JPH10237077A - ヘテロアリール置換プロピオニルグアニジン誘導体 - Google Patents

ヘテロアリール置換プロピオニルグアニジン誘導体

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JPH10237077A
JPH10237077A JP4242097A JP4242097A JPH10237077A JP H10237077 A JPH10237077 A JP H10237077A JP 4242097 A JP4242097 A JP 4242097A JP 4242097 A JP4242097 A JP 4242097A JP H10237077 A JPH10237077 A JP H10237077A
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JP
Japan
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group
substituted
mono
acid
alkylamino
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Withdrawn
Application number
JP4242097A
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English (en)
Inventor
Toshio Okazaki
利夫 岡崎
Kazumi Kikuchi
和美 菊池
Hidetaka Kaku
英貴 加来
Masahiro Takanashi
正博 高梨
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Merck Patent GmbH
Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Merck Patent GmbH
Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好なNa+/H+交換体阻害作用を有し、N
+/H+交換体の関与する疾患の予防、治療若しくは診
断剤として有用である化合物を提供する。 【解決手段】 下記一般式(I)で示されるヘテロアリ
ール置換プロピオニルグアニジン誘導体又はその塩。 【化1】 (ただし、式中の記号は以下の意味を有する。 A環:置換基を有していてもよい5乃至6員ヘテロアリ
ール基、 B環:置換基を有していてもよいアリール基、 R1、R2、R3:同一又は異なって、水素原子又はフッ
素原子で置換されていてもよい低級アルキル基。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬、特にNa+
/H+交換体の阻害作用を有するヘテロアリール置換プ
ロピオニルグアニジン誘導体又はその塩に関する。
【0002】
【従来の技術】細胞内で起こる諸反応は、pHによって
影響を受けており、H+濃度勾配はATP合成の原動力
になっている。従って、正確な細胞機能が営まれるため
には細胞内pHが正確に制御されることが必要である。
Na+/H+交換体は細胞内pHの制御を司る機構の一種
であるが、近年、各種生理活性物質による細胞の活性化
に密接に関与していることが明らかとなった。更に、N
+/H+交換体の活性亢進が、ある種の病態の発症や維
持あるいは悪化に係わっていることがわかり注目されて
いる。例えば、虚血再潅流心筋障害及び再潅流不整脈
(Scholtz W. et alBr. J. Pharmacol. 109, 562(199
3))、高血圧(Rosskof D. et al Hypertens.21, 607(1
993))、心肥大(de la Sierra A. et al Circulation
88, 1628(1993))、血管平滑筋増殖(Kranzhofer R. et
al Circ. Res. 73, 246(1993))、糖尿病合併症(Cane
ssa M. et al Hypertens. 11, 823(1993))、エンドセ
リンによる気管支収縮(Battistini B. et al Biochem.
Biophys. Res. Commun., 175,583(1991))、グルタミ
ン酸誘発神経細胞死(Manev H. et al Neuropharmacol.
29, 1103(1990))、骨吸収(Hall T. J. et al Bioche
m, Biophs. Res. Commun. 188, 1097(1992))等、様々
な病態、生理活性との関連が報告されている。
【0003】一方、Na+/H+交換体阻害薬としては、
+保持性利尿薬の一種であるアミロライドが古くから
知られており、アミロライドが抗不整脈作用を有するこ
とも報告されている(Mol. Pharmacol. 25, 131-136(19
84))。しかし、作用の特異性の点で問題があり、抗不
整脈効果を示す一方、降圧及び塩分排泄性作用をも有
し、これらが不整脈治療の好ましくない副作用となって
いる。
【0004】更に、アミロライド誘導体がNa+/H+
換体阻害活性及び抗不整脈作用を示すことについて報告
されている(例えば、J. Membrane Biol. 105, 1-21(19
88))。また最近になって、ベンゾイルグアニジン誘導
体(例えば、特開平3−106858号公報及びEP7
23956号公報)、フェニル置換アクリロイルグアニ
ジン誘導体(特開平8−27093号公報及びEP75
5919号公報)及びフェニルアルキルカルボニルグア
ニジン誘導体(特開平7−224022号公報)等の化
合物がNa+/H+交換体阻害活性及び抗不整脈作用を有
することが報告されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現在ま
で、臨床的に良好なNa+/H+交換体阻害作用を有し、
かつ、副作用の心配が無く、Na+/H+交換体の関与す
る疾患の予防、治療若しくは診断剤として有用であるこ
とが確認されている化合物については報告されておら
ず、更に優れた活性を有する安全性の高い薬剤の創製が
切望されている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、Na+
+交換体阻害作用を有する化合物につき、鋭意検討し
た結果、従来のNa+/H+交換体阻害剤とは基本構造の
全く異なる2位がヘテロアリール基で置換されたプロピ
オニルグアニジン誘導体が良好なNa+/H+交換体阻害
作用を有し、Na+/H+交換体の関与する疾患の予防、
治療若しくは診断剤として有用であることを見出し、本
発明を完成したものである。
【0007】即ち、本発明は、下記一般式(I)で示さ
れるヘテロアリール置換プロピオニルグアニジン誘導体
又はその塩に関する。
【0008】
【化2】
【0009】(ただし、式中の記号は以下の意味を有す
る。 A環:下記のA群から選択される置換基を有していても
よい5乃至6員ヘテロアリール基、 A群:ハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキ
ル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、低級アル
コキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ
基、モノ−若しくはジ−低級アルキルアミノ基、低級ア
ルカノイルアミノ基、低級アルカノイルオキシ基、水酸
基、メルカプト基、低級アルキルチオ基、低級アルキル
スルフィニル基、低級アルキルスルホニル基、アミノス
ルホニル基、モノ−若しくはジ−低級アルキルアミノス
ルホニル基、低級アルキルスルホニルアミノ基、低級ア
ルキルスルホニルモノ低級アルキルアミノ基、 B環:下記のB群から選択される置換基を有していても
よいアリール基、 B群:ハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキ
ル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、シクロア
ルキル基、低級アルコキシ基、低級アルコキシ低級アル
キル基、低級アルコキシカルボニル低級アルキル基、カ
ルボキシル低級アルキル基、アミノ低級アルキル基、モ
ノ−若しくはジ−低級アルキルアミノ低級アルキル基、
含窒素飽和ヘテロ環置換低級アルキル基、低級アルコキ
シ低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル低級ア
ルコキシ基、カルボキシル低級アルコキシ基、アミノ低
級アルコキシ基、モノ−若しくはジ−低級アルキルアミ
