JPH10239432A - 距離測定装置 - Google Patents

距離測定装置

Info

Publication number
JPH10239432A
JPH10239432A JP9056892A JP5689297A JPH10239432A JP H10239432 A JPH10239432 A JP H10239432A JP 9056892 A JP9056892 A JP 9056892A JP 5689297 A JP5689297 A JP 5689297A JP H10239432 A JPH10239432 A JP H10239432A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
distance
light beam
light receiving
distance measuring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9056892A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhisa Shimizu
和久 清水
Kazuhiro Kubo
一裕 窪
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Omron Tateisi Electronics Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Omron Corp, Omron Tateisi Electronics Co filed Critical Omron Corp
Priority to JP9056892A priority Critical patent/JPH10239432A/ja
Publication of JPH10239432A publication Critical patent/JPH10239432A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 近距離に存在する反射光量の大きな物体の像
が横に広がって認識されるため、遠距離に存在する物体
が陰に隠れて認識できなくなる問題を解決する。 【解決手段】 投光部の発光パワーを小にして対象物を
検出し、そのときのデータをメモリ32に格納する。つ
いで、投光部の発光パワーを大に切り替えて対象物を検
出し、そのときのデータをメモリ32に格納する。この
後、両データを比較することにより、発光パワーの強度
が大きいときに像の幅が広がって見えている対象物が存
在するか否か判定し、存在している場合には、像の幅が
広がって見えている部分のデータを抽出し、メモリ32
に格納する。再度、発光パワーを大にして対象物を検出
し、像の幅が広がって見えている部分のデータを除去す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は距離測定装置に関す
る。特に、レーザーパルスを検知エリアに走査して対象
物までの距離を計測する距離測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】対象物の距離と方向を検出し、例えば前
方車両との車間距離を計測する車載用の測距センサとし
て、レーザー測距装置が用いられている。
【0003】図1は従来のレーザー測距装置1の構成を
示す概略ブロック図である。このレーザー測距装置1
は、半導体レーザー素子(LD)2、半導体レーザー素
子2を駆動する半導体レーザー素子駆動回路(LD駆動
回路)3、半導体レーザー素子2から出射されたレーザ
ーパルスPを検知領域に向けて走査する光走査部(スキ
ャナ)4からなる投光部と、信号処理部5とを備えてい
る。半導体レーザー素子駆動回路3は、信号処理部5か
ら一定周期毎に出力される発光タイミング信号aと同期
して半導体レーザー素子2をパルス発光させる。光走査
部4は、例えば、サーボモータで回転するポリゴンミラ
ーや圧電振動子で回転振動するミラー付きの振動板など
で構成されており、半導体レーザー素子2から出射され
たレーザーパルスPは、光走査部4で反射され、所定の
検知領域を走査される。
【0004】ここで、レーザー測距装置1における投光
動作を図2により具体的に説明する。半導体レーザー素
子2は、半導体レーザー素子駆動回路3により25μse
c毎にパルス発光させられている。一方、光走査部4
は、200mradの測定レンジにわたって50msecの周期
でレーザーパルスPを一方の向きに片掃引する。レーザ
ーパルスPは25μsec毎に発光しているので、この1
走査の50msecの間に半導体レーザー素子2は2000
回発光し、2000パルスの距離測定が実行される。こ
の1走査内における2000パルスのうち、201〜1
800番までの1600パルスは距離計測に使用され、
端点エリア(1〜200番パルスおよび1801〜20
00番パルス)では距離計測は行なわれない。距離計測
に使用される1600パルス(201〜1800番パル
