JPH10236815A - 太陽電池用シリコンの製造方法 - Google Patents
太陽電池用シリコンの製造方法Info
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- JPH10236815A JPH10236815A JP4612297A JP4612297A JPH10236815A JP H10236815 A JPH10236815 A JP H10236815A JP 4612297 A JP4612297 A JP 4612297A JP 4612297 A JP4612297 A JP 4612297A JP H10236815 A JPH10236815 A JP H10236815A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】本発明は、太陽電池用シリコンを冶金プロセス
のみで製造する方法を改良し、さらに効率良く(時間短
縮と目標純度の達成)、且つ製造コストが低減できる
「太陽電池用シリコンの製造方法」を提供することを目
的としている。 【解決手段】金属シリコンを出発原料とし、それが含有
する不純物元素を、酸化精錬、真空精錬及び凝固精製の
工程を経て除去し、太陽電池用シリコンを製造するに際
し、上記出発原料の不純物元素の含有量が、P:30p
pm以下、B:20ppm以下、Al:1000ppm
以下、Fe:1000ppm以下、C:500ppm以
下、Ti:60ppm以下になるよう、上記金属シリコ
ンに、太陽電池用シリコンの製造工程以外で発生したオ
フ・グレード・シリコンを混合する。
のみで製造する方法を改良し、さらに効率良く(時間短
縮と目標純度の達成)、且つ製造コストが低減できる
「太陽電池用シリコンの製造方法」を提供することを目
的としている。 【解決手段】金属シリコンを出発原料とし、それが含有
する不純物元素を、酸化精錬、真空精錬及び凝固精製の
工程を経て除去し、太陽電池用シリコンを製造するに際
し、上記出発原料の不純物元素の含有量が、P:30p
pm以下、B:20ppm以下、Al:1000ppm
以下、Fe:1000ppm以下、C:500ppm以
下、Ti:60ppm以下になるよう、上記金属シリコ
ンに、太陽電池用シリコンの製造工程以外で発生したオ
フ・グレード・シリコンを混合する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、太陽電池用シリコ
ンの製造方法に関し、詳しくは、半導体用シリコンの製
造プロセスやその他のプロセスにおいて発生した所謂オ
フ・グレード(規格外)の多結晶シリコン(以下、オフ
・グレード・シリコンという)と、金属シリコンとを混
合して出発原料とし、冶金プロセスで効率良く安価に太
陽電池用シリコンを得る技術である。
ンの製造方法に関し、詳しくは、半導体用シリコンの製
造プロセスやその他のプロセスにおいて発生した所謂オ
フ・グレード(規格外)の多結晶シリコン(以下、オフ
・グレード・シリコンという)と、金属シリコンとを混
合して出発原料とし、冶金プロセスで効率良く安価に太
陽電池用シリコンを得る技術である。
【0002】
【従来の技術】現在、エネルギー源の多様化要求から、
太陽光発電が脚光を浴びているが、コストが高いため、
電力用としては一般に普及していない。また、太陽電池
用基板材料のほとんどはシリコンであるが、該シリコン
専用の製造プロセスが存在していないので、そのシリコ
ンの製造は、図2に示すように、半導体用シリコンの製
造プロセスで発生した多結晶シリコンのスクラップある
いは単結晶引き上げの際に発生したスクラップに依存し
ている。なお、図2の多結晶シリコンは、金属シリコン
を塩酸と反応させてトリクロロ・シランとしてガス化
し、該ガスを精留して不純物元素を除き、水素ガスと反
応させる所謂CVD法でガスから析出させたものであ
る。
太陽光発電が脚光を浴びているが、コストが高いため、
電力用としては一般に普及していない。また、太陽電池
用基板材料のほとんどはシリコンであるが、該シリコン
専用の製造プロセスが存在していないので、そのシリコ
ンの製造は、図2に示すように、半導体用シリコンの製
造プロセスで発生した多結晶シリコンのスクラップある
いは単結晶引き上げの際に発生したスクラップに依存し
ている。なお、図2の多結晶シリコンは、金属シリコン
を塩酸と反応させてトリクロロ・シランとしてガス化
