JP2002339760A - ガスタービン発電方法および装置 - Google Patents

ガスタービン発電方法および装置

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JP2002339760A JP2001146184A JP2001146184A JP2002339760A JP 2002339760 A JP2002339760 A JP 2002339760A JP 2001146184 A JP2001146184 A JP 2001146184A JP 2001146184 A JP2001146184 A JP 2001146184A JP 2002339760 A JP2002339760 A JP 2002339760A
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liquid air
heat
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Mitsugi Nakahara
中原  貢
Koichi Chino
耕一 千野
Hidefumi Araki
秀文 荒木
Osamu Yokomizo
修 横溝
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Hitachi Ltd
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  • Separation Of Gases By Adsorption (AREA)
  • Separation By Low-Temperature Treatments (AREA)
  • Drying Of Gases (AREA)
  • Control Of Eletrric Generators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体空気利用エネルギー貯蔵方式のガスター
ビン発電プラントにおいて、液体空気の原料となる吸気
空気から湿分及び二酸化炭素を除去し、極低温となる蓄
冷槽の伝熱管内部での氷結を防止し、また、原料空気の
圧縮動力の最大値を低減し、さらに、蓄冷槽による液体
空気の気化において伝熱管内部の気化位置に依存せずに
安定な気化を実現すること。 【解決手段】 第1の吸着器で吸気空気中の湿分及び二
酸化炭素を吸着除去すると同時に、第2の吸着器で蓄冷
槽の加熱空気により吸着器を再生運転する。液体空気を
吸気空気中に噴霧し、空気温度を下げ圧縮動力の最大値
を低減する。さらに、蓄冷槽による安定な気化を得るた
め、蓄冷槽内の伝熱管を水平配置とし、出口に圧力調整
手段を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、夜間等の余剰電力
を利用して空気を液化して貯蔵し、昼間等の電力需要が
多いときに、貯蔵している液体空気を気化し、その気化
した空気と燃料(石油、天然ガス)とを混合して燃焼さ
せることにより燃焼ガスを発生し、その燃焼ガスにより
タービンを駆動して電力を発生するガスタービン発電方
法及び装置に係わり、特に、空気の液化及び気化に蓄冷
槽の冷熱との熱交換を利用するガスタービン発電方法及
び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電気の需要量は昼間と夜間とでは大きく
異なるので、従来より水力発電所とコンバインドサイク
ル発電所は昼間のみ運転している場合が多くなってい
る。さらに、揚水発電所のように余剰な夜間電力を用い
てポンプを駆動し、水を位置的に高い貯水池に移送して
位置エネルギーとして貯蔵し、それを昼間に落下させて
発電することで電気の需要と供給とをバランスさせてい
る。
【0003】最近、家庭用エアコン等が普及したために
電気の最大需要量と最小需要量の差が年々大きくなり、
特に、季節による需要の違いが増大している。最大需要
の発生時期は真夏の10日間ほどと短く、このためだけ
に大型の発電設備を設けるのは、経済的に引き合わなく
なってきている。また、大規模な揚水発電所の建設場所
の適地が国内には少なくなってきており、電力需要と供
給とをバランスさせるための大容量のエネルギー貯蔵方
式を新たに必要としている。
【0004】さらに、地球全体での温暖化防止の重要性
が認識されてきたために、原子力発電の増設が計画され
ている。原子力発電は最大限の安全性を維持するために
は、昼夜ともに一定の電気出力で運転することが望まし
い。このため、原子力発電設備が増加するほど、大容量
のエネルギー貯蔵設備が必要となる。
【0005】エネルギー貯蔵技術としては、効率が高い
種々の電池システムの研究開発が進められているが、設
置面積あたりのエネルギー貯蔵量が少なく、大規模な供
給電力量の調整を可能とするまでには至っていない。
【0006】また、特開平4−191419号公報や特
開平4−132837号公報には、夜間電力を用いて液
体空気を製造しこれを常圧で貯蔵し、昼間にこの液体空
気をポンプで加圧してタービンの燃焼器に供給すること