ノ低級アルコキシ基、含窒素飽和ヘテロ環置換低級アル
コキシ基、低級アルコキシカルボニル基、カルボキシル
基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、モ
ノ−若しくはジ−低級アルキルアミノ基、低級アルカノ
イル基、低級アルカノイルアミノ基、低級アルカノイル
低級アルキルアミノ基、低級アルカノイルオキシ基、水
酸基、メルカプト基、低級アルキルチオ基、アミノ低級
アルキルチオ基、モノ−若しくはジ−低級アルキルアミ
ノ低級アルキルチオ基、含窒素飽和ヘテロ環置換低級ア
ルキルチオ基、低級アルキルスルフィニル基、低級アル
キルスルホニル基、アミノスルホニル基、モノ−若しく
はジ−低級アルキルアミノスルホニル基、低級アルキル
スルホニルアミノ基、低級アルキルスルホニルモノ低級
アルキルアミノ基、カルバモイル基、モノ−若しくはジ
−低級アルキルアミノカルボニル基、メチレンジオキシ
基、エチレンジオキシ基、プロピレンジオキシ基、アリ
ール基、アラルキル基、アリールオキシ基及びアラルキ
ルオキシ基、 R1、R2、R3:同一又は異なって、水素原子又はフッ
素原子で置換されていてもよい低級アルキル基。)
【0010】又、本発明によれば、上記ヘテロアリール
置換プロピオニルグアニジン誘導体又はその塩を有効成
分とする医薬が提供される。
【0011】更に、本発明によれば、上記ヘテロアリー
ル置換プロピオニルグアニジン誘導体又はその塩を有効
成分とするNa+/H+交換体阻害剤が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明化合物(I)につき
詳細に説明する。本明細書の一般式の定義において、
「低級」なる用語は、特に断らない限り、炭素数1〜6
個の直鎖状又は分枝状の炭化水素鎖を意味する。
【0013】従って、本明細書の一般式において、
1、R2、R3の「フッ素原子で置換されていてもよい
低級アルキル基」の「低級アルキル基」としては、具体
的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イ
ソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチ
ル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル
基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチ
ルブチル基、2−メチルブチル基、1、2−ジメチルプ
ロピル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペ
ンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル
基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチ
ル基、2,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブ
チル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチル
ブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、
1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリ
メチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル
基、1−エチル−2−メチルプロピル基等が挙げられる
が、炭素数1乃至3個のアルキル基が好ましく、メチル
基又はエチル基が更に好ましい。
【0014】従って、R1、R2、R3の「フッ素原子で
置換されてもよい低級アルキル基」には、トリフルオロ
メチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基等を包含
する。
【0015】本明細書の一般式のA環において、「5乃
至6員ヘテロアリール基」とは、窒素原子、硫黄原子及
び酸素原子から選択されるヘテロ原子を1乃至4個含有
する5乃至6員単環ヘテロアリール基であり、具体的に
は、フリル基、チエニル基、ピロリル基、イミダゾリル
基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、
オキサゾリル基、イソキサゾリル基、トリアゾリル基、
オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、テトラゾリル
基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピ
ラジニル基等が挙げられるが、チエニル基又はピリジル
基が好ましく、ピリジル基が更に好ましい。
【0016】上記の「5乃至6員ヘテロアリール基」
は、任意の1以上の置換基、好ましくは1乃至4個の置
換基で置換されていてもよい。これらの置換基として
は、ヘテロアリール基の置換基として通常用いられる置
換基であればいずれでもよいが、ハロゲン原子で置換さ
れていてもよい低級アルキル基、低級アルケニル基、低
級アルキニル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、ニ
トロ基、シアノ基、アミノ基、モノ−若しくはジ−低級
アルキルアミノ基、低級アルカノイルアミノ基、低級ア
ルカノイルオキシ基、水酸基、メルカプト基、低級アル
キルチオ基、低級アルキルスルフィニル基、低級アルキ
ルスルホニル基、アミノスルホニル基、モノ−若しくは
ジ−低級アルキルアミノスルホニル基、低級アルキルス
ルホニルアミノ基、低級アルキルスルホニルモノ低級ア
ルキルアミノ基が好ましく、ハロゲン原子で置換されて
いてもよい低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲ
ン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、モノ−若しく
はジ−低級アルキルアミノ基、低級アルカノイル基、低
級アルカノイルアミノ基が更に好ましく、低級アルキル
基が特に好ましい。
【0017】なお、上記置換基において、アミノ基、又
はモノ−低級アルキルアミノ基のアミノ基は保護されて
いてもよい。アミノ基及びモノ−低級アルキルアミノ基
の保護基としては、例えば、グリーン(Greene)
及びウッツ(Wuts)著、「Protective
Groups in Organic Synthes
is」第2版に記載の保護基等、当業者が用いる保護基
であればいずれでもよいが、ホルミル基、トリフルオロ
アセチル基、t−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキ
シカルボニル基、トリフェニルメチル基、ベンジル基、
フタルイミド基を用いることが好ましい。
【0018】本明細書の一般式のB環において、「置換
基を有していてもよいアリール基」の「アリール基」と
は、芳香族炭化水素環基を意味し、炭素数6乃至14個
のアリール基、具体的には、フェニル基、ナフチル基、
インデニル基、アントリル基、フェナントリル基等が挙
げられるが、フェニル基、ナフチル基が好ましい。これ
らの基は任意の1以上の置換基、好ましくは1乃至5個
の置換基で置換されていてもよい。
【0019】前記「置換基」としては、アリール基の置
換基として通常用いられる置換基であればいずれでもよ
く、例えば、ハロゲン原子で置換されていてもよい低級
アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、シ
クロアルキル基、低級アルコキシ基、低級アルコキシ低
級アルキル基、低級アルコキシカルボニル低級アルキル
基、カルボキシル低級アルキル基、アミノ低級アルキル
基、モノ−若しくはジ−低級アルキルアミノ低級アルキ
ル基、含窒素飽和ヘテロ環置換低級アルキル基、低級ア
ルコキシ低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル
低級アルコキシ基、カルボキシル低級アルコキシ基、ア
ミノ低級アルコキシ基、モノ−若しくはジ−低級アルキ
ルアミノ低級アルコキシ基、含窒素飽和ヘテロ環置換低
級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、カルボ
キシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ
基、モノ−若しくはジ−低級アルキルアミノ基、低級ア
ルカノイル基、低級アルカノイルアミノ基、低級アルカ
ノイル低級アルキルアミノ基、低級アルカノイルオキシ
