JPH10235171A - 中空糸膜の製造方法ならびに中空糸膜および中空糸膜型ダイアライザー - Google Patents

中空糸膜の製造方法ならびに中空糸膜および中空糸膜型ダイアライザー

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JPH10235171A
JPH10235171A JP35453297A JP35453297A JPH10235171A JP H10235171 A JPH10235171 A JP H10235171A JP 35453297 A JP35453297 A JP 35453297A JP 35453297 A JP35453297 A JP 35453297A JP H10235171 A JPH10235171 A JP H10235171A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】生体適合性等が高く、製膜工程が簡便かつ経済
的な、中空糸膜の製造方法ならびに中空糸膜および中空
糸膜型ダイアライザーを提供する。 【解決手段】合成高分子を含む紡糸原液を、内空孔を囲
む二重環状紡糸孔から吐出させ、該内空孔より紡糸原液
を凝固させるための芯液を吐出しながら紡糸原液を円筒
線状に凝固性液中に押し出し、又は空中に押し出してつ
いで凝固性液中に導いて中空糸膜を製造する方法におい
て、該芯液に疎水性改質剤および界面活性剤を含有せし
め、中空糸膜内表面に疎水性改質剤を含有させることを
特徴とする中空糸膜の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中空糸膜の製造方
法ならびに中空糸膜および中空糸膜型ダイアライザーに
関する。特に、白血球または血小板等の活性化を抑えた
生体適合性に優れる中空糸膜の製造方法ならびに中空糸
膜および中空糸膜型ダイアライザーに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、体外血液循環の分野、血液透
析、開心手術中の血液への酸素付与あるいは血漿分離等
には中空糸膜を用いた中空糸膜型血液処理器が広く使用
され、近年、特に透析膜、ガス交換膜、血液成分分離膜
等の分野においては、高分子製中空糸膜が広く利用され
ている。しかしながら、例えば血液透析においては、そ
の体外血液循環を行う頻度が高く、前述のような中空糸
膜型血液処理器を長期間に渡って使用することとなり、
体外血液循環の際、血液中の白血球および/または血小
板の活性化等が生じることによると思われる合併症等が
併発し、透析患者の深刻な問題となっている。また、長
期的に血液透析を行っている患者の中には、血中抗酸化
作用の低下や過酸化脂質が高値であるなどが確認されて
おり、これに起因すると思われる長期透析患者の動脈硬
化性疾患等が増加している。
【0003】一方、これらの問題を解決するため、生体
内抗酸化作用、生体膜安定化作用、血小板凝集抑制作用
などの種々の生理作用を有するビタミンEの被膜を透析
膜の表面に被覆する人工臓器が提案されている(特公昭
62−41738号公報)。さらにビタミンEのみなら
ずエイコサペンタエン酸等に代表される魚油において
も、血小板凝集抑制作用が知られている。しかしなが
ら、前記従来技術においては、透析膜の製膜工程後・人
工臓器の組立工程後にビタミンEのコートを行うため、
製造工程が煩雑でコストがかかる。一方、中空糸膜モジ
ュールを組立後、メタノール、エタノール等の低級アル
コールにビタミンEを溶解させてコートする上記特許に
記載された方法では、微細多孔を有する分離膜では、膜
の内部にまでビタミンEがコートされ、製造に必要とす
るビタミンEが多量に必要となる。また、ビタミンEを
はじめとする脂溶性ビタミン、魚油などの疎水性改質剤
を用いる場合、水と有機溶媒からなる紡糸芯液に添加す
る方法では、これらの疎水性改質剤が脂溶性であり水に
は不溶または難溶であることから、芯液中の水の含有量
を増やすとこれらの疎水性改質剤が分離してしまうため
に、使用できる水の比率を小さくしなければならない。
その結果、芯液による紡糸原液の凝固作用が低下し、良
好な膜構造を有する中空糸膜を紡糸することが困難とな
る。例えばポリスルフォン膜では、芯液の水の比率が2
0wt%以下では、ポリスルフォンを主体とする高分子
を用いた紡糸原液と芯液とを2重管構造の吐出ノズルか
ら同時に吐出した場合、紡糸原液の内面からの凝固性が
非常に緩慢になり良好な膜構造を有するポリスルフォン
膜は得難い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
有する前記課題を解決すべくなされたものであり、その
目的とするところは、製膜工程が簡便かつ経済的な中空
糸膜の製造方法ならびに中空糸膜および中空糸膜型ダイ
