JPH10235410A - 金属箔圧延装置、および金属箔圧延の油膜厚調整方法 - Google Patents

金属箔圧延装置、および金属箔圧延の油膜厚調整方法

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JPH10235410A
JPH10235410A JP9054274A JP5427497A JPH10235410A JP H10235410 A JPH10235410 A JP H10235410A JP 9054274 A JP9054274 A JP 9054274A JP 5427497 A JP5427497 A JP 5427497A JP H10235410 A JPH10235410 A JP H10235410A
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JP
Japan
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oil
metal foil
rolling
oil film
film thickness
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Withdrawn
Application number
JP9054274A
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English (en)
Inventor
Yoshikatsu Nohara
由勝 野原
Kazumoto Tsukagoshi
一基 塚越
Yoshihiro Fujii
芳弘 藤井
Toshiki Tsuruta
俊樹 鶴田
Shuji Nagasaki
修司 長崎
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属箔の表裏面に形成する油膜厚みの調整が
困難であった。 【解決手段】 金属箔4の圧延工程において、油供給装
置6から圧延油を給油して金属箔4の表裏面に油膜を形
成するとともに、油切り装置7で余分な油を除去する金
属箔圧延装置1であり、油切り装置7の後方側に、油膜
表層の油を吸引除去して油膜厚を減少させるための上下
面吸引ロール8a,8bが配置され、吸引ロール8a,
8bに、吸引除去した油を回収して所定の温度に加熱し
た後、油供給装置6へと循環させる油循環系13が備え
られている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属箔の圧延工程
において、防錆を目的として金属箔の表裏面に油膜の形
成を行う金属箔圧延装置および金属箔圧延の油膜厚調整
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属箔の圧延は、2台の巻取リールを交
互に巻取り・巻戻して圧延機を行き来するように極薄の
金属板を通板し、この極薄金属板の圧下を繰り返して肉
厚を減少させることにより行われている。例えば、コン
ピュータの磁気記録装置であるハードディスクには、ス
テンレス箔が採用されている。
【0003】図12は、従来の金属箔圧延装置を示す概
略図である。図示するように、金属箔の圧延には、例え
ばゼンジミアミル等の多段圧延機101が採用され、こ
のゼンジミアミル101は、2台の巻取リール102,
103の間に配置されている。すなわち、これら2台の
巻取リール102,103を交互に巻取り・巻戻してゼ
ンジミアミル101を行き来するように極薄の金属板を
通板することにより、この極薄金属板の圧下を繰り返し
て肉厚を減少させて、金属箔104の圧延が行われる。
そして、ゼンジミアミル101の出口側において、金属
箔104の圧延時の表面品位確保向上を目的として、図
示しない油供給装置から防錆油が給油され、金属箔10
4の表裏面に油膜が形成される。
【0004】ゼンジミアミル101と各巻取リール10
2,103との間には、金属箔104の巻取り方向前方
側から後方側へ向けて順に、金属箔104上の余分な油
を除去する油切り装置105と、金属箔104の板厚を
測定する板厚計106と、金属箔104の形状を規制す
る形状制御ロール107と、金属箔104に適当な張力
を与えるデフレクタロール108とが配置されている。
【0005】上記油切り装置105には、例えばロール
