JPH10236147A - 蓄熱式触媒装置 - Google Patents

蓄熱式触媒装置

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JPH10236147A
JPH10236147A JP4408897A JP4408897A JPH10236147A JP H10236147 A JPH10236147 A JP H10236147A JP 4408897 A JP4408897 A JP 4408897A JP 4408897 A JP4408897 A JP 4408897A JP H10236147 A JPH10236147 A JP H10236147A
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JP
Japan
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heat storage
heat
storage material
exhaust gas
engine
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JP4408897A
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English (en)
Inventor
Kenzo Kaneda
堅三 金田
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 急速に蓄熱可能な蓄熱材の体積を増加させ
て、触媒体の活性化を良好に行なう。 【解決手段】 断熱容器40の内部にハニカム状の触媒
体47を設け、この触媒体47の内部に、排出ガスの流
れ方向に沿って並列的に複数の筒状蓄熱容器48を配置
し、この筒状蓄熱容器48の内部に蓄熱材49を配置し
ている。この結果、筒状蓄熱容器48内部の蓄熱材49
の全表面から排出ガスの熱を受けることができる。ま
た、蓄熱材49が複数箇所に分散して設けてあるため、
蓄熱材49の断面積を小さく保つことができ、蓄熱材4
9の中央部までも急速に蓄熱可能となる。また、蓄熱材
49が複数箇所に設けてあるので、急速に蓄熱可能な蓄
熱材49の体積を多くできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンからの排
出ガスを浄化する触媒体および排出ガスの熱を蓄える蓄
熱材を、断熱容器内部に収容してなる蓄熱式触媒装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ドイツ特許公開明細書第4123
789号には、外側容器と内側容器との間に蓄熱材を充
填し、内側容器の内部に触媒体を設け、この触媒体の略
中央部に配置される1つの筒状容器を内側容器に一体に
形成し、この筒状容器内部にも蓄熱材を充填した蓄熱式
触媒装置が提案されている。
【0003】そして、エンジンの排出ガスを触媒体に通
過させるときに、蓄熱材を溶融させて蓄熱材に蓄熱し、
上記蓄熱した熱(換言すれば、蓄熱材の融解潜熱および
顕熱)により、次回のエンジン始動時における触媒体の
活性化を図っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来技
術の装置に関して本発明者が検討した結果、以下の理由
から、エンジン始動時における排出ガスの浄化性能を低
下させる恐れがあることがわかった。すなわち、触媒体
の略中央部に配置される筒状容器の内部の蓄熱材は、全
表面から排出ガスの熱を受けることができ、急速に蓄熱
可能であるが、この蓄熱材は体積が小さいため、総蓄熱
量も小さい。これに対して、外側容器と内側容器との間
の蓄熱材は、体積は大きいが、この蓄熱材の内周面から
のみ排出ガスの熱を受けることができ、外周面からは直
接排出ガスの熱を受けることができないため、この蓄熱
材の蓄熱速さは遅い。
【0005】従って、エンジンを短時間(例えば10分
程度)しか作動させない場合、外側容器と内側容器との
間の蓄熱材の蓄熱量が小さいので、装置全体としての蓄
熱量が小さい。このため、次回のエンジン始動直後に
は、触媒体を活性化温度以上に保てなくなり、排出ガス
