号(頭部装着型画像表示装置)の明細書第1
2頁[0017]図16のタイプの接眼光学系、明細書
同頁[0018] 図17のタイプの接眼光学系、明細書同頁[0019] 図18のタイプの接眼光学系、明細書第12頁乃至第1
03頁[0020] 図19のタイプの接眼光学系、明細書第13頁[002
1]図20のタイプの接眼光学系、明細書同頁[002
1] 図21のタイプの接眼光学系、明細書同頁[0022] 図22のタイプの接眼光学系、及び既に公知の2回以上
の反射機能を有する光学系で前記本発明が明示した課題
の発生する接眼光学系等にも適用できるものである。
【0018】次に、本発明において用いる座標系につい
て説明する。図8に示すように、瞳1の中心を通り、被
観察像を形成する像形成手段である画像表示素子6中心
に到達する軸上主光線が瞳1を射出し接眼光学系7の第
1面3に交差するまでの直線によって定義される視軸2
をZ軸とし、このZ軸と直交し、かつ、接眼光学系7を
構成する各面の偏心面内の軸をY軸と定義し、視軸2と
直交し、かつ、Y軸と直交する軸をX軸ととる。
【0019】また、以下の説明においては、光線の追跡
方向は、特別に説明のない限り、瞳1から被観察像を形
成する像形成手段6に向かう逆光線追跡で説明する。さ
て、一般に同軸上に配置される無偏心のレンズ系やその
中の一部のレンズを微少量シフト,ティルトさせる従前
公知のレンズ系にあっては、少ない面数で収差を良好に
補正するために、回転対称軸を面内に有する回転対称な
非球面を用いることがしられている。これは、一般に球
面レンズ系の収差補正の仕組みが、一つの回転対称な球
面で発生する回転対称な球面収差や回転対称なコマ収
差、回転対称な像面湾曲等の回転対称な収差を、他の球
面で発生する回転対称な収差で打ち消し合うことによっ
て補正するというものであり、光学系全体での収差性能
を向上させるために発生する全体の構成面数の増加とい
う問題を、球面を回転対称非球面とすることで軽減させ
ているためである。
【0020】しかし、本発明の頭部装着型画像表示装置
に用いる接眼光学系のように、偏心して配置されている
光学系においては、回転対称な球面等で発生する回転対
称な収差とは異なる回転非対称な収差(以下、偏心によ
り発生する収差と称する)が発生するために、前述した
従前公知の回転対称非球面では補正できないという問題
が生ずる。猶、ここにいう偏心により発生する収差に
は、コマ収差、非点収差、像歪み、像面湾曲等がある。
【0021】また、このような偏心により発生する収差
を補正する手法として、トーリック面やアナモルフィッ
ク面を使用した例がある。しかし、これらの手法は偏心
により発生する収差の内、非点収差にその補正の重点が
置かれ、その他の収差、特に像歪みにまで十分な収差補
正が行われたものはなかった。それに加え、これらトー
リック面やアナモルフィック面を使用した光学系では、
この偏心により発生する非点収差を補正する能力にも限
りがあり、どうしても、画角が狭くなってしまったり大
型化するといった問題が残り、本発明のように、非点収
差を含む諸収差、特に像歪みにまで十分な収差補正が行
われていながら、小型で広画角な光学系を実現したもの
はなかった。
【0022】現在までに行われた収差補正の手段をここ
に紹介する。凹面鏡と凸面鏡の配置が像面湾曲収差に良
い効果を発揮することは、本出願人の特願平5−264
828号に詳しく述べられており、傾いた凹面鏡が発生
する収差については特願平6−127453号等に述べ
られている。
【0023】また、傾いた凹面鏡により発生する非点収
差についても本出願人の特願平6−211067号、ま
た、特願平6−256676号に述べられている。さら
に、傾いた凹面鏡により発生する台形や弓なりの像歪み
に関しては、特開平5−303056号に述べられてい
る。
【0024】しかしながら、これらの偏心により発生す
る収差を同時にしかも良好に補正することは、トーリッ
ク面やアナモルフィック面、回転対称非球面、球面では
満足な結果を得られなかった。
【0025】本発明は、上記収差を同時に、しかも良好
に補正するために、第1次的には少なくとも一つの反射
作用を有する面の面形状が面内及び面外共に回転対称軸
を有さない回転非対称面に形成することを特徴とし、第
2次的にはその回転非対称面が更に対称面を1つのみ有
する面対称自由曲面にて形成されていることを特徴とし
ている。
【0026】次に、偏心して配置された反射凹面鏡によ
り発生する弓なりの像歪みについて説明する。画像表示
素子(例えばLCD)の配置上、光学系の最も強い屈折
力を有する反射面は偏心して配置され、反射凹面で反射
してできた像は偏心により発生する像歪みを持ってい
る。そこで、光学系の最も強い屈折力を有する反射面
に、本発明のような面対称自由曲面を使うことにより、
偏心方向をY軸、観察者眼球の視線方向をZ軸、Y軸及
びZ軸と直交する軸をX軸とすると、反射面自身に、X
軸上の任意の位置のY方向の傾きを任意に与えることが
できる。これによって、偏心して配置された反射凹面鏡
で発生する像歪み、特に、X軸方向の像高により変化
し、Y軸方向に発生する像歪みを補正することができ
る。つまり、結果として、水平線が弓なりになって観察
される像歪みを良好に補正することが可能となる。
【0027】次に、偏心して配置された凹面鏡により発
生する台形の歪みについて説明する。この像歪みは、観
察者の瞳(眼球側)からの逆追跡により説明すると、瞳
(眼球側)から射出したX軸方向に広がりを持った光線
は、1つの例として、偏心して配置された第2面に当た
って反射されるが、第2面のY軸正の方向の光線とY軸
負側の光線の光路長の違いによりX軸方向の広がりが大
きく異なってから第2面によって反射される。このた
め、Y軸正方向の像の大きさとY軸負方向の像の大きさ
が異なって結像され、結果として観察像が台形の歪みを
持ってしまうものである。
【0028】この歪みは、偏心して配置された反射面に
より発生するので、第2面と限らず、接眼光学系内の偏
心された反射面から同様の台形の歪みが発生する。この
歪みに対しても、本発明の回転非対称面を使うことによ
って補正することが可能となる。これは、回転非対称面
が後記する定義式(b)より明らかなように、Y軸の正
負によってX軸方向に曲率を任意に変えることが可能な
Yの奇数次項とXの偶数次項を持っているためである。
【0029】次に、回転対称な像歪みについて説明す
る。本発明の接眼光学系ように、光学系の最も強い屈折
力を有する反射凹面から離れた位置に光学系の瞳があ
り、かつ、画角が広い光学系では、瞳面側からの逆光線
追跡において糸巻型の回転対称な像歪みが大きく発生す
る。この像歪みの発生を抑えるためには、反射面の周辺
の面の傾きを大きくすることによって可能となる。
【0030】次に、偏心して配置された反射凹面鏡によ
り発生する回転非対称な像面湾曲について説明する。こ
の像面湾曲は観察者眼球からの逆追跡により説明する
と、眼球から射出したX軸方向に広がりを持った光線
は、偏心して配置された光学系の最も強い屈折力を有す
る反射凹面に当たって反射されるが、光線が当たって以
降の像面(像形成手段たる画像表示素子)までの距離
は、光線が当たった部分の曲率の半分である。つまり、
偏心して配置された凹面鏡の反射後の光線の進む方向に
対して傾いた像面を形成する。そこで、本発明の回転非
対称面を使うことにより、Y軸上の正負の方向に対して
任意の点のX軸とY軸方向の曲率を任意に与えることが
できる。これは回転非対称面が後記する定義式(b)よ
り明らかなように、Y軸の正負によって曲率を任意に変
えることが可能なYの奇数次項を持っているためであ
る。これは、偏心して配置された反射凹面鏡で発生する
回転非対称な像面湾曲、特に像面の傾きを補正すること
に対して有効に作用する。
【0031】次に、回転対称な像面湾曲について説明す
る。反射鏡により一般的に反射面に沿った像面湾曲が発
生する。この像面湾曲を補正するためには、任意の場所
で任意の曲率を与えることができる回転非対称面が、そ
の収差補正上好ましい。
【0032】さらに、非点収差に対しては、X軸方向の
2次微分あるいは曲率とY軸方向の2次微分あるいは曲
率の差を適切に変えることによって可能となる。また、
コマ収差に対しては、前記の弓なりの像歪みと同じ考え
方で、X軸上の任意の点のY方向の傾きを任意に与える
ことで補正することができる。
【0033】さらに好ましくは、光学部品製作性を考慮
すると、回転非対称面は必要最低限にすることが望まし
い。そこで、接眼光学系を構成する面のなかで少なくと
も1つの面を平面若しくは球面又は偏心した回転対称面
にすることによって製作性を上げることが可能となる。
【0034】さらに好ましくは、前記接眼光学系の中の
前記画像表示素子に対面する面を平面若しくは球面又は
偏心した回転対称面にすることによって、製作性を上げ
ることが可能となる。
【0035】接眼光学系の最も強い屈折力を有する反射
凹面を回転非対称面にすると、収差発生を抑えたい場合
に有効である。また、接眼光学系を構成する面の中で屈
折面を回転非対称面で構成することによって、コマ収差
の発生を抑えることができる。これは、屈折面で光線が
屈折作用する場合に、軸上主光線に対して面が傾いて配
置されているためである。
【0036】さらに、画像表示素子に面した屈折面を回
転非対称面にすることによって、像歪みの発生を補正す
ることができる。これは、画像表示素子に面した面が結
像位置に近接して配置されているために、他の収差を悪
