JPH10237295A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

Info

Publication number
JPH10237295A
JPH10237295A JP4528097A JP4528097A JPH10237295A JP H10237295 A JPH10237295 A JP H10237295A JP 4528097 A JP4528097 A JP 4528097A JP 4528097 A JP4528097 A JP 4528097A JP H10237295 A JPH10237295 A JP H10237295A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
thermoplastic
parts
thermoplastic resin
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP4528097A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3706457B2 (ja
Inventor
Wataru Fukumoto
亘 福本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Chemicals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Chemicals Ltd filed Critical Teijin Chemicals Ltd
Priority to JP4528097A priority Critical patent/JP3706457B2/ja
Publication of JPH10237295A publication Critical patent/JPH10237295A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3706457B2 publication Critical patent/JP3706457B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐湿熱性に優れた熱可塑性樹脂組成物を提供
することにある。 【解決手段】 (A)芳香族ポリカーボネート樹脂95
〜5重量%、(B)熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂5
〜95重量%からなる熱可塑性樹脂100重量部に対し
て(C)リン系安定剤0.001〜0.5重量部、
(D)ケイ酸アルミニウムを主成分とする無機化合物
0.05〜3重量部、(E)弾性重合体0〜15重量部
配合してなる熱可塑性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐湿熱性に優れた芳
香族ポリカーボネート樹脂と熱可塑性芳香族ポリエステ
ル樹脂のブレンド組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリカーボネート樹脂と熱可塑性
芳香族ポリエステル樹脂のブレンド組成物は芳香族ポリ
カーボネート樹脂の耐熱性、寸法安定性、熱可塑性芳香
族ポリエステル樹脂の耐薬品性、成形性を兼ね備えた樹
脂組成物であり、電機電子部品、自動車部品等に広く使
用されている。
【0003】この芳香族ポリカーボネート樹脂と熱可塑
性芳香族ポリエステル樹脂のブレンド組成物を製造する
にあたり、芳香族ポリカーボネート樹脂と熱可塑芳香族
ポリエステル樹脂とを溶融混練すると、熱可塑性芳香族
ポリエステル樹脂中に残存する重合触媒がエステル交換
反応を引き起こすため、重合触媒を失活させる安定剤と
してリン酸エステル系、或いは亜リン酸エステル系のリ
ン系安定剤を配合している(特開昭52−11195
6)。
【0004】しかしながら、このリン系安定剤を配合し
た芳香族ポリカーボネート樹脂と熱可塑性芳香族ポリエ
ステル樹脂のブレンド組成物は高温高湿化において、配
合したリン系安定剤が加水分解し、この分解物が芳香族
ポリカーボネート樹脂のカーボネート結合、あるいは熱
可塑性芳香族ポリエステル樹脂のエステル結合の加水分
解を促進させ、例えば、MFRが著しく増加して成形が
困難となるような問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐湿
熱性に優れた熱可塑性樹脂組成物を提供することにあ
る。本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ね
た結果、芳香族ポリカーボネート樹脂、熱可塑性芳香族
ポリエステル樹脂、リン系安定剤からなる熱可塑性樹脂
成分にケイ酸アルミニウムを主成分とする無機化合物を
配合することで、目的とする耐湿熱性に優れた熱可塑性
樹脂組成物が得られることを見いだし、本発明に到達し
た。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明によれ
ば(A)芳香族ポリカーボネート樹脂95〜5重量%、
(B)熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂5〜95重量%
からなる熱可塑性樹脂100重量部に対して(C)リン
系安定剤0.001〜0.5重量部、(D)ケイ酸アル
ミニウムを主成分とする無機化合物0.05〜3重量
部、(E)弾性重合体0〜15重量部配合してなる熱可
塑性樹脂組成物が提供される。
【0007】本発明の熱可塑性樹脂は(A)芳香族ポリ
カーボネート樹脂(以下(A)成分と称することがあ
る)と(B)熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂(以下
(B)成分と称することがある)からなり、この2種の
樹脂の合計を100重量%とした時、(A)芳香族ポリ
カーボネート樹脂は95〜5重量%の範囲であり、
(B)熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂は5〜95重量
%の範囲である。好ましくは(A)芳香族ポリカーボネ
ート樹脂が95〜50重量%の範囲である。
【0008】本発明において(A)成分として使用され
る芳香族ポリカーボネート樹脂は通常エンジニアリング
樹脂として使用される樹脂であり、二価フェノールとカ
ーボネート前駆体を反応させて得られる芳香族ポリカー
ボネート樹脂である。ここで使用する二価フェノールの
代表的な例としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、ビス(4
