JP2017165141A - 車両用空調装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】室外熱交換器に着霜が発生した場合に、熱効率や電力効率を低下させることなく着霜を溶解できる車両用空調装置を提供する。
【解決手段】車両用空調装置100は、コンプレッサ11と、室外熱交換器13と、ラジエータ53と、着霜判定部としてのコントローラ70と、を備える。コントローラ70は、室外熱交換器13の空気流れ下流側の空気温度が外気温を超え、かつ、室外熱交換器13の冷媒出口温度が所定温度を超えた場合に、着霜が溶解したと判定する。コンプレッサ11は、着霜が発生したとコントローラ70に判定された場合に停止し、着霜が溶解したとコントローラ70に判定された場合に再稼働する。
【選択図】図1
【解決手段】車両用空調装置100は、コンプレッサ11と、室外熱交換器13と、ラジエータ53と、着霜判定部としてのコントローラ70と、を備える。コントローラ70は、室外熱交換器13の空気流れ下流側の空気温度が外気温を超え、かつ、室外熱交換器13の冷媒出口温度が所定温度を超えた場合に、着霜が溶解したと判定する。コンプレッサ11は、着霜が発生したとコントローラ70に判定された場合に停止し、着霜が溶解したとコントローラ70に判定された場合に再稼働する。
【選択図】図1
Description
本発明は車両用空調装置に関するものである。
特許文献1には、除霜運転時に、駆動源を冷却する冷却液回路を利用して除湿暖房運転を行うことにより車外凝縮器やラジエータから放出される熱を用いて、車外凝縮器に発生した着霜を溶解させるヒートポンプ式車両用空調装置が開示されている。
しかしながら、特許文献1のヒートポンプ式車両用空調装置では、除霜運転時に、車室内の暖房に利用できる熱や電力を用いて車外凝縮器の除霜を行うことになるので、熱効率及び電力効率を向上させることができない。特に、市街地走行を繰り返す電気自動車において、電力効率の良いヒートポンプ暖房の合間に除霜運転を行うと、却って電費が悪くなり走行可能距離が短くなるおそれがある。
本発明はこのような問題を解決するために発明されたもので、室外熱交換器に着霜が発生した場合に、熱効率や電力効率を低下させることなく着霜を溶解させることができる車両用空調装置を提供することを目的とする。
本発明のある態様に係る車両用空調装置は、冷媒を圧縮する圧縮機と、外気と冷媒との間で熱交換を行う第1室外熱交換器と、前記第1室外熱交換器の空気流れ上流側に配置され、外気と冷却液との間で熱交換を行う第2室外熱交換器と、前記第1室外熱交換器に着霜が発生したことを判定する着霜判定部と、を備え、前記着霜判定部は、前記第1室外熱交換器の空気流れ下流側の空気温度が外気温を超え、かつ、前記第1室外熱交換器の冷媒出口温度が所定温度を超えた場合に、前記着霜が溶解したと判定し、前記圧縮機は、前記着霜が発生したと前記着霜判定部に判定された場合に停止し、前記着霜が溶解したと前記着霜判定部に判定された場合に再稼働する、ことを特徴とする。
このような態様によれば、第1室外熱交換器に着霜が発生したと判定された場合には、冷凍サイクルの回路を切り換えることなく、そのまま圧縮機が停止するので、回路の切り替え制御や除霜運転によって電力が無駄に消費されることがない。また、自然除霜が完了すると圧縮機が再稼働するので、電力効率の良いヒートポンプ暖房運転を再び行うことができる。したがって、熱交換効率や電力効率を低下させることなく第1室外熱交換器に発生した着霜を溶解させることができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明の実施形態に係る車両用空調装置100の構成図である。
図1は本発明の実施形態に係る車両用空調装置100の構成図である。
車両用空調装置100は、冷媒が循環する冷凍サイクル1と、熱媒が循環する熱媒サイクル3と、車室内の空調に利用する空気が通過するHVAC(Heating Ventilation and Air Conditioning)ユニット4と、駆動源51を冷却する冷却液が循環する冷却液サイクル5と、から構成される。例えば、冷媒には、HFC−134aが用いられ、熱媒や冷却液には、不凍液が用いられる。