ス)は20パルス毎の80領域に分割される。
【0005】走査方向検出部6は、端点エリアのレーザ
ーパルスPを基準として、光走査部4によるレーザーパ
ルスPの走査方向(光出射方向)を検出しており、走査
方向検出部6によって検出されたレーザーパルスPの走
査方向は走査方向情報bとして信号処理部5に伝えられ
る。
【0006】レーザー測距装置1は、さらに、フォトダ
イオード(PD)のような受光素子7と受光回路8から
なる受光部を備えている。半導体レーザー素子2から出
射され光走査部4により走査されたレーザーパルスP
は、前方に向けて投射され、対象物で反射された後、レ
ーザー測距装置1に向けて戻ってきて受光素子7で受光
される。受光素子7から出力される受光信号cは受光回
路8で増幅されて出力される。
【0007】信号処理部5は、受光回路8から出力され
た受光信号cを所定のしきい値Vthと比較し、受光信号
cがしきい値以上であると、受光部がレーザーパルスP
を受光したと判断し、投光タイミングから受光タイミン
グまでの遅延時間τに基づいて対象物までの距離を算出
する。すなわち、対象物までの距離をL、光速をcとす
ると、遅延時間はτ=2L/cであるから、遅延時間τ
より対象物までの距離Lが求められる。ついで、信号処
理部5は、20パルス分(1領域分)の測距結果を平均
して測距データを求め、方向データ(走査方向情報b)
と共に出力する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
(問題点)しかしながら、従来のレーザー測距装置で
は、反射光量の大きな物体が近距離に存在していると、
その近距離の物体は実際の大きさ以上に横に広がった像
として認識され、近距離に存在している反射光量の大き
な物体の大きさを誤判定するという問題があった。そし
て、このように近距離に存在している反射光量の大きな
物体の像が横に広がって実際よりも大きく認識される
と、その物体の像の向うに存在している遠距離の物体を
認識することができず、測距不能になるという問題があ
った。
【0009】例えば、図3に示すように、車両9のバン
パー下部などに取り付けられた車載用のレーザー測距装
置1で説明すると、車両9の前方を走行している前方車
両10のリフレクタ11で反射したレーザーパルスPを
受光することによって前方車両10までの距離を計測
し、その計測データに基づいて定車間追従走行している
とき、道路12の側部の路側リフレクタやデリニエー
タ、メタリック看板等の反射光量の大きな物体13が近
距離で視野内に入ることがある。この場合、理想的なレ
ーザー測距装置であれば、図4(a)に示すように、前
方の遠距離に前方車両10のリフレクタ11が認識さ
れ、道路12の側部の近距離に路側リフレクタ等の物体
13が認識される。
【0010】しかし、実際には、図4(b)に示すよう
に、近距離に存在している路側リフレクタ等の物体13
の像が道路12の内側へも広がって道路12を塞ぐ状態
になり、その向うの遠距離に存在している筈の前方車両
10を認識できなくなってしまっていた。このため、車
両9が路側リフレクタ等の物体13を通過するまでの
間、定車間追従走行が不可能になったり、路側リフレク
タ等の物体13の配置から道路12のカーブを推定でき
なくなったりすることがあり、危険であった。
【0011】(現象の解明)そこで、本発明の発明者ら
は、このような現象の発生する理由を探求した結果、以
下に説明するような知見に達した。レーザーパルスPを
使用したレーザー測距装置1において、投光部から出射
されるレーザーパルスPは、図5(a)に示すように水
平方向(光走査方向)に対して光学的にコリメートさ
れ、水平方向で通常1mrad以下の広がり角θ、垂直方向
で通常50mradの広がり角となるよう水平方向に絞られ
る。しかし、この微小な広がり角θは、図5(b)に示
すように、発光強度がそのピーク値に対して1/e又は
1/e2(eは自然対数の底)となる点での角度であっ
て、その外側の領域にも、発光強度は小さいが、レーザ
ーパルスPは広がっている。
【0012】このため、図6に示すように、距離L2
ある物体14に中心方向を向けてレーザーパルスPを投
射している瞬間を考えると、その中心方向から外れた方
向に位置している物体15にもレーザーパルスPの発光
強度の小さな領域が投射される。このとき、レーザーパ
ルスPの中心方向に位置している物体14に投射されて
いるレーザーパルスPの領域が図7の斜線領域A1で、
中心から外れた方向に位置している物体15に投射され
ているレーザーパルスPの領域が図7の斜線領域A2で
あるとすると、中心方向に位置している物体14に投射
されているレーザーパルスPの光照射量と中心から外れ
た方向に位置している物体15に投射されているレーザ
ーパルスPの光照射量とは、それぞれの斜線領域A1,
A2の面積に比例しており、中心から外れた方向の物体
15に投射されている光照射量は、中心方向の物体14
に投射されている光照射量に比較して微少である。
【0013】ところが、レーザーパルスPの中心方向か
ら外れた位置で微少なレーザーパルスを照射されている
