JPH10235527A - ピストンリング装着装置 - Google Patents

ピストンリング装着装置

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JPH10235527A
JPH10235527A JP5689497A JP5689497A JPH10235527A JP H10235527 A JPH10235527 A JP H10235527A JP 5689497 A JP5689497 A JP 5689497A JP 5689497 A JP5689497 A JP 5689497A JP H10235527 A JPH10235527 A JP H10235527A
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JP
Japan
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piston
ring
cartridge
spacer ring
spacer
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Withdrawn
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JP5689497A
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Inventor
Satoshi Mitsuki
聡 光木
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Hirata Corp
Original Assignee
Hirata Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スペーサリングに歪や変形による品質の劣化
を生じさせることなくピストンの溝に装着する。 【解決手段】 スペーサリング3を装着するカートリッ
ジ32の上にピストン1を支持するピストン支持治具3
6を設ける。ピストン支持治具36はカートリッジ32
よりも大径となっており、カートリッジ32とピストン
支持治具36との間には、スペーサリング3を拡開して
ピストン支持治具36へ移動させるための押出しブロッ
ク38を設ける。ピストン支持治具36の外周面で拡開
されたスペーサリング3は上部移送器50と下部移送器
54に挟まれてピストン支持治具36の外周面に沿って
ピストン溝2aへ移動させられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はピストンリング装着
装置に関する。特に、内燃機関のピストンにピストンリ
ングを自動的に装着するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関等のピストンにあっては、その
外周面に沿って凹設されたピストン溝内に、弾性を有す
る合金製のスペーサリングやサイドリング等のピストン
リングが重なり合った状態で嵌め込まれている。スペー
サリングやサイドリングは一部に切れ目を有しており、
ピストン溝にはスペーサリングが先に嵌め込まれ、サイ
ドリングは後からスペーサリングの両側へ挿入されてい
る。
【0003】このようなピストンリングをピストン外周
面のピストン溝に自動装着するためのピストンリング装
着装置としては、例えば特開平5−220631号公報
に開示されたものが知られている。図1(a)〜(d)
は、従来のピストンリング装着装置における、スペーサ
リング3をピストン1に装着させるための機構部分とそ
の動作を示す一部破断した断面図である。図1(a)に
示すように、円筒状をしたマガジンチューブ11の外周
面には、多数のスペーサリング3をその弾性により広げ
た状態に並べて予め嵌めてあり、マガジンチューブ11
の先端外周部には環状のストッパ12を配置し、スペー
サリング3を介してストッパ12と反対側には環状のプ
ッシャ13を設けている。また、マガジンチューブ11
の先端部内周面には、ピストン1を挿入して位置決め状
態で保持するためのピストン挿入部14が凹設されてい
る。
【0004】しかして、ピストン溝2にまずスペーサリ
ング3を装着するには、図1(b)に示すように、マガ