アライザーを提供することにある。本発明の他の目的
は、生体適合性等が高く血液損傷が少なくかつ篩係数が
適切となる中空糸膜の製造方法ならびに中空糸膜および
中空糸膜型ダイアライザーを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記諸目的は、以下の本
発明の中空糸膜の製造方法ならびに中空糸膜および中空
糸膜型ダイアライザーにより達成される。すなわち、本
発明は、高分子を含む紡糸原液を、内空孔を囲む二重環
状紡糸孔から吐出させ、該内空孔より紡糸原液を凝固さ
せるための芯液を吐出しながら紡糸原液を円筒線状に凝
固性液中に押し出し、又は空中に押し出してついで凝固
性液中に導いて中空糸膜を製造する方法において、該芯
液に疎水性改質剤および界面活性剤を含有せしめ、中空
糸膜内表面に疎水性改質剤を含有させることを特徴とす
る中空糸膜の製造方法である。
【0006】また、前記疎水性改質剤の含有量が0.0
01〜10wt%の中空糸膜の製造方法である。また、
前記疎水性改質剤が脂溶性ビタミンである中空糸膜の製
造方法である。また、前記脂溶性ビタミンがビタミンE
である中空糸膜の製造方法である。また、前記ビタミン
Eが、α−トコフェロール、α−酢酸トコフェロール、
およびα−ニコチン酸トコフェロールからなる群から選
択される少なくとも一つである中空糸膜の製造方法であ
る。また、前記界面活性剤が水溶性高分子である中空糸
膜の製造方法である。また、前記水溶性高分子の含有量
が0.0001〜20wt%である中空糸膜の製造方法
である。また、前記高分子の溶解度パラメータδが、1
3(cal/cm3 1/2 以下である中空糸膜の製造方
法である。また、上記記載の中空糸膜の製造方法により
得られる中空糸膜である。
【0007】さらに、溶解度パラメータδが、13(c
al/cm3 1/2 以下である高分子を含む紡糸原液を
紡糸して得られる疎水性改質剤を含む微細多孔性中空糸
膜であって、デキストランを用いて測定した篩係数が、 分子量10万において0.4以下 分子量1万において0.5以上 であることを特徴とする中空糸膜である。また、前記疎
水性改質剤がビタミンEである中空糸膜。また、前記疎
水性改質剤が中空糸膜の内表面と外表面を比較したとき
実質的に内表面のみに付着している中空糸膜。ここで実
質的に内表面のみにとは、外表面では、赤外線分光法、
X線電子分光法、二次イオン質量分析法等の測定により
検出されないか、または検出されたとしても内表面に比
べきわめて少ないことをいう。また、上記記載の中空糸
膜の製造方法により得られる前記の中空糸膜である。ま
た、上記のいずれかに記載の中空糸膜を用いることを特
徴とする中空糸膜型ダイアライザーである。
【0008】
【発明の実施の形態】人工腎臓用中空糸膜のような小分
子の尿毒症物質を除去し、アルブミンのような有用な物
質を除去しない中空糸膜を製造するには、膜の孔径を制
御した精密な製造方法が要求される。一般に膜の孔径
は、紡糸原液組成、芯液組成、ドラフト比、凝固性液組
成、温度、湿度等により左右される。特に芯液組成で
は、膜の主構成成分となる高分子に対しての非溶媒と溶
媒との組み合わせにより、高分子の凝固速度が決定さ
れ、中空糸内面構造が決定される大きな要因の1つであ
る。
【0009】中空糸膜の製造方法としては、種々のもの
が知られているが、たとえば、芯液を吐出しながら紡糸
原液を環状紡糸孔から押出す際、空気中に押出しその下
方に自重落下させ延伸したのち、凝固性液中を通過させ
て凝固処理を行ない、ついで洗浄、乾燥することにより
製造する方法(以下「空中落下法」という)、非凝固液
を上層に凝固性液を下層に充填してなる浴液の非凝固液
中に直接吐出したのち凝固性液中を通過させる方法(特
開昭57−71409号公報)、その逆に、凝固性液を
上層に非凝固液を下層に充填してなる浴液の非凝固液中
に直接吐出したのち凝固液中を通過させる方法(特開昭
57−199808号公報)、同様に非凝固液中に吐出
したのち非凝固液と凝固性液の界面を通過させる方法
(特開昭57−71408号、同57−71410号公
報)、非凝固液に囲繞させて吐出し、ついで凝固性液中
を通過させる方法(特開昭57−71411号公報)等
がある。これらの製造方法は、紡糸原液に対して凝固さ
せるための凝固液( 紡糸原液に対する非溶媒) とこれを
妨げる非凝固液( 紡糸原液の溶媒) とを混合してまたは
別々に用いて紡糸原液の凝固速度や凝固範囲を調節しな
がら凝固させ中空糸の孔径を制御するものである。紡糸
原液は高分子とその溶媒からなり、必要により他の添加
剤を含んでいる。高分子は中空糸膜の主成分となる主ポ
リマーと中空糸膜の孔形成剤として中空糸の一部の成分
を構成する副ポリマーとの混合物である。
【0010】本発明の中空糸膜の製造方法は、高分子を
含む紡糸原液を、内空孔を囲む二重環状紡糸孔から吐出
させ、該内空孔より紡糸原液を凝固させるための芯液を