物体15が、レーザーパルスPの中心方向に存在してい
る物体14に比較して近距離L1(<L2)に位置してお
り、しかも、その物体15の反射率が高くて物体15か
らの反射光量が大きい場合には、図8に示すように、近
距離L1の物体15で反射したレーザーパルスPによる
受光信号c1がしきい値Vthを越える場合がある。その
場合には、近距離L1にある物体15による受光信号c1
は、レーザーパルスPの発光タイミングからτ=2L1
/cだけ遅延して受信されるので、レーザーパルスPの
発光タイミングからτ=2L2/cだけ遅延して受信さ
れる遠距離L2の物体14による受光信号c2よりも先に
受信回路8で受信される。信号処理部5は、受光信号c
1,c2を所定のしきい値Vthと比較し、しきい値Vth以
上の受光信号c1又はc2を検出すると対象物で反射した
レーザーパルスPによる受光信号であると判断し、発光
タイミングからその受光タイミングまでの遅延時間τに
基づいて対象物までの距離を求めるので、図8のような
場合には、レーザーパルスPの中心方向が距離L2にあ
る物体14を向いているにも拘らず、信号処理部5は遅
延時間τ=2L1/cに基づいて距離L1に対象物が存在
していると判断する。
【0014】この結果、図9(a)に示すように、1走
査分のレーザーパルスPが投光された場合を考えると、
近距離L1に反射光量の大きな物体15が存在すると、
その物体15の像は図9(c)のハッチングを施した領
域に相当する幅Wrであるにも拘らず、レーザーパルス
Pの中心方向から外れた領域からの反射光によって図9
(c)に示すような幅Wpであると認識され、当該物体
15の幅が横に広がったように認識されることになる。
一方、遠距離L2にある物体14は、図9(b)に示す
ように、広がった物体15の像に隠れて見えなくなり、
認識されないという現象が生じる。
【0015】なお、上記のような現象を防止するには、
レーザーパルスPの中心から外れた領域の光が、近距離
に位置する反射率の大きな物体15で反射されても受光
強度がしきい値Vthを越えないよう、レーザーパルスP
の発光強度を小さくすればよいが、投光部における発光
強度を小さくすると、遠距離にある物体14からの反射
レーザーパルスPもしきい値Vth以下の受光強度とな
り、レーザー測距装置の測距距離が短くなってしまう。
【0016】本発明は叙上の従来例の欠点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的とするところは、近距離に反
射光量の大きな対象物が存在している場合でも、その近
距離に存在している対象物の大きさを正確に認識するこ
とができるようにすることにある。
【0017】
【発明の開示】請求項1に記載の距離測定装置は、投光
部から検知領域に向けて光ビームを投光及び走査し、受
光部により対象物で反射した光ビームを受光し、光ビー
ムの投光から対象物で反射した光ビームの受光までの遅
延時間に基づいて対象物までの距離を求める距離測定装
置において、前記投光部から出射される光ビームの発光
パワーを大小に切り替えることができるパワー調整手段
を備え、発光パワーの大きな状態で光走査したときに得
られた検出結果と発光パワーの小さな状態で光走査した
ときに得られた検出結果に基づいて、検出対象物を総合
的に判断することを特徴としている。特に、前記2つの
検出結果に基づいて対象物の像の広がりを判断し、対象
物の像が広がっている場合には、当該対象物の像の広が
りを補正するようにしている。
【0018】距離測定装置の発光パワーを小さくして光
ビームを走査すると、近距離に反射光量の大きな対象物
が存在していても通常の幅に見えるから、発光パワーの
大きな状態で光走査したときに得られた検出結果と発光
パワーの小さな状態で光走査したときに得られた検出結
果とを比較することによって対象物の幅が広がっている
か否かを判定することができる。従って、両検出結果を
総合的に判断することによって対象物の幅を正確に判断
することができる。特に、近距離の対象物の幅が広がっ
ていると判断した場合には、対象物の検出結果を補正す
ることにより、近距離の対象物の幅が通常の幅として認
識されるように補正することができる。
【0019】例えば、近距離の対象物の幅が広がってい
ると判断された場合には、発光パワーを大にして検出し
たときのデータから近距離の広がっている部分のデータ
を除去し、発光パワーを大きくしたときの検出結果に基
づいて遠距離の対象物を認識することにより、近距離に
ある対象物も遠距離にある対象物も確実に認識し、測距
することができる。
【0020】請求項2に記載の距離測定装置は、投光部
から検知領域に向けて光ビームを投光及び走査し、受光
部により対象物で反射した光ビームを受光し、光ビーム
の投光から対象物で反射した光ビームの受光までの遅延
時間に基づいて対象物までの距離を求める距離測定装置
において、前記受光部の受光感度を大小に切り替えるこ
とができる感度調整手段を備え、受光感度の大きな状態
で光走査したときに得られた検出結果と受光感度の小さ