を金属箔104の表裏面に接触させて油を絞り採るスク
イズロールや、図示しない空気を吹き付けて油切りを行
うエアーワイパー、またはゴムを接触させて油切りを行
うゴムワイパー等が用いられており、このような油切り
装置105により金属箔104上に付着した余分な油を
油切り除去して、金属箔104の表裏面に薄い油膜を形
成している。
【0006】また、特公平7−62265公報には、
「鋼帯の防錆油塗布量調整方法」に関する発明が報告さ
れている。この発明の要旨は、「鋼帯に防錆油を供給
後、孔明き中空鉄芯に不織布シートを積層又は巻き付け
た構造を有する油吸引ロールにより鋼帯に付着している
防錆油を絞るとともに、油膜厚を調整する。」ことにあ
り、この発明によれば防錆油の塗布量の調整が極めて小
さい偏差で可能となるというものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の金属
箔圧延装置にあっては、油切り装置105により金属箔
104上に付着した余分な油を油切り除去しているだけ
であるので、油膜厚の調整を行うことができず、金属箔
を利用した製品の製造工程において、巻き取り時の蛇行
のため、高速巻き取りが出来ず油膜の洗浄に長時間を要
していた。
【0008】また、特公平7−62265公報の「鋼帯
の防錆油塗布量調整方法」に関する発明は、防錆油の塗
布量の調整を行うのに十分優れた発明であるが、防錆油
の塗布量の調整偏差が±5mg/m2 であり、近年の肉
厚が0.10mmのオーダーの金属箔では、油膜厚をよ
り一層に減少させることが望まれている。
【0009】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、金属箔の表裏面に形成する油膜の厚み
を大幅に減少させることができる金属箔圧延装置、およ
び金属箔圧延の油膜厚調整方法を提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明に係
る金属箔圧延装置によれば、2台の巻取リールを交互に
巻取り・巻戻して圧延機に通板することにより金属箔の
圧延を行い、油供給装置から圧延油を給油して金属箔の
表裏面に油膜を形成するとともに、油切り装置で余分な
油を除去する金属箔圧延装置において、上記油切り装置
の後方側に、油膜表層の油を吸引除去して油膜厚を減少
させるための上下面吸引ロールが配置され、この吸引ロ
ールに、吸引除去した油を回収して所定の温度に加熱し
た後、上記油供給装置へと循環させる油循環系が備えら
れているものである。
【0011】好ましくは、上記油循環系には、吸引ロー
ル内を真空引きする真空ポンプと、真空引きされた油を
回収する油回収器と、これにより回収された油を一時貯
溜するタンクと、これに貯溜された油を所定の温度に加
熱する加熱手段と、加熱された油をタンクから油供給装
置へと供給する給油ポンプとが備えられているものであ
る。
【0012】また、好ましくは、上記吸引ロールの後方
側に、油膜の厚みを測定する油膜厚計が配置され、この
油膜厚計の測定値に基づいて回収油の加熱温度が制御さ
れるものである。
【0013】さらに、好ましくは、上記吸引ロールが、
多数の貫通孔を有する管体の周囲に圧縮繊維を積層して
形成され、この圧縮繊維層には、その中央部から長手方
向の両外方へ複数の傾斜板を介設してグルーブ加工が施
されているものである。
【0014】そして、好ましくは、上記吸引ロールの前
方側に、複数台の油切り装置が配置されており、これら
油切り装置がワイパーおよび/またはスクイズロールに
よって形成されているものである。
【0015】また、好ましくは、上記吸引ロールにおい
て、下面吸引ロールが上面吸引ロールよりも後方側の斜
め下方に位置して、金属箔との接触面積が増加するよう
にブライドル配置されているものである。
【0016】さらに、好ましくは、上記吸引ロールが、
通板経路に複数台位置するようにタンデム配置されてい
るものである。
【0017】一方、本発明に係る金属箔圧延の油膜厚調
整方法によれば、2台の巻取リールを交互に巻取り・巻
戻して圧延機に通板することにより金属箔の圧延を行
い、圧延中に金属箔の表裏面に圧延油を給油するととも
に、圧延後にこの圧延油を回収除去する金属箔圧延の油
膜厚調整方法において、上記油切りした金属箔の油膜表
層の油を上下面吸引ロールで吸引除去して油膜厚を減少