で圧縮機の動力を削減して、ガスタービン発電プラント
の発電量を大幅に増大させるエネルギー貯蔵方式が記載
されている。これらの液体空気利用方式は、エネルギー
貯蔵密度は高い利点はあるが、−190℃の液体空気を
製造するために必要なエネルギーが大きく、エネルギー
の貯蔵効率としては約20%程度でしかないために実際
には使用されていない。
【0007】さらに、特開平11−303646号公報
や特開2000−130185号公報には、液体空気を
気化するときの冷熱を蓄冷槽を利用して回収することに
より、液体空気を効率的に製造しエネルギー貯蔵効率を
大幅に高めたエネルギー貯蔵方式が記載されている。
【0008】なお、空気分離技術において,吸着器を2
系統設け、吸着と再生を切替え使用することは、例えば
特開平6−174366号公報、特開平10−2599
89号公報に開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】特開平11−3036
46号公報にて示された液体空気利用エネルギー貯蔵方
式のガスタービン発電プラントでは、夜間等の余剰電力
を用いて圧縮機により吸気空気を圧縮し、さらに極低温
の蓄冷槽の内部に配置した伝熱管内へ圧縮空気を流して
冷却した後に、膨張弁を通して膨張させることにより一
定割合の極低温の液体空気を製造し常圧で貯蔵する。こ
の時、蓄冷槽は圧縮空気の熱により加熱され温度上昇す
る。一方、昼間等においては、貯蔵している液体空気は
ポンプを加圧した後に蓄冷槽内部の伝熱管を通すこと
で、蓄冷槽の熱により加熱され液体空気は気化する。従
って、蓄冷槽は液体空気の気化熱のため再び冷却されて
極低温となり、液体空気を製造するための冷熱源として
再利用されることになる。
【0010】この液体空気利用エネルギー貯蔵方式によ
る従来技術では、極低温の液体空気を取り扱うことか
ら、液体空気の原料となる空気についてはその中に含ま
れている湿分や二酸化炭素を取り除く手段を講じておく
必要がある。すなわち、原料空気中に湿分や二酸化炭素
の各成分が含まれたまま冷却すると、蓄冷槽に設置した
伝熱管内部でこれらの成分が氷結し、伝熱管の熱伝導率
の低下ならびに配管流路の閉塞を引き起こす恐れがあ
り、エネルギー貯蔵のための安定な液体空気の製造がで
きなくなる。
【0011】また、原料空気の圧縮においては、圧縮空
気が温度上昇することにより必要となる圧縮機動力も増
大する。従って、圧縮機の最大動力を抑制するために
は、原料空気を予め冷却しておき圧縮空気の温度上昇を
抑えることが効果的であるが、その冷却源を発電プラン
トの外部から供給することはエネルギー貯蔵効率の大幅
な低下となり好ましくない。
【0012】一方、蓄冷槽に設置した伝熱管の内部に液
体空気を流して蓄冷槽の熱により加熱気化する場合、伝
熱管内部で気泡が発生するような圧力条件下では、伝熱
管の流路配置によっては安定な液体空気の気化が得られ
なくなることがある。すなわち、蓄冷槽の材料として例
えば取り扱いが容易で安価なコンクリートを選定した場
合、熱伝導性が比較的低いため蓄冷槽の内部に配置する
伝熱管は、液体空気の加熱の有効長さを確保するために
鉛直方向に上下に折り返した構造としている。このよう
な伝熱管の構造配置においては、液体空気の流れ方向が
上向きの場合には発生した気泡が浮力を受けて加速す
る。一方、液体空気の流れ方向が下向きの場合には、発
生した気泡は液体空気の流れを阻害する。これらのこと
は、蓄冷槽温度が変化するに伴い、蓄冷槽内部の伝熱管
での液体空気の気化位置が変化することによって、流れ
の圧力損失が変動することになり、安定な液体空気の気
化ができなくなる可能性があることを示すものである。
液体空気の気化が安定に行えないことは、タービンの燃
焼器へ供給される気化空気量が変動するため、最終的に
はガスタービン発電プラントの発電量が変動することに
なり好ましくない。
【0013】本発明の目的は、液体空気利用エネルギー
貯蔵方式のガスタービン発電プラントにおいて、液体空
気の原料となる吸気空気から湿分及び二酸化炭素を除去
し、極低温となる蓄冷槽の伝熱管内部での氷結を防止す
ることにより安定な空気液化を実現するとともに、蓄冷
槽を用いて製造した液体空気を利用して原料空気の圧縮
動力の最大値を低減し、さらに、蓄冷槽による液体空気
の気化において伝熱管内部の気化位置に依存せずに安定
な気化を実現するガスタービン発電方法および装置を提
供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、液体空気利用エネルギー貯蔵方式によるガ
スタービン発電方法および装置において、吸気空気の中
に含まれる湿分及び二酸化炭素を除去するために、切替
え可能な複数の吸着器を設置し、そのうちの一方を吸気
空気中の湿分及び二酸化炭素の吸着に使用する。他方の
吸着器は、蓄冷槽で冷却した圧縮空気の中の液化されな
かった一部の極低温の空気について、圧縮機による空気
圧縮熱や蓄冷槽の熱にて加熱し、その加熱空気により吸
着性能を再生する構成とする。
【0015】また、蓄冷槽を用いて液体空気を製造する
ときの原料空気の圧縮動力の最大値を低減するために、