の浄化を行なえなくなる恐れがあった。本発明は上記問
題に鑑みてなされたもので、急速に蓄熱可能な蓄熱材の
体積を増加させて、触媒体の活性化を良好に行なうこと
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1ないし4に記載の発明では、断熱容器(4
0)の内部にハニカム状の触媒体(47)を設け、この
触媒体(47)の内部に、排出ガスの流れ方向に沿って
並列的に複数の筒状蓄熱容器(48)を配置し、この筒
状蓄熱容器(48)の内部に蓄熱材(49)を配置し、
エンジン(1)の作動時に、触媒体(47)内に排出ガ
スを通過させて排出ガスの熱を蓄熱材(49)に蓄え、
この蓄熱材(49)が蓄えた熱により、エンジン(1)
の始動時における触媒体(47)の活性化を図ることを
特徴としている。
【0007】このような構成によれば、筒状蓄熱容器
(48)内部の蓄熱材(49)は、触媒体(47)内部
に配置されるため、この蓄熱材(49)の全表面から排
出ガスの熱を受けることができる。また、筒状蓄熱容器
(48)が触媒体(47)内部に複数設けてあるため、
蓄熱材(49)の断面積を小さく保つことができ、表面
から受けた熱を内部に急速に伝えることができ、この蓄
熱材(49)は急速に蓄熱可能となる。さらに、筒状蓄
熱容器(48)が触媒体(47)内部に複数設けてある
ため、急速に蓄熱可能な蓄熱材(49)の体積を上記従
来技術よりも多くできる。従って、エンジン(1)を短
時間しか作動させない場合において、蓄熱量を増加で
き、次回のエンジン始動時において、触媒体(47)を
良好に活性化でき、排出ガスの浄化を良好に行なうこと
ができる。
【0008】また、請求項2に記載の発明では、断熱容
器(40)と触媒体(47)との間にも、蓄熱材(49
0)を配置しているので、この蓄熱材(490)にも蓄
熱できる。また、請求項3に記載の発明のように、複数
の筒状蓄熱容器(48)の内部に配置される蓄熱材(4
9)の量を、断熱容器(40)と触媒体(47)との間
に配置される蓄熱材(490)の量よりも多くするのが
好ましい。
【0009】また、請求項4に記載の発明では、触媒体
(47)の内部のみに蓄熱材(49)を配置しているの
で、この装置の体格を小型にできる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示す実施形態
について説明する。 (第1の実施形態)本実施形態は、ガソリン(燃料)を
熱源とする車両用エンジンからの排出ガス(例えば、C
O、CH、NO等)を浄化する排出ガス浄化装置に本発
明を適用したものである。
【0011】図1において、耐食性金属材料(例えばス
テンレス)からなり、エンジン1からの排出ガスを大気
中へ放出する排出ガス配管2には、その上流側から、配
管2を開閉する電磁弁3、蓄熱式触媒装置4、触媒装置
5、図示しないマフラ(消音装置)が、順に接続されて
いる。また、排出ガス配管2には、電磁弁3および蓄熱
式触媒装置4をバイパスするバイパス配管6が接続され
ている。このバイパス配管6にも、配管6を開閉する電
磁弁7が接続されている。
【0012】次に、蓄熱式触媒装置4について、図2
(a)、(b)に基づいて詳しく説明する。蓄熱式触媒
装置4は、外部環境との熱交換を遮断する円筒状の断熱
容器40を備えている。この断熱容器40は、耐食性金
属材料からなる円筒状の外側容器41、内側容器42
と、これら容器41、42の間を10-4〜10-6Tor
r程度に真空引きしてなる真空断熱層43とを備えてい
る。
【0013】この断熱容器40の両端部には、排出ガス
入口パイプ(入口部)44、および、排出ガス出口パイ
プ(出口部)45が、それぞれ気液密に接続されてい
る。この入口部44および出口部45も、耐食性金属材
料からなる円筒状の外側パイプ441、451と内側パ
イプ442、452の間に、真空断熱層443、453
が形成されている。
【0014】そして、断熱容器40の内部には、耐食性
金属材料からなる1対のラッパ状容器461、462の
間に、耐食性金属材料からなる円筒状容器463を接合
した触媒容器460が収容され、円筒状容器463内部
に、円柱状の触媒体47が収容してある。円筒状容器4
63は、内側容器42の内周面に接するように設けら