ジンチューブ11先端のピストン挿入部14にピストン
1を挿入する。ピストン挿入部14にピストン1を納め
ると、ピストン1は、所定のピストン溝2がマガジンチ
ューブ11の先端面に一致するように位置決めされる。
この後、弾性的に拡開された状態でマガジンチューブ1
1の外周面に嵌められているスペーサをプッシャ13で
押し上げ、最上段のスペーサリング3をストッパ12に
押し当てる。
【0005】ついで、図1(c)に示すように、プッシ
ャ13を元の位置まで下げた後、ストッパ12を少し上
へ移動させると、プッシャ13とストッパ12の間に挟
持されていたスペーサリング3が解放されるので、図1
(d)に示すように一番上のスペーサリング3が元の形
状に弾性復帰することによりピストン溝2内に落ち込
む。こうしてスペーサリング3を嵌め込まれたピストン
1は、マガジンチューブ11から抜き出される。
【0006】図2(a)〜(c)及び図3(d)〜
(g)は、上記のようにしてスペーサリング3を装着さ
れたピストン溝2に2枚のサイドリング4を装着する機
構部分とその動作を示す一部破断した断面図である。図
2(a)に示すように、別なマガジンチューブ15の外
周面には、薄いサイドリング4を多数並べた状態で嵌め
てある。マガジンチューブ15に装着されたサイドリン
グ4の下面には、環状のプッシャ16が配置されてい
る。また、マガジンチューブ15の外周側には、スライ
ダ17をスライド自在に納めたケーシング18が複数配
設されている。各スライダ17の先端面には、サイドリ
ング4の厚みとほぼ等しい幅の2つのスリット溝19が
設けられ、各スリット溝19の下方には傾斜面20が形
成されている。ケーシング18の先端部には、グリップ
21が嵌まり込む深さの切り欠き部22が設けられてい
る。なお、スライダ17を収納したケーシング18やグ
リップ21は、図2及び図3では一箇所しか示していな
いが、マガジンチューブ15の周囲の複数箇所にそれぞ
れ設けられている。
【0007】しかして、図2(b)に示すように、プッ
シャ16によって押し上げられたサイドリング4がマガ
ジンチューブ15とともに上昇すると、一番上のサイド
リング4は各スライダ17の上方の傾斜面20によって
弾性的に押し縮められながら当該傾斜面20を越え、上
のスリット溝19に嵌まり込む。ついで、図2(c)に
示すように、プッシャ16及びマガジンチューブ15が
元の高さまで下降すると、ケーシング18内のスライダ
17が若干飛び出す。この後、再びプッシャ16によっ
て押し上げられたサイドリング4がマガジンチューブ1
5とともに上昇すると、図3(d)に示すように、一番
上のサイドリング4は各スライダ17の下方の傾斜面2
0によって弾性的に押し縮められながら当該傾斜面20
を越え、下のスリット溝19に嵌まり込む。
【0008】こうして複数箇所に配置されているスライ
ダ17の上下のスリット溝19にそれぞれサイドリング
4が嵌まり込んで保持されると、プッシャ16及びマガ
ジンチューブ15が元の高さまで下降する。ついで、図
3(e)に示すように各グリップ21が各ケーシング1
8の切り欠き部22に嵌まり込み、スライダ17をケー
シング18内に押し込むと同時にサイドリング4を強制
的に押し広げる。こうしてグリップ21が切り欠き部2
2内に嵌まり込んだ状態では、各グリップ21によって
構成される内周面の内径はピストン1の外径と等しくな
っている。
【0009】この後、図3(f)に示すように、ピスト
ン1を各グリップ21間の空間に挿入してマガジンチュ
ーブ15の上に載置すると、スライダ17のスリット溝
19に保持されているサイドリング4は、ピストン溝2
内のスペーサリング3の両面の間隙に対向するようにな
る。ついで、スライダ17とピストン1の間に介在して
いるグリップ21を上方へ抜くと、図3(g)に示すよ
うに、強制的に広げられていたサイドリング4は弾性に
よって元のように縮まり、ピストン溝2とスペーサリン
グ3の間の間隙に落ち込む。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなピストンリング装着装置にあっては、スペーサリ
ング3の装着工程においては、スペーサリング3は弾性
的に拡開した状態でマガジンチューブ15に嵌められて
いるので、スペーサリング3は長時間強制的に広げられ
たまま放置されることになり、スペーサリング3が歪ん