予め製造しておいた液体空気を圧縮機の吸気側へ噴霧
し、低温状態の吸気空気を圧縮する構成とする。
【0016】一方、蓄冷槽による液体空気の気化におい
て伝熱管内部の気化位置の変化の影響を受けにくく安定
な気化を実現するために、蓄冷槽の内部に配置する伝熱
管は水平方向に折り返し、液体空気の加熱の有効長さを
十分に確保した構造とする。さらに、蓄冷槽にて液体空
気を加熱するが、気化状態の変化に起因するタービン燃
焼器への供給圧力の変動を抑制するために、蓄冷槽出口
側に気化空気の圧力調整手段を設けた構成とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面を参照して詳
細に説明する。図1は、本発明の一実施例によるガスタ
ービン発電装置の全体概略構成図である。
【0018】図1において、原料空気は大気より吸気フ
ィルター1にて塵埃を除去されて取り込まれる。取り込
まれた空気は、空気冷却器2にて予め冷却されて相対湿
度が高められ、湿分及び二酸化炭素を除去するための吸
着剤の吸着条件を高めて吸着器3へ移送される。吸着器
3で湿分及び二酸化炭素が除去された空気は、夜間等の
余剰電力で駆動される空気圧縮機4にて所定の圧力まで
圧縮される。空気圧縮機4による圧縮により温度上昇し
た空気は、圧縮空気冷却器5にて冷却され予め冷却され
た蓄冷槽6に導かれる。蓄冷槽6に導かれた圧縮空気
は、蓄冷槽6で極低温まで冷却された後、膨張弁7を通
過して大気圧まで膨張させることによりさらに冷却さ
れ、膨張前後の圧力差に応じてある一定割合の空気が液
化する。蓄冷槽6は、この時、圧縮空気の圧縮熱により
加熱され、除々に温度上昇する。液化した空気は液体空
気貯蔵タンク8にて、常圧及び極低温の液体空気として
貯蔵される。
【0019】膨張弁7を通過した時に、液化しなかった
極低温の空気は蓄冷槽6及び圧縮空気冷却器5にて冷熱
回収が図られる。その結果、液体空気の原料となる圧縮
空気は温度低下するが、他方の圧縮空気の膨張後の液化
しなかった空気は温度上昇し、吸着剤の再生のための加
熱用空気として吸着器3へ導かれる。
【0020】空気を圧縮するために必要な空気圧縮機4
の圧縮動力は、圧縮中の空気の温度上昇によって大幅に
増加する。このことは、圧縮機4の駆動電動機の容量が
圧縮空気の温度上昇の程度によって増加することを意味
する。空気圧縮機4の駆動動力を低減するためには、吸
気空気の温度を低くし、圧縮による温度上昇を抑制する
ことが効果的である。このため、空気圧縮機4にて空気
を圧縮する際には、貯蔵している液体空気をポンプ9に
より移送し、液体空気流量調節弁10を介して空気圧縮
機4の吸気側へ噴霧する構成とする。これにより、空気
圧縮機4の吸気空気の温度が大幅に低下し、その結果、
空気圧縮機4にて使用する空気圧縮動力の最大値が低減
できる。
【0021】次に、液体空気を利用した発電は以下のよ
うな方法による。液体空気は、ガスタービン発電装置に
適合する運転圧力まで加圧ポンプ11で加圧され、蓄冷
槽6に移送される。蓄冷槽6は、圧縮空気の圧縮熱によ
り加熱されており、液体空気はこの蓄冷槽6の熱によっ
て加熱気化される。気化した空気は蓄冷槽6から取り出
され、気化空気の圧力調整弁12を通ってガスタービン
へ供給される。すなわち、気化空気は再生熱交換器13
を通った後、タービン燃焼器14へ供給される。燃焼器
14では、燃料15(石油、天然ガス)と空気が混合さ
れて燃焼される。このとき発生した燃焼ガスは、タービ
ン16へ送られて膨張してタービン16を駆動すると共
に、タービン16と軸結合した発電機17を回転させる
ことで発電する。タービン16にて大気圧まで膨張し温
度低下した燃焼ガスは、まだ比較的高温であるため再生
熱交換器13にて蓄冷槽6から取り出した気化空気と熱
交換し、最終的には燃焼ガスの廃熱は気化空気の加熱源
として回収される。
【0022】気化空気の圧力調整は以下の方法による。
すなわち、気化空気の圧力は、圧力計19にて検出さ
れ、圧力調整器20にて演算され所定の圧力となるよう
に、圧力調整弁12の開度が演算される。気化空気の圧
力が上昇し、圧力調整弁12の開度調整で圧力上昇を抑
制できないような場合には、通常は閉状態である気化空
気のバイパス弁18の開度が増加し、蓄冷槽6およびガ
スタービン側の異常な圧力上昇を防止する。
【0023】図2は、図1に示した本発明の実施例につ
いて、特に、液体空気の製造に係わる部分について、さ
らに詳細にその構成を示したものである。図2におい
て、吸気空気の中に含まれる湿分及び二酸化炭素を除去
する吸着器3は、内蔵する2つの吸着器3Aと3Bを以
下のように使い分けて運転する。
【0024】吸着器3の上流で空気冷却器2により冷却
され相対湿度を高められた吸気空気は、吸着剤の吸着条
件が高められて吸着器3へ移送される。ここで、吸着器
3が2系統ある場合には、一方の系統が吸着運転してい
る時は他方は再生運転している。
【0025】すなわち、弁31、37、34、36を開
状態及び弁32、38、33、35を閉状態とすること
により第1の吸着器3Aが吸着運転状態となり、吸着器
3Aの吸着剤により吸気空気の中の湿分及び二酸化炭素
