JPH10238366A - エネルギー貯蔵型ガスタービン発電システム - Google Patents

エネルギー貯蔵型ガスタービン発電システム

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JPH10238366A
JPH10238366A JP34886797A JP34886797A JPH10238366A JP H10238366 A JPH10238366 A JP H10238366A JP 34886797 A JP34886797 A JP 34886797A JP 34886797 A JP34886797 A JP 34886797A JP H10238366 A JPH10238366 A JP H10238366A
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JP
Japan
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air
temperature
power generation
gas turbine
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JP34886797A
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Koichi Chino
耕一 千野
Harumi Wakana
晴美 若菜
Osamu Yokomizo
修 横溝
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E20/00Combustion technologies with mitigation potential
    • Y02E20/16Combined cycle power plant [CCPP], or combined cycle gas turbine [CCGT]

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  • Engine Equipment That Uses Special Cycles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の課題は、ガスタービンに加え、膨張タ
ービンを駆動して発電を行うことにより、エネルギー貯
蔵型ガスタービン発電システムの発電出力を向上するこ
とにある。 【解決手段】上記課題を解決するために、本発明のエネ
ルギー貯蔵型ガスタービン発電システムは、空気を圧縮
する圧縮機102と、液体空気を貯蔵する液体空気貯蔵
タンク900と、前記圧縮機で圧縮された空気を液化し
て前記液体空気を製造しかつ前記液体空気貯蔵タンクに
貯蔵される液体空気を気化する液化・気化設備200
と、前記液化・気化設備で気化された空気と燃料とを燃
焼し燃焼ガスを発生する燃焼器106と、前記燃焼器で
発生した燃焼ガスにより駆動するガスタービン107
と、前記液化・気化設備で気化された空気を前記燃焼器
へ供給するまでの間に前記液化・気化設備で気化された
空気を膨張させる膨張タービン701とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば電気需要が
小さいときに、余剰電力を用いて空気(酸素含む)を液化
して貯蔵しておき、例えば電気需要が大きいときに、貯
蔵される液体空気(液体酸素含む)を気化し、得られた
空気(酸素含む)を用いて燃焼ガスを発生し、得られた
燃焼ガスを用いてガスタービンを駆動するエネルギー貯
蔵型ガスタービン発電システムに関する。
【0002】
【従来の技術】平日の昼間の電気の需要量は、夜間の電
気の需要量に比べて、非常に大きい。そこで、従来、原
子力発電所及び蒸気タービンを使用する汽力発電所を、
昼間又は夜間を問わず常時稼動し、水力発電所及びガス
タービンを使用する火力発電所(例えば、コンバインド
サイクル発電所)を、昼間のみ稼動している。さらに揚
水発電所のように、夜間の余剰電力(原子力発電所及び
汽力発電所で余った電力)を用いてポンプを駆動し水を
高い貯蔵池に移送して位置エネルギーとして貯蔵し、そ
れを昼間に流下させて発電して、電気の需要と供給のバ
ランスを取ってきた。最近、家庭用エアコン等が普及し
たために電気の最大需要量と最低需要量の比が年々大き
くなり、特に季節による需要の違いが増大している。最
大需要の必要時期は真夏の10日ほどと短く、このため
だけに大型の発電設備を設けるのは経済的に引き合わな
い。しかし、大規模な揚水発電所の建設場所が国内に少
なくなっており、大容量のエネルギー貯蔵方式を必要と
している。
【0003】そこで、エネルギーを貯蔵できる、ガスタ
ービンと空気の液化・貯蔵・気化設備を備えたエネルギ
ー貯蔵型ガスタービン発電システムについては、特開平
4−132837号公報には、前記液化設備からの回収熱,ガ
スタービンプラントからの排熱等を発電設備内外の利用
熱源とすることが記載されている。また、特開平4−191
419号公報には、深夜電力を利用して液体空気又は酸素
を製造貯蔵し、昼間に気化してガスタービンに供給する
ことが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平4−132
837 号公報では、エネルギー貯蔵効率(液体空気又は酸
素等の液体流体を得るための電力とプラントにより作ら
れた電力との比率)は高くない。特開平4−191419 号公
報では、エネルギー貯蔵効率を高める具体的な記載はな
い。
【0005】本発明の第1の目的は、発電出力が大きい
エネルギー貯蔵型ガスタービン発電システムを提供する
ことにある。
【0006】本発明の第2の目的は、エネルギー貯蔵効
率が高いエネルギー貯蔵型ガスタービン発電システムを
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、本発明のエネルギー貯蔵型ガスタービン発電
システムは、液体空気を貯蔵する液体空気貯蔵タンク
と、前記液体空気貯蔵タンクに貯蔵される液体空気を気
化する気化設備と、前記気化設備で気化された空気と燃
料とを燃焼し燃焼ガスを発生する燃焼器と、前記燃焼器
で発生した燃焼ガスにより駆動するガスタービン、前記
ガスタービンに連結されて発電するガスタービン発電機
と、前記燃焼器へ供給される空気よりも高い圧力まで前
記液体空気貯蔵タンクに貯蔵される液体空気を昇圧して
前記気化設備へ供給する昇圧装置と、前記気化設備で気
化された空気を膨張させて駆動する膨張タービンと、前
記膨張タービンに連結されて発電する膨張タービン発電
機とを備える。
【0008】そして、上記本発明によれば、液体状態の
空気(液体空気)を昇圧した後に、気化し、その気化さ
れた空気により膨張タービンを駆動して発電を行うた
め、システム全体の発電出力が向上するという効果を奏
する。即ち、液体を圧縮(昇圧)するのに必要な動力(電
気)は、気体を圧縮するのに必要な動力に比較して、無
視できるほど小さい。つまり、昇圧装置に必要な動力が
ほぼ無視できるのに対し、膨張タービン発電機では非常
に大きい電気を得る。そして、ガスタービン発電機で得
られる電気に加えて、膨張タービン発電機で得られる電
気分が増加するため、システム全体の発電出力が向上す
る。
【0009】上記第2の目的を達成するために、本発明
のエネルギー貯蔵型ガスタービン発電システムは、空気
を圧縮する圧縮機と、液体空気を貯蔵する液体空気貯蔵
タンクと、前記圧縮機で圧縮された空気を液化して前記
液体空気を製造しかつ前記液体空気貯蔵タンクに貯蔵さ
れる液体空気を気化する液化・気化設備と、前記液化・
気化設備で気化された空気と燃料とを燃焼し燃焼ガスを
発生する燃焼器と、前記燃焼器で発生した燃焼ガスによ
り駆動するガスタービン、前記液化・気化設備で気化さ
れた空気を前記燃焼器へ供給するまでの間に、前記液化
・気化設備で気化された空気を膨張させる膨張装置を備
える。
【0010】そして、上記本発明によれば、液体空気を
気化して燃焼器へ供給するときに、膨張装置で膨張され
ることによって冷却された空気の冷熱を回収し、液体空
気を製造するときにその冷熱を利用して圧縮機で圧縮さ
れた空気を冷却するため、エネルギー貯蔵効率を向上す
るという効果を奏する。そして、本発明のエネルギー貯
蔵型ガスタービン発電システムの液化・気化設備で製造
できる液体空気の生成率は、膨張装置を有さない従来の
エネルギー貯蔵型ガスタービン発電システムの20%か
ら80%以上へ向上することができる。
【0011】又は、上記第2の目的を達成するために、
本発明のエネルギー貯蔵型ガスタービン発電システム
は、空気を圧縮する圧縮機と、液体空気を貯蔵する液体
空気貯蔵タンクと、前記圧縮機で圧縮された空気を液化
して前記液体空気を製造しかつ前記液体空気貯蔵タンク
に貯蔵される液体空気を気化する液化・気化設備と、前
記液化・気化設備で気化された空気と燃料とを燃焼し燃
焼ガスを発生する燃焼器と、前記燃焼器で発生した燃焼
ガスにより駆動するガスタービンとを備える。さらに、
前記液化・気化設備は、固体の蓄熱媒体に熱を回収して
前記圧縮機で圧縮された空気を冷却しかつ前記蓄熱媒体
に回収された熱により前記液体空気貯蔵タンクに貯蔵さ
れる液体空気を気化する蓄冷槽を有し、前記流体空気貯
蔵タンクは、前記蓄冷槽の内部に配置される。
【0012】そして、上記本発明によれば、液体空気貯
蔵タンクが蓄冷槽の内部に配置されるため、外部から液
体空気貯蔵タンクへの熱流入を蓄冷槽により遮断し、こ
れにより、液体空気貯蔵タンクに貯蔵される液体空気の
温度が上昇するのを抑制し、エネルギー貯蔵効率を向上
するという効果を奏する。さらに、蓄冷槽の蓄熱媒体が
固体であるため、蓄熱媒体を貯蔵するタンク等が不要と
なるため、液化・気化設備が簡素化するという効果を奏
する。さらに、蓄冷槽の蓄熱媒体が固体であるため、蓄
冷槽の内部に液体空気貯蔵タンクを配置するときに、液
体空気貯蔵タンクの支持構造の強度を向上するという効
果を奏する。
【0013】又は、上記第2の目的を達成するために、
本発明のエネルギー貯蔵型ガスタービン発電システム
は、空気を圧縮する圧縮機と、液体空気を貯蔵する液体
空気貯蔵タンクと、前記圧縮機で圧縮された空気を液化
して前記液体空気を製造しかつ前記液体空気貯蔵タンク
に貯蔵される液体空気を気化する液化・気化設備と、前
記液化・気化設備で気化された空気と燃料とを燃焼し燃
焼ガスを発生する燃焼器と、前記燃焼器で発生した燃焼
ガスにより駆動するガスタービンと、前記燃焼器へ供給
する燃料により前記圧縮機で圧縮された空気を冷却する
冷却装置を備える。
【0014】上記本発明によれば、燃焼器へ供給する燃
料(例えば、液体状態で保存されているLNG)の冷熱
を利用して、圧縮機で圧縮された空気を冷却するため、
エネルギー貯蔵効率を向上するという効果を奏する。即
ち、従来のガスタービン発電プラントでは、極低温の液
体状態で保存されていた燃料は、海水等と熱交換して加
熱され気化されて燃焼器へ供給されていた。本発明のエ
ネルギー貯蔵型ガスタービン発電システムは、海水に放
出していた燃料の冷熱を、空気の冷却に利用するため、
その海水に放出していた燃料の冷熱分だけエネルギー貯
蔵効率が向上する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0016】〔第1の実施の形態〕燃焼器で空気に与え
られた熱エネルギーは、それぞれの温度領域に適したガ
スタービンと蒸気タービンにおいて機械エネルギー(回
転エネルギー)に変換し、発電・電動機において電気エ
ネルギーに変換する。これにより、発電端効率は、48
%もの高い値になる。ただし、ガスタービン系(主に、
圧縮機とガスタービン)の内部をみると、さらに大幅に