ヒートポンプ暖房時の冷媒、熱媒、及び冷却液は、図1に太実線で示すように、冷凍サイクル1と、熱媒サイクル3と、冷却液サイクル5と、をそれぞれ流れる。
冷凍サイクル1は、コンプレッサ11と、液冷コンデンサ12と、室外熱交換器13と、エバポレータ14と、アキュムレータ15と、これらを冷媒が循環可能なように接続する冷媒流路10と、を備える。
コンプレッサ11は、ガス状冷媒を吸入し圧縮する。これにより、ガス状冷媒は、高温高圧になる。
液冷コンデンサ12は、ヒートポンプ暖房時に、コンプレッサ11を通過した後の冷媒を凝縮させる凝縮器として機能する。液冷コンデンサ12は、コンプレッサ11によって高温高圧となった冷媒と熱媒サイクル3を循環する熱媒との間で熱交換を行い、冷媒の熱を熱媒に伝達する。これにより、車室内空調に利用する空気を加熱するための熱が熱媒サイクル3に確保される。
室外熱交換器13は、冷媒と外気との間で熱交換を行う。室外熱交換器13は、冷房運転時には凝縮器として機能し、ヒートポンプ暖房運転時には蒸発器として機能する。なお、車室内の暖房には、冷凍サイクル1を利用したヒートポンプ暖房の他に、後述する熱媒サイクル3の補助加熱器32を利用した加熱暖房を選択することもできる。
エバポレータ14は、冷房運転時に、車室内空調に利用する空気の熱を冷媒に吸収させて冷媒を蒸発させるとともに、空気を冷却する。エバポレータ14によって蒸発した冷媒は、アキュムレータ15へ流れる。
アキュムレータ15は、冷媒流路10を流れる冷媒を、ガス状冷媒と液状冷媒とに気液分離する。アキュムレータ15からは、分離したガス状冷媒のみがコンプレッサ11へと流れる。
冷媒流路10には、冷媒を減圧膨張させる第1膨張弁16と、第2膨張弁17と、が配置される。第1膨張弁16は、液冷コンデンサ12と室外熱交換器13との間に配置され、第2膨張弁17は、室外熱交換器13とエバポレータ14との間に配置される。第1膨張弁16及び第2膨張弁17には、例えばオリフィスやキャピラリーチューブ等の固定開度弁が用いられる。なお、第1膨張弁16及び第2膨張弁17には、弁の開度を調整可能な開度調整弁を用いてもよい。
また、冷媒流路10には、開閉によって冷媒の流れを切り換える第1開閉弁18と、第2開閉弁19と、第3開閉弁20と、が配置される。第1膨張弁16は、液冷コンデンサ12及び第1膨張弁16をバイパスする冷媒流路10のバイパス流路10a上に配置される。第2開閉弁19は、室外熱交換器13から流れる冷媒をアキュムレータ15に直接流通させる冷媒流路10のバイパス流路10b上に配置される。第3開閉弁20は、室外熱交換器13と第2膨張弁17との間に配置され、第2開閉弁19と並列になる。
熱媒サイクル3は、熱媒循環ポンプ31と、補助加熱器32と、ヒータコア33と、前述した液冷コンデンサ12と、これらを熱媒が循環可能となるように接続する熱媒流路30と、から構成される。
熱媒循環ポンプ31は、熱媒流路30内の熱媒を送液して循環させる。
補助加熱器32は、内部に図示しないヒータを有し、通過する熱媒を加熱する。ヒータには、例えば、シーズヒータやPTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータが用いられる。
ヒータコア33は、HVACユニット4内に配置され、ヒータコア33を通過する空気に熱媒の熱を吸収させることで、車室内に送風する空気を暖める。
HVACユニット4には、車室内に送風する空気が導入される。HVACユニット4は、空気を送風する図示しないブロワと、ヒータコア33を通過する空気の量を調整するエアミックスドア41と、を備える。また、HVACユニット4内にはエバポレータ14とヒータコア33とが配置され、ブロワから送風された空気は、エバポレータ14内を流れる冷媒やヒータコア33内を流れる冷却液との間で熱交換を行う。
エアミックスドア41は、HVACユニット4内に配置されたヒータコア33のブロワ側に設置される。エアミックスドア41は、暖房運転時にヒータコア33側を開き、冷房運転時にヒータコア33側を閉じる。エアミックスドア41の開度によって、空気とヒータコア33内の熱媒との間の熱交換量が調節される。