基、水酸基、メルカプト基、低級アルキルチオ基、アミ
ノ低級アルキルチオ基、モノ−若しくはジ−低級アルキ
ルアミノ低級アルキルチオ基、含窒素飽和ヘテロ環置換
低級アルキルチオ基、低級アルキルスルフィニル基、低
級アルキルスルホニル基、アミノスルホニル基、モノ−
若しくはジ−低級アルキルアミノスルホニル基、低級ア
ルキルスルホニルアミノ基、低級アルキルスルホニルモ
ノ低級アルキルアミノ基、カルバモイル基、モノ−若し
くはジ−低級アルキルアミノカルボニル基、メチレンジ
オキシ基、エチレンジオキシ基、プロピレンジオキシ
基、アリール基、アラルキル基、アリールオキシ基及び
アラルキルオキシ基等が挙げられるが、ハロゲン原子で
置換されていてもよい低級アルキル基、低級アルコキシ
基、アミノ低級アルコキシ基、モノ−若しくはジ−低級
アルキルアミノ低級アルコキシ基、含窒素飽和ヘテロ環
置換低級アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シア
ノ基、低級アルキルスルホニル基、アミノスルホニル基
が好ましく、ハロゲン原子で置換されていてもよい低級
アルキル基、低級アルコキシ基、モノ−若しくはジ−低
級アルキルアミノ低級アルコキシ基、含窒素飽和ヘテロ
環置換低級アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シ
アノ基、低級アルキルスルホニル基が更に好ましく、ハ
ロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル基、低
級アルコキシ基、モノ−若しくはジ−低級アルキルアミ
ノ低級アルコキシ基、含窒素飽和ヘテロ環置換低級アル
コキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基が特に好
ましい。
【0020】なお、上記置換基において、アミノ基、モ
ノ−低級アルキルアミノ基、アミノ低級アルキル基、モ
ノ−低級アルキルアミノ低級アルキル基、アミノ低級ア
ルコキシ基、モノ−低級アルキルアミノ低級アルコキシ
基、アミノ低級アルキルチオ基、又はモノ−低級アルキ
ルアミノ低級アルキルチオ基のアミノ基は保護されてい
てもよく、保護基としては、前述したA環のアミノ基等
と同様の保護基を用いることができる。
【0021】以下、A環及びB環に用いられる置換基に
ついて、更に詳細に説明する。「ハロゲン原子」として
は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙
げられる。従って、「ハロゲン原子で置換されてもよい
低級アルキル基」には、トリフルオロメチル基、クロロ
メチル基、ジクロロメチル基、クロロフルオロメチル
基、クロロフルオロブロモメチル基、ブロモメチル基、
ヨードメチル基、1−フルオロ−2−ブロモエチル基、
1,2−ジクロロエチル基等を包含するが、トリフルオ
ロメチル基が好ましい。
【0022】「低級アルケニル基」とは、炭素数が2〜
6個の直鎖又は分枝状のアルケニル基であり、具体的に
は、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、イソプロ
ペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテ
ニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチルア
リル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−メチルア
リル基、1,1−ジメチルビニル基、1−ペンテニル
基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテ
ニル基、3−メチル−1−ブテニル基、3−メチル−2
−ブテニル基、3−メチル−3−ブテニル基、2−メチ
ル−1−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、2
−メチル−3−ブテニル基、1−メチル−1−ブテニル
基、1−メチル−2−ブテニル基、1−ヘキセニル基、
1−メチル−1−ペンテニル基等を挙げることができ
る。
【0023】「低級アルキニル基」とは、炭素数が2〜
6個の直鎖又は分枝状のアルキニル基であり、具体的に
は、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル
基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル
基、1−メチル−2−プロピニル基、1−ペンチニル
基、2−ペンチニル基、3−ペンチニル基、4−ペンチ
ニル基、3−メチル−1−ブチニル基、2−メチル−3
−ブチニル基、1−メチル−2−ブチニル基、1−メチ
ル−3−ブチニル基、1,1−ジメチル−2−プロピニ
ル基、1−ヘキシニル基、2−ヘキシニル基、3−ヘキ
シニル基、4−ヘキシニル基、5−ヘキシニル基等を挙
げることができる。
【0024】「シクロアルキル基」は、炭素数3〜8個
のシクロアルキル基であることが好ましく、例えば、シ
クロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、
シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル
基等が挙げられる。「低級アルコキシ基」とは、水酸基
の水素原子が前記低級アルキル基で置換された基を意味
し、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、
sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチル
オキシ(アミルオキシ)基、イソペンチルオキシ基、t
ert−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、2
−メチルブトキシ基、1,2−ジメチルプロポキシ基、
1−エチルプロポキシ基、ヘキシルオキシ基等が挙げら
れるが、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基が好ま
しい。
【0025】「低級アルコキシ低級アルコキシ基」、
「低級アルコキシカルボニル低級アルコキシ基」、「カ
ルボキシル低級アルコキシ基」、「アミノ低級アルコキ
シ基」、「モノ−若しくはジ−低級アルキルアミノ低級
アルコキシ基」、若しくは「含窒素飽和ヘテロ環置換低
級アルコキシ基」は、前記低級アルコキシ基の水素原子
が、それぞれ低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボ
ニル基、カルボキシル基、アミノ基、モノ−若しくはジ
−低級アルキルアミノ基、若しくは含窒素飽和ヘテロ環
基により置換された低級アルコキシ基である。具体的に
は、「低級アルコキシ低級アルコキシ基」の例で示す
と、メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、プロポ
キシメトキシ基、イソプロポキシメトキシ基、ブトキシ
メトキシ基、イソブトキシメトキシ基、ペンチルオキシ
メトキシ基、ヘキシルオキシメトキシ基、メトキシエト
キシ基、エトキシエトキシ基、プロポキシエトキシ基等
が挙げられる。
【0026】「含窒素飽和ヘテロ環基」とは、窒素原子
上に結合手を有する5乃至8員の含窒素飽和ヘテロ環基
であり、更に、酸素原子、硫黄原子又は式N−R(式中
Rは水素原子又は低級アルキル基を意味する。)で示さ
れる基のいずれか1つを含んでいてもよい。具体的に
は、ピロリジニル基、ピペリジル基、モルホリニル基、
ピペラジニル基、ピラゾリジニル基、イミダゾリジニル
基、ホモピペラジニル基等が挙げられるが、ピペリジル
基が好ましい。なお、前記ピペラジニル基、ピラゾリジ
ニル基、イミダゾリジニル基、若しくはホモピペラジニ
ル基は窒素原子上の水素原子が低級アルキル基で置換さ
れていてもよい。
【0027】「低級アルコキシカルボニル基」とは、前
記低級アルコキシ基で置換されたカルボニル基であり、
具体的には、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニ
ル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボ
ニル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニ
ル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカ
ルボニル基等が挙げられる。
【0028】「モノ−若しくはジ−低級アルキルアミノ
基」とは、前記アルキル基により水素原子が1乃至2個
置換されたアミノ基であり、「ジ−低級アルキルアミノ