電気出力を増大できる可能性がある。例えば、電気出力
150MWクラスのガスタービン系において、ガスター
ビンで発生する機械エネルギーは電気出力の2倍である
300MWもあるが、その半分近くが圧縮機の動力とし
て消費されてしまう。蒸気タービン系(主に、排熱回収
ボイラと蒸気タービンと給水ポンプ)で蒸気を得るに
は、液体状態の復水を給水ポンプで昇圧する。この給水
ポンプに必要な電気エネルギーは、蒸気タービン系で得
られる電気エネルギーの高々数%程度であるのと比較し
て大きな違いである。これは、圧力変化に伴って体積が
大幅に変化する気体を圧縮するのに、圧縮機において大
きな機械エネルギーを必要とするためである。この圧縮
機の必要エネルギーを大幅に減少させることにより、発
電所全体の電気出力を増大させることが可能となる。
【0017】そこで、圧縮機の動力を低減するために、
まず夜間の余剰電力を用いて、圧縮機を回転し、その圧
縮機で圧縮された空気を液化し、液体状態で液体空気貯
蔵タンク内に貯蔵しておく。そして、昼間の特に電気需
要が増大したときに、その液体空気(液体酸素を含む)
を気化して、燃焼器へ供給する。本実施の形態は、圧縮
機で圧縮された空気を液化して液体空気貯蔵タンクへ供
給するまでの間にさらに他の圧縮設備を設置し、圧縮機
で圧縮された空気を、液化プロセスでさらに圧縮するこ
とを特徴とする。また、本実施の形態は、液体空気を気
化して燃焼器へ供給するまでの間に膨張タービン発電設
備を設置し、当該気化した空気を用いて発電することを
特徴とする。また、本実施の形態は、液化・気化設備内
の熱交換設備を複数段(例えば、3段)に分割すること
を特徴とする。
【0018】図1に、本発明のエネルギー貯蔵型ガスタ
ービン発電システムの機械系統図を示す。図1中、10
0はガスタービン107により発電を行うガスタービン
発電設備、101は圧縮機102へ供給する空気の流量
を制御する入口案内翼、102は空気を圧縮する圧縮機、
103は空気を遮断する空気遮断弁、104は空気を遮
断する空気遮断弁、105は燃焼器106へ供給する燃
料の流量を制御する燃料制御弁、106は空気と燃料と
を混合して燃焼し燃焼ガスを発生する燃焼器、107は
燃焼ガスにより駆動するガスタービン、108はガスタ
ービン107から排出される燃焼ガス(以下、「ガスタ
ービン排ガス」と称す。)と熱交換して水を加熱し蒸気
を発生する排熱回収ボイラ、109は蒸気タービン11
0へ供給する蒸気(排熱回収ボイラ108で発生した蒸
気)の流量を制御する蒸気加減弁、110は蒸気により
駆動する蒸気タービン、111は海水等と熱交換して蒸
気タービン110から排出される蒸気を凝縮して復水に
して貯留する復水器、112は排熱回収ボイラへ供給する
水(復水器内に貯留される復水)を昇圧する給水ポン
プ、113はタービンロータ、114は機械エネルギー
と電気エネルギーとを変換する発電・電動機、115は
タービンロータ113を機械的に連結及び分離するクラ
ッチ、116はタービンロータ113を機械的に連結及
び分離するクラッチ、117は空気を遮断する空気遮断
弁、118は燃焼器106へ供給する燃料を遮断する燃
料遮断弁、120は海水等と熱交換して燃料を気化する
燃料気化器、130は排熱回収ボイラから排出されるガ
スタービン排ガス(以下、「ボイラ排ガス」と称す。)
を大気内へ放出する煙突、200は圧縮機102で圧縮
された空気を液化し又は液体空気貯蔵タンク900内に
貯蔵される液体空気を気化する液化・気化設備、201
は空気を遮断する空気遮断弁、202は低温空気冷熱回
収器からの気体空気の冷熱を回収する中温空気冷熱回収
器、203は空気を遮断する空気遮断弁、204は空気
を遮断する空気遮断弁、205は気液分離器207で分
離された気体空気の冷熱を回収する低温空気冷熱回収
器、206は低温空気冷熱回収器205で冷却された空
気を膨張する膨張弁、207は気体と液体とが混合する
空気を気体と液体に分離する気液分離器、208は空気
を遮断する空気遮断弁、209は空気を遮断する空気遮
断弁、210は膨張タービン発電設備700へ供給する
空気を加熱する空気加熱器、212は空気を遮断する空
気遮断弁、220は燃焼器106へ供給する燃料を貯蔵
する燃料貯蔵タンク、221は燃焼器106へ供給する燃
料(燃料貯蔵タンク220内に貯蔵される燃料)を昇圧
する燃料ポンプ、222は燃焼器106へ供給する燃料
の冷熱を回収する燃料冷熱回収器、223は空気を遮断
する空気遮断弁、224は空気を遮断する空気遮断弁、
225は空気を遮断する空気遮断弁、226は燃焼器1
06へ供給する燃料の冷熱を回収する燃料冷熱回収器、
227は空気を遮断する空気遮断弁、228は空気を遮
断する空気遮断弁、229は空気を遮断する空気遮断
弁、300は圧縮機102で圧縮された空気を冷却し又は
膨張タービン発電設備700で膨張した空気を加熱する
高温熱交換設備、301は中温空気冷熱回収器で加熱さ
れた気体空気の冷熱を回収する高温空気冷熱回収器、3
02は高温熱交換設備400で冷却された空気内に含まれ
る固形物や塵等を除去するフィルタ、400は圧縮機1
02で圧縮された空気を冷却し又は中温熱交換設備50
0で加熱された空気を加熱する高温熱交換設備、401
は圧縮機102で圧縮された空気を冷却し又は中温熱交
換設備500で加熱された空気を加熱する高温熱交換
器、402は低温の第1の蓄熱媒体(以下、「熱媒」と
称す。)を貯蔵する低温熱媒タンク、403は低温の第
1の熱媒を遮断する熱媒遮断弁、404は低温熱媒タン
ク402内に貯蔵される低温の第1の熱媒を昇圧する熱媒
ポンプ、405は高温の第1の熱媒を遮断する熱媒遮断
弁、406は高温の第1の熱媒を貯蔵する高温熱媒タン
ク、407は高温の第1の熱媒を遮断する熱媒遮断弁、
408は高温熱媒タンク406内に貯蔵される高温の第
1の熱媒を昇圧する熱媒ポンプ、409は低温の第1の
熱媒を遮断する熱媒遮断弁、500は高温熱交換設備4
00で冷却された空気を冷却し又は膨張タービン発電設
備700で膨張した空気を加熱する中温熱交換設備、5
01は高温熱交換設備400で冷却された空気を冷却し
又は膨張タービン発電設備700で膨張した空気を加熱
する中温熱交換器、502は低温の第2の熱媒を貯蔵す
る低温熱媒タンク、503は低温の第2の熱媒を遮断す
る熱媒遮断弁、504は低温熱媒タンク502内に貯蔵
される低温の第2の熱媒を昇圧する熱媒ポンプ、505
は高温の第2の熱媒を遮断する熱媒遮断弁、506は高
温の第2の熱媒を貯蔵する高温熱媒タンク、507は高
温の第2の熱媒を遮断する熱媒遮断弁、508は中温熱
媒タンク506内に貯蔵される高温の第2の熱媒を昇圧
する熱媒ポンプ、509は低温の第2の熱媒を遮断する
熱媒遮断弁、600は高温熱交換設備300で冷却され
た空気を圧縮する圧縮設備、601はタービンロータ6
03を駆動する電動機、602は高温熱交換設備300
で冷却された空気を圧縮する圧縮機、603はタービン
ロータ、700は低温熱交換設備800で加熱され気化
した空気を膨張して発電を行う膨張タービン発電設備、
701は低温熱交換設備800で加熱され気化した空気
が膨張することにより駆動する膨張タービン、702は
タービンロータ703により膨張タービン701に連結
されて膨張タービン701の駆動により発電を行う発電
機、703はタービンロータ、800は圧縮設備600
で圧縮された空気を冷却し又は液体空気ポンプ903で
昇圧された液体空気を加熱する低温熱交換設備、801
は圧縮設備600で圧縮された空気を冷却し又は液体空
気ポンプ903で昇圧された液体空気を加熱する低温熱
交換器、802は低温の第3の熱媒を貯蔵する低温熱媒
タンク、803は低温の第3の熱媒を遮断する熱媒遮断
弁、804は低温熱媒タンク802内に貯蔵される低温
の第3の熱媒を昇圧する熱媒ポンプ、805は高温の第
3の熱媒を遮断する熱媒遮断弁、806は高温の第3の
熱媒を貯蔵する高温熱媒タンク、807は高温の第3の
熱媒を遮断する熱媒遮断弁、808は高温熱媒タンク8
06内に貯蔵される高温の第3の熱媒を昇圧する熱媒ポ
ンプ、809は低温の第3の熱媒を遮断する熱媒遮断
弁、900は液体空気を貯蔵する液体空気貯蔵タンク、
901は液体空気を遮断する液体空気遮断弁、902は
液体空気を遮断する液体空気遮断弁、903は液体空気
貯蔵タンク900内に貯蔵される液体空気を昇圧する液
体空気ポンプ、905は液体空気貯蔵タンク900内の
圧力を低下させる安全弁、1000は余剰電力(原子力
発電所及び汽力発電所の発電電力から需要電力を差し引
いた電力)を用いてガスタービン発電設備100及び圧
縮設備600へ電気を供給する余剰電力供給装置を示
す。
【0019】本実施の形態のエネルギー貯蔵型ガスター
ビン発電システムは、1個の液化・気化設備200及び
液体空気貯蔵タンク900に対し、3個のガスタービン
発電設備100を有する。尚、ガスタービン発電設備1
00の数は、1個でもよいし、4個以上(例えば、6〜
12個)でもよい。
【0020】また、複数のガスタービン発電設備100
のうちの各々のガスタービン発電設備100に対応して
液化・気化設備200を設け、その複数のガスタービン
発電設備100及び液化・気化設備200に対し1個の
液体空気貯蔵タンク900を設けてもよい。即ち、複数
のガスタービン発電設備100及び液化・気化設備20
0で、液体空気貯蔵タンク900を共用してもよい。
【0021】そして、本実施の形態のエネルギー貯蔵型
ガスタービン発電システムの運転は、通常発電モー
ド、エネルギー充填モード、エネルギー放出発電モ
ードの3つに大別される。
【0022】通常発電モードにおいては、クラッチ1
15及びクラッチ116を共に閉状態として、圧縮機1
02と発電・電動機114とガスタービン107(及び
蒸気タービン110)とを、タービンロータ113によ
り連結する。そして、空気遮断弁103及び空気遮断弁
104を開状態とし、空気遮断弁117を閉状態とし
て、圧縮機102で圧縮された空気を燃焼器106へ供
給する。そして、ガスタービン107及び蒸気タービン
110を駆動させることにより、発電・電動機114を
駆動させて発電を行うと共に圧縮機102を駆動させ
る。尚、起動時(ガスタービン107が停止から所定回
転数に至るまでの間)は、余剰電力供給装置1000等
から電気を発電・電動機114へ供給して、発電・電動
機114を駆動させることにより、圧縮機102及びガ
スタービン107を駆動させる。この通常発電モード
は、主に平日の昼間のように、電気の需要が多いときに
行われる。
【0023】エネルギー充填モードにおいては、クラ
ッチ115を閉状態とし、クラッチ116を開状態とし
て、圧縮機102と発電・電動機114とを、タービン
ロータ113により連結する。一方、発電・電動機11
4とガスタービン107(及び蒸気タービン110)と
を分離する。そして、空気遮断弁103及び空気遮断弁
117を開状態とし、空気遮断弁104を閉状態とし
て、圧縮機102で圧縮された空気を液化・気化設備へ
供給して液体空気を発生する。その液体空気を液体空気
貯蔵タンク900内に貯蔵する。このとき、余剰電力供
給装置1000からの電気を発電・電動機114へ供給
して、発電・電動機114を駆動させることにより、圧
縮機102を駆動させる。ガスタービン107及び蒸気
タービン110は、停止している。このエネルギー充填
モードは、主に平日の夜間や休日のように、電気の需要
が少なく余剰電力が発生したときに行われる。尚、発電
・電動機114へ供給する電気として、他のガスタービ
ン発電設備100が発電する電気の一部を供給してもよ
い。ガスタービン発電設備100においては、燃料とし
てLNGを使用することが多い。通常、LNGは、極低
温の液体状態で燃料貯蔵タンク220内に保管されてい
る。外部から燃料貯蔵タンク220への熱流入を0にで
きないので、常時、若干のLNGが気化して可燃性LN