冷却液サイクル5は、車両の走行に用いられる駆動源51を冷却する冷却液が循環可能となるように接続する冷却液流路50から構成される。冷却液は、冷却液循環ポンプ52に送液されることで冷却液流路50内を循環する。冷却液が駆動源51から吸収した熱は、室外熱交換器13の空気流れ上流側に配置されたラジエータ53によって、外気に放出される。駆動源51は、例えば、エンジンやモータである。
ラジエータ53及び室外熱交換器13の空気流れ下流側には、室外ファン60が配置される。車速が閾値速度未満である場合に、室外ファン60が駆動することで、ラジエータ53及び室外熱交換器13に強制的に外気が導入される。閾値速度は、外気をラジエータ53及び室外熱交換器13に十分に導入できなくなる下限速度であり、例えば、20km/hに設定される。
車両用空調装置100には、室外熱交換器出口冷媒温センサ71と、外気温センサ72と、空気温センサ73と、が設置されている。
室外熱交換器出口冷媒温センサ71は、室外熱交換器13の出口部に設置され、冷媒の温度を検出する。
外気温センサ72は、室外熱交換器13に取り込まれる前の外気の温度(外気温)を検出する。
空気温センサ73は、室外熱交換器13に取り付けられ、室外熱交換器13の空気流れ下流側の空気温度を検出する温度センサである。
次に、図2を参照して、室外熱交換器13に取り付けられる空気温センサ73の位置について説明する。
図2は、室外熱交換器13に取り付けられる空気温センサ73付近を拡大した断面図である。
室外熱交換器13は、冷媒を一時的に溜める一対のタンク13aと、一対のタンク13aを繋ぐ複数のチューブ13bと、複数のチューブ13bの間に交互に並ぶように配置され、外気と冷媒との熱交換を促進させるフィン13cと、を備える。複数のチューブ13bとフィン13cの周囲には、車両の走行又は室外ファン60によって導入される外気が通過する。
図2には、一対のタンク13aのうち空気温センサ73が取り付けられるフィン13c付近のタンク13aが示されている。室外熱交換器13に流入した冷媒は、一対のタンク13a間を流通する際に、図2に矢印Aで示すように複数のチューブ13bを通って外気と熱交換を行った後に、室外熱交換器13の冷媒出口13dを通って矢印Bで示すように冷媒流路10へと流出する。なお、室外熱交換器13には、チューブ13bを通った冷媒がチューブ13bを再度流通する複数パスが形成されるように、タンク13a内の冷媒を区画する仕切りを設けてもよい。これによって、チューブ13bを流通する冷媒の流通経路が長くなるので、外気と冷媒との間の熱交換効率を向上させることができる。
空気温センサ73は、温感部73aと、ホルダ73bとから構成され、ホルダ73bが室外熱交換器13の冷媒出口13d付近のフィン13cを挟持するように取り付けられる。これにより、温感部73aは、フィン13cと直接接触しない状態で、フィン13cの間の空間に位置し、フィン13c近傍の空気の温度を検出する。
図3は、車両用空調装置100のコントローラ70の空調制御に関する電気回路のブロック図である。
コントローラ70は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などによって構成され、ROMに記憶されたプログラムをCPUによって読み出すことで、車両用空調装置100に各種機能を発揮させる。
図3に示すように、コントローラ70には、室外熱交換器出口冷媒温センサ71、外気温センサ72、及び空気温センサ73からの信号が入力される。コントローラ70は、入力された信号に基づいて、コンプレッサ11と、熱媒循環ポンプ31と、冷却液循環ポンプ52と、補助加熱器32と、室外ファン60と、の出力をそれぞれ設定する。また、コントローラ70は、入力された信号に基づいて、第1開閉弁18と、第2開閉弁19と、第3開閉弁20と、の開閉制御を実行する。さらに、コントローラ70は、エアミックスドア41の開度制御を実行する。
冷房運転時には、コントローラ70は、第2開閉弁19を閉じた状態にするとともに、第1開閉弁18及び第3開閉弁20を開いた状態にする。これにより、コンプレッサ11で圧縮され高温高圧になった冷媒は、第1開閉弁18を通って室外熱交換器13にて外気と熱交換を行うことで冷却される。その後、冷却された冷媒が、第2膨張弁17にて減圧膨張されエバポレータ14へと流れて車室内に導入する空気を冷却することで、冷房風が得られる。