が吸着除去され、電動機41にて駆動される圧縮機4へ
送られる。一方、圧縮空気冷却器5にて加熱された空気
は、前述した弁装置の状態においては第2の吸着器3B
に導かれ、吸着器3Bは再生運転となる。再生運転で利
用するこの加熱された空気は、温度が高いばかりでなく
相対湿度も低いことから、吸着器3Bの吸着剤が吸着し
た湿分及び二酸化炭素を吸着剤から放出させることがで
きる。従って、この吸着器3A及び3Bを吸着運転及び
再生運転として、一定時間ごとに弁装置の開閉操作によ
って切り替えて使用することにより、吸気空気から連続
的に湿分及び二酸化炭素を除去することができる。
【0026】吸着器3Bの再生用の加熱空気は、以下の
ような方法で得られる。すなわち、空気圧縮機4にて圧
縮された圧縮空気は、圧縮空気冷却器5を通った後、蓄
冷槽6にて冷却される。この時、蓄冷槽61については
特に圧縮機4の出口側に近いことから、圧縮空気との熱
交換によって加熱されることになる。蓄冷槽61、62
にて極低温に冷却された圧縮空気は、膨張弁7にて大気
圧まで膨張させられることにより、その一部分が液化し
液体空気貯蔵タンク8にて貯蔵される。液化しなかった
低温の空気は、相対的に高温状態となっている蓄冷槽6
1を通ることにより、その冷熱が蓄冷槽61にて回収さ
れる。さらに、前述した圧縮空気冷却器5での圧縮空気
との熱交換によりさらに加熱され、吸着器3Bの再生用
空気として利用される。
【0027】ここで、圧縮空気冷却器5と吸着器3との
間には、空気の逆止弁42が設置される。これは、液体
空気貯蔵タンク8側の圧力が吸着器3側の圧力より低く
なった場合に、吸着器3を通して除湿されていない空気
が液体空気貯蔵タンク8へ逆流することを防止するため
である。
【0028】図3は、図1に示した本発明のガスタービ
ン発電装置について、空気温度とエントロピーとの概略
の関係を示したものである。
【0029】空気液化は以下の過程による。すなわち、
吸着器3により空気中から湿分及び二酸化炭素が除去さ
れた吸気空気は、図3のA点に示したようにほぼ大気圧
状態で空気圧縮機4に入る。この空気は、空気圧縮機4
で圧力P1まで圧縮され、それに伴い温度もB点まで上
昇する。温度上昇した圧縮空気は、圧縮空気冷却器5及
び蓄冷槽6により、C点及びD点に示すように極低温ま
で順次冷却される。D点まで冷却された圧縮空気は、膨
張弁7にて大気圧まで膨張させられることによりE点ま
で、さらに冷却される。このとき、E点に対応した一定
割合の液体空気が生成されることになる。生成された液
体空気は、最終的にはF点の状態にて液体空気貯蔵タン
ク8にて貯蔵される。
【0030】また、気化は以下の過程による。すなわ
ち、液体空気貯蔵タンク8内に大気圧で貯蔵されている
極低温の液体空気は、加圧ポンプ11にて圧力P2まで
加圧される。加圧された液体空気は、蓄冷槽6の熱によ
り加熱されて気化し、蓄冷槽6の出口ではG点の状態と
なる。気化した空気は、再生熱交換器13にてガスター
ビン廃熱によりさらに加熱され、その後燃焼器14へ送
られる、燃焼器14では、燃料と空気との燃焼反応によ
り高温の燃焼ガスとなりH点の状態となる。高温の燃焼
ガスは、タービンで膨張して仕事を行いI点となる。そ
の後、再生熱交換器13にて気化空気により廃熱が回収
されることから、最終的にはJ点まで、さらに温度は低
下し、排ガスとして大気に放出されることになる。
【0031】このように、主に蓄冷槽6を利用して空気
の冷却あるいは加熱を行うのであるが、空気冷却時の空
気圧力P1及び空気加熱時の空気圧力P2は発電システ
ムの運転条件によって決められる。例えば、空気圧縮機
4の圧縮比を比較的高くせず、空気の臨界点以下で冷却
を行う場合には、P1としては約37気圧以下(例えば
20気圧)での冷却となる。また、発電システムで利用
するガスタービンの圧力条件は、比較的低いほうが装置
設計が容易であるため、運転圧力に適合するガスタービ
ンも多くなりシステムを構築する上で好ましい。このた
め、ガスタービンの圧力条件を考慮して、P2としては
P1より低圧力の15気圧程度として装置設計を行うこ
ともできる。
【0032】ただし、空気の臨界点以下の圧力で気化を
行う場合には、蓄冷槽で加熱する際に伝熱管内にて液体
空気の沸騰現象が発生することになる。従って、この液
体空気の沸騰を考慮した伝熱管配置を設計する必要があ
る。具体的には、液体空気の沸騰により発生した気泡
が、伝熱管内の流れ方向によっては浮力の影響を受ける
ため、伝熱管内の流体の圧力損失が変動する。このよう
な流体の圧力損失の変動を低減するために、蓄冷槽内伝
熱管配置が水平方向となるように機器設計する。
【0033】図4は、図1に示した本発明のガスタービ
ン発電方法装置について、蓄冷槽の伝熱管配置の一実施
例を示したものである。図4において、蓄冷槽伝熱管6
Aは配管ヘッダ6Bにより個々の蓄冷槽6C1〜3から
6E1〜3に分岐され、蓄冷槽内での有効長さを確保す
るために水平方向に折り返して曲げながら格納配置され
る。また、配管ヘッダ6Fで再び蓄冷槽伝熱管6Gとし
て集められる。このとき、蓄冷槽6内では伝熱管の長さ