基」の二つのアルキル基は同一でも、異なっていてもよ
い。「モノ−低級アルキルアミノ基」としては、例え
ば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ
基、イソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチ
ルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチ
ルアミノ基、ペンチルアミノ基等が挙げられる。「ジ−
低級アルキルアミノ基」としては、例えば、ジメチルア
ミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、メチ
ルエチルアミノ基、メチルプロピルアミノ基、メチルイ
ソプロピルアミノ基、メチルブチルアミノ基、メチルイ
ソブチルアミノ基、エチルプロピルアミノ基、エチルイ
ソプロピルアミノ基等が挙げられる。
【0029】「低級アルカノイル基」としては、ホルミ
ル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソ
ブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル
基、ヘキサノイル基等が挙げられる。「低級アルカノイ
ルアミノ基」としては、ホルミルアミノ基、アセチルア
ミノ基、プロピオニルアミノ基、ブチリルアミノ基、イ
ソブチリルアミノ基、バレリルアミノ基、イソバレリル
アミノ基、ピバロイルアミノ基、ヘキサノイルアミノ基
等が挙げられる。
【0030】「低級アルカノイル低級アルキルアミノ
基」とは、前記低級アルカノイルアミノ基のもう一つの
アミノ基の水素原子が前記低級アルキル基で置換された
基であり、具体的には、N−アセチル−N−メチルアミ
ノ基、N−アセチル−N−エチルアミノ基等が挙げられ
る。「低級アルカノイルオキシ基」としては、ホルミル
オキシ基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチ
リルオキシ基、イソブチリルオキシ基、バレリルオキシ
基、イソバレリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ヘキ
サノイルオキシ基等が挙げられる。
【0031】「低級アルキルチオ基」、「低級アルキル
スルフィニル基」、若しくは「低級アルキルスルホニル
基」とは、一般式−SR、−SOR、−SO2R(式中
Rは低級アルキル基を意味する。)で表される基であ
り、「低級アルキルチオ基」の例で示すと、メチルチオ
基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ
基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec−ブチル
チオ基、tert−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、イ
ソペンチルチオ基、ネオペンチルチオ基、tert−ペ
ンチルチオ基、1−メチルブチルチオ基、2−メチルブ
チルチオ基、1,2−ジメチルプロピルチオ基等が挙げ
られる。
【0032】「モノ−若しくはジ−低級アルキルアミノ
スルホニル基」とは、アミノスルホニル基の1つ又は2
つの水素原子が低級アルキル基で置換された基を意味
し、一般式−SO2−NRR’で示される(Rは低級ア
ルキル基、R’は水素原子又は低級アルキル基を意味す
る。)。「ジ−低級アルキルアミノスルホニル基」の二
つのアルキル基は同一でも、異なっていてもよい。「モ
ノ−低級アルキルアミノスルホニル基」としては、例え
ば、N−メチルアミノスルホニル基、N−エチルアミノ
スルホニル基、N−プロピルアミノスルホニル基、N−
イソプロピルアミノスルホニル基、N−ブチルアミノス
ルホニル基等が挙げられる。「ジ−低級アルキルアミノ
スルホニル基」としては、例えば、N,N−ジメチルア
ミノスルホニル基、N,N−ジエチルアミノスルホニル
基、N,N−ジプロピルアミノスルホニル基、N−メチ
ル−N−エチルアミノスルホニル基、N−メチル−N−
プロピルアミノスルホニル基、N−メチル−N−イソプ
ロピルアミノスルホニル基、N−メチル−N−ブチルア
ミノスルホニル基、N−エチル−N−プロピルアミノス
ルホニル基、N−エチル−N−イソプロピルアミノスル
ホニル基等が挙げられる。
【0033】「低級アルキルスルホニルアミノ基」と
は、アミノ基の1つの水素原子が低級アルキルスルホニ
ル基で置換された基を意味し、一般式−NH−SO2
Rで示される(Rは低級アルキル基を意味する。)。具
体的には、メチルスルホニルアミノ基、エチルスルホニ
ルアミノ基、プロピルスルホニルアミノ基、イソプロピ
ルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、イ
ソブチルスルホニルアミノ基、ペンチルスルホニルアミ
ノ基等が挙げられる。
【0034】「低級アルキルスルホニルモノ−低級アル
キルアミノ基」とは、アミノ基の2個の水素原子がそれ
ぞれ低級アルキルスルホニル基及び低級アルキル基で置
換された基を意味し、一般式−NR−SO2−R’で示
される(R及びR’は同一又は異なった低級アルキル基
を意味する。)。具体的には、N−メチルスルホニル−
N−メチルアミノ基、N−エチルスルホニル−N−メチ
ルアミノ基、N−プロピルスルホニル−N−メチルアミ
ノ基、N−メチルスルホニル−N−エチルアミノ基、N
−エチルスルホニル−N−エチルアミノ基、N−プロピ
ルスルホニル−N−エチルアミノ基、N−メチルスルホ
ニル−N−プロピルアミノ基、N−メチルスルホニル−
N−イソプロピルアミノ基等が挙げられる。
【0035】「モノ−若しくはジ−低級アルキルアミノ
カルボニル基」とは、一般式−C(=O)NRR’で示
される基である(Rは低級アルキル基、R’は水素原子
又は低級アルキル基を意味する。)。「ジ−低級アルキ
ルアミノカルボニル基」のとき、二つのアルキル基は同
一でも、異なっていてもよい。「モノ−低級アルキルア
ミノカルボニル基」としては、例えば、N−メチルアミ
ノカルボニル基、N−エチルアミノカルボニル基、N−
プロピルアミノカルボニル基、N−イソプロピルアミノ
カルボニル基、N−ブチルアミノカルボニル基、N−イ
ソブチルアミノカルボニル基等が挙げられ、「ジ−低級
アルキルアミノカルボニル基」としては、例えば、N,
N−ジメチルアミノカルボニル基、N,N−ジエチルア
ミノカルボニル基、N−メチル−N−エチルアミノカル
ボニル基等が挙げられる。
【0036】「アラルキル基」とは、前記低級アルキル
基の任意の1乃至2個以上の水素原子が前記アリール基
で置換された基を意味し、具体的には、アリール基をフ
ェニル基として例示すれば、ベンジル基、フェネチル
基、1−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基、
1−フェニルプロピル基、1−メチル−2−フェニルプ
ロピル基等が挙げられる。「アリールオキシ基」、若し
くは「アラルキルオキシ基」とは、水酸基の水素原子が
前記アリール基、若しくはアラルキル基でそれぞれ置換
された基である。具体的には、「アリールオキシ基」と
しては、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等が、「アラ
ルキルオキシ基」としては、ベンジルオキシ基、フェネ
チルオキシ基、1−フェニルエトキシ基等が挙げられ
る。
【0037】本発明化合物は、不斉炭素原子を有し、こ
れに基づく(R)体、(S)体の光学異性体が存在しう
る。本発明はこれらの光学異性体の混合物や単離したも
のを全て包含する。又、本発明化合物は、グアニジノカ
ルボニル基の存在に基づく互変異性体が存在するが、本
発明にはこれらの互変異性体の混合物や単離したものを
全て包含する。上記以外にも置換基の種類によっては、
幾何異性体や互変異性体が存在する場合があるが、本発
明にはこれらの異性体の混合物や単離したものを全て包
含する。
【0038】本発明化合物は、酸付加塩を形成する場合
がある。塩としては、製薬学的に許容される塩であれば
特に制限はないが、具体的には、塩酸、臭化水素酸、ヨ
ウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、ギ酸、酢
酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フ
マル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン
酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、アスパラギ
