JPH10236392A - 小型船舶の燃料供給装置 - Google Patents

小型船舶の燃料供給装置

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JPH10236392A
JPH10236392A JP9045856A JP4585697A JPH10236392A JP H10236392 A JPH10236392 A JP H10236392A JP 9045856 A JP9045856 A JP 9045856A JP 4585697 A JP4585697 A JP 4585697A JP H10236392 A JPH10236392 A JP H10236392A
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hull
pump
supply device
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Shigeyuki Ozawa
重幸 小澤
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Yamaha Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 波の衝突による振動,衝撃に対する高圧燃料
供給管の耐久性を確保でき、かつエンジン熱による悪影
響を回避できるとともに、重量バランスを良好にできる
小型船舶の燃料供給装置を提供する。 【解決手段】 略水密に形成された船体2内に弾性部材
を介して搭載されたエンジン9の前方に燃料タンク10
を配置し、船外の空気を船体2内に導入する吸気ダクト
20の下端を船体2内に開口させた小型船舶の燃料供給
装置において、上記エンジン9に燃料を噴射供給する燃
料噴射弁51及び該燃料噴射弁51に燃料を加圧して供
給する燃料ポンプ52を該エンジン9に取り付け、該燃
料ポンプ52からの燃料を該燃料噴射弁51に供給する
高圧燃料供給管56と、余剰燃料を燃料タンクに戻す燃
料戻し管60とを設けるとともに、該燃料戻し管60の
少なくとも一部を上記吸気ダクト20の船内開口20b
から上記エンジン9の吸気口までの船体前後方向の空気
流経路内に位置させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、略水密構造の船体
を有する小型船舶におけるエンジンへの燃料供給装置に
関し、特に燃料噴射弁を採用する場合の燃料ポンプの配
置構造に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、船底から吸い込んだ水をインペラ
で加圧して船尾後方に噴射することにより水上を滑走す
るようにした水上オートバイが実用に供されている。こ
の水上オートバイでは、船底に衝突した波により船体が
ジャンプしたり、あるいは極端な場合には転覆したりす
ることがある。このため船体を略水密に形成して水の進
入を防止するとともに、該船体内にエンジンを弾性支持
して波の衝突による振動,衝撃を緩和する構造が一般的
である。
【0003】一方、上記水上オートバイにおいては、燃
費の向上,排気ガスの浄化を図る観点からエンジンに燃
料を噴射供給する燃料噴射弁の採用が検討されている。
この燃料噴射弁を採用するにあたっては、燃料タンクの
燃料を加圧する燃料ポンプと、該燃料ポンプからの高圧
燃料を上記燃料噴射弁に供給する高圧燃料供給管とを配
設する必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記燃料噴射
弁を採用する場合、上述のように船体のジャンプに伴っ
てエンジンが揺動することから、燃料ポンプの配置構造
の如何によっては上記高圧燃料供給管に無理な力が加わ
り、耐久性が低下するという懸念がある。
【0005】また船体内に燃料ポンプを配置する場合、
配置位置の如何によってはエンジン熱等による悪影響を
受けるおそれがあり、さらには船体の重量バランスが損
なわれ、旋回性能に影響を与えるという問題が懸念され
る。
【0006】本発明は、このような状況に鑑みてなされ
たもので、波の衝突による振動,衝撃に対する高圧燃料
供給管の耐久性を確保でき、かつエンジン熱による悪影
響を回避できるとともに、重量バランスを良好にできる
小型船舶の燃料供給装置を提供することを目的としてい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、略水
密に形成された船体内に弾性部材を介して搭載されたエ
ンジンの前方に燃料タンクを配置し、船外の空気を船体
内に導入する吸気ダクトの下端を船体内に開口させた小
型船舶の燃料供給装置において、上記エンジンに燃料を
噴射供給する燃料噴射弁及び該燃料噴射弁に燃料を加圧
して供給する燃料ポンプを該エンジンに取り付け、該燃
料ポンプからの燃料を該燃料噴射弁に供給する高圧燃料
供給管と、余剰燃料を燃料タンクに戻す燃料戻し管とを
設けるとともに、該燃料戻し管の少なくとも一部を上記
吸気ダクトの船内開口から上記エンジンの吸気口までの
船体前後方向の空気流経路内に位置させたことを特徴と
している。
【0008】請求項2の発明は、請求項1において、上
記エンジンはクランク軸を船体前後方向に向けて搭載さ
れており、上記燃料ポンプは上記エンジンの前端部に固
定され、かつ上記クランク軸の前端部で駆動されること
を特徴としている。
【0009】請求項3の発明は、請求項1において、上
記エンジンはクランク軸を船体前後方向に向けて搭載さ
れており、該クランク軸と該クランク軸により回転駆動
される推進軸とで動力伝達軸が構成されており、上記燃
料ポンプが該動力伝達軸で駆動ることを特徴としてい
る。
【0010】請求項4の発明は、請求項3において、上
記燃料ポンプはエンジンの後端部に固定されており、上
記吸気ダクトの船内開口は該エンジンの後方に配置され
ていることを特徴としている。
【0011】請求項5の発明は、請求項1ないし4の何
れかにおいて、上記燃料ポンプは、上記エンジンが船体
に対して最も低い位置に移動した状態でも上記吸気ダク
トの船内開口より上方に位置するように配置されている
ことを特徴としている。
【0012】請求項6の発明は、請求項1ないし5の何
れかにおいて、船底に溜まった水を船外に排出する排水
装置を備えており、上記燃料ポンプは上記エンジンが船
体に対して最も低い位置に移動した状態でも上記排水装
置のビルジ吸込口より上方に位置するように配置されて
いることを特徴としている。
【0013】請求項7の発明は、請求項1において、上
記燃料タンクは、第1燃料タンクと該第1燃料タンクよ
り容量の小さい第2燃料タンクとで構成されており、該
第2燃料タンクを第1燃料タンクと燃料ポンプとを接続
する燃料供給管の途中に介設し、上記第2燃料タンク内
の燃料を上記燃料ポンプに送る低圧燃料ポンプを該第2
燃料タンク内に配置し、該第2燃料タンクに上記燃料戻
り管を接続したことを特徴としている。
【0014】請求項8の発明は、請求項7において、上
記第2燃料タンクがエンジンに取り付けられていること
を特徴としている。
【0015】請求項9の発明は、請求項7において、上
記第2燃料タンクが船体の内壁に取り付けられているこ
とを特徴としている。
【0016】請求項10の発明は、略水密に形成された