させるとともに、吸引除去した油を回収して所定の温度
に加熱した後、この加熱した回収油を金属箔の表裏面に
給油して循環させるようにしたものである。
【0018】好ましくは、上記回収油の加熱温度を、吸
引ロールの後方側の油膜厚の測定値に基づいて制御する
ようにしたものである。
【0019】本発明は、金属箔の表裏面に形成される油
膜の厚みが、圧延油の温度が上昇すると減少する点に着
目して、創案されたものである。すなわち、本発明に係
る金属箔圧延装置において、油切り装置の後流側には、
油膜表層の油を吸引除去して油膜厚を減少させるための
上下面吸引ロールが配置されており、この吸引ロールに
は、吸引ロール内を真空引きする真空ポンプと、真空引
きされた油を回収する油回収器と、これにより回収され
た油を一時貯溜するタンクと、これに貯溜された油を所
定の温度に加熱する加熱手段と、加熱された油をタンク
から油供給装置へと供給する給油ポンプとを備える油循
環系が付帯されている。
【0020】したがって、吸引ロールで吸引除去した油
を回収器で回収して、回収油を加熱手段で所定の温度に
加熱した後、油供給装置へと循環させることにより、油
膜の厚みを大幅に減少させることができる。また、回収
油の加熱温度は、吸引ロールの後方側で油膜の厚みを測
定する油膜厚計の測定値に基づいて制御されるものであ
る。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明
に係る金属箔圧延装置の第1の実施形態を示す概略図で
ある。図示するように、本実施形態の金属箔圧延装置1
には、2台の巻取リール2,3が、例えば8m程度の間
隔を隔てて配置されており、これら巻取リール2,3間
の中央部には、金属箔4の圧延を行う圧延機5が配置さ
れている。本実施形態では、圧延機5として、例えばゼ
ンジミアミル等の多段圧延機を採用する。このゼンジミ
アミル5は、例えば圧延速度が300mpm、最大圧延
荷重が60t、ワークロール径がφ30mm、中間ロー
ル径がφ70mm、バックアップロール径がφ140m
mに設定されている。
【0022】すなわち、これら2台の巻取リール2,3
を交互に巻取り・巻戻して、ゼンジミアミル5を行き来
するように極薄の金属板を通板して、この極薄金属板の
肉厚を減少させることにより、金属箔4の圧延を行う。
図2に示すように、このゼンジミアミル5の出口側に
は、圧延油を上方から散布して金属箔4の表裏面に油膜
を形成する油供給装置6が備えられている。本実施形態
では、油供給装置6として油散布ノズルを採用している
が、これに限るものではなく、油塗布装置等の他の方式
のものを採用してもよい。
【0023】また、ゼンジミアミル5と各巻取リール
2,3との間には、各巻取リール2,3の巻取り方向
(圧延方向)の前方側から後方側へ向けて順に、金属箔
4上の余分な油を除去する油切り装置7と、油膜表層の
油を吸引除去して油膜厚を減少させる吸引ロール8と、
金属箔4の油膜厚を測定する油膜厚計9と、金属箔4の
形状を規制する形状制御ロール10と、金属箔4に適当
な張力を与えるデフレクタロール11とが配置されてい
る。また、各巻取リール2,3には、金属箔4の巻取り
作業を補助するタッチロール12が適宜近接されるよう
になっている。
【0024】油切り装置7は、金属箔4上に付着した余
分な油を油切り除去して、金属箔4の表裏面に薄い油膜
を形成する。本実施形態では、油切り装置7として、上
面2段、下面1段のロールを金属箔4の表裏面に接触さ
せて油を絞り採るスクイズロールが採用されているが、
これに限るものではなく、例えばスクイズロールのロー
ル段数を変更したり、空気を吹き付けて油切りを行うエ
アーワイパーや、ゴムを接触させて油切りを行うゴムワ
イパー等を採用してもよい。
【0025】この油切り装置7の巻取り方向後方側に配
置された吸引ロール8は、金属箔4の表面の油膜表層の
油を吸引除去する上面吸引ロール8aと、金属箔4の裏
面の油膜表層の油を吸引除去する下面吸引ロール8bと
によって形成され、本実施形態では上面吸引ロール8a
と下面吸引ロール8bとが相対向するように配置されて
いる。これら吸引ロール8a,8bは、多数の貫通孔を
有する管体の周囲に、不織布等の圧縮繊維を積層して形
成したものであり、その詳細構造については後述する。
【0026】また、吸引ロール8には、これにより吸引
除去した油を回収して所定の温度に加熱した後、上記油
