JPH10237154A - 硬化剤組成物及び一液性熱硬化組成物 - Google Patents

硬化剤組成物及び一液性熱硬化組成物

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JPH10237154A
JPH10237154A JP9042662A JP4266297A JPH10237154A JP H10237154 A JPH10237154 A JP H10237154A JP 9042662 A JP9042662 A JP 9042662A JP 4266297 A JP4266297 A JP 4266297A JP H10237154 A JPH10237154 A JP H10237154A
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JP
Japan
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polyisocyanate
compound
curing agent
acid
active methylene
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Pending
Application number
JP9042662A
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English (en)
Inventor
Taketoshi Usui
健敏 臼井
Yoshiyuki Asahina
芳幸 朝比奈
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温硬化性、貯蔵安定性共に優れ、自動車の
上中塗り塗料、耐チッピング塗料、電着塗料、自動車部
品用塗料等として有用な一液性熱硬化組成物、および、
それに用いる硬化剤組成物の提供。 【解決手段】 活性メチレン系ブロックポリイソシア
ネート、金属がアルミニウム、チタニウム、ジルコニ
ウムから選択される、金属キレート化合物および/また
は金属アルコラート、モノアルコールおよび/または
ジアルコール、キレート化剤を含む硬化剤組成物、お
よび、該硬化剤組成物と多価ヒドロキシ化合物を含む一
液性熱硬化組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、活性メチレン系ブ
ロックポリイソシアネートを含む新規な硬化剤組成物、
及びそれを用いた一液性熱硬化組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリウレタン樹脂塗料は非常に優
れた耐摩耗性、耐薬品性、耐汚染性を有している上に、
脂肪族、または脂環式ジイソシアネートから誘導された
ポリイソシアネートを用いたポリウレタン樹脂塗料はさ
らに耐候性が優れ、その需要は増加する傾向にある。
【0003】しかしながら、一般にポリウレタン樹脂塗
料は二液性であるため、その使用には極めて不便であっ
た。即ち、通常のポリウレタン樹脂塗料はポリオールと
ポリイソシアネートの二成分からなり、別々に貯蔵し、
塗装時に混合する必要がある。また、一旦混合すると塗
料は短時間でゲル化し使用できなくなるのが現状であ
る。このことは自動車あるいは弱電気塗装のようなライ
ン塗装を行う分野においては、自動塗装を行うことを極
めて困難にしている。また、イソシアネートは水と容易
に反応するため、電着塗料の様な水系塗料での使用は不
可能である。更に作業終了時の塗装機及び塗装槽の洗浄
などを充分に行う必要があるので作業能率は著しく低下
する。
【0004】従来、前記の欠点を改善するために、活性
なイソシアネート基をすべてブロック剤で封鎖したブロ
ックポリイソシアネートを用いることが提案されてい
る。このブロックポリイソシアネートは、常温ではポリ
オールと反応しないが、加熱する事によりブロック剤が
解離し活性なイソシアネート基が再生されてポリオール
と反応し架橋反応が起るので、前記の欠点を改善するこ
とが出来る。従って数多くのブロック剤の検討がなさ
れ、例えば、フェノール、メチルエチルケトオキシム、
などが代表的なブロック剤とされている。
【0005】しかしながら、これらのブロック剤を用い
たブロックポリイソシアネートにおいては、一般に14
0℃以上の高い焼付け温度が必要である。この様に高温
での焼付けを必要とする事は、エネルギー的に不利であ
るばかりでなく、基材の耐熱性を必要とし、その用途が
限定される要因となる。また、特開平3−17116号
公報には、ピリジン系化合物をブロック剤とするブロッ
クポリイソシアネートが低温焼付け型のブロックポリイ
ソシアネートとして記載されている。しかしこのような
低温焼付け型のブロックポリイソシアネートを用いた一
液塗料は、低温焼付け可能である一方、貯蔵安定性が劣
りその使用には大きな制約となっている。
【0006】一方、低温焼付け型のブロックポリイソシ
アネートとして、アセト酢酸エステル、マロン酸ジエス
テル等の活性メチレン系化合物を用いたブロックポリイ
ソシアネートの研究がなされ、例えば、特開昭52−0
59139号公報、特開昭52−116417号公報、
特開昭60−149572号公報、USP4,007,
024号、DE2,342,603号、USP4,43
9,593号、USP4,518,522号、USP
4,677,180号明細書等に開示されている。しか
し、これらの活性メチレン系ブロックポリイソシアネー
トを硬化剤とする熱硬化性組成物の低温硬化性は未だ不
十分である。
【0007】一方、特開平1−156379号公報、特
開平1−156380号公報には、マロン酸ジエステル
をブロック剤とする活性メチレン系ブロックポリイソシ
アネートとアルミニウムアルコラート等を含むコーティ
ング組成物が開示されている。しかし、これらコーティ
ング組成物の貯蔵安定性は未だ不十分であり、低温硬化
性、貯蔵安定性が共に優れる一液性熱硬化組成物の出現
が要望されていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低温硬化性
に優れ、かつ貯蔵安定性を兼ね備えた一液性熱硬化組成
物、及びそれに用いる硬化剤組成物の提供を目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定のブロックポ
リイソシアネート、特定の金属キレート化合物および/
または金属アルコラート、特定のアルコール、キレート
化剤を含む硬化剤組成物を用いることにより、上記課題
が解決できることを見いだし、本発明に至った。
【0010】即ち、本発明は下記のとおりである。 (1)(a)ポリイソシアネートと活性メチレン系化合
物との反応により得られる活性メチレン系ブロックポリ
イソシアネート、(b)金属がアルミニウム、チタニウ
ム、ジルコニウムから選択される、金属キレート化合
物、および/または金属アルコラート、(c)モノアル
コールおよび/またはジアルコール、(d)キレート化
剤を含むことを特徴とする硬化剤組成物。 (2)ポリイソシアネートが脂肪族及び/又は脂環式ジ
イソシアネートより誘導されたポリイソシアネートであ
る上記1記載の硬化剤組成物。 (3)ポリイソシアネートの1分子あたりのイソシアネ
ート平均官能基数が2から15である上記1又は2記載
の硬化剤組成物。 (4)活性メチレン系化合物が20〜100当量%のマ
ロン酸ジエステルと80〜0当量%のアセト酢酸エステ
ルである上記1、2または3記載の硬化剤組成物。 (5)ブロックポリイソシアネートのpH値が1〜8.