船体内にエンジンをクランク軸を船体前後方向に向けて
搭載し、船体前後方向中心線の上方に船体前後方向に延
びる跨座式シートを配設した小型船舶の燃料供給装置に
おいて、上記エンジンに燃料を噴射供給する燃料噴射弁
及び該燃料噴射弁に燃料タンク内の燃料を加圧して供給
する燃料ポンプを設け、上記エンジンにより駆動される
発電機を設け、上記燃料ポンプ,発電機を上記船体中心
線の一側,他側に振り分け配置するとともに上記エンジ
ンに取り付けたことを特徴としている。
【0017】なお、燃料ポンプ,発電機を船体中心線の
一側,他側に振り分け配置するとは、燃料ポンプ,発電
機の少なくとも回転中心が一側,他側に位置しておれば
良い。また、燃料ポンプが複数設けられている場合は、
少なくともそのうちの1つが上述のように振り分け配置
されておれば良い。
【0018】請求項11の発明は、請求項10におい
て、船外の空気を船体内に導入する吸気ダクトの下端が
船体内に開口しており、上記発電機は上記吸気ダクトの
船内開口より上方に位置するように配置されていること
を特徴としている。
【0019】請求項12の発明は、請求項10又は11
において、船底に溜まった水を船外に排出する排水装置
を備えており、上記発電機は上記排水装置のビルジ吸込
口より上方に位置するように配置されていることを特徴
としている。
【0020】請求項13の発明は、請求項10ないし1
2の何れかにおいて、上記発電機は、発電コイルを収容
するケーシングの周囲に冷却水ジャケットを備えている
ことを特徴としている。
【0021】請求項14の発明は、略水密に形成された
船体内にエンジンをクランク軸を船体前後方向に向けて
搭載し、船体前後方向中心線の上方に船体前後方向に延
びる跨座式シートを配設し、上記エンジンに接続された
排気管の途中にウォータロックを介設し、該ウォータロ
ックを上記船体中心線の一側に配置した小型船舶の燃料
供給装置において、上記エンジンに燃料を噴射供給する
燃料噴射弁及び該燃料噴射弁に燃料タンク内の燃料を加
圧して供給する燃料ポンプを設け、該燃料ポンプを上記
船体中心線の他側に配置したことを特徴としている。
【0022】請求項15の発明は、略水密に形成された
船体内にエンジンをクランク軸を船体前後方向に向け
て、かつ気筒軸を船体前後方向中心線の一側に傾斜させ
て搭載し、上記中心線の上方に船体前後方向に延びる跨
座式シートを配設した小型船舶の燃料供給装置におい
て、上記エンジンに燃料を噴射供給する燃料噴射弁及び
該燃料噴射弁に燃料タンク内の燃料を加圧して供給する
燃料ポンプを設け、該燃料ポンプを上記船体中心線の他
側に配置したことを特徴としている。
【0023】請求項14,15において、燃料ポンプを
上記船体中心線の他側に配置するとは、燃料ポンプが複
数個設けられている場合は、少なくともそのうちの1つ
が他側に配置されておれば良く、また、回転軸に設けた
プーリによって駆動される燃料ポンプの場合は、回転軸
の中心が他側に配置されておれば良い。
【0024】請求項16の発明は、請求項7において、
上記低圧燃料ポンプを、エンジン回転によらず時間当た
りほぼ一定量の燃料を吐出する電磁ポンプで構成する一
方、上記燃料ポンプを、エンジンの回転数に応じて燃料
吐出量が変化するプランジャーポンプで構成し、低圧燃
料ポンプと燃料ポンプとを繋ぐ燃料供給管に余剰燃料を
第2燃料タンクに戻す第2燃料戻し管を接続し、この第
2燃料戻し管の少なくとも一部を上記吸気ダクトの船内
開口からエンジンの吸気口までの船体前後方向の空気流
経路内に配置したことを特徴としている。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。図1ないし図3は、請求項
1,2,5,6,10,11,12の発明の一実施形態
(第1実施形態)による小型船舶の燃料供給装置を説明
するための図であり、図1,図2は本実施形態の燃料供
給装置が適用された水上オートバイの側面図,平面図、
図3はエンジンの正面図である。なお、本明細書におい
て前,後,左,右とはシートに着座した状態で見た場合
を意味する。
【0026】図において、1は通常水上オートバイと呼
ばれている小型船舶であり、該水上オートバイ1の船体
2はバスタブ状のハル3と蓋状のデッキ4とをガンネル
5で水密に結合し、該デッキ4の左, 右側縁に船体前後
方向に延びる足載部4a,4bを形成した構造のもので
ある。上記デッキ4の上面には複数の乗員が着座可能な
跨乗型シート6が取り外し可能に配設されており、該シ
ート6は上記船体2の前後方向船体中心線C上に配置さ
れている。また上記シート6の前方には操舵ハンドル7
が左, 右操向可能に配設されており、上記デッキ4の操
舵ハンドル7より前方にはハッチカバー8が開閉可能に
配設されている。
【0027】上記船体2内のシート6の下方部位にエン
ジン9が配設されており、該エンジン9の前方には燃料
タンク10が、後方には推進ユニット11がそれぞれ配
設されている。上記デッキ4のエンジン9上方部位には
メンテナンス開口4cが形成されており、該開口4cは
上記シート6で覆われている。
【0028】上記推進ユニット11は、船体2の後部
に、船底2aに開口する吸込口を有する推進ダクト12
を配設し、該推進ダクト12の後方に開口する吐出口に
船の進行方向を調整するノズルデフレクタ13を装着す
るとともに、該推進ダクト12の途中にインペラ14を
配設し、該インペラ15のインペラ軸(推進軸)15の
前端を上記エンジン9のクランク軸16の後端に動力伝
達部材としてのカップリング17を介して連結した構造
のものである。
【0029】上記船体2内には吸気ダクト20が配設さ
れている。該吸気ダクト20は船外の空気を船内に導入
するもので、該吸気ダクト20の空気導入口20aは操
舵ハンドル7の前方に開口しており、吐出口(船内開
口)20bはエンジン9の前方下部に開口している。
【0030】また上記エンジン9の後方には船底に溜ま
った水(ビルジ)を排出する排水装置のビルジストレー
ナ21が配置されており、該ビルジストレーナ21の吸
込口は船底2aに近接している。このビルジストレーナ
21にはビルジホース22が接続されており、該ビルジ
ホース22の延長端は上記推進ダクト12の負圧部分に
連通接続されている。この負圧により船底2a内に溜ま
った水はビルジストレーナ21を介して吸引され船外に
排出される。なお、上記ビルジホース22にビルジポン
プを接続して強制的に排水するようにしてもよい。
【0031】上記エンジン9は、水冷式2サイクル並列
2気筒エンジンであり、上記クランク軸16を上記船体
中心線C上にて船体前後方向に向けて船底2a上に搭載
されている。ここでエンジン9と船底2a上のブラケッ
トとの間には弾性部材23が介在されており、船体2に
波が衝突した場合の衝撃を上記弾性部材23により吸収
するように構成されている。また上記エンジン9の気筒
軸Aは正面から見て船体中心線Cと交差する垂直線Vに
対して約30度右側に傾斜している。
【0032】上記エンジン9は、クランクケース25上
に各気筒毎に独立のシリンダブロック26,シリンダヘ
ッド27,及びシリンダカバー28を順に積層結合して
おり、シリンダブロック26のシリンダボア26a内に
挿入配置されたピストン29はコンロッド30で上記ク
ランク軸16に連結されている。このクランク軸16は