化させることなく像歪みを補正するのに良い結果を与え
るためである。
【0037】また、接眼光学系の反射作用を有する2つ
の面を回転非対称面にすることによって、各収差はより
一層補正できることは言うまでもない。さらに、回転非
対称面にする面を、接眼光学系を構成する面数内で増や
していくことにより、より良い収差補正できることは言
うまでもない。
【0038】そして、本発明のさらに望ましい構成は、
上記の回転非対称面は、少なくとも接眼光学系の最も強
い屈折力を有する反射凹面に用いられ、その場合のその
反射面の面形状を、その面内及び面外共に回転対称軸を
有せず、しかも、対称面を1つのみ有する面対称自由曲
面とすることである。これは、例えば図8のように座標
系をとった場合に、偏心して配置される面の偏心方向を
含む面であるY−Z面が対称面となるような自由曲面と
することで、逆光線追跡における結像面の像もそのY−
Z面が対称面として両側で対称にすることができ、収差
補正の労力が大幅に削減できるためである。
【0039】なお、本発明における反射作用を有する反
射面には、全反射面、ミラーコート面、半透過反射面等
の反射作用を有する全ての反射面が含まれる。さて、以
上のように、接眼光学系の少なくとも最も強い屈折力を
有する反射凹面に対称面を1つのみ有する面対称自由曲
面を用いた場合に、さらに、以下の条件を満足すること
によって広画角で、かつ、収差補正の行われた接眼光学
系を提供することができる。
【0040】まず、上述の定義に従ってX軸、Y軸、Z
軸が決まったとき、瞳位置中心を射出し、画像表示素子
に入射する主光線の中、X方向画角ゼロ、X方向最大画
角、Y正方向最大画角、Y方向画角ゼロ、Y負方向最大
画角のX方向、Y方向の組み合わせにより、次の表−1
のように6つの主光線が定まる。
【0041】
【表1】
【0042】すなわち、上記の表−1中に記載したよう
に、画面中心の視軸方向の軸上主光線を2とし、上側中
心画角の主光線を1、右上画角の主光線を4、右中心画
角の主光線を5、右下画角の主光線を6、下側中心画角
の主光線を3とする。そして、これらの主光線1〜6が
各面と交差する領域を有効領域と定義し、その有効領域
で各面の形状を定義する式(Z軸を面の軸として表した
式、あるいは、その面を偏心がないとして、Z=f
(X,Y)の形式で表した式)の面の偏心方向に当たる
Y軸方向の曲率をCY1〜CY6とする。また、それと
直交するX軸方向の曲率をCX1〜CX6とする。
【0043】まず、本発明の特徴である反射面に光学系
全体の中の主な屈折力を与える偏心光学系では、各像位
置毎に異なる収差が発生するので、反射面の形状を変化
させて各収差の補正を行わなければならなく、その量は
反射面の場所により微妙に異なる。そこで、接眼光学系
を構成する最も強い屈折力を有する反射凹面では、次に
述べる条件式を満足することが重要になる。
【0044】軸上主光線2が反射する部分のX方向の曲
率CX2と、観察画角の最大光線1、3〜6が各面と当
たる部分のX方向の曲率CXn(nは1、3〜6)の差
であるCXn−CX2をCXn1Mとし、その全ての値
が、 −0.03<CXn1M<0.03(1/mm) ・・・(1−1) なる条件式を満足することが、収差補正上好ましい。た
だし、球面は、本条件内に入るが、球面で偏心面を構成
すると、軸上において非点収差を完全に補正することが
困難になり、非点収差が残留することになり、視野中心
においても鮮明な観察像を観察することが難しくなる。
また、トロイダル面も本条件内に入るが、トロイダル面
で偏心面を構成すると、軸上の非点収差の補正は可能だ
が、軸外においての曲率の自由度が限られてしまい、例
えば、右上画角の主光線を4、右中心画角の主光線を
5、右下画角の主光線を6、とした時に曲率が、同じも
しくは近い値になるので、観察画角全体で広く平坦な観
察像を観察することができなくなってしまう。
【0045】これらを補正するためには、対称面を1面
しか持たない面対称自由曲面で光学系中最も大きな反射
屈折力を持つ反射面を構成し、猶且つ、上記条件式(1
−1)を満足することにより、初めて各収差が良好に補
正され、しかも軸上においても非点収差のない観察像を
観察することが可能となる。
【0046】上記条件式の上限の0.03と下限の−
0.03を越えると、有効領域内の面の曲率が大きく異
なりすぎ、接眼光学系の中で最も強い屈折力を有する面
の有効域全体の曲率が大きく変化しすぎてしまい、観察
画角全体で広く平坦な観察像を観察することができなく
なってしまう。
【0047】さらに好ましくは、 −0.01<CXn1M<0.01 (1/mm) ・・・(1−2) なる条件式を満足することが、観察画角が30°を越え
る場合に重要となってくる。
【0048】さらに好ましくは、 −0.005<CXn1M<0.01 (1/mm) ・・・(1−3) なる条件式を満足することが重要であり、観察画角が4
0°を越える場合に重要となってくる。
【0049】さらに好ましくは、 −0.003<CXn1M<0.006(1/mm) ・・・(1−4) なる条件式を満足することが、重要となってくる。上記
条件式(1−2)、(1−3)、(1−4)は共に、広
い観察画角において良好な観察像を得るために必要なも
のである。
【0050】 0.00001<|CXn1M|<0.03(1/mm)・・・(1−1′) 0.00001<|CXn1M|<0.01(1/mm)...(1−2′) 0.00001<|CXn1M|<0.006(1/mm)・・・(1−3′) でも構わない。
【0051】さらに好ましくは、すべての偏心して配置
された反射面と、透過面で上記条件式を満足することが
好ましい。次に、上記条件式(1−1)と同様に、接眼
光学系を構成する最も強い屈折力を有する反射凹面で軸
上主光線2が反射する部分のY方向の曲率CY2と、観
察画角の最大光線1、3〜6が各面と当たる部分のY方
向の曲率CYn(但しnは1、3〜6)との差であるC
Yn−CY2をCYn2Mとし、その全ての値が、 −0.03<CYn2M<0.03(1/mm) ・・・(2−1) なる条件式を満足することが、収差補正上好ましい。た
だし、球面と、トロイダル面は、本条件内に入るが、
(1−1)で述べた理由より、非点収差と像面湾曲、そ
の他各収差の発生が大きくなる。つまり、ここでは、条
件式(1−1)と条件式(2−1)の両方が共に条件内
に入っていることが重要であることは言うまでもない。
【0052】上記条件式(2−1)の上限の0.03と
下限の−0.03を越えると、有効領域内の面の曲率が
大きく異なりすぎ、接眼光学系の中で最も強い屈折力を
有する面の有効域全体の曲率が大きく変化しすぎてしま
い、観察画角全体で広く平坦な観察像を観察することが
できなくなってしまう。
【0053】さらに好ましくは、 −0.01<CYn2M<0.02(1/mm) ・・・(2−2) なる条件式を満足することが、観察画角が30°を越え
る場合に重要となってくる。
【0054】さらに好ましくは、 −0.005<CYn2M<0.015(1/mm) ・・・(2−3) なる条件式を満足することが重要であり、観察画角が4
0°を越える場合に重要となってくる。
【0055】さらに好ましくは、 −0.003<CXn2M<0.010(1/mm) ・・・(2−4) なる条件式を満足することが、重要となってくる。上記
条件式(2−2)、(2−3)、(2−4)は共に、広
い観察画角において良好な観察像を得るために必要なも
のである。
【0056】 0.00001<|CYn2M|<0.03(1/mm)・・・(2−1′) 0.00001<|CYn2M|<0.02(1/mm)・・・(2−2′) 0.00001<|CYn2M|<0.01(1/mm)・・・(2−3′) でも構わない。
【0057】さらに好ましくは、すべての偏心して配置
された反射面と、透過面で上記条件式を満足することが
好ましいのは、言うまでもない。次に、反射面の傾きに
関する条件式を示す。本発明の特徴である反射面に光学
系全体の中の主な屈折力を与える本発明の偏心光学系で
は、偏心により発生する回転非対称な像歪みの発生が問
題となる。本条件式は特に台形になる像歪みの中でも台
形の上辺と底辺の長さを同じにする為の条件である。こ
れの歪みを補正するためには、各像位置毎に異なる傾き
を反射面に与えて、歪み収差を補正する必要があり、そ
の量は反射面の場所により微妙に異なる。ここで、Y軸
方向を上下方向として、画面中心のZ軸方向の軸上主光
線、画画右中心画角の主光線が対象面と交差する領域内
で、その面の形状を定義する式のX軸方向の面の傾きを
DXnとすると、次に述べる条件式を満足することが歪
み収差を補正するために重要である。
【0058】接眼光学系を構成する最も強い屈折力を有
する反射凹面での観察画角のX方向最大光線4〜6のX
軸方向の面の傾きDX4、DX5、DX6をDXn3M
とすると、その全ての値が、 −0.8<DXn3M<0 (1/mm) ・・・(3−1) なる条件式を満足することが、収差補正上好ましい。た
だし、トロイダル面は、本条件内に入るが、トロイダル
面で偏心面を構成すると、条件式を満足しているが、D
X4、DX5、DX6が同じ値になり、偏心により発生
する回転対称な像歪みを補正することができない。これ
らを補正するためには、対称面を1面しか持たない面で
光学系中最も大きな反射屈折力を持つ反射面を構成し、
なおかつ、上記条件式(3−1)を満足することによ
り、初めて各収差が良好に補正され、収差の少ない観察