−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,
2−ビス(4ヒドロキシ−3,5ジブロモフェニル)プ
ロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフ
ェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エ
ーテル、4−4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4
−ヒドロキシフェニル)サルファイドおよびビス(4−
ヒドロキシフェニル)スルホン等があげられる。好まし
い二価フェノールはビス(4−ヒドロキシフェニル)ア
ルカンであり、なかでもビスフェノールAが特に好まし
い。
【0009】本発明における成分の芳香族ポリカーボネ
ート樹脂の製造方法について基本的な手段を簡単に説明
する。
【0010】カーボネート前駆物質として例えばホスゲ
ンを使用する溶液法の場合、通常酸結合剤および溶媒の
存在下で反応を行う。酸結合剤としては例えば水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物ま
たはピリジン等のアミン化合物が用いられる。溶媒とし
ては例えば塩化メチレン、クロロベンゼン等のハロゲン
化炭化水素が用いられる。また反応促進のために例えば
第三級アミンまたは第四級アンモニウム塩等の触媒を用
いることもできる。その際、反応温度は通常0〜40℃
であり、反応時間は数分〜5時間である。また、溶液法
のホスゲン以外のカーボネート前駆体としては、カルボ
ニルエステル、またはハロホルメート等が使用でき、具
体的にはジフェニルカーボネート、二価フェノールのジ
ハロホルメートが挙げられる。
【0011】カーボネート前駆物質として炭酸ジエステ
ルを用いるエステル交換反応(溶融法)は、不活性ガス
雰囲気下、所定割合の二価フェノール成分を炭酸ジエス
テルと加熱しながら撹拌して、生成するアルコールまた
はフェノール類を留出させる方法により行われる。反応
温度は生成するアルコールまたはフェノール類の沸点等
により異なるが、通常120〜300℃の範囲である。
反応はその初期から減圧にして生成するアルコールまた
はフェノール類を留出させながら反応を完結させる。ま
た反応を促進するために通常エステル交換反応に使用さ
れる触媒を使用することもできる。前記エステル交換反
応に使用される炭酸ジエステルとしては、例えば、ジフ
ェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス
(ジフェニル)カーボネート、ジメチルカーボネート、
ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート等が挙げ
られる。これらの炭酸ジエステル中ではジフェニルカー
ボネートが特に好ましい。
【0012】上記二価フェノールとカーボネート前駆体
を反応させて芳香族ポリカーボネート樹脂を製造するに
当たり、二価フェノールは単独または2種以上を使用す
ることができ、また芳香族ポリカーボネート樹脂は三官
能以上の他官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカ
ーボネート樹脂であっても、2種以上の芳香族ポリカー
ボネート樹脂の混合物であってもよい。また、必要に応
じて触媒、分子量調節剤、酸化防止剤を使用してもよ
い。
【0013】芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量につ
いては任意のものを用いることができ、例えば二価フェ
ノールとしてビスフェノールA、カーボネート前駆体と
してホスゲンを用いて芳香族ポリカーボネート樹脂を得
た場合、濃度0.7g/dl塩化メチレン溶液により温
度20℃で測定した比粘度(ηsp)が0.15〜1.
5のものが好ましい。
【0014】本発明において(B)成分として使用され
る熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸成
分と、グリコール成分との重縮合反応により得られる樹
脂で、ジカルボン酸成分またはグリコール成分のいずれ
かが芳香族基を有するものである。ジカルボン酸成分と
しては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2−ク
ロロテレフタル酸、2,5−ジクロロテレフタル酸、2
−メチルテレフタル酸、4,4−スチルベンジカルボン
酸、4,4−ビフェニルジカルボン酸、オルトフタル
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ビス安息香酸、
ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセン
ジカルボン酸、4,4−ジフェニルエーテルカルボン
酸、4,4−ジフェノキシエタンジカルボン酸、アジピ
ン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、1,
3−シクロヘキサンジカルボン酸および1,4−シクロ
ヘキサンジカルボン酸などが挙げられ、これらを単独、
あるいは2種以上混合しても用いることができる。これ
らのジカルボン酸成分では、テレフタル酸、イソフタル
酸の単独あるいはこれらの混合物が好ましく用いられ
る。
【0015】グリコール成分としては、例えば、エチレ
ングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3
−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロ
パンジオール、トランスーまたはシスー2,2,4,4
−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、1、
4ーブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5
−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,
4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキ
サンジメタノール、デカメチレングリコール、シクロヘ
キサンジオール、p−キシレンジオール、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよび2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロ
パンなどが挙げられ、これらを単独あるいは2種以上混
合して用いることができる。これらのグリコール成分の