吐出しながら紡糸原液を円筒線状に凝固性液中に押し出
し、又は空中に押し出してついで凝固性液中に導いて中
空糸膜を製造する方法において、該芯液に疎水性改質剤
および界面活性剤を含有せしめ、中空糸膜内表面に疎水
性改質剤を含有させることを特徴とする中空糸膜の製造
方法である。
【0011】本発明に用いる高分子の主成分である主ポ
リマーは、溶解度パラメータδが、13(cal/cm
3 1/2 以下さらには6〜13(cal/cm3 1/2
であることが好ましい。本発明における溶解度パラメー
タδとは、例えば、「高分子データハンドブック基礎
編」社団法人高分子学会編、株式会社培風館、昭和61
年1月30日初版発行、591〜593頁に記載される
指標であり、溶解度パラメータが高い場合には親水性が
強く、低い場合には疎水性が強いことを示し、この範囲
の溶解度パラメータを持つ主ポリマーを用いると芯液中
に含まれる疎水性改質剤が所定量中空糸内面に取り込ま
れる。副ポリマーは、孔形成剤、あるいは紡糸原液の増
粘剤として機能するものであり、形成した膜の洗浄後わ
ずかに残存し、一般的には親水性高分子が用いられる。
紡糸原液中の主ポリマーと副ポリマーとの割合は、主ポ
リマー5 〜25wt%、副ポリマー3〜20wt%が好
ましい。
【0012】本発明の中空糸膜の製造方法においては、
主ポリマーと疎水性改質剤(脂溶性ビタミン等)との親
和性が重要なポイントとなる。すなわち、主ポリマーと
して溶解度パラメータδが、13(cal/cm3
1/2 以下を用いることにより、疎水性改質剤、特に脂溶
性ビタミンとの親和性が良好となり、紡糸工程中に芯液
中に存在する疎水性改質剤が中空糸膜内表面に移行、導
入、固定されて取り込まれる。このようなポリマーとし
ては、ポリエチレン(δ=7.70)、ポリメチルメタ
クリレート(δ=9.10)、ポリスチレン(δ=9.
15)、ポリプロピレン(δ=9.40)、ポリスルホ
ン(δ=9.90)、ポリヒドロキシエチルメタクリレ
ート(δ=10.00)、ナイロン66(δ=11.1
8)セルロースジアセテート(δ=11.35)、ポリ
アクリロニトリル(δ=12.35)、ポリビニルアル
コール(δ=12.60)、セルローストリアセテー
ト、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリカーボ
ネート等が挙げられ、これらの単独、または2種以上を
組み合わせて使用してもよい。上述の主ポリマーに加え
る副ポリマーには、後述する増粘剤としても機能するポ
リビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコールなどが例示される。
【0013】溶解度パラメータδが、13(cal/c
3 1/2 以下のポリマーは、疎水性であり、芯液に
は、紡糸原液に含まれる主ポリマーの非溶媒として水を
用いるのが一般的である。一方紡糸原液を調製する際の
溶媒は、水に溶解しかつ高分子に対して非凝固的性質を
有する溶媒又は混合溶媒を用いる。前記紡糸原液に用い
る溶媒としては、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジ
メチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミ
ド(DMF)等が挙げられ、用いる基材等の種類に合わ
せて適宜選択される。また、前記紡糸原液には、必要に
応じて増粘剤、親水化剤等の添加剤を混入せしめてもよ
く、かかる増粘剤としては、ポリビニルピロリドン(P
VP)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロ
ピレングリコール(PPG)等、親水化剤としては、グ
リセリン等が挙げられる。紡糸原液を凝固する芯液は、
前記合成高分子の非溶媒または非溶媒と溶媒の混合溶液
が用いられ、さらに、疎水性改質剤および界面活性剤が
添加される。このような非溶媒としては、水があるが、
合成高分子に対する凝固性、経済性、安全性、排液処理
等を考慮すると水を用いるのが一般的である。また溶媒
としては前掲のものが挙げられ、用いる基材合成高分子
等の種類に合わせて適宜選択される。しかし、芯液中の
非溶媒すなわち水の比率が20%以下になると、合成高
分子の凝固性が著しく低下し、紡糸性の低下及び良好な
孔制御をすることが困難となる。しかも疎水性改質剤の
ひとつであるビタミンEは、脂溶性であり、ビタミンE
可溶な溶媒と水との混合溶媒であっても水の比率が高い
とビタミンEの溶解性は著しく低下し、その一部が混合
溶媒と分離してしまう。
【0014】本発明によれば、芯液中の水の比率を20
%超、好ましくは25〜55%にして適度な凝固性を有
する組成とし、さらに疎水性改質剤と界面活性剤を添加
することによって、芯液に疎水性改質剤を均一に分散さ