像を観察することが可能となる。
【0059】上記条件式(3−1)の上限の0.8と下
限の0を越えると、有効領域内の面の傾きが偏心により
発生する像歪みの発生を補正しきれなくなり、回転対称
ではない歪みの発生が大きくなってしまう。
【0060】さらに好ましくは、 −0.5<DXn3M<0 (1/mm) ・・・(3−2) なる条件式を満足することが重要であり、観察画角が2
0°を越える場合に重要となってくる。
【0061】さらに好ましくは、 −0.5<DXn3M<−0.1(1/mm) ・・・(3−3) なる条件式を満足することが重要であり、観察画角が3
0°を越える場合に重要となってくる。
【0062】さらに好ましくは、 −0.3<DXn3M<−0.1 (1/mm) ・・・(3−4) なる条件式を満足することが重要であり、観察画角が4
0°を越える場合に重要となってくる。
【0063】さらに、好ましくは、 −0.3<DXn3M<−0.2 (1/mm) ・・・(3−5) なる条件式を満足することが重要であり、観察画角が3
0°を越え、台形歪みを極力おさえる場合に重要となっ
てくる。上記条件式(3−2)、(3−3)、(3−
4)、(3−5)は共に、広い観察画角において良好な
観察像を得るために必要なものである。
【0064】さらに、前記で定義したDXn3Mの「最
大値−最小値」をDX3" とすると、DX3" が次の条
件を満足するのが重要となる。
【0065】 0<DX3" <0.1(1/mm) ・・・(3−1" ) 上記条件式(3−1" )の上限の0.1と下限の0を越
えると、上辺と底辺の長さの異なる像歪みを補正しきれ
なくなり、偏心光学系独特の台形像歪みの発生が大きく
なってしまう。
【0066】さらに好ましくは、 0<DX3" <0.05(1/mm) ・・・(3−2" ) なる条件式を満足することが重要であり、観察画角が3
0°を越える場合に重要となってくる。
【0067】さらに好ましくは、 0<DX3" <0.03(1/mm) ・・・(3−3" ) なる条件式を満足することが重要であり、観察画角が4
0°を越える場合に重要となってくる。上記条件式(3
−2" )、(3−3" )は共に、広い観察画角において
良好な観察像を得るために必要なものである。
【0068】また、反射凹面から離れた位置に光学系の
瞳があり、かつ、画角の広い光学系では、瞳面側からの
逆光線追跡において糸巻型の回転対称な像歪みが大きく
発生する。この像歪みと偏心による台形歪みとを同時に
且つ効果的に抑えるには、接眼光学系を構成するもう一
つの反射面が次の条件式を満足することが重要である。
ここで、観察画角のX方向最大光線4〜6(前記表−1
に記載の4〜6に該当する光線)のあたる位置でのX軸
方向の面の傾きをDX´4、DX´5、DX´6とし、
|DX´5−DX´4|及び|DX´5−DX´6|を
共にαとしたときに、 −0.12<DX´5<−0.08(1/mm)・・・(3.1−1) α < 0.05 (1/mm) ・・・(3.1−1" ) なる条件を満足することが重要である。
【0069】上記条件式(3.1−1)の上限の−0.
08を越えると、偏心による台形歪みの発生が補正しき
れず、下限の−0.12を越えると、X方向最大光線の
反射領域において面の傾きが大きく、台形歪みが補正過
剰となってしまい望ましくない。また、上記条件式
(3.1−1" )は、観察画角の異なる点において焦点
距離が異なっていても、縦横比が変わらないための条件
式である。
【0070】さらに好ましくは、 −0.11<DX´5<−0.09(1/mm)・・・(3.1−2) α < 0.04 (1/mm) ・・・(3.1−2" ) なる条件を満足することが上記条件式(3.1−1)及
び上記条件式(3.1−1" )の効果をより顕著にさせ
る意味で重要である。
【0071】前記説明のように、偏心して配置された面
は、その面に当たる光線高の違いにより、回転非対称な
像歪みが発生する。この回転非対称な像歪みを補正する
には、軸上主光線に対して偏心して配置された反射面が
上記条件式を満足することが重要となる。
【0072】さらに好ましくは、すべての偏心して配置
された反射面と、透過面で上記条件式を満足することが
好ましいのは、言うまでもない。次に、偏心光学系独特
の非対称な像歪みとして、台形になる像歪みの他に、水
平方向の直線が弓なりに結像する像歪みや、瞳面側から
の逆光線追跡における糸巻型の回転対称な像歪みも発生
する。この弓なりの像歪みと糸巻型の回転対称な像歪み
の発生を小さくする条件について説明する。
【0073】接眼光学系を構成する最も強い屈折力を有
する反射凹面において次に述べる条件式を満足すること
により、水平方向の直線が弓なりに結像する像歪みの発
生を少なくする事が可能となる。この条件は、反射凹面
の画面右上画角の主光線4と画面右下画角の主光線6、
画面中心下画角の主光線3、画面中心上画角の主光線1
が対象面と交差する部分で、面の形状を定義する式の面
の偏心方向に当たるY軸方向の面の傾きをDY4、DY
6、DY1、DY3として、DY6−DY4、DY3−
DY1をDy4Mとするとき、その全ての値が、 0<Dy4M<0.7(1/mm) ・・・(4−1) なる条件式を満足することが、収差補正上好ましい。た
だし、本条件内に入るトロイダル面で、偏心面を構成す
ると、DY6−DY4、DY3−DY1が同じ値にな
り、偏心により発生する弓なりの像面湾曲を補正するこ
とができない。これらを補正するためには、対称面を1
面しか持たない面で光学系中最も大きな反射屈折力を持
つ反射面を構成し、なおかつ、上記条件式(4−1)を
満足することにより、初めて各収差が良好に補正され、
収差の少ない観察像を観察することが可能となる。
【0074】上記条件式(4−1)の下限の0を越える
と、有効領域内の右中央部のY方向の傾きが少なくなり
すぎ、弓なりの像面湾曲の発生を補正しきれなくなる。
また上限の0.7を越えると、補正過剰になり逆方向に
大きく発生してしまう。
【0075】さらに好ましくは、 0.15<Dy4M<0.6(1/mm) ・・・(4−2) なる条件式を満足することが、観察画角が30°を越え
る場合に重要となってくる。
【0076】さらに好ましくは、 0.15<Dy4M<0.4(1/mm) ・・・(4−3) なる条件式を満足することが重要であり、観察画角が4
0°を越える場合に良好な像を得るうえで重要となって
くる。
【0077】さらに好ましくは、 0.2<Dy4M<0.4(1/mm) ・・・(4−4) なる条件式を満足することがより重要であり、観察画角
が40°を越える場合により良好な像を得るうえで重要
となってくる。。
【0078】さらに、DY3−DY1の値が、下記を満
足していることが、好ましい。 −1.0<DY3−DY1<1.0(1/mm) ・・・(4−1" ) さらに好ましくは、 0 <DY3−DY1<0.5(1/mm) ・・・(4−2" ) なる条件式を満足することが重要である。さらに好まし
くは、 0.1<DY3−DY1<0.4(1/mm) ・・・(4−3" ) なる条件式を満足することが重要である。
【0079】さらに好ましくは、 0.2<DY3−DY1<0.4(1/mm) ・・・(4−4" ) なる条件式を満足することが重要である。
【0080】さらに、前記で定義したDy4Mの「最大
値−最小値」をDY4""とすると、DY4""が次の条件
を満足するのが重要となる。 0<DY4""<0.1(1/mm) ・・・(4−1"") 上記条件式(4−1" )の上限の0.1と下限の0を越
えると、弓なりに発生した像歪みを補正しきれなくな
り、偏心光学系独特の弓なりの像歪みの発生が大きくな
ってしまう。
【0081】さらに好ましくは、 0<DY4""<0.06(1/mm) ・・・(4−2"") なる条件式を満足することが重要であり、観察画角が3
0°を越える場合に重要となってくる。
【0082】さらに好ましくは、 0<DY4""<0.04(1/mm) ・・・(4−3"") なる条件式を満足することが重要であり、観察画角が4
0°を越える場合に重要となってくる。
【0083】上記条件式(4−2"")、(4−3"")は
共に、広い観察画角において良好な観察像を得るために
必要なものである。さらに、接眼光学系を構成する前記
最も強い屈折力を有する反射面以外の他の反射面が、次
の条件式を満足することで糸巻型の回転対称な像歪みと
弓なりに発生する像歪みを、より効果的に抑えることが
できる。前記(4−1)の条件式と同様に、前記最も強
い屈折力を有する反射面以外の他の反射面に対しても、
DY6、DY4、DY3、DY1を設定し、DY6−D
Y4,DY3−DY1を共にDy4.1Mとするとき、 0.05<Dy4.1M<0.2(1/mm) ・・・(4.1−1) なる条件式を満足することが、収差補正上好ましい。
【0084】上記条件式(4.1−1)の上限の0.2
を越えると有効領域内の右側中央部での面の傾きが大き
くなりすぎ、弓なりの像歪みを過剰に補正してしまう。
また、下限の0.05を越えると弓なりの像歪みを補正
しきれなくなってしまい望ましくない。
【0085】さらには、 0.06<Dy4.1M<0.15(1/mm) ・・・(4.1−2) なる条件式を満足することが、観察画角30゜を越える
広い観察画角の場合に良好な観察画角を得るために望ま
しい。
【0086】さらに好ましくは、 0.08<Dy4.1M<0.12(1/mm) ・・・(4.1−3) なる条件式を満足することである。、この条件式(4.