方向で温度差が発生する。伝熱管を介して圧縮空気を冷
却、あるいは加圧空気を加熱することでこの温度差は小
さくなるが、蓄冷材間での熱伝導により温度差が小さく
なることは空気への熱移動が不十分であることを意味し
ており、熱の有効利用が図られない。このため、蓄冷材
間の熱移動を抑制するため断熱材65が蓄冷槽6内に配
置される。
【0034】図5は、図1に示した本発明のガスタービ
ン発電装置について、蓄冷槽及びその他の機器の配置関
係の一実施例を示したものである。図5において、空気
の流れが水平方向となるように蓄冷槽内の伝熱管を配置
する。従って、この場合には蓄冷槽全体についても高さ
方向の長さと比較して相対的に水平方向に長くし、伝熱
管を蓄冷材で取り囲むことを容易とした構造とする。ま
た、空気液化時には、弁68、71は開状態、弁69、
111は閉状態とする。さらに、気化時には、弁69、
111は開状態、弁68、71は閉状態として空気の流
路を形成する。
【0035】また、蓄冷槽611〜615には、空気の
集配を行う蓄冷槽ヘッダ6B、6Fがあり、この蓄冷槽
ヘッダ6B、6Fを接続することにより、流れ方向に空
気冷却及び加熱に必要な個数の蓄冷槽を結合させる。さ
らに、液体空気貯蔵タンク8を取り囲むように蓄冷槽を
配置することで、蓄冷槽が液体空気貯蔵タンク8の断熱
機能としても作用させる。すなわち、液体空気貯蔵タン
ク8に外部から入熱があると、液体空気が一部気化する
が、それはシステムとしての損失となり好ましくない。
このため、蓄冷槽の断熱機能を利用して、外部からの入
熱を抑制する。
【0036】第1段の蓄冷槽611には、圧縮空気を膨
張弁7で膨張させ液体空気を生成するときに、液化しな
かった空気を流す配管81を設置する。すなわち、この
第1段蓄冷槽611は空気圧縮機4のすぐ下流に設置さ
れるため、他の蓄冷槽と比較して相対的に温度が高く、
蓄冷槽611にとっては膨張後の空気からの冷熱の回収
が容易となる。このことは、膨張後の空気にとっては加
熱されやすいことでもあり、吸着器3の吸着性能再生運
転のための高温空気を得るためには好都合である。
【0037】図6は、図5に示した本発明のガスタービ
ン発電装置における蓄冷槽について、蓄冷槽及び弁その
他の機器の接続関係の詳細を示したものである。図6に
おいて、空気液化時には、弁68及び蓄冷槽ヘッダに取
り付けられている弁7F2、7F3、7F4のいずれか
を開状態とすることで、流路を形成する。液体空気は、
膨張弁7あるいは膨張タービン72を用いて、極低温の
圧縮空気を膨張させることにより生成する。また、蓄冷
槽ヘッダの弁11B1、11B2、11B3と弁69は
閉状態とする。同様にして、気化時には、弁111と蓄
冷槽ヘッダの弁11B1、11B2、及び11B3のい
ずれかを開状態とすることにより、蓄冷槽内に流路を形
成する。この時には、弁68、及び弁7F2、7F3、
7F4は閉状態である。最終的には、弁69を介して気
化空気は蓄冷槽から取り出されることになる。
【0038】複数の蓄冷槽は、以上に述べた蓄冷槽ヘッ
ダに取り付けられた弁の開閉により、空気液化時の圧縮
空気あるいは気化時の気化空気の流路が切り替えられて
使用される。以下に、その切り替え方法について説明す
る。
【0039】図7は、圧縮空気冷却(液体空気製造)運
転時について、図6の蓄冷槽及び弁装置その他の機器の
使用手順を説明したものである。また、図9は、蓄冷槽
ヘッダの弁の切り替えによる蓄冷槽内部の空気温度変化
の一例を示したものである。このような弁の切り替え
は、蓄冷槽の冷熱を有効に利用して液体空気の製造を高
効率で行うために必要な操作である。すなわち、蓄冷槽
により圧縮空気を必要以上に冷却して蓄冷槽温度が上昇
することは、蓄冷槽冷熱が余分に消費されることであ
り、次に来るべき液体空気の気化時の冷熱の再回収時に
おいて、蓄冷槽温度が十分に低下しなくなる場合があ
る。
【0040】図6の蓄冷槽及び蓄冷槽ヘッダの弁の初期
状態としては、iは2(第2段)とした場合(ステップ
701)であり、また、弁7F2、7F3、7F4は
閉、弁68は開である。さらに、第2段以降の蓄冷槽
は、液体空気を製造するために必要な極低温状態に冷却
されているものとする。なお、iが1の場合には蓄冷槽
の第1段(初段)、iがnの場合には蓄冷槽の最終段で
ある。nは、必要とする液体空気の製造量に依存するこ
とになり、この場合にはnは5とする。また、最終段の
蓄冷槽ヘッダの弁7F5は開状態とする。すなわち、他
の蓄冷槽ヘッダの弁の開閉時においても、常に圧縮空気
の流路を確保することにより、空気圧縮機4の安定な運
転を実現する。
【0041】以上のような条件において先ず最初に、第
2段の蓄冷槽出口温度を測定(ステップ702)し、設
定温度T2以下であれば当該蓄冷槽ヘッダの冷却空気取
り出し弁7F2を開とする(ステップ703)。この冷
却空気取り出し弁7F2から取り出された圧縮空気は第
1段及び第2段の蓄冷槽により冷却されているため、膨
張弁(JT弁)7で膨張することで一部の空気が液化
(ステップ704)し、液体空気が製造される。その
後、液体空気製造運転の継続の可否を製造した液体空気