し、該ガスを精留して不純物元素を除き、水素ガスと反
応させる所謂CVD法でガスから析出させたものであ
る。
【0003】この図2に示す方法では、せっかく半導体
用にまで高純度にしたシリコンを、再度、太陽電池用に
適するように成分調整(ボロン添加)したり、精製や鋳
造をしなければならないので、手間がかかる上に、歩留
が悪く、再溶解の設備、エネルギーも別途必要で、製造
費用が嵩むという問題があった。そのため、現在入手可
能な太陽電池は高価なものとなり、その一般的な普及の
障害となっている。また、上記のような化学プロセスが
主体の金属シリコンの精製では、シラン、塩化物等の公
害物質の多量発生が避けられず、量産の障害になるとい
う問題もあった。さらに、半導体産業の活況に伴い、半
導体に向けられる多結晶シリコンの量が不足してきてお
り、太陽電池用に向けられるシリコンは、今後さらに少
なくなると予想される。かかる現状においては、太陽電
池用に使用できるシリコン源を、多結晶シリコンよりさ
らに上流に位置する金属シリコンを主体にして、従来よ
り一層安価に得るようにする必要がある。
用にまで高純度にしたシリコンを、再度、太陽電池用に
適するように成分調整(ボロン添加)したり、精製や鋳
造をしなければならないので、手間がかかる上に、歩留
が悪く、再溶解の設備、エネルギーも別途必要で、製造
費用が嵩むという問題があった。そのため、現在入手可
能な太陽電池は高価なものとなり、その一般的な普及の
障害となっている。また、上記のような化学プロセスが
主体の金属シリコンの精製では、シラン、塩化物等の公
害物質の多量発生が避けられず、量産の障害になるとい
う問題もあった。さらに、半導体産業の活況に伴い、半
導体に向けられる多結晶シリコンの量が不足してきてお
り、太陽電池用に向けられるシリコンは、今後さらに少
なくなると予想される。かかる現状においては、太陽電
池用に使用できるシリコン源を、多結晶シリコンよりさ
らに上流に位置する金属シリコンを主体にして、従来よ
り一層安価に得るようにする必要がある。
【0004】そこで、本出願人は、上記のような化学プ
ロセスによる金属シリコンの高純度化を改め、先般(P
CT/JP96/02965で)、図1に示すような冶
金プロセスのみで、太陽電池に適した純度のシリコンを
多量に製造し、それを鋳造して一気にシリコン基板まで
にする方法を提案している。それは、珪石を炭材で還元
して得た金属シリコン(純度98〜99重量%Si)を
出発原料とし、真空溶解精錬でPを除き、溶湯を凝固生
成して不純物金属元素(Fe,Ti,Al,Ca)を粗
精製する。そして、得られた鋳塊を再度溶解し、酸化精
錬によってB,Cを除去、脱酸してから、一方向凝固で
上記不純物金属元素の仕上凝固精製した後、鋳塊の一部
を切り捨て、残部をスライスして太陽電池用シリコン基
板を連続的な流れ作業として生産するものである。かか
る製造方法によれば、太陽電池用シリコンを従来よりか
なり安価に量産できる目処が立っている。
ロセスによる金属シリコンの高純度化を改め、先般(P
CT/JP96/02965で)、図1に示すような冶
金プロセスのみで、太陽電池に適した純度のシリコンを
多量に製造し、それを鋳造して一気にシリコン基板まで
にする方法を提案している。それは、珪石を炭材で還元
して得た金属シリコン(純度98〜99重量%Si)を
出発原料とし、真空溶解精錬でPを除き、溶湯を凝固生
成して不純物金属元素(Fe,Ti,Al,Ca)を粗
精製する。そして、得られた鋳塊を再度溶解し、酸化精
錬によってB,Cを除去、脱酸してから、一方向凝固で
上記不純物金属元素の仕上凝固精製した後、鋳塊の一部
を切り捨て、残部をスライスして太陽電池用シリコン基
板を連続的な流れ作業として生産するものである。かか
る製造方法によれば、太陽電池用シリコンを従来よりか
なり安価に量産できる目処が立っている。
【0005】しかしながら、図1に示した製造方法で
も、出発原料の珪石や還元剤の炭材には高純度のものが
要求され、また得られた金属シリコンの純度が後述のよ
うに大幅にバラツき、精製にかなりの時間と労力が必要
である。そこで、発明者は、図1に示すプロセスを改良
し、さらに安価な太陽電池用シリコンを量産できれば、
より一層太陽電池の利用が普及すると考え、種々の方法
を試行している。
も、出発原料の珪石や還元剤の炭材には高純度のものが
要求され、また得られた金属シリコンの純度が後述のよ
うに大幅にバラツき、精製にかなりの時間と労力が必要