せることが可能となる。本発明の中空糸膜の製造方法で
は、前記芯液に脂溶性ビタミン等の疎水性改質剤及び界
面活性剤を混入せしめるものである。かかる疎水性改質
剤としては、脂溶性ビタミン、脂肪酸、疎水性重合体等
があるが、脂溶性ビタミンが好適である。脂溶性ビタミ
ンは生体由来材料であり、種々の生理活性を有するから
である。脂溶性ビタミンとしては、ビタミンA、ビタミ
ンD、ビタミンE、ビタミンKおよびユビキノン等が挙
げられるが、これらの中では、ビタミンEが好適であ
る。ビタミンEは熱安定性が高く、工業的生産に適して
いるからである。ビタミンEとしては、α−トコフェロ
ール、α−酢酸トコフェロール、α−ニコチン酸トコフ
ェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、
δ−トコフェロール等が挙げられる。
【0015】前記芯液中の前記疎水性改質剤としての脂
溶性ビタミンの含有量は0.001〜10wt%がよ
く、特に好ましくは0.01〜5wt%がよい。脂溶性
ビタミンの含有量が0.01wt%未満では脂溶性ビタ
ミンの添加の効果が得られず、10wt%を超えると添
加に見合う効果が得られず経済的に不利である。界面活
性剤としては、水溶性高分子、ドデシル硫酸ナトリウム
等の脂肪酸塩、グリセリン誘導体等が挙げられるが、生
体に対する安全性や残留のしにくさ等により水溶性高分
子が好適である。
【0016】水溶性高分子としては、ポリビニルアルコ
ール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール、ポリビニルピロリドン等の重合体又はこれらを含
む共重合体が挙げられる。水溶性高分子の種類及び分子
量は、芯液組成及び疎水性改質剤の種類によって適宜使
い分けられるが、分子量は2、000以上が好ましい。
分子量2、000以下の水溶性高分子では界面活性効果
が不十分である。また、水溶性高分子の含有量は、芯液
組成、疎水性改質剤の種類及び含有量、水溶性高分子の
種類及び分子量によって異なるが、疎水性改質剤含有量
の1/10〜2倍の量、すなわち0.0001〜20w
t%が良く、特に好ましくは0.001〜10wt%が
よい。0.0001wt%未満では疎水性改質剤の分散
には不十分であり、20wt%を越えると製膜後、過剰
の水溶性高分子を洗浄するために作業が繁雑となる。ま
た、紡糸工程中の水洗工程により、芯液の有機溶媒成分
は水に置換され、ビタミンEは分散状態を保持すること
ができなくなる。このとき、芯液中のビタミンEは近傍
にある疎水性部分、すなわち、凝固して膜となった主ポ
リマーの内表面に最も多量に付着する。疎水性改質剤の
中空糸膜表面における存在は、赤外線分光法、X線電子
分光法、二次イオン質量分析法等により確認することが
できる。
【0017】中空糸の製造方法中では、特に空中落下法
が好適であるので、これを例にとって、図面を参照しつ
つ本発明の中空糸膜の製造方法を以下に説明する。図1
は本発明の中空糸膜の製造方法の一実施形態を示す工程
図である。図2は本発明の中空糸膜型ダイアライザーの
一実施形態を示す一部切欠部を有する斜視図である。
【0018】本発明の中空糸膜の製造方法は、たとえ
ば、米国特許第3615024号、JOURNAL OF APPLIED
POLYMER SCIENCE VOL. 20, 2377-2394 (1976)、JOURNA
L OF APPLIED POLYMER SCIENCE VOL. 21, 165-180 (197
7)等に記載の従来法を改良したものであり、図1に示す
ように、紡糸原液槽2、芯液槽3、吐出ノズル4、凝固
性液槽5、洗浄液槽6および巻取り器7を含む紡糸装置
1により行われる。
【0019】紡糸原液槽2には、高分子を溶媒に溶解し
てなる紡糸原液が充填されている。紡糸原液槽2より送
液された紡糸原液を二重管構造の吐出ノズル4の外管で
ある環状紡糸孔(図示せず)より、また、芯液槽3より
送液された芯液を吐出ノズル4の内管(図示せず)より
同時に吐出させ、紡糸原液の芯部に芯液を充填しつつ空
気中に押出す。押出物はそのまま下方に自重落下させ延
伸させたのち凝固性液槽5に導入し凝固させる。本発明
では芯液中に疎水性改質剤を界面活性剤と共に含有させ
ることにより疎水性改質剤を所定量中空糸膜内表面に付
着させることができる。凝固性液槽に用いる凝固性液と
しては、前記高分子の非溶媒が用いられるが、若干の前
記高分子の溶媒、界面活性剤等を含んでもよい。凝固性
液槽5を出た中空糸膜であるフィラメント8は洗浄液槽
6を通過させ巻取り器7により巻取る。洗浄液槽の洗浄
液としては、通常水が用いられる。この水洗工程により
芯液中の溶媒及び界面活性剤が除去されることによりビ
タミンE等の疎水性改質剤が不溶化し、基材に固定処理
される。水洗工程で除去されなかった水溶性高分子など
の界面活性剤は、製膜後あるいは組み立て後に水洗する