中でエチレングリコール、1,4−ブタンジオールが好
ましく用いられる。
【0016】本発明において使用される熱可塑性芳香族
ポリエステル樹脂の具体例としてはポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘ
キサメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメ
チレンテレフタレート、ポリ(エチレンテレフタレート
/シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)共重合
体、ポリ(エチレンテレフタレート/エチレンイソフタ
レート)共重合体、ポリ(ブチレンテレフタレート/ブ
チレンドデカジオエート)ポリエステルエーテル共重合
体、ポリアリレートなどが挙げられ、これらの熱可塑性
芳香族ポリエステル樹脂を単独あるいは2種以上混合し
て使用してもよい。これらの熱可塑性芳香族ポリエステ
ル樹脂の中で、ポリエチレンテレフタレート樹脂または
ポリブチレンテレフタレート樹脂が好ましく用いられ
る。
【0017】これら熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂の
配合量は、芳香族ポリカーボネート樹脂と熱可塑性芳香
族ポリエステル樹脂の合計100重量%とした時、5〜
95重量%である。5重量%より少ないと耐薬品性が低
下し、95重量%より多いと耐熱性や寸法安定性が低下
し好ましくない。
【0018】本発明で(C)成分として使用されるリン
系安定剤は、リン酸エステル、及び亜リン酸エステル等
である。リン酸エステルとしては、例えば、トリメチル
ホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホ
スフェート、トリクレジルホスフェート、トリフェニル
ホスフェート、トリクロルフェニルホスフェート、ジフ
ェニルクレジルホスフェート、ジフェニルモノオルソキ
セニルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェー
ト、フェニルホスホン酸ジメチルエステル、3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸ジメ
チルエステル、ジブチルホスフェート、ジオクチルホス
フェート、ジイソプロピルホスフェート等である。これ
らリン酸エステルの中で、トリメチルホスフェートが好
ましく用いられる。
【0019】亜リン酸エステルとしては、例えば、トリ
フェニルホスファイト、トリメチルホスファイト、トリ
クレジルホスファイト、ジフェニルノニルフェニルホス
ファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ト
リイソオクチルホスファイト、ジフェニルイソデシルホ
スファイト、トリイソデシルホスファイト、トリオレイ
ルホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、
ジイソデシルホスファイト、ジラウリルホスファイト、
ジオレイルホスファイト、トリス(2,4−t−ブチル
フェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリ
トールジホスファイト等が挙げられる。これらの亜リン
酸エステルの中で、トリス(ノニルフェニル)ホスファ
イト、およびジステアリルペンタエリスリトールジホス
ファイトが好ましく用いられる。
【0020】これらのリン系安定剤の配合量は該熱可塑
性樹脂成分100重量部に対して、0.001〜0.5
重量部であり、好ましくは0.01〜0.3重量部の範
囲である。0.001重量部より少ないとエステル交換
反応を抑制できず、0.5重量部より多いとかえって樹
脂が劣化するため好ましくない。
【0021】本発明で(D)成分として使用されるケイ
酸アルミニウムを主成分とする無機化合物はその構造中
にケイ酸アルミニウムを有し、層構造、或いは三次元骨
格を形成するものである層構造を形成するケイ酸アルミ
ニウムを主成分とする無機化合物としては(D−1)カ
オリン鉱物である。この(D−1)カオリン鉱物はSi
四面体、Al八面体の層が積み重なった結晶である。こ
れらカオリン鉱物としてはカオリナイト、ディッカイ
ト、ナクライト、或いは層間に水分子を持っているハロ
イサイトが挙げられる。
【0022】また、(D−2)カオリン鉱物を焼成した
化合物も好ましく用いられる。このカオリン鉱物を焼成
した化合物は、上記カオリンを加熱したことで結晶構造
が非晶質になったものである。ここで非晶質というのは
水酸基の脱水によりX線的にアモルファスな構造に変化
したものである。
【0023】三次元骨格を形成するケイ酸アルミニウム
を主成分とする無機化合物としては(D−3)ゼオライ
トが挙げられる。この(D−3)ゼオライトは一般的に
三次元骨格を有するケイ酸アルミニウム塩であり、一般
式M2 O・Al2 3 ・XSiO2 ・yH2 Oで表され
る。ここでMはNaまたはそれと当量の1価または多価金
属であり、Xは1.5〜2.0、yは0〜10である。
【0024】ゼオライトの具体例としてはA型ゼオライ
ト、X型ゼオライト、Y型ゼオライト、アナルサイム、
チャバサイト、クリプチライト、エリオナイト、モルデ
ナイト等が挙げられる。これらゼオライトの中でA型ゼ
オライトが好ましく用いられる。
【0025】また(D−4)ゼオライトを酸処理及び加
熱処理した無水非晶質ケイ酸アルミニウムも好ましく用
いられる。この無水非晶質ケイ酸アルミニウムはゼオラ
イトを酸、又は酸性物質で処理することによりゼオライ
トの粒子形状は維持しながら、結晶構造を破壊して非晶
化させ、さらに加熱処理により構造水を消失したもので
ある。
【0026】これらケイ酸アルミニウムを主成分とする
無機化合の中でも、耐湿性の改善の観点から(D−4)
ゼオライトを酸処理及び加熱処理した無水非晶質ケイ酸
アルミニウムが最も好ましい。
【0027】上記ケイ酸アルミニウムを主成分とする無
機化合物物の配合量は該熱可塑性樹脂成分100重量部
に対して、0.05〜3重量部であり、好ましくは0.
1〜2重量部の範囲である。0.05重量部より少ない
と耐湿熱性の向上効果がなく、3重量部より多いと機械
的強度が低下し好ましくない。
【0028】本発明の熱可塑性樹脂組成物すなわち、芳
香族ポリカーボネート樹脂と熱可塑性芳香族ポリエステ
ル樹脂のブレンド組成物は、熱可塑性芳香族ポリエステ
ル樹脂の配合量が比較的多くなると芳香族ポリカーボネ
ート樹脂に比べて衝撃強度が低下するため、弾性重合体
を配合することが好ましい。弾性重合体としては、例え
ば、ブタジエン−アルキルメタクリレート−スチレン共