5である上記1、2、3又は4記載の硬化剤組成物。 (6)上記1〜5のいずれかに記載の硬化剤組成物と、
(e)多価ヒドロキシ化合物を含むことを特徴とする一
液性熱硬化組成物。
【0011】以下、本発明につき詳しく述べる。本発明
に用いられる(a)ポリイソシアネートと活性メチレン
系化合物との反応により得られる活性メチレン系ブロッ
クポリイソシアネートについて、以下説明する。上記ポ
リイソシアネートは、脂肪族、脂環式、及び/または芳
香族ジイソシアネートより誘導される。脂肪族ジイソシ
アネートとしては炭素数4〜30のものが、脂環式及び
/または芳香族ジイソシアネートとしては炭素数8〜3
0のものが好ましく、例えば、テトラメチレンジイソシ
アネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネート(以下、HDIと称す)、2,
2,4(または、2,4,4)−トリメチル−1,6−
ジイソシアナトヘキサン、リジンジイソシアネート、イ
ソホロンジイソシアネート(以下、IPDIと称す)、
1,3−ビス(イソシアナトメチル)−シクロヘキサ
ン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネー
ト、テトラメチルキシレンジイソシアネート、トリレン
ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソ
シアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ト
リジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート
等が挙げられる。またこれらは単独で使用しても併用し
ても良い。脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシア
ネートが好ましく、中でも耐候性、工業的入手の容易さ
からHDI、IPDIが好ましく、HDIが最も好まし
い。
【0012】ジイソシアネートより誘導されるポリイソ
シアネートの1分子あたりのイソシアネート平均官能基
数は2〜15が好ましい。更に好ましくは3.5〜1
2、一層好ましくは4.5〜12である。1分子あたり
のイソシアネート平均官能基数が2を下回ると架橋性が
十分とはいえず、充分な耐溶剤性、耐候性等が必ずしも
得られない。一方、15を上回ると、塗膜の平滑性を得
るために多量のレベリング剤等の添加が必要である。
【0013】ポリイソシアネートの1分子あたりのイソ
シアネート平均官能基数は、ポリイソシアネート1分子
に結合したイソシアネート基の数の平均値であり、数平
均分子量とイソシアネート濃度の積をイソシアネートの
式量(42)で除した値である。ここで、イソシアネー
ト濃度とはイソシアネート基(NCO)のポリイソシア
ネートに対する重量比である。
【0014】ジイソシアネートより誘導されるポリイソ
シアネートとしては、例えば、イソシアヌレート型ポリ
イソシアネート、ビュレット型ポリイソシアネート、ウ
レタン型ポリイソシアネート、アロハネート型ポリイソ
シアネート、及び、イソシアヌレート型ポリイソシアネ
ートを合成する際、例えば特開昭57−47321号公
報、特開昭61−111371号公報や特開平6−31
2969号公報等の様にイソシアヌレート化反応前、及
び/または反応中にヒドロキシル化合物を用いて変性す
なわちウレタン化する事で得られるウレタン変性イソシ
アヌレート型ポリイソシアネート等がある。好ましく
は、耐候性、耐熱性に優れたイソシアヌレート型ポリイ
ソシアネート、ウレタン変性イソシアヌレート型ポリイ
ソシアネートである。中でも、ウレタン変性イソシアヌ
レート型ポリイソシアネートが、1分子あたりのイソシ
アネート平均官能基数を4.5〜12にするためには有
利である。
【0015】イソシアヌレート型ポリイソシアネート、
あるいはウレタン変性イソシアヌレート型ポリイソシア
ネートを製造するための、イソシアヌレート化反応は、
通常、触媒が用いられる。ここで用いられる触媒は、一
般に塩基性を有するものが好ましく、例えば、テトラメ
チルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラ
ブチルアンモニウム等の、炭素数4〜32好ましくは4
〜24のテトラアルキルアンモニウムのハイドロオキサ
イドや、その酢酸塩、オクチル酸塩、ミリスチン酸塩、
安息香酸塩等の、炭素数2〜30好ましくは2〜20の
有機カルボン酸の塩、トリメチルヒドロキシエチルアン
モニウム、トリメチルヒドロキシプロピルアンモニウ
ム、トリエチルヒドロキシエチルアンモニウム、トリエ
チルヒドロキシプロピルアンモニウム等の、炭素数4〜
32好ましくは4〜24のヒドロキシアルキルアンモニ
ウムのハイドロオキサイドや、その酢酸塩、オクチル酸
塩、ミリスチン酸塩、安息香酸塩等の、炭素数2〜30
好ましくは2〜20の有機カルボン酸の塩、酢酸、カプ
ロン酸、オクチル酸、ミリスチン酸等の、炭素数2〜3
0好ましくは2〜20のアルキルカルボン酸のアルカリ
金属塩、及び上記アルキルカルボン酸の錫、亜鉛、鉛の
塩、ヘキサメチレンジシラザン等のアミノシリル基含有
化合物等が挙げられる。触媒濃度は、通常、ジイソシア
ネートに対して10ppm〜1.0重量%の範囲から選