Gガスが発生する。そこで、電気の需要が少ない夜間や
休日等においても、複数のガスタービン発電設備100
の一部を稼動する場合がある。
【0024】エネルギー放出発電モードにおいては、
クラッチ115を開状態とし、クラッチ116を閉状態
として、発電・電動機114とガスタービン107(及
び蒸気タービン110)とを、タービンロータ113に
より連結する。一方、圧縮機102と発電・電動機11
4とを分離する。そして、空気遮断弁103を閉状態と
し、空気遮断弁104及び空気遮断弁117を開状態と
する。液化・気化設備200において、液体空気貯蔵タ
ンク900に貯蔵される液体空気を気化して、燃焼器1
06へ供給する。そして、ガスタービン107及び蒸気
タービン110を駆動させることにより、発電・電動機
114を駆動させて発電を行う。尚、この際、圧縮機1
02は、停止している。このエネルギー放出発電モード
は、通常発電モードのかわりに行われる。即ち、主に平
日の昼間のように、電気の需要が多いときに行われる。
【0025】本実施の形態のエネルギー貯蔵型ガスター
ビン発電システムの運転は、通常発電モード、エネ
ルギー充填モード、エネルギー放出発電モードを各々
独立に行わなくてもよい。即ち、通常発電モードと
エネルギー充填モードとを複合して運転してもよい。又
は、通常発電モードとエネルギー放出発電モードと
を複合して運転してもよい。1個のガスタービン発電設
備100で、上記複合運転を行ってもよいし、複数のガ
スタービン発電設備100にわたって、上記複合運転を
行ってもよい。複数のガスタービン発電設備100にわ
たって複合運転を行うとは、複数のガスタービン発電設
備100のうちの一部は、通常発電モードで運転し、
その他の一部又は全部のガスタービン発電設備100
は、エネルギー充填モードで運転することをいう。又
は、複数のガスタービン発電設備100のうちの一部
は、通常発電モードで運転し、その他の一部又は全部
のガスタービン発電設備100は、エネルギー放出発
電モードで運転することをいう。
【0026】1個のガスタービン発電設備100で複合
運転を行うとき、空気遮断弁104を空気の流量を制御
する空気制御弁119にかえ若しくは/及び空気遮断弁
117を空気制御弁121にかえる。又は、空気遮断弁1
04と燃焼器106との間に空気制御弁119を設置し
若しくは/及び空気遮断弁117と液化・気化設備20
0との間に空気制御弁121を設置する。
【0027】通常発電モードとエネルギー充填モー
ドとを複合して運転するとき、クラッチ115及びクラ
ッチ116を共に閉状態として、圧縮機102と発電・
電動機114とガスタービン107(及び蒸気タービン
110)とを、タービンロータ113により連結する。
そして、空気遮断弁103を開状態とし、圧縮機102
で圧縮された空気を、空気制御弁119を経て燃焼器1
06へ供給すると共に、空気制御弁121を経て液化・
気化設備200へ供給する。燃焼器106へ供給する空
気の流量及び液化・気化設備200へ供給する空気の流
量は、空気制御弁119又は/及び空気制御弁121に
より制御される。そして、ガスタービン107及び蒸気
タービン110を駆動させることにより、発電・電動機
114を駆動させて発電を行うと共に圧縮機102を駆
動させる。
【0028】通常発電モードとエネルギー放出発電
モードとを複合して運転するとき、クラッチ115及び
クラッチ116を共に閉状態として、圧縮機102と発
電・電動機114とガスタービン107(及び蒸気ター
ビン110)とを、タービンロータ113により連結す
る。そして、空気遮断弁103を開状態とし、圧縮機1
02で圧縮された空気を、空気制御弁119を経て、燃
焼器106へ供給する。液化・気化設備200で気化さ
れた空気を、空気制御弁121を経て、燃焼器106へ
供給する。圧縮機102で圧縮された空気の流量及び液
化・気化設備200で気化された空気の流量は、空気制
御弁119又は/及び空気制御弁121により制御され
る。そして、ガスタービン107及び蒸気タービン11
0を駆動させることにより、発電・電動機114を駆動
させて発電を行うと共に圧縮機102を駆動させる。
通常発電モードとエネルギー放出発電モードとの複合
運転を、ガスタービン発電設備100の起動時に行う
と、余剰電力供給設備1000から発電・電動機114へ供
給する電気量を低減できる。
【0029】ガスタービン発電設備100において、ガ
スタービン107(及び蒸気タービン110)を駆動し
て、発電を行う。
【0030】遠心型の圧縮機102において、空気(例
えば、大気)を、10〜15気圧まで圧縮する。このと
き空気の温度は、320℃〜350℃程度まで上昇す
る。圧縮機102の空気の流入口側には、入口案内翼1
01を形成する。ガスタービン発電設備100の運転状
態(起動,定格,停止等)や、発電機114の発電出力
又は負荷等に応じて、入口案内翼101の開度を制御
し、圧縮機102に流入する空気の流量を制御する。そ
して、圧縮機102で圧縮された空気は、空気遮断弁1
03を経た後、通常発電モード時には空気遮断弁104
を経て燃焼器106へ供給され、又はエネルギー充填モ
ード時には空気遮断弁117を経て液化・気化設備20
0へ供給される。
【0031】一方、燃料(例えば、LNG,石油)は、
燃料貯蔵タンク220内に、液体状態で貯蔵される。そ
して、通常発電モード時及びエネルギー放出発電モード
時に、燃料ポンプ221において、燃料貯蔵タンク22
0内に貯蔵される燃料を昇圧する。昇圧された燃料は、
燃料気化器120へ供給される。燃料気化器120にお
いて、昇圧された燃料と海水等とを熱交換して、昇圧さ
れた燃料を加熱し気化させる。気化した燃料は、燃料遮
断弁118を経て、燃料制御弁105を経て、燃焼器1
06へ供給される。燃焼器106において、通常発電モ
ード時には圧縮機102で圧縮された空気又はエネルギ
ー放出発電モード時には液化・気化設備200で気化さ
れた空気と、燃料とを混合して燃焼し、燃焼ガスを発生
する。燃焼ガスの温度は、例えば、1200℃〜150
0℃程度である。
【0032】燃焼ガスは、ガスタービン107へ供給さ
れ、膨張する。ガスタービン107は、燃焼ガスの膨張
過程で駆動する(タービンロータ113を回転させ
る)。ガスタービン排ガス(一般に、600℃程度)
は、排熱回収ボイラ108に供給される。排熱回収ボイ
ラ108において、ガスタービン排ガスと熱交換して水
を加熱し、蒸気を発生する。蒸気は、蒸気加減弁109
を経て、蒸気タービンに供給され、膨張する。蒸気ター
ビン110は、蒸気の膨張過程で駆動する(タービンロ
ータ113を回転させる)。蒸気タービン110は、器
内がほぼ真空状態の復水器111に接続されている。蒸
気タービン110からの蒸気は、復水器111へ供給さ
れ、復水器111内で、海水等と熱交換して、凝縮し、
復水となり、復水器111内に貯留される。復水器11
1内に貯留される復水は、給水ポンプ112で昇圧さ
れ、再び排熱回収ボイラ108に供給される。
【0033】圧縮機102と発電機114とガスタービ
ン107と蒸気タービン110とは、タービンロータ1
13により機械的に連結される。発電機114におい
て、機械エネルギー(タービンロータ113の回転エネ
ルギー)を電気エネルギーに変換して電気を発生する。
【0034】一方、水と熱交換した後のガスタービン排
ガスは、排熱回収ボイラ内で、ガスタービン排ガス中に
含まれる窒素酸化物を触媒層を通して無害な酸素と窒素
に分解される。ボイラ排ガス(一般に、100℃程度)
は、他のガスタービン発電設備100からのボイラ排ガ
スと合流して、煙突130へ供給される。煙突130に
おいて、ボイラ排ガスを大気内へ放出する。
【0035】液化・気化設備200において、エネルギ
ー充填モード時に、圧縮機102で圧縮された空気を液
化する(液化プロセス)。又は、液化・気化設備200
において、エネルギー放出発電モード時に、液体空気貯
蔵タンク900に貯蔵される液体空気を気化する(気化
プロセス)。
【0036】先ず、エネルギー充填モード時の液化・気
化設備200等の動作を説明する。圧縮機102で圧縮
された空気は、空気遮断弁229を経て、高温熱交換設
備300へ供給される。高温熱交換設備300におい
て、圧縮機102で圧縮された空気を冷却する。高温熱
交換設備300は、さらに高温熱交換設備400及び中
温熱交換設備500を有する。
【0037】高温熱交換設備400において、低温熱媒
タンク402内に貯蔵される低温の第1の熱媒(例え
ば、機械油類等)は、熱媒遮断弁403を経て、熱媒ポ
ンプ404で昇圧され、対向流型の高温熱交換器401
へ供給される。高温熱交換器401において、低温の第
1の熱媒と圧縮機102で圧縮された空気とを熱交換し
て、圧縮機102で圧縮された空気を冷却する。高温熱
交換器401で加熱されて高温となった第1の熱媒は、
熱媒遮断弁405を経て、高温熱媒タンク406へ供給さ
れる。高温熱媒タンク406において、高温の第1の熱
媒を貯蔵する。このとき、熱媒ポンプ408は停止して
おり、熱媒遮断弁407及び熱媒遮断弁409は閉じて
いる。そして、高温熱交換設備400で冷却された空気
は、高温空気冷熱回収器301でさらに冷却された後、
フィルタ302へ供給される。
【0038】フィルタ302において、高温空気冷熱回
収器301で冷却された空気に含まれる固形物又は塵等
を除去する。圧縮機102で圧縮された空気は、水分と
二酸化炭素とを含む。そして、その水分と二酸化炭素
が、空気の液化プロセスで凝固して固形物となり、空気
の配管等を閉鎖させる恐れがある。そのため、適切な温
度領域(例えば、高温熱交換設備400と中温熱交換設
備500の間、中温熱交換設備500と圧縮設備600
との間、圧縮設備600と低温熱交換設備800との間
等)にフィルタ302を設置することが望ましい。フィ
ルタ302からの空気は、中温熱交換設備500へ供給
される。
【0039】中温熱交換設備500において、低温熱媒
タンク502内に貯蔵される低温の第2の熱媒(例え
ば、プロパン等)は、熱媒遮断弁503を経て、熱媒ポ
ンプ504で昇圧され、対向流型の中温熱交換器501
へ供給される。中温熱交換器501において、低温の第
2の熱媒とフィルタ302からの空気とを熱交換して、
フィルタ302からの空気を冷却する。中温熱交換器5
01で加熱されて高温となった第2の熱媒は、熱媒遮断
弁505を経て、高温熱媒タンク506へ供給される。
高温熱媒タンク506において、高温の第2の熱媒を貯
蔵する。このとき、熱媒ポンプ508は停止しており、
熱媒遮断弁507及び熱媒遮断弁509は閉じている。
そして、高温熱交換設備300で冷却された空気(中温
熱交換設備500で冷却された空気)は、空気遮断弁2
01を経て、圧縮設備600へ供給される。
【0040】圧縮設備600は、電動機601と圧縮機
602とが、タービンロータ603により連結されてい
る。余剰電力供給装置1000からの電気を電動機60
1へ供給して、電動機601を駆動することにより、圧
縮機602を駆動する。圧縮機602において、高温熱
交換設備300で冷却された空気を、液化に必要な所定
圧力(例えば、38気圧以上)まで圧縮する。例えば、
所定圧力が40気圧であれば、空気の温度は、圧縮によ
り−70℃程度まで上昇する。圧縮設備600で圧縮さ
れた空気(圧縮機602で圧縮された空気)は、中温空
気冷熱回収器202でさらに冷却された後、空気遮断弁
203を経て、低温熱交換設備800へ供給される。こ
のとき、膨張タービン発電設備700は停止しており、
空気遮断弁209及び空気遮断弁212は閉じている。
【0041】低温熱交換設備800において、低温熱媒
タンク802内に貯蔵される低温の第3の熱媒(例え
ば、プロパン等)は、熱媒遮断弁803を経て、熱媒ポ
ンプ804で昇圧され、対向流型の低温熱交換器801