ン酸、グルタミン酸等の有機酸との酸付加塩等が挙げら
れ、メタンスルホン酸との塩が特に好ましい。更に、本
発明は、本発明化合物(I)及びその塩の各種の水和物
や溶媒和物及び結晶多形の物質をも包含する。
【0039】(製造法)本発明化合物及びその塩は、そ
の基本骨格あるいは置換基の種類に基づく特徴を利用
し、種々の公知の合成法を適用して製造することができ
る。以下にその代表的な製造法について説明する。
【0040】
【化3】
【0041】(式中、A環、B環、R1、R2及びR3
前記の意味を有する。X1は、水酸基又は求核試薬によ
って容易に置換しうる脱離基を意味する。) 本発明化合物(I)は、一般式(II)で示される3−
アリール−2−ヘテロアリールプロパン酸又はその反応
性誘導体とグアニジンとを反応させることにより製造す
ることができる。
【0042】ここでX1の「求核試薬によって容易に置
換しうる脱離基」としては、例えば、ハロゲン原子、低
級アルコキシ基、アラルキルオキシ基等が挙げられる。
これらの脱離基を有するカルボン酸の反応性誘導体とし
ては、具体的には、酸ハロゲン化物、酸無水物、活性エ
ステル、低級アルキルエステル、酸アジド等が挙げられ
る。
【0043】酸ハロゲン化物としては、具体的には、酸
クロリド、酸ブロミド等が挙げられる。酸無水物として
は、対称酸無水物又は混合酸無水物が用いられ、混合酸
無水物の具体例としては、クロロ炭酸エチル、クロロ炭
酸イソブチルのようなクロロ炭酸アルキルエステルとの
混合酸無水物、クロロ炭酸ベンジルのようなクロロ炭酸
アラルキルエステルとの混合酸無水物、クロロ炭酸フェ
ニルのようなクロロ炭酸アリールエステルとの混合酸無
水物、イソ吉草酸、ピバリン酸のようなアルカン酸との
混合酸無水物等が挙げられる。
【0044】活性エステルとしては、p−ニトロフェニ
ルエステル、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、
ペンタフルオロフェニルエステル、2,4,5−トリク
ロロフェニルエステル、ペンタクロロフェニルエステ
ル、シアノメチルエステル、N−ヒドロキシフタルイミ
ドエステル、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,
3−ジカルボキシイミドエステル、N−ヒドロキシピペ
リジンエステル、8−ヒドロキシキノリンエステル、2
−ヒドロキシフェニルエステル、2−ヒドロキシ−4,
5−ジクロロフェニルエステル、2−ヒドロキシピリジ
ンエステル、2−ピリジルチオールエステル、1−ベン
ゾトリアゾリルエステル等が挙げられる。
【0045】このようなカルボン酸の反応性誘導体は、
通常行われる一般的方法に従って、対応するカルボン酸
から容易に得ることができる。酸ハロゲン化物又は酸無
水物と反応させる場合には、塩基又は過剰のグアニジン
の存在下、溶媒中で冷却下ないし室温で行うことができ
る。塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウ
ム等の無機塩基、又は、トリエチルアミン、トリブチル
アミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモル
ホリン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の有
機塩基が挙げられる。溶媒としては、例えば、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、テ
トラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエ一テル系
溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロ
ロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、ピ
リジン等の塩基性溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は
単独で、又は2種以上混合して用いられる。溶媒は原料
化合物の種類等に従い適宜選択されるべきである。
【0046】エステル誘導体と反応させる場合には、等
モルないし過剰のグアニジンの存在下、溶媒中で冷却下
ないし室温ないし加熱下で行うことができる。場合によ
っては、溶媒留去後130℃付近にて短時間加熱するこ
ともできる。溶媒としては、活性エステルの場合には、
例えば、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタ
ン、1,4−ジオキサン等のエ一テル系溶媒、ジメチル
ホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒
等が挙げられる。これらの溶媒は単独で、又は2種以上
混合して用いられる。低級アルキルエステルの場合に
は、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル等のアルコール系溶媒、テトラヒドロフラン、1,2
−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン等のエ一テル
系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド
等のアミド系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は単独
で、又は2種以上混合して用いられる。
【0047】X1が水酸基の場合には、縮合剤の存在下
に反応させることが好ましい。縮合剤としては、例え
ば、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイ
ソプロピルカルボジイミド(DIPC)、1−エチル−
3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
(WSC)、ベンゾトリアゾール−1−イル−トリス
(ジメチルアミノ)ホスホニウム・ヘキサフルオロリン
化物塩(BOP)、ジフェニルホスホニルアジド(DP
PA)、1,1’−カルボニル−ビス−1−H−イミダ
ゾール(CDI)等が挙げられる。場合によっては、N
−ヒドロキシスクシンイミド(HONSu)、1−ヒド
ロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、3−ヒドロキ
シ−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−1,2,3−ベン
ゾトリアジン(HOObt)等の添加剤を加えてもよ
い。溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシ
レン等の芳香族炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、
1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジクロロメタ
ン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲ
ン化炭化水素系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミド等のアミド系溶媒、ピリジン等の塩基性溶
媒等が挙げられる。これらの溶媒は単独で、又は2種以
上混合して用いられる。
【0048】3−アリール−2−ヘテロアリールアクリ
ル酸誘導体(II)が水酸基、アミノ基等の反応に活性
な官能基を有する場合には、常法によりこれらの官能基
を予め保護基で保護しておき、本反応を実施した後に保
護基を除去することにより本発明化合物(I)を得るこ
とができる。
【0049】上記各製法により得られた反応生成物は、
遊離化合物、その塩、水和物あるいは各種の溶媒和物と
して単離され精製される。塩は通常の造塩反応に付すこ
とにより製造できる。単離、精製は、抽出、濃縮、留
去、結晶化、濾過、再結晶、各種クロマトグラフィー等
通常の化学操作を適用して行われる。各種異性体は異性
体間の物理化学的な差を利用して常法により単離でき
る。光学異性体の例で示せば、一般的なラセミ分割法、
即ち、分別結晶化又はクロマトグラフィー等により分離
できる。なお、光学異性体は、適当な光学活性な原料化
合物より合成することも可能である。
【0050】(原料化合物の製法)上記製造法の原料化
合物となる3−アリール−2−ヘテロアリールプロパン
酸又はその反応性誘導体(II)は、種々の公知の方法
で合成することができる。例えば、以下の製法により製
造できる。
【0051】
【化4】
【0052】(式中、A環、B環及びR1は、前記の意
味を有する。X2は、低級アルコキシ基、アラルキルオ