1−3)は、上記条件式(4.1−2)よりも効果的に
収差が補正でき、観察画角30゜を越える広い観察画角
の場合により望ましい。
【0087】さらに、接眼光学系を構成する前記最も強
い屈折力を有する反射面以外の他の反射面が、次の条件
式を満足することで、広範囲な観察画角における偏心に
よる像歪みを、良好に補正した光学系を提供することが
可能となる。ここで、前記表−1に基づく軸上主光線2
と右上画角の主光線4と右下画角の主光線6との夫々の
Y軸方向の面の傾きをDY2、DY4、DY6としたと
きに、DY6−DY2をDY62、DY4−DY2をDY
42と定義したときに、 −0.05<DY62<0.05(1/mm) ・・・(4.2−1) −0.15<DY42<0(1/mm) ・・・(4.2−1" ) なる条件を満足することが重要である。
【0088】図8を用いて、上記条件式(4.2−1)
及び(4.2−1" )を、観察者瞳側からの逆光線追跡
で説明する。図8の接眼光学系7の特徴として、最も強
い屈折力を有する第2面4の反射凹面が大きく偏心して
傾いているので、偏心による収差が大きく発生する。こ
の偏心による収差は、前記最も強い屈折力を有する反射
面(第2面4)以外の反射面(図8の接眼光学系は2回
反射タイプなので1つしかない)である第1面3で補正
することが好ましい。そして、具体的には第1面3の反
射部分の内、反射領域と透過領域の重ならない第1面3
の画像表示素子6側の部分(以下、α1とする)及び、
反射領域と透過領域の重なる部分(以下、β1とする)
の傾きを大きくすることが好ましい。しかし、β1は、
観察者瞳1からの光線が接眼光学系7に入射する際には
透過領域として機能するものであり、β1の反射部分の
傾きが大きいと、第2面4での反射領域が広範囲にな
り、第2面4での偏心による収差がより大きく発生して
しまうということになる。つまり、第1面3で偏心によ
る収差を補正し、猶且つ、第2面4での偏心により発生
する収差を小さく抑えるためには、上記条件式(4.2
−1)を満足するようにβ1での傾きを小さくしてや
り、猶且つ、上記条件式(4.2−1" )を満足するよ
うにα1での傾きを大きくしてやることが望ましいので
ある。しかし、このα1での傾きを大きくすることにも
限度があり、下限値の−0.15を越える場合には、面
の傾きが大きくなり過ぎてしまい、偏心による像歪みを
過剰に補正することから望ましくない。
【0089】さらに好ましくは、 −0.03<DY62<0.03(1/mm) ・・・(4.2−2) −0.12<DY42<−0.05(1/mm) ・・・(4.2−2" ) なる条件を満足することが重要である。
【0090】上記条件式(4.2−2)及び(4.2−
2" )は共に、上記条件式(4.2−1)及び(4.2
−1" )で得られる効果をより顕著にするためのもので
あり、広い観察画角の場合に良好な観察像を得るために
好ましいものである。
【0091】次に、接眼光学系の射出瞳中心を通り、被
観察像中心に達する軸上主光線2が、接眼光学系を構成
する最も強い屈折力を有する反射凹面に当たる部分のX
方向の曲率をCX5A、Y方向の曲率をCY5Aとする
とき、 −0.1<CX5A<−0.001(1/mm) ・・・(5−1) −0.1<CY5A<−0.001(1/mm) ・・・(5−1" ) なる条件を共に満足することが望ましい。
【0092】これは、面対称自由曲面としての反射面の
軸上主光線に対する反射屈折力をゼロ以外にすることに
よって、瞳と結像面(画像表示素子面)との間の距離が
縮小でき、頭部装着型画像表示装置をコンパクトで軽量
に構成できるために設定した条件である。共に下限の−
0.1、上限の−0.001を越えると、コンパクトな
接眼光学系を構成することが困難になる。さらに好まし
くは、 −0.05<CX5A<−0.005(1/mm) ・・・(5−2) −0.05<CY5A<−0.005(1/mm) ・・・(5−2" ) なる条件を共に満足することが望ましい。
【0093】さらに好ましくは、 −0.025<CX5A<−0.008(1/mm) ・・・(5−3) −0.025<CY5A<−0.008(1/mm)・・・(5−3" ) なる条件を共に満足することが望ましい。このようにす
ることによって、頭部装着型画像表示装置の接眼光学系
の最も大きな屈折力を担う面の凹面鏡に本発明の面対称
自由曲面を導入して、全系の像歪み、非点収差、コマ収
差等の諸収差を良好に補正することができる。
【0094】次に、本発明の光学系の焦点距離に関する
条件式を示す。本発明の光学系は面が偏心しており、そ
の面の形状が、面内及び面外共に回転対称軸を有しない
非回転対称面形状であることが特徴であるので、近軸計
算から焦点距離を導くことは意味がないので、今回、焦
点距離を次のように定義した。
【0095】観察者眼球からの逆追跡により説明する
と、瞳中心からX方向に+1mmの点を通り、画面中心
画角の光線を単光線追跡をしたときの、射出光線NA
(画面中心画角の主光線との差)の逆数を焦点距離Fx
6Aと定義する。
【0096】次に、瞳中心からY方向に+1mmの点を
通り、画面中心画角の光線を単光線追跡をしたときの、
射出光線NA(画面中心画角の主光線との差)の逆数を
焦点距離Fy6Aと定義する。
【0097】この時、接眼光学系の、焦点距離Fx6A
と焦点距離Fy6Aが次に述べる条件式を満足すること
が重要になる。 10<Fx6A<50(mm) ・・・(6−1) 10<Fy6A<50(mm) ・・・(6−1" ) Fx6A、Fy6Aに、上記条件式の上限の50を越え
てしまうと、観察画角が小さくなるとともに光学系全体
が大きくなりすぎてしまう。下限の10を越えると、観
察者眼球や観察者顔面と、接眼光学系との干渉が生じて
いまい、補正しきれない量の収差も発生してしまう。こ
れら条件は、画像表示素子の大きさによって、最も良い
値が異なるので、画像表示素子の大きさにより、それぞ
れベストの値をとることが重要である。
【0098】さらに好ましくは、 15<Fx6A<40(mm) ・・・(6−2) 15<Fy6A<40(mm) ・・・(6−2" ) なる条件式を満足することが、重要となってくる。
【0099】さらに好ましくは、 15<Fx6A<35(mm) ・・・(6−3) 15<Fy6A<35(mm) ・・・(6−3" ) なる条件式を満足することが、重要となってくる。
【0100】次に、上記(6−1)で定義した焦点距離
を用いた条件式について説明する。前記接眼光学系を構
成する最も強い屈折力を有する反射凹面の部分焦点距離
を定義する。軸上主光線2が反射する部分のX方向の曲
率CX2を用いて、この面での部分焦点距離Fx2を
(1/CX2)/(2Nd)、部分焦点距離Fy2を
(1/CY2)/(2Nd)とした。ここでNdは、用
いた媒質(ガラス又はプラスチック樹脂)のd線(波長
587.56nm)における屈折率である。
【0101】(6−1)では、前記接眼光学系の全体の
焦点距離を求めたが、この焦点距離と部分焦点距離Fx
2との比(|Fx2/Fx6A|)をFx7A、この焦
点距離と部分焦点距離Fy2との比(|Fy2/Fy6
A|)をFy7Aとすると 0.5<Fx7A<2.5 ・・・(7−1) 0.5<Fy7A<2.5 ・・・(7−1´) を満足することが好ましい。これは、接眼光学系のパワ
ーと、最も強い屈折力を有する反射凹面鏡のパワーの比
であり、上記条件式の上限4.0を越えてしまうと、他
の面でのパワー負担が大きくなるので、収差補正がしき
れなくなってしまう。下限の0.5を越えてしまうと、
最も強い屈折力を有する反射凹面鏡のパワーが強すぎる
ので、補正しきれない量の収差も発生してしまう。これ
ら条件は、画像表示素子の大きさによって、最も良い値
が異なるので、画像表示素子の大きさにより、それぞれ
ベストの値をとることが重要である。
【0102】さらに好ましくは、 0.5<Fx7A<1.5 ・・・(7−2) 0.5<Fy7A<1.5 ・・・(7−2´) なる条件式を満足することが、重要となってくる。
【0103】さらに好ましくは、 0.7<Fx7A<1.3 ・・・(7−3) 0.7<Fy7A<1.3 ・・・(7−3´) なる条件式を満足することが、重要となってくる。
【0104】さらに好ましくは、 0.7<Fx7A<0.9 ・・・(7−4) 0.9<Fy7A<1.1 ・・・(7−4´) なる条件式を満足することが重要であり、上記条件式
(7−2)と(7−2´)、(7−3)と(7−3
´)、(7−4)と(7−4´)、は共に広い観察画角
において良好な観察像を得るために必要なものである。
【0105】次に、軸上付近での水平方向と垂直方向の
観察像が、歪みも少なく観察できるための条件を示す。
上記(6−1)で定義した焦点距離を用いた条件式のF
x6A、Fy6Aを用いて、| Fx6A/Fy6A
|をF8Aとすると 0.5<F8A<1.5 ・・・(8−1) なる条件式を満足することが、重要となってくる。
【0106】さらに好ましくは、 0.8<F8A<1.2 ・・・(8−2) なる条件式を満足することが、重要となってくる。
【0107】さらに好ましくは、 0.9<F8A<1.1 ・・・(8−3) なる条件式を満足することが、重要となってくる。
【0108】次に、射出瞳中心を通り、被観察像中心に
達する軸上主光線2が、接眼光学系を構成する最も強い
屈折力を有する反射凹面に当たる部分のY方向の曲率を
CY9A、X方向の曲率をCX9Aとするとき、 0.1<| CX9A/CY9A |<3 ・・・(9−1) なる条件式を満足することが望ましい。
【0109】これは、偏心して配置されている反射凹面
鏡で非点収差の発生を少なくするために必要となる条件
である。球面の場合、CX9A/CY9A=1となる
が、偏心して配置された球面では、像歪みを初め、非点
収差、コマ収差等が大きく発生する。そのため、球面で
偏心面を構成すると、軸上において非点収差を完全に補
正することが困難になり、非点収差が残留することにな
り、視野中心においても鮮明な観察像を観察することが
難しくなる。これらを補正するためには、対称面を1面
しか持たない面で光学系中最も大きな反射屈折力を持つ