重合体、ブタジエン−アルキルメタクリレート−スチレ
ン−ジビニルベンゼン共重合体およびブタジエン−アル
キルアクリレート−アルキルメタクリレート共重合体等
のアクリル系弾性重合体、ポリオルガノシロキサンゴム
とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分とが相互
に絡み合った構造を有している複合弾性重合体などが挙
げられ、これらを単独あるいは2種以上混合して用いる
ことができる。
【0029】これら弾性重合体の好ましい配合量は該熱
可塑性樹脂成分100重量部に対して、1〜15重量
部、さらに好ましくは3〜10重量部である。1重量部
より少ないと衝撃強度の向上が少なく、15重量部をよ
り多いと耐熱性や剛性が低下するため好ましくない。
【0030】さらに、本発明の目的および効果を損なわ
ない範囲で、難燃剤、難燃助剤、光安定剤、着色剤、発
泡剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、艶消し剤等を配合し
てもよく、また他の熱可塑性樹脂を配合してもよい。
【0031】また、本発明によれば、該熱可塑性樹脂組
成物を溶融混練し、成形して得られた成形品が提供され
る。この成形品は各成分を混合機、例えばV型ブレンダ
ー、リボンミキサーまたはタンブラー等に投入し均一に
混合した後、一軸または二軸押出機で溶融混練し、さら
に射出成形、圧縮成形または回転成形等の方法で成形す
ることにより得られる。また、成分の一部を予め混合混
練後、さらに残りの成分を添加し、混練、溶融押出して
も良い。
【0032】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説
明する。なお、評価は下記の方法によった。 (1)耐湿熱性(△MFR):押出機によって作成した
ペレットを用い、プレッシャークッカーで110℃×1
00%RH、24Hr処理を行い、処理前後のMFRを
測定し、その差を△MFRとした。なお、MFRの測定
はJIS K7210に従い、試験温度280℃、試験
荷重2.16kgfで測定した。 (2)衝撃値:ASTMD648に従い、[1/4″]
試験片にてノッチ付きゾット衝撃強度を測定した。
【0033】[実施例1〜11、比較例1〜6]ポリカ
ーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、リ
ン系安定剤、ケイ酸アルミニウムを主成分とする無機化
合物、および弾性重合体を表1に示す割合で混合し、径
40mmのベント式単軸押出機により、シリンダー温度
270℃でペレット化した。このペレットを用いて上記
に示す湿熱処理を行った。また、湿熱処理を行っていな
いペレットを120℃で5時間乾燥した後、射出成形機
によりシリンダー温度270℃、金型温度70℃で試験
片を作成し、衝撃強度を測定し、これらの評価結果は表
1に示した。なお、表1の各成分を示す記号は下記の通
りである。
【0034】PC:ポリカーボネート樹脂[帝人化成
(株)製パンライトL−1225、ηsp=0.41] PET:ポリエチレンテレフタレート[帝人(株)製T
R8580] PBT:ポリブチレンテレフタレート[帝人(株)製T
RB−H] 弾性重合体:ブタジエンーアルキルアクリレートーアル
キルメタクリレート共重合体[呉羽化学工業(株)製E
XL−2602] 安定剤1:ジステアリルペンタエリスリトールジホスフ
ァイト[アデカ・アーガス化学(株)製PEP−8] 安定剤2:トリス(ノニルフェニル)ホスファイト[四
日市合成(株)製TNP−T] 無機化合物1:カオリン鉱物[ENGELHARD 製 STINTONE
ASP600] 無機化合物2:カオリン鉱物を焼成した化合物[ENGELH
ARD 製 STINTONE No.5] 無機化合物3:カルシウム置換A型ゼオライト[(株)
耕正製CS−100] 無機化合物4:ゼオライトを酸処理および加熱処理した
無水非晶質ケイ酸アルミニウム[(株)耕正製AM−2
00]
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、耐湿熱
性が良好であり衝撃値も高いため、電器電子部品、自動
車分野等に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI //(C08L 69/00 67:00 33:06) (C08L 67/00 69:00 33:06)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)芳香族ポリカーボネート樹脂95
    〜5重量%、(B)熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂5
    〜95重量%からなる熱可塑性樹脂100重量部に対し
    て(C)リン系安定剤0.001〜0.5重量部、
    (D)ケイ酸アルミニウムを主成分とする無機化合物
    0.05〜3重量部、(E)弾性重合体0〜15重量部
    配合してなる熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (D)ケイ酸アルミニウムを主成分とす
    る無機化合物が(D−1)カオリン鉱物、(D−2)カ
    オリン鉱物を焼成した化合物、(D−3)ゼオライト、
    (D−4)ゼオライトを酸処理及び加熱処理した無水非
    晶質ケイ酸アルミニウムより選ばれた少なくとも1種で
    ある請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (E)弾性重合体の配合量が請求項1の
    熱可塑性樹脂100重量部に対して1〜15重量部であ
    る請求項1又は請求項2記載の熱可塑性樹脂組成物。
JP4528097A 1997-02-28 1997-02-28 熱可塑性樹脂組成物 Expired - Fee Related JP3706457B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4528097A JP3706457B2 (ja) 1997-02-28 1997-02-28 熱可塑性樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4528097A JP3706457B2 (ja) 1997-02-28 1997-02-28 熱可塑性樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10237295A true JPH10237295A (ja) 1998-09-08
JP3706457B2 JP3706457B2 (ja) 2005-10-12