だり、変形したりして品質が低下する恐れがあった。
【0011】また、サイドリング4の装着工程において
は、スライダ17のスリット溝19に保持されているサ
イドリング4をグリップ21で強制的に押し広げ、スラ
イダ17とピストン1の間に介在しているグリップ21
を抜くことによりスライダ17からピストン溝2へサイ
ドリング4を落とし込んでいるので、サイドリング4を
グリップ21の厚さ分だけ余分に広げる必要があり、サ
イドリング4を掴んで開く開き量が大きかった。このた
め、サイドリング4も装着時に歪んだり、変形したりし
て品質が低下する恐れがあった。
【0012】また、グリップ21を抜くと、スリット溝
19内のサイドリング4がピストン溝2に嵌まり込む
が、そのときサイドリング4はグリップ21の介在して
いた距離を越えて狭いピストン溝2の隙間に嵌まり込む
ので、サイドリング4をピストン溝2に装着させる際、
サイドリング4をピストン溝2とスペーサリング3の間
の間隙に精度良く装着する確率が低かった。
【0013】本発明は叙上の従来例の欠点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的とするところは、スペーサリ
ングやサイドリング等のピストンリングの品質を低下さ
せることなくピストンに装着することができ、しかもピ
ストンリングをピストン溝に精度良く装着することがで
きるピストンリング装着装置を提供することにある。
【0014】
【発明の開示】本発明のピストンリング装着装置は、ピ
ストン支持治具に保持されたピストンの溝にピストンリ
ングを装着するためのピストンリング装着装置であっ
て、ピストンリングを挿着するためのカートリッジと、
前記カートリッジの端部に配置された、カートリッジよ
りも外径の大きなピストン支持治具と、カートリッジに
挿着されたピストンリングを拡開してピストン支持治具
へ移行させるためのリング拡開手段と、ピストン支持治
具の外周面で拡開されているピストンリングをピストン
側へ移動させるリング移送手段と、を備えたことを特徴
としている。
【0015】ここで、カートリッジの外径は、ピストン
リングの内径とほぼ等しいか、それよりも小さくなって
いる。また、ピストン支持治具の外径は、ピストンの外
径とほぼ等しいか、それよりも大きくなっている。
【0016】従って、カートリッジに予め挿着されてい
るピストンリングをリング拡開手段で広げ、リング移送
手段でピストンリングをピストン支持治具の外周面に沿
って移動させることにより、拡開されたピストンリング
をピストン支持治具に保持されたピストンの溝に装着さ
せることができる。
【0017】このピストンリング装着装置にあっては、
リング拡開手段で広げられたピストンリングをピストン
支持治具の外周面に沿って移動させる間だけピストンリ
ングが強制的に広げられるだけであるので、ピストンリ
ングを拡開させる時間が短時間で済み、ピストンリング
に歪や変形を生じさせにくい。
【0018】また、ピストン支持治具の外周面とピスト
ンの外周面との段差(外径差)を小さくすることによ
り、ピストンを大きく広げる必要が無くなるので、ピス
トンリングに歪や変形を生じさせにくい。
【0019】よって、本発明のピストンリング装着装置
によれば、ピストンリングの品質を低下させることなく
ピストンリングをピストンの溝に装着することができ
る。
【0020】また、ピストンリングは、リング移送手段
で保持された状態でピストン支持治具の外周面を移動さ
せられるので、ピストンリングが薄い場合でも、ピスト
ンリングを変形させることなく移動させることができ、
ピストンリングをピストンの溝に確実に装着させること
ができる。
【0021】さらに、本発明のピストンリング装着装置
にあっては、前記リング拡開手段を、押出しブロックに
よってピストンリングを内周側から押し広げるものと
し、押出しブロックの先端を鋭角に形成すれば、ピスト
ンリングが薄い場合でもカートリッジに装着された複数
枚のピストンリングのうちから1枚だけを確実に分離し
て拡開させることができる。
【0022】さらに、本発明のピストンリング装着装置
にあっては、前記カートリッジの外周面に、ピストンリ
ングの切れ目に入り込ませるためのガイドを突設してお
けば、ピストンリングの切れ目の方向を一定方向に向け
ることができ、リング拡開手段がピストンリングの切れ