反射面を構成し、なおかつ、上記条件式(9−1)を満
足することにより、初めて各収差が良好に補正され、し
かも軸上においても非点収差のない観察像を観察するこ
とが可能となる。上限の3と下限の0.1については、
非点収差が大きく発生しないための限界である。
【0110】さらに好ましくは、 0.5<CX9A/CY9A<2 ・・・(9−2) なる条件を満足することが重要である。
【0111】また、さらに好ましくは、 0.5<CX9A/CY9A<1.5 ・・・(9−3) なる条件を満足することが重要である。
【0112】また、さらに好ましくは、 0.8<CX9A/CY9A<1.4 ・・・(9−4) なる条件を満足することが重要である。
【0113】さらに好ましくは、全ての反射面が上記条
件式を満足することが好ましい。上記条件式(9−2)
〜(9−4)の上限と下限の意味は、条件式(9−1)
と同じであるが、観察像の明るさにより変化する観察者
眼球の瞳径により、非点収差の許容値が異なるため、瞳
径が大きくなる程条件式(9−4)を満足することが好
ましい。
【0114】さらに望ましくは、 0.1<CX9A/CY9A<0.9999(1/mm)…(9−1' ) 0.5<CX9A/CY9A<0.9999(1/mm)…(9−2' ) 0.5<CX9A/CY9A<0.9999(1/mm)…(9−3' ) 0.8<CX9A/CY9A<0.9999(1/mm)…(9−4' ) 1.0001<CX9A/CY9A<3.0(1/mm)…(9−1'') 1.0001<CX9A/CY9A<2.0(1/mm)…(9−2'') 1.0001<CX9A/CY9A<1.5(1/mm)…(9−3'') 1.0001<CX9A/CY9A<1.4(1/mm)…(9−4'') でも構わない。
【0115】次に、接眼光学系のうち画像表示素子に対
向している面が、下記に述べる条件を満足することが重
要になる。これは、偏心して配置されたパワーを持つ面
で発生する像歪みを補正する条件である。
【0116】接眼光学系の画像表示素子に対向している
面において、観察画角の最大光線1、3、4、6が、透
過する部分のX方向の曲率を、CX1、CX3、CX
4、CX6とし、Y方向の曲率を、CY1、CY3、C
Y4、CY6としたとき、CX3/CX1、CX6/C
X4、をCX10Aとおき、CY3/CY1、CY6/
CY4をCY10Aとする。
【0117】この時、CX10A、CY10Aのどれか
1つ以上が以下の条件式を満足することが好ましい。 1.2<| CX10A | ・・・(10−1) 1.2<| CY10A | ・・・(10−1" ) なる条件式を満足することが、収差補正上好ましい。
【0118】本発明のように、偏心した反射面が主な光
学的パワーを有する光学系は、偏心による像歪みが発生
するが、この像歪みの補正には、収差にあまり大きく影
響をしない面である、画像表示素子に対向している面で
の補正が効果的である。上記条件式において、CX3/
CX1、CX6/CX4、CY3/CY1、CY6/C
Y4の4つ全てが絶対値で1.2以下であると、この画
像表示素子に対向している面の有効領域内の部分的曲率
の変化が少ないため、偏心による像歪みの補正がしきれ
なくなる。これらを補正するためには、対称面を1面し
か持たない面で画像表示素子に対向している面を構成
し、なおかつ、上記条件式(10−1)を満足すること
が好ましい。
【0119】さらに好ましくは、 1.5<| CX10A | ・・・(10−2) 1.5<| CY10A | ・・・(10−2" ) なる条件式を満足することが重要であり、観察画角が2
0゜を越える場合に重要となってくる。
【0120】さらに好ましくは、 3.0<| CX10A | ・・・(10−3) 3.0<| CY10A | ・・・(10−3" ) なる条件式を満足することが重要である。
【0121】さらに好ましくは、 5.0<| CX10A | ・・・(10−4) 5.0<| CY10A | ・・・(10−4" ) なる条件式を満足することが重要であり、観察画角が3
0°を越える場合に重要となってくる。
【0122】さらに好ましくは、 10.0<| CX10A | ・・・(10−5) 10.0<| CY10A | ・・・(10−5"") なる条件式を満足することが重要であり、上記条件式
(10−2)、(10−3)、(10−4)、(10−
5)は共に、広い観察画角において良好な像を得るため
に必要なものである。
【0123】さて、以上の条件(1−1)から(10−
5" )については、接眼光学系を構成する何れかの反射
面の面形状を、その面内及び面外共に回転対称軸を有せ
ず、しかも、対称面を1つのみ有する面対称自由曲面だ
けでなく、その面内及び面外共に回転対称軸を有しない
アナモルフィック面で形成した場合にも、すなわち、そ
の面内及び面外共に回転対称軸を有しない非回転対称面
形状にした何れの場合にも適用できる。
【0124】なお、以上の各種条件に関しては、主して
図11に示すような第1面3、第2面4、第3面5から
なり、その間が屈折率(n)が1よりも大きい(n>
1)媒質で満たされたプリズム部材7を用いる接眼光学
系を前提にして説明したが、その他のプリズム部材も本
発明内であれば同様に適用できる。
【0125】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の頭部装着型画像
表示装置の実施例1〜7について説明する。後述する各
実施例の構成パラメータにおいては、図1〜7に示すよ
うに、接眼光学系7の射出瞳1を光学系の原点として、
光軸2を画像表示素子6の表示中心と射出瞳1の中心
(原点)とを通る光線で定義し、射出瞳1から光軸2に
進む方向をZ軸方向、このZ軸に直交し射出瞳1中心を
通り、光線が接眼光学系7によって折り曲げられる面内
の方向をY軸方向、Z軸、Y軸に直交し射出瞳1中心を
通る方向をX軸方向とし、射出瞳1から接眼光学系7に
向かう方向をZ軸の正方向、光軸2から画像表示素子6
方向をY軸の正方向、そして、これらZ軸、Y軸と右手
系を構成する方向をX軸の正方向とする。なお、光線追
跡は接眼光学系7の射出瞳1の側を物体側として、画像
表示素子6側を像面側とした逆追跡により行っている。
【0126】そして、偏心量Y、Z、傾き量θが記載さ
れている面については、光学系の原点である射出瞳1か
らのずれ量及びZ軸に対する傾き角を表している。な
お、傾き角は反時計回りの方向を正としている。なお、
面間隔については、意味を有しない。
【0127】また、アナモルフィック面の形状は以下の
式により定義する。面形状の原点を通り、光学面に垂直
な直線がアナモルフィック面の軸となる。 Z=(CX・X2 +CY・Y2 )/[1+{1−(1+
Kx)CX2 ・X2 −(1+Ky)CY2
2 1/2 ]+ΣRn((1−Pn)X2 +(1+P
n)Y2 (n+1) ここで、例としてn=4(4次項)を考えると、展開し
た時以下の式であらわせる。
【0128】 Z=(CX・X2 +CY・Y2 )/[1+{1−(1+Kx) CX2 ・X2 −(1+Ky)CY2 ・Y2 1/2 ] +R1((1−P1)X2 +(1+P1)Y2 2 +R2((1−P2)X2 +(1+P2)Y2 3 +R3((1−P3)X2 +(1+P3)Y2 4 +R4((1−P4)X2 +(1+P4)Y2 5 ・・・・・・・・・(a) ただし、Zは面形状の原点に対する接平面からのずれ
量、CXはX軸方向曲率、CYはY軸方向曲率、Kxは
X軸方向円錐係数、KyはY軸方向円錐係数、Rnは非
球面項回転対称成分、Pnは非球面項回転非対称成分で
ある。なお、後記する実施例の構成パラメータでは、 Rx:X軸方向曲率半径 Ry:Y軸方向曲率半径 を用いており、曲率CX、CYとの間には、 Rx=1/CX,Ry=1/CY の関係にある。
【0129】また、回転非対称面の面の形状は以下の式
により定義する。その定義式のZ軸が回転非対称面の軸
となる。 Z=Σn Σm CnmXm n-m ただし、Σn はΣのnが0〜k,Σm はΣのmが0〜n
を表す。
【0130】また、面対称自由曲面(対称面を一つのみ
有する回転非対称面)を、この回転非対称面を表す式に
より定義する場合は、その対称面により生ずる対称性を
X方向に求める場合はXの奇数次項を0に(例えばX奇
数次項の係数を0にする)、その対称面により生ずる対
称性をY方向に求める場合はYの奇数次項を0に(例え
ばY奇数次項の係数を0にする)すれば良い。
【0131】ここで、例としてk=7(7次項)で、X
方向に対称な面対称自由曲面を、上記定義式を展開した
形で表すと以下の式となる。 Z=C2 +C3 y+C4 x +C5 2 +C6 yx+C7 2 +C8 3 +C9 2 x+C10yx2 +C113 +C124 +C133 x+C142 2 +C15yx3 +C164 +C175 +C184 x+C193 2 +C202 3 +C21yx4 +C225 +C236 +C245 x+C254 2 +C263 3 +C272 4 +C28yx5 +C296 +C307 +C316 x+C325 2 +C334 3 +C343 4 +C352 5 +C36yx6 +C377 ・・・・・・・・・(b) 猶、本式ではX奇数次項の係数(C4,C6,C9・・
・)を0とした。そして、後記する構成のパラメータ中
において、記載のない非球面に関する係数は0である。
また、面と面の間の媒質の屈折率はd線(波長587.56n
m)の屈折率で表す。長さの単位はmmである。
【0132】また、面対称自由曲面の他の定義式とし
て、 Zernike多項式がある。この面の形状は以下の式
(c)により定義する。その定義式のZ軸が Zernike多