択される。反応は溶剤の有無に関わらず行うことが出来
る。溶剤を用いる場合、イソシアネート基に対して不活
性な溶剤を用いる必要がある。反応温度は、通常20〜
160℃、好ましくは40〜130℃である。
【0016】反応が目的の収率に達したならば、例え
ば、スルホン酸、燐酸、燐酸エステル等により触媒を失
活させ、反応を停止する。反応は、一般に収率が15〜
65%、好ましくは20〜55%になるまで行われる。
反応時間は、一般に1〜10時間、好ましくは2〜6時
間である。未反応のジイソシアネートと溶剤を除去し、
ポリイソシアネートを得る。
【0017】本発明に使用される活性メチレン系化合物
は、メチレンに2つのカルボニル炭素が結合した構造単
位を有する化合物であり、例えば、マロン酸ジエステ
ル、アセト酢酸エステル等がある。これらを併用するこ
ともできる。活性メチレン系化合物は、20〜100当
量%(より好ましくは30〜90当量%、更に好ましく
は40〜85当量%)のマロン酸ジエステルと、80〜
0当量%(より好ましくは70〜10当量%、更に好ま
しくは60〜15当量%)のアセト酢酸エステルである
のが好ましい。
【0018】マロン酸ジエステルは、炭素数が5〜23
好ましくは5〜15であり、例えば、マロン酸ジメチ
ル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジイソプロピル、マロ
ン酸ジn−プロピル、マロン酸ジn−ブチル、マロン酸
ジ2−エチルヘキシル、マロン酸エチルn−ブチル、マ
ロン酸メチルn−ブチル、マロン酸エチルt−ブチル、
マロン酸メチルt−ブチル、メチルマロン酸ジエチル、
マロン酸ジベンジル、マロン酸ジフェニル、マロン酸ベ
ンジルメチル、マロン酸エチルフェニル、マロン酸t−
ブチルフェニル、イソプロピリデンマロネート等が例示
される。これらを併用することもできる。
【0019】アセト酢酸エステルは、炭素数が5〜20
好ましくは5〜12であり、例えば、アセト酢酸メチ
ル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸イソプロピル、アセ
ト酢酸n−プロピル、アセト酢酸t−ブチル、アセト酢
酸n−ブチル、アセト酢酸ベンジル、アセト酢酸フェニ
ル等があり、これらを併用することもできる。本発明で
は、活性メチレン系化合物とポリイソシアネートのイソ
シアネート基の当量比が0.9:1〜1.5:1、より
好ましくは1:1〜1.2:1となる量の活性メチレン
系化合物を使用するのが好ましい。
【0020】ポリイソシアネートのイソシアネート基の
一部を活性メチレン系化合物と反応させる替わりに、例
えば、アルコール類、フェノール類、酸アミド類、イミ
ダゾール類、ピリジン類、メルカプタン類、オキシム
類、アミン類等の化合物と反応させても構わない。これ
らの化合物の使用量はポリイソシアネートのイソシアネ
ート基に対して30当量%以下が好ましい。
【0021】本発明において、ポリイソシアネートと活
性メチレン系化合物との反応は、通常、触媒として塩基
性化合物が用いられる。塩基性化合物としては、例え
ば、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、ナ
トリウムフェノラート、カリウムメチラート等の炭素数
1〜20好ましくは1〜12の金属アルコラート、テト
ラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テ
トラブチルアンモニウム等の炭素数4〜32好ましくは
4〜24のテトラアルキルアンモニウムのハイドロオキ
サイドや、その酢酸塩、オクチル酸塩、ミリスチン酸
塩、安息香酸塩等の、炭素数2〜30好ましくは2〜2
0の有機カルボン酸塩、酢酸、カプロン酸、オクチル
酸、ミリスチン酸等の炭素数2〜30好ましくは2〜2
0のアルキルカルボン酸のアルカリ金属塩、及び上記ア
ルキルカルボン酸の錫、亜鉛、鉛の塩、ヘキサメチレン
ジシラザン等のアミノシリル基含有化合物、リチウム、
ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属の水酸化物等が
挙げられる。
【0022】触媒の使用量はポリイソシアネートに対し
て0.01〜5重量%の範囲である。好ましくは0.0
5〜3重量%、特に好ましくは0.1〜2重量%であ
る。ポリイソシアネートと活性メチレン系化合物との反
応は、溶剤の存在の有無に関わらず行うことが出来る。
ポリイソシアネートと活性メチレン系化合物との反応
は、一般に−20〜150℃で行うことが出来るが、好
ましくは0〜100℃である。反応は一般に、ポリイソ
シアネートのイソシアネート基が反応前の10当量%以
下、好ましくは5当量%以下になるまで行われる。反応
時間は、好ましくは0.5〜10時間、より好ましくは
1〜6時間である。
【0023】本発明では、活性メチレン系化合物とポリ
イソシアネートの反応後に、酸性化合物により、触媒と
して用いた塩基性化合物を中和することができ、この形
態がより好ましい。酸性化合物としては、例えば、塩
酸、亜燐酸、燐酸等の無機酸、メタンスルホン酸、p−
トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸メチルエ
ステル、p−トルエンスルホン酸エチルエステル等のス