上記クランクケース25の各気筒用クランク室25aを
貫通するように配置されており、該クランク軸16の
前,後両端部はクランクケース25から突出している。
【0033】上記シリンダヘッド27の下面にはシリン
ダボア26aとピストン29の頂面とで燃焼室を構成す
る燃焼凹部27aが凹設されており、該燃焼凹部27a
には点火プラグ31が挿着されている。また上記シリン
ダブロック26には各クランク室25aとシリンダボア
16aとを連通する複数の掃気ポート(不図示)が形成
されており、またシリンダブロック26のエンジン傾斜
側には下方に向かって開口する排気ポート26bが形成
されている。
【0034】上記クランクケース25の反傾斜側にはク
ランク室25aに連通する吸気ポート25bが形成され
ており、該吸気ポート25bにはリード弁33が配設さ
れている。このリード弁33は、ピストン上昇行程にお
いてクランク室25a内が所定値以上の負圧になると開
いて空気をクランク室25a内に導入し、該空気の導入
によりクランク室25a内の負圧が小さくなると閉じて
ピストン下降行程での空気の吹き返しを防止するための
ものである。
【0035】上記各吸気ポート25bにはスロットルボ
ディ34が接続されており、該スロットルボディ34内
にはスロットル弁駆動用リンク部材34bにより開閉す
るバタフライ式スロットル弁34aが配設されている。
この各スロットルボディ34の上流側には各気筒共通の
吸気サイレンサ35が船体前後方向に向けて接続されて
いる。この吸気サイレンサ35は箱状のもので、これの
前端下面には吸気入口35aが開口している。上記吸気
ポート25b,及びスロットルボディ34の軸心は上記
気筒軸Aと略直角をなす直線状をなしており、これによ
り吸気抵抗を軽減している。
【0036】上記シリンダブロック26の各排気ポート
26bには排気マニホールド36が接続されている。こ
の排気マニホールド36の下流側には排気膨張管37,
ウォータロック38,後部排気管39が順に接続されて
おり、上記各気筒からの排気ガスは船体後部の水中に排
出される。
【0037】上記排気マニホールド36は、分岐部36
a,36aと合流部36bとからなる二股状のもので、
上記分岐部36aが排気ポート26bに接続され、上記
合流部36bは径をテーパ状に徐々に大きくしつつ正面
視で右側下方の空間を通ってエンジン前側に延び該前側
にて斜め左上方に立ち上がっている。
【0038】上記合流部36bの立ち上がり部に上記排
気膨張管37がジョイント40を介して接続されてお
り、該排気膨張管37はエンジン9のシリンダブロック
26,シリンダヘッド27とスロットルボディ34,吸
気サイレンサ35とで形成された正面視略V字状の空間
を通って後方に延びており、その下流端に上記ウォータ
ロック38が接続されている。上記排気マニホールド3
6及び排気膨張管37は冷却ジャケット41,41を有
する水冷構造のもので、該各冷却ジャケット41を通っ
た冷却水は排気膨張管37の下流側部分で排気ガス中に
混入される。また上記排気膨張管37の途中には不図示
の触媒が配設されている。
【0039】上記クランク軸16の前端部にはフライホ
イールマグネット43が装着されており、該フライホイ
ールマグネット43はクランクケース25の前壁と該前
壁に着脱可能に装着されたカバー44とで形成された空
間内に収容配置されている。このフライホイールマグネ
ット43の外周に固着されたリングギヤ43aにはアイ
ドルギヤ45を介してスタータモータ46の駆動ギヤ4
6aが噛合可能となっている。このスタータモータ46
は上記クランクケース25の反傾斜側のスロットルボデ
ィ34の下方にてクランク軸16と平行に後方に延びる
ように配設固定されている。
【0040】また上記クランクケース25の傾斜側には
発電機(オルタネータ)47が配設されており、該発電
機47は排気マニホールド36の下方にてクランク軸1
6と平行に後方に延びるように配置され、かつ上記カバ
ー44で覆われている。この発電機47は、これの回転
軸47aに装着されたプーリ48と上記クランク軸16
の前端に装着された駆動プーリ49とを連結する駆動ベ
ルト50により回転駆動される。また上記発電機47の
回転軸47aは上記吸気ダクト20の空気吐出口20
b,及びビルジストレーナ21の吸込口より上方に位置
しており、かつエンジン9が上記弾性部材23の衝撃時
の収縮により船体2に対して最も下方に移動した状態で
も上記吐出口20b,吸込口より上方に位置するように
配設されている。
【0041】上記エンジン9は燃料供給装置を備えてい
る。この燃料供給装置は、主として上記各シリンダヘッ
ド27に燃焼凹部27a内に臨むように装着された高圧
式燃料噴射弁51,51と、該燃料噴射弁51に高圧燃
料を供給する高圧燃料ポンプ52とを備えている。ま
た、エンジン回転数センサ,スロットル弁開度センサ等
からの検出値に基づいて点火プラグ31の点火時期,及
び燃料噴射弁51の燃料噴射時期,噴射量を制御するE
CU53が設けられている。
【0042】上記各燃料噴射弁51は、クランク軸16
と平行に配置されたデリバリパイプ(燃料供給レール)
55に接続されている。該デリバリバイプ55の後端に
は高圧燃料供給管56の下流端が接続されており、該高
圧燃料供給管56の上流端は上記高圧燃料ポンプ52の
吐出口に接続されている。この高圧燃料供給管56はエ
ンジン傾斜側にて船体前後方向に延びるように配索さ
れ、下流側に配設されたフィルタ57を介して上記デリ
バリパイプ55の後端に接続されている。
【0043】上記高圧燃料ポンプ52の吸込口には可撓
性を有する低圧燃料供給管58の一端が接続されてお
り、該低圧燃料供給管58の他端は上記燃料タンク10
内の底部に配置された低圧ポンプ59に接続されてい
る。この低圧ポンプ59は、上記高圧燃料ポンプ52へ
の燃料を予圧することにより該高圧燃料ポンプ52の吸
込口でのキャビテーションの発生を防止している。上記
低圧ポンプ59の吐出圧は3Kg/cm2 程度に設定さ
れており、また上記高圧燃料ポンプ52の吐出圧は50
Kg/cm2 程度に設定されている。
【0044】なお、低圧式の燃料噴射弁を採用した場
合、あるいは燃料噴射弁を吸気通路,例えばスロットル
ボディに配設した場合には、吐出圧が3Kg/cm2
度の燃料ポンプと該燃料ポンプに燃料を圧送する2Kg
/cm2 程度の低圧ポンプがあればよい。
【0045】上記デリバリパイプ55の前端には燃料戻
し管60の一端が接続されており、該燃料戻し管60の
他端は燃料タンク10の上壁に接続されている。この燃
料戻し管60の上流端部には圧力調整弁61が介設され
ており、これにより燃料噴射弁51に供給される燃料圧
力を一定に調整するとともに、燃料の余剰分を燃料タン
ク10内に戻すようになっている。
【0046】また上記燃料戻し管60の一部は、吸気ダ
クト20の吐出口20bから吸気サイレンサ35の吸気
入口35aへの空気流の前後方向経路内に位置してお
り、かつ該燃料戻し管60の下流側には燃料クーラー6
2が配設されている。なお、上記燃料戻し管60を上記
デリバリパイプ55の下流端に接続したが、この燃料戻
し管60は上記デリバリパイプ55の上流側、あるいは
高圧燃料供給管56の途中に接続してもよい。
【0047】ここで吸気ダクトをエンジンの後方にも設