である。そこで、発明者は、図1に示すプロセスを改良
し、さらに安価な太陽電池用シリコンを量産できれば、
より一層太陽電池の利用が普及すると考え、種々の方法
を試行している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる事情
に鑑み、太陽電池用シリコンを冶金プロセスのみで製造
する方法を改良し、さらに効率良く(時間短縮と目標純
度の達成)、且つ製造コストが低減できる「太陽電池用
シリコンの製造方法」を提供することを目的としてい
る。
に鑑み、太陽電池用シリコンを冶金プロセスのみで製造
する方法を改良し、さらに効率良く(時間短縮と目標純
度の達成)、且つ製造コストが低減できる「太陽電池用
シリコンの製造方法」を提供することを目的としてい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明者は、上記目的を達
成するため研究を重ね、出発原料である金属シリコンの
純度が、ロット間でかなりバラツクことに着眼した。つ
まり、出発原料の純度のバラツキをある範囲内に抑えれ
ば、その後の精製工程での負荷が減り、安定して目標純
度のシリコンが短い操業時間で得られると考えたのであ
る。そして、この考えを具現化するため、出発原料を金
属シリコン単味にするのではなく、それに混合する物質
と、その混合比の発見に鋭意努力し、本発明を完成させ
た。
成するため研究を重ね、出発原料である金属シリコンの
純度が、ロット間でかなりバラツクことに着眼した。つ
まり、出発原料の純度のバラツキをある範囲内に抑えれ
ば、その後の精製工程での負荷が減り、安定して目標純
度のシリコンが短い操業時間で得られると考えたのであ
る。そして、この考えを具現化するため、出発原料を金
属シリコン単味にするのではなく、それに混合する物質
と、その混合比の発見に鋭意努力し、本発明を完成させ
た。
【0008】すなわち、本発明は、金属シリコンを出発
原料とし、それが含有する不純物元素を、酸化精錬、真
空精錬及び凝固精製の工程を経て除去し、太陽電池用シ
リコンを製造するに際し、上記出発原料全体で不純物元
素の含有量が、P:30ppm以下、B:20ppm以
下、Al:1000ppm以下、Fe:1000ppm
以下、C:500ppm以下、Ti:60ppm以下に
なるよう、上記金属シリコンに、太陽電池用シリコンの
製造工程以外で発生したオフ・グレード・シリコンを混
合することを特徴とする太陽電池用シリコンの製造方法
である。
原料とし、それが含有する不純物元素を、酸化精錬、真
空精錬及び凝固精製の工程を経て除去し、太陽電池用シ
リコンを製造するに際し、上記出発原料全体で不純物元
素の含有量が、P:30ppm以下、B:20ppm以
下、Al:1000ppm以下、Fe:1000ppm
以下、C:500ppm以下、Ti:60ppm以下に
なるよう、上記金属シリコンに、太陽電池用シリコンの
製造工程以外で発生したオフ・グレード・シリコンを混
合することを特徴とする太陽電池用シリコンの製造方法
である。
【0009】また、本発明は、上記各不純物元素が、そ
れぞれ出発原料のロット間平均値の±20%以内になる
ようにすることを特徴とする太陽電池用シリコンの製造
方法である。さらに、本発明では、上記金属シリコン
に、太陽電池用シリコン以外の製造工程で発生したオフ
・グレード・シリコン及び本太陽電池用シリコンの製造
工程で発生したオフ・グレード・シリコンを混合するこ
とを特徴とする太陽電池用シリコンの製造方法である。
れぞれ出発原料のロット間平均値の±20%以内になる
ようにすることを特徴とする太陽電池用シリコンの製造
方法である。さらに、本発明では、上記金属シリコン
に、太陽電池用シリコン以外の製造工程で発生したオフ
・グレード・シリコン及び本太陽電池用シリコンの製造
工程で発生したオフ・グレード・シリコンを混合するこ
とを特徴とする太陽電池用シリコンの製造方法である。
【0010】本発明では、太陽電池用シリコンを上記の
ようにして製造するようにしたので、出発原料の純度の
変動が低減され、その後の精製での負荷が減少するよう
になる。その結果、精製操業が安定し、目標純度の達成
を従来より短時間で行えるようになり、シリコン・イン
ゴットの生産性が向上し、且つ製造コストも低減した。
ようにして製造するようにしたので、出発原料の純度の
変動が低減され、その後の精製での負荷が減少するよう
になる。その結果、精製操業が安定し、目標純度の達成