へ供給される。低温熱交換器801において、低温の第
3の熱媒と中温空気冷熱回収器202で冷却された空気
とを熱交換して、中温空気冷熱回収器202で冷却され
た空気を−170℃程度まで冷却する。低温熱交換器8
01で加熱されて高温となった第3の熱媒は、熱媒遮断
弁805を経て、高温熱媒タンク806へ供給される。
高温熱媒タンク806において、高温の第3の熱媒を貯
蔵する。このとき、熱媒ポンプ808は停止しており、
熱媒遮断弁807及び熱媒遮断弁809は閉じている。
そして、低温熱交換設備800で冷却された空気は、空
気遮断弁225、空気遮断弁204を経て、低温空気冷熱
回収器205でさらに冷却された後、膨張弁206へ供
給される。
【0042】膨張弁206において、低温空気冷熱回収
器205で冷却された空気を1気圧まで膨張させる。こ
のとき、Joule−Thomson効果により、80%程度の空気
が液化する。気体(20%)と液体(80%)の混合状態
の空気は、気液分離器207へ供給される。気液分離器
207において、気体状態の空気(気体空気)と液体状
態の空気(液体空気)とを分離する。そして、液体空気
は、液体空気遮断弁901を経て、液体空気貯蔵タンク
900へ供給される。このとき、液体空気ポンプ903
は停止しており、液体空気遮断弁208及び液体空気遮
断弁902は閉じている。
【0043】一方、気体空気の温度は−190℃程度で
あり、これを空気の液化プロセスの適した位置へ供給し
て、液化プロセス中の空気と熱交換させて、気体空気の
冷熱を回収する。即ち、気液分離器207内の気体空気
は、低温空気冷熱回収器205へ供給され、低温熱交換
設備800で冷却された空気を冷却する。低温空気冷熱
回収器205で加熱された気体空気は、中温空気冷熱回
収器202へ供給され、圧縮設備600で圧縮された空
気を冷却する。中温空気冷熱回収器202で加熱された
気体空気は、高温空気冷熱回収器301へ供給され、高
温熱交換設備300で冷却された空気を冷却する。高温
空気冷熱回収器301で加熱された気体空気は、大気内
へ放出される。
【0044】液体空気貯蔵タンク900において、液体
空気を貯蔵する。液体空気貯蔵タンク900は、液体空
気を大気圧(1気圧)の状態で貯蔵するため、強度面や
安全上の問題が少ない。ガスタービン発電設備100の
停止時及び通常発電モード時には、液体空気遮断弁90
1と液体空気遮断弁902との何れもが閉じている。液
体空気貯蔵タンク900は、ステンレス製の大型の円筒
型タンクであることが望ましい。さらに、液体空気貯蔵
タンク900内に貯蔵される液体空気の蓄発熱を利用し
て液体空気貯蔵タンク900内に貯蔵される液体空気の
温度上昇を抑制する。そして、発生した気体空気を安全
弁905を経て、大気内へ放出することが望ましい。
【0045】次に、エネルギー放出発電モード時の液化
・気化設備200の動作を説明する。液体空気貯蔵タン
ク900内に貯蔵される液体空気は、液体空気遮断弁9
02を経て、液体空気ポンプ903で昇圧された後に、
液化・気化設備200へ供給される。このとき、液体空
気遮断弁901は閉じている。液体空気ポンプ903に
おいて、液体空気貯蔵タンク900内に貯蔵される液体
空気を、燃焼器106へ供給する空気の圧力(例えば、
10〜15気圧)よりも高い圧力(例えば、200気
圧)まで昇圧する。一般に、液体の圧縮(昇圧)に必要
なエネルギーは、気体の圧縮に必要なエネルギーに対し
て、数%程度である。即ち、液体の圧縮(昇圧)に必要
なエネルギーは、気体の圧縮に必要なエネルギーに比較
して、無視できるほど小さい。
【0046】液化・気化設備200において、液体空気
ポンプ903で昇圧された液体空気は、液体空気遮断弁
208,空気遮断弁225を経て、低温熱交換設備80
0へ供給される。このとき、空気遮断弁204は閉じて
いる。
【0047】低温熱交換設備800において、高温熱媒
タンク806内に貯蔵される高温の第3の熱媒は、熱媒
遮断弁807を経て、熱媒ポンプ808で昇圧され、低
温熱交換器801へ供給される。低温熱交換器801に
おいて、高温の第3の熱媒と液体空気ポンプ903で昇
圧された液体空気とを熱交換して、液体空気ポンプ90
3で昇圧された液体空気を加熱し気化させる。このと
き、加熱された液体空気の温度は、例えば、15℃程度
である。低温熱交換器801で冷却されて低温となった
第3の熱媒は、熱媒遮断弁809を経て、低温熱媒タン
ク802へ供給される。低温熱媒タンク802におい
て、高温の第3の熱媒を貯蔵する。このとき、熱媒ポン
プ804は停止しており、熱媒遮断弁803及び熱媒遮
断弁805は閉じている。そして、低温熱交換設備80
0で加熱され気化した空気は、空気遮断弁209を経
て、空気加熱器210へ供給される。このとき、空気遮
断弁203は閉じている。
【0048】空気加熱器210において、ボイラ排ガス
と低温熱交換設備800で加熱され気化した空気とを熱
交換して、低温熱交換設備800で加熱され気化した空
気をさらに加熱する。これにより、膨張タービン発電設
備700で回収できるエネルギー(発電機702が発電
する電気エネルギー)を増加することができる。空気加
熱器210で冷却されたボイラ排ガスは、煙突130へ
供給され、大気内へ放出される。尚、ボイラ排ガスにか
えて又はボイラ排ガスと共に、ガスタービン排ガス,ガ
スタービン107の動翼若しくは静翼内を冷却した後の
空気,大気,圧縮機102へ供給する空気、圧縮機10
2内の圧縮中の中間空気,海水,復水器111へ供給す
る海水、復水器111から排出される海水等の少なくと
も1つ(以下、「ガスタービン排熱」と称す。)を、空
気加熱器210へ供給して、低温熱交換設備800で加
熱され気化した空気を加熱してもよい。一方、空気加熱
器210で加熱された空気は、膨張タービン発電設備7
00へ供給される。
【0049】膨張タービン発電設備700は、膨張ター
ビン701と発電機702とが、タービンロータ703
により連結されている。膨張タービン701において、
空気加熱器210で加熱された空気を、燃焼器106へ
供給する空気として必要な圧力(例えば、10〜15気
圧)まで膨張する。膨張タービン701は、空気加熱器
210で加熱された空気の膨張過程で駆動する。これに
伴い、膨張タービン701にタービンロータ703によ
り連結された発電機702が駆動する。発電機702に
おいて、機械エネルギー(タービンロータ703の回転
エネルギー)を電気エネルギーに変換して電気を発生す
る。膨張タービン発電設備600で膨張した空気(膨張
タービン701で膨張した空気)は、空気遮断弁212
を経て、高温熱交換設備300へ供給される。このと
き、圧縮設備600は停止しており、空気遮断弁201
は閉じている。
【0050】ここで、例えば、膨張タービンにおいて、
温度15℃で圧力200気圧の空気が、圧力10気圧
(このとき、温度−140℃程度となる。)まで膨張し
たとすると、エネルギー充填モード時に必要としたエネ
ルギー(主に、圧縮機102及び圧縮機602の駆動動
力、即ち、余剰電力供給装置1000から発電・電動機
114及び電動機601へ供給した電気エネルギー)に
対し約30%のエネルギーを回収することができる。又
は、常温の空気を10気圧まで圧縮するのに必要とする
エネルギーに対して約1/3程度のエネルギーを回収す
ることができる。高温熱交換設備300において、膨張
タービン発電設備700で膨張した空気を加熱する。中
温熱交換設備500において、高温熱媒タンク506内
に貯蔵される高温の第2の熱媒は、熱媒遮断弁507を
経て、熱媒ポンプ508で昇圧され、中温熱交換器50
1へ供給される。中温熱交換器501において、高温の
第2の熱媒と膨張タービン発電設備700で膨張した空
気とを熱交換して、膨張タービン発電設備700で膨張
した空気を加熱する。中温熱交換器501で冷却されて
低温となった第2の熱媒は、熱媒遮断弁509を経て、
低温熱媒タンク502へ供給される。低温熱媒タンク50
2において、低温の第2の熱媒を貯蔵する。このとき、
熱媒ポンプ504は停止しており、熱媒遮断弁503及
び熱媒遮断弁505は閉じている。そして、中温熱交換
設備500で加熱された空気は、フィルタ302を経
て、高温空気冷熱回収器301を経て、高温熱交換設備
400へ供給される。尚、中温熱交換設備500で加熱
された空気は、フィルタ302及び高温空気冷熱回収器
301を経ずに、直接に高温熱交換設備400へ供給さ
れてもよい。
【0051】高温熱交換設備400において、高温熱媒
タンク406内に貯蔵される高温の第1の熱媒は、熱媒
遮断弁407を経て、熱媒ポンプ408で昇圧され、高
温熱交換器401へ供給される。高温熱交換器401に
おいて、高温の第1の熱媒と中温熱交換設備500で加
熱された空気とを熱交換して、中温熱交換設備500で
加熱された空気を加熱する。加熱された空気の温度は、
例えば、320℃〜350℃程度である。高温熱交換器
401で冷却されて低温となった第1の熱媒は、熱媒遮
断弁409を経て、低温熱媒タンク402へ供給され
る。低温熱媒タンク402において、低温の第1の熱媒
を貯蔵する。このとき、熱媒ポンプ404は停止してお
り、熱媒遮断弁403及び熱媒遮断弁405は閉じてい
る。そして、高温熱交換設備300で加熱された空気
(高温熱交換設備400で加熱された空気)は、空気遮
断弁229を経て、ガスタービン発電設備100へ供給
される。
【0052】ガスタービン発電設備100において、液
化・気化設備で気化された空気(高温熱交換設備200
で加熱された空気、即ち高温熱交換設備400で加熱さ
れた空気)は、空気遮断弁117を経て、空気遮断弁1
04を経て、燃焼器106へ供給される。
【0053】液化・気化設備200において、燃焼器1
06へ供給する燃料の冷熱を利用して、圧縮機102で
圧縮された空気を冷却することが好ましい。例えば、図
1に示すように、燃料貯蔵タンク220と燃焼器106
との間に燃料冷熱回収器222及び燃料冷熱回収器226
を設置する。燃料冷熱回収器222及び燃料冷熱回収器
226は、対向流型の熱交換器である。そして、燃料ポ
ンプ221において、燃料貯蔵タンク220内に貯蔵さ
れる燃料を昇圧する。昇圧された燃料は、燃料冷熱回収
器222へ供給される。一方、低温熱交換設備800で
冷却された空気は、空気遮断弁223を経て、燃料冷熱
回収器222へ供給される。燃料冷熱回収器222にお
いて、昇圧された燃料と低温熱交換設備800で冷却さ
れた空気とを熱交換して、昇圧された燃料を加熱すると
共に、低温熱交換設備800で冷却された空気を冷却す
る。燃料冷熱回収器222で加熱された燃料は、燃料冷
熱回収器226へ供給される。一方、燃料冷熱回収器2
22で冷却された空気は、空気遮断弁224,空気遮断
弁204を経て、低温空気冷熱回収器205へ供給され
る。このとき、空気遮断弁225は閉じている。また、
圧縮機102で圧縮された空気は、空気遮断弁227を
経て、燃料冷熱回収器226へ供給される。燃料冷熱回
収器226において、燃料冷熱回収器222で加熱され
た燃料と圧縮機102で圧縮された空気とを熱交換し
て、燃料冷熱回収器222で加熱された燃料を加熱し気
化させると共に、圧縮機102で圧縮された空気を冷却
する。燃料冷熱回収器226で加熱された燃料は、燃料
気化器120,燃料遮断弁118,燃料制御弁105を
経て、燃焼器106へ供給される。一方、燃料冷熱回収
器226で冷却された空気は、空気遮断弁228を経
て、高温熱交換設備300へ供給される。このとき、空
気遮断弁229は閉じている。
【0054】即ち、燃料貯蔵タンク220内に極低温の
液体状態で貯蔵される燃料は、燃料冷熱回収器222及
び燃料冷熱回収器226で加熱され気化した後、燃焼器
106へ供給されることになる。よって、燃料冷熱回収器
226で加熱された燃料は、燃料気化器120を経ずに