ことによりビタミンE等の疎水性改質剤が中空糸膜に固
定化されたままで界面活性剤のみを選択的に除去するこ
とができる。
【0020】このようにして得られる本発明の中空糸膜
は、内径10〜1000μm、好ましくは100〜30
0μm、膜厚5〜100μm、好ましくは20〜60μ
mである。また、脂溶性ビタミンによる血小板凝集抑制
作用等を長期間にわたって持続しうる等の本発明の顕著
な効果を達成するためには、本発明の中空糸膜における
脂溶性ビタミンの含浸量は1〜1000mg/m2 の範
囲であることが好ましく、とくに10〜100mg/m
2 の範囲であることが好ましい。さらに後に実施例、比
較例で実験結果を示すように、本発明の中空糸膜は、溶
解度パラメータδが、13(cal/cm3 1/2 以下
である高分子を含む紡糸原液を紡糸して得られる疎水性
改質剤を含む微細多孔性中空糸膜であって、デキストラ
ンを用いて測定した篩係数が、 分子量10万において0.4以下、好ましくは0.2以
下 分子量1万において0.5以上、好ましくは0.7以上 である。このような本発明の中空糸膜は上述の製造方法
によって得られるものであるが、本明細書に記載されて
いない製造方法によって得られたものであってもよい。
【0021】つぎに、本発明の中空糸膜型ダイアライザ
ーについて説明すると、図2に示すように、中空糸膜型
ダイアライザー10は、両端部付近に透析液入口管11
および透析液出口管12を有する筒状本体13に、多数
の本発明の中空糸膜よりなる中空糸膜束14を挿入した
のち、その両端部をポッティング剤15、16で筒状本
体13の両端部をそれぞれシールしてなるものであり、
たとえば熱交換器におけるシエル・アンド・チューブ式
装置に類似した構造のものである。筒状本体13の両端
には体液流入口17および体液排出口18をそれぞれ備
えたヘッダー19、20がそれぞれ当接され、キャップ
21、22によりヘッダー19、20と筒状本体13と
がそれぞれ固着されている。体液流入口17および体液
流出口18には、人体に接続するチューブ23、24が
連結される。前記筒状本体、ヘッダーおよびキャップの
素材としては、ポリカーボネート、ポリプロピレン等が
挙げられる。また、前記ポッティング剤としては、ポリ
ウレタン等が挙げられる。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例をもってさらに具体的
に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
【0023】(実施例1)紡糸芯液組成を、DMF70
wt%、水30wt%の組成の芯液に対してα−酢酸ト
コフェロール0.1wt%、プルロニックF−68(旭
電化工業社、ポリエチレングリコール−ポリプロピレン
グリコール共重合体)0.1wt%を混合して作製し
た。この芯液を24時間室温で静置した後芯液の中間部
分を採取し、エタノールで5倍希釈した後284nmの
UV吸収を測定してα−酢酸トコフェロール溶解量を求
めた。
【0024】(実施例2)紡糸芯液組成を、DMF70
wt%、水30wt%の組成の芯液に対してα−酢酸ト
コフェロール0.1wt%、プルロニックF−68(旭
電化工業社、ポリエチレングリコール−ポリプロピレン
グリコール共重合体)0.08wt%を混合して作製し
た。この芯液を24時間室温で静置した後芯液の中間部
分を採取し、エタノールで5倍希釈した後284nmの
UV吸収を測定してα−酢酸トコフェロール溶解量を求
めた。
【0025】(実施例3)紡糸芯液組成を、DMF70
wt%、水30wt%の組成の芯液に対してα−酢酸ト
コフェロール0.1wt%、プルロニックF−68(旭
電化工業社、ポリエチレングリコール−ポリプロピレン
グリコール共重合体)0.06wt%を混合して作製し
た。この芯液を24時間室温で静置した後芯液の中間部
分を採取し、エタノールで5倍希釈した後284nmの
UV吸収を測定してα−酢酸トコフェロール溶解量を求
めた。
【0026】(実施例4)紡糸芯液組成を、DMF70
wt%、水30wt%の組成の芯液に対してα−酢酸ト
コフェロール0.1wt%、プルロニックF−68(旭
電化工業社、ポリエチレングリコール−ポリプロピレン
グリコール共重合体)0.05wt%を混合して作製し
た。この芯液を24時間室温で静置した後芯液の中間部
分を採取し、エタノールで5倍希釈した後284nmの
UV吸収を測定してα−酢酸トコフェロール溶解量を求
めた。
【0027】(実施例5)紡糸芯液組成を、DMF70
wt%、水30wt%の組成の芯液に対してα−酢酸ト
コフェロール0.1wt%、プルロニックF−68(旭
電化工業社、ポリエチレングリコール−ポリプロピレン
グリコール共重合体)0.04wt%を混合して作製し
た。この芯液を24時間室温で静置した後芯液の中間部
分を採取し、エタノールで5倍希釈した後284nmの
