JPH10235869A - インクジェットプリンターヘッド用ノズル板の表面処理方法 - Google Patents
インクジェットプリンターヘッド用ノズル板の表面処理方法Info
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- JPH10235869A JPH10235869A JP3900797A JP3900797A JPH10235869A JP H10235869 A JPH10235869 A JP H10235869A JP 3900797 A JP3900797 A JP 3900797A JP 3900797 A JP3900797 A JP 3900797A JP H10235869 A JPH10235869 A JP H10235869A
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Abstract
量を精密に制御し、メニスカス位置が一定とし、インク
の安定吐出を可能にする。そして、インクジェットプリ
ンターの信頼性を向上させる。 【解決手段】 インク吐出面とインク吐出孔内部とイン
ク吐出裏面をポジ型感光性樹脂によって充填し硬化さ
せ、インク吐出面より露光して、ポジ型感光性樹脂を現
像する。その後撥液性被膜を被覆した後に、ポジ型感光
性樹脂を除去することを特徴とするインクジェットプリ
ンターヘッド用ノズル板の表面処理方法。
Description
ンターヘッドに用いるノズル板の表面処理方法に関す
る。
けるノンインパクトプリンターの一方式であるインクジ
ェットプリンターにおいて圧電体の圧電作用をインク吐
出の駆動力に応用した手段が特公平4−48622号公
報や特開昭63−247051号公報等に提案されてい
る。
は、圧電性基板にインク流路のための微細な貫通した溝
の加工を施した後、その表面に電極膜を形成、表面を研
磨加工し、溝内部に電極膜を残す。
よるポリパラキシリレン樹脂からなるパリレン膜を形成
する。この絶縁膜はインクの不安定吐出の原因となるイ
ンクの電気分解による気泡発生およびインクの変質を防
ぐための重要な構成体として位置づけられている。
する面どうしを対向させて接着、あるいは溝を有する面
上にガラス、セラミック、金属あるいはプラスチック製
の平板状の蓋を接着することによってインク流路を形成
する。
〜60ミクロンのインク吐出孔を有した厚さ0.1mm
のノズル板を接着した後、電極に駆動回路を接続するこ
とによってインクジェットプリンターヘッドが構成され
る。この時、ノズル板の材質としては、金属、プラスチ
ック、セラミックス製ノズル板が使われる。
ターヘッドの駆動原理は各溝中に形成された電極に電圧
を印加すると溝を形成する隔壁がその圧電作用のために
インク流路の容積を増大または減少せしめるように変形
する。そして、この減少の変形によって生じた圧力が溝
内部に充填されたインクに伝播し、インク吐出孔からイ
ンク滴として吐出するものである。
せるためにはノズル板において吐出後のインク吐出孔周
囲への残留インクの付着を防止し、さらに水性あるいは
非水性インクに対して化学的に安定でなければならない
ことが要求されている。
インクに対して撥液性の被膜表面を形成することが提案
されており、撥液性を発現する材料としてはシリコーン
樹脂やフッ素樹脂、またはテフロン共析メッキ被膜など
が知られている。
ような撥液性被膜を形成する場合、撥液性被膜のインク
吐出孔内部への入り込み位置によってインクのメニスカ
スの位置が決定し、インクの吐出特性に大きな影響を与
えることが知られている。したがって、撥液性被膜のイ
ンク吐出孔内部への入り込み量を精密に制御し、メニス
カス位置を一定にしなければならないことが要求され
る。すなわち、撥液性被膜の入り込み量がインク吐出面
に近いと外部からの機械的振動によって誤吐出を生じ易
く、また入り込み量がインク吐出面から遠いとインク滴
を吐出後、気泡を巻き込み易くなり、吐出特性が不安定
になる。さらに撥液性被膜の入り込み量によって決定さ
れるメニスカス位置はインク流路の寸法、ノズル板の厚
み、インク吐出孔の大きさ、インクの種類、駆動方法、
駆動力などのパラメータに大きく依存するため、その位
置を可変できる形成技術が要求される。
20に感光性樹脂フィルムをノズル板のインク吐出裏面
から圧接し、フィルムの一部をインク吐出孔内部に入り
込ませて硬化し、テフロン共析メッキを行い、その後フ
ィルムを除去する方法が開示されているが、この方法で
は感光性樹脂フィルムの入り込み量を温度で調節するた