燃焼器106へ供給するか、又は、燃料気化器120を
停止しておく方が好ましい。また、空気に冷熱を回収さ
れた燃料が供給される燃焼器106は、エネルギー充
填モードで運転している(液化・気化設備200へ空気を
供給している)ガスタービン発電設備100とは違う別
の通常発電モードで運転しているガスタービン発電設
備100の燃焼器106であってもよい。又は、通常
発電モードとエネルギー充填モードとの複合運転を行
っている当該ガスタービン発電設備100自身の燃焼器
106であってもよい。即ち、当該ガスタービン発電設
備100は、液化・気化設備200へ空気を供給すると
共に、燃料冷熱回収器222で加熱された燃料により発
電を行うことになる。
【0055】また、燃料冷熱回収器222及び燃料冷熱
回収器226の設置位置は、図1に限定されるものでは
ない。例えば、燃料冷熱回収器222は、圧縮設備60
0で圧縮された空気を冷却するように設置してもよい。
また、燃料冷熱回収器226は、高温熱交換設備400
で冷却された空気を冷却するように設置してもよいし、
中温熱交換設備500で冷却された空気を冷却するよう
に設置してもよい。また、燃料冷熱回収器222は、低
温熱交換設備800をバイパスするように設置してもよ
い。即ち、燃料冷熱回収器222は、圧縮設備600で
圧縮された空気を冷却して、その冷却した空気を低温空
気冷熱回収器205へ供給する。同様に、燃料冷熱回収
器226は、高温熱交換設備300をバイパスするよう
に設置してもよい。即ち、燃料冷熱回収器226は、圧
縮機102で圧縮された空気を冷却して、その冷却した
空気を圧縮設備600へ供給する。
【0056】次に、本実施の形態のエネルギー貯蔵型ガ
スタービン発電システムのプロセスの物性の変化を図2
に示す。一般に低温における空気の物性は、図2に示す
ように、温度とエントロピで表現される。点線hiと半
円hoiに囲まれた部分(斜線部)が、液体と気体の混
合領域であり、点線oh上が飽和液,点線oi上が飽和
気体の状態である。等圧での物性変化を200気圧,4
0気圧,10気圧,1気圧のみ示す。
【0057】液化プロセスでは、先ず点aの空気は、圧
縮機102の圧縮プロセスで、点a〜点bに沿って、1
0気圧まで等エントロピで圧力上昇する。その後空気
は、高温熱交換設備400及び中温熱交換設備500で
の冷却プロセスで、点b〜点cに沿って等圧で温度低下
する。その後空気は、圧縮設備600の圧縮プロセス
で、点c〜点dに沿って等エントロピで圧力上昇する。
その後空気は、低温熱交換設備800の冷却プロセス
で、点d〜点eに沿って等圧で温度低下する。その後空
気は、膨張弁206の膨張プロセスで、点e〜点f〜点
gに沿って等エンタルピで変化する。点gの空気は、液
体と気体の混合状態であるので、気液分離器207で液
体空気と気体空気に分離される。そして、液体空気(点
h)は、液体空気貯蔵タンク900内に保管され。気体
空気(点i)は、液化プロセス中に低温空気冷熱回収器2
05,中温空気冷熱回収器202,高温空気冷熱回収器
301の加熱プロセスで、点i〜点aに沿って等圧で温
度上昇する。
【0058】気化プロセスでは、液体空気貯蔵タンク9
00内に保管されていた液体空気(点h)は、液体空気
ポンプ903の昇圧プロセスで、点j(200気圧程
度)まで等温で圧力上昇する。その後液体空気は、低温
熱交換設備800の加熱プロセスで、点j〜点kに沿っ
てほぼ等圧で気化および温度上昇する。その後気化した
空気は、膨張タービン発電設備700の膨張プロセス
で、点k〜点cに沿って等エントロピで温度低下すると
共に圧力低下する。その後10気圧になった空気は、中
温熱交換設備500及び高温熱交換設備の加熱プロセス
で、点c〜点bに沿って等圧で温度上昇する。そして、
空気は、点bの状態で、燃焼器106へ供給される。
【0059】図2では、点bから温度低下した場合と点
kから圧力低下した場合は共に点cの温度になっている
が、より低温の冷熱を得る、例えば液化プロセスの冷却
に利用するという観点からは、点kからの圧力低下させ
たときの温度を点bから温度低下させる温度より低くす
るよう制御することが好ましい。これにより、低温の冷
熱を回収して点dから点eへの冷却の熱媒としても使用
できる。
【0060】本実施の形態では、対向流型の熱交換器と
熱媒を貯蔵するタンクの構成を3段の場合、即ち、高温
熱交換設備400,中温熱交換設備500及び低温熱交
換設備800を有する場合を示したが、経済性とエネル
ギー貯蔵効率の関係で、任意の段数と熱媒の種類を選択
することが可能である。適正な熱媒を選定すれば、気化
プロセスにおける液体空気の冷熱をほぼ100%回収で
き、液化プロセスにおける空気の冷却に有効に活用する
ことができる。
【0061】熱伝達率を良くするため、本実施の形態の
熱媒は何れも、低温熱媒タンクから高温熱媒タンクに至
るまでの温度領域で、液体状態であることが望ましい。
例えば、第1の熱媒として機械油類,第2の熱媒及び第
3の熱媒としてLNGの一成分であるプロパンが適して
いる。プロパンは、大気圧での融点が−188℃で沸点
が−42℃であり、約150℃の幅広い範囲で液体状態
である。また、プロパンは、熱媒として使用できる他
に、不要になれば、例えば気化すれば、燃料として燃焼
器106へ供給することも可能である。他の熱媒とし
て、フレオン等を含有するハロゲン化合物やアルコール
類等を組み合わせることも可能である。しかしながら、
フレオン類は、不要になった時の処分方法に困る。ま
た、熱媒を貯蔵するタンク(低温熱媒タンク402,高
温熱媒タンク406,低温熱媒タンク502,高温熱媒
タンク506,低温熱媒タンク802,高温熱媒タンク
806)は、外部からの熱流入を抑制する多重構造とす
るが、若干の熱流入は避けられない。そこで、液体状態
の極低温(例えば、−170℃程度)のLNGを燃焼器
106へ供給する際、熱媒タンクを通し、極低温のLN
Gと熱媒とを熱交換させることにより、各熱媒タンク内
の熱媒を冷却して気化を抑制することが望ましい。
【0062】本実施の形態のエネルギー貯蔵型ガスター
ビン発電システムのエネルギー貯蔵効率を求める。
【0063】従来の1軸あたりのガスタービンの電気出
力が150MWのコンバインドサイクル発電システムで
は、圧縮機の動力が150MWで、蒸気タービンの電気
出力が80MWである。よって、合計230MWであ
る。一方、夏場で電力需要のピーク時に、圧縮機からの
吸気を0とし100%液体空気を使用して運転するとと
もに、気化プロセス中の液体空気を利用して膨張タービ
ンを駆動するとする。圧縮機の動力が不要となり、その
分ガスタービンの電気出力に加算されるので、本実施の
形態の1軸あたりのガスタービンの電気出力が300M
W、膨張タービンの電気出力が60MW,蒸気タービン
の電気出力が80MWである。よって、合計440MW
となる。従って、本実施の形態のエネルギー貯蔵型ガス
タービン発電システムによれば、従来の液体空気を使用
しない通常のコンバインドサイクル発電プラントの電気
出力に対し、ほぼ2倍に相当する電気出力を得ることが
できる。例えば、ガスタービン発電設備が6軸あるとす
ると、1380MW(従来)から2640MW(本実施
の形態)へ増加し、1260MWも発電量の増加が見込
める。
【0064】本実施の形態において、液化プロセスに必
要な動力は、圧縮機102の動力(150MW)と圧縮
機602の動力(35MW)だけであり、その合計で1
85MWとなる。液化率が80%であることから、液化
率100%に相当する液化プロセスに必要な動力は23
0MWとなる。一方、気化プロセスで回収できる動力
(電気出力)は、圧縮機102を駆動しないことによる
動力の増加分(150MW)と膨張タービンの動力(6
0MW)との合計から液体空気ポンプ903の動力(1
0MW)を差し引いて、200MWとなる。したがっ
て、エネルギー貯蔵効率は、約85%となる。
【0065】尚、本実施の形態を適用するにあたり、ガ
スタービンの電気出力が2倍になるので、従来のガスタ
ービン発電設備に対し、発電・電動機の容量を2倍にす
る必要がある。これは、2倍の容量の発電・電動機を使
用してもよいし、発電・電動機を2個使用してもよい。
【0066】本実施の形態によれば、圧縮機に必要な所
要動力を低減するだけでなく、膨張タービン等により発
電できるので電気出力を増加するという効果を奏する。
さらに、気化プロセスで、空気を膨張して動力を回収す
ると共に空気の温度を低下し、その冷熱を回収するた
め、エネルギー貯蔵効率が向上する。さらに、液化プロ
セスで、熱媒を数段階に分けることにより、冷熱を無駄
なく貯蔵することができる。
【0067】また、他の実施の形態として、圧縮機60
2と膨張タービン701とをタービンロータで連結して
もよい。
【0068】図3に、本発明のエネルギー貯蔵型ガスタ
ービン発電システムの液化・気化設備の機械系統図を示
す。図3中、750は空気を圧縮し及び空気を膨張して
発電する圧縮・発電設備、751は機械エネルギーと電
気エネルギーとを変換する発電・電動機、752はター
ビンロータ754を機械的に連結及び分離するクラッ
チ、753はタービンロータ754を機械的に連結及び
分離するクラッチ、754はタービンロータを示す。
【0069】発電・電動機751は、発電・電動機11
4と同様に、発電機と電動機の機能を有する。圧縮・発
電設備750において、圧縮機602とクラッチ752
と発電・電動機751とクラッチ753と膨張タービン
701とは、タービンロータ754により機械的に連結
される。発電・電動機751は、圧縮機602と膨張タ
ービン701との間に形成される。クラッチ752は、
圧縮機602と発電・電動機751との間に形成され、
圧縮機602と発電・電動機751とを連結又は分離す
る。また、クラッチ753は、膨張タービン701と発
電・電動機751との間に形成され、膨張タービン701
と発電・電動機751とを連結又は分離する。
【0070】そして、エネルギー充填モード時には、
クラッチ752を閉状態として圧縮機602と発電・電
動機751とを連結すると共に、クラッチ753を開状
態として膨張タービン701と発電・電動機751とを
分離する。そして、余剰電力供給装置1000から供給
される電気により、発電・電動機751を駆動し、圧縮
機602を駆動する。圧縮機602において、高温熱交
換設備300で冷却された空気を圧縮する。
【0071】一方、エネルギー放出発電モード時に
は、クラッチ752を開状態として圧縮機602と発電
・電動機751とを分離すると共に、クラッチ753を
閉状態として膨張タービン701と発電・電動機751
とを連結する。空気加熱器210で加熱された空気によ
り、膨張タービン701を駆動し、発電・電動機751
を駆動して発電する。
【0072】〔第2の実施の形態〕以下、本発明のエネ
ルギー貯蔵型ガスタービン発電システムの第2の実施の
形態を説明する。
【0073】本実施の形態は、熱媒を固体とすることを
特徴とする。即ち、上記本発明の第1の実施の形態の熱
媒タンクを、固体の熱媒を有する蓄冷槽とする。また。
本実施の形態は、液体空気貯蔵タンクを蓄冷槽の内部に
設置することを特徴とする。図4,図5に、本発明のエ
ネルギー貯蔵型ガスタービン発電システムの蓄冷槽の構
造図を示す。図4中、30は鋼管、31はヘッダ、33
は固体の熱媒を示す。尚、本実施の形態の機械系統は、
高温熱交換設備300及び低温熱交換設備800を蓄冷
槽にかえたこと以外は上記第1の実施の形態と同一とす
る。
【0074】蓄冷槽は、円柱形状を成す。蓄冷槽は、そ
の一部又は全部が地中に埋まる構造とする。
【0075】蓄冷槽の内部は鋼管30群で構成される。
鋼管30の直径を、例えば200mm程度とする。鋼管3
0の材質として、例えば、耐食性及び耐磨耗性に優れる
ステンレス鋼、又は安価な炭素鋼等を用いる。又は、鋼