れ、ラッパ状容器461、462の口部461a 46
2aは、上記入口部44、出口部45の内周面に接する
ように設けられている。なお、ラッパ状容器461、4
62により、触媒体47への排出ガスの流入、流出をス
ムースにしている。
【0015】触媒体47は、断面形状が一辺の小さい
(例えば1.0mm角程度)正方形状である、多数の平
行貫通孔を備えるハニカム状部材の貫通孔壁に、排出ガ
スの浄化を促進する触媒材料(例えばプラチナ等)を担
持させたものである。なお、ハニカム状部材は、セラミ
ック材料(例えばコージェライト)を押出成形して構成
されている。そして、この触媒体47の内部には、上記
平行貫通孔よりも径大(例えば25mm程度)な、複数
(本実施形態では6つ)の貫通孔470が、触媒体47
の軸方向に並列的に形成されており、この貫通孔470
内に、複数の筒状蓄熱容器48が圧入固定されている。
【0016】筒状蓄熱容器48は、熱伝導性、加工性、
および、耐食性に優れる材料、例えばステンレスからな
る。このパイプ48は、図3に示すように、一端の蓋部
481を溶接した後、溶融状態の蓄熱材49を内部に充
填し、その後、他端の蓋部482を溶接して構成され
る。なお、図2(a)には、筒状蓄熱容器48および蓄
熱材49の断面図示を省略してある。
【0017】蓄熱材49の条件として、液相と固相と
の間を融解潜熱の吸収、放出を伴って可逆的に相転移す
る、排出ガスの温度(例えば450℃〜600℃程
度)で確実に溶融し、かつ、触媒材料を含む触媒体47
の活性化温度(例えば250℃)よりも高い温度で確実
に凝固する(つまり、融解潜熱を放出する)、比較的
大きな融解潜熱を有することが挙げられる。
【0018】さらに本実施形態では、過冷却を起こさな
い蓄熱材49を用いている。これは、過冷却を起こす物
質(溶融した状態からその相転移の温度以下に冷却して
も転移の現象がおこらず、外的衝撃を与えないと転移し
ない物質)を蓄熱材として用いた場合、エンジン始動時
に蓄熱材の融解潜熱を利用できない恐れがあるためであ
る。
【0019】この蓄熱材49としては、アルカリ金属の
フッ化物およびアルカリ土類金属のフッ化物の少なくと
も一方からなる共融塩を使用している。この共融塩とし
ては、例えば、59wt%KF−29wt%LiF−1
2wt%NaF(融点=455℃、融解潜熱=96.6
cal/g)、67wt%KF−33wt%LiF(融
点=486℃、融解潜熱=101.4cal/g)、5
5wt%KF−27wt%LiF−6wt%MgF2
12wt%NaF(融点=467℃、融解潜熱=91.
4cal/g)等がある。
【0020】なお、蓄熱材49としてのフッ化物と水と
が反応することでフッ化水素が発生し、金属製の筒状蓄
熱容器48を腐食させる恐れがあるので、このパイプ4
8と蓋部481、482との間から水が侵入しないよう
に、蓋部481、482を溶接にて装着してある。ま
た、フッ化物は、塩化物等に比べて腐食性が弱いので、
長期にわたって蓄熱材49として利用できる。
【0021】ここで、金属製の筒状蓄熱容器48を用い
ているので、蓄熱材49を金属材料(例えばアルミニウ
ム)から構成した場合、蓄熱材49の溶融、固化を繰り
返す間に、蓄熱材49と筒状蓄熱容器48とが合金を形
成してしまう。この合金は蓄熱材としてはたらかないた
め、蓄熱材49の容積が徐々に減少して、蓄熱能力が低
下する恐れがある。よって、本実施形態では、上述よう
な、非金属材料を蓄熱材49として用いている。
【0022】また、上記触媒装置5は、図1に示すよう
に、排出ガスの入口部51および出口部52を有する1
重の金属製容器50内に、ハニカム状の触媒体53を収
容してなる。ここで、触媒体47の断面積および長さ
は、排出ガスの種類や量等に応じて設定される。また、
筒状蓄熱容器48内部の蓄熱材49の全表面から受けた
排出ガスの熱が、蓄熱材49の中央まで急速に伝わるこ
とができる程度に、蓄熱材49の断面積(ひいては、蓄
熱容器48の断面積)が小さく設定されている。また、
この蓄熱材49にて蓄熱した熱により、次回のエンジン
始動時まで触媒体47を活性化温度以上に保つことがで
きる程度に、蓄熱材49の総体積が設定され、この総体
積に応じて、筒状蓄熱容器48の本数が決定される。