めに境界位置の正確な制御が困難であり、さらに印字解
像度を上げるためインク吐出孔の径を小さくした場合、
インク吐出孔内部への感光性樹脂フィルムの入り込みが
困難となり、撥水性被膜のインク吐出孔内部への入り込
み量を正確に制御することが困難である。
液性被膜のインク吐出孔内部への入り込み量を精密に制
御し、メニスカス位置を一定にするためのインクジェッ
トプリンターヘッド用ノズル板の表面処理方法を提供す
ることにある。
め、本発明のインクジェットプリンターヘッド用ノズル
板の表面処理方法では下記記載の手段を採用する。
用ノズル板の表面処理方法はインク吐出面を一方に有す
る平板状部材からなり、平板状部材の所定の位置にイン
クが吐出される貫通したインク吐出孔を有するインクジ
ェットプリンターヘッド用ノズル板に、ポジ型感光性樹
脂をインク吐出面からインク吐出面とインク吐出孔内部
を被覆充填し硬化させる工程と、インク吐出面の裏側を
ポジ型感光性樹脂によって被覆し硬化させる工程と、イ
ンク吐出面より紫外線を露光しポジ型感光性樹脂を現像
する工程と、撥液性被膜を被覆する工程と、ポジ型感光
性樹脂を除去する工程とを有することを特徴とする。
ッド用ノズル板の表面処理方法では、ポジ型感光性樹脂
のインク吐出孔内部への入り込み量を露光量と露光時間
によって制御することを特徴とする。
ッド用ノズル板の表面処理方法では、ポジ型感光性樹脂
の粘度が100センチポイズ以下であることを特徴とす
る。
は、まず最初にインク吐出面とインク吐出孔内部をポジ
型感光性樹脂、具体的には液状のポジ型感光性レジスト
によって被覆充填し硬化させる。この時ポジ型感光性樹
脂はインク吐出孔内部に充填する必要があるため、粘度
の低い、具体的には100センチポイズ以下の液状レジ
ストを用いる。
ンナーで塗布しインク吐出面とインク吐出孔内部を充填
被覆し硬化する。続いてインク吐出裏面をポジ型感光性
樹脂をスピンナーで被覆し硬化する。インク吐出面はポ
ジ型感光性で被覆されているのでインク吐出裏面にポジ
型感光性樹脂を被覆する際にスピンナーの基台に触れる
ことによる表面の汚染が防止される。
る。この時、露光強度と露光時間とを制御することによ
り、現像よるポジ型感光性樹脂の溶解量を制御すること
ができる。すなわち、形成する撥液性被膜はポジ型感光
性樹脂がマスキング材となるため、ポジ型感光性樹脂の
インク吐出孔内部への入り込み量を露光量と露光時間に
よって制御することにより、撥液性被膜の回り込み量を
制御することが可能となる。
吐出面が清浄に保っておくことが重要である。マスキン
グ後に洗浄する場合、洗浄剤によってはマスキング材で
あるポジ型感光性樹脂を破壊してしまう。そのためマス
キング前にインク吐出面を強力に洗浄し、撥液性被膜の
形成時までインク吐出面を汚染せず清浄に保つことが望
ましい。インク吐出孔裏面からポジ型本発明によればイ
ンク吐出裏面にポジ型感光性樹脂を被覆する際に、イン
ク吐出面がスピンナーの基台に触れることがなく、汚染
されずに清浄に保つことができる。
例におけるインクジェットプリンターヘッド用ノズル板
の表面処理方法を説明する。
ットプリンターヘッド用ノズル板の構造を示す模式断面
図である。本インクジェットプリンターヘッド用ノズル
板はインク吐出面30に撥液性被膜50が被覆されてお
り、撥液性被膜50の一部はインク吐出孔内部70の中
へ入り込んでいる。この構造によってインク吐出時のメ
ニスカス位置が安定となる。図2から図6は本発明の実
施例におけるインクジェットプリンターヘッド用ノズル
板の表面処理方法を示す工程断面図である。
m、幅15mm、厚さ0.1mmのインク吐出のための
円形の貫通した孔を有するノズル板10のインク吐出面
30とインク吐出孔内部70にポジ型感光性樹脂40を
被覆充填し、硬化させる。
ッケル板であるが、他の材質、例えば塑性加工によって
インク吐出孔20を形成したステンレス鋼板や、あるい
は射出成型法によって作製したプラスチック材料のノズ
ル板でも良い。
径は35ミクロン、その裏面の直径は100ミクロンで
あり、インクをスムーズに供給し、まっすぐに吐出させ
るため、その断面はテーパー状になっており、本実施例
で用いたノズル板には30個のインク吐出孔20が開い
ている。
70まで充填する必要があるため、粘度の低い、具体的
には100センチポイズ以下の液状レジストを用いる。
応化製OFPR−800のポジ型感光性レジストを用
い、インク吐出裏面60をシリコンゴムシートに圧着し
た状態でインク吐出面30よりレジストを滴下した。そ