供給装置6へと循環させる油循環系13が備えられてい
る。すなわち、この油循環系13には、吸引ロール8
a,8b内を油回収器14を介して真空引きする真空ポ
ンプ15と、この真空ポンプ15により真空引きされた
油を回収する油回収器14と、これにより回収された油
を一時貯溜するタンク16と、これに貯溜された油を所
定の温度に加熱する加熱手段17と、タンク16での一
時貯溜中に加熱手段17により加熱された油をタンク1
6から油供給装置6へと供給する給油ポンプ18とが備
えられている。したがって、油循環系13は、吸引ロー
ル8a,8bから油回収器14等を経て油供給装置6へ
と至る循環管路を形成している。
【0027】上記タンク16に備えられた加熱手段17
は、例えば防油構造を有するコイルヒータ等によって形
成されている。この加熱手段17には、油膜の厚みを測
定する油膜厚計9が接続されている。この油膜厚計9
は、例えばレーザや超音波等により油膜厚みを測定する
もので、吸引ロール8の巻取り方向後方側に配置され
て、吸引ロール8を通過した後の金属箔4上の油膜厚み
を測定するようになっている。すなわち、この油膜厚計
9の測定値に基づいて、加熱手段17の加熱温度が設定
され、回収油の加熱温度が制御されるようになってい
る。
【0028】図3は、圧延速度に対する圧延機出側の金
属箔上の残湯量を圧延油の温度を変化させて表した説明
図である。なお、圧延油には現状油と低粘度油を使用
し、摂氏30度,40度,50度,80度で温度を変化
させている。図示するように、圧延油の温度を上昇させ
るにつれて、その粘度が低下するため、圧延機の出側に
おける金属箔上の残湯量が減少していることが判る。こ
の現象は、現状油と低粘度油の双方において確認され
た。ロールの耐熱性より30〜150℃に油温を制御
し、油膜圧制御することが好ましい。
【0029】したがって、吸引ロール8で吸引除去した
油を回収して、この回収油を所望の粘度となる温度に加
熱した後、油供給装置6へと循環させることにより、金
属箔4上の油膜厚みを大幅に減少させることができる。
その際、吸引ロール8の巻取り方向後方側に配置した油
膜厚計18の測定値に基づいて、加熱手段17の加熱温
度が設定するようにフィードバックすれば、回収油の加
熱温度が適切に制御されるものである。
【0030】図4は、本実施形態に採用する吸引ロール
を示す図であり、(a)はその正面図、(b)はその側
面図である。上述したように、吸引ロール8a,8b
は、多数の貫通孔を有する管体81の周囲に、不織布等
の圧縮繊維82を均一に積層して形成されており、これ
ら吸引ロール8a,8bを金属箔4の表裏面に接触させ
ることにより、繊維間の隙間に毛細管現象で油膜層の表
層の油を吸着するとともに、多孔質の管体81内を上記
真空ポンプ15で真空引きすることにより、当該油を回
収器14内に回収するものである。
【0031】また、吸引ロール8a,8bの圧縮繊維層
82には、その中央部から長手方向の両外方へ複数の傾
斜板83が介設され、グルーブ加工が施されている。具
体的には、楕円リング状のテフロン板等により傾斜板
(ディスク)83を形成し、複数の傾斜板83を管体8
1の中央部から長手方向の両外方へ角度αだけ傾斜させ
て適宜間隔で配置し、相隣接する傾斜板83,83間に
圧縮繊維層82を積層している。すなわち、左右の傾斜
板83,83の間隔は、吸引ロール8a,8bの回転方
向後方側がハの字状に広がるように設定されている。
【0032】吸引ロール8a,8bをハの字状にグルー
ブ加工することにより、吸引ロール8a,8bの回転に
伴って金属箔4の幅方向の皺が延ばされ、かつ効率の良
い油切りを達成することができる。なお、吸引ロール8
a,8bの皺取りを行う際に、スリップして金属箔4に
疵を付けるのを防止するため、吸引ロール8a,8bは
モータにより駆動することが好ましい。
【0033】さらに、例えば図5に示すように、下面吸
引ロール8bを箔板進行方向(巻取り方向)の前方側に
配置し、上面吸引ロール8bをその後方側の斜め下方に
配置した場合、図6に示すように、下面吸引ロール8b
における巻付長をl,ディスク厚をa,グルーブ移動距
離をbで表すことができる。この場合、グルーブ角度が
αであるから、ディスク厚とグルーブ角度、巻付角との
関係にはa<b=lsinαの式が成立し、このように
設定することにより、金属箔4の表裏面に吸引残りの油
が残留するのを防止することができる。