を従来より短時間で行えるようになり、シリコン・イン
ゴットの生産性が向上し、且つ製造コストも低減した。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明に至る経緯も含め、
本発明の内容を説明する。従来、珪石を炭材で還元して
製造する金属シリコンは、使用する珪石に高純度のもの
を選択しているが、含有する不純物元素はかなり変動す
る。しかも、各不純物元素のそれぞれの平均値は、珪石
の産地によって変化し、ロット間平均値に対して±40
%は変化する。
本発明の内容を説明する。従来、珪石を炭材で還元して
製造する金属シリコンは、使用する珪石に高純度のもの
を選択しているが、含有する不純物元素はかなり変動す
る。しかも、各不純物元素のそれぞれの平均値は、珪石
の産地によって変化し、ロット間平均値に対して±40
%は変化する。
【0012】かかる金属シリコンを出発原料に用いて、
本出願人が先に提案した図1に示す冶金的プロセスで太
陽電池用シリコンを製造すると、例えば酸化精錬による
脱Bや真空精錬による気化脱Pに要する時間が、金属シ
リコンの初期濃度によって大幅に変化する。つまり、図
3に記号ta ,tb で示すように、破線で示す不純物元
素の精製目標値への到達時間が、出発原料の金属シリコ
ンの初期濃度によって大幅に差が生じる。これは、金属
シリコン中の不純物元素が、本来、除去が難しい上に、
非常に低濃度での除去作業であるから、除去対象成分の
大小が精錬負荷に大きく影響するためと考えられる。
本出願人が先に提案した図1に示す冶金的プロセスで太
陽電池用シリコンを製造すると、例えば酸化精錬による
脱Bや真空精錬による気化脱Pに要する時間が、金属シ
リコンの初期濃度によって大幅に変化する。つまり、図
3に記号ta ,tb で示すように、破線で示す不純物元
素の精製目標値への到達時間が、出発原料の金属シリコ
ンの初期濃度によって大幅に差が生じる。これは、金属
シリコン中の不純物元素が、本来、除去が難しい上に、
非常に低濃度での除去作業であるから、除去対象成分の
大小が精錬負荷に大きく影響するためと考えられる。
【0013】そこで、発明者は、前記半導体製造プロセ
スで発生する純度が既知で、且つ高純度のオフ・グレー
ド・シリコンを、金属シリコンに混合し、出発原料の不
純物元素の濃度を調整するようにした。つまり、出発原
料をシリコン単味とするのではなく、高純度のオフ・グ
レード・シリコンをできるだけ少ない量混合して、その
純度を調整するのである。
スで発生する純度が既知で、且つ高純度のオフ・グレー
ド・シリコンを、金属シリコンに混合し、出発原料の不
純物元素の濃度を調整するようにした。つまり、出発原
料をシリコン単味とするのではなく、高純度のオフ・グ
レード・シリコンをできるだけ少ない量混合して、その
純度を調整するのである。
【0014】その調整理由は、P:30ppm以下、
B:20ppm以下、Al:1000ppm以下、F
e:1000ppm以下、C:500ppm以下及びT
i:60ppm以下でないと、図1の工程がうまく機能
せず、例えば1つの工程の処理時間が他よりも良くな
り、各工程の処理能力に過不足が生じるからである。ま
た、本発明では、各不純物元素の濃度を、それぞれ出発
原料のロット平均値の±20%以内になるようにするの
が好ましい。その理由は、+20%を超えると、除去す
べき不純物元素の量が多く、その精製に要する時間が大
きくなり過ぎるからである。例えば、ボロンを水蒸気を
付加したプラズマ・ガスで酸化除去するだけで、5時間
もかかる。一方、−20%を下方に超えると、半導体製
造プロセスで発生したスクラップの使用量が増え過ぎ、
その量が枯渇している現在では好ましくないからであ
る。
B:20ppm以下、Al:1000ppm以下、F
e:1000ppm以下、C:500ppm以下及びT
i:60ppm以下でないと、図1の工程がうまく機能
せず、例えば1つの工程の処理時間が他よりも良くな
り、各工程の処理能力に過不足が生じるからである。ま
た、本発明では、各不純物元素の濃度を、それぞれ出発
原料のロット平均値の±20%以内になるようにするの
が好ましい。その理由は、+20%を超えると、除去す
べき不純物元素の量が多く、その精製に要する時間が大
きくなり過ぎるからである。例えば、ボロンを水蒸気を
付加したプラズマ・ガスで酸化除去するだけで、5時間
もかかる。一方、−20%を下方に超えると、半導体製
造プロセスで発生したスクラップの使用量が増え過ぎ、