Family

ID=12714906

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4528097A Expired - Fee Related JP3706457B2 (ja) 1997-02-28 1997-02-28 熱可塑性樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3706457B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010116920A1 (ja) * 2009-04-09 2010-10-14 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 ポリカーボネート/ポリエチレンテレフタレート複合樹脂組成物及び成形品
JP2010261018A (ja) * 2009-04-09 2010-11-18 Mitsubishi Engineering Plastics Corp ポリカーボネート/ポリエチレンテレフタレート複合樹脂組成物及び成形品
JP2010261019A (ja) * 2009-04-09 2010-11-18 Mitsubishi Engineering Plastics Corp ポリカーボネート/ポリエチレンテレフタレート複合樹脂組成物及び成形品
JP2010261017A (ja) * 2009-04-09 2010-11-18 Mitsubishi Engineering Plastics Corp ポリカーボネート/ポリエチレンテレフタレート複合樹脂組成物及び成形品
JP2010261020A (ja) * 2009-04-09 2010-11-18 Mitsubishi Engineering Plastics Corp ポリカーボネート/ポリエチレンテレフタレート複合樹脂組成物及び成形品
WO2016024531A1 (ja) * 2014-08-14 2016-02-18 株式会社カネカ 熱可塑性樹脂組成物およびその成形体
WO2019151504A1 (ja) 2018-02-05 2019-08-08 帝人株式会社 熱可塑性樹脂組成物およびその成形品
JP2020502304A (ja) * 2016-12-20 2020-01-23 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se 骨格型mwwを有するチタン含有ゼオライト材料を含む組成物の可塑性を低下させるための酸処理の使用方法