ルホン酸またはその誘導体、燐酸エチル、燐酸ジエチ
ル、燐酸イソプロピル、燐酸ジイソプロピル、燐酸ブチ
ル、燐酸ジブチル、燐酸2エチルヘキシル、燐酸ジ(2
エチルヘキシル)、燐酸イソデシル、燐酸ジイソデシ
ル、オレイルアシッドホスフェート、テトラコシルアシ
ッドホスフェート、エチレングリコールアシッドホスフ
ェート、ピロリン酸ブチル、亜燐酸ジブチル等の、炭素
数1〜50好ましくは1〜30の燐酸または亜燐酸の酸
性エステル等が挙げられる。これら酸性化合物は2種以
上を併用しても構わない。
【0024】酸性化合物の使用量は、得れたブロックポ
リイソシアネートのpH値が1以上8.5以下となる量
が好ましい。より好ましくは1.5〜7.5、更に好ま
しくは2〜6.5である。ここでpH値は、活性メチレ
ン系ブロックポリイソシアネートの樹脂濃度が30重量
%となるようにメタノールで希釈したのち、pH測定用
電極を使用して20℃で測定した値である。pH値が
8.5を越えるブロックポリイソシアネートは、それを
用いた一液性熱硬化組成物の硬化性を低下させないため
に、低温での貯蔵が必要である。一方、pH値が1未満
では、基材を腐食する等の影響がある。
【0025】本発明に用いられる(b)金属キレート化
合物および/または金属アルコラートについて説明す
る。上記金属キレート化合物は、アルミニウム、チタニ
ウム、ジルコニウムより選択される金属と、該金属とキ
レート環を形成するキレート化剤で構成される。キレー
ト化剤としては、例えば、β−ジカルボニル化合物類
(例えば、アセチルアセトン、2,4−ヘキサンジオ
ン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸
tブチル、マロン酸ジエチル等)や、β位に水酸基およ
び/またはアミノ基を有するカルボニル化合物類(例え
ば、ダイアセトンアルコール、ダイアセトンアミン、サ
リチルアルデヒド、サリチル酸メチル、N−メチルサリ
チルアミド等)等がある。
【0026】金属キレート化合物の好ましい例として
は、例えば、エチルアセトアセテートアルミニウムジイ
ソプロピレート、ビス(エチルアセトアセテート)アル
ミニウムモノイソプロピレート、アルミニウムトリス
(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(t
ブチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセ
チルアセトネート)、アルミニウムトリス(プロピオニ
ルアセトネート)、アルミニウムモノアセチルアセトネ
ートビス(エチルアセトアセテート)等の炭素数7〜3
3、より好ましくは炭素数9〜27のアルミニウムキレ
ート化合物類、ジイソプロポキシチタニウムビス(アセ
チルアセトネート)、ジイソプロポキシチタニウムビス
(エチルアセトアセテート)、チタニウムテトラキス
(エチルアセトアセテート)、チタニウムテトラキス
(アセチルアセトネート)、チタニウムビス(アセチル
アセトネート)ビス(エチルアセトアセテート)、ジn
−ブトキシビス(トリエタノールアミナト)チタネート
等の炭素数8〜72、より好ましくは炭素数10〜48
のチタンネートキレート化合物類、トリn−ブトキシジ
ルコニウムアセチルアセトネート、ジイソプロポキシジ
ルコニウムビス(アセチルアセトネート)、ジルコニウ
ムテトラキス(エチルアセトアセテート)、ジルコニウ
ムテトラキス(アセチルアセトネート)、ジルコニウム
ビス(アセチルアセトネート)ビス(エチルアセトアセ
テート)等の炭素数8〜72、好ましくは炭素数10〜
48のジルコニウムキレート化合物類等が挙げられる。
【0027】上記金属アルコラートは、アルミニウム、
チタニウム、ジルコニウムより選択される金属と炭素数
1〜20、好ましくは1〜10のモノアルコールまたは
ジアルコールからなる金属アルコラートであり、好まし
い例としては、アルミニウムアルコラート類としては、
例えば、アルミニウムトリエチレート、アルミニウムト
リイソプロピレート、アルミニウムトリsec−ブチレ
ート、アルミニウムトリ2エチルヘキシレート、モノs
ec−ブトキシアルミニウムジイソプロピレート等、チ
タニウムアルコラート類としては、例えば、テトライソ
プロポキシチタニウム、テトラn−ブトキシチタニウ
ム、テトラ2エチルヘキシルオキシチタニウム、テトラ
ステアリルオキシチタニウム等、ジルコニウムアルコラ
ート類としては、例えば、テトライソプロポキシジルコ
ニウム、テトラn−ブトキシジルコニウム、テトラ2エ
チルヘキシルオキシジルコニウム、テトラステアリルオ
キシジルコニウム等が挙げられる。
【0028】好ましくは、アルミニウムキレートおよび
/またはアルミニウムアルコラートであり、より好まし
くはアルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、エ
チルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレー
ト、アルミニウムトリイソプロピレートである。これら
(b)金属キレート化合物および/または金属アルコラ
ートは併用しても良い。
【0029】(b)金属キレート化合物および/または
金属アルコラートは、活性メチレン系ブロックポリイソ
シアネートに対して、1〜30重量%、好ましくは1.