な状態で光走査したときに得られた検出結果に基づい
て、検出対象物を総合的に判断することを特徴としてい
る。
【0021】請求項3に記載の距離測定装置は、投光部
から検知領域に向けて光ビームを投光及び走査し、受光
部により対象物で反射した光ビームを受光し、光ビーム
の投光から対象物で反射した光ビームの受光までの遅延
時間に基づいて対象物までの距離を求める距離測定装置
において、前記受光部で受光した光ビームの受光強度と
所定のしきい値とを比較してしきい値以上の受光強度の
光を受光したときに対象物で反射した光ビームを受光し
たと判断する手段と、前記しきい値を大小に切り替える
手段とを備え、前記しきい値の大きな状態で光走査した
ときに得られた検出結果と前記しきい値の小さな状態で
光走査したときに得られた検出結果に基づいて、検出対
象物を総合的に判断することを特徴としている。
【0022】請求項1に記載の距離測定装置にあって
は、発光パワーを大小切り替えて近距離の対象物の幅の
広がりを検出しているが、発光パワーを大小に切り替え
る代りに、請求項2及び3に記載の距離測定装置のよう
に、受光感度や信号処理手段のしきい値を大小に切り替
えるようにしても、同様な効果を得ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)図10は本発明の一実施形態による
レーザー測距装置21の構成を示すブロック図である。
このレーザー測距装置21は、半導体レーザー素子駆動
回路23によって半導体レーザー素子22を駆動してパ
ルス発光させ、半導体レーザー素子22から出射された
レーザーパルスPを光走査部24によって検知領域に向
けて走査する投光部を備えている。半導体レーザー素子
駆動回路23は、信号処理部25から一定周期毎に出力
される発光タイミング信号aと同期して半導体レーザー
素子22をパルス発光させている。なお、投光部から検
知領域に投光されるレーザーパルスPの投光の仕方は、
図2で説明したとおりである。
【0024】走査方向検出部26は、端点エリアのレー
ザーパルスPを基準として、光走査部24によるレーザ
ーパルスPの走査方向を検出しており、走査方向検出部
26によって検出されたレーザーパルスPの走査方向は
走査方向情報bとして信号処理部25に伝えられる。
【0025】レーザー測距装置21は、さらに、フォト
ダイオード(PD)のような受光素子27と受光回路2
8からなる受光部を備えている。半導体レーザー素子2
2から出射され光走査部24により走査されたレーザー
パルスPは、前方に向けて投射され、対象物で反射され
た後、レーザー測距装置21に向けて戻ってきて受光素
子27で受光される。受光素子27から出力される受光
信号cは受光回路28で増幅されて出力される。
【0026】信号処理部25は、制御部29、発光パワ
ー調整回路30、受光レベル検出回路31、メモリ3
2、距離演算部33及び対象物認識判定部34によって
構成されている。制御部29は、半導体レーザー素子駆
動回路23及び距離演算部33へ発光タイミング信号a
を出力して半導体レーザー素子22を一定の発光周期で
発光させると共に、距離演算部33に発光部の発光タイ
ミングを伝える。
【0027】発光パワー調整回路30は、半導体レーザ
ー素子22から投光されるレーザーパルスPの発光パワ
ーを大小に切り替えることができる。制御部29は、発
光パワー調整回路30へ切り替え信号を送信し、半導体
レーザー素子22から出射されるレーザーパルスPの発
光パワーをレーザーパルスPの各走査毎に大小に切り替
えさせる。
【0028】受光レベル検出回路31は、受光回路28
から送出された受光信号cを受け取ると、所定のしきい
値Vthと比較し、その受信信号cが対象物で反射したレ
ーザーパルスPによるものか否か判定し、受信信号cが
しきい値以上であれば、対象物で反射したレーザーパル
スPによるものであると判断し、そのデータをメモリ3
2に格納する。
【0029】距離演算部33は、制御部29から発光タ
イミング信号aを受け取っており、受光レベル検出回路
31でしきい値Vth以上の受光信号cが検出されると、
発光から受光までの遅延時間τに基づいて対象物までの
距離を算出する。このとき距離演算部33は、走査方向
検出部26から走査方向情報bを受け取っているので、
対象物の距離及び方向が求められる。
【0030】対象物認識判定部34は、投光部における
発光パワーを大にしてレーザーパルスPを走査した時に
距離演算部33で求められた対象物の距離及び方向のデ
ータと、発光パワーを小にしてレーザーパルスPを走査
した時に距離演算部33で求められた対象物の距離及び
方向のデータとを比較し、対象物の像が広がって見えて
いないか否かを判定する。そして、対象物の像が広がっ
ていると判断すると広がって見えている対象物の像に関
するデータを抽出してメモリ32に格納する。
【0031】さらに、受光レベル検出回路31は、投光
部における発光パワーを大にして再度レーザーパルスP
が走査された時、広がって見えている対象物の像に関す
る抽出データをメモリ32から読み出し、受光信号cの