量、運転継続時間等で判断(ステップ705)し、運転
継続の場合には蓄冷槽出口温度を再度測定(ステップ7
02)する。
【0042】一方、第2段の蓄冷槽温度が設定温度T2
以上であれば、蓄冷槽による圧縮空気の冷却が十分にで
きていないと判断される。このとき、蓄冷槽が最終段で
ないことが判断(ステップ706)されると、第2段蓄
冷槽の冷却空気取り出し弁7F2を閉(ステップ70
7)とし、次の段である第3段の蓄冷槽出口温度を測定
する(ステップ708,702)ことになる。第3段の
蓄冷槽出口温度が設定温度T2以下であった場合には、
先ほどと同様な手順により空気の液化が膨張弁7を利用
して行われる。蓄冷槽が最終段であった場合には、蓄冷
槽出口温度を再度測定(ステップ709)し、設定温度
T1以下であれば、膨張タービン72の前後弁73、7
4を開として、さらに膨張弁7の止め弁71を閉とする
ことで膨張タービン72を利用した空気液化(ステップ
710)を行う。これに対して、設定温度T1以上であ
った場合には、これ以上の液体空気製造はできないと判
断(ステップ705)されるため、圧縮空気冷却(液体
空気製造)運転は終了となる。
【0043】ここで、冷却した圧縮空気の液化におい
て、膨張弁を使用しないで膨張タービンを使用する理由
は以下である。すなわち、圧縮空気の圧力及び温度条件
によっては、膨張弁では膨張後の空気状態が空気液化の
領域外となって液化できない場合がある。このような場
合においても、膨張タービンを利用すると、圧縮空気の
持つ内部エネルギーの一部が動力として外部に取り出さ
れ、その結果として空気温度が低下して空気液化の領域
内に入り液化できる。圧縮空気冷却による空気液化運転
の継続の判断は、代表的には運転時間や液体空気貯蔵タ
ンク内の液体空気の貯蔵量、さらには蓄冷槽出口の温度
から行う。
【0044】以上のような蓄冷槽ヘッダの弁の切り替え
時において、蓄冷槽内部の空気温度の変化の一例を図9
により説明する。図9において、それぞれの蓄冷槽出口
温度の初期値は、、、、及びで示される温度と
する。この時、第2段蓄冷槽の出口温度は設定値T2以
下であるため、第2段蓄冷槽ヘッダの冷却空気取り出し
弁7F2は開とすることにより、圧縮空気は第3段以降
の蓄冷槽をバイパスして流れ、膨張弁7へと導かれる。
その結果、第2段蓄冷槽の温度は上昇するが、第3段以
降の蓄冷槽温度は低温状態が維持される。第2段蓄冷槽
の出口温度がまで上昇すると、圧縮空気の冷却が不十
分となることから蓄冷槽ヘッダの冷却空気取り出し弁7
F2は閉となり、次の第3段蓄冷槽ヘッダの冷却空気取
り出し弁7F3が開となる。これにより、圧縮空気は第
3段蓄冷槽により再び十分に冷却され、取り出された冷
却空気は膨張弁7へと導かれる。以下、同様に、蓄冷槽
出口温度が、まで上昇すると蓄冷槽ヘッダの冷却空
気取出し弁は開閉操作され、圧縮空気冷却のために蓄冷
槽は順次切り替えられる。
【0045】最終段蓄冷槽における圧縮空気の流路の切
り替えは、蓄冷槽ヘッダの弁7F5の切り替えではな
く、圧縮空気の膨張方法に関するものである。すなわ
ち、蓄冷槽出口温度が設定温度T2以下であれば、膨張
弁(JT弁)7で膨張することで一部の空気を液化し、
液体空気を製造する。これに対して、蓄冷槽出口温度が
設定温度T1以下であれば、膨張タービン72で空気を
膨張させて液化し、液体空気を製造することになる。
【0046】図8は、液体空気加熱(気化空気製造)運
転時について、図6の蓄冷槽及び弁その他の機器の使用
手順を説明したものである。また、図10は、蓄冷槽ヘ
ッダの弁の切り替えによる蓄冷槽内部の空気温度変化の
一例を示したものである。このような弁の切り替えは、
蓄冷槽に冷熱を有効に蓄冷して来るべき液体空気の製造
を高効率で行うために必要な操作である。すなわち、蓄
冷槽により液体空気あるいは液体空気が気化した気化空
気を必要以上に加熱して蓄冷槽温度が下降することは、
蓄冷槽の熱が余分に消費されることになる。このこと
は、想定する気化空気製造の運転時間内において、所定
の温度に加熱された気化空気を得ることができなくなる
場合があることを意味しており、安定な気化空気製造を
実現する上で好ましくない。
【0047】液体空気加熱運転における図6の蓄冷槽及
び蓄冷槽ヘッダの弁の初期状態は、蓄冷槽の温度分布か
らiを3(第3段)とした場合(ステップ801)であ
り、また、弁11B1、11B2、7F2、7F3、7
F4は閉、弁111、7F5、11B3は開である。さ
らに、蓄冷槽は、気化空気を製造するために必要な状態
に加熱されているものとする。
【0048】以上のような条件において先ず最初に、第
3段の蓄冷槽出口温度を測定(ステップ802)し、設
定温度T3以下であれば当該蓄冷槽ヘッダの加熱空気取
り出し弁11B3を閉(ステップ803)とする。その
後、最終段の蓄冷槽の前段出口温度を再度測定すること
を繰り返す。蓄冷槽の出口温度が設定温度T3以上の場
合には、当該蓄冷槽ヘッダの加熱空気取り出し弁を開
(ステップ804)とする。その後、当該蓄冷槽が第1
段であると判断(ステップ805)すれば、液体空気加
熱(気化空気製造)の運転継続の可否について、気化空