キシ基を表し、Yは、ハロゲン原子で置換してもよい低
級アルカノイル基、メシル基、トシル基、トリフルオロ
メタンスルホニル基を意味し、Zはハロゲン原子を意味
する。)
【0053】一般式(III)で示されるヘテロアリー
ル酢酸エステル誘導体を、テトラヒドロフラン等の不活
性溶媒中で、冷却下、好ましくは−60〜−80℃にお
いて、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)と反応
させ、次いで、一般式(IV)で示されるカルボニル誘
導体と不活性溶媒中で反応させてカップリングする。前
記カップリング反応の条件を適宜設定することにより、
中間体を単離することなく、一般式(IXa)及び(I
Xb)で示される3−アリール−2−ヘテロアリールア
クリル酸誘導体をそれぞれ単一化合物として又は混合物
として直接得ることができる場合がある。
【0054】又、前記カップリング反応で、一般式
(V)で示される3−アリール−2−ヘテロアリールプ
ロパン酸エステル誘導体を得る場合がある。この場合に
は、更に、(V)を塩基の存在下、一般式(VI)で示
される酸ハロゲン化物又は一般式(VII)で示される
酸無水物と反応させ、水酸基をエステル化して一般式
(VIII)で示されるエステル化合物に変換した後、
塩基の存在下、室温、若しくは加熱下で酸(YOH)等
を脱離し、(IXa)及び(IXb)をそれぞれ単一化
合物として又は混合物として得る。
【0055】前記の酸ハロゲン化物としては、酢酸クロ
リド、トリフルオロ酢酸クロリド、メタンスルホニルク
ロリド、トシルクロリド、若しくはトリフルオロメタン
スルホニルクロリド等を、酸無水物としては、無水酢
酸、無水トリフルオロ酢酸等を用いることができる。
又、(VIII)を単離することなく、次工程に付し、
(IXa)及び(IXb)をそれぞれ単一化合物として
又は混合物として得ることもできる。
【0056】一般式(IXa)及び(IXb)で表され
る化合物をそれぞれ単一化合物として又は混合物として
得る別の方法は、一般式(III)で示されるヘテロア
リール酢酸エステル誘導体と一般式(IV)で示される
カルボニル誘導体をベンゼン又はトルエン中、触媒量か
ら過剰量のピペリジン及び酢酸共存下、発生する水を共
沸蒸留により分離しながら還流することによる。この
時、ピペリジン及び酢酸は化合物(IV)に対し0.1
〜3当量が望ましい。
【0057】(IXa)及び(IXb)は、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール等のアルコール溶媒
中、水素化ホウ素ナトリウム等の金属水素化合物による
還元により3−アリール−2−ヘテロアリールプロパン
酸エステル誘導体(IIa)へ変換することができる。
(IXa)及び(IXb)を加水分解することにより、
一般式(Xa)及び(Xb)で示される3−アリール−
2−ヘテロアリールアクリル酸を得ることができ、更
に、接触水素化することにより、3−アリール−2−ヘ
テロアリールプロパン酸誘導体(IIb)ヘ変換するこ
とができる。
【0058】(IIb)を得るための中間体である(X
a)及び(Xb)は、以下の方法によっても得ることが
できる。
【0059】
【化5】
【0060】(式中、A環、B環及びR1は、前記の意
味を有する。) カルボニル誘導体(IV)とヘテロアリール酢酸誘導体
(XI)とを無水酢酸中、トリエチルアミン等の塩基存
在下、室温、若しくは加熱下で反応することによって
も、化合物(Xa)及び(Xb)を製造することができ
る(参考文献:Org. Synth. Coll. Vol IV:730-731 (19
63), Org. Synth. Coll. Vol IV:777-779(1963))。
【0061】更に、(IIb)は、以下の方法によって
も得ることができる。
【0062】
【化6】
【0063】(式中、A環、B環及びR1は、前記の意
味を有する。) カルボニル誘導体(IV)とヘテロアリールアセトニト
リル誘導体(XII)とをメタノール、エタノール等の
アルコール溶媒中、ナトリウムメトキサイド若しくはナ
トリウムエトキサイドで処理することにより、又はメタ
ノール、エタノール、水から選択される単一の若しくは
混合溶媒中、水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウム
で処理することにより、又はベンゼン若しくはトルエン
等の芳香族炭化水素溶媒中触媒量から過剰量のピペリジ
ン及び酢酸共存下、発生する水を共沸蒸留により分離し
ながら還流することにより、(XIIIa)及び(XI
IIb)で示される3−アリール−2−ヘテロアリール
アクリロニトリル誘導体をそれぞれ単一化合物として又
は混合物として得ることもできる。(XIIIa)及び
(XIIIb)は、N,N−ジメチルホルムアミド中、
水素化ホウ素ナトリウム等の金属水素化合物による還元
により、3−アリール−2−ヘテロアリールプロピオニ
トリル誘導体(XIV)へ変換することができる(参考
文献:Org. Synth. Coll. Vol III:715-717(1955), J.
Org. Vol 45:171-173(1980))。(XIV)を加水分解
することにより、(IIb)を得ることができる。
【0064】なお、R1、R2が水素原子を表し、R3
低級アルキル基を表す(IIc)は、以下のように合成
することができる。
【0065】
【化7】
【0066】(式中、A環、B環は前記の意味を有し、
4は低級アルキル基を表す。)
【0067】化合物(XIVa)を不活性溶媒中、水素
化ナトリウム、t−ブトキシカリウム、リチウムジイソ
プロピルアミド、n‐ブチルリチウムなどの塩基で処理
した後、低級アルキルハライドと反応させることにより
化合物(XV)を得ることができる。不活性溶媒はN,
N‐ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジエ
チルエーテル、トルエン、ベンゼン等をあげることがで
き、用いる塩基の種類により適宜選択されるべきであ
る。化合物(XV)を加水分解することにより一般式
(IIc)で示される2−アルキル−3−アリール−2
−ヘテロアリールプロピオン酸を得ることができる。
【0068】
【発明の効果】本発明化合物は医薬製剤の活性成分とし
て有用である。特に、細胞性ナトリウム−プロトン交互
輸送機構(Na+/H+交換体)の活性阻害作用を有する
ので、Na+/H+交換体が関与する種々の生理活性及び
病態に関連する疾患の予防又は治療に有用である。
【0069】具体的には、細胞性ナトリウム−プロトン
交互輸送機構(Na+/H+交換体)の亢進に起因する疾
患、例えば、高血圧(例えば、本態性高血圧、又は腎不
全、原発性アルドステロン症、副腎酸素欠損症、Lid
dle症候群、Gordon症候群、腎尿細管アシドー
シス(RTA)IV型、低レニン低アルドステロン症、
両側性腎血管性高血圧等の原疾患に伴う二次性高血
圧)、不整脈、狭心症、心肥大、虚血再潅流による臓器
障害(例えば心臓虚血再潅流時の障害、外科的処置(例
えば臓器移植やPTCA)による障害)、臓器移植時の
血流減少による障害、心筋梗塞、心筋梗塞再発予防(例
えば心筋梗塞2次予防、心事故再発の予防)、虚血時の
臓器保護及び症状の改善(例えば、心、脳、腎、胃腸、
肺、肝、骨格筋の虚血に伴う障害、特に脳梗塞に伴う障
害、脳卒中後の後遺症として起こる障害、脳浮腫に伴う
障害)、細胞増殖性の疾患、動脈硬化、糖尿病合併症
(例えば網膜症、腎症など)、癌、血管内膜肥厚(例え
ば動脈硬化性疾患、動脈炎、PTCAの術後における血
管再狭窄、血管移植時の血管狭窄)、組織・臓器の肥大
・肥厚(例えば心臓、腎臓、前立腺、平滑筋組織等にお
ける肥大・肥厚)、心繊維症、肺繊維症、肝繊維症、腎
繊維症、腎糸球体硬化症、移植臓器の保護、浮腫、脳浮
腫、慢性心疾患(例えば心不全)、心筋症、肺塞栓、急
性及び慢性腎疾患(例えば腎不全)、脳梗塞、慢性の脳
血行障害(例えば脳卒中)、脳神経障害(例えば痴呆
症、エイズ)、高血糖による障害(例えば糖尿病性神経
障害、高脂血症等)、インスリン抵抗性に伴う障害、シ
ョック(例えばアレルギー性、心臓性、血液量減少性及
び細菌性ショック)、炎症性疾患、肺及び気管支の障
害、骨粗鬆症、酸塩基障害の予防・治療剤として有用で
ある。
【0070】また、本発明化合物はナトリウム−プロト
ン交互輸送機構(Na+/H+交換体)の関与する高血
圧、糖尿病又は動脈硬化症等の診断剤としても使用でき
る。
【0071】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を更に詳細に説
明する。なお、実施例において使用される原料化合物の
製造法を参考例として説明する。
【0072】(参考例1)塩酸 3−ピリジル酢酸3.