暖房運転時には、コントローラ70は、冷媒が室外熱交換器13を介して外気吸熱可能な場合には、冷凍サイクル1を利用したヒートポンプ暖房を実行する。コントローラ70は、冷媒が外気吸熱不可の場合、すなわち室外熱交換器13に着霜が発生した場合には、補助加熱器32を利用した加熱暖房を実行する。
ヒートポンプ暖房時には、コントローラ70は、第1開閉弁18及び第3開閉弁20を閉じた状態にするとともに、第2開閉弁19を開いた状態にする。これにより、コンプレッサ11で圧縮され高温になった冷媒は、図1に太実線で示すように、液冷コンデンサ12へと流れて、熱媒サイクル3を循環する熱媒と熱交換を行う。熱媒サイクル3を循環する熱媒が、冷媒から奪った熱を用いてヒータコア33を介して車室内に導入する空気を暖めることによって暖房風が得られる。
第1膨張弁16を通過することで減圧膨張して外気よりも低温となった冷媒は、室外熱交換器13を介して外気から吸熱する。室外熱交換器13に導入される外気が、室外熱交換器13よりも空気流れ上流側に配置されるラジエータ53から放出される駆動源51の熱によって暖められることで、冷媒にはより多くの熱が外気から与えられる。
室外熱交換器13で外気吸熱を行った冷媒は、その後、バイパス流路10bを通ってアキュムレータ15に流入し、気液分離されてコンプレッサ11に流れることで、再度圧縮される。
次に、図4を参照して、室外熱交換器13に着霜が発生したと判定された場合の加熱暖房による暖房運転について説明する。
図4は、加熱暖房時の熱媒及び冷却液の流れを示す図である。
コントローラ70は、例えば室外熱交換器13の空気流れ下流側の空気温度が外気温とほとんど同じ温度である場合に、室外熱交換器13で冷媒と外気とが熱交換を十分に行えずに、着霜が発生したと判定する。このように、コントローラ70は、室外熱交換器13に着霜が発生したか否かを判定する着霜判定部として機能する。
なお、コントローラ70は、室外熱交換器13の出口部の冷媒温度と外気温とがかい離している場合に、外気と熱交換を十分に行えずに冷媒が室外熱交換器13を通過しており、着霜が発生したと判定してもよい。
室外熱交換器13に着霜が発生したと判定された場合には、コントローラ70は、冷凍サイクル1の回路をヒートポンプ暖房時の状態に保ったままコンプレッサ11のみを停止させ、車室内の暖房要求に応じて補助加熱器32を利用した加熱暖房を実行する。
加熱暖房時には、図4に太実線で示すように、補助加熱器32によって加熱された熱媒が熱媒サイクル3を循環して、ヒータコア33を介して車室内に導入する空気を暖めることで暖房風が得られる。
室外熱交換器13の着霜は、外気によって徐々に自然溶解する。ここで、室外熱交換器13の空気流れ上流側には、図4の太実線で示すように冷却液サイクル5を循環する冷却液を介して駆動源51の熱を放出するラジエータ53が配置されている。そのため、室外熱交換器13の着霜は、ラジエータ53によって暖められた外気によって、溶解しやすくなっている。
室外熱交換器13の着霜が溶解した場合にヒートポンプ暖房を再度実行するために、コントローラ70は、室外熱交換器13に発生した着霜が溶解したか否かを判定する自然溶解判定制御を実行する。
図5は、加熱暖房時にコントローラ70が実行する第1実施形態の自然溶解判定制御を説明するフローチャートである。室外熱交換器13に着霜が発生したと判定されると、コントローラ70は、ヒートポンプ暖房を加熱暖房に切り替えて、図5のフローチャートに示す自然溶解判定制御を所定周期毎に実行する。
ステップS101では、コントローラ70は、室外ファン60の駆動要求があるか否かを判定する。コントローラ70は、室外熱交換器13及びラジエータ53に外気が十分に導入できなくなる閾値速度未満に車速がなっている場合に、室外ファン60の駆動要求があると判定する。閾値速度は、例えば20km/hに設定される。なお、コントローラ70は、駆動源51の熱をラジエータ53から強制的に放出したい場合等にも、室外ファン60の駆動要求が適宜あると判定する。
ステップS102では、コントローラ70は、室外熱交換器13の出口部の冷媒温度が所定温度よりも高いか否かを判定する。所定温度は、例えば外気温よりも2℃低い温度に設定される。コントローラ70の処理は、室外熱交換器13の出口部の冷媒温度が所定温度よりも高い場合にはステップS103に進み、所定温度以下の場合にはステップS107に進む。