【0034】次に、以上の如く構成された第1実施形態
の金属箔圧延装置1を使用して行う本発明に係る金属箔
圧延の油膜厚調整方法について説明する。すなわち、本
実施形態の油膜厚調整方法は、金属箔4の圧延工程にお
いて、油供給装置6から金属箔4の表裏面に圧延油を給
油して油膜を形成するとともに、油切り装置7により余
分な油を油切り除去する。そして、この油切り装置7に
より油切りした金属箔4の油膜表層の油を、真空ポンプ
15を駆動することにより上面吸引ロール8aおよび下
面吸引ロール8bで吸引除去して油膜厚を減少させる。
【0035】吸引ロール8a,8bで吸引除去した油は
回収器14により回収され、タンク16内に一時貯溜去
れる。この回収油は、タンク16内での一時貯溜中に、
加熱手段17により所定の温度に加熱される。この回収
油の加熱温度は、吸引ロール8a,8bの巻取り方向後
方側に配置された油膜厚計の測定値に基づいてフィード
バック制御される。上述したように、圧延油を加熱して
その粘度を減少させることにより、油膜厚みを減少させ
るので、所望の油膜厚みが得られるように、圧延油を加
熱して粘度を制御する。
【0036】そして、給油ポンプ18を駆動することに
より、タンク16内から加熱した回収油を油供給装置6
へと循環させ、この油供給装置6から金属箔4の表裏面
に加熱した回収油を給油して、金属箔4上の油膜厚みを
大幅に減少させるものである。本実施形態の油膜厚調整
方法によれば、従来の油膜厚の偏差が±5mg/m2
あったのに対し、±1mg/m2 以下の油膜厚の偏差を
得ることができ、極薄の金属箔4(0.10mm程度)
の油膜厚として極めて良好な値を得ることができた。
【0037】図7は、本発明に係る金属箔圧延装置の第
2の実施形態を示す概略図である。なお、第1の実施形
態と同一の符号を付した機器は、同一の構成を有してい
る。図7に示すように、第2の実施形態の金属箔圧延装
置21は、吸引ロール8の巻取り方向前方側に、複数台
の油切り装置22を配置したものである。これら油切り
装置22は、それぞれエアーワイパ23、ゴムワイパー
24およびスクイズロール25によって形成されてい
る。これらのエアーワイパ23、ゴムワイパー24およ
びスクイズロール25の配置は例示であり、複数台の油
切り装置22の全てをワイパーにより形成してもよく、
或いは複数台の油切り装置22の全てをスクイズロール
により形成しても良い。
【0038】第2の実施形態の金属箔圧延装置21は、
基本的には第1の実施形態と同様の作用効果を奏する
が、特に第2の実施形態の金属箔圧延装置21にあって
は、事前の油切り効果が大きいので、吸引ロール8およ
び油循環系13の仕様を軽減することができる。
【0039】図8は、本発明に係る金属箔圧延装置の第
3の実施形態を示す概略図である。なお、第1の実施形
態と同一の符号を付した機器は、同一の構成を有してい
る。図示するように、第3の実施形態の金属箔圧延装置
31は、吸引ロール38が、通板経路に複数台位置する
ようにタンデム配置されている。本実施形態では、上面
吸引ロール38aと下面吸引ロール38bとが金属箔4
を介して相対向するように配置されている。
【0040】第3の実施形態の金属箔圧延装置31は、
基本的には第1の実施形態と同様の作用効果を奏する
が、特に第3の実施形態の金属箔圧延装置31にあって
は、吸引ロール38がタンデム配置されているので、金
属箔4上の油膜厚みを超薄層に調整することができる。
【0041】図9は、本発明に係る金属箔圧延装置の第
4の実施形態におけるブライドル配置の吸引ロールの図
であり、(a)はその配置を示す概略図、(b)はその
構造を示す概略図である。また、図10は、 第4の実
施形態におけるブライドル配置の吸引ロールの動作を示
す概略図である。図9(a)に示すように、第4の実施
形態の金属箔圧延装置31は、吸引ロール48におい
て、下面吸引ロール48bを上面吸引ロール48aより
も巻取り方向後方側の斜め下方に位置させて、金属箔4
との接触面積が増加するようにブライドル配置されてい
る。すなわち、吸引ロール48a,48bをブライドル
配置した場合、金属箔4が下面吸引ロール48bと上面
吸引ロール48aとを互い違いに通過して、金属箔4の
搬送方向がS字状に変換され、金属箔4との接触面積が
増加する様になる。
【0042】図9(b)に示すように、これら吸引ロー