管30のかわりに、熱伝導性に優れる銅管を用いてもよ
い。図4の断面図に示すように、鋼管の内部には、直径
30mm程度の球状の固体の熱媒33が充填されている。
固体の熱媒33として、例えば、石やセラミックス,酸
化鉄等の金属酸化物を用いる。鋼管30群は、千鳥格子
状に相互に接触する形に形成して、蓄冷槽全体を一体で
形成する。鋼管30群の間隙には、砂等を充填する。こ
れにより、鋼管30間の熱伝達を減少すると共に、鋼管
30群が相互に支え合う構造とする。これにより、圧縮
機102で圧縮された空気が鋼管30内を通過すること
により、内圧を受けて膨張する鋼管30を、その外部か
ら支える場合に、耐圧強度が大幅に向上する。一部の周
方向の鋼管30同士は、溶接等で完全な一体構造として
もよい。また、半径方向の鋼管30同士は、上記のよう
な一体構造としないほうが望ましい。これは、半径方向
の鋼管30同士では、温度差があり(外周側に位置する
鋼管30は高温になり、内周側に位置する鋼管30は低
温となる)、鋼管30の熱伸びが違うので、一体構造と
すると鋼管30が歪む恐れがある。これを防止するため
である。
【0076】そして、蓄冷槽の内部に、液体空気貯蔵タ
ンク900を配置する。これにより、外部から液体空気
貯蔵タンク900への熱流入を大幅に抑制すると共に、
蓄冷槽により液体空気貯蔵タンク900を支持するため
液体空気貯蔵タンク900の構造を簡素化する。そし
て、液体空気貯蔵タンク900の側面近傍に位置する鋼
管30は、垂直方向に形成されることが望ましい。液体
空気貯蔵タンク900の上面近傍又は/及び下面近傍に
位置する鋼管30は、水平方向に形成されることが望ま
しい。これにより、半径方向だけでなく垂直方向の鋼管
30の熱移動も抑制する。
【0077】また、蓄冷槽(即ち、円柱形状を成す鋼管
30群)の半径方向外周側に位置する鋼管30をガスタ
ービン発電設備100に接続する。一方、蓄冷槽の半径
方向内周側(内部)に位置する鋼管30を液体空気貯蔵
タンク900に接続する。そして、圧縮機102で圧縮
された空気は、外周側に位置する鋼管口を経て、鋼管3
0内へ供給され、鋼管30内をその内周方向へ向かって
通過する過程で熱媒33と直接に接触して熱交換を行い
冷却され、内周側に位置する鋼管口を経て、液体空気貯
蔵タンク900へ供給される。つまり、蓄冷槽の半径方
向外周側に位置する鋼管30群が、上記第1の実施の形
態の高温熱交換設備300に相当する。また、蓄冷槽の
半径方向内周側(内部)に位置する鋼管30群が、上記
第1の実施の形態の低温熱交換設備800に相当する。
そして、鋼管30群は、その外周へ向かうほど高温にな
り、その内周へ向かうほど低温になる。これにより、鋼
管30同士の熱移動を減少することができる。
【0078】蓄冷槽の他の実施の形態として、蓄冷槽そ
のものを熱媒としてもよい。即ち、固体の熱媒(例え
ば、コンクリート)を用いて円柱型の蓄冷槽を構成す
る。そして、そのコンクリートに直接に直径100mm程
度の管路を形成する。このとき、液化プロセスの管路と
気化プロセスの管路とを各々独立して形成する。これに
より、液化・気化設備200で、エネルギー充填モー
ドとエネルギー放出発電モードとを同時に行うことが
できる。
【0079】さらに、図5に示すように、薄い鋼管30
とヘッダ31も一緒にコンクリートで接合した厚さ1m
ほどのブロックを形成する。そして、ブロック同士は、
容易に組み合う構造とする。そのブロックを組み合わせ
て、蓄冷槽を構成してもよい。ブロック間を接続する鋼
管30だけを、ブロック上部で接合する。圧縮機102で
圧縮された空気は、コンクリートで支えることになるの
で、鋼管30の肉厚は薄くてよい。液体空気貯蔵タンク
900内で液体空気が気化して、液体空気貯蔵タンク9
00内の圧力が上昇したときには、安全弁905を通し
て、気化した空気を、蓄冷槽を通して気化した空気の冷
熱を熱媒33に回収してから、大気内へ放出する。液体
空気貯蔵タンク900の形状は、基本的には円柱型とす
るが、液体空気貯蔵タンク900内に垂直な柱を設け
て、液体空気貯蔵タンク900の上部を支持してもよ
い。鋼管30内を流れる空気の圧力損失は、その流速の
2乗に比例し、鋼管30の長さに比例して増加する。よ
って、鋼管30は、その上部で、共通のヘッダ31で結
合し、複数の鋼管30に平行して圧縮された空気を流
し、流速の低下を計ることが望ましい。また、液化プロ
セスでは、蓄冷槽内の温度分布は、時間とともに高温部
分が外周方向へ移行する。逆に、気化プロセスでは、蓄
冷槽内の温度分布は、時間とともに低温部分が外周方向
へ移行する。よって、蓄冷槽内の半径方向の温度変化を
測定し、気化プロセスの空気が圧縮機102の出口温度
(例えば、320℃〜350℃程度)まで温度上昇した
領域や、液体プロセスの空気が液体空気温度(例えば、
−190℃程度)の近傍まで温度低下した領域を測定
し、ヘッダ31間に設けるバルブの切り替えで空気の流
路を変更する。これにより、空気が流れる鋼管30の長
さを適時調節し、圧力損失の軽減を計る。気液分離器2
07の極低温の気体空気は蓄冷槽を通すとき、その気体
空気の流路を、バルブの切り替えで変更して、適時高温
化した鋼管30部分を冷却する。
【0080】図6に、本発明のエネルギー貯蔵型ガスタ
ービン発電システムの蓄冷槽の配管系統図を示す。図6
中、1〜21は空気を遮断するバルブ、32はヘッダを
示す。
【0081】熱媒を充填した高さ20m程度の鋼管30
を2本馬蹄形に溶接する。その馬蹄形の鋼管の下部を、
ヘッダ31とヘッダ32に溶接する。このヘッダに溶接
する馬蹄形の数は、蓄冷槽の容量の大きさにより、任意
に決定する。第1列目の鋼管群は、蓄冷槽の外周側に位
置する。第2列目,第3列目,第4列目に向かうに従
い、蓄冷槽の内周側に位置する。
【0082】以下、エネルギー充填モードの各バルブ
の動作を説明する。液化プロセスが開始すると、バルブ
1,バルブ3,バルブ5,バルブ7,バルブ9,バルブ
10,バルブ12,バルブ13,バルブ15,バルブ1
7,バルブ20を開き、その他のバルブを閉じる。圧縮
機102で圧縮された空気は、バルブ1を経て、第1列
目の鋼管群へ供給され、第1列目の鋼管群において冷却
される。第1列目の鋼管群で冷却された空気は、バルブ
3,バルブ5,バルブ7を経て、第2列目の鋼管群へ供
給され、第2列目の鋼管群において液体温度に相当する
温度まで冷却される。第2列目の鋼管群で冷却された空
気は、バルブ10を経て、圧縮設備600へ供給され、圧
縮設備600において圧縮される。この圧縮過程で、空
気の温度は上昇する。圧縮設備600で圧縮され温度上
昇した空気は、バルブ12,バルブ13を経て、第3列
目の鋼管群へ供給され、第3列目の鋼管群において再度
液体空気温度に相当する温度まで冷却される。第3列目
の鋼管群で冷却された空気は、バルブ17,バルブ20
を経て、膨張弁206へ供給される。つまり、第1列目
の鋼管群が、図1の高温熱交換設備400に相当し、第
2列目の鋼管群が、図1の中温熱交換設備500に相当
し、第3列目の鋼管群が、図1の低温熱交換設備800
に相当する。
【0083】そして、時間の経過と共に、第1列目〜第
3列目の鋼管内に充填される熱媒の温度が上昇すると、
バルブ1,バルブ3,バルブ10,バルブ17を閉じ、
バルブ2,バルブ11,バルブ16,バルブ19,バル
ブ20を開ける。つまり、第2列目の鋼管群が、図1の
高温熱交換設備400に相当し、第3列目の鋼管群が、
図1の中温熱交換設備500に相当し、第4列目の鋼管
群が、図1の低温熱交換設備800に相当する。
【0084】本実施の形態のエネルギー貯蔵効率は、数
1で評価することができる。
【0085】
【数1】
【0086】ここで、Effはエネルギー貯蔵効率
(−)、Liqは圧縮機で生成された空気のうち液体空
気に変換される割合を示す液化率(−)、Pcは圧縮機
の動力(J/kg)、Ppは液体空気を昇圧するポンプの
動力(J/kg)、Qhは圧縮機出口での空気温度より蓄
冷槽(液化・気化設備)で気化された空気の温度が低い
ことによる熱損失(J/kg)、Qcは蓄冷槽での冷熱不
足を回復するのに必要な動力(J/kg)である。
【0087】液化率Liqは、蓄冷槽の低温側出口温度
と液体空気の温度差で決まる。熱損失Qhと動力Qc
は、蓄冷槽の高温側における空気の入口と出口の温度差
から求まる。空気の臨界圧力である3.77MPaを超
える4.0MPaを圧縮機の出口圧力として、蓄冷槽内
における圧力損失を0.1MPa と仮定して、液化率と
エネルギー貯蔵効率を計算した結果を図7に示す。図7
の横軸は蓄冷槽の出口と入口における温度差で、蓄冷槽
の高温側の出口と入口における温度差(即ち、圧縮機で
圧縮された空気の温度と蓄冷槽で加熱された空気の温度
との差)と蓄冷槽の低温側の出口と入口における温度差
(即ち、蓄冷槽で冷却された空気の温度と液体空気貯蔵
タンクに貯蔵される液体空気の温度の差)とを同一と仮
定して評価したものである。蓄冷槽のように固体の熱媒
と流体とが、直接に接触して熱交換が行われる場合に
は、熱媒表面と流体との温度差を小さくできる。熱交換
の周期が短い場合は、熱媒表面と内部との温度差が問題
になるが、同一方向の熱交換が数時間継続する今回のケ
ースでは、熱媒内部の熱抵抗は無視できる。蓄冷槽で
は、冷却と加熱で2回の熱交換を行うので、各熱交換に
おける流体と熱媒との温度差の2倍が、図7の横軸の温
度差に相当する。
【0088】流体と熱媒との温度差を5Kに、即ち図7
上の温度差で10Kにできるとすれば、エネルギー貯蔵
効率は87%となる。流体と熱媒との温度差を10Kと
すれば、エネルギー貯蔵効率は76%になる。一方、揚
水発電所は、電力需要地から離れた場所に設置されてい
るために、送電ロスが生じる。それ故、そのエネルギー
貯蔵効率は約70%と低い。したがって、本実施の形態
のエネルギー貯蔵型ガスタービンは、既存の発電所内部
等に設置して送電ロスを無視できる場合には、揚水発電
所より高いエネルギー貯蔵効率が得られる。
【0089】本実施の形態によれば、液体空気貯蔵タン
クの周囲に蓄冷槽を配置するため、液体空気貯蔵タンク
への外部からの熱流入を大幅に低減するという効果を奏
する。本実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と
比較して、熱媒タンクを不要とし、蓄冷槽と液体空気貯
蔵タンクとを一体に形成するため、液化・気化設備が簡
素化すると共に、液化・気化設備の施設面積を低減する
という効果を奏する。 〔第3の実施の形態〕以下、本発明のエネルギー貯蔵型
ガスタービンの第3の実施の形態を説明する。
【0090】一般に、同一重量の気体を圧縮するとき、
圧縮機へ供給する(圧縮機の入口側)気体の温度が低く、
また、圧縮機へ供給する気体の体積が小さいほど、気体
を圧縮するのに必要な動力が小さくなる。即ち、1段の
圧縮機のみで、空気を圧縮すると、圧縮過程で空気の温
度が上昇する。そこで、圧縮機において圧縮中の空気を
一旦冷却した後に、さらに圧縮すれば、冷却しないとき
に比べて、圧縮機の動力を低減できる。本実施の形態
は、圧縮機を複数段(例えば、3段)で構成し、圧縮中
の空気を冷却することを特徴とする。
【0091】図8に、本発明のエネルギー貯蔵型ガスタ
ービンのガスタービン発電設備の機械系統図を示す。図
8中、102a〜102cは空気を圧縮する圧縮機、1
40〜142は圧縮機で圧縮された空気を冷却する冷却
塔、143は低温の第4の熱媒を貯蔵する低温熱媒タン
ク、144は低温熱媒タンク143内に貯蔵される低温
の第4の熱媒を昇圧する熱媒ポンプ、145は冷却塔1
40〜142から回収される冷媒(水)を冷却する第1
の熱交換器、146は高温の第4の熱媒を貯蔵する高温
熱媒タンク、147は高温熱媒タンク146内に貯蔵さ
れる高温の第4の冷媒を昇圧する熱媒ポンプ、148は
液化・気化設備200で気化された空気を加熱する第2