けた場合は、この吸気ダクトの吐出口から吸気サイレン
サの吸気入口への吸気流の経路内もしくは前方の吸気ダ
クト20の吐出口20bから吸気サイレンサの吐出入口
への吸気流の経路内に上記燃料戻し管60の一部を配置
すればよい。
【0048】上記高圧燃料ポンプ52は、エンジン9の
前壁でかつクランクケース25の上部に配設されてお
り、上記カバー44に船体前方に突出するようボルト締
め固定されている。この高圧燃料ポンプ52の駆動軸5
2aには従動プーリ65が上記カバー44内に臨むよう
に装着されており、該従動プーリ65には上記クランク
軸16に連結された駆動ベルト50が巻回されている。
なお、66は駆動ベルト50の張力を自動調整するオー
トテンショナである。
【0049】上記高圧燃料ポンプ52はこれの駆動軸5
2aが平面視で船体中心線Cより右側に位置するよう配
置されており、これにより該燃料ポンフ52と上記発電
機47とは船体中心線Cに対して左右に振り分け配置さ
れている。また高圧燃料ポンプ52は、吸気ダクト20
の吐出口20b,及びビルジストレーナ21の吸込口よ
り上方に位置しており、かつエンジン9が弾性部材23
の収縮により船体2に対して最も下方に移動した状態で
も、上記吐出口20bより上方に位置するように配設さ
れている。即ち、図1,図3に示すように、船体2のジ
ャンプ等によりエンジン9が最下端まで沈み込んだとき
に高圧燃料ポンプ52の下端縁B(二点鎖線で示す)が
上記吐出口20b,及びビルジストレーナ21より上方
に位置するように設定されている。
【0050】本実施形態の作用効果について説明する。
本水上オートバイ1のエンジン9では、ECU53によ
り、エンジン回転数,スロットル弁開度に応じて点火プ
ラグ31による点火時期及び燃料噴射弁51による燃料
噴射量,噴射時期が制御される。
【0051】そして本実施形態では、上記燃料噴射弁5
1をエンジン9に配設する場合に、高圧燃料ポンプ52
をエンジン9に取り付け、該高圧燃料ポンプ52から燃
料噴射弁51に高圧燃料を供給する高圧燃料供給管56
をエンジン9に沿って配索するとともに該エンジン9に
固定したので、波等の衝突による船体2の揺れに伴って
エンジン9が上下,左右に揺動した場合でも、上記高圧
燃料ポンプ52,高圧燃料供給管56に無理な力が加わ
るのを回避でき、これらの部品の耐久性を確保でき寿命
の延長を図ることができる。
【0052】また上記燃料噴射弁51を配置するにあた
って、燃料戻し管60の一部を吸気ダクト20の吐出口
20bから吸気サイレンサ35の吸気入口35aに流れ
る空気流経路内に位置させたので、吸気ダクト20から
吸気サイレンサ35に流れる空気流によって燃料戻し管
60内の昇温した燃料を冷却することができ、これによ
りパーコレーションの発生等の問題を防止できる。
【0053】さらに上記高圧燃料ポンプ52をエンジン
9の前壁部に前方に突出させて配置したので、該高圧燃
料ポンプ52はエンジン前方の空間に露出することとな
り、また該エンジン前方に開口する吸気ダクト20から
の空気を直接あてることができ、高圧燃料ポンプ52の
冷却性を向上でき、エンジン熱による悪影響を回避でき
る。
【0054】また上記高圧燃料ポンプ52をクランク軸
16の前端部に連結された駆動ベルト50により回転駆
動するようにしたので、発電機47の駆動用ベルトを共
用でき、高圧燃料ポンプ52の駆動機構を簡単な構造で
実現できる。
【0055】本実施形態では、上記高圧燃料ポンプ52
を吸気ダクト20の吐出口20b,及びビルジストレー
ナ21の吸込口より上方に配置したので、吸気ダクト2
0から流入した水や海水が燃料ポンプ52にかかるのを
防止でき、また船底2aに溜まった水等がかかるのを防
止できる。これにより錆びや腐食の発生を回避でき、燃
料ポンプ52の寿命の延長を図ることができる。
【0056】またエンジン9が船体2に対して最下位ま
で沈み込んだ状態でも上記高圧燃料ポンプ52は吸気ダ
クト20の吐出口20b,及びビルジストレーナ21の
吸込口より上方に位置しているので、エンジンが上下揺
動した場合でも燃料ポンプ52に水がかかり難く、この
点からも錆びや腐食の発生を防止できる。
【0057】本実施形態によれば、高圧燃料ポンプ52
と発電機47とを船体中心線Cに対して左右に振り分け
配置したので、該燃料ポンプ52を配置するにあたって
の左右の重量バランスを良好に保持でき、旋回性能を確
保できる。
【0058】なお、上記実施形態では、燃料ポンプ52
の駆動軸は船体中心線Cの一側に位置しているものの、
燃料ポンプ本体の一部が船体中心線Cの他側に配置され
ている。これに対し、燃料ポンプ52全体を船体中心線
Cの他側に配置することも可能であり、このようにすれ
ば船体の左右の重量バランスが一層良好になる。
【0059】また上記発電機47を吸気ダクト20の吐
出口20b,及びビルジストレーナ21の吸込口より上
方に配置したので、吸気ダクト20から流入した水や海
水が発電機47にかかるのを防止できるとともに、船底
2aに溜まった水等がかかるのを防止でき、錆びや腐食
の発生を回避できる。さらにエンジン9が最下位まで沈
み込んだ状態でも上記発電機47を吸気ダクト20の吐
出口20b,及びビルジストレーナ21の吸込口より上
方に位置させたので、エンジンが上下揺動した場合でも
水がかかり難く、錆びや腐食の発生を防止できる。
【0060】図4ないし図7は、請求項1,3〜6,1
0〜13の発明の一実施形態(第2実施形態)による水
上オートバイの燃料供給装置を説明するための図であ
り、図4,図5は本燃料供給装置が採用された水上オー
トバイの側面図,背面図、図6はエンジンの平面図、図
7は発電機の断面図である。図中、図1〜図3と同一符
号は同一又は相当部分を示す。
【0061】本実施形態の水上オートバイ1は、略水密
に形成された船体2内にエンジン70を弾性部材23を
介して搭載するとともに、該エンジン70の前方に燃料
タンク10を、また後方に推進ユニット11をそれぞれ
配設し、上記船体2のデッキ4の上面に跨乗式シート6
を配設して構成されており、基本的構造は上記第1実施
形態と略同様であることから、以下、異なる点について
説明する。
【0062】上記エンジン70は、2サイクル2気筒エ
ンジンであり、クランク軸16を船体前後方向に向ける
とともに、気筒軸を垂直方向に向けて配置されている。
該エンジン70のクランクケース25の右側壁にはクラ
ンク室に連通する吸気管71,スロットルボディ34,
吸気サイレンサ35が順次接続されており、シリンダブ
ロック26の左側壁には排気ポートに連通する排気マニ
ホールド36が接続されている。
【0063】上記エンジン70のクランク軸16の後端
には動力伝達部材としてのカップリング17を介してイ
ンペラ軸15の前端が同軸をなすように連結されてい
る。また上記エンジン70の後方下部には吸気ダクト7
2の空気吐出口(船内開口)72bが開口しており、該
吸気ダクト72の導入口72aはシート6下方に開口し
ている。
【0064】上記クランクケース25の右側壁の後端部
には発電機73がこれの回転軸73aを船体後方に向け
て配置固定されており、該発電機73は排気マニホール
ド36の下方に位置し、クランク軸16と平行になって
いる。上記発電機73は、図7に示すように、円筒状の
ケーシング73b内に発電コイル73cを有する回転軸