64g、ベンズアルデヒド2.67g、トリエチルアミ
ン8mlおよび無水酢酸16mlの混合物を90℃にて
20分間撹拌した後に、減圧濃縮した。トルエンで共沸
後残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製
し、(E)−3−フェニル−2−(3−ピリジル)アク
リル酸1.98gを得た。
【0073】(参考例2)参考例1と同様にして、
(E)−3−(3−メトキシフェニル)−2−(3−ピ
リジル)アクリル酸を得た。
【0074】(参考例3)参考例1と同様にして、
(E)−3−(2−フルオロフェニル)−2−(3−ピ
リジル)アクリル酸を得た。
【0075】(参考例4)参考例1と同様にして、
(E)−3−(2−クロロフェニル)−2−(3−ピリ
ジル)アクリル酸を得た。
【0076】(参考例5)塩酸 3−ピリジル酢酸3.
35g、3−(3−ジメチルアミノプロポキシ)ベンズ
アルデヒド4.40g、トリエチルアミン15mlおよ
び無水酢酸30mlの混合物を90℃にて30分間撹拌
した後に、減圧濃縮した。トルエンで共沸後残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーに付し、蟻酸:メタノ
ール:クロロホルム=1:30:70の混合溶媒で溶出
した。目的の分画を減圧濃縮することにより、(E)−
3−[3−(3−ジメチルアミノプロポキシ)フェニ
ル]−2−(3−ピリジル)アクリル酸:蟻酸=1:7
の混合物5.07gを得た。本品は更に精製することな
く参考例9で使用した。
【0077】(参考例6)(E)−3−フェニル−2−
(3−ピリジル)アクリル酸0.62gを酢酸20ml
に溶解し、10%Pd/C(52.4%含水)0.31
gを加え、室温下、常圧で水素添加を行った。理論量の
水素吸収後、エタノールで希釈しセライト上で濾過し
た。濾液を減圧濃縮しトルエンを加え共沸後、残渣を酢
酸エチルで結晶化することにより3−フェニル−2−
(3−ピリジル)プロパン酸0.43gを得た。
【0078】(参考例7)参考例6と同様にして、3−
(3−メトキシフェニル)−2−(3−ピリジル)プロ
パン酸を得た。
【0079】(参考例8)参考例6と同様にして、3−
(2−フルオロフェニル)−2−(3−ピリジル)プロ
パン酸を得た。
【0080】(参考例9)参考例5で得た(E)−3−
[3−(3−ジメチルアミノプロポキシ)フェニル]−
2−(3−ピリジル)アクリル酸:蟻酸=1:7の混合
物2.35gを酢酸50mlに溶解し、10%Pd/C
(52.4%含水)0.92gを加え、室温下、常圧で
水素添加を90分間行った。このときガスの発生が観測
された。反応液に蟻酸2mlを加え室温下、1時間撹拌
後エタノールで希釈しセライト上で濾過した。濾液を減
圧濃縮しトルエンを加え共沸することにより、3−[3
−(3−ジメチルアミノプロポキシ)フェニル]−2−
(3−ピリジル)プロパン酸:蟻酸:酢酸=1:1:2
の混合物1.72gを得た。本品は更に精製することな
く実施例4で使用した。
【0081】(参考例10)(E)−3−(2−クロロ
フェニル)−2−(3−ピリジル)アクリル酸2.08
g、炭酸カリウム1.65gおよびN,N−ジメチルホ
ルムアミド30mlの混合物にヨウ化メチル0.50m
lを加え、室温下35分撹拌した。溶媒を減圧留去し得
られる残渣に水を加え酢酸エチルで抽出した。抽出液を
無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し2.
17gの残留物を得た。残留物をメタノール20mlに
溶解し氷冷下、水素化ホウ素ナトリウム0.30gを加
え、室温に戻し13時間撹拌した。更に水素化ホウ素ナ
トリウム0.30gを加え1時間撹拌した後、反応液を
水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩
水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し溶媒を減圧
留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
に付し酢酸エチル:ノルマルヘキサン2:3で溶出する
ことにより、3−(2−クロロフェニル)−2−(3−
ピリジル)プロパン酸メチルエステルと3−(2−クロ
ロフェニル)−2−(3−ピリジル)アクリル酸メチル
エステル4:1の混合物0.69gを得た。本品は更に
精製することなく実施例5で使用した。
【0082】(実施例1)グアニジン塩酸塩1.00g
をメタノール5mlに溶解し、室温下28%ナトリウム
メチラート−メタノール溶液2.02gを加えた。同
温度で5分間撹拌後生成した食塩を濾去し、メタノール
を減圧留去し得られる残渣をN,N−ジメチルホルムア
ミド10mlに溶解した。一方、3−フェニル−2−
(3−ピリジル)プロパン酸0.40g、1,1’−カ
ルボニル−ビス−1−H−イミダゾール0.34g及び
N,N−ジメチルホルムアミド12mlの混合物を室温
で30分間撹拌後、先に調整したグアニジンのN,N−
ジメチルホルムアミド溶液を加えた。室温で15分間撹
拌後、溶媒を減圧留去し得られる残渣に水を加え酢酸エ
チルで抽出した。抽出液を水酸化ナトリウム水溶液およ
び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾
燥し溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーで精製することによりN−[3−フェニ
ル−2−(3−ピリジル)プロピオニル]グアニジン
0.29gを得た。
【0083】(実施例2)実施例1と同様にして、N−
[3−(3−メトキシフェニル)−2−(3−ピリジ
ル)プロピオニル]グアニジンを得た。
【0084】(実施例3)実施例1と同様にして、N−
[3−(2−フルオロフェニル)−2−(3−ピリジ
ル)プロピオニル]グアニジンを得た。
【0085】(実施例4)実施例1と同様にして、N−
[3−[3−(3−ジメチルアミノプロポキシ)フェニ
ル]−2−(3−ピリジル)プロピオニル]グアニジン
を得た。
【0086】(実施例5)グアニジン塩酸塩1.35g
をメタノール8mlに溶解し、室温下28%ナトリウム
メチラート−メタノール溶液2.73gを加えた。同
温度で10分間撹拌後生成した食塩を濾去し、濾液を参
考例10で得た3−(2−クロロフェニル)−2−(3
−ピリジル)プロパン酸メチルエステルと3−(2−ク
ロロフェニル)−2−(3−ピリジル)アクリル酸メチ
ルエステル4:1の混合物0.65gに加え45分間加
熱還流を行った。溶媒を減圧留去し得られる残渣に水を
加え酢酸エチルで抽出した。抽出液を水酸化ナトリウム
水溶液および飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥し溶媒を減圧留去した。得られる非晶質の
残渣にエタノール4mlを加え終夜撹拌した。析出した
結晶を濾取することによりN−[3−(2−クロロフェ
ニル)−2−(3−ピリジル)プロピオニル]グアニジ
ン0.06gを無色結晶として得た。
【0087】(実施例6)N−[3−フェニル−2−
(3−ピリジル)プロピオニル]グアニジン212mg
をメタノールに溶解し、4規定塩酸−酢酸エチル溶液を
加え酸性とした。溶媒を減圧留去し、得られる残渣に酢
酸エチルを加え粉末とした。粉末を濾取することにより
N−[3−フェニル−2−(3−ピリジル)プロピオニ
ル]グアニジン 2塩酸塩268mgを得た。
【0088】(実施例7)N−[3−(2−フルオロフ
ェニル)−2−(3−ピリジル)プロピオニル]グアニ
ジン209mgをメタノールに溶解し、メタンスルホン
酸67mgを加えた。溶媒を減圧留去し得られる残渣を
酢酸エチルで結晶化することによりN−[3−(2−フ
ルオロフェニル)−2−(3−ピリジル)プロピオニ
ル]グアニジン メタンスルホン酸塩219mgを得
た。
【0089】(実施例8)実施例7と同様にして、N−
[3−(2−クロロフェニル)−2−(3−ピリジル)
プロピオニル]グアニジン メタンスルホン酸塩を得
た。
【0090】以下、前記参考例化合物の構造式と物理化