の熱交換器、149は第1の熱交換器145で冷却され
た冷媒を昇圧する冷媒ポンプ、150は冷媒ポンプ14
9で昇圧された冷媒中の塵等を除去するフィルタ、15
1〜153は空気を遮断する空気遮断弁を示す。上記に
示した以外の構成は、上記本発明の第1の実施の形態又
は本発明の第2の実施の形態と同一の機能を有するもの
とする。
【0092】本実施の形態の圧縮機102a〜102c
は、上記本発明の第1の実施の形態の圧縮機102を3
段に分割したものである。また、冷却塔140〜142
は、その下部から圧縮された空気を内部へ噴出し、その
上部から噴出された空気を外部へ排出する。また、冷却
塔140〜142は、その上部から冷媒(水)を細かい水
滴として噴霧し、その下部から冷媒(水)を排出する。
即ち、冷却塔140〜142の下部から噴出された空気
は、冷却塔140〜142の上部から噴霧される冷媒
と、直接に接触して、冷却されると共に、含有する塵等
が除去される。
【0093】圧縮機102aで圧縮された空気は、冷却
塔140へ供給され、冷却塔140において冷却される
と共に除塵される。冷却塔140で冷却された空気は、
圧縮機102bへ供給され、圧縮機102bにおいて圧
縮される。圧縮機102bで圧縮された空気は、冷却塔
141へ供給され、冷却塔141において冷却されると
共に除塵される。冷却塔141で冷却された空気は、圧
縮機102cへ供給され、圧縮機102cにおいて圧縮
される。圧縮機102cで圧縮された空気は、冷却塔1
42へ供給され、冷却塔142において冷却されると共
に除塵される。冷却塔142で冷却された空気は、空気
遮断弁103,空気遮断弁104を経て、燃焼器106
へ供給される。また、冷却塔142で冷却された空気
は、空気遮断弁103,空気遮断弁117,空気遮断弁
151を経て、液化・気化設備200へ供給される。
【0094】一方、冷却塔140で加熱された冷媒、及
び冷却塔141で加熱された冷媒、及び冷却塔142で
加熱された冷媒は、対向流型の第1の熱交換器145へ
供給される。一方、低温熱媒タンク143内には、低温
の第4の熱媒(例えば、機械油類等)が貯蔵されてい
る。低温熱媒タンク143内に貯蔵される低温の第4の
熱媒は、熱媒ポンプ144で昇圧されて、第1の熱交換
器145へ供給される。第1の熱交換器において、冷却
塔140〜142で加熱された冷媒と熱媒ポンプ144
で昇圧された低温の第4の熱媒とを熱交換して、冷却塔
140〜142で加熱された冷媒を冷却する。第1の熱
交換器145で加熱され高温となった第4の熱媒は、高
温熱媒タンク146へ供給され、高温熱媒タンク146
内に貯蔵される。一方、第1の熱交換器145で冷却さ
れた冷媒は、冷媒ポンプ149で昇圧され、フィルタ1
50で除塵された後に、再び冷却塔140〜142へ供
給される。
【0095】高温熱媒タンク146内に貯蔵される高温
の第4の熱媒は、熱媒ポンプ147で昇圧されて、対向
流型の第2の熱交換器148へ供給される。一方、液化
・気化設備200で気化した空気は、空気遮断弁152
を経て、第2の熱交換器148へ供給される。第2の熱交
換器148において、液化・気化設備200で気化した
空気と熱媒ポンプ147で昇圧された高温の第4の熱媒
とを熱交換して、液化・気化設備200で気化した空気
を加熱する。第2の熱交換器148で冷却され低温とな
った第4の熱媒は、低温熱媒タンク143へ供給され、
低温熱媒タンク143内に貯蔵される。一方、第2の熱
交換器148で加熱された空気は、空気遮断弁117を
経て、燃焼器106へ供給される。
【0096】本実施の形態によれば、圧縮機で圧縮中の
空気を一旦冷却し、即ち、圧縮しながら冷却するため、
圧縮機の動力を低減できるという効果を奏する。また、
冷却塔142がなくても、上記と同様の効果を奏する。
【0097】また、他の実施の形態として、直接接触型
の冷却塔を、間接接触型の冷却塔としてもよい。図9
に、本発明のエネルギー貯蔵型ガスタービンのガスター
ビン発電設備の機械系統図を示す。図9中、154〜1
56は伝熱管を用いた間接接触型の冷却塔、157は熱
媒ポンプ144で昇圧された第4の熱媒中の塵等を除去
するフィルタを示す。
【0098】低温熱媒タンク143内に貯蔵される低温
の第4の熱媒は、熱媒ポンプ144で昇圧され、フィル
タ157で除塵された後、冷却塔154〜156へ供給
される。一方、圧縮機102a〜102cで圧縮された
空気は、冷却塔154〜156の伝熱管内へ供給される。
冷却塔154〜156において、内圧縮機102a〜1
02cで圧縮された空気と第4の熱媒とを伝熱管を介し
て間接的に熱交換し、圧縮機102a〜102cで圧縮
された空気を冷却する。冷却塔154〜156で加熱さ
れ高温となった第4の冷媒は、高温熱媒タンク146へ
供給され、高温熱媒タンク146内に貯蔵される。本実
施の形態においても、上記と同様の効果を奏する。
【0099】また、他の実施の形態として、ガスタービ
ン排ガスを熱源として、圧縮機で圧縮された空気(燃焼
器106へ供給される空気)を加熱してもよい。上記本
発明の実施の形態に示したように、圧縮機で圧縮中の空
気を冷却すると、圧縮機の出口の空気(圧縮機で圧縮さ
れた空気)、即ち燃焼器106へ供給される空気の温度
が下がってしまう。燃焼器106へ供給される温度が低
下し、燃焼ガス温度も低下することになるので、発電効
率が低下してしまう。そこで、ガスタービン排ガスを熱
源として、圧縮機で圧縮された空気を加熱し、燃焼器1
06へ供給する空気の温度を上昇して、発電効率の向上
を図る。図10に、本発明のエネルギー貯蔵型ガスター
ビンのガスタービン設備の機械系統図を示す。図10
中、160はガスタービン排ガスを熱源として燃焼器1
06へ供給する空気を加熱する再生熱交換器、161〜
163は空気遮断弁を示す。
【0100】再生熱交換器160は、ガスタービン10
7の後流側(ガスタービン107と煙突130との間)
に設置される。そして、通常発電モードにおいて、ガ
スタービン排ガスは、再生熱交換器160へ供給され
る。一方、圧縮機102cで圧縮された空気は、空気遮
断弁161を経て、再生熱交換器160へ供給される。
再生熱交換器160において、ガスタービン排ガス(例
えば、500℃程度)と圧縮機102cで圧縮された空
気(例えば、80℃程度)とを熱交換して、圧縮機10
2cで圧縮された空気を加熱する。再生熱交換器160
で加熱された空気は、空気遮断弁103,104を経て
燃焼器106へ供給される。一方、再生熱交換器160
で冷却されたガスタービン排ガスは、煙突130へ供給
され、煙突130において大気内へ放出される。エネ
ルギー充填モードにおいて、圧縮機102cで圧縮され
た空気は、空気遮断弁162,163,117を経て、
液化・気化設備200へ供給される。
【0101】本実施の形態は、蒸気タービン系の設備が
なくても、一般のコンバインドサイクル発電プラントと
同程度の発電効率を得る。しかしながら、再生熱交換器
160は、蒸気タービン系に比較して、非常に簡素であ
る。即ち、本実施の形態によれば、一般のコンバインド
サイクル発電プラントに比較して、ガスタービン発電設
備100を簡素化できガスタービン発電設備100の故
障防止に対する信頼性を向上すると共に、設備コストを
大幅に低減するという効果を奏する。
【0102】〔第4の実施の形態〕以下、本発明のエネ
ルギー貯蔵型ガスタービンの第4の実施の形態を説明す
る。
【0103】例えば、本発明の第1の実施の形態におい
て、膨張タービン701の入口の空気(膨張タービン7
01へ供給する空気)の温度を高くし、又は膨張タービ
ン701の出口の空気(膨張タービン701から排出さ
れる空気)の圧力を低くすると、膨張タービン発電設備
700の発電量を増加することができる。本発明の第1
の実施の形態においては、膨張タービン701の出口の
空気の圧力を、燃焼器106へ供給するのに必要な圧力
(例えば、10〜15気圧)としているので、膨張ター
ビン701の入口の空気の温度を高くする。膨張タービ
ン発電設備700へ供給される空気の加熱には、液化プ
ロセス中に低温熱交換設備800に貯蔵する空気の熱を
利用している。低温熱交換設備800において、液体状
態の第3の熱媒に液化プロセス中の空気の熱を回収し
て、その第3の熱媒を高温熱媒タンク806内に貯蔵し
ている。ここで、熱媒が液体状態である温度範囲は意外
に狭く、例えば、水は0℃〜100℃、メタノールは−
98℃〜64℃、プロパンは−188℃〜−42℃であ
る。そして、第3の熱媒として、プロパンを用いたとす
ると、第3の熱媒は、−42℃以下の冷熱を液体状態の
ままで回収できるが、−42℃より高温の冷熱を液体状
態のままで回収することができない。それ故、−42℃
より高温の冷熱を回収しようとすると、高温熱媒タンク
806の外部へ冷熱を放出しなければならない。そこ
で、本実施の形態は、液体空気貯蔵タンク900内に貯
蔵される液体空気を膨張タービン発電設備700へ供給
するまでの間(液体空気貯蔵タンク900と膨張タービ
ン発電設備700との間)に、液化プロセス中に圧縮機
102で圧縮された空気の熱を熱媒に回収し気化プロセ
ス中にその熱媒に回収された熱を利用して膨張タービン
発電設備700へ供給される空気を加熱する熱交換設備
を複数段設置し、これにより膨張タービン発電設備70
0へ供給される空気の温度を高くすることを特徴とす
る。
【0104】図11に、本発明のエネルギー貯蔵型ガス
タービンの液化・気化設備の機械系統図を示す。図11
中、510は第1の中温熱交換器、511は第2の中温
熱交換器、810は第1の低温熱交換器、811は第2
の低温熱交換器を示す。上記に示した以外の構成は、上
記本発明の第1の実施の形態から本発明の第3の実施の
形態と同一の機能を有するものとする。
【0105】先ず、エネルギー充填モード時の液化・気
化設備200等の動作を説明する。フィルタ302から
の空気は、第1の中温熱交換器510において、低温の
第2の熱媒と熱交換して冷却され、第1の低温熱交換器
810へ供給される。第1の中温熱交換器510で冷却
された空気は、第1の低温熱交換器810において、低
温の第3の熱媒と熱交換して冷却され、空気遮断弁20
3を経て、圧縮設備600へ供給される。第1の低温熱
交換器810で冷却された空気は、圧縮設備600にお
いて、圧縮され、空気遮断弁201を経て、第2の中温
熱交換器511へ供給される。圧縮設備600で圧縮され
た空気は、第2の中温熱交換器511において、低温の
第2の熱媒と熱交換して冷却され、第2の低温熱交換器
811へ供給される。第2の中温熱交換器511で冷却
された空気は、第2の低温熱交換器811において、低
温の第3の熱媒と熱交換して冷却され、空気遮断弁204
を経て、低温空気冷熱回収器205へ供給される。
【0106】次に、エネルギー放出発電モード時の液化
・気化設備200等の動作を説明する。液体空気ポンプ
903で昇圧された液体空気は、第2の低温熱交換器8
11において、高温の第3の熱媒と熱交換して加熱され
気化し、第2の中温熱交換器511へ供給される。第2
の低温熱交換器811で加熱され気化した空気は、第2
の中温熱交換器511において、高温の第2の熱媒と熱
交換して加熱され、空気遮断弁212を経て、膨張ター
ビン発電設備700へ供給される。第2の中温熱交換器
511で加熱された空気は、膨張タービン発電設備70
0において、膨張し、空気遮断弁209を経て、第1の
低温熱交換器810へ供給される。膨張タービン発電設
備700で膨張した空気は、第1の低温熱交換器810
において、高温の第3の熱媒と熱交換して加熱され、第
1の中温熱交換器510へ供給される。第1の低温熱交
換器810で加熱された空気は、第1の中温熱交換器51
0において、高温の第2の熱媒と熱交換して加熱され、
フィルタ302へ供給される。
【0107】本実施の形態によれば、上記本発明の第1