5〜25重量%、より好ましくは2〜20重量%の範囲
で用いられる。使用量が1重量%未満では充分な低温硬
化性が必ずしも得られない。一方、30重量%を越えて
も一層の低温硬化性の向上は見られず、経済的に不利で
ある。
【0030】本発明では、硬化剤組成物及び/または一
液性熱硬化組成物の貯蔵安定性を向上させる目的で、
(c)モノアルコールおよび/またはジアルコール、お
よび、(d)キレート化剤が、硬化剤組成物及び/また
は一液性熱硬化組成物の一成分として用いられる。本発
明に使用される(c)モノアルコールおよび/またはジ
アルコール、および、(d)キレート化剤は、本発明の
一液性熱硬化組成物を例えば塗膜にして熱硬化させる時
に、少なくともその一部は揮発して組成物中から脱離す
るものであり、特に制限されないが、沸点が250℃以
下である事が好ましい。より好ましくは50〜240℃
であり、更に好ましくは50〜220℃である。
【0031】以下、本発明に使用される(c)モノアル
コールおよび/またはジアルコールについて例示する。
モノアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノ
ール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタ
ノール、2−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノー
ル、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、2−
エチル−1−ヘキサノール、n−ブチルセロソルブ、プ
ロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサ
ノール、ベンジルアルコール、ジアルコールとしてはエ
チレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレン
グリコール、プロパンジオール、ブタンジオール等が挙
げられる。
【0032】これら(c)モノアルコールおよび/また
はジアルコールは併用しても良い。 (c)モノアルコールおよび/またはジアルコールの含
有量は、ブロックされたイソシアネート基に対して0.
4〜20倍当量が好ましい。より好ましくは0.6〜1
8倍当量、更に好ましくは1〜15倍当量である。0.
4倍当量を下回ると、貯蔵安定性の向上効果が必ずしも
十分には期待できない。一方、20倍当量を越えると、
揮発成分の割合が多くなる。
【0033】(d)キレート化剤としては、例えば、β
−ジカルボニル化合物類や、β位に水酸基および/また
はアミノ基を有するカルボニル化合物類等がある。上記
β−ジカルボニル化合物類としては、例えば、アセチル
アセトン、2,4−ヘキサンジオン、2,4−ヘプタン
ジオン、3,5−ヘプタンジオン、2,4,6−ヘプタ
ントリオン等の炭素数5〜15、好ましくは5〜10の
β−ジケトン類、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチ
ル、アセト酢酸t−ブチル、3−ケト−n−ヴァレリッ
クアシッドメチルエステル、オキサロ酢酸ジエチル、ア
セトピルビン酸エチル、アセト酢酸等の炭素数4〜1
5、好ましくは4〜10のβ−ケトエステル類、マロン
酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジイソプロピ
ル、マロン酸ジn−ブチル、マロン酸エチルn−ブチ
ル、マロン酸メチルn−ブチル、マロン酸エチルt−ブ
チル、マロン酸メチルt−ブチル、メチルマロン酸ジエ
チル、マロン酸、マロン酸モノエチル等の炭素数3〜2
0、好ましくは4〜15のβ−ジエステル類、N−メチ
ルアセトアセタミド、N−エチルアセトアセタミド、N
−tブチルアセトアセタミド、N,N−ジメチルアセト
アセタミド、N−メチル−3−ケト−n−ヴァレロアミ
ド、アセトアセタミド等の炭素数4〜15、好ましくは
4〜10のβ−ケトアミド類、N−メチルマロン酸メチ
ルモノアミド、N−メチルマロン酸エチルモノアミド、
N−tブチルマロン酸エチルモノアミド、マロン酸モノ
アミド、N−メチルマロン酸モノアミド、マロン酸メチ
ルモノアミド等の炭素数3〜20、好ましくは4〜15
のβ−エステルアミド類、N,N’−ジメチルマロンア
ミド、N,N’−ジエチルマロンアミド、N,N,
N’,N’−テトラメチルマロンアミド、N−エチルマ
ロンアミド、マロンアミド等の炭素数3〜20、好まし
くは4〜15のβ−ジアミド類、アセトアミドマロニッ
クアシッドジエチルエステル、アセチルマロン酸ジエチ
ル、ジアセト酢酸エチル、トリエチルメタントリカルボ
キシレート等の炭素数4〜20、好ましくは6〜15の
トリカルボニル化合物類等が挙げられる。
【0034】上記β位に水酸基および/またはアミノ基
を有するカルボニル化合物類としては、例えば、4−ヒ
ドロキシ−2−ペンタノン、ダイアセトンアルコール、
ダイアセトンアミン、3−ヒドロキシプロピオン酸メチ
ル、3−ヒドロキシ酪酸エチル、3−アミノ酪酸メチ
ル、サリチルサンメチル、サリチルアルデヒド、N−メ
チルサリチルアミド等の炭素数3〜20、好ましくは4
〜15のβ位に水酸基および/またはアミノ基を有する
カルボニル化合物類が挙げられる。
【0035】(d)キレート化剤として、最も好ましい
のはβ−ジケトン類であり、中でもアセチルアセトンが
最適である。これら(d)キレート化剤は併用しても良
い。(d)キレート化剤の含有量は、ブロックされたイ
ソシアネート基に対して0.01〜10倍当量が好まし
い。より好ましくは0.02〜5倍当量、更に好ましく
は0.04〜2倍当量である。0.01倍当量を下回る
と、貯蔵安定性の向上効果が必ずしも十分には期待でき
ない。一方、10倍当量を越えると、揮発成分の割合が
多くなる。
【0036】本発明の一液性熱硬化組成物は、前記の硬
化剤組成物と(e)多価ヒドロキシ化合物を含有する。
多価ヒドロキシ化合物は一分子中に少なくとも2個の水
酸基を有する化合物であり、活性メチレン系ブロックポ
リイソシアネートと熱硬化反応する。本発明で使用され
る多価ヒドロキシ化合物は、例えば、脂肪族炭化水素ポ
リオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリエステル
ポリオール類、エポキシ樹脂類、含フッ素ポリオール類
及びアクリルポリオール類等が挙げられる。
【0037】脂肪族炭化水素ポリオール類の具体例とし
ては、例えば、末端水酸基化ポリブタジエンやその水素
添加物等が挙げられる。またポリエーテルポリオール類
としては、例えばグリセリンやプロピレングリコール等
の多価アルコールの単独または混合物に、エチレンオキ
サイド、プロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサ
イドの単独または混合物を付加して得られるポリエーテ