うちから対象物の広がって見えている部分の信号を除去
する。そして、距離演算部33は、対象物が広がって見
えている部分のデータを除去された補正データに基づい
て対象物の距離及び方向を求めるので、遠距離の物体も
近距離の物体も確実に認識することができる。
【0032】上記信号処理部25、特に対象物認識判定
部34により近距離の広がって見えている対象物の像を
補正して対象物を確実に認識し、遠距離にある物体も確
実に測距するための手順とその原理を以下に説明する。
図11はそのためのアルゴリズムを示すフロー図、図1
2及び図13はその説明図である。まず、測距開始する
と発光パワー調整回路30により、投光部から投射され
る発光パワーを小にセットし(S41)、レーザーパル
スPの走査を開始する(S42)。こうして発光パワー
を小さくした状態で走査された1走査分のレーザーパル
スPを図12(a)に示す。走査開始されると、1走査
分の走査が終了されるまで受光レベル検出回路31で
は、受光信号cのデータをメモリ32に蓄積する(S4
3,S44)。図12(b)(c)は、発光パワーを小
にした状態で蓄積されたデータの一例を示す。この場合
には、近距離に反射光量の大きな物体15があっても、
図12(c)及び図13(a)に示すように、その物体
15の像は広がっておらず、通常の幅で見える。遠距離
にある物体14は、図12(b)及び図13(a)では
認識されていないが、距離によっては見えることもあ
る。
【0033】ついで、発光パワー調整回路30により、
投光部から投射する発光パワーを大にセットし(S4
5)、再びレーザーパルスPの走査を開始する(S4
6)。こうして発光パワーを大きくした状態で走査され
た1走査分のレーザーパルスPを図12(d)に示す。
再度走査開始されると、1走査分の走査が終了されるま
で受光レベル検出回路31では、受光信号cのデータを
メモリ32に蓄積する(S47,S48)。図12
(e)(f)は、発光パワーを大にした状態で蓄積され
たデータの一例を示す。この場合には、図12(e)
(f)及び図13(b)に示すように、近距離の反射光
量の大きな物体15の像が横に広がって認識されている
ため、遠距離にある物体14は認識できない。
【0034】対象物認識判定部34は、発光パワーを大
にした場合と発光パワーを小にした場合のデータを比較
することにより(S49)、発光パワーが小では通常の
幅で見えるのに、発光パワーが大では幅が極度に広がっ
て見える対象物の像が存在しているか否か判断し(S5
0)、このような対象物の像が存在している場合には、
そのデータ[すなわち、図12(f)の区間Dのデー
タ]を抽出し、メモリ32に格納する(S51)。
【0035】この後、投光部の発光パワーを大にセット
したままで(S52)、レーザーパルスPを走査する
(S53)。レーザーパルスPを走査して受光回路28
から受光レベル検出回路31へ受光信号が送出される
と、受光レベル検出回路31はしきい値と比較すると同
時に、対象物の像が広がって見えている部分のデータを
メモリ32から読み出し、図12(g)(h)に示すよ
うに当該データに相当する受光信号を除去して(S5
4)距離演算部33へ補正データを送信する。距離演算
部33は、補正されたデータに基づいて対象物の距離及
び方向を算出し(S55)、測距データを出力する。例
えば、メモリ32のデータに基づいて受光レベル検出回
路31が図8の受光信号c1を除去すれば、距離演算部
33においては、受光信号c2に基づいて遠距離にある
物体14の距離L2が算出される。従って、広がって見
えていた物体15の幅が補正されると共に広がって見え
ていた物体15の像に隠れて認識されなかった物体14
も認識されるようになり、図13(c)に示すように、
遠距離の物体14も近距離の物体15も確実に認識され
るようになる。
【0036】(第2の実施形態)図14は本発明の別な
実施形態によるレーザー測距装置35の構成を示すブロ
ック図である。このレーザー測距装置35にあっては、
第1の実施形態の発光パワー調整回路30に代えて、受
光回路28における受光ゲイン(増幅率)を大小に切り
替えるための受光ゲイン調整回路36を備えている。
【0037】しかして、このレーザー測距装置35にあ
っては、図15(a)のように一定の発光パワーでレー
ザーパルスPを走査させ、そのとき受光ゲイン調整回路
36によって受光回路28のゲインを小にセットしてお
き、図15(b)(c)のような受光信号cのデータを
メモリ32に蓄積する。ついで、図15(d)のように
同じ発光パワーでレーザーパルスPを走査させ、そのと
き受光ゲイン調整回路36によって受光回路28のゲイ
ンを大にセットしておき、図15(e)(f)のような
受光信号cのデータをメモリ32に蓄積する。そして、
受光ゲインが小の場合のデータと受光ゲインが大の場合
のデータを比較して像が広がっているかどうか判定し、
像が広がっている場合には、図15(g)(h)に示す
ように像が広がって見えている部分のデータを除去す
る。
【0038】このような方法によっても、対象物が広が
って見えている部分のデータを除去し、近距離の反射光