73aを収容配置してなり、該ケーシング73bの外周
壁に冷却水ジャケット73dが形成されている。
【0065】上記発電機73は、これの回転軸73aに
装着されたプーリ74とクランク軸16の後端のカップ
リング17の前側に位置してクランク軸16上に装着さ
れた駆動プーリ75とを連結する駆動ベルト76により
回転駆動される。この駆動ベルト76は不図示の着脱可
能のカバーにより覆われている。また上記発電機73は
吸気ダクト72の吐出口72b,及びビルジストレーナ
21の吸込口より上方に位置している。
【0066】上記エンジン70の燃料供給装置を構成す
る燃料噴射弁51はスロットル弁34a下流側の各吸気
管71に装着されており、高圧燃料ポンプ52はエンジ
ン70(シリンダブロック26)の後壁に後方に突出さ
せて配置固定されている。この高圧燃料ポンプ52は船
体中心線Cに対して右側に、また上記発電機73は左側
に振り分け配置されている。上記各燃料噴射弁51に接
続されたデリバリパイプ55の後端にはフィルタ57を
介して高圧燃料供給管56が、また前端には圧力調整弁
61を介して燃料戻し管60がそれぞれ接続されてい
る。また上記高圧燃料ポンプ52の吐出口には高圧燃料
供給管56が、さらに吸込口には低圧燃料供給管58が
それぞれ接続されており、基本的な燃料供給系統は上記
第1実施形態と同様である。
【0067】上記高圧燃料ポンプ52は、これの駆動軸
52aを船体前方,つまりエンジン70側に向けて配置
されており、該燃料ポンプ52はブラケット78を介し
てシリンダブロック26の後壁に固定されている。上記
高圧燃料ポンプ52の駆動軸52aには従動プーリ79
が装着されており、該従動プーリ79には上記駆動ベル
ト76が巻回されている。
【0068】上記高圧燃料ポンプ52は吸気ダクト72
の吐出口72b,及びビルジストレーナ21の吸込口よ
り上方に位置しており、かつエンジン70が船体2に対
して最も沈み込んだ状態においても上記吐出口,吸込口
より上方に位置するように配置されている。
【0069】本実施形態によれば、高圧燃料ポンプ52
をエンジン70に固定したので、エンジン70が揺動し
ても高圧燃料供給管56に無理な振動,衝撃が加わるこ
とはなく、上記高圧燃料供給管56の耐久性を向上で
き、上記第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0070】また上記高圧燃料ポンプ52をエンジン7
0の後壁に配置し、該燃料ポンプ52を駆動する駆動プ
ーリ75をクランク軸16の後端とカップリング17と
の間に配置したので、動力伝達軸上のデッドスペースを
利用して駆動プーリ75を配置でき、駆動用軸部材を別
途設ける必要がなく、駆動構造を簡単にできる。
【0071】さらに上記高圧燃料ポンプ52をエンジン
70の後壁に後方に突出させて配置したので、エンジン
後方に開口する吸気ダクト72からの空気により冷却す
ることができ、エンジン熱による悪影響を回避できる。
さらに上記燃料ホンプ52をエンジン後壁に配置したこ
とにより、該燃料ポンプ52とデリバリパイプ55とを
接続する高圧燃料供給管56の配索長さを短くすること
ができ、この点からも耐久性を向上できる。
【0072】上記高圧燃料ポンプ52と発電機73とを
船体中心線Cに対して左右に振り分け配置したので、重
量バランスを良好にでき、旋回性能を確保できる。さら
に上記高圧燃料ポンプ52及び発電機73を吸気ダクト
72の吐出口72b,ビルジストレーナ21より上方に
位置させたので、水がかかるのを防止でき、上記第1実
施形態と同様の効果が得られる。
【0073】また上記発電機73のケーシング73bの
外周壁に冷却水ジャケット73dを形成したので、水入
りを防止しつつ発電コイル73cを冷却でき、排気熱に
よる悪影響を回避できる。
【0074】図8は、請求項1,5,7,8,16の発
明の一実施形態(第3実施形態)による水上オートバイ
の燃料供給装置を説明するための図である。図中、図
1,図4と同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0075】本実施形態の水上オートバイ1は、略水密
に形成された船体2内にエンジン80を弾性部材23を
介して搭載するとともに、該エンジン80の前方に第1
燃料タンク10を弾性部材81を介して搭載し、上記エ
ンジン80の前方,及び後方にそれぞれ吸気ダクト2
0,72の吐出口20b,72bを開口したもので、基
本的構造は上記第1,第2実施形態と同様であり、以
下、異なる部分について説明する。
【0076】上記エンジン80の燃料供給装置は、第1
燃料タンク10内の底部に配置され、該タンク10内の
燃料を吸い上げる第1低圧ポンプ82と、該低圧ポンプ
82より吸い上げた燃料を貯溜する第2燃料タンクとし
てのベーパセパレータ83と、該ベーパセパレータ83
内に収容され、該ベーパセパレータ83内の燃料を予圧
する第2低圧ポンプ84と、該第2低圧ポンプ84によ
り予圧された燃料をさらに加圧してデリバリパイプ55
に供給する高圧燃料ポンプ52とを備えている。
【0077】ここで上記第2低圧ポンプ84はウエスコ
式の電磁ポンプであり、エンジン回転数に関係なく時間
当たり一定量の燃料を吐出する。すなわち、エンジンの
低回転時においてもエンジンの高回転時に必要な燃料に
見合うだけの多量の燃料を吐出している。
【0078】なお、上記第2低圧ポンプ84の吐出量を
エンジン回転数に応じて数段階に切り換わるようにして
もよい。例えば、低回転時の吐出量が少なく、高回転時
の吐出量が多くなるように吐出量を2段階に切り換える
ように構成しても良い。
【0079】一方、上記高圧燃料ポンプ52はプランジ
ャーポンプであり、エンジンの回転数に応じて燃料吐出
量が変化する。すなわち、エンジンの回転数の増加にほ
ぼ比例して燃料吐出量が次第に増える。
【0080】上記第1低圧ポンプ82の吐出圧は2Kg
/cm2 程度に設定されており、該低圧ポンプ82と上
記ベーパセパレータ83とは低圧燃料供給管85により
連通接続されている。また上記第2低圧ポンプ84の吐
出圧は3Kg/cm2 程度に設定されており、該第2低
圧ポンプ84と高圧燃料ポンプ52とは予圧燃料供給管
86により連通接続されている。
【0081】上記高圧燃料ポンプ52の吐出圧は50K
g/cm2 程度に設定されており、該高圧燃料ポンプ5
2とデリバリパイプ55とはフィルタ57を介在させて
高圧燃料供給管56により連通接続されている。上記高
圧燃料ポンプ52はエンジン80の後壁に固定され、ク
ランク軸16の後端に巻回された駆動ベルト76により
回転駆動されるようになっており、上記第2実施形態と
同様の構造を有している。
【0082】また上記予圧燃料供給管86の途中には余
剰燃料をベーパーセパレータ83に戻す第2燃料戻し管
86aの上流端が接続されており、該第2燃料戻し管8
6aの下流端は上記ベーパセパレータ83の上部に接続
されている。なお、86bは燃料クーラである。上記第
2燃料戻し管86aは吸気ダクト20,72からエンジ
ンへの空気流の経路内に位置している。
【0083】上述のように第2低圧ポンプ84は低回転
時においても高回転時に必要な燃料に見合うだけの多量
の燃料を吐出しているのに対して、高圧燃料ポンプ52
は低回転時は吐出量が少ないため、エンジンの低回転時
ほど多量の燃料が上記第2燃料戻し管86aを通ってベ