ル48a,48bにはフレーム41が掛け渡されてお
り、このフレーム41は、ピン42を支点として回動自
在に形成されている。また、フレーム41の下部にはシ
リンダ装置43が取り付けられており、このシリンダ装
置43を進退駆動させることにより、図10に示すよう
に、上面吸引ロール48aの傾斜角度が変化するように
なっている。具体的には、比較的厚物の金属箔4を通過
させるときには、シリンダ装置43を伸長させて上面吸
引ロール48aの傾斜角度を緩やかに設定し、比較的薄
物の金属箔4を通過させるときには、シリンダ装置43
を縮長させて上面吸引ロール48aの傾斜角度が急にな
るように設定する。
【0043】第4の実施形態は、基本的には第1の実施
形態と同様の作用効果を奏するが、特に第4の実施形態
にあっては以下の特有の作用効果を示す。すなわち、金
属箔圧延は高張力圧延であり、本発明のように不織布等
の圧縮繊維を積層した吸引ロールは変形し易いので、吸
引ロールをブライドル配置することにより、金属箔の巻
付角を板厚と必要張力によって制御することができる。
【0044】すなわち、図10において、Tを張力(=
μ(ユニットテンション)×t(板厚)×B),Rを吸
引ロール半径,Lを接触面積長さ(L=2R×θ),P
を張力により吸引ロールに発生する荷重,Fを吸引ロー
ルの許容荷重とすると、P=2Tsinθ/2<Fで表
される。この式をsinθ/2<F/2×μ×t×Bと
変形すると、板厚tが薄くなる程、巻付角θを大きくと
れることが判る。これにより、吸引ロールの吸引能力を
も改善することができる。ただし、ピンチロールでは押
し付けによる偏平長しか接触長さLをとることができな
い。
【0045】図11は、本発明に係る金属箔圧延装置の
第5の実施形態を示す概略図である。なお、第1の実施
形態と同一の符号を付した機器は、同一の構成を有して
いる。図示するように、第5の実施形態の金属箔圧延装
置51は、複数台の吸引ロール58,59をタンデム配
置するとともに、そのうちの巻取り方向前方側に位置す
る吸引ロール58をブライドル配置したものである。ま
た、巻取り方向後方側の吸引ロール59は、上面吸引ロ
ール59aと下面吸引ロール59bとが金属箔4を介し
て相対向するように配置されている。
【0046】第5の実施形態の金属箔圧延装置51は、
基本的には第1の実施形態と同様の作用効果を奏する
が、特に第5の実施形態の金属箔圧延装置51にあって
は、タンデム配置とブライドル配置との相乗効果を示す
ものである。
【0047】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、金
属箔の表裏面に形成した油膜の厚みを大幅に減少させる
ことができ、金属箔を利用した製品の製造工程における
高速巻き取り洗浄作業の作業時間を飛躍的に短縮するこ
とができるとういう優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る金属箔圧延装置の第1の実施形態
を示す概略図である。
【図2】本実施形態における油循環系および周辺機器を
示す概略図である。
【図3】圧延速度に対する圧延機出側の残湯量を圧延油
の温度を変化させて表した説明図である。
【図4】本実施形態に採用する吸引ロールを示す図であ
り、(a)はその正面図、(b)はその側面図である。
【図5】本実施形態における吸引ロールの配置例を示す
概略図である。
【図6】本実施形態におけるディスク厚とグルーブ角
度、巻付角との関係を示す説明図である。
【図7】本発明に係る金属箔圧延装置の第2の実施形態
を示す概略図である。
【図8】本発明に係る金属箔圧延装置の第3の実施形態
を示す概略図である。
【図9】本発明に係る金属箔圧延装置の第4の実施形態
におけるブライドル配置の吸引ロールの図であり、
(a)はその配置を示す概略図、(b)はその構造を示
す概略図である。
【図10】第4の実施形態におけるブライドル配置の吸
引ロールの動作を示す概略図である。
【図11】本発明に係る金属箔圧延装置の第3の実施形
態を示す概略図である。
【図12】従来の金属箔圧延装置の第3の実施形態を示
す概略図である。
【符号の説明】
1,21,31,51 金属箔圧延装置 2,3 巻取リール 4 金属箔 5 圧延機 6 油供給装置 7,22 油切り装置 8,38,48,58,59 吸引ロール 13 油循環系 14 回収器 15 真空ポンプ 16 タンク 17 加熱手段 18 油膜厚計 19 返油循環系