項式の軸となる。 X=R×cos (A) Y=R×sin (A) Z=D2 +D3 Rcos(A)+D4 Rsin(A)+D5 2 cos(2A) +D6 (R2 −1)+D7 2 sin(2A) +D8 3 cos(3A) +D9 (3R3 −2R)cos(A)+D10(3R3 −2R) sin(A) +D113 sin(3A) +D124 cos(4A) +D13(4R4 −3R2 )cos(2A) +D14(6R4 −6R2 +1)+D15(4R4 −3R2 )sin(2A) +D164 sin(4A) +D175 cos(5A) +D18(5R5 −4R3 )cos(3A) +D19(10R5 −12R3 +3R) cos(A) +D20(10R5 −12R3 +3R) sin(A) +D21(5R5 −4R3 ) sin(3A) +D225 sin(5A) +D236 cos(6A) +D24(6R6 −5R4 )cos(4A) +D25(15R6 −20R4 +6R2 )cos(2A) +D26(20R6 −30R4 +12R2 −1) +D27(15R6 −20R4 +6R2 ) sin(2A) +D28(6R6 −5R4 ) sin(4A) +D296 sin(6A) ・・・・・・・(c) 猶、今回は、X方向に対称な面として表した。ただし、
Dm (mは2以上の整数)は係数である。
【0133】本発明において使用可能なその他の面の表
現例として、上記定義式(Z=ΣnΣm CnmX
m n-m )を、(b)式と同様、X方向に対称な面でk
=7、X奇数次項の係数を0(C4,C6,C9=0)
とした面を表す場合、以下の式(d)のように展開する
こともできる。
【0134】 Z=C2 +C3 y+C4 |x| +C5 2 +C6 y|x|+C7 2 +C8 3 +C9 2 |x|+C10yx2 +C11|x3 | +C124 +C133 |x|+C142 2 +C15y|x3 | +C164 +C175 +C184 |x|+C193 2 +C202 |x3 | +C21yx4 +C22y|x5 |+C236 +C245 |x| +C254 2 +C263 |x3 |+C272 4 +C28y|x5 | +C296 +C307 +C316 |x|+C325 2 +C334 |x3 |+C343 4 +C352 |x5 |+C36yx6 +C37|x7 | ・・・・・・・・・(d) なお、データの記載されていない非球面に関する項は0
である。屈折率については、d線(波長587.56n
m)に対するものを表記してある。長さの単位はmmで
ある。
【0135】さて、以下の実施例1〜7の接眼光学系7
は、3面で構成されており、その間が屈折率1より大き
い媒質で満たされている。実施例1〜7の接眼光学系7
は、画像表示素子6に対向して偏心配置された透過面で
ある第3面5を経て光学系に入射した画像表示素子6か
らの表示光は、射出瞳1と対向した反射兼透過面である
第1面3で射出瞳より遠ざかる方向に反射をし、射出瞳
と反射兼透過面である第1面3に対向した反射面である
第2面4で反射し、再び反射兼透過面である第1面3を
透過して光学系7から射出して光軸2に沿って進み、中
間像を形成することなく射出瞳1の位置にある観察者の
瞳に入射し、観察者の網膜上に表示像を結像する。
【0136】この実施例1〜7の光軸2を含むY−Z断
面図をそれぞれ図1〜図7に示す。実施例1と5の観察
画角は、水平画角40.0°、垂直画角30.57°、
実施例3と7の観察画角は、水平画角35.0°、垂直
画角26.60°、実施例2の観察画角は、水平画角3
8.0°、垂直画角28.96°、実施例4の観察画角
は、水平画角42.0°、垂直画角32.12°、実施
例6の観察画角は、水平画角45.0°、垂直画角3
4.52°、瞳径は実施例1〜7共に4mmである。以
下に、上記実施例1〜7の構成パラメータを示す。 実施例1 面番号 曲率半径 間隔 屈折率 アッベ数 (偏心量) (傾き角) 1 ∞(瞳) 2 自由曲面1 1.5254 56.25 (第1面) (瞳位置より) Y 18.093 θ 7.31° Z 28.093 3 自由曲面2 1.5254 56.25 (第2面) (瞳位置より) Y 0.319 θ -21.42° Z 39.301 4 自由曲面1 1.5254 56.25 (第1面) (瞳位置より) (反射面) Y 18.093 θ 7.31° Z 28.093 5 自由曲面3 1.0000 0.00 (第3面) (瞳位置より) Y 21.007 θ 60.28° Z 35.793 7 ∞ (瞳位置より) (画像表示面) Y 23.796 θ 45.87° Z 37.786 自由曲面1 C5 -3.8165×10-37 -5.1041×10-38 -2.5266×10-410 -6.6323×10-512 -7.2159×10-614 -6.0053×10-716 -4.3687×10-617 -6.1539×10-819 -3.0747×10-821 -2.8795×10-7 自由曲面2 C5 -7.1431×10-37 -9.9210×10-38 -2.4433×10-510 1.4451×10-512 -1.6195×10-614 2.0812×10-616 1.1224×10-717 1.0309×10-719 -1.0399×10-721 -1.4563×10-7 自由曲面3 C5 -1.9854×10-27 -2.9724×10-28 -9.8981×10-510 6.9263×10-412 -4.6748×10-514 1.0538×10-416 4.4448×10-517 2.0494×10-619 -2.6512×10-621 -2.4647×10-6 実施例2 面番号 曲率半径 間隔 屈折率 アッベ数 (偏心量) (傾き角) 1 ∞(瞳) 2 自由曲面1 1.5254 56.25 (第1面) (瞳位置より) Y 9.991 θ 6.35° Z 28.970 3 自由曲面2 1.5254 56.25 (第2面) (瞳位置より) (反射面) Y 0.312 θ -20.75° Z 38.925 4 自由曲面1 1.5254 56.25 (第1面) (瞳位置より) (反射面) Y 9.991 θ 6.35° Z 28.970 5 自由曲面3 1.0000 0.00 (第3面) (瞳位置より) Y 19.918 θ 58.52° Z 35.844 7 ∞ (瞳位置より) (画像表示面) Y 23.107 θ 42.68° Z 38.090 自由曲面1 C5 -1.7302×10-37 -4.8152×10-38 -1.2157×10-410 -1.0047×10-412 -3.4762×10-614 -5.4078×10-716 -1.8836×10-617 -4.6447×10-819 2.5784×10-821 -2.0873×10-723 3.8332×10-10 25 -6.7009×10-10 27 -2.2102×10-929 -8.1647×10-10 自由曲面2 C5 -7.6128×10-37 -9.8846×10-38 -3.5644×10-510 4.4154×10-612 4.8183×10-714 1.1991×10-716 -1.2538×10-617 -2.4892×10-819 -3.9316×10-821 -7.2362×10-823 1.7469×10-925 -5.6998×10-927 3.3050×10-11 29 -2.7530×10-10 自由曲面3 C5 -2.3435×10-27 -2.4529×10-28 -1.1009×10-310 5.2475×10-412 5.8555×10-514 1.5152×10-416 1.1480×10-417 3.8188×10-619 -3.3787×10-621 -1.6733×10-623 -3.2307×10-725 7.2831×10-827 -2.1094×10-729 -3.2162×10-7 実施例3 面番号 曲率半径 間隔 屈折率 アッベ数 (偏心量) (傾き角)1 ∞(瞳) 2 自由曲面1 1.5254 56.25 (第1面) (瞳位置より) Y 6.449 θ 15.84° Z 32.516 3 自由曲面2 1.5254 56.25 (第2面) (瞳位置より) (反射面) Y 0.782 θ -14.27° Z 43.673 4 自由曲面1 1.5254 56.25 (第1面) (瞳位置より) (反射面) Y 6.449 θ 15.84° Z 32.516 5 自由曲面3 1.0000 0.00 (第4面) (瞳位置より) (反射面) Y 20.361 θ 80.31° Z 37.064 7 ∞ (瞳位置より) (画像表示面) Y 24.568 θ 56.22° Z 39.585 自由曲面1 C5 -3.2633×10-37 -2.8674×10-38 -1.8028×10-510 4.4880×10-512 5.9053×10-714 3.3532×10-616 -1.7695×10-617 -7.2737×10-819 -1.0255×10-721 -1.9604×10-723 -1.5080×10-925 -6.6866×10-927 -5.6917×10-929 -1.3917×10-9 自由曲面2 C5 -8.4065×10-37 -8.6196×10-38 2.6635×10-510 3.1544×10-512 -9.2342×10-714 0.0000 C16 -6.5370×10-717 -3.7317×10-819 -4.5906×10-821 -2.7295×10-823 4.9443×10-925 -2.3766×10-927 -2.4637×10-929 -1.7034×10-9 自由曲面3 C5 -1.9502×10-27 -1.0317×10-28 9.2721×10-410 1.4647×10-312 2.3405×10-514 0.0000 C16 0.0000 C17 -7.5660×10-619 -1.0560×10-521 -4.5094×10-623 1.1597×10-725 6.0398×10-727 3.7657×10-729 1.8098×10-7 実施例4 面番号 曲率半径 間隔 屈折率 アッベ数 (偏心量) (傾き角)1 ∞(瞳) 2 自由曲面1 1.5254 56.25 (第1面) (瞳位置より) Y 12.330 θ 4.14° Z 28.617 3 自由曲面2 1.5254 56.25 (第2面) (瞳位置より) (反射面) Y 0.579 θ -20.79° Z 40.622 4 