目に嵌まってピストンリングの拡開不良を起こす恐れを
なくすことができる。
【0023】さらに、ピストンリングの溝が前記ピスト
ン支持治具の端に露出するようにして、当該ピストン支
持治具によりピストンを保持すれば、ピストンリングが
ピストン支持治具の端から外れることにより自己復帰力
でピストンの溝に嵌まり、ピストンリングを容易にピス
トンの溝に嵌め込むことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明においては、ピストン溝に
装着するピストンリングの枚数は特に限定されるもので
ないが、ここでは3本のピストン溝に5枚のピストンリ
ングを装着する場合を例にとって説明する。すなわち、
スペーサリング3及び2枚のサイドリング4を第1のピ
ストン溝2aに装着し、セカンドリング6を第2のピス
トン溝2bに装着し、ファーストリング5を第3のピス
トン溝2cに装着する場合を説明する。スペーサリング
3とサイドリング4は板厚が薄くて剛性が無く、ファー
ストリング5とセカンドリング6は比較的板厚の厚いも
のであって、スペーサリング3の両側にサイドリング4
が装着される。
【0025】図4は本発明の一実施形態によるピストン
リング装着装置31を示す正面図、図5は図4のX−X
線断面図、図6は図5のY−Y線断面図、図7は図5の
Z−Z線断面図である。
【0026】このピストンリング装着装置31は、スペ
ーサリング3やサイドリング4のように板厚が薄く剛性
も低いピストンリングを装着するための装置であるが、
便宜上スペーサリング3の場合について説明する。図中
の符号32は、スペーサリング3を供給するためのカー
トリッジであって、中空円筒状をしており、その外径は
スペーサリング3の無負荷時の内径とほぼ等しいか若干
小さくなっている。従って、複数のスペーサリング3
は、強制的に押し広げられることなく自然な状態で整列
してカートリッジ32に装着される。
【0027】カートリッジ32の外周部に配置された第
1駆動リング34の上には、カートリッジ32の外周面
に沿ってスペーサリング3を下方から押し上げるための
プッシャ35が設けられている。第1駆動リング34
は、図示しない駆動手段によって上下に駆動される。
【0028】カートリッジ32の上には、ピストンを位
置決め支持させるためのピストン支持治具36が設けら
れている。ピストン支持治具36の上にピストン1を載
置して位置決めすると、ピストン溝2aの下縁がピスト
ン支持治具36の上面に揃うようになっている。また、
このピストン支持治具36の外径はピストン1の外径と
ほぼ等しいか、わずかに大きくなっており、従って、ス
ペーサリング3の内径やカートリッジ32の外径よりも
大きくなっている。
【0029】カートリッジ32上面とピストン支持治具
36下面との間に形成されたブロック収納室37には、
スペーサリング3を押し広げるための押出しブロック3
8が配設されている。押出しブロック38は、カートリ
ッジ32の半径方向に摺動自在に保持されており、スプ
リング39の弾性力によってブロック収納室37内へ引
っ込められている。また、押出しブロック38の先端に
は傾斜面40が形成されており、傾斜面40の下縁には
スペーサリング3を1枚ずつ分離するための鋭角の爪4
1が設けられている。この押出しブロック38は、図7
に示すように、スペーサリング3を均等に押し広げられ
るように複数箇所に設けられている。
【0030】カートリッジ32の中心においては、駆動
ロッド42がベアリング43を介してロッド支持部44
に保持されており、ロッド支持部44とフランジ45の
間に張設されたスプリング46によって下方へ付勢され
ている。駆動ロッド42の先端には、押出しブロック3
8を駆動するための円錐台形状をした駆動カム47が設
けられており、スプリング39によって内側へ引っ込め
られている押出しブロック38の後端部は駆動カム47
の外周面に弾接している。従って、駆動ロッド42をス
プリング46の弾性力に抗して上方へ押し出すと、駆動
カム47によって各押出しブロック38がカートリッジ
32の外周面よりも外に突き出される。
【0031】カートリッジ32の外周面には、図7に示
すように、上下方向に延びたレール状の規制ガイド33
が設けられている。これは、カートリッジ32の外周面
に挿着したスペーサリング3の切れ目に規制ガイド33