【0023】以上の要件を考慮して本実施形態では、触
媒体47の断面積を7850mm2とし、触媒体47の
長さを130mmとし、筒状蓄熱容器48の断面積を7
07mm2 とし、筒状蓄熱容器48の長さを130mm
とし、筒状蓄熱容器48の本数を6本としている。そし
て、蓄熱式触媒装置4の断熱容器40内部において、筒
状蓄熱容器48の内部に、蓄熱材49の温度を検出する
温度検出器4aが設置され、また、触媒装置5の容器5
0内部において、触媒体53の略中央部に、触媒体53
の温度を検出する温度検出器センサ5aが設置されてい
る。この温度検出器4a、5aの検出信号は、電気制御
装置100に入力され、この電気制御装置100が、上
記検出信号に応じて電磁弁3、7の開閉を制御する。
【0024】次に、本実施形態の作動を説明する。ま
ず、エンジン1の作動を開始するときは、電気制御装置
100により、弁3が全開されるとともに、弁7が閉塞
され、排出ガスが、排出ガス配管2を経て蓄熱式触媒装
置4、触媒装置5の順に流れる。ここで、蓄熱式触媒装
置4においては、前回のエンジン1の通常作動時に蓄熱
材49が蓄えた熱により断熱容器40内部の保温が行な
われるため、エンジン1の作動開始直前において触媒体
47を比較的高温(例えば300℃程度、換言すれば、
触媒材料の活性化温度以上)に保つことができ、エンジ
ン1の始動時における触媒体47の活性化を図ることが
できる。従って、エンジン1の始動時において、触媒体
47により排出ガスの浄化を行なうことができる。
【0025】そして、排出ガスの熱によって、蓄熱式触
媒装置4の蓄熱材49が融点まで加熱されると、この蓄
熱材49は溶融して融解潜熱を蓄える。また、触媒装置
5の触媒体53が活性化温度以上に加熱されると、この
触媒装置5において、排出ガスの浄化が行なわれる。こ
こで、上記した温度センサ4aにより、蓄熱材49の温
度が第1所定値(蓄熱材49が確実に溶融する温度、例
えば、蓄熱材49の融点よりも10℃高い温度)以上で
あることが検出され、かつ、温度センサ5aにより、触
媒体53の温度が第2所定値(触媒体53が確実に活性
化温度以上となる温度、例えば、250℃)以上である
ことが検出されたとき、制御装置100により、弁3が
閉塞されるとともに、弁7が全開され、排出ガスは、バ
イパス配管6を経て触媒装置5のみに流れ、この触媒装
置5のみにより浄化される。
【0026】そして、本実施形態によれば、蓄熱材49
が触媒体47内部に配置されるため、この蓄熱材49の
全表面から排出ガスの熱を受けることができる。また、
筒状蓄熱容器48が触媒体47内部に複数設けてあるた
め、蓄熱材49が触媒体47内部において複数箇所に分
散して配置されることになる。よって、蓄熱材49の断
面積を小さく保つことができ、表面から受けた熱を蓄熱
材49の中央部までも急速に伝えることができ、この蓄
熱材49全体が急速に蓄熱可能となる。さらに、筒状蓄
熱容器48が触媒体47内部に複数設けてあるため、急
速に蓄熱可能な蓄熱材49の体積を上記従来技術よりも
多くできる。
【0027】従って、エンジン1を短時間しか作動させ
ない場合において、蓄熱量を増加でき、次回のエンジン
始動時において、触媒体47を良好に活性化でき、排出
ガスの浄化を良好に行なうことができる。また、蓄熱式
触媒装置4では、上記活性化温度よりも高い融点(例え
ば450〜500℃)を有する蓄熱材49を確実に溶融
させるために、この断熱容器40内部の温度が例えば5
00〜600℃程度となるが、一方、断熱容器を備えて
いない触媒装置5内部の温度は、上記触媒体の活性化温
度近傍(例えば300℃程度)である。このため、一般
的には、蓄熱式触媒装置4の触媒体47の方がシンタリ
ングによる劣化が進みやすい。この対策として本実施形
態では、排出ガス配管2にバイパス配管6を設けて、エ
ンジン1の始動時のみ蓄熱式触媒装置4にて排出ガスを
浄化させ、通常作動時は触媒装置5にて排出ガスを浄化
させているので、触媒体47の劣化の進行を抑制でき、
触媒体47の体格を小さくできる。
【0028】また、蓄熱式触媒装置4は、触媒体47の
内部に蓄熱容器48が配置されるため、触媒装置5に比
べて排出ガスの圧力損失が大きいが、この蓄熱式触媒装
置4をエンジン始動時のみ使用し、エンジン定常作動時