ルポリオール類、ポリテトラメチレングリコール類、更
にアルキレンオキサイドにエチレンジアミン、エタノー
ルアミン類などの多官能化合物を反応させて得られるポ
リエーテルポリオール類及び、これらポリエーテル類を
媒体としてアクリルアミド等を重合して得られる、いわ
ゆるポリマーポリオール類等が含まれる。
【0038】ポリエステルポリオール類としては、例え
ば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、
無水マレイン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフ
タル酸等のカルボン酸等の二塩基酸類の単独または混合
物と、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、トリメチロールプロパン、グリセリン等の多価アル
コール類の単独または混合物との縮合反応によって得ら
れるポリエステルポリオール樹脂類、及び、例えば、ε
−カプロラクトンを多価アルコールを用いて開環重合し
て得られるようなポリカプロラクトン類等が挙げられ
る。
【0039】エポキシ樹脂類としては、例えば、グリシ
ジルエーテル型エポキシ樹脂(例えば、ビスフェノール
A型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型、フ
ェノールノボラック型、クレゾールノボラック型等)、
環状脂肪族エポキシ樹脂(例えば、脂環式ジエポキシア
セタール、脂環式ジエポキシアジペート等)、グリシジ
ルエステル型エポキシ樹脂(例えば、フタル酸ジグリシ
ジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエス
テル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ジ
グリシジルp−オキシ安息香酸、ダイマー酸グリシジル
エステル等)、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(例え
ば、N,N−ジグリシジルアニリン、テトラグリエシジ
ルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルp−アミ
ノフェノール等)、複素環式エポキシ樹脂(例えば、ジ
グリシジルヒダントイン、グリシジルグリシドオキシア
ルキルヒダントインなどのヒダントイン型エポキシ樹
脂、トリグリシジルイソシアヌレート等)、及び、これ
らエポキシ樹脂をアミノ化合物、ポリアミド化合物等で
変性した樹脂類等が挙げられる。
【0040】含フッ素ポリオール類としては、例えば、
特開昭57−34107号公報、特開昭61−2753
11号公報等で開示されている、フルオロオレフィン、
シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビ
ニルエーテル、モノカルボン酸ビニルエステル等の共重
合体等がある。アクリルポリオール類としては、一分子
中に1個以上の活性水素を持つ重合性モノマー、例え
ば、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−
2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−2−ヒドロキシ
ブチル等の活性水素を持つアクリル酸エステル類、メタ
クリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−
ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−2−ヒドロキシブ
チル等の活性水素を持つメタクリル酸エステル類、また
はグリセリンのアクリル酸モノエステルあるいはメタク
リル酸モノエステル、トリメチロールプロパンのアクリ
ル酸モノエステルあるいはメタクリル酸モノエステル等
の多価活性水素を有する(メタ)アクリル酸エステル類
あるいはこれら(メタ)アクリル酸エステルの活性水素
にε−カプロラクトンを開環重合させる事により得られ
るモノマー等の群から選ばれた単独または混合物と、こ
れに共重合可能な他のモノマー、例えば、アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、ア
クリル酸−n−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシ
ル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メ
タクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタク
リル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタク
リル酸−n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、
メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸グリシジル等のメ
タクリル酸エステル類、アクリル酸、メタクリル酸、マ
レイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸、アクリル
アミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンア
クリルアミド等の不飽和アミド、スチレン、ビニルトル
エン、酢酸ビニル、アクリロニトリル等のその他の重合
性モノマー、及び、特開平1−261409号公報、特
開平3−6273号公報等で例示されている、例えば、
4−(メタ)アクリロイルオキシ−2、2、6、6−テ
トラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミ
ノ−2、2、6、6−テトラメチルピペリジン、1−ク
ロトノイル−4−クロトノイルオキシ−2、2、6、6
−テトラメチルピペリジン、2−ヒドロキシ−4−(3
−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベン
ゾフェノン等の重合性紫外線安定性モノマーの群から選
ばれた単独または混合物とを共重合することにより得ら
れる。
【0041】特に好ましい多価ヒドロキシ化合物として
は、ポリエステルポリオール類、含フッ素ポリオール
類、アクリルポリオール類が挙げられる。本発明に使用
される多価ヒドロキシ化合物の樹脂分水酸基価は10〜
300mgKOH/g、樹脂分酸価は0〜100mgK
OH/g、数平均分子量は300〜60,000が好ま
しい。
【0042】本発明において、活性メチレン系ブロック
ポリイソシアネート中のブロックされたイソシアネート
基と多価ヒドロキシ化合物の水酸基との当量比は、必要
とする塗膜物性により決定されるが、0.1〜2の範囲