学的性状を表1〜表2に、前記実施例化合物の構造式と
物理化学的性状を表3〜表4にそれぞれ示す。なお、表
中の記号は以下の意味を有する。 Rf. : 参考例番号 Ex. : 実施例番号 Sal.: 塩 NMR : 核磁気共鳴スペクトル(特記しない限りD
MSO−D6,TMS 内部標準)δ: m/z : 質量分析値(m/z) MsOH:メタンスルホン酸 Ph : フェニル基 Py : ピリジル基 3−Me2N−PrO:3−ジメチルアミノプロポキシ
【0091】
【表1】
【0092】
【表2】
【0093】
【表3】
【0094】
【表4】
【0095】以下に化学構造を掲記する化合物は、前記
実施例もしくは製造法に記載の方法とほぼ同様にして、
又は、それらに当業者に自明の若干の変法を適用して、
製造することができる。なお、表中、Comは化合物番
号、Phはフェニル基、Msはメタンスルホニル基、N
aphはナフチル基、3−Me2N−PrOは3−ジメ
チルアミノプロポキシ基、3−Et2N−PrOは3−
ジエチルアミノプロポキシ基、3−Pyrr−PrOは
3−ピロリジノプロポキシ基、4−Me2N−BuOは
4−ジメチルアミノブトキシ基、4−Et2N−BuO
は4−ジエチルアミノブトキシ基、4−Pyrr−Bu
Oは4−ピロリジノブトキシ基、4‐Morp−BuO
は4−モルホリノブトキシ基、4−Mepi−BuOは
4−(4−メチル−1−ピペラジニル)ブトキシ基、2
−Me2N−EtOは2−ジメチルアミノエトキシ基を
それぞれ表す。
【0096】
【表5】
【0097】
【表6】
【0098】
【表7】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 591032596 Frankfurter Str. 250, D−64293 Darmstadt,Fed eral Republic of Ge rmany (72)発明者 岡崎 利夫 茨城県竜ヶ崎市長山8−6−5 (72)発明者 菊池 和美 東京都足立区千住1丁目29番1−701号 (72)発明者 加来 英貴 茨城県つくば市松代4−6−7 サン・ク レスト403号 (72)発明者 高梨 正博 千葉県柏市松ヶ崎1204−55

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で示されるヘテロアリ
    ール置換プロピオニルグアニジン誘導体又はその塩。 【化1】 (ただし、式中の記号は以下の意味を有する。 A環:下記のA群から選択される置換基を有していても
    よい5乃至6員ヘテロアリール基、 A群:ハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキ
    ル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、低級アル
    コキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ
    基、モノ−若しくはジ−低級アルキルアミノ基、低級ア
    ルカノイルアミノ基、低級アルカノイルオキシ基、水酸
    基、メルカプト基、低級アルキルチオ基、低級アルキル
    スルフィニル基、低級アルキルスルホニル基、アミノス
    ルホニル基、モノ−若しくはジ−低級アルキルアミノス
    ルホニル基、低級アルキルスルホニルアミノ基、低級ア
    ルキルスルホニルモノ低級アルキルアミノ基、 B環:下記のB群から選択される置換基を有していても
    よいアリール基、 B群:ハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキ
    ル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、シクロア
    ルキル基、低級アルコキシ基、低級アルコキシ低級アル
    キル基、低級アルコキシカルボニル低級アルキル基、カ
    ルボキシル低級アルキル基、アミノ低級アルキル基、モ
    ノ−若しくはジ−低級アルキルアミノ低級アルキル基、
    含窒素飽和ヘテロ環置換低級アルキル基、低級アルコキ
    シ低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル低級ア
    ルコキシ基、カルボキシル低級アルコキシ基、アミノ低
    級アルコキシ基、モノ−若しくはジ−低級アルキルアミ
    ノ低級アルコキシ基、含窒素飽和ヘテロ環置換低級アル
    コキシ基、低級アルコキシカルボニル基、カルボキシル
    基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、モ
    ノ−若しくはジ−低級アルキルアミノ基、低級アルカノ
    イル基、低級アルカノイルアミノ基、低級アルカノイル
    低級アルキルアミノ基、低級アルカノイルオキシ基、水
    酸基、メルカプト基、低級アルキルチオ基、アミノ低級
    アルキルチオ基、モノ−若しくはジ−低級アルキルアミ
    ノ低級アルキルチオ基、含窒素飽和ヘテロ環置換低級ア
    ルキルチオ基、低級アルキルスルフィニル基、低級アル
    キルスルホニル基、アミノスルホニル基、モノ−若しく
    はジ−低級アルキルアミノスルホニル基、低級アルキル
    スルホニルアミノ基、低級アルキルスルホニルモノ低級
    アルキルアミノ基、カルバモイル基、モノ−若しくはジ
    −低級アルキルアミノカルボニル基、メチレンジオキシ
    基、エチレンジオキシ基、プロピレンジオキシ基、アリ
    ール基、アラルキル基、アリールオキシ基及びアラルキ
    ルオキシ基、 R1、R2、R3:同一又は異なって、水素原子又はフッ
    素原子で置換されていてもよい低級アルキル基。)
  2. 【請求項2】 請求項1に記載されるヘテロアリール置
    換プロピオニルグアニジン誘導体又はその塩を有効成分
    とする医薬。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載されるヘテロアリール置
    換プロピオニルグアニジン誘導体又はその塩を有効成分
    とするNa+/H+交換体阻害剤。
JP4242097A 1997-02-26 1997-02-26 ヘテロアリール置換プロピオニルグアニジン誘導体 Withdrawn JPH10237077A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000044707A1 (fr) * 1999-01-27 2000-08-03 Sumitomo Pharmaceuticals Company, Limited Nouveaux derives de guanidine substitues et leur procede de preparation
JP2007503378A (ja) * 2003-08-22 2007-02-22 サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング ペンタフルオロスルファニルフェニル−置換ベンゾイルグアニジン、それらの製造法、医薬又は診断薬としてのそれらの使用及び該化合物を含有する医薬品
WO2014016766A1 (en) * 2012-07-25 2014-01-30 Glenmark Pharmaceuticals S.A. Guanidine derivatives as trpc modulators

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JP2007503378A (ja) * 2003-08-22 2007-02-22 サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング ペンタフルオロスルファニルフェニル−置換ベンゾイルグアニジン、それらの製造法、医薬又は診断薬としてのそれらの使用及び該化合物を含有する医薬品
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