においては、圧力損失の小さな触媒装置5を使用するこ
とにより、排出ガスの浄化を良好に実行できる。また、
蓄熱式触媒装置4は、エンジン始動時における使用に耐
えうるものであればよいため、触媒耐47の体格をさら
に小さくできる。
【0029】(第2の実施形態)本実施形態では、図4
に示すように、円筒状容器463と内側容器42との間
にも、蓄熱材490が配置してある。具体的には、円筒
状容器463の外側に、所定距離を隔てて円筒状容器4
64を配置し、この2つの円筒状容器463、464に
より、蓄熱容器480を構成している。なお、円筒状容
器464は、内側容器42の内周面に接するように設け
られる。この蓄熱容器480の内部(つまり、2つの円
筒状容器463、464の間)に、蓄熱材490が収容
されており、この蓄熱容器480の両端は図示しない蓋
部にて閉塞されている。この結果、触媒体47の内部に
配置される蓄熱材49に加えて、触媒体47の外周部に
配置される蓄熱材490にも蓄熱できる。
【0030】ここで、蓄熱材490の内周面から受けた
排出ガスの熱が、蓄熱材490の外周面まで急速に伝わ
ることができる程度に、蓄熱材490の径方向の幅(ひ
いては、2つの円筒状容器463、464間の距離)が
狭く設定されている。また、蓄熱材490の体積が大き
すぎる場合、蓄熱材490の径方向の幅が大きくなりす
ぎる恐れがあるため、蓄熱材490の体積は、蓄熱材4
9の体積以下とするのが好ましい。
【0031】以上の要件を考慮して本実施形態では、触
媒体47の断面積を7850mm2とし、触媒体47の
長さを130mmとし、筒状蓄熱容器48の断面積を7
07mm2 とし、筒状蓄熱容器48の長さを130mm
とし、筒状蓄熱容器48の本数を6本とし、蓄熱材49
0の径方向の幅を5mmとしている。 (第3の実施形態)本実施形態は、図5(a)、(b)
に示すように、蓄熱式触媒装置4の断熱容器40内に、
1本の空気パイプ10が貫通するように設けてある。そ
して、断熱容器40内に蓄えられた熱により、エンジン
1の始動時における触媒体47の活性化を図るととも
に、空気パイプ10内の空気を加熱し、この加熱された
空気を用いて、車室内の即効暖房を行なうものである。
なお、蓄熱式触媒装置4の作動は、上記第1の実施形態
と同様である。
【0032】エンジン冷却水の系統図である図6におい
て、26はエンジン1のウォータジャケット、14はエ
ンジン冷却水冷却用のラジエータ、15はラジエータ1
4に強制送風するファンである。16はエンジンにより
駆動されるウォータポンプであり、41はラジエータ1
4と並列に設けられたバイパス回路で、42はラジエー
タ14とバイパス回路への冷却水の流れを制御するサー
モスタットである。
【0033】28は加熱された冷却水と空気とを熱交換
させて空気を暖めるためのヒータコアで、空調用ダクト
27内に収納されている。17はエンジン冷却水を熱交
換部11に供給する電動式のウォータポンプで、18は
空調装置の送風用ファンである。熱交換部11は、上記
空気パイプ10にて加熱された空気が流れる空気パイプ
101を、エンジン冷却水配管30内に配置してなり、
空気パイプ101内の空気と、エンジン冷却水配管30
内のエンジン冷却水とを熱交換する。なお、空気パイプ
10と空気パイプ101との間に空気流れを形成する送
風用ファン102が設けてある。
【0034】20は第1回路で、エンジン1から熱交換
部11を経てヒータコア28にエンジン冷却水が循環す
るように構成されている。19は第2回路で、熱交換部
11からヒータコア28にエンジン冷却水が循環するよ
うに構成されている。13は第3回路で、エンジン1か
らラジエータ14にエンジン冷却水が循環するように構
成されている。
【0035】また、制御装置100により車室内の即効
暖房も制御するようになっている。すなわち、水温セン
サ23、24からの出力信号に応じて、電磁開閉弁2
1、22、43、44、ウォータポンプ17、送風用フ
ァン18を制御する。この制御装置100による即効暖
房は、運転者が車両用空調装置操作パネルの即効暖房ス
イッチ51を入れることにより、開始される。
【0036】次に、上記構成において本実施形態の作動
を説明する。まず、エンジン1を始動し、運転者が車両
用空調装置操作パネルの即効暖房スイッチ51を入れる