ーパーセパレータ83に戻される。
【0084】また上記予圧燃料供給管86の途中には燃
料中に混入した水分(海水)を除去するための水分離フ
ィルタ86cが設けられている。
【0085】また上記デリバリパイプ55の下流端には
圧力調整弁61を介在させて燃料戻し管60が接続され
ており、該燃料戻し管60は上記ベーパセパレータ83
に連通接続されている。上記燃料タンク10及びベーパ
セパレータ83にはそれぞれブローバイガス通路87が
連通接続されており、該ブローバイガス通路87の延長
端は船外もしくは吸気サイレンサ35内に開口してい
る。また上記ブローバイガス通路87に途中には転覆時
に燃料の流出を防止するロールオーババルブ88が介設
されている。
【0086】上記ベーパセパレータ83の側部にはオイ
ルポンプ89が配置されている。該オイルポンプ89か
らの潤滑油は上記ベーパセパレータ83内の燃料に供給
されるようになっており、これにより燃料中に混入した
水や海水によって燃料噴射弁51の噴射口が錆びたり,
腐食したりするのを防止している。
【0087】上記ベーパセパレータ83の燃料容量は第
1燃料タンク10の容量より小さく設定されており、具
体的には第1燃料タンク10が40〜60リットルであ
るのにに対してベーパセパレータ83は約1リットルと
なっている。そして上記ベーパセパレータ83はエンジ
ン80の前壁に配置固定されており、該ベーパセパレー
タ83の前方には吸気ダクト20の吐出口20bが開口
している。
【0088】本実施形態によれば、低圧燃料ポンプ84
を、エンジン回転によらず時間当たりほぼ一定量の燃料
を吐出する電磁ポンプで構成する一方、燃料ポンプ52
を、エンジンの回転数に応じて燃料吐出量が変化するプ
ランジャーポンプで構成したので、低回転時であるほど
第2燃料戻し管86aを通ってベーパセパレータ83に
戻される余剰燃料の量が多くなる。一方、低回転時は吸
気ダクト20,72からエンジンに流れる空気の量も少
なく、この空気による燃料戻し管60内の燃料の冷却も
不十分になりがちでベーパーセパレータ83の温度が上
昇しがちであるが、第2燃料戻し管86aを吸気ダクト
20,72の船内開口20b,72bからエンジンの吸
気口までの船体前後方向の空気流経路内に配置したの
で、吸気ダクト20,72からエンジンに流れる空気に
よって第2燃料戻し管86a内を流れる燃料も冷却で
き、ベーパーセパレータ83内の燃料の温度をさらに低
く保って燃料ポンプ52におけるキャビテーションを一
層効果的に防止することができる。
【0089】また燃料を溜めるベーパーセパレータ83
と、発熱する高圧燃料ポンプ52をエンジンの前側と後
側に振り分けて配置したので、ベーパーセパレータ83
内の燃料が高圧燃料ポンプ52の熱によって暖められる
ことを防止できる。
【0090】また第1燃料タンク10と、該燃料タンク
より容量の小さいベーパセパレータ83とで構成し、該
ベーパセパレータ83内の燃料を燃料噴射弁51に供給
したので、燃料の残量が少なくなった状態において、波
等の衝突により船体2が大きく揺れても燃料に空気が混
入するのを防止でき、燃料噴射弁51への燃料供給を確
実に行うことができる。
【0091】また上記ベーパセパレータ83内に第2低
圧ポンプ84を収容するとともに、燃料戻し管60を接
続し、上記ベーパセパレータ83及び高圧燃料ポンプ5
2をエンジン80に固定したので、波等の衝突による船
体2のジャンプに伴ってエンジン80が揺動しても予圧
燃料供給管86,高圧燃料供給管56,及び燃料戻し管
60に無理な振動,衝撃が加わるのを回避でき、耐久性
を確保して寿命の延長を図ることができる。
【0092】上記ベーパセパレータ83をエンジン80
の前壁に固定し、これの前方に吸気ダクト20の吐出口
20bを配置したので、該吸気ダクト20からの空気に
よりベーパセパレータ83を冷却することができ、燃料
の温度上昇による気泡の発生を防止できる。
【0093】なお、上記各実施形態では、ベーパセパレ
ータ83をエンジン80に配置固定したが、図9に示す
ように、船体2の船底2a上に弾性部材90を介してベ
ーパセパレータ83を配置固定してもよく、このように
構成したのが請求項9の発明である。
【0094】図9の例では、ベーパセパレータ83を船
体2に配置したので、エンジンに配置する場合に比べて
エンジン重量を低減でき、エンジン80の上下揺動によ
る船体2への振動,衝撃力を緩和でき、船体2の耐久性
を高めることができる。
【0095】図10は、請求項14の発明の一実施形態
(第4実施形態)による水上オートバイの燃料供給装置
を説明するための図である。図中、図2と同一符号は同
一又は相当部分を示す。
【0096】本実施形態では、略水密に形成された船体
2内にエンジン100がクランク軸16を船体前後方向
に向けて搭載され、該エンジン100の前方に燃料タン
ク10が、また後方に推進ユニット11が配設されてい
る。
【0097】上記船体2の幅方向船体中心線C上にクラ
ンク軸16,インペラ軸15が配置されており、また該
中心線C上方に不図示の跨座式シートが配設されてい
る。上記エンジン100の船体中心線Cの一側には排気
系101が、他側には吸気系102がそれぞれ振り分け
配置されている。この排気系101はエンジン側から排
気マニホールド36,排気膨張管37,ウォータロック
38を順次接続してなり、これらは船体中心線Cと略平
行をなすように前後方向に配置されている。
【0098】そして上記エンジン100の燃料供給装置
を構成する高圧燃料ポンプ52は上記船体中心線Cの他
側に位置するようエンジン100の前壁に固定されてい
る。これにより船体中心線Cを挟んだ一側にウォータロ
ック38が、他側に高圧燃料ポンプ52がそれぞれ振り
分け配置されている。
【0099】本実施形態では、高圧燃料ポンプ52を船
体中心線Cを挟んだウォータロック38の反対側に配設
したので、船体2の左右重量バランスを損なうことなく
重量物の高圧燃料ポンプ52を配置でき、旋回性能を確
保できる。
【0100】図11は、請求項15の発明の一実施形態
(第5実施形態)による水上オートバイの燃料供給装置
を説明するための図である。図中、図3と同一符号は同
一又は相当部分を示す。
【0101】本実施形態では、エンジン9はこれのクラ
ンク軸16を船体前後方向に向けるとともに、気筒軸A
をクランク軸及び船体中心線Cを通る垂直線Vより一側
に傾斜させて搭載されている。そして高圧燃料ポンプ5
2はこれの少なくとも駆動軸52aが垂直線Vの他側に
位置するようにエンジン9の前壁に固定されている。
【0102】本実施形態では、エンジン9の気筒軸Aを
垂直線Vに対して一側に傾斜させるとともに、該垂直線
Vの他側に高圧燃料ポンプ52を配置したので、エンジ
ン9の左右重量バランスを損なうことなく重量物の高圧
燃料ポンプ52を配置でき、旋回性能を確保できる。な
お、高圧燃料ポンプ52全体を上記他側に配置すれば上
記左右重量バランスがより一層良好となり、旋回性能を
向上できる。
【0103】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、エンジンに燃
料噴射弁を配置するにあたって燃料ポンプをエンジンに
固定し、該燃料ポンプと上記燃料噴射弁とを高圧燃料供
給管で接続したので、波の衝突による船体の揺れに伴っ