ステップS103では、コントローラ70は、室外熱交換器13の空気流れ下流側の空気温度が外気温よりも高いか否かを判定する。コントローラ70の処理は、空気温度が外気温よりも高い場合にはステップS104に進み、外気温以下の場合にはステップS107に進む。
ステップS104では、コントローラ70は、除霜判定タイマが計測されていない場合に、除霜判定タイマの計測を開始する。
ステップS105では、コントローラ70は、除霜判定タイマが所定時間経過したか否かを判定する。所定時間は、室外熱交換器13の着霜が自然溶解して周辺に空気が流れ出した後に空気温センサ73が十分に反応するまでの待機時間であり、各センサの応答性や車速等によって変化する。例えば、所定時間は、5秒から10秒に設定される。車速が閾値速度よりも速い場合には、より多く外気が流れ空気温センサ73の認識値が速く安定し易くなるので、所定時間は短く設定される。他方で、車速が閾値速度程度又は閾値速度よりも遅い場合には、外気の流れが少なくなり空気温センサ73の認識値が安定し難くなるので、所定時間は長く設定される。コントローラ70の処理は、除霜判定タイマが所定時間経過した場合にはステップS106に進み、所定時間経過していない場合には自然溶解判定制御を終了する。
ステップS106では、コントローラ70は、室外熱交換器13の着霜が自然溶解して室外熱交換器13が十分に熱交換を行える状態になったと判定し、自然除霜が完了したと判定する。その後、コントローラ70は、自然溶解判定制御を終了するとともに、加熱暖房から通常のヒートポンプ暖房に切り替えてからコンプレッサ11を再稼働させる。
他方で、ステップS107では、コントローラ70は、計測した除霜判定タイマを初期化(クリア)する。ステップS107の処理の後、コントローラ70は、自然溶解判定制御を終了する。
上記した車両用空調装置100の第1実施形態の自然溶解判定制御によれば、以下の効果を得ることができる。
車両用空調装置100は、冷媒を圧縮するコンプレッサ11と、外気と冷媒との間で熱交換を行う室外熱交換器13と、室外熱交換器13の空気流れ上流側に配置され、外気と冷却液との間で熱交換を行うラジエータ53と、室外熱交換器13に着霜が発生したことを判定する着霜判定部としてのコントローラ70と、を備える。着霜判定部としてのコントローラ70は、室外熱交換器13の空気流れ下流側の空気温度が外気温を超え、かつ、室外熱交換器13の冷媒出口温度が所定温度を超えた場合に、着霜が溶解したと判定する。コンプレッサ11は、着霜が発生したとコントローラ70に判定された場合に停止し、着霜が溶解したとコントローラ70に判定された場合に再稼働する。
車両用空調装置100によれば、室外熱交換器13に着霜が発生したと判定された場合には、冷凍サイクル1の回路を切り換えることなく、そのままコンプレッサ11が停止するので、回路の切り替え制御や除霜運転によって電力が無駄に消費されることがない。また、自然除霜が完了するとコンプレッサ11が再稼働するので、電力効率の良いヒートポンプ暖房運転を再び行うことができる。したがって、熱交換効率や電力効率を低下させることなく室外熱交換器13に発生した着霜を溶解させることができる。
また、車両用空調装置100によれば、車外凝縮器及び車外蒸発器をそれぞれ設置する必要がなく、かつ、冷凍サイクル1の回路をヒートポンプ暖房運転と除霜運転とでそれぞれ切り替える必要がない。したがって、車両用空調装置100の構成や制御回路等をシンプルにすることができるので、車両用空調装置100を安価に製造することができる。
車両用空調装置100は、室外熱交換器13及びラジエータ53に外気を導入する室外ファン60をさらに備える。室外ファン60は、室外熱交換器13に着霜が発生したとコントローラ70に判定され、かつ、車速が閾値未満である場合に、動作する。したがって、車両用空調装置100によれば、室外熱交換器13に外気が導入されなくなるほど車速が遅い場合でも、外気やラジエータ53の熱を室外熱交換器13まで確実に導入できるので、室外熱交換器13に発生した着霜の溶解を促進させることができる。
車両用空調装置100は、車室内に送風する空気を、間接的に加熱する補助加熱器32をさらに備える。補助加熱器32は、室外熱交換器13に着霜が発生したとコントローラ70に判定され、かつ、車室内の暖房要求がある場合に、動作する。このような車両用空調装置100によれば、コンプレッサ11が停止して、自然除霜が行われている場合でも、補助加熱器32によって車室内の暖房を継続することができる。