と、制御装置100により電磁開閉弁21、22が閉じ
られ、電磁開閉弁43、44は開かれ、送風用ファン1
02により空気パイプ10にて加熱された空気(温風)
が熱交換部11の空気パイプ101に供給され、ウォー
タポンプ17により外気温程度に温度の下がったエンジ
ン冷却水が第2回路19を通って熱交換部11に流れ込
む。
【0037】そして、熱交換部11において、エンジン
冷却水が温風にて急速に加熱され、この加熱されたエン
ジン冷却水をウォータポンプ17によりヒータコア28
に供給すると、送風用ファン18により送られた外気温
程度の空気と熱交換をして車室内に暖かい空気を送風す
る。この時、エンジン冷却水は第2回路19内で循環さ
れ、熱交換部11で暖められたエンジン冷却水を継続し
てヒータコア28に供給する。よって、エンジン1が十
分に暖まっていなくても、瞬時に暖かい風を車室内に送
ることができるので、自動車用即効暖房としての機能を
果たす。
【0038】このような即効暖房が作動しているうち
に、エンジン1の温度が上昇し、エンジン1から供給さ
れるエンジン冷却水の温度は上昇する。エンジン1から
供給されるエンジン冷却水の温度T2 は水温センサ24
により検出される。一方、ヒータコア28に流入するエ
ンジン冷却水の温度T1 は水温センサ23により検出さ
れる。これらの検出信号が制御装置100に送られ、T
2 >T1 と判断されると、電磁開閉弁21、22、44
を開き、電磁開閉弁43を閉じ、送風用ファン102を
停止し、ウォータポンプ17を停止する。このため、エ
ンジン1で暖められたエンジン冷却水の一部が、分岐部
Aを経て矢印のごとく開閉弁21、ウォータポンプ17
を通って、熱交換部11、ヒータコア28に至り、開閉
弁22を通って第1回路20、ウォータポンプ16から
エンジン1に至る。これが通常の暖房運転であり、ヒー
タコア28にはエンジン1からの冷却水が供給される。
【0039】ここで、エンジン冷却水温度が設定温度以
下のときはサーモスタット42がバイパス回路41側を
開口して、バイパス回路41側に冷却水を流している
が、さらに冷却水温度が上昇して設定温度以上になる
と、サーモスタット42がラジエータ14側を開口し
て、バイパス回路41側を閉鎖する。よって、エンジン
1で暖められたエンジン冷却水はラジエータ14により
冷却され、かつ熱交換部11、ヒータコア28を循環す
る。
【0040】(第4の実施形態)図7に示す本実施形態
は、上記第3の実施形態における熱交換部11を、ラジ
エータ14とエンジン1との間の冷却水回路中に設けた
ものである。エンジン1始動後、図示しないセンサおよ
び制御装置により、電磁開閉弁44を閉じることで、熱
交換部11において加熱されたエンジン冷却水を、ウォ
ータポンプ16にてエンジン1のみに供給する。よっ
て、上記加熱されたエンジン冷却水の熱を全てエンジン
1の暖機時間短縮に利用できる。なお、上記加熱された
エンジン冷却水の熱を暖房には用いないので、電磁開閉
弁21、22、43、温度センサ23、24、ウォータ
ポンプ17を廃止している。
【0041】(第5の実施形態)図8に示す本実施形態
では、熱交換部11において加熱されたエンジン冷却水
をヒータコア28に供給し、そのままエンジン1に流し
ているので、この加熱されたエンジン冷却水の熱を、車
室内暖房に優先的に用い、さらにエンジン1の暖機時間
短縮にも利用できる。なお、上記加熱されたエンジン冷
却水の熱を暖房のみには用いないので、上記第3の実施
形態における電磁開閉弁21、22、43、44、温度
センサ23、24、ウォータポンプ17を廃止してい
る。
【0042】(第6の実施形態)図9に示す本実施形態
では、上記第5の実施形態における熱交換部を廃止し、
空気パイプ10内の温風を、空調用ダクト27内に直接
循環させるようにしているので、温風の熱を車室内暖房
に利用できる。 (他の実施形態)上記実施形態では、筒状蓄熱容器48
が円筒形状であったが、これに限定されることはなく、
熱交換特性のよい他の種々の形状であってもよい。例え
ば、楕円形状であってもよいし、熱交換を促進するフィ
ンが装着されていてもよい。このフィンとしては、例え
ば、筒状蓄熱容器48の内壁面や外壁面から突出するよ
うに、容器48の長手方向に沿って設ける突起状フィン