量の大きな物体なども正常な幅に見えるように補正する
ことができ、遠距離の物体も近距離の物体も確実に認識
して測距することができる。
【0039】(第3の実施形態)図16は本発明のさら
に別な実施形態によるレーザー測距装置37の構成を示
すブロック図である。このレーザー測距装置37にあっ
ては、第1の実施形態の発光パワー調整回路30に代え
て、受光レベル検出回路31におけるしきい値Vthを大
小に切り替えるためのしきい値調整回路38を備えてい
る。
【0040】しかして、このレーザー測距装置37にあ
っては、図17(a)のように一定の発光パワーでレー
ザーパルスPを走査させ、そのときしきい値調整回路3
8によって受光レベル検出回路31のしきい値を大にセ
ットしておき、図17(b)(c)のような受光信号c
のデータをメモリ32に蓄積する。ついで、図17
(d)のように同じ発光パワーでレーザーパルスPを走
査させ、そのときしきい値調整回路38によって受光レ
ベル検出回路31のしきい値Vthを小にセットしてお
き、図17(e)(f)のような受光信号cのデータを
メモリ32に蓄積する。そして、しきい値Vthが大の場
合のデータとしきい値Vthが小の場合のデータを比較し
て像が広がっているかどうか判定し、像が広がっている
場合には、図17(g)(h)に示すように像が広がっ
て見えている部分のデータを除去する。
【0041】このような方法によっても、対象物が広が
って見えている部分のデータを除去し、近距離の反射光
量の大きな物体なども正常な幅に見えるように補正する
ことができ、遠距離の物体も近距離の物体も確実に認識
して測距することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のレーザー測距装置の構成を示す概略ブロ
ック図である。
【図2】投光部からのレーザーパルスの投光動作を説明
する図である。
【図3】前方車両に対して定車間追従走行している車両
を示す図である。
【図4】(a)は理想的なレーザー測距装置により認識
される前方車両のリフレクタと路側デリニエータ等の像
を示す図、(b)は従来例のレーザー測距装置により認
識される前方車両のリフレクタと路側デリニエータ等の
像を示す図である。
【図5】投光部から投射されるレーザーパルスのビーム
断面と発光強度の分布を示す図である。
【図6】遠距離にある物体にレーザーパルスを投射して
いるときに、近距離の物体にもレーザーパルスの一部が
照射されている様子を示す図である。
【図7】レーザーパルスのうち、遠距離の物体に照射さ
れている領域と近距離の物体に照射されている領域とを
示す図である。
【図8】信号処理部においてレーザーパルスの遅延時間
が検出される様子を示す図である。
【図9】(a)は1走査分のレーザーパルスを示す図、
(b)は遠距離にある物体で反射したレーザパルスによ
る受光信号とその物体の像を示す図、(c)は近距離に
ある物体で反射したレーザパルスによる受光信号とその
物体の像を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態によるレーザー測距装置
の構成を示すブロック図である。
【図11】同上のレーザー測距装置の信号処理部におけ
る処理のアルゴリズムを示すフロー図である。
【図12】(a)は発光パワーを小にして走査されたレ
ーザーパルスを示す図、(b)(c)はそのときの遠距
離の物体と近距離の物体からの受光信号と各物体の像を
示す図、(d)は発光パワーを大にして走査されたレー
ザーパルスを示す図、(e)(f)はそのときの遠距離
の物体と近距離の物体からの受光信号と各物体の像を示
す図、(g)(h)は像が広がっている部分のデータを
除去した後の遠距離の物体と近距離の物体からの受光信
号と各物体の像を示す図である。
【図13】(a)は投光部の発光パワーを小さくして検
出した物体の像を示す図、(b)は発光パワーを大きく
して検出した物体の像を示す図、(c)は近距離に存在
している物体の余分な像を除去して検出した物体の像を
示す図である。
【図14】本発明の別な実施形態によるレーザー測距装
置の構成を示すブロック図である。
【図15】(a)は走査されたレーザーパルスを示す
図、(b)(c)は受光ゲインを小にして受光された遠
距離の物体と近距離の物体からの受光信号と各物体の像
を示す図、(d)は同じ発光パワーで走査されたレーザ
ーパルスを示す図、(e)(f)は受光ゲインを大にし
て受光された遠距離の物体と近距離の物体からの受光信
号と各物体の像を示す図、(g)(h)は像が広がって
いる部分のデータを除去した後の遠距離の物体と近距離
の物体からの受光信号と各物体の像を示す図である。
【図16】本発明のさらに別な実施形態によるレーザー
測距装置の構成を示すブロック図である。
【図17】(a)は走査されたレーザーパルスを示す
図、(b)(c)は遠距離の物体と近距離の物体からの
受光信号と大にセットされたしきい値と各物体の像を示
す図、(d)は同じ発光パワーで走査されたレーザーパ
ルスを示す図、(e)(f)は遠距離の物体と近距離の