から選ばれるのが通常である。メラミン樹脂を併用する
こともできる。メラミン樹脂としては、ヘキサメトキシ
メチロールメラミン、メチル・ブチル化メラミン、ブチ
ル化メラミン、イミノ型メラミン、メチロール型メラミ
ンなどが例示される。
【0043】本発明の一液性熱硬化組成物においては、
以下に示すような当該技術分野で常用される添加剤、顔
料、溶剤等が使用できる。例えば、キナクリドン系、ア
ゾ系、フタロシアニン系等の有機顔料、酸化チタン、硫
酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ等の無機顔料、そ
の他、炭素系顔料、金属箔状顔料、防錆顔料等の顔料、
ヒンダードアミン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフ
ェノン系等の紫外線吸収剤、ヒンダードフェノール系、
リン系、イオウ系、ヒドラジド系等の酸化防止剤、錫
系、亜鉛系、アミン系等の硬化促進剤、レベリング剤、
レオロジーコントロール剤、顔料分散剤等の添加剤等。
また、必要に応じて適当な溶剤、例えば、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン、シクロヘキサン、ミネラルスピリッ
ト、ナフサ等の炭化水素類、アセトン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチ
ル、酢酸−n−ブチル、酢酸セロソルブ等のエステル類
などの群から目的及び用途に応じて適宜選択して使用す
ることが出来る。これらの溶剤は単独で用いてもよく、
2種以上を併用してもよい。
【0044】
【発明の実施の形態】以下に、実施例を挙げて本発明を
更に詳しく説明するが、本発明は実施例に限定されるも
のではない。実施例及び比較例中の「部」は重量基準で
ある。尚、測定法等は以下に従い行った。 (数平均分子量の測定)試料をテトラヒドロフランに溶
解し、ゲルパーミエーションクロマトグラムを用いて下
記の条件で測定し、ポリスチレンを用いて作成した検量
線を使用して数平均分子量を算出した。 装置;東ソー株式会社の「HLC−8120GPC」 カラム構成;東ソー株式会社の「TSKgel Sup
erH1000」、「TSKgel SuperH20
00」、「TSKgel SuperH3000」各1
本。 キャリア;テトラヒドロフラン 検出方法;示差屈折計 (粘度測定)B型粘度計(東京計器株式会社のDVM−
B型)を用い25℃、60rpmで行った。 (イソシアネート濃度%の測定)試料をジ−nブチルア
ミンと反応後、余剰のジ−nブチルアミンを1規定の塩
酸で滴定し、イソシアネート濃度%を算出した。 (ブロックポリイソシアネートのpH値)メタノール
で、樹脂濃度が30%となるようにブロックポリイソシ
アネートを希釈したのち、東亜電波工業(株)のデジタ
ルpHメータHM−30Vを使用して20℃で測定した
値である。 (硬化性)ポリプロピレン板に塗装された塗膜を、70
℃あるいは80℃に保持されているオーブン中で30分
間焼き付けた後、硬化塗膜をポリプロピレン板から剥離
し、アセトンに24時間浸漬した。アセトン浸漬後の塗
膜の重量残存率(%)より以下のように評価した。重量
残存率が85%以上をA、80〜85%をB、65%〜
80%をC、50%〜65%をD、50%未満はEとし
た。 (加熱黄変性)白タイルに塗装された塗膜を140℃に
保持されているオーブン中で30分間焼き付け、デジタ
ル自動測色色差計(スガ試験機(株)製)でb値を測定
した。このb値と焼付け前塗膜のb値との差(Δb)を
算出し、Δbが2未満は○、2以上は×とした。 (一液性熱硬化組成物の貯蔵安定性)フォードカップ#
4で20秒/20℃に粘度調節した一液性熱硬化組成物
を40℃で1ヶ月貯蔵した時の粘度変化が20秒未満の
ものを◎、20秒以上60秒未満のものを○、60秒以
上のものを×とし、貯蔵途中にゲル化したものは××と
した。
【0045】
【製造例1】(ポリイソシアネートの製造) 撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管を取り付
けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDIを10
0部、トリメチロールプロパン3.3部を仕込み、撹拌
下反応器内温度を80℃で2時間保持した。その後反応
器内温度を80℃に保持したまま、0.03部のテトラ
ブチルアンモニウムアセテートの50%n−ブタノール
溶液を、反応熱による温度上昇が5℃以上にならないよ
うに除々に添加し、イソシアヌレート化反応を行った。
反応液のイソシアネート濃度が36%になった時点で8
5%燐酸水溶液を0.02部添加し反応を停止した。
【0046】反応液をろ過した後、薄膜蒸発缶を用いて
未反応のHDIを除去した。25℃における粘度が25
000mPas、数平均分子量1100、イソシアネー
ト含有量19.5%、1分子あたりのイソシアネート平
均官能基数5.1のウレタン変性イソシアヌレート型ポ
リイソシアネート−Iを得た。
【0047】
【製造例2】(ポリイソシアネートの製造) 撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管を取り付
けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDIを10
0部を仕込み、撹拌下反応器内温度を60℃に保持し、
0.04部のテトラブチルアンモニウムアセテートの5
0%n−ブタノール溶液を、反応熱による温度上昇が5
℃以上にならないように除々に添加し、イソシアヌレー
ト化反応を行った。反応液のイソシアネート濃度が44
%になった時点で85%燐酸水溶液を0.03部添加し
反応を停止した。
【0048】反応液をろ過した後、薄膜蒸発缶を用いて
未反応のHDIを除去し、25℃における粘度が170
0mPas、数平均分子量590、イソシアネート含有
量23.0%、1分子あたりのイソシアネート平均官能
基数3.2のイソシアヌレート型ポリイソシアネート−
IIを得た。
【0049】
【製造例3】(活性メチレン系ブロックポリイソシアネ
ートの製造) 撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管を取り付
けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、ポリイソシア
ネート−Iを100部、マロン酸ジエチル52部、アセ
ト酢酸エチル21部、酢酸ブチル39部を仕込み、ナト
リウムメチラートの28%溶液(溶媒はメタノール)
0.7部を室温で添加し、80℃で4時間反応した。こ
の時の未反応のイソシアネート基は反応前のイソシアネ
ート基の3当量%であった。
【0050】その後、1−ブタノール71部を添加し1
時間その温度で撹拌を続けた。それに燐酸ジブチル0.