の実施の形態に比較して、膨張タービン発電設備700
へ供給する空気の温度を上昇することができるため、膨
張タービン発電設備700の発電量を増加するという効
果を奏する。即ち、上記本発明の第1の実施の形態にお
いて気化プロセス中に膨張タービン発電設備700の後
流側(膨張タービン発電設備700とガスタービン発電
設備100との間)の空気に与えていた熱を、本実施の
形態では、気化プロセス中に膨張タービン発電設備の上
流側(液体空気貯蔵タンク900と膨張タービン発電設
備700との間)の空気、即ち膨張タービン発電設備7
00へ供給される空気に与えるため、膨張タービン発電
設備700へ供給される空気の温度が上昇する。
【0108】また、本実施の形態は、液化プロセス中に
フィルタ302からの高温の空気に加え、圧縮設備60
0で圧縮され温度上昇した空気が、中温熱交換設備50
0へ供給されるため、上記本発明の第1の実施の形態に
比較して、中温熱交換設備500へ供給される空気の温
度が上昇する。よって、第2の熱媒として、融点及び沸
点の高い物質(例えば、水,メタノール等)を選択する
ことができる。
【0109】
【発明の効果】本発明によれば、液体状態の空気(液体
空気)を昇圧した後に、気化し、その気化された空気に
より膨張タービンを駆動して発電を行うため、システム
全体の発電出力が向上するという効果を奏する。
【0110】又は、本発明によれば、液体空気を気化し
て燃焼器へ供給するときに、膨張装置で膨張されること
によって冷却された空気の冷熱を回収し、液体空気を製
造するときにその冷熱を利用して圧縮機で圧縮された空
気を冷却するため、エネルギー貯蔵効率を向上するとい
う効果を奏する。
【0111】又は、本発明によれば、液体空気貯蔵タン
クが蓄冷槽の内部に配置されるため、外部から液体空気
貯蔵タンクへの熱流入を蓄冷槽により遮断し、これによ
り、液体空気貯蔵タンクに貯蔵される液体空気の温度が
上昇するのを抑制し、エネルギー貯蔵効率を向上すると
いう効果を奏する。
【0112】又は、本発明によれば、燃焼器へ供給する
燃料(例えば、液体状態で保存されているLNG)の冷
熱を利用して、圧縮機で圧縮された空気を冷却するた
め、エネルギー貯蔵効率を向上するという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエネルギー貯蔵型ガスタービン発電シ
ステムの機械系統図。
【図2】本発明のエネルギー貯蔵型ガスタービン発電シ
ステムのプロセスの物性の変化を示す図。
【図3】本発明のエネルギー貯蔵型ガスタービン発電シ
ステムの液化・気化設備の機械系統図。
【図4】本発明のエネルギー貯蔵型ガスタービン発電シ
ステムの蓄冷槽の構造図。
【図5】本発明のエネルギー貯蔵型ガスタービン発電シ
ステムの蓄冷槽の構造図。
【図6】本発明のエネルギー貯蔵型ガスタービン発電シ
ステムの蓄冷槽の配管系統図。
【図7】本発明のエネルギー貯蔵型ガスタービン発電シ
ステムの液化率とエネルギー貯蔵効率を示す図。
【図8】本発明のエネルギー貯蔵型ガスタービンのガス
タービン発電設備の機械系統図。
【図9】本発明のエネルギー貯蔵型ガスタービンのガス
タービン発電設備の機械系統図。
【図10】本発明のエネルギー貯蔵型ガスタービンのガ
スタービン発電設備の機械系統図。
【図11】本発明のエネルギー貯蔵型ガスタービンの液
化・気化設備の機械系統図。
【符号の説明】
1〜21…バルブ、30…鋼管、31,32…ヘッダ、
33…固体の熱媒、100…ガスタービン発電設備、1
01…入口案内翼、102,102a,102b,102
c,602…圧縮機、103,104,117,15
1,152,153,161,162,163,201,
203,204,208,209,212,223,2
24,225,227,228,229,230,23
1,232,233…空気遮断弁、105…燃料制御
弁、106…燃焼器、107…ガスタービン、108…
排熱回収ボイラ、109…蒸気加減弁、110…蒸気タ
ービン、111…復水器、112…給水ポンプ、11
3,603,703,754…タービンロータ、11
4,751…発電・電動機、115,116,752,7
53…クラッチ、118…燃料遮断弁、120…燃料気
化器、130…煙突、140,141,142,15
4,155,156…冷却塔、143,402,50
2,802…低温熱媒タンク、144,147,40
4,408,504,508,804,808…熱媒ポ
ンプ、145…第1の熱交換器、146,406,50
6,806…高温熱媒タンク、148…第2の熱交換
器、149…冷媒ポンプ、150,157,302…フ
ィルタ、160…再生熱交換器、200…液化・気化設
備、202…中温空気冷熱回収器、205…低温空気冷
熱回収器、206…膨張弁、207…気液分離器、210
…空気加熱器、220…燃料貯蔵タンク、221…燃料
ポンプ、226…燃料冷熱回収器、300,400…高
温熱交換設備、301…高温空気冷熱回収器、401…
高温熱交換器、403,405,407,409,50
3,505,507,509,803,805,80
7,809…熱媒遮断弁、500…中温熱交換設備、5
01…中温熱交換器、510…第1の中温熱交換器、5
11…第2の中温熱交換器、600…圧縮設備、601
…電動機、700…膨張タービン発電設備、701…膨
張タービン、702…発電機、750…圧縮・発電設
備、800…低温熱交換設備、801…低温熱交換器、
810…第1の低温熱交換器、811…第2の低温熱交
換器、900…液体空気貯蔵タンク、901,902…
液体空気遮断弁、903…液体空気ポンプ、905…安
全弁、1000…余剰電力供給装置。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液体空気を貯蔵する液体空気貯蔵タンク
    と、前記液体空気貯蔵タンクに貯蔵される液体空気を気
    化する気化設備と、前記気化設備で気化された空気と燃
    料とを燃焼し燃焼ガスを発生する燃焼器と、前記燃焼器
    で発生した燃焼ガスにより駆動するガスタービン、前記
    ガスタービンに連結されて発電するガスタービン発電機
    とを備えたエネルギー貯蔵型ガスタービン発電システム
    において、 前記燃焼器へ供給される空気よりも高い圧力まで前記液
    体空気貯蔵タンクに貯蔵される液体空気を昇圧して前記
    気化設備へ供給する昇圧装置と、前記気化設備で気化さ
    れた空気を膨張させて駆動する膨張タービンと、前記膨
    張タービンに連結されて発電する膨張タービン発電機と
    を備えたことを特徴とするエネルギー貯蔵型ガスタービ
    ン発電システム。
  2. 【請求項2】空気を圧縮する圧縮機と、液体空気を貯蔵
    する液体空気貯蔵タンクと、前記圧縮機で圧縮された空
    気を液化して前記液体空気を製造しかつ前記液体空気貯
    蔵タンクに貯蔵される液体空気を気化する液化・気化設
    備と、前記液化・気化設備で気化された空気と燃料とを
    燃焼し燃焼ガスを発生する燃焼器と、前記燃焼器で発生
    した燃焼ガスにより駆動するガスタービンとを備えたエ
    ネルギー貯蔵型ガスタービン発電システムにおいて、 前記液化・気化設備で気化された空気を前記燃焼器へ供
    給するまでの間に、前記液化・気化設備で気化された空
    気を膨張させる膨張装置を備えたことを特徴とするエネ
    ルギー貯蔵型ガスタービン発電システム。
  3. 【請求項3】前記膨張設備は、前記液化・気化設備で気
    化された空気を膨張させて駆動する膨張タービンと、前
    記膨張タービンに連結され発電する発電機とを有するこ
    とを特徴とする請求項2に記載のエネルギー貯蔵型ガス
    タービン発電システム。
  4. 【請求項4】前記液体空気貯蔵タンクに貯蔵される液体
    空気を前記液化・気化設備へ供給するまでの間に、前記
    燃焼器へ供給される空気よりも高い圧力まで前記液体空
    気貯蔵タンクに貯蔵される液体空気を昇圧する昇圧装置
    を備えたことを特徴とする請求項3に記載のエネルギー
    貯蔵型ガスタービン発電システム。
  5. 【請求項5】前記膨張装置で膨張した空気を前記燃焼器
    へ供給するまでの間に、前記膨張装置で膨張した空気を
    加熱する加熱装置を備えたことを特徴とする請求項2に
    記載のエネルギー貯蔵型ガスタービン発電システム。
  6. 【請求項6】前記圧縮機で圧縮された空気を前記液体空
    気貯蔵タンクへ供給するまでの間に、前記圧縮機で圧縮
    された空気を冷却する冷却装置と、前記冷却装置で冷却
    された空気を圧縮する冷却空気圧縮装置とを備えたこと
    を特徴とする請求項2に記載のエネルギー貯蔵型ガスタ
    ービン発電システム。
  7. 【請求項7】前記圧縮機で圧縮された空気と前記燃焼器
    へ供給する燃料とを熱交換する熱交換器を備えたことを
    特徴とする請求項2に記載のエネルギー貯蔵型ガスター
    ビン発電システム。
  8. 【請求項8】前記燃焼器へ供給する燃料により前記圧縮
    機で圧縮された空気を冷却する冷却装置を備えたことを
    特徴とする請求項2に記載のエネルギー貯蔵型ガスター
    ビン発電システム。
  9. 【請求項9】前記圧縮機で圧縮された空気により前記燃
    焼器へ供給する燃料を気化する燃料気化装置を備えたこ
    とを特徴とする請求項2に記載のエネルギー貯蔵型ガス
    タービン発電システム。
  10. 【請求項10】前記ガスタービンの排熱により前記膨張
    装置へ供給する空気を加熱する加熱装置を備えたことを
    特徴とする請求項2に記載のエネルギー貯蔵型ガスター
    ビン発電システム。
  11. 【請求項11】空気を圧縮する圧縮機と、液体空気を貯
    蔵する液体空気貯蔵タンクと、前記圧縮機で圧縮された
    空気を液化して前記液体空気を製造しかつ前記液体空気
    貯蔵タンクに貯蔵される液体空気を気化する液化・気化
    設備と、前記液化・気化設備で気化された空気と燃料と
    を燃焼し燃焼ガスを発生する燃焼器と、前記燃焼器で発
    生した燃焼ガスにより駆動するガスタービンとを備えた
    エネルギー貯蔵型ガスタービン発電システムにおいて、 前記液化・気化設備は、固体の蓄熱媒体に熱を回収する
    と共に前記圧縮機で圧縮された空気を冷却しかつ前記蓄
    熱媒体に回収された熱により前記液体空気貯蔵タンクに
    貯蔵される液体空気を気化する蓄冷槽を有し、 前記流体空気貯蔵タンクは、前記蓄冷槽の内部に配置さ
    れることを特徴とするエネルギー貯蔵型ガスタービン発
    電システム。
  12. 【請求項12】時間又は前記蓄熱媒体の温度に基づい
    て、前記蓄冷槽内の空気の流路を変更することを特徴と
    する請求項11に記載のエネルギー貯蔵型ガスタービン
    発電システム。
  13. 【請求項13】空気を圧縮する圧縮機と、液体空気を貯
    蔵する液体空気貯蔵タンクと、前記圧縮機で圧縮された
    空気を液化して前記液体空気を製造しかつ前記液体空気
    貯蔵タンクに貯蔵される液体空気を気化する液化・気化
    設備と、前記液化・気化設備で気化された空気と燃料と
    を燃焼し燃焼ガスを発生する燃焼器と、前記燃焼器で発
    生した燃焼ガスにより駆動するガスタービンとを備えた
    エネルギー貯蔵型ガスタービン発電システムにおいて、 前記燃焼器へ供給する燃料により、前記圧縮機で圧縮さ
    れた空気を冷却する冷却装置を備えたことを特徴とする
    エネルギー貯蔵型ガスタービン発電システム。
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