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鶴田 俊樹 山口県光市大字島田3434番地 新日本製鐵 株式会社光製鐵所内 (72)発明者 長崎 修司 山口県光市大字島田3434番地 新日本製鐵 株式会社光製鐵所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2台の巻取リールを交互に巻取り・巻戻
    して圧延機に通板することにより金属箔の圧延を行い、
    油供給装置から圧延油を給油して金属箔の表裏面に油膜
    を形成するとともに、油切り装置で余分な油を除去する
    金属箔圧延装置において、 上記油切り装置の後方側に、油膜表層の油を吸引除去し
    て油膜厚を減少させるための上下面吸引ロールが配置さ
    れ、 該吸引ロールに、吸引除去した油を回収して所定の温度
    に加熱した後、上記油供給装置へと循環させる油循環系
    が備えられていることを特徴とする金属箔圧延装置。
  2. 【請求項2】 前記油循環系には、吸引ロール内を真空
    引きする真空ポンプと、真空引きされた油を回収する油
    回収器と、これにより回収された油を一時貯溜するタン
    クと、これに貯溜された油を所定の温度に加熱する加熱
    手段と、加熱された油をタンクから油供給装置へと供給
    する給油ポンプとが備えられている請求項1の金属箔圧
    延装置。
  3. 【請求項3】 前記吸引ロールの後流側に、油膜の厚み
    を測定する油膜厚計が配置され、該油膜厚計の測定値に
    基づいて回収油の加熱温度が制御される請求項1または
    請求項2に記載の金属箔圧延装置。
  4. 【請求項4】 前記吸引ロールが、多数の貫通孔を有す
    る管体の周囲に圧縮繊維を積層して形成され、該圧縮繊
    維層には、その中央部から長手方向の両外方へ複数の傾
    斜板を介設してグルーブ加工が施されている請求項1乃
    至請求項3のいずれかに記載の金属箔圧延装置。
  5. 【請求項5】 前記吸引ロールの前方側に、複数台の油
    切り装置が配置されており、該油切り装置がワイパーお
    よび/またはスクイズロールにより形成されている請求
    項1乃至請求項4のいずれかに記載の金属箔圧延装置。
  6. 【請求項6】 前記吸引ロールにおいて、下面吸引ロー
    ルが上面吸引ロールよりも後方側の斜め下方に位置し
    て、金属箔との接触面積が増加するようにブライドル配
    置されている請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の
    金属箔圧延装置。
  7. 【請求項7】 前記吸引ロールが、通板経路に複数台位
    置するようにタンデム配置されている請求項1乃至請求
    項6のいずれかに記載の金属箔圧延装置。
  8. 【請求項8】 2台の巻取リールを交互に巻取り・巻戻
    して圧延機に通板することにより金属箔の圧延を行い、
    圧延中に金属箔の表裏面に圧延油を給油するとともに、
    圧延後にこの圧延油を回収除去する金属箔圧延の油膜厚
    調整方法において、 上記油切りした金属箔の油膜表層の油を上下面吸引ロー
    ルで吸引除去して油膜厚を減少させるとともに、吸引除
    去した油を回収して所定の温度に加熱した後、該加熱し
    た回収油を金属箔の表裏面に給油して循環させるように
    したことを特徴とする金属箔圧延の油膜厚調整方法。
  9. 【請求項9】 前記回収油の加熱温度を、吸引ロールの
    後方側の油膜厚の測定値に基づいて制御するようにした
    請求項8に記載の金属箔圧延の油膜厚調整方法。
JP9054274A 1997-02-24 1997-02-24 金属箔圧延装置、および金属箔圧延の油膜厚調整方法 Withdrawn JPH10235410A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104858233A (zh) * 2015-06-08 2015-08-26 江苏丰源铝业有限公司 一种双零铝箔厚差轧制法

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