UV吸収を測定してα−酢酸トコフェロール溶解量を求
めた。
【0028】(実施例6)紡糸芯液組成を、DMF70
wt%、水30wt%の組成の芯液に対してα−酢酸ト
コフェロール0.1wt%、プルロニックF−68(旭
電化工業社、ポリエチレングリコール−ポリプロピレン
グリコール共重合体)0.02wt%を混合して作製し
た。この芯液を24時間室温で静置した後芯液の中間部
分を採取し、エタノールで5倍希釈した後284nmの
UV吸収を測定してα−酢酸トコフェロール溶解量を求
めた。
【0029】(実施例7)紡糸芯液組成を、DMF70
wt%、水30wt%の組成の芯液に対してα−酢酸ト
コフェロール0.1wt%、PVP0.1wt%を混合
して作製した。この芯液を24時間室温で静置した後芯
液の中間部分を採取し、エタノールで5倍希釈した後2
84nmのUV吸収を測定してα−酢酸トコフェロール
溶解量を求めた。
【0030】(比較例1)DMF70wt%、水30w
t%の溶液をエタノールで5倍希釈した後、α−酢酸ト
コフェロールを希釈前の溶液に換算して0.1wt%に
なるように混合した。この溶液をα−酢酸トコフェロー
ル0.1wt%の標準溶液とした。
【0031】(比較例2)紡糸芯液組成を、DMF70
wt%、水30wt%の組成の芯液に対してα−酢酸ト
コフェロール0.1wt%を混合して作製した。この芯
液を24時間室温で静置した後芯液の中間部分を採取
し、エタノールで5倍希釈した後284nmのUV吸収
を測定してα−酢酸トコフェロール溶解量を求めた。
【0032】実施例1〜7及び比較例1、2の結果を表
1に示す。 表1. 各芯液のα−酢酸トコフェロールのUV吸収 (284nm) ────────────────────────── UV吸収値 トコフェロール濃度 ────────────────────────── 比較例1 0.673 0.1 % 比較例2 0.120 0.0178% 実施例1 0.670 0.0996% 実施例2 0.665 0.0988% 実施例3 0.680 0.1010% 実施例4 0.671 0.0997% 実施例5 0.636 0.0945% 実施例6 0.529 0.0786% 実施例7 0.672 0.0999% ──────────────────────────
【0033】上記表1より、比較例2に示されたように
界面活性剤であるプルロニックを全く添加しなかった場
合は、ビタミンEの均一性が著しく低下しており、中間
層のビタミンE濃度は添加量の17.8%まで低下し、
UV吸収も低値となった。プルロニック添加量はビタミ
ンE添加量0.1%の時0.05%以上であれば、ほぼ
均一性が保たれていることが確認され、0.04%以下
では、プルロニック濃度が低下するにつれ、ビタミンE
の均一性が低下した。また界面活性剤の種類をプルロニ
ックからPVPに代えても同様な効果が得られた。上記
界面活性剤を用いた中空糸膜の製造を実施例を用いて説
明する。
【0034】(実施例8) 1.紡糸原液および芯液の調製 紡糸原液は、ポリスルホン(溶解度パラメータδ9.9
0(cal/cm3 1/2 )15wt%、PVP9wt
%、DMSO45wt%、DMA30wt%および水1
wt%を混合して作製した。芯液は、DMF70wt
%、水30wt%の組成の芯液に対してα−酢酸トコフ
ェロール0.1wt%、プルロニックF−68(旭電化
工業社、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリ
コール共重合体)0.1wt%を混合して作製した。
【0035】2.中空糸膜の作製 1.で調製した紡糸原液および芯液を、それぞれ二重管
吐出ノズルの外管(環状紡糸孔)および内管から同時に
吐出させ紡糸原液の芯部に芯液を充填しつつ空気中に押
出し、水が満たされた凝固性液槽を通過させ、凝固後、
洗浄・乾燥して中空糸膜を作製した。得られた中空糸膜
は内径約200μm、外径約280μmであり、α−酢
酸トコフェロールの含量は約55mg/m2 であった。
【0036】(実施例9) 1.紡糸原液および芯液の調製 紡糸原液は、ポリスルホン(溶解度パラメータδ9.9
0(cal/cm3 1/2 )15wt%、PVP9wt
%、DMSO45wt%、DMA30wt%および水1
wt%を混合して作製した。芯液は、DMF70wt
%、水30wt%の組成の芯液に対してα−酢酸トコフ
ェロール0.1wt%、PVP0.1wt%を混合して
作製した。
【0037】2.中空糸膜の作製 1.で調製した紡糸原液および芯液を、それぞれ二重管
吐出ノズルの外管(環状紡糸孔)および内管から同時に
吐出させ紡糸原液の芯部に芯液を充填しつつ空気中に押
出し、水が満たされた凝固液槽を通過させ凝固後、洗浄
・乾燥して中空糸膜を作製した。得られた中空糸膜は内
径約200μm、外径約280μmであり、α−酢酸ト