を位置させることにより、切れ目の位置が一定位置とな
るようにしてスペーサリング3を整列させてカートリッ
ジ32に装着すると共に、カートリッジ32に装着中に
スペーサリング3が回って切れ目の位置が変らないよう
にするものである。この規制ガイド33は、押出しブロ
ック38の中間の方向に設けられている。従って、スペ
ーサリング3の切れ目は規制ガイド33の位置に規制さ
れており、押出しブロック38の位置に移動することが
なく、押出しブロック38がスペーサリング3の切れ目
に嵌まってスペーサリング3の拡開不良を起こすことが
ないようにしている。なお、一般に、エンジンの燃焼効
率を高いレベルに保つためには、シリンダとピストンの
間のガス漏れ量を低く抑える必要があり、その為に各種
ピストンリングの切れ目の向きが互いに一致しないよう
に、各種ピストンリングを装着するためのピストンリン
グ装着装置における規制ガイドの向きは、各ピストンリ
ング装着装置毎に異なる方向となっている。
【0032】また、ピストン支持治具36の外周面に
は、図6に示すように、断面T字状をしたガイドブロッ
ク48が取り付けられており、ガイドブロック48の内
面には上下方向に延びた規制ガイド49が設けられてい
る。この規制ガイド49はカートリッジ32の規制ガイ
ド33と位置を一致させて設けられており、スペーサリ
ング3の切れ目がカートリッジ32の規制ガイド33か
らピストン支持治具36の規制ガイド49へスムーズに
移行できるようになっている。この規制ガイド33,4
9の働きで、スペーサリング3はスムーズに上方へ送ら
れるとともに切れ目が所定方向を向くようにしてピスト
ン1に装着される。
【0033】カートリッジ32及びピストン支持治具3
6の外周部には、ピストン支持治具36の外径よりも若
干大きな内径を有する環状の上部移送器50、第2駆動
リング51及び第3駆動リング52が設けられている。
第2駆動リング51の上面には、ピストン支持治具36
の外周面で広げられたスペーサリング3を保持するため
の環状溝53を有する下部移送器54が設けられてい
る。この環状溝53の深さは、スペーサリング3の板厚
よりも若干大きくしてある。さらに、第2駆動リング5
1の上面には2本のガイド棒55が立てられており、上
部移送器50はガイド棒55に沿って昇降するようにな
っていて、ガイド棒55上端のフランジ56との間に張
設されたスプリング57によって下方へ付勢されてい
る。また、第3駆動リング52の上面に立てられた押上
げロッド58は、第2駆動リング51を貫通し、先端が
上部移送器50の下面に当接している。第2駆動リング
51と第3駆動リング52とは、図示しない駆動手段に
よって別々に上下方向に移動させられるようになってい
る。したがって、第2駆動リング51を駆動することに
よって下部移送器54を昇降させることができ、第3駆
動リング52を駆動することによって上部移送器50を
昇降させることができる。
【0034】次に、上記ピストンリング装着装置31に
よりスペーサリング3をピストン1に装着する動作を図
8(a)(b)〜図12(a)(b)に従って詳細に説
明する。まず、カートリッジ32に複数のスペーサリン
グ3を整列させて挿着した後、ピストン支持治具36の
上にピストン1を載置して位置決めする。この後、図8
(a)(b)に示すようにプッシャ35を上昇させて一
番上のスペーサリング3をピストン支持治具36の下面
に当接させる。この状態では、1枚分のスペーサリング
3がカートリッジ32の上に飛び出ている。
【0035】ついで、駆動ロッド42により駆動カム4
7を上方へ突き出すと、駆動カム47によって各押出し
ブロック38が押し出される。このときカートリッジ3
2に挿着されているスペーサリング3の整列が崩れない
よう、図9(a)(b)に示すように、いったんプッシ
ャ35を下降させた後、一番上のスペーサリング3を上
のピストン支持治具36の下面に押し付けた状態で、押
出しブロック38を押し出す。押出しブロック38が飛
び出ると、先端の爪41によってスペーサリング3が1
枚だけ分離され、当該スペーサリング3は押出しブロッ
ク38によって押し広げられる。駆動カム47をさらに
上昇させて押出しブロック38を突出させると、押し広
げられたスペーサリング3は押出しブロック38の傾斜
面40に沿って上方へ滑り、図10(a)(b)に示す