や、容器48の円周方向に螺旋状に設ける突起状フィン
等がある。
【0043】また、筒状蓄熱容器48同志が接触してい
てもよい。この場合でも、パイプ48の略全表面から排
出ガスの熱を受けることができる。また、本発明は、車
両用エンジンの排出ガスを浄化する浄化装置以外にも適
用でき、例えば、住宅空調用の内燃機関に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係わる排出ガスの系
統図である。
【図2】(a)は第1の実施形態に係わる蓄熱式触媒装
置の概略的な断面図、(b)は(a)のA−A断面図で
ある。
【図3】第1の実施形態に係わる筒状蓄熱容器の断面図
である。
【図4】第2の実施形態に係わる図2(b)に相当する
図である。
【図5】(a)は第3の実施形態に係わる蓄熱式触媒装
置の概略的な断面図、(b)は(a)のA−A断面図で
ある。
【図6】第3の実施形態に係わるエンジン冷却水の系統
図である。
【図7】第4の実施形態に係わるエンジン冷却水の系統
図である。
【図8】第5の実施形態に係わるエンジン冷却水の系統
図である。
【図9】第6の実施形態に係わるエンジン冷却水の系統
図である。
【符号の説明】
1…エンジン、40…断熱容器、44…排出ガス入口パ
イプ(排出ガスの入口部)、45…排出ガス出口パイプ
(排出ガスの出口部)、47…触媒体、48…筒状蓄熱
容器、49…蓄熱材。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン(1)の排出ガスの入口部(4
    4)、出口部(45)を有し、外部環境との間の断熱を
    行なう断熱容器(40)と、 前記断熱容器(40)の内部に配置され、排出ガスを浄
    化するハニカム状の触媒体(47)と、 前記触媒体(47)の内部において、排出ガスの流れ方
    向に沿って並列的に配置される複数の筒状蓄熱容器(4
    8)と、 この複数の筒状蓄熱容器(48)の内部に配置され、液
    相と固相との間を潜熱の吸収、放出を伴って可逆的に相
    転移する蓄熱材(49)とを備え、 前記エンジン(1)の作動時に、前記触媒体(47)内
    に排出ガスを通過させることにより、排出ガスの熱を前
    記蓄熱材(49)に蓄え、 この蓄熱材(49)が蓄えた熱により、前記エンジン
    (1)の始動時における前記触媒体(47)の活性化を
    図ることを特徴とする蓄熱式触媒装置。
  2. 【請求項2】 前記断熱容器(40)と前記触媒体(4
    7)との間にも、蓄熱材(490)が配置されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の蓄熱式触媒装置。
  3. 【請求項3】 前記複数の筒状蓄熱容器(48)の内部
    に配置される蓄熱材(49)の量は、前記断熱容器(4
    0)と前記触媒体(47)との間に配置される蓄熱材
    (490)の量よりも多いことを特徴とする請求項2に
    記載の蓄熱式触媒装置。
  4. 【請求項4】 前記触媒体(47)の内部のみに蓄熱材
    (49)が配置されていることを特徴とする請求項1に
    記載の蓄熱式触媒装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6718758B1 (en) 1999-09-20 2004-04-13 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Regenerative catalytic apparatus in hybrid vehicle
JP2014059055A (ja) * 2012-08-24 2014-04-03 Eberspaecher Exhaust Technology Gmbh & Co Kg 四方排気ガス弁
RU2750873C1 (ru) * 2020-01-13 2021-07-05 Эбершпехер Клаймит Контрол Системз ГмбХ Автомобильный отопительный прибор

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