てエンジンが上下,左右に揺動した場合でも上記高圧燃
料供給管に衝撃や振動等の無理な力が加わるのを回避で
き、該高圧燃料供給管の耐久性を確保でき、寿命を延長
できる効果がある。
【0104】また余剰燃料を燃料タンクに戻す燃料戻し
管の少なくとも一部を吸気ダクトの船内開口とエンジン
吸気口との間の空気流経路内に配置したので、吸気ダク
トからエンジンに流れる空気によって燃料戻し管内の昇
温した燃料を冷却でき、パーコレーションの発生等の問
題を回避できる効果がある。
【0105】請求項2の発明では、燃料ポンプをエンジ
ンの前端部に取り付け、該燃料ポンプをクランク軸の前
端部で駆動するようにしたので、吸気ダクトからの空気
により燃料ポンプを冷却でき、エンジン熱による悪影響
を回避できる効果があり、また燃料ポンプの駆動機構の
構造を簡単にできる効果がある。
【0106】請求項3の発明では、クランク軸,推進軸
で構成される動力伝達軸で燃料ポンプを駆動するように
したので、動力伝達軸上のデットスペースを有効利用し
て駆動部材を配設でき、燃料ポンプの駆動機構の構造を
簡単にできる効果がある。
【0107】請求項4の発明では、燃料ポンプをエンジ
ンの後端部に取り付け、該エンジン後方に吸気ダクトの
船内開口を配置したので、吸気ダクトからの空気により
燃料ポンプを冷却でき、エンジン熱による悪影響を回避
できる効果がある。
【0108】請求項5の発明では、燃料ポンプをエンジ
ンが船体に対して最も低い位置まで移動した状態におい
ても吸気ダクトの船内開口より上方に位置するように配
置したので、エンジンが上下揺動した場合にも吸気ダク
トから進入した水が燃料ポンプにかかるのを回避でき、
錆びや腐食の発生を防止できる効果がある。
【0109】請求項6の発明では、燃料ポンプをエンジ
ンが船体に対して最も低い位置まで移動した状態におい
てもビルジ吸込口より上方に位置するように配置したの
で、船底に溜まった水が上記燃料ポンプにかかるのを回
避でき、錆びや腐食の発生を防止できる効果がある。
【0110】請求項7の発明では、燃料タンクを第1燃
料タンクと該第1燃料タンクより容量の小さい第2燃料
タンクとから構成し、該第2燃料タンク内の燃料を燃料
噴射弁に供給したので、燃料残量の少ない状態で船体が
揺れることにより燃料ポンプに吸い込まれる燃料に空気
が混入するのを防止でき、燃料噴射弁に燃料を確実に供
給できる効果がある。
【0111】また第2燃料タンク内に低圧燃料ポンプを
配置することによって第2燃料タンク内の燃料によって
低圧燃料ポンプが冷却されるため、燃料ポンプに送られ
る燃料の温度が下がり、燃料ポンプでのキャビテーショ
ンの発生を防止することができる。
【0112】さらにまた燃料ポンプを第2燃料タンクの
外に配置するとともに燃料ポンプで加圧された燃料のう
ち余剰分を第2燃料タンクに戻すようにしたので、加圧
されることによって昇温した余剰燃料は、燃料戻り管で
放熱するとともに第2燃料タンク内において、第1燃料
タンクから供給された冷えた燃料によって冷却されるの
で、第2燃料タンク内の燃料の温度を低く保つことがで
き、上記燃料ポンプにおけるキャビテーションを一層効
果的に防止することができる。
【0113】請求項8の発明では、上記第2燃料タンク
をエンジンに固定したので、波の衝突による船体の揺れ
に伴ってエンジンが上下,左右に揺動しても高圧燃料供
給管に衝撃や振動等の無理な力が加わるのを回避でき、
耐久性を確保して寿命を延長できる効果がある。
【0114】請求項9の発明では、上記第2燃料タンク
を船体の内壁に固定したので、エンンジンに固定する場
合に比べてエンジン重量を低減でき、エンジンの揺動に
よる船体の振動,衝撃を緩和でき、船体の耐久性を向上
できる効果がある。
【0115】請求項10の発明では、エンジンに燃料噴
射弁を配設するにあたって、該燃料噴射弁に高圧燃料を
供給する燃料ポンプと発電機とを船体中心線の一側,他
側に振り分け配置したので、船体の左右の重量バランス
を損なうことなく燃料ポンプ,発電機を配置でき、旋回
性能を確保できる効果がある。
【0116】請求項11の発明では、上記発電機を吸気
ダクトの船内開口より上方に配置したので、吸気ダクト
から進入した水が発電機にかかるのを回避でき、発電機
の錆や腐食の発生を防止できる効果がある。
【0117】請求項12の発明では、上記発電機をビル
ジ吸込口より上方に配置したので、船底に溜まった水が
発電機にかかるのを防止でき、発電機の錆や腐食の発生
を防止できる効果がある。
【0118】請求項13の発明では、上記発電機のケー
シングに発電コイルを囲む冷却水ジャケットを形成した
ので、発電コイルを冷却できる効果がある。
【0119】請求項14の発明では、エンジンに燃料噴
射弁を配設するにあたって、船体中心線の一側にウォー
タロックを配置し、上記燃料噴射弁に燃料を供給する燃
料ポンプを上記船体中心線の他側に配置したので、船体
の左右の重量バランスを損なうことなく燃料ポンプを配
置でき、旋回性能を良好に確保できる効果がある。
【0120】請求項15の発明では、エンジンに燃料噴
射弁を配置するにあたって、エンジンの気筒軸を船体中
心線の一側に傾斜させ、燃料噴射弁に燃料を供給する燃
料ポンプを上記船体中心線の他側に配置したので、エン
ジンの左右の重量バランスを損なうことなく燃料ポンプ
を配置でき、旋回性能を良好に確保できる効果がある。
【0121】請求項16の発明では、特にエンジンの低
回転時に多量の燃料が第2燃料戻し管を介して第2燃料
タンクに戻されるが、この第2燃料戻し管の少なくとも
一部を空気流経路内に位置させたので、上記空気流によ
り上記第2燃料戻し管内の燃料も冷却され、第2燃料タ
ンク内の燃料を低温に保つことができ、燃料ポンプにお
けるキャビテーションをより一層効果的に防止できる効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による水上オートバイの
燃料供給装置を説明するための側面図である。
【図2】上記水上オートバイの平面図である。
【図3】上記水上オートバイのエンジンの正面図であ
る。
【図4】本発明の第2実施形態による水上オートバイの
燃料供給装置を説明するための側面図である。
【図5】上記水上オートバイの背面図である。
【図6】上記水上オートバイのエンジンの平面図であ
る。
【図7】上記エンジンの発電機の断面図である。
【図8】本発明の第3実施形態による水上オートバイの
燃料供給装置を説明するための側面図である。
【図9】第3実施形態の変形例を説明するための側面図
である。
【図10】本発明の第4実施形態による水上オートバイ
の燃料供給装置を説明するための概略平面図である。
【図11】本発明の第5実施形態による水上オートバイ
の燃料供給装置を説明するための正面図である。
【符号の説明】
1 水上オートバイ(小型船
舶) 2 船体 6 跨乗式シート 9,70,80,100 エンジン 10 燃料タンク(第1燃料タン
ク) 15 インペラ軸(推進軸) 16 クランク軸 23 弾性部材 20,72 吸気ダクト 21 ビルジストレーナ 38 ウォータロック 47,73 発電機 51 燃料噴射弁 52 高圧燃料ポンプ 56 高圧燃料供給管 60 燃料戻し管 83 ベーパセパレータ(第2燃
料タンク) A 気筒軸 C 船体中心線