ように、ピストン支持治具36の外周面へ移動する。
【0036】再びプッシャ35を上昇させてカートリッ
ジ32の外周面のスペーサリング3を支持させた状態
で、駆動カム47を下降させて押出しブロック38をブ
ロック収納室37へ引っ込めた後、第3駆動リング52
を上昇させて第2駆動リング51及び下部移送器54を
押し上げ、下部移送器54と上部移送器50を合致させ
て両移送器50,54の間にわずかな隙間を持たせた状
態でスペーサリング3を保持させる。
【0037】この後、図11(a)(b)に示すよう
に、上部移送器50と下部移送器54の間にスペーサリ
ング3を保持した状態で上部移送器50と下部移送器5
4を上昇させる。環状溝53はスペーサリング3の板厚
よりもわずかに深くなっているので、スペーサリング3
がピストン支持治具36の上端面を越えると、図12
(a)(b)に示すようにスペーサリング3は自己の弾
性復帰力によってピストン溝2a内にはまり込む。
【0038】このようにしてスペーサリング3をピスト
ン溝2aに嵌め込むようにすれば、スペーサリング3は
ピストン支持治具36を通過する間だけ強制的に拡開さ
れているだけであるので、スペーサリング3が長時間弾
性変形して歪等が発生し品質低下しにくくなる。また、
ピストン1の外径とピストン支持治具36の外径がほぼ
等しく、スペーサリング3はピストン支持治具36の外
径寸法まで開かれるだけであるので、スペーサリング3
が大きく開かれることがなく、スペーサリング3が大き
く変形して品質低下することもない。なお、上部移送器
50と下部移送器54の間に隙間を作って、その隙間に
スペーサリング3を囲むように保持し、上部移送器50
をスプリング57により下側の下部移送器54に押し付
けているのは、スペーサリング3が上昇する際に、スペ
ーサリング3が上に飛び出さないようにするためであ
る。
【0039】上記ピストンリング装着装置31において
は、スペーサリング3をピストン1に挿着する場合につ
いて説明したが、サイドリング4も図4及び図5のよう
なピストンリング装着装置31によってピストン1に装
着することができる。但し、サイドリング4を装着する
場合には、プッシャ35で押し上げられたとき1枚のサ
イドリング4だけがカートリッジ32の上面から飛び出
るようにするため、カートリッジ32上面とピストン支
持治具36の下面との間のギャップは、予めサイドリン
グ4の板厚に合わせてある。また、環状溝53の深さも
サイドリング4の厚みに合わせてある。
【0040】図13は本発明の別な実施形態によるピス
トンリング装着装置61を示す断面図である。このピス
トンリング装着装置61は、ファーストリング5やセカ
ンドリング6のように比較的板厚が厚いピストンリング
を装着するための装置である。図4及び図5のピストン
リング装着装置31と図13のピストンリング装着装置
61とを比較すると、図4及び図5のピストンリング装
着装置31では、押出しブロック62の先端に鋭角の爪
41を有していて薄いスペーサリング3等を1枚ずつ分
離できるようになっているが、ファーストリング5やセ
カンドリング6は比較的板厚が大きいので、必ずしも爪
41を必要とせず、図13に示すように押出しブロック
62の先端面は平らになっていてもよい。また、ファー
ストリング5やセカンドリング6は板厚が厚いので、フ
ァーストリング5やセカンドリング6を移動させる際、
ファーストリング5等を上部移送器50と下部移送器5
4の間に挟む必要はない。したがって、この実施形態で
は、上部移送器50や上部移送器50を支持するための
ガイド軸55等も設けられていない。
【0041】しかして、このピストンリング装着装置6
1にあっては、例えばセカンドリング6をピストン1に
装着する場合には、図14(a)(b)(c)に示した
ように行なう。すなわち、複数枚のセカンドリング6は
積み重ねるようにしてカートリッジ32の外周面に挿着
されており、図14(a)に示すように、プッシャ35
によって一番上のセカンドリング6をピストン支持治具
36の下面に当接させて一枚分のセカンドリング6をカ
ートリッジ32の上面から飛び出させる。この状態で、
押出しブロック62を突出させ、図14(b)に示すよ
うに、セカンドリング6をピストン支持治具36の外周
面まで押し広げる。この後、環状溝53内にセカンドリ