その量が枯渇している現在では好ましくないからであ
る。
【0015】また、本発明では、半導体製造プロセスで
発生したシリコン・スクラップと同時に、この冶金プロ
セス自体で発生する高純度のシリコン・スクラップを併
用するようにもした。それによって、半導体製造プロセ
スで発生したシリコン・スクラップの使用量を低減する
のである。
発生したシリコン・スクラップと同時に、この冶金プロ
セス自体で発生する高純度のシリコン・スクラップを併
用するようにもした。それによって、半導体製造プロセ
スで発生したシリコン・スクラップの使用量を低減する
のである。
【0016】
【実施例】不純物元素濃度が異なる多数の金属シリコン
のロットに、本発明に係る太陽電池用シリコンの製造方
法を適用した。つまり、これらロットに半導体製造時、
あるいは他の用途に用いるシリコンの製造時に発生し
た、純度が既知で高純度のオフ・グレード・シリコン及
び/又は本発明の実施で得た高純度のシリコンを混合
し、出発原料としての不純物元素濃度を調整した。その
結果を表1に示す。なお、表2は、使用した上記オフ・
グレード・シリコンの不純物元素の濃度である。また、
比較例として、元のままの金属シリコンのロットを用い
た太陽電池用シリコンの製造も行った。
のロットに、本発明に係る太陽電池用シリコンの製造方
法を適用した。つまり、これらロットに半導体製造時、
あるいは他の用途に用いるシリコンの製造時に発生し
た、純度が既知で高純度のオフ・グレード・シリコン及
び/又は本発明の実施で得た高純度のシリコンを混合
し、出発原料としての不純物元素濃度を調整した。その
結果を表1に示す。なお、表2は、使用した上記オフ・
グレード・シリコンの不純物元素の濃度である。また、
比較例として、元のままの金属シリコンのロットを用い
た太陽電池用シリコンの製造も行った。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】そして、表1の出発原料で、図1に示した
冶金プロセスを用いて、順次、真空精錬(例えば、減圧
下の気化脱P及び脱O)、粗凝固精製(Fe,Ti,A
l,Caのような不純物金属元素の一方向凝固)、酸化
精錬(例えば、水蒸気を付加したプラズマ・ガスによる
ボロン及び炭素の酸化除去)及び仕上凝固精製(上記不
純物金属元素の一方向凝固)を施し、それぞれの場合に
ついて太陽電池用シリコンのインゴットを製造した。こ
のインゴットは、冷却後、その上部20%を切断除去
し、残部から採取した試料で、各不純物元素量を分析し
た。製造結果は、酸化精錬から仕上凝固精製までの時間
(トータルの精製時間)と不純物濃度で評価し、表3に
示す。
冶金プロセスを用いて、順次、真空精錬(例えば、減圧
下の気化脱P及び脱O)、粗凝固精製(Fe,Ti,A
l,Caのような不純物金属元素の一方向凝固)、酸化
精錬(例えば、水蒸気を付加したプラズマ・ガスによる
ボロン及び炭素の酸化除去)及び仕上凝固精製(上記不
純物金属元素の一方向凝固)を施し、それぞれの場合に
ついて太陽電池用シリコンのインゴットを製造した。こ
のインゴットは、冷却後、その上部20%を切断除去
し、残部から採取した試料で、各不純物元素量を分析し
た。製造結果は、酸化精錬から仕上凝固精製までの時間
(トータルの精製時間)と不純物濃度で評価し、表3に
示す。
【0020】表3より、出発原料を金属シリコン単味に
していた比較例に比較し、本発明の実施成績は、トータ
ルの精製時間が35〜47%も短縮していることがわか
る。
していた比較例に比較し、本発明の実施成績は、トータ
ルの精製時間が35〜47%も短縮していることがわか
る。
【0021】
【表3】
【0022】
【発明の効果】以上述べたように、本発明により、太陽
電池用シリコンが、従来より短時間で安定して製造でき
るようになった。その結果、シリコンの製造コストの低
減が達成され、安価な太陽電池用シリコン基板が入手で
きるようになった。
電池用シリコンが、従来より短時間で安定して製造でき
るようになった。その結果、シリコンの製造コストの低
減が達成され、安価な太陽電池用シリコン基板が入手で
きるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る太陽電池用シリコンの製造方法で
利用する工程のフロー・チャートである。
利用する工程のフロー・チャートである。
【図2】従来の態様電池用シリコンの製造工程を示すフ
ロー・チャートである。