なお、補助加熱器32は、HVACユニット4内に設置され、車室内に送風する空気を、直接的に加熱することとしてもよい。このように補助加熱器32を構成することによっても、コンプレッサ11が停止して、自然除霜が行われている場合に、補助加熱器32によって車室内の暖房を継続することができる。
また、車両用空調装置100では、室外熱交換器13は、一対のタンク13aと、一対のタンク13aを繋ぐ複数のチューブ13bと、複数のチューブ13bの間に配置され、外気と冷媒との熱交換を促進させるフィン13cと、を備える。室外熱交換器13の空気流れ下流側の空気温度は、室外熱交換器13の冷媒出口13d付近のフィン13c近傍を通過した外気の温度である。このように、一対のタンク13aのうち出口側のタンク13aに近いフィン13c近傍を通過した外気の温度を空気温度として検出することで、冷媒が室外熱交換器13を介して外気との間で熱交換を行ったか否かを容易に判定することができる。
(第2実施形態)
図6及び図7を参照して、本発明の第2実施形態の自然溶解判定について説明する。
図6及び図7を参照して、本発明の第2実施形態の自然溶解判定について説明する。
第2実施形態では、車両用空調装置100の構成はそのままに、コントローラ70が実行する自然溶解判定の制御が、第1実施形態とは相違する。なお、以下の各実施形態では、第1実施形態と同じ機能を果たす構成には同一の符号を用い、重複する記載を適宜省略して説明する。
図6は、加熱暖房時にコントローラ70が実行する第2実施形態の自然溶解判定制御を説明するフローチャートである。
ステップS201からステップS205では、図5のステップS101からステップS105までの処理と同様の処理が実行される。また、ステップS208では、ステップS107の処理と同様の処理が実行される。
ステップS206では、コントローラ70は、除霜判定タイマが所定時間経過したときの室外熱交換器13の空気流れ下流側の空気温度を除霜完了時の空気温度としてRAMに保存する。
ステップS207では、コントローラ70は、図7に示す除霜完了確認制御を実行する。除霜完了確認制御は、室外熱交換器13に発生した着霜が完全に溶解し、ヒートポンプ暖房が正常に運転することを確認する制御である。
図7は、コントローラ70が実行する除霜完了確認制御を説明するフローチャートである。
ステップS301では、コントローラ70は、ヒートポンプ暖房の運転時間を計測開始する。
ステップS302では、コントローラ70は、ヒートポンプ暖房の運転時間が所定時間経過したか否かを判定する。所定時間は、コンプレッサ11が起動してから目標回転数に到達してコンプレッサ11の吐出圧と吐出された冷媒の温度とが安定するまでの待機時間である。所定時間は、例えば、コンプレッサ11が目標回転数に到達してから1分後に設定される。コントローラ70の処理は、運転時間が所定時間経過した場合にはステップS303に進み、所定時間経過していない場合にはステップS312に進む。
ステップS303では、コントローラ70は、室外熱交換器13の空気流れ下流側の空気温度が、所定温度よりも高いか否かを判定する。所定温度は、例えばステップS206でRAMに保存した除霜完了時の空気温度よりも2℃低い温度に設定される。コントローラ70の処理は、室外熱交換器13の空気流れ下流側の空気温度が、所定温度よりも高い場合にはステップS304に進み、所定温度以下の場合にはステップS308の処理に進む。
コントローラ70は、ステップS304で除霜完了タイマの計測を開始し、ステップS305で後述する除霜未完了タイマの値をクリアする。
ステップS306では、コントローラ70は、除霜完了タイマが所定時間経過したか否かを判定する。所定時間は、ステップS105と同様に、空気温センサ73の反応が安定するまでの待機時間であり、例えば、5秒から10秒に設定される。コントローラ70の処理は、除霜完了タイマが所定時間経過した場合にはステップS307に進み、所定時間経過していない場合には除霜完了確認制御を終了する。