の後スピンコート法によって被覆充填した。この状態で
60℃〜100℃の温度で硬化させる。
ンゴムシートに圧着し、ポジ型感光性レジストをインク
吐出裏面60に滴下しスピンコート法により被覆すると
図3に示す状態となる。この状態で60℃〜100℃の
温度で硬化させる。
65nm)を照射する。その後アルカリ性の現像液に浸
漬することにより、紫外線によって露光された部分が溶
解し、図4に示す状態となる。
mW/cm2 であり、露光時間を5秒、10秒、20秒
と長くすることにより、インク吐出面30から感光性樹
脂40までの距離Lはそれぞれ5μm、8μm、15μ
mとなることが確認された。本実施例では露光時間を5
秒に設定し、インク吐出面30から感光性樹脂40まで
の距離Lを5μmとした。
撥水性被膜50を形成するためテフロン共析メッキを行
う。
解メッキのいずれのメッキ方法でも可能である。本実施
例では商品名カニフロン(日本カニゼン(株))と呼ば
れる無電解メッキを採用した。
液への浸漬時間によってコントロール可能であり、本発
明の実施例では3μmとした。
0.2μmのフッ素樹脂微粒子が20〜30vol%の
範囲で均一に分散含有していることが電子顕微鏡観察に
よって確認されている。
溶解除去する。本実施例ではアセトンを用いた。
膜50がインク吐出孔内部70に入り込み、入り込み位
置が一定であるインクジェットプリンターヘッド用ノズ
ル板が完成する。
高くし、耐摩耗性を上昇させるためにポジ型感光性樹脂
40を溶解除去後、350℃から400℃で熱処理する
ことが好ましい。
比較用サンプル1として実施例で用いたポジ型感光性樹
脂40の代わりに感光性樹脂フィルムをノズル板10の
インク吐出裏面60から圧接し、フィルムの一部をイン
ク吐出孔内部70に入り込ませて硬化し、テフロン共析
メッキを行い、フィルムを除去し、熱処理を行ったノズ
ル板を作製し、インク吐出孔内部70の断面SEM観察
を行った結果、本発明によるノズル板はインク吐出孔内
部70に入り込んだテフロン共析メッキのインク吐出面
30からの距離はすべてのインク吐出孔20で5μmで
あった。しかしながら、比較サンプル1のノズル板では
インク吐出孔内部70に入り込んだテフロン共析メッキ
のインク吐出面30からの距離は5μmから20μmの
範囲で不規則にばらついていることが確認された。
めに、比較用サンプル2としてインク吐出面30にはポ
ジ型感光性樹脂40を被覆せずに、インク吐出裏面60
からポジ型感光性樹脂40をインク吐出裏面60とイン
ク吐出孔内部70に充填被覆し硬化し、他は実施例と同
様の処理を行った。テフロン共析メッキ面の表面のSE
M観察を行った結果、メッキ斑の発生が見られた。
プル1のノズル板を用いてヘッドを組み立て、顔料系イ
ンクを注入し、連続吐出試験を行った結果、本発明によ
るノズル板を用いたヘッドは安定に吐出したが、比較用
サンプルのノズル板を用いたヘッドはインクの吐出方向
が曲がったり、全くインクが吐出しなくなる現象が生じ
た。
インクジェットプリンターヘッド用ノズル板は撥液性被
膜50のインク吐出孔内部70への入り込み位置が精密
に制御され、メニスカス位置が一定であり、インクの安
定吐出を可能にすることが確認された。
明によるインクジェットプリンターヘッド用ノズル板は
インク吐出面とインク吐出孔内部にポジ型感光性樹脂を
インク吐出面から被覆充填し硬化させ、インク吐出裏面
をポジ型感光性樹脂により被覆して硬化し、インク吐出
面より露光、現像を行い、撥液性被膜を被覆し、その後
ポジ型感光性樹脂を除去することにより撥液性被膜のイ
ンク吐出孔内部への入り込み位置が精密に制御され、メ
ニスカス位置が一定となる。その結果、インクの安定吐
出が可能となり、インクジェットプリンターの信頼性を
向上させる効果がある。
ターヘッド用ノズル板の構造と表面処理方法を示す断面
図である。
ターヘッド用ノズル板の表面処理方法を示す断面図であ
る。
ターヘッド用ノズル板の表面処理方法を示す断面図であ
る。
ターヘッド用ノズル板の表面処理方法を示す断面図であ
る。
ターヘッド用ノズル板の表面処理方法を示す断面図であ
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 所定の位置にインクが吐出される貫通し
たノズル吐出孔を有する平板状部材のインク吐出面から
ポジ感光性樹脂をインク吐出面とインク吐出孔内部に充
填被覆することによりマスクし平板状部材のインク吐出
面の裏側をマスクした後に、平板状部材全体にテフロン
共析メッキを被覆することを特徴とするインクジェット