自由曲面1 1.5254 56.25 (第1面) (瞳位置より) (反射面) Y 12.330 θ 4.14° Z 28.617 5 自由曲面3 1.0000 0.00 (第3面) (瞳位置より) Y 22.504 θ 46.35° Z 36.191 6 ∞ (瞳位置より) (画像表示面) Y 24.395 θ 45.95° Z 37.448 自由曲面1 C5 2.3063×10-37 -5.7432×10-38 -1.2708×10-410 -1.8611×10-412 -7.3886×10-614 5.1153×10-616 4.1947×10-617 -2.8995×10-719 4.7348×10-721 -2.4373×10-723 -4.7209×10-925 8.5811×10-927 -1.1873×10-829 -7.4198×10-9 自由曲面2 C5 -5.2034×10-37 -1.0108×10-28 -1.4607×10-410 -3.8674×10-512 5.8323×10-714 6.1187×10-616 8.3113×10-717 1.1469×10-719 1.0138×10-721 -8.2170×10-823 5.9347×10-925 -9.5587×10-927 -6.0886×10-929 3.2078×10-9 自由曲面3 C5 -2.0125×10-27 -4.1701×10-28 -1.9065×10-310 -1.7714×10-312 -3.0607×10-514 3.0045×10-416 1.3128×10-417 -4.5761×10-619 1.2470×10-521 3.3448×10-623 -3.8549×10-725 -4.2473×10-727 -9.1566×10-729 -3.6298×10-7 実施例5 面番号 曲率半径 間隔 屈折率 アッベ数 (偏心量) (傾き角)1 ∞(瞳) 2 自由曲面1 1.5254 56.25 (第1面) (瞳位置より) Y -22.942 θ 4.12° Z 35.598 3 自由曲面2 1.5254 56.25 (第2面) (瞳位置より) (反射面) Y 0.723 θ -15.12° Z 47.882 4 自由曲面1 1.5254 56.25 (第1面) (瞳位置より) (反射面) Y -22.942 θ 4.12° Z 35.598 5 自由曲面3 1.0000 0.00 (第3面) (瞳位置より) Y 25.082 θ 61.37° Z 40.304 6 ∞ (瞳位置より) (画像表示面) Y 34.412 θ 45.82° Z 47.203 自由曲面1 C5 -8.0312×10-47 -7.3254×10-48 -2.1186×10-510 -1.0171×10-412 -3.8652×10-814 2.3621×10-616 -1.0931×10-617 1.0643×10-919 -1.5119×10-821 -4.1144×10-9 自由曲面2 C5 -5.6208×10-37 -5.4596×10-38 1.7809×10-510 9.8706×10-612 -1.3336×10-714 -5.2841×10-716 -8.9471×10-717 -7.0627×10-919 -1.8241×10-821 9.0696×10-9 自由曲面3 C10 1.9267×10-412 1.6915×10-514 3.5749×10-516 1.4671×10-517 -1.8479×10-719 -5.4557×10-721 -4.2253×10-7 実施例6 面番号 曲率半径 間隔 屈折率 アッベ数 (偏心量) (傾き角)1 ∞(瞳) 2 自由曲面1 1.5254 56.25 (第1面) (瞳位置より) Y -6.157 θ 4.26° Z 30.427 3 自由曲面2 1.5254 56.25 (第2面) (瞳位置より) (反射面) Y 0.344 θ -19.07° Z 45.620 4 自由曲面1 1.5254 56.25 (第1面) (瞳位置より) (反射面) Y -6.157 θ 4.26° Z 30.427 5 自由曲面3 1.0000 0.00 (第3面) (瞳位置より) (反射面) Y 25.914 θ 51.68° Z 40.543 6 ∞ (瞳位置より) (画像表示面) Y 30.565 θ 34.97° Z 45.343 自由曲面1 C5 7.6654×10-47 -3.5475×10-38 1.9585×10-510 1.6023×10-512 -1.4070×10-614 5.0587×10-716 -3.1469×10-917 2.0302×10-919 -3.1226×10-821 -5.4209×10-8 自由曲面2 C5 -4.9320×10-37 -6.5688×10-38 -1.8179×10-510 2.5798×10-512 2.5039×10-714 -8.6018×10-716 -6.8890×10-717 1.3653×10-819 -8.6654×10-921 -1.2045×10-8 自由曲面3 C5 -1.6523×10-27 -1.5234×10-28 -6.4396×10-410 1.5353×10-412 3.9841×10-514 5.1973×10-516 2.4054×10-517 -1.4491×10-619 -1.5381×10-621 -7.3927×10-7 実施例7 面番号 曲率半径 間隔 屈折率 アッベ数 (偏心量) (傾き角)1 ∞(瞳) 2 アナモルフィック面 0.000 1.5254 56.25 (第1面) (瞳位置より) Ry -184.630 Rx -132.495 Ky -55.0420 Y 21.227 θ 26.99° Kx -75.7723 Z 17.407 R1 -4.4928 ×10-8 R2 4.1997 ×10-12 R3 3.2102 ×10-16 R4 -4.8157 ×10-19 P1 -1.0235 P2 8.5660 ×10-1 P3 -3.9343 ×10-1 P4 1.0141 3 Zernike 多項式面1 1.5254 56.25 (第2面) (瞳位置より) (反射面) Y 0.698 θ -41.99° Z 41.754 4 アナモルフィック面 1.5254 56.25 (第1面) (瞳位置より) (反射面)Ry -184.630 Y 21.227 θ 26.99° Rx -132.495 Z 17.407 Ky -55.0420 Kx -75.7723 R1 -4.4928 ×10-8 R2 4.1997 ×10-12 R3 3.2102 ×10-16 R4 -4.8157 ×10-19 P1 -1.0235 P2 8.5660 ×10-1 P3 -3.9343 ×10-1 P4 1.0141 5 アナモルフィック面 1.0000 0.00 (第3面) (瞳位置より) Ry -23.980 Y 20.647 ADE 36.34° Rx -18.844 Z 71.142 Ky -9.3115 Kx -12.6127 R1 9.3378 ×10-8 R2 3.8711 ×10-9 R3 -1.8242 ×10-12 P1 6.6055 P2 -1.1245 P3 -2.7869 P4 5.1046 ×10-1 6 ∞ (瞳位置より) (画像表示面) Y 25.667 θ 52.60° Z 39.317 Zernike 多項式面1 C1 1.0000 C4 -4.9388×10-15 5.0869×10-46 -4.7886×10-310 -2.2218×10-511 -8.5910×10-912 -5.5472×10-813 2.0828×10-814 -2.1213×10-8 以下に、本発明の実施例1〜6における前記条件式(1
−1)〜(10−1)に関するパラメータの値を示す。
【0137】 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 (1-1) CXn-CX2 max 0.0050 0.0008 0.0007 0.0085 min 0.0000 -0.0015 -0.0014 0.0009 (2-1) CYn-CY2 max 0.0011 0.0038 0.0020 0.0101 min -0.0022 -0.0016 0.0007 -0.0021 (3-1)DX4,DX5,DX6 max -0.2364 -0.2430 -0.2234 0.2335 min -0.2604 -0.2574 -0.2326 -0.2683 ma-mi 0.0240 0.0144 0.0092 0.0348 (3.1-1)DX'5 s3 -0.1042 -0.0988 -0.0655 -0.1090 αldx5-dx4l s3 0.0284 0.0287 0.0004 0.0335 αldx5-dx6l s3 0.0372 0.0297 0.0041 0.0686 (4-1) Dy6-Dy4 s2 0.3039 0.3031 0.3511 0.1955 (4-1")Dy3-Dy1 s2 0.3179 0.2971 0.3453 0.2177 ma-mi 0.0139 0.0060 0.0058 0.0222 (4.1-1)Dy6-Dy4 s3 0.0717 0.0970 0.1520 -0.0817 Dy3-Dy1 s3 0.0729 0.0925 0.1549 -0.0596 (4.2-1)Dy6-Dy2 s3 -0.0029 -0.0021 0.0669 -0.1353 Dy4-Dy2 s3 -0.0746 -0.0991 -0.0851 -0.0536 (5-1) CX2 s2 -0.0198 -0.0198 -0.0172 -0.0202 CY2 s2 -0.0143 -0.0152 -0.0168 -0.0104 (6-1) Fx 20.72 21.00 22.86 21.60 Fy 20.50 21.56 23.16 19.36 (7-1) Fx7A s2 0.80 0.79 0.83 0.75 Fy7A s2 1.12 1.00 0.84 1.63 (8-1) Fx/Fy 1.01 0.97 0.99 1.12 (9-1) CX2M/CY2M