ステップS307では、コントローラ70は、室外熱交換器13に発生した着霜が自然除霜によって完全に溶解し、ヒートポンプ暖房が正常な状態で運転されていると判定する。その後、コントローラ70は、除霜完了確認制御を終了する。
他方で、コントローラ70がステップS303の処理でステップS308に処理を進めた場合には、コントローラ70は、ステップS308で除霜完了タイマの値をクリアし、ステップS309で除霜未完了タイマの計測を開始する。
ステップS310では、コントローラ70は、除霜未完了タイマが所定時間経過したか否かを判定する。コントローラ70の処理は、除霜未完了タイマが所定時間経過した場合にはステップS311に進み、所定時間経過していない場合には除霜完了確認制御を終了する。
ステップS311では、コントローラ70は、室外熱交換器13に発生した着霜が自然除霜によって完全に溶解しておらず残存しており、ヒートポンプ暖房が正常な状態で運転されていないと判定する。したがって、コントローラ70は、室外熱交換器13に発生した着霜が溶解したとする判定を取り消し、室外熱交換器13に着霜が発生していると再び判定する。その後、コントローラ70は、除霜完了運転制御を終了するとともに、自然除霜を再度実行するためにコンプレッサ11を停止させる。
一方、コントローラ70がステップS302の処理でステップS312に処理を進めた場合には、コントローラ70は、ステップS312で除霜完了タイマの値をクリアし、ステップS313で除霜未完了タイマの値をクリアする。その後、コントローラ70は、除霜完了運転制御を終了する。
上記した車両用空調装置100の第2実施形態の自然溶解判定制御によれば、第1実施形態の効果とともに以下の効果を得ることができる。
車両用空調装置100では、コントローラ70は、コンプレッサ11を再稼働して所定時間経過後の空気温度が、コンプレッサ11の再稼働時、すなわち除霜完了時の空気温度から所定の温度差まで下がっていない場合に、室外熱交換器13の着霜が溶解したとする判定を取り消す。
車両用空調装置100によれば、ヒートポンプ暖房を再開した際に、ヒートポンプ暖房が正常な状態で運転されているか判定を行うので、室外熱交換器13の着霜が溶解していないままヒートポンプ暖房運転が継続されて電力効率が悪くなることを抑制することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
上記実施形態では、冷却液サイクル5の冷却液は、駆動源51を冷却することとしたが、車両に搭載されるその他の装置や部品を冷却することとしてもよい。例えば、車両がHEV(Hybrid Electric Vehicle:ハイブリッド車両)やEV(Electric Vehicle:電動車両)である場合には、図示しないバッテリを冷却することとしてもよい。このような態様によっても、バッテリ等の排熱を利用してラジエータ53の周囲の外気を暖めることができるので、室外熱交換器13の自然除霜を促進することができる。
100 車両用空調装置
1 冷凍サイクル
3 熱媒サイクル
4 HVACユニット
5 冷却液サイクル
11 コンプレッサ(圧縮機)
12 水冷コンデンサ
13 室外熱交換器(第1室外熱交換器)
13c フィン
13d 冷媒出口
14 エバポレータ
15 アキュムレータ
32 補助加熱器
33 ヒータコア
51 駆動源
53 ラジエータ(第2室外熱交換器)
60 室外ファン
70 コントローラ(着霜判定部)
1 冷凍サイクル
3 熱媒サイクル
4 HVACユニット
5 冷却液サイクル
11 コンプレッサ(圧縮機)
12 水冷コンデンサ
13 室外熱交換器(第1室外熱交換器)
13c フィン
13d 冷媒出口
14 エバポレータ
15 アキュムレータ
32 補助加熱器
33 ヒータコア
51 駆動源
53 ラジエータ(第2室外熱交換器)
60 室外ファン
70 コントローラ(着霜判定部)
Claims (5)
- 車両用空調装置であって、
冷媒を圧縮する圧縮機と、
外気と冷媒との間で熱交換を行う第1室外熱交換器と、
前記第1室外熱交換器の空気流れ上流側に配置され、外気と冷却液との間で熱交換を行う第2室外熱交換器と、
前記第1室外熱交換器に着霜が発生したことを判定する着霜判定部と、
を備え、
前記着霜判定部は、前記第1室外熱交換器の空気流れ下流側の空気温度が外気温を超え、かつ、前記第1室外熱交換器の冷媒出口温度が所定温度を超えた場合に、前記着霜が溶解したと判定し、