ング6を保持したままで下部移送器54を上昇させ、下
部移送器54によってセカンドリング6をピストン支持
治具36の外周面に沿って上昇させる。こうしてセカン
ドリング6がピストン支持治具36の上端面まで運ばれ
ると、図14(c)に示すように、セカンドリング6は
自己の弾性復帰力によってピストン溝2bに嵌まり込
む。
【0042】次に、上記のような2種5台のピストンリ
ング装着装置31,61を用いてスペーサリング3、2
枚のサイドリング4、セカンドリング6及びファースト
リング5を順次ピストン溝2a〜2c内に装着する手順
を説明する。まず、カートリッジ32にスペーサリング
3を装着されたピストンリング装着装置31にピストン
1を移動させ、当該ピストンリング装着装置31のピス
トン支持治具36の上にピストン1をセットする。この
後、図8(a)(b)〜図12(a)(b)に示したよ
うにしてスペーサリング3を上部移送器50と下部移送
器54の間に挟んでピストン溝2aまで運び、図15
(a)に示すように、ピストン溝2aにスペーサリング
3を装着する。
【0043】ついで、カートリッジ32にサイドリング
4を装着された別なピストンリング装着装置31に、ス
ペーサリング3を装着されたピストン1を移動させ、当
該ピストンリング装着装置31のピストン支持治具36
の上にピストン1をセットする。この後、スペーサリン
グ3の場合と同様にして、サイドリング4を上部移送器
50と下部移送器54の間に挟んでピストン溝2aまで
運び、図15(b)に示すように、ピストン溝2a内の
スペーサリング3下面側の隙間にサイドリング4を装着
する。
【0044】ついで、カートリッジ32にサイドリング
4を装着されたさらに別なピストンリング装着装置31
に、スペーサリング3及び1枚のサイドリング4を装着
されたピストン1を移動させ、ピストン1を上下反転さ
せた状態で当該ピストンリング装着装置31のピストン
支持治具36の上にセットする。この後、スペーサリン
グ3の場合と同様にして、サイドリング4を上部移送器
50と下部移送器54の間に挟んでピストン溝2aまで
運び、図15(c)に示すように、ピストン溝2a内に
おけるスペーサリング3の側面の隙間にサイドリング4
を装着する。この結果、ピストン溝2a内には、2枚の
サイドリング4に挟まれたスペーサリング3が装着され
る。
【0045】ついで、カートリッジ32にセカンドリン
グ6を装着されたピストンリング装着装置61に、スペ
ーサリング3及び2枚のサイドリング4を装着されたピ
ストン1を移動させ、当該ピストンリング装着装置61
のピストン支持治具36の上にピストン1をセットす
る。この後、図14(a)(b)(c)に示したように
して、セカンドリング6を下部移送器54で押し上げる
ようにしてピストン溝2bまで運び、図16(d)に示
すように、ピストン溝2b内にセカンドリング6を装着
する。
【0046】最後に、カートリッジ32にファーストリ
ング5を装着された別なピストンリング装着装置61
に、スペーサリング3、2枚のサイドリング4及びセカ
ンドリング6を装着されたピストン1を移動させ、当該
ピストンリング装着装置61のピストン支持治具36の
上にピストン1をセットする。この後、セカンドリング
5の場合と同様にして、ファーストリング5を下部移送
器54で押し上げるようにしてピストン溝2cまで運
び、図16(e)に示すように、ピストン溝2c内にフ
ァーストリング5を装着する。
【0047】上記のような構造のピストンリング装着装
置によれば、ピストンリングの拡開時間や拡開量を小さ
くすることができるので、ピストンリングの品質低下を
防止することができ、ひいてはエンジンの良品率の向上
に寄与することができる。また、ピストンリングをピス
トンの溝に装着する際、装着する確率を向上させること
ができ、機械の稼働率を向上させることができる。さら
に、ピストンリング装着装置の構造をシンプルにするこ
とができ、保守性も良好になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(d)は従来のピストンリング装着装
置によるスペーサリングの装着動作を説明する一部破断
した断面図である。
【図2】(a)〜(c)は従来のピストンリング装着装
置によるサイドリングの装着動作を説明する一部破断し
た断面図である。