物体からの受光信号と小にセットされたしきい値と各物
体の像を示す図、(g)(h)は像が広がっている部分
のデータを除去した後の遠距離の物体と近距離の物体か
らの受光信号と各物体の像を示す図である。
【符号の説明】
22 半導体レーザー素子 24 光走査部 25 信号処理部 26 走査方向検出部 27 受光素子 29 制御部 30 発光パワー調整回路 31 受光レベル検出回路 34 対象物認識判定部 36 受光ゲイン調整回路 38 しきい値調整回路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 投光部から検知領域に向けて光ビームを
    投光及び走査し、受光部により対象物で反射した光ビー
    ムを受光し、光ビームの投光から対象物で反射した光ビ
    ームの受光までの遅延時間に基づいて対象物までの距離
    を求める距離測定装置において、 前記投光部から出射される光ビームの発光パワーを大小
    に切り替えることができるパワー調整手段を備え、発光
    パワーの大きな状態で光走査したときに得られた検出結
    果と発光パワーの小さな状態で光走査したときに得られ
    た検出結果に基づいて、検出対象物を総合的に判断する
    ことを特徴とする距離測定装置。
  2. 【請求項2】 投光部から検知領域に向けて光ビームを
    投光及び走査し、受光部により対象物で反射した光ビー
    ムを受光し、光ビームの投光から対象物で反射した光ビ
    ームの受光までの遅延時間に基づいて対象物までの距離
    を求める距離測定装置において、 前記受光部の受光感度を大小に切り替えることができる
    感度調整手段を備え、受光感度の大きな状態で光走査し
    たときに得られた検出結果と受光感度の小さな状態で光
    走査したときに得られた検出結果に基づいて、検出対象
    物を総合的に判断することを特徴とする距離測定装置。
  3. 【請求項3】 投光部から検知領域に向けて光ビームを
    投光及び走査し、受光部により対象物で反射した光ビー
    ムを受光し、光ビームの投光から対象物で反射した光ビ
    ームの受光までの遅延時間に基づいて対象物までの距離
    を求める距離測定装置において、 前記受光部で受光した光ビームの受光強度と所定のしき
    い値とを比較してしきい値以上の受光強度の光を受光し
    たときに対象物で反射した光ビームを受光したと判断す
    る手段と、前記しきい値を大小に切り替える手段とを備
    え、前記しきい値の大きな状態で光走査したときに得ら
    れた検出結果と前記しきい値の小さな状態で光走査した
    ときに得られた検出結果に基づいて、検出対象物を総合
    的に判断することを特徴とする距離測定装置。
  4. 【請求項4】 前記2つの検出結果に基づいて対象物の
    像の広がりを判断し、対象物の像が広がっている場合に
    は、当該対象物の像の広がりを補正するようにしたこと
    を特徴とする、請求項1,2又は3に記載の距離測定装
    置。
JP9056892A 1997-02-24 1997-02-24 距離測定装置 Pending JPH10239432A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9056892A JPH10239432A (ja) 1997-02-24 1997-02-24 距離測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9056892A JPH10239432A (ja) 1997-02-24 1997-02-24 距離測定装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10239432A true JPH10239432A (ja) 1998-09-11

Family

ID=13040099

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9056892A Pending JPH10239432A (ja) 1997-02-24 1997-02-24 距離測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10239432A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002257934A (ja) * 2001-02-27 2002-09-11 Omron Corp 車両用路面状態検知装置及び車両用測距装置
US7365297B2 (en) 2004-03-09 2008-04-29 Denso Corporation Object detecting apparatus having a current adjuster for controlling amount of electric current supplied to a laser device in compensation for a diversity of current-luminosity characteristics of the laser device