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010116920A1 (ja) * 2009-04-09 2010-10-14 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 ポリカーボネート/ポリエチレンテレフタレート複合樹脂組成物及び成形品
JP2010261018A (ja) * 2009-04-09 2010-11-18 Mitsubishi Engineering Plastics Corp ポリカーボネート/ポリエチレンテレフタレート複合樹脂組成物及び成形品
JP2010261019A (ja) * 2009-04-09 2010-11-18 Mitsubishi Engineering Plastics Corp ポリカーボネート/ポリエチレンテレフタレート複合樹脂組成物及び成形品
JP2010261017A (ja) * 2009-04-09 2010-11-18 Mitsubishi Engineering Plastics Corp ポリカーボネート/ポリエチレンテレフタレート複合樹脂組成物及び成形品
JP2010261020A (ja) * 2009-04-09 2010-11-18 Mitsubishi Engineering Plastics Corp ポリカーボネート/ポリエチレンテレフタレート複合樹脂組成物及び成形品
WO2016024531A1 (ja) * 2014-08-14 2016-02-18 株式会社カネカ 熱可塑性樹脂組成物およびその成形体
JPWO2016024531A1 (ja) * 2014-08-14 2017-07-06 株式会社カネカ 熱可塑性樹脂組成物およびその成形体
US10745553B2 (en) 2014-08-14 2020-08-18 Kaneka Corporation Thermoplastic resin composition and molded article thereof
JP2020502304A (ja) * 2016-12-20 2020-01-23 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se 骨格型mwwを有するチタン含有ゼオライト材料を含む組成物の可塑性を低下させるための酸処理の使用方法
WO2019151504A1 (ja) 2018-02-05 2019-08-08 帝人株式会社 熱可塑性樹脂組成物およびその成形品
US11760840B2 (en) 2018-02-05 2023-09-19 Teijin Limited Thermoplastic resin composition and molded article thereof

Also Published As

Publication number Publication date
JP3706457B2 (ja) 2005-10-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4829304B2 (ja) 高流動性ポリエステル組成物
EP0598043B1 (en) Polyester/polycarbonate blends containing phosphites
DE60111212T2 (de) Flammhemmende polyesterzusammensetzungen
EP0025920A1 (en) High impact resistant polyester compositions, and articles made therefrom
JPH06279664A (ja) 低分子量ポリブチレンテレフタレート/ポリエステル配合物を含燐化合物で安定化する方法及び得られる熱可塑性樹脂配合物
EP0065777A1 (en) Flame-retardant resin composition
JPH10237295A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
US5367016A (en) Reinforced resin composition
JP2001254009A (ja) ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物からなる成形品
JPH09100400A (ja) ポリエステル樹脂と有機硫酸塩を含有する熱可塑性ブレンド組成物
JPH064755B2 (ja) 難燃性芳香族ポリエステル組成物
JP4661158B2 (ja) ポリエステル樹脂組成物
US20050070647A1 (en) Flame retardant composition process for producing the same, flame-retardant resin composition, and molded object thereof
JP2002128998A (ja) 難燃性ポリエステル樹脂組成物
JP4810744B2 (ja) 難燃性樹脂組成物および成形品
JP3201836B2 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JP2006016559A (ja) ガラス繊維強化ポリエステル樹脂組成物および成形品
US6133358A (en) Flame-retardant resin composition
JP3217937B2 (ja) 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物及びその成形品
JP3569221B2 (ja) 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物及びその成形品
JP3217938B2 (ja) 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物及びその成形品
JPH10330606A (ja) 抗菌性を有する難燃性ポリエステル樹脂組成物及びそれからなる成形品
JP2632034B2 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JPH10251497A (ja) 難燃性樹脂組成物
JPH11106624A (ja) ポリエステル樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050420

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050426

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050620

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050712

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050729

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080805

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090805

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100805

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100805

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110805

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120805

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120805

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130805

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees