JPH10234764A - 男性用吸尿袋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 男性用吸尿袋において、ペニスの袋への挿入
を容易にし、かつ、ペニスからの袋の脱落を防止する。 【解決手段】 男性用吸尿袋が、上下に重なり合うパッ
ド部８，９によって構成される。パッド部８，９どうし
は、袋の幅方向へ延びる両端縁部１５Ａ，１５Ｂのうち
の一方１５Ｂと、長さ方向へ延びる両側縁部１０Ａ，１
０Ｂがその一方の端縁部１５Ｂにつながる部位とその近
傍の部位Ｍとで閉鎖状態にあり、端縁部のもう一方１５
Ａと、両側縁部１０Ａ，１０Ｂのうちの残余の部位Ｎと
が非閉鎖状態にある。下側パッド部８において、両側縁
部１０Ａ，１０Ｂの非閉鎖状態にある部位Ｎと前記もう
一方の端縁部１５Ａとに囲まれるコの字型の部位にはペ
ニス挿入部１１が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、寝たきりの病人
や失禁症の人が使用する男性用吸尿袋に関する。

【０００２】

【従来の技術】実公昭６１−３０６５３号公報に開示の
男性用吸尿袋は、透液性内面シートと不透液性外面シー
トとの間に吸液性コアが介在するパッドが２つ重ねられ
ていて、パッドの四周が閉じて袋状を呈している。重ね
られたパッドの一方には、袋の中へペニスを挿入するた
めの透孔が形成されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前記公知の吸尿袋で
は、袋の外側から内側へ向かってペニスを押し込むよう
にしなければならないためにスムーズに装着できないこ
とがある。特に老人の場合にはそれが難しくなる。透孔
を大きくして装着を容易にすることは可能であるが、そ
うしたものは装着後に脱落し易い。

【０００４】そこで、この発明は、装着が容易であっ
て、装着後にはペニスから脱落し難い男性用吸尿パッド
の提供を課題にしている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、この発明が前提とするのは、透液性内面シートと、
不透液性外面シートと、これら両シート間に介在する吸
液性コアとからなる２つのパッド部の互いに重なり合う
周辺部の一部が閉鎖状態にある一方、残余の周辺部が非
閉鎖状態にあって開口を形成している実質的に四角形の
男性用吸尿袋である。

【０００６】かかる前提において、この発明が特徴とす
るところは、前記周辺部が互いに並行して幅方向へ延び
る一対の端縁部と、互いに並行して長さ方向へ延びる一
対の側縁部とによって構成されていて、前記端縁部の一
方と、前記一対の側縁部それぞれにおける前記一方の端
縁部につながっている部位およびその近傍とが閉鎖状態
にあり、かつ、前記端縁部のもう一方と、前記一対の側
縁部の残余の部位とが非閉鎖状態にあって、前記２つの
パッド部それぞれの前記非閉鎖状態の周辺部に囲まれて
いるパッド部分のそれぞれが前記吸尿袋の外側へ折り返
し可能であり、該パッド部分の一方には、もう一方のパ
ッド部分を外側へ折り返すと露出する部位に、該部位を
厚み方向で貫通しているペニス挿入部が形成されている
こと、にある。

【０００７】

【発明の実施の形態】添付の図面を参照し、この発明に
係る男性用吸尿袋の詳細を説明すると、以下のとおりで
ある。

【０００８】図１，２，３は、男性用吸尿袋の部分破断
斜視図、同図のＩＩ−ＩＩ線断面図およびＩＩＩ−ＩＩ
Ｉ線断面図である。この吸尿袋は、透液性内面シート２
と、不透液性外面シート３と、これら両シート２，３間
に介在する吸液性コア４とによって構成されている一枚
の長方形のパッド１が折り重ねられたものである。内外
面シート２，３はコア４の四周から延出する部分で重な
り合い、ホットメルト接着剤またはシート２，３の少な
くとも一方の溶融によって接合していて、互いに並行し
て長手方向へ延びる一対の側縁部６Ａ，６Ｂと、幅方向
へ並行して延びる一対の端縁部７Ａ，７Ｂとを形成して
いる。パッド１は、長手方向を二分する中心線Ｃ−Ｃに
沿って内面シート２を内側にして折り重ねられることに
より、下側パッド部８と上側パッド部９とからなる四角
形の吸尿袋を形成している。吸尿袋は、一対の端縁部７
Ａ，７Ｂによって画成される端縁部１５Ａと、端縁部１
５Ａに並行し中心線Ｃ−Ｃに沿う端縁部１５Ｂとを有
し、また側縁部６Ａ，６Ｂそれぞれによって画成される
互いに並行な一対の側縁部１０Ａ，１０Ｂを有する。

【０００９】下側パッド部８には、幅方向の中央部位に
パッド部８を厚み方向で貫通する円孔のペニス挿入部１
１が形成されている。下側パッド部８の側縁部６Ａ，６
Ｂと上側パッド部９の側縁部６Ａ，６Ｂとは、中心線Ｃ
−Ｃから長手方向へ延びる第１区域Ｍにおいて水密状態
で接合して、吸尿袋が閉鎖状態にある。第１区域Ｍと端
縁部７Ｂとの間で長手方向へ延びる第２区域Ｎでは、両
パッド部８，９が接合しておらず、吸尿袋は非閉鎖状態
にあるが、下側パッド部８には、上側パッド部９を接合
するための粘着剤１２が塗布されていて、その粘着剤１
２が剥離紙１３で被覆保護されている。

【００１０】重なり合う両パッド部８，９は、それぞれ
の非閉鎖状態にある部位を吸尿袋の外側へ折り返すこと
ができる。上側パッド部９についていえば、第２区域Ｎ
と端縁部７Ａとによってコの字型に囲まれている部位１
６が矢印Ｙで示される袋の外側方向へ折り返すことがで
きる。図１では、部位１６が折り返されて、下側パッド
部８の内面の一部が露出している。その露出した部位に
は、ペニス挿入部１１が形成されている。図２，３で
は、上側パッド部９の部位１６が下側パッド部８に重な
った状態で示されている。

【００１１】下側パッド部８と上側パッド部９とは、図
１に示されるように部位１６が外側へ折り返されるとペ
ニス挿入部１１が顕われるように、中心線Ｃ−Ｃから端
縁部７Ａ，７Ｂへ向かって延びる第１区域Ｍの寸法が、
中心線Ｃ−Ｃから挿入部１１の周縁に至るまでの直線距
離Ｌを超えることがないように設定されている。

【００１２】このように構成された吸尿袋では、図１の
状態にあるときに袋の内側から外側へ向けて挿入部１１
に指を挿入し、その指を使用してペニスを袋の外側から
内側へ導くことができる。袋の中のペニスは、先端を中
心線Ｃ−Ｃに向けて寝かせてもよいし、端縁部７Ａ，７
Ｂに向けて寝かせてもよい。いずれにせよ、ペニスを寝
かせた後には、剥離紙１３を剥がし、上側パッド部９の
部位１６を下側パッド部８に重ねて両パッド部８，９を
周辺部で接合する。

【００１３】この吸尿袋では、製造過程で側縁部６Ａ，
６Ｂの第１区域Ｎを尿漏れのないように確実に接合して
おいて、ペニスを中心線Ｃ−Ｃに向けて寝かせれば、介
護者や着用者自身が袋の粘着域を利用して袋を閉じると
きに、その閉じかたが不完全で尿漏れが生じるという事
態を回避できる。また、ペニスの挿入には指先を比較的
自由に使用できるから、円孔の挿入部１１の周縁がペニ
スにフィットし易いように挿入部１１の径を小さくして
おいても、それによってペニスの挿入が著しく困難にな
るということもない。挿入部１１は、その周縁部に弾性
部材を配置して周り方向に伸縮できるようにしてあれ
ば、挿入部１１への指の挿入が容易になるばかりでな
く、ペニスに対するフィット性が向上し、挿入部１１か
らの尿漏れや吸尿袋のペニスからの