US7382441B2 (en) 2004-03-09 2008-06-03 Denso Corporation Object detecting apparatus having light radiation power regulating function
JP2009222645A (ja) * 2008-03-18 2009-10-01 Mazda Motor Corp 車両の障害物検知装置
WO2019064750A1 (ja) * 2017-09-27 2019-04-04 日本電産株式会社 距離測定装置、および移動体
EP3936884A4 (en) * 2019-03-28 2022-03-16 Huawei Technologies Co., Ltd. RADAR POWER CONTROL METHOD AND DEVICE

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002257934A (ja) * 2001-02-27 2002-09-11 Omron Corp 車両用路面状態検知装置及び車両用測距装置
US7365297B2 (en) 2004-03-09 2008-04-29 Denso Corporation Object detecting apparatus having a current adjuster for controlling amount of electric current supplied to a laser device in compensation for a diversity of current-luminosity characteristics of the laser device
US7382441B2 (en) 2004-03-09 2008-06-03 Denso Corporation Object detecting apparatus having light radiation power regulating function
CN100395514C (zh) * 2004-03-09 2008-06-18 株式会社电装 具有发光功率调节功能的目标探测装置
CN100406843C (zh) * 2004-03-09 2008-07-30 株式会社电装 距离探测设备和方法
JP2009222645A (ja) * 2008-03-18 2009-10-01 Mazda Motor Corp 車両の障害物検知装置
WO2019064750A1 (ja) * 2017-09-27 2019-04-04 日本電産株式会社 距離測定装置、および移動体
CN111033303A (zh) * 2017-09-27 2020-04-17 日本电产株式会社 距离测定装置、以及移动体
JPWO2019064750A1 (ja) * 2017-09-27 2020-11-05 日本電産株式会社 距離測定装置、および移動体
EP3936884A4 (en) * 2019-03-28 2022-03-16 Huawei Technologies Co., Ltd. RADAR POWER CONTROL METHOD AND DEVICE

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4595197B2 (ja) 距離測定装置
JP3838432B2 (ja) 測距装置
JP3838418B2 (ja) 車両用測距装置
JP2000075030A (ja) スキャン型レーザーレーダ装置
JPH0827352B2 (ja) 車両用先行車識別装置
JP2011221005A (ja) 区画線検出装置および区画線検出方法
JP4345783B2 (ja) 物体検知装置および方法
JPH11203588A (ja) 車種判別装置
JP3757937B2 (ja) 距離測定装置
JPH07140247A (ja) レーザ光を用いた車載用距離測定装置
JP3947905B2 (ja) 車両用測距装置
JPH10239432A (ja) 距離測定装置
JPH10239433A (ja) 距離測定装置
JPH1172561A (ja) 車間距離警報装置
JP4033036B2 (ja) 車間距離検出装置
JP2001051059A (ja) 物体検知装置
JPH06109842A (ja) 距離検出装置
JP2002022830A (ja) 距離測定装置およびその距離測定方法
JPH0743469A (ja) 車々間通信システム
JP2002162470A (ja) 物体検出装置及びその基準軸設定方法
JPH10153661A (ja) 測距装置
JPH10253759A (ja) 距離測定装置
JPH10213446A (ja) 車両走行システム
JPH0330117B2 (ja)
JP4281456B2 (ja) 先行車両検出装置