ロー・チャートである。
【図3】図1の酸化精錬あるいは真空精錬での不純物元
素の経時変化を示す模式図である。
素の経時変化を示す模式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 馬場 裕幸 千葉市中央区川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究所内 (72)発明者 阪口 泰彦 千葉市中央区川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究所内
Claims (3)
- 【請求項1】 金属シリコンを出発原料とし、それが含
有する不純物元素を、酸化精錬、真空精錬及び凝固精製
の工程を経て除去し、太陽電池用シリコンを製造するに
際し、 上記出発原料の不純物元素の含有量が、P:30ppm
以下、B:20ppm以下、Al:1000ppm以
下、Fe:1000ppm以下、C:500ppm以
下、Ti:60ppm以下になるよう、上記金属シリコ
ンに、太陽電池用シリコン以外の製造工程で発生したオ
フ・グレード・シリコンを混合することを特徴とする太
陽電池用シリコンの製造方法。 - 【請求項2】 上記各不純物元素が、それぞれ出発原料
のロット間平均値の±20%以内になるようにすること
を特徴とする請求項1記載の太陽電池用シリコンの製造
方法。 - 【請求項3】 上記金属シリコンに、太陽電池用シリコ
ン以外の製造工程で発生したオフ・グレード・シリコン
及び本太陽電池用シリコンの製造工程で発生したオフ・
グレード・シリコンを混合することを特徴とする請求項
1又は2記載の太陽電池用シリコンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4612297A JPH10236815A (ja) | 1997-02-28 | 1997-02-28 | 太陽電池用シリコンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4612297A JPH10236815A (ja) | 1997-02-28 | 1997-02-28 | 太陽電池用シリコンの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10236815A true JPH10236815A (ja) | 1998-09-08 |
Family
ID=12738196
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4612297A Withdrawn JPH10236815A (ja) | 1997-02-28 | 1997-02-28 | 太陽電池用シリコンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10236815A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008149985A1 (ja) | 2007-06-08 | 2008-12-11 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | 金属珪素の凝固方法 |
WO2009130409A1 (fr) * | 2008-04-11 | 2009-10-29 | Apollon Solar | Procédé de fabrication de silicium cristallin de qualité photovoltaïque par ajout d'impuretés dopantes et cellule photo voltaïque |
KR101496396B1 (ko) * | 2011-10-17 | 2015-02-26 | 실트로닉 아게 | P형 실리콘 단결정 및 그 제조 방법 |
JP2021006492A (ja) * | 2019-06-28 | 2021-01-21 | 三菱マテリアル株式会社 | トリクロロシランの製造方法 |
-
1997
- 1997-02-28 JP JP4612297A patent/JPH10236815A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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