s2 1.39 1.30 1.03 1.94 (10-1)CX3/CX1 s4 1.45 1.55 8.30 0.71 CX6/CX4 s4 -0.47 14.15 2.47 1.73 CY3/CY1 s4 1.25 0.24 0.48 -0.22 CY6/CY4 s4 0.85 -0.52 -1.11 0.06 実施例5 実施例6 (1-1) CXn-CX2 max 0.0001 0.0005 min -0.0023 -0.0012 (2-1) CYn-CY2 max 0.0011 0.0015 min -0.0009 -0.0003 (3-1) DX4,DX5,DX6 max -0.1795 -0.2246 min -0.1879 -0.2391 ma-mi 0.0084 0.0145 (3.1-1)DX'5 s3 -0.0684 -0.1010 αldx5-dx4l s3 0.0054 0.0193 αldx5-dx6l s3 0.0030 0.0034 (4-1) Dy6-Dy4 s2 0.2858 0.2659 ma-mi 0.0064 0.0122 (4.1-1)Dy6-Dy4 s3 0.1484 0.1181 Dy3-Dy1 s3 0.1566 0.1031 (4.2-1)Dy6-Dy2 s3 0.0659 -0.0015 Dy4-Dy2 s3 -0.0825 -0.1196 (5-1) CX2 s2 -0.0109 -0.0131 CY2 s2 -0.0112 -0.0099 (6-1) Fx 35.38 31.58 Fy 36.13 31.97 (7-1) Fx7A s2 0.85 0.79 Fy7A s2 0.81 1.04 (8-1) Fx/Fy 0.98 0.99 (9-1) CX2M/CY2M s2 0.97 1.33 (10-1) CX3/CX1 s4 2.50 1.28 CX6/CX4 s4 1.81 2.98 CY3/CY1 s4 0.12 -2.03 CY6/CY4 s4 -1.58 -2.09 以上の実施例では、前記定義式(a)、(b)、(c)
のアナモルフィック面、自由曲面、Zernike 多項式面で
構成したが、定義式(d)のように定義した面形状での
設計も可能である。つまり、あらゆる定義の曲面が使え
ることは言うまでもない。しかし、どのような定義式を
用いようとも、本発明に示されている何れかの条件を満
足することにより、また、そのいくつかのものを満足す
ることにより、収差の非常に良く補正された接眼光学系
を得られることは言うまでもない。なお、偏心を無視し
た面の定義座標系の中心で規定される面の曲率、面の焦
点距離等の従来の無偏心系で使われる条件式は、本発明
のように各面が大きく偏心して配置されている場合に
は、何らの意味も持たない。
【0138】なお、以上のような本発明による接眼光学
系と画像表示素子からなる組を左右一対用意し、それら
を眼輻距離だけ離して支持することにより、両眼で観察
できる据え付け型又は頭部装着型画像表示装置のような
ポータブル型の画像表示装置として構成することができ
る。このようなポータブル型の画像表示装置の1例の全
体の構成を図9に示す。表示装置本体50には、上記の
ような接眼光学系が左右1対備えられ、それらに対応し
て像面に液晶表示素子からなる画像表示素子が配置され
ている。本体50に左右に連続して図示のような側頭フ
レーム51が設けられ、両側の側頭フレーム51は頭頂
フレーム52でつながれており、また、両側の側頭フレ
ーム51の中間には板バネ53を介してリアフレーム5
4が設けてあり、リアフレーム54を眼鏡のツルのよう
に観察者の両耳の後部に当て、また、頭頂フレーム52
を観察者の頭頂に載せることにより、表示装置本体50
を観察者の眼前に保持できるようになっている。なお、
頭頂フレーム52の内側には海綿体のような弾性体から
なる頭頂パッド55が取り付けてあり、同様にリアフレ
ーム54の内側にも同様なパッドが取り付けられてお
り、この表示装置を頭部に装着したときに違和感を感じ
ないようにしてある。
【0139】また、リアフレーム54にはスピーカ56
が付設されており、画像観察と共に立体音響を聞くこと
ができるようになっている。このようにスピーカ56を
有する表示装置本体50には、映像音声伝達コード57
を介してポータブルビデオカセット等の再生装置58が
接続されているので、観察者はこの再生装置58を図示
のようにベルト箇所等の任意の位置に保持して、映像、
音響を楽しむことができるようになっている。図示の5
9は再生装置58のスイッチ、ボリューム等の調節部で
ある。なお、頭頂フレーム52の内部に、映像処理・音
声処理回路等の電子部品を内蔵させてある。
【0140】なお、コード57は先端をジャックにし
て、既存のビデオデッキ等に取り付け可能としてもよ
い。さらに、TV電波受信用チューナーに接続してTV
観賞用としてもよいし、コンピュータに接続してコンピ
ュータグラフィックスの映像や、コンピュータからのメ
ッセージ映像等を受信するようにしてもよい。また、邪
魔なコードを排斥するために、アンテナを接続して外部
からの信号を電波によって受信するようにしてもよい。
【0141】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によると、偏心した反射面を有した接眼光学系を広い観
察画角にしても、明瞭で、歪みの少ない観察像を与える
頭部装着型画像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の接眼光学系を用いた頭部装
着型画像表示装置の単眼用の光学系の断面図である。
【図2】本発明の実施例2の接眼光学系を用いた頭部装
着型画像表示装置の単眼用の光学系の断面図である。
【図3】本発明の実施例3の接眼光学系を用いた頭部装
着型画像表示装置の単眼用の光学系の断面図である。
【図4】本発明の実施例4の接眼光学系を用いた頭部装
着型画像表示装置の単眼用の光学系の断面図である。
【図5】本発明の実施例5の接眼光学系を用いた頭部装
着型画像表示装置の単眼用の光学系の断面図である。
【図6】本発明の実施例6の接眼光学系を用いた頭部装
着型画像表示装置の単眼用の光学系の断面図である。
【図7】本発明の実施例7の接眼光学系を用いた頭部装
着型画像表示装置の単眼用の光学系の断面図である。
【図8】本発明が適用できる接眼光学系の1例を示す断
面図である。
【図9】本発明による頭部装着型画像表示装置の1例の
全体の構成を示す図である。
【図10】従来の1つの頭部装着型画像表示装置の光学
系を示す図である。
【図11】従来の別の頭部装着型画像表示装置の光学系
を示す図である。
【図12】従来のさらに別の頭部装着型画像表示装置の
光学系を示す図である。
【図13】従来のさらに別の頭部装着型画像表示装置の
光学系を示す図である。
【図14】従来のさらに別の頭部装着型画像表示装置の
光学系を示す図である。
【符号の説明】
1 射出瞳位置(観察者瞳位置) 2 観察者視軸(軸上主光線) 3 接眼光学系の第1面 4 接眼光学系の第2面 5 接眼光学系の第3面 6 画像表示素子 7 接眼光学系 8 表示装置本体 9 側頭フレーム 10 頭頂フレーム 11 板バネ 12 リアフレーム 13 頭頂パッド 14 スピーカ 15 映像音声伝達コード 16 再生装置 17 スイッチ、ボリューム等の調節部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像表示素子と、前記画像表示素子によ
    り形成された画像を虚像として観察できるように観察者
    眼球位置に中間像を形成することなしに導く接眼光学系
    とを有する頭部装着型画像表示装置において、 前記接眼光学系が2回反射を含む構成であり、少なくと
    も1つの反射作用を有する面の面形状が、面内及び面外
    共に回転対称軸を有しない回転非対称面形状であること
    を特徴とする頭部装着型画像表示装置。
  2. 【請求項2】 画像表示素子と、前記画像表示素子によ
    り形成された画像を虚像として観察できるように観察者
    眼球位置に中間像を形成することなしに導く接眼光学系
    とを有する頭部装着型画像表示装置において、 前記接眼光学系が2回反射を含む構成であり、少なくと
    も1つの反射作用を有する面の面形状が、面内及び面外
    共に回転対称軸を有しない回転非対称面形状であり、且
    つその面形状は対称面を1面のみ有する形状であること
    を特徴とする頭部装着型画像表示装置。
  3. 【請求項3】 画像表示素子と、前記画像表示素子によ
    り形成された画像を虚像として観察できるように観察者
    眼球位置に中間像を形成することなしに導く接眼光学系
    とを有する頭部装着型画像表示装置において、 前記接眼光学系が2回反射を含む構成であり、少なくと
    も1つの反射作用を有する面の面形状が、面内及び面外
    共に回転対称軸を有しない回転非対称面形状であり、 前記接眼光学系は、画像表示素子からの光線の光路が交
    差すること無しに瞳に導くような構成をしていることを
    特徴とする頭部装着型画像表示装置。
  4. 【請求項4】 画像表示素子と、前記画像表示素子によ
    り形成された画像を虚像として観察できるように観察者
    眼球位置に中間像を形成することなしに導く接眼光学系
    とを有する頭部装着型画像表示装置において、 前記接眼光学系が2回反射を含む構成であり、少なくと
    も1つの反射作用を有する面の面形状が、面内及び面外
    共に回転対称軸を有しない回転非対称面形状であり、且
    つその面形状は対称面を1面のみ有する形状であり、 前記接眼光学系は、画像表示素子からの光線の光路が交
    差すること無しに瞳に導くような構成をしていることを
    特徴とする頭部装着型画像表示装置。
JP9318812A 1996-12-24 1997-11-20 頭部装着型画像表示装置 Pending JPH10239631A (ja)

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