コフェロールの含量は約53mg/m2 であった。
【0038】以上詳述したとおり、本発明の中空糸膜の
製造方法によれば、紡糸芯液に疎水性改質剤と界面活性
剤添加することにより、芯液中の水の比率を低下させる
ことなく中空糸膜を紡糸することが可能となる。これに
より、疎水性改質剤を添加するために従来の芯液組成を
変更する必要がなくなり、従来と同等の膜構造を有する
中空糸膜を製造することが可能である。また、疎水性界
面活性剤の分散性はほぼ均一であるため、紡糸性への影
響はほとんどない。
【0039】(実施例10)紡糸原液はポリサルホン
(溶解度パラメータδ9.90(cal/c
3 1/ 2 )15wt%、PVP9wt%、DMSO4
5wt%、DMA31%を混合して作製した。芯液はD
MF50wt%、水50wt%の組成の芯液に対してα
−酢酸トコフェロール0.1wt%、プルロニックF−
68 0.1wt%を混合して作製した。上記のように
して調製した紡糸原液および芯液をそれぞれ二重管吐出
ノズルの外管および内管から同時に吐出させ紡糸原液の
芯部に芯液を充填しつつ空気中に押し出し水が満たされ
た凝固液槽を通過させ、凝固後洗浄・乾燥して中空糸膜
を作製した。得られた中空糸膜は内径約205μm、外
径約298μmであり、α−酢酸トコフェロールの含量
は約55mg/m2 であった。また、得られた中空糸膜
の内表面および外表面の二次イオン質量分析計によるス
ペクトルを測定したところ、内表面から酢酸トコフェロ
ールのフラグメントが多量に検出され、外表面からはほ
とんど検出されなかった。
【0040】(比較例3)紡糸原液はポリサルホン15
wt%、PVP9wt%、DMSO45wt%、DMA
31%を混合して作製した。芯液はDMF20wt%、
水10wt%、メタノール70wt%の組成の芯液に対
してα−酢酸トコフェロール0.1wt%を混合して作
製した。上記のようにして調製した紡糸原液および芯液
をそれぞれ二重管吐出ノズルの外管および内管から同時
に吐出させ紡糸原液の芯部に芯液を充填しつつ空気中に
押し出し水が満たされた凝固液槽を通過させ、凝固後洗
浄・乾燥して中空糸膜を作製した。得られた中空糸膜は
内径約200μm、外径約280μmであり、α−酢酸
トコフェロールの含量は約52mg/m2 であった。
【0041】分画分子量測定 実施例10および比較例3で作製した中空糸膜の分画分
子量を測定し図3に示した。図3(a)は、実施例10
の測定結果を示し、図3(b)は、比較例3の測定結果
を示す。界面活性剤を用いない比較例3は、分子量10
万の篩係数が大きすぎる。すなわち、血液中の有用成分
であるアルブミンの過度の漏出を招くことになる。分画
分子量は、デキストラン水溶液を用いて、以下の方法で
算出した。 a)供試液 デキストランT10,T40(ファルマシア社)をそれ
ぞれ生理食塩水(テルモ)に溶解して、10g/l溶液
として測定に用いた。 b)ふるい係数(SC)測定 膜面積100cm2 のミニモジュールを用い、線速度1
00cm/min.で供試液を還流し、定圧濾過でデキ
ストラン溶液をサンプリング(入り口側(IN)、出口
側(OUT)、濾液(F)の3点でサンプリング)し
た。100μlのサンプルを以下の条件下でGPC測定
し、分子量と保持容量の関係を求めた。この関係に基づ
いて、IN, OUT,Fの各デキストラン濃度から、篩
係数、SC(=2CF /〔CIN+COUT 〕)、C:濃
度、添字:サンプリング部位)を算出し、SCの分子量
依存性(分画分子量曲線)を求めた。
【0042】<GPC測定> 測定装置:高性能GPC専用システム(Shodex GPC SYST
EM-11,昭和電工社製) カラム:Shodex汎用GFCカラム OHpak高性能タイプ(O
Hpak KB-803)×2本+プレカラム(OHpak KB-800p) (共
に昭和電工社製) 移動相:生理食塩水(テルモ) 流量:1ml/min. 温度:35℃ 検出法:RI(示差屈折計) 測定感度:128mV データ処理:クロマトグラフデータ処理システム(Labch
art 180,昭和電工社製) なお、GPC測定には、IN, OUT,Fの3液をそれ
ぞれ20倍希釈したものを用いた。
【0043】
【発明の効果】本発明は、合成高分子を含む紡糸原液を
内孔を有する環状紡糸孔から吐出させると同時に該内孔
より芯液を吐出しながら線状に凝固液中に押し出し、又
は空中に押し出して次いで凝固性液中に導入して中空糸
膜を製造する方法において、該芯液に疎水性改質剤およ
び界面活性剤を含有せしめた中空糸膜の製造方法である
ので、製膜工程が簡便かつ経済的に、生体適合性等が高
い中空糸膜を製造することができるのである。
【0044】また、本発明は、前記疎水性改質剤の含有
量が0.001〜10wt%である中空糸膜の製造方法
であるので、疎水性改質剤を有効に無駄なく処理するこ
とができる。また、本発明は、前記疎水性改質剤が、脂