気温度や運転継続時間等で判断(ステップ806)す
る。例えば、気化空気温度がガスタービン発電装置の空
気温度条件に適合しないと判断される場合には、気化空
気製造運転を停止する。ステップ805で、第1段でな
いと判断された場合には、ステップ807を介してステ
ップ802に戻り、第1段まで繰返す。
【0049】以上のような蓄冷槽ヘッダの弁の切り替え
時において、蓄冷槽内部の空気温度の変化の一例を図1
0により説明する。図10において、それぞれの蓄冷槽
出口温度の初期値は、、、及びで示される温度と
する。この時、第3段蓄冷槽の出口温度は設定値T3以
上であるため、第3段蓄冷槽ヘッダの加熱空気取り出し
弁11B3は開とすることにより、加熱気化空気は第2
段及び第1段の蓄冷槽をバイパスして流れ、蓄冷槽外部
へと導かれる。その結果、第3段から最終段までの蓄冷
槽の温度は下降するが、第2段及び第1段の蓄冷槽温度
は相対的に高温状態が維持される。第3段蓄冷槽の出口
温度がまで下降すると、加圧空気の加熱が不十分とな
ることから蓄冷槽ヘッダの加熱空気取り出し弁11B3
は閉となり、次の第2段蓄冷槽ヘッダの加熱空気取り出
し弁11B2が開となる。これにより、圧縮空気は第2
段蓄冷槽により再び十分に加熱され、取り出された冷却
空気はガスタービン発電設備へと導かれる。以下、同様
に、蓄冷槽出口温度がまで下降すると、蓄冷槽ヘッダ
の加熱空気取出し弁11B2は開閉操作により切り替え
られる。
【0050】第1段蓄冷槽における気化空気の取り出し
については、蓄冷槽出口温度が設定温度T3以下となっ
た場合に、加圧した気化空気の加熱が不十分であるとみ
なされることから、気化空気製造運転は停止されること
になる。
【0051】図11は、図1に示した本発明のガスター
ビン発電装置について、燃焼器へ供給する加圧した気化
空気の圧力調整装置を示したものである。図11におい
て、空気供給配管に取り付けられた圧力計19で検出さ
れた燃焼器供給空気圧力の圧力信号は、燃焼器運転に適
合した設定圧力S1と比較され、圧力偏差信号S2が得
られる。この偏差信号S2は、圧力制御器201にて比
例積分演算することにより圧力調整弁開度要求信号S3
となり、圧力調整弁駆動装置202へ入力され圧力調整
弁12の開度が制御される。また、圧力調整弁開度要求
信号S3はバイパス弁バイアス信号S4と比較され、そ
の偏差信号はバイパス弁開度要求信号S5となる。この
バイパス弁開度要求信号S5は、バイパス弁駆動装置2
03へ入力されバイパス弁18の開度が制御される。な
お、設定圧力S1とバイアス信号S4は、ガスタービン
発電装置の負荷状態(燃焼器の運転状態)に応じて可変
となる。
【0052】図12は、図11の圧力調整装置による供
給空気の圧力制御状態を示した一例である。図12にお
いて、燃焼器供給空気圧力が設定圧力S1より低い場合
には、圧力調整弁12へは開度減少要求信号が出力され
ることから、燃焼器供給空気圧力は次第に上昇する。そ
の結果、圧力調整弁12の開度は再び増加し整定する。
同様にして、燃焼器供給空気圧力が設定圧力S1より高
い場合には、圧力調整弁12へは開度増加信号が出力さ
れる。これにより、燃焼器供給空気圧力は次第に低下
し、圧力調整弁12の開度も減少する。
【0053】燃焼器供給空気圧力が上昇した際に、圧力
調整弁12の開度増加にもかかわらず圧力が低下しない
ような場合、蓄冷槽内の伝熱管内の圧力も上昇する。そ
の結果、伝熱管内空気の平均的な気化位置が下流側に移
動し、それに伴い蓄冷槽からの空気加熱量も増加し、さ
らなる圧力上昇を引き起こす可能性がある。このため、
予め設定した圧力を超えて燃焼器供給空気圧力が増加し
た場合には、バイパス弁18が開動作し蓄冷槽内の空気
圧力の増加を抑制する。これにより、蓄冷槽を用いた気
化空気の安定な供給を実現する。
【0054】
【発明の効果】本発明のガスタービン発電方法および装
置によれば、液体空気の原料となる吸気空気から湿分及
び二酸化炭素を吸着器により連続的に除去し、極低温と
なる蓄冷槽の伝熱管内部での氷結を防止することにより
安定な空気液化を実現することができる。また、製造し
た液体空気を空気圧縮機の吸気側に噴霧することにより
吸気温度を低下させることにより、必要とする圧縮機動
力の最大値を低減し圧縮機容量を小さくすることができ
る。さらに、蓄冷槽による液体空気の気化において、蓄
冷槽内の伝熱管を水平配置とすることにより内部の気化
位置の影響を受けにくくした構造、及び蓄冷槽からの気
化空気圧力調整手段を設置して安定な気化を実現するガ
スタービン発電方法および装置が実現できる。
【0055】以上のガスタービン発電方法および装置に
より、安定な空気液化及び気化の運転様態が得られるこ
とから、発電システムとして好適な運転が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるガスタービン発電装置
の全体概略構成図。
【図2】図1に示した本発明の一実施例の要部の詳細構
成図。
【図3】図1に示した本発明における空気状態変化を示
す図。
【図4】図1に示した本発明の一実施例における蓄冷槽
内の伝熱管配置構造図。