プリンターヘッド用ノズル板の表面処理方法。 - 【請求項2】 ポジ型感光性樹脂のインク吐出孔内部へ
の入り込み量を露光強度と露光時間によって制御するこ
とを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリン
ターヘッド用ノズル板の表面処理方法。 - 【請求項3】 ポジ型感光性樹脂の粘度が100センチ
ポイズ以下であることを特徴とする請求項1に記載のイ
ンクジェットプリンターヘッド用ノズル板の表面処理方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3900797A JP3749329B2 (ja) | 1997-02-24 | 1997-02-24 | インクジェットプリンターヘッド用ノズル板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3900797A JP3749329B2 (ja) | 1997-02-24 | 1997-02-24 | インクジェットプリンターヘッド用ノズル板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH10235869A true JPH10235869A (ja) | 1998-09-08 |
JP3749329B2 JP3749329B2 (ja) | 2006-02-22 |
Family
ID=12541060
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3900797A Expired - Fee Related JP3749329B2 (ja) | 1997-02-24 | 1997-02-24 | インクジェットプリンターヘッド用ノズル板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3749329B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001018398A (ja) * | 1999-07-09 | 2001-01-23 | Konica Corp | インクジェットヘッドのノズルプレートの製造方法 |
KR100413693B1 (ko) * | 2002-04-02 | 2004-01-03 | 삼성전자주식회사 | 잉크젯 프린트 헤드 및 이의 제조 방법 |
KR100453047B1 (ko) * | 2002-04-17 | 2004-10-15 | 삼성전자주식회사 | 잉크 젯 프린트 헤드 및 이의 제조 방법 |
US7669986B2 (en) | 2006-07-20 | 2010-03-02 | Seiko Epson Corporation | Droplet discharging head and droplet discharging device, and discharging control method |
-
1997
- 1997-02-24 JP JP3900797A patent/JP3749329B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2001018398A (ja) * | 1999-07-09 | 2001-01-23 | Konica Corp | インクジェットヘッドのノズルプレートの製造方法 |
KR100413693B1 (ko) * | 2002-04-02 | 2004-01-03 | 삼성전자주식회사 | 잉크젯 프린트 헤드 및 이의 제조 방법 |
KR100453047B1 (ko) * | 2002-04-17 | 2004-10-15 | 삼성전자주식회사 | 잉크 젯 프린트 헤드 및 이의 제조 방법 |
US7669986B2 (en) | 2006-07-20 | 2010-03-02 | Seiko Epson Corporation | Droplet discharging head and droplet discharging device, and discharging control method |
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---|---|
JP3749329B2 (ja) | 2006-02-22 |
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