前記圧縮機は、前記着霜が発生したと前記着霜判定部に判定された場合に停止し、前記着霜が溶解したと前記着霜判定部に判定された場合に再稼働する、
ことを特徴とする車両用空調装置。 - 請求項1に記載の車両用空調装置であって、
前記第1室外熱交換器及び前記第2室外熱交換器に外気を導入する室外ファンをさらに備え、
前記室外ファンは、前記着霜が発生したと前記着霜判定部に判定され、かつ、車速が閾値未満である場合に、動作する、
ことを特徴とする車両用空調装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の車両用空調装置であって、
車室内に送風する空気を、直接的に又は間接的に加熱する補助加熱器をさらに備え、
前記補助加熱器は、前記着霜が発生したと前記着霜判定部に判定され、かつ、前記車室内の暖房要求がある場合に、動作する、
ことを特徴とする車両用空調装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の車両用空調装置であって、
前記着霜判定部は、前記圧縮機を再稼働して所定時間経過後の前記空気温度が、前記圧縮機の再稼働時における前記空気温度から所定の温度差まで下がっていない場合に、前記着霜が溶解したとする判定を取り消す、
ことを特徴とする車両用空調装置。 - 請求項1から請求項4のいずれか一つに記載の車両用空調装置であって、
前記第1室外熱交換器は、一対のタンクと、前記一対のタンクを繋ぐ複数のチューブと、前記複数のチューブの間に配置され、外気と冷媒との熱交換を促進させるフィンと、を備え、
前記空気温度は、前記第1室外熱交換器の冷媒出口付近のフィン近傍を通過した外気の温度である、
ことを特徴とする車両用空調装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016049856A JP2017165141A (ja) | 2016-03-14 | 2016-03-14 | 車両用空調装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016049856A JP2017165141A (ja) | 2016-03-14 | 2016-03-14 | 車両用空調装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017165141A true JP2017165141A (ja) | 2017-09-21 |
Family
ID=59909632
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016049856A Pending JP2017165141A (ja) | 2016-03-14 | 2016-03-14 | 車両用空調装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017165141A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11214117B2 (en) | 2018-12-20 | 2022-01-04 | Subaru Corporation | Temperature control system for electric vehicle and method of controlling temperature of electric vehicle |
-
2016
- 2016-03-14 JP JP2016049856A patent/JP2017165141A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US11214117B2 (en) | 2018-12-20 | 2022-01-04 | Subaru Corporation | Temperature control system for electric vehicle and method of controlling temperature of electric vehicle |
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