【図5】図1に示した本発明の一実施例における蓄冷槽
その他の機器の配置関係図。
【図6】図5の実施例における蓄冷槽、弁、その他の機
器の接続関係の詳細図。
【図7】図6の圧縮空気冷却(液体空気製造)運転方法
を示すフローチャート図。
【図8】図6の液体空気加熱(気化空気製造)運転方法
を示すフローチャート図。
【図9】図7に示した本発明の運転時の蓄冷槽内部の空
気温度の変化の一例を示す図。
【図10】図8に示した本発明の運転時の蓄冷槽内部の
空気温度の変化の一例を示す図。
【図11】図1に示した本発明の一実施例における気化
空気の圧力調整装置の詳細説明図。
【図12】図11に示した本発明の一実施例における供
給空気の圧力制御状態図。
【符号の説明】
2…空気冷却器、3…吸着器、3A…第1の吸着器、3
B…第2の吸着器、4…空気圧縮機、6…蓄冷槽、7…
膨張弁、8…液体空気貯蔵タンク、12,19,20…
圧力調整手段、13…再生熱交換器、14…燃焼器、1
6…タービン、17…発電機。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F25J 1/00 F25J 1/00 Z 5/00 5/00 H02P 9/04 H02P 9/04 F (72)発明者 荒木 秀文 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発研究所内 (72)発明者 横溝 修 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発研究所内 Fターム(参考) 4D012 CA01 CA03 CB16 CD01 CH10 CK01 4D047 AA08 BA06 BB03 CA03 CA16 DB01 DB05 4D052 AA00 CD01 DA02 FA06 5H590 AA01 CA08 CA21 CE02 KK07

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蓄冷槽にて冷却した圧縮空気から液体空気
    を製造して貯蔵し、該液体空気を前記蓄冷槽の熱により
    気化してガスタービンへ供給して発電するガスタービン
    発電方法において、空気圧縮機への吸入空気から第1の
    吸着器により湿分及び二酸化炭素を除去するステップ
    と、液体空気製造時の液化できなかった空気を圧縮空気
    熱との熱交換により加熱して第2の吸着器へ供給し,前
    記第1の吸着器で除去した湿分及び二酸化炭素を外部へ
    放出し,第1の吸着器の吸着機能を再生するステップと
    を含むことを特徴とするガスタービン発電方法。
  2. 【請求項2】予め製造した液体空気を前記空気圧縮機の
    吸気側に供給噴霧し、前記空気圧縮機へ吸気される空気
    の温度を低下させることを特徴とする請求項1記載のガ
    スタービン発電方法。
  3. 【請求項3】貯蔵した液体空気をポンプで加圧して前記
    蓄冷槽内に移送し、該蓄冷槽に蓄えられた圧縮空気熱に
    より加熱気化する際に、前記液体空気を前記蓄冷槽内で
    水平方向に折り返して曲げられた伝熱管を通し、該蓄冷
    槽内での有効長さを確保することを特徴とする請求項1
    記載のガスタービン発電方法。
  4. 【請求項4】蓄冷槽にて冷却した圧縮空気から液体空気
    を製造して貯蔵し、該液体空気を該蓄冷槽の熱により気
    化してガスタービンへ供給して発電するガスタービン発
    電装置において、圧縮空気を製造する空気圧縮機の吸気
    側に設置され,湿分及び二酸化炭素を除去する2個以上
    の吸着器と、前記2個以上の吸着器の一方を介して吸入
    された空気を前記空気圧縮機に導く第1の弁装置と、液
    体空気製造時の液化できなかった空気を圧縮空気熱との
    熱交換により加熱する手段と、前記吸着器の吸着器能を
    再生するため,前記加熱された空気を前記2個以上の吸
    着器の他方の吸着器に供給する第2の弁装置とを備えた
    こと特徴とするガスタービン発電装置。
  5. 【請求項5】前記の空気圧縮機において、吸気空気温度
    を低下させることにより、空気圧縮に必要な圧縮動力を
    低減するため、予め製造した液体空気を該空気圧縮機の
    吸気側に供給噴霧する手段を備えたことを特徴とする請
    求項4記載のガスタービン発電装置。
  6. 【請求項6】貯蔵した液体空気をポンプで加圧して前記
    蓄冷槽内の伝熱管に移送し、該蓄冷槽に蓄えられた圧縮
    空気熱により加熱気化する手段を備えた請求項4記載の
    ガスタービン発電装置において、前記蓄冷槽内の前記伝
    熱管を水平方向に折り返して曲げながら配置したことを
    特徴とするガスタービン発電装置。
  7. 【請求項7】前記蓄冷槽の出口に、タービン燃焼器への
    供給圧力の変動を抑制する圧力調整手段を設けたことを
    特徴とする請求項4記載のガスタービン発電装置。
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