8部を添加し、樹脂分60%、ブロックされたイソシア
ネート基の含有量(NCOとして)6.9%、pH値
5.4の活性メチレン系ブロックポリイソシアネートを
得た。
【0051】
【製造例4〜8】(活性メチレン系ブロックポリイソシ
アネートの製造) 表1に示した配合で、製造例3と同様にして活性メチレ
ン系ブロックポリイソシアネートを得た。
【0052】
【製造例9】(活性メチレン系ブロックポリイソシアネ
ートの製造) 撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管を取り付
けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、ポリイソシア
ネート−IIを100部、マロン酸ジエチル61部、ア
セト酢酸エチル25部、酢酸ブチル57部を仕込み、ナ
トリウムメチラートの28%溶液(溶媒はメタノール)
0.8部を室温で添加し、80℃で4時間反応した。こ
の時の未反応のイソシアネート基は反応前のイソシアネ
ート基の3当量%であった。それに燐酸ジブチル0.8
部を添加し、樹脂分75%、ブロックされたイソシアネ
ート基の含有量(NCOとして)9.4%、pH値5.
1の活性メチレン系ブロックポリイソシアネートを得
た。
【0053】製造例3〜9の結果を表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】
【実施例1】製造例3で得た活性メチレン系ブロックポ
リイソシアネート100部に、アルミニウムトリス(ア
セチルアセトネート)4.6部、アセチルアセトン4.
9部を加え、これを60℃で1時間混合し透明な硬化剤
組成物を得た。この硬化剤組成物中のモノアルコール及
び、キレート化剤の含有量は、ブロックされたイソシア
ネート基に対してそれぞれ2.1当量倍、0.3当量倍
であり、50℃で1ヶ月貯蔵しても、ゲル化、着色等の
異常は発生しなかった。
【0056】
【実施例2】製造例3で得た活性メチレン系ブロックポ
リイソシアネート100部と、アクリルポリオール(大
日本インキ化学工業の商品名アクリデッィクA−80
1、樹脂分水酸基価100mgKOH/g、樹脂分50
%)184部に、アルミニウムトリス(アセチルアセト
ネート)4.6部、メタノール15部、アセチルアセト
ン4.9部の混合液を加えた。これにシンナーとして酢
酸エチル/トルエン/酢酸ブチル/キシレン/プロピレ
ングリコールモノメチルエーテルアセテート(重量比=
30/30/20/15/5)の混合液を加えフォード
カップ#4で20秒/20℃に粘度を調整し、一液性熱
硬化組成物を得た。
【0057】得られた一液性熱硬化組成物の一部をエア
ースプレーガンで乾燥膜厚50ミクロンになるように塗
装し、硬化性、加熱黄変性を評価した。また、一液性熱
硬化組成物の一部で貯蔵安定性の評価を行った。得られ
た結果を表2に示す。
【0058】
【実施例3〜16】表2、あるいは表3で示した配合
で、実施例2と同様にして一液性熱硬化組成物を得、硬
化性、加熱黄変性、貯蔵安定性の評価を行った。得られ
た結果を表2、あるいは表3に示す。
【0059】
【比較例1〜3】表3で示した配合で、実施例2と同様
にして一液性熱硬化組成物を得、硬化性、加熱黄変性、
貯蔵安定性の評価を行った。得られた結果を表3に示
す。表3に示した通り、比較例2では硬化性が低く、比
較例2、3では貯蔵安定性が低かった。
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、加熱黄変性を低下させ
ることなく、低温硬化性及び、貯蔵安定性に優れた一液
性熱硬化組成物が得られる。本発明の一液性熱硬化組成
物は自動車の上中塗り塗料、耐チッピング塗料、電着塗
料、自動車部品用塗料、自動車補修用塗料、家電・事務
機器等の金属製品等のプレコートメタル・防錆鋼板、建
築資材用塗料、プラスチック用塗料、接着剤、接着性付
与剤、シーリング剤、等として優れた性能を発揮する。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ポリイソシアネートと活性メチレ
    ン系化合物との反応により得られる活性メチレン系ブロ
    ックポリイソシアネート、(b)金属がアルミニウム、
    チタニウム、ジルコニウムから選択される、金属キレー
    ト化合物、および/または金属アルコラート、(c)モ
    ノアルコールおよび/またはジアルコール、(d)キレ
    ート化剤を含むことを特徴とする硬化剤組成物。
  2. 【請求項2】 ポリイソシアネートが脂肪族及び/又は
    脂環式ジイソシアネートより誘導されたポリイソシアネ
    ートである請求項1記載の硬化剤組成物。
  3. 【請求項3】 ポリイソシアネートの1分子あたりのイ
    ソシアネート平均官能基数が2から15である請求項1
    又は2記載の硬化剤組成物。
  4. 【請求項4】 活性メチレン系化合物が20〜100当
    量%のマロン酸ジエステルと80〜0当量%のアセト酢
    酸エステルである請求項1、2又は3記載の硬化剤組成
    物。
  5. 【請求項5】 ブロックポリイソシアネートのpH値が
    1〜8.5である請求項1、2、3又は4記載の硬化剤
    組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の硬化剤
    組成物と、(e)多価ヒドロキシ化合物を含むことを特
    徴とする一液性熱硬化組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012097192A (ja) * 2010-11-02 2012-05-24 Mie Univ ウレタン硬化性組成物、その硬化体、キットおよび硬化体の製造方法
JP2016069497A (ja) * 2014-09-29 2016-05-09 東ソー株式会社 ポリイソシアヌレート変性イソシアネート組成物及びその製造方法

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