【図3】(d)〜(g)は図2の続図である。
【図4】本発明の一実施形態によるピストンリング装着
装置を示す正面図である。
【図5】図4のX−X線断面図である。
【図6】図5のY−Y線断面図である。
【図7】図5のZ−Z線断面図である。
【図8】(a)はカートリッジにスペーサリングを挿着
されたピストンリング装着装置を示す断面図、(b)は
その一部拡大した破断断面図である。
【図9】(a)は押出しブロックによりスペーサリング
が押し広げられた状態を示す断面図、(b)はその一部
拡大した破断断面図である。
【図10】(a)は押し出しブロックの傾斜面によって
スペーサリングがピストン支持治具へ移行させられた様
子を示す断面図、(b)はその一部拡大した破断断面図
である。
【図11】(a)は上下移送器によってスペーサリング
が移動させられている様子を示す断面図、(b)はその
一部拡大した破断断面図である。
【図12】(a)はスペーサリングがピストン溝に装着
された様子を示す断面図、(b)はその一部拡大した破
断断面図である。
【図13】本発明の別な実施形態によるピストンリング
装着装置を示す縦断面図である。
【図14】(a)(b)(c)は同上のピストンリング
装着装置によってセカンドリングをピストン溝に装着す
る工程を示す概略断面図である。
【図15】(a)(b)(c)は3つのピストン溝にス
ペーサリング、サイドリング、セカンドリング及びファ
ーストリングを装着する工程を説明する図である。
【図16】(d)(e)は図15の続図である。
【符号の説明】
1 ピストン 2a,2b,2c ピストン溝 3 スペーサリング 4 サイドリング 5 ファーストリング 6 セカンドリング 31,61 ピストンリング装着装置 32 カートリッジ 33,49 規制ガイド 36 ピストン支持治具 38,62 押出しブロック 41 爪 47 駆動カム 50 上部移送器 54 下部移送器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピストン支持治具に保持されたピストン
    の溝にピストンリングを装着するためのピストンリング
    装着装置であって、 ピストンリングを挿着するためのカートリッジと、 前記カートリッジの端部に配置された、カートリッジよ
    りも外径の大きなピストン支持治具と、 カートリッジに挿着されたピストンリングを拡開してピ
    ストン支持治具へ移行させるためのリング拡開手段と、 ピストン支持治具の外周面で拡開されているピストンリ
    ングをピストン側へ移動させるリング移送手段と、を備
    えたピストンリング装着装置。
  2. 【請求項2】 前記リング拡開手段は、押出しブロック
    によってピストンリングを内周側から押し広げるもので
    あって、押出しブロックの先端が鋭角に形成されている
    ことを特徴とする、請求項1に記載のピストンリング装
    着装置。
  3. 【請求項3】 前記カートリッジの外周面に、ピストン
    リングの切れ目に入り込ませるためのガイドを突設した
    ことを特徴とする、請求項1に記載のピストンリング装
    着装置。
  4. 【請求項4】 前記ピストン支持治具は、ピストンリン
    グの溝が当該ピストン支持治具の端に露出するように、
    ピストンを保持することを特徴とする、請求項1に記載
    のピストンリング装着装置。
JP5689497A 1997-02-24 1997-02-24 ピストンリング装着装置 Withdrawn JPH10235527A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015077660A (ja) * 2013-10-17 2015-04-23 トヨタ自動車株式会社 ピストンリング組付装置
KR20190053246A (ko) 2016-10-21 2019-05-17 주식회사 발카 피스톤 패킹 장착용 지그

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JP2015077660A (ja) * 2013-10-17 2015-04-23 トヨタ自動車株式会社 ピストンリング組付装置
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