溶性ビタミンであるので、より高い生体適合性が期待で
きる。また、本発明は、前記脂溶性ビタミンがビタミン
Eであるので熱安定性に優れ、製造が容易である。ま
た、本発明は、前記ビタミンEはα−トコフェロール、
α−酢酸トコフェロール、α−ニコチン酸トコフェロー
ルであるので上記効果を得るのにさらに好適である。ま
た、本発明は、前記界面活性剤が水溶性高分子であるの
で、洗浄が容易である。また、本発明は、前記水溶性高
分子の含有量が0.0001〜20wt%であるので、
洗浄が容易でかつビタミンEの分散性も良好である。ま
た、本発明は、前記合成高分子の溶解度パラメータδ
が、13(cal/cm3 1/2 以下であるので、上記
本発明のより高い効果が得られる。さらに、本発明は、
上記の中空糸膜の製造方法により得られた中空糸膜であ
るので、簡便かつ経済的に、生体適合性等が高くかつ膜
を透過しうる物質に対してその効果を発揮させることが
できる。また、本発明は、前記の中空糸膜を用いた中空
糸膜型ダイアライザーであるので、簡便かつ経済的に、
生体適合性等が高くかつ膜を透過しうる物質に対してそ
の効果を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の中空糸膜の製造方法の一実施形態を
示す工程図である。
【図2】 本発明の中空糸膜型ダイアライザーの一実施
形態を示す一部切欠部を有する斜視図である。
【図3】 実施例10および比較例3のデキストランを
用いた篩係数の測定結果を示すグラフである。(a)は
実施例10の結果を示し、(b)は比較例3の結果を示
す。
【符号の説明】
1 紡糸装置 2 紡糸原液槽 3 芯液槽 4 吐出ノズル 5 凝固性液槽 6 洗浄液槽 7 巻き取り器 8 フィラメント 10 ダイアライザー 11 透析液入口管 12 透析液出口管 13 筒状本体 14 中空糸膜束 15、16 ポッティング剤 17 体液流入口 18 体液流出口 19、20 ヘッダー 21、22 キャップ 23、24 接続チューブ

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高分子を含む紡糸原液を、内空孔を囲む二
    重環状紡糸孔から吐出させ、該内空孔より紡糸原液を凝
    固させるための芯液を吐出しながら紡糸原液を円筒線状
    に凝固性液中に押し出し、又は空中に押し出してついで
    凝固性液中に導いて中空糸膜を製造する方法において、
    該芯液に疎水性改質剤および界面活性剤を含有せしめ、
    中空糸膜内表面に疎水性改質剤を含有させることを特徴
    とする中空糸膜の製造方法。
  2. 【請求項2】前記疎水性改質剤の含有量が0.001〜
    10wt%である請求項1記載の中空糸膜の製造方法。
  3. 【請求項3】前記疎水性改質剤が脂溶性ビタミンである
    請求項1または2記載の中空糸膜の製造方法。
  4. 【請求項4】前記脂溶性ビタミンがビタミンEである請
    求項3記載の中空糸膜の製造方法。
  5. 【請求項5】前記ビタミンEが、α−トコフェロール、
    α−酢酸トコフェロール、およびα−ニコチン酸トコフ
    ェロールからなる群から選択される少なくとも一つであ
    る請求項4記載の中空糸膜の製造方法。
  6. 【請求項6】前記界面活性剤が水溶性高分子である請求
    項1ないし5のいずれかに記載の中空糸膜の製造方法。
  7. 【請求項7】前記水溶性高分子の含有量が0.0001
    〜20wt%である請求項6記載の中空糸膜の製造方
    法。
  8. 【請求項8】前記高分子の溶解度パラメータδが、13
    (cal/cm3 1/2 以下である請求項1ないし7の
    いずれかに記載の中空糸膜の製造方法。
  9. 【請求項9】請求項1ないし8のいずれかに記載の中空
    糸膜の製造方法により得られる中空糸膜。
  10. 【請求項10】溶解度パラメータδが、13(cal/
    cm3 1/2 以下である高分子を含む紡糸原液を紡糸し
    て得られる疎水性改質剤を含む微細多孔性中空糸膜であ
    って、デキストランを用いて測定した篩係数が、 分子量10万において0.4以下 分子量1万において0.5以上 であることを特徴とする中空糸膜。
  11. 【請求項11】前記疎水性改質剤がビタミンEである請
    求項11記載の中空糸膜。
  12. 【請求項12】請求項1ないし8のいずれかに記載の中
    空糸膜の製造方法により得られる請求項10または11
    記載の中空糸膜。
  13. 【請求項13】請求項9ないし12のいずれかに記載の
    中空糸膜を用いることを特徴とする中空糸膜型ダイアラ
    イザー。
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