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略水密に形成された船体内に弾性部材を
    介して搭載されたエンジンの前方に燃料タンクを配置
    し、船外の空気を船体内に導入する吸気ダクトの下端を
    船体内に開口させた小型船舶の燃料供給装置において、
    上記エンジンに燃料を噴射供給する燃料噴射弁及び該燃
    料噴射弁に燃料を加圧して供給する燃料ポンプを該エン
    ジンに取り付け、該燃料ポンプからの燃料を該燃料噴射
    弁に供給する高圧燃料供給管と、余剰燃料を燃料タンク
    に戻す燃料戻し管とを設けるとともに、該燃料戻し管の
    少なくとも一部を上記吸気ダクトの船内開口から上記エ
    ンジンの吸気口までの船体前後方向の空気流経路内に位
    置させたことを特徴とする小型船舶の燃料供給装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、上記エンジンはクラ
    ンク軸を船体前後方向に向けて搭載されており、上記燃
    料ポンプは上記エンジンの前端部に固定され、かつ上記
    クランク軸の前端部で駆動されることを特徴とする小型
    船舶の燃料供給装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、上記エンジンはクラ
    ンク軸を船体前後方向に向けて搭載されており、該クラ
    ンク軸と該クランク軸により回転駆動される推進軸とで
    動力伝達軸が構成されており、上記燃料ポンプが該動力
    伝達軸で駆動ることを特徴とする小型船舶の燃料供給装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、上記燃料ポンプはエ
    ンジンの後端部に固定されており、上記吸気ダクトの船
    内開口は該エンジンの後方に配置されていることを特徴
    とする小型船舶の燃料供給装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4の何れかにおいて、上
    記燃料ポンプは、上記エンジンが船体に対して最も低い
    位置に移動した状態でも上記吸気ダクトの船内開口より
    上方に位置するように配置されていることを特徴とする
    小型船舶の燃料供給装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5の何れかにおいて、船
    底に溜まった水を船外に排出する排水装置を備えてお
    り、上記燃料ポンプは上記エンジンが船体に対して最も
    低い位置に移動した状態でも上記排水装置のビルジ吸込
    口より上方に位置するように配置されていることを特徴
    とする小型船舶の燃料供給装置。
  7. 【請求項7】 請求項1において、上記燃料タンクは、
    第1燃料タンクと該第1燃料タンクより容量の小さい第
    2燃料タンクとで構成されており、該第2燃料タンクを
    第1燃料タンクと燃料ポンプとを接続する燃料供給管の
    途中に介設し、上記第2燃料タンク内の燃料を上記燃料
    ポンプに送る低圧燃料ポンプを該第2燃料タンク内に配
    置し、該第2燃料タンクに上記燃料戻り管を接続したこ
    とを特徴とする小型船舶の燃料供給装置。
  8. 【請求項8】 請求項7において、上記第2燃料タンク
    がエンジンに取り付けられていることを特徴とする小型
    船舶の燃料供給装置。
  9. 【請求項9】 請求項7において、上記第2燃料タンク
    が船体の内壁に取り付けられていることを特徴とする小
    型船舶の燃料供給装置。
  10. 【請求項10】 略水密に形成された船体内にエンジン
    をクランク軸を船体前後方向に向けて搭載し、船体前後
    方向中心線の上方に船体前後方向に延びる跨座式シート
    を配設した小型船舶の燃料供給装置において、上記エン
    ジンに燃料を噴射供給する燃料噴射弁及び該燃料噴射弁
    に燃料タンク内の燃料を加圧して供給する燃料ポンプを
    設け、上記エンジンにより駆動される発電機を設け、上
    記燃料ポンプ,発電機を上記船体中心線の一側,他側に
    振り分け配置するとともに上記エンジンに取り付けたこ
    とを特徴とする小型船舶の燃料供給装置。
  11. 【請求項11】 請求項10において、船外の空気を船
    体内に導入する吸気ダクトの下端が船体内に開口してお
    り、上記発電機は上記吸気ダクトの船内開口より上方に
    位置するように配置されていることを特徴とする小型船
    舶の燃料供給装置。
  12. 【請求項12】 請求項10又は11において、船底に
    溜まった水を船外に排出する排水装置を備えており、上
    記発電機は上記排水装置のビルジ吸込口より上方に位置
    するように配置されていることを特徴とする小型船舶の
    燃料供給装置。
  13. 【請求項13】 請求項10ないし12の何れかにおい
    て、上記発電機は、発電コイルを収容するケーシングの
    周囲に冷却水ジャケットを備えていることを特徴とする
    小型船舶の燃料供給装置。
  14. 【請求項14】 略水密に形成された船体内にエンジン
    をクランク軸を船体前後方向に向けて搭載し、船体前後
    方向中心線の上方に船体前後方向に延びる跨座式シート
    を配設し、上記エンジンに接続された排気管の途中にウ
    ォータロックを介設し、該ウォータロックを上記船体中
    心線の一側に配置した小型船舶の燃料供給装置におい
    て、上記エンジンに燃料を噴射供給する燃料噴射弁及び
    該燃料噴射弁に燃料タンク内の燃料を加圧して供給する
    燃料ポンプを設け、該燃料ポンプを上記船体中心線の他
    側に配置したことを特徴とする小型船舶の燃料供給装
    置。
  15. 【請求項15】 略水密に形成された船体内にエンジン
    をクランク軸を船体前後方向に向けて、かつ気筒軸を船
    体前後方向中心線の一側に傾斜させて搭載し、上記中心
    線の上方に船体前後方向に延びる跨座式シートを配設し
    た小型船舶の燃料供給装置において、上記エンジンに燃
    料を噴射供給する燃料噴射弁及び該燃料噴射弁に燃料タ
    ンク内の燃料を加圧して供給する燃料ポンプを設け、該
    燃料ポンプを上記船体中心線の他側に配置したことを特
    徴とする小型船舶の燃料供給装置。
  16. 【請求項16】 請求項7において、上記低圧燃料ポン
    プを、エンジン回転によらず時間当たりほぼ一定量の燃
    料を吐出する電磁ポンプで構成する一方、上記燃料ポン
    プを、エンジンの回転数に応じて燃料吐出量が変化する
    プランジャーポンプで構成し、低圧燃料ポンプと燃料ポ
    ンプとを繋ぐ燃料供給管に余剰燃料を第2燃料タンクに
    戻す第2燃料戻し管を接続し、この第2燃料戻し管の少
    なくとも一部を上記吸気ダクトの船内開口からエンジン
    の吸気口までの船体前後方向の空気流経路内に配置した
    ことを特徴とする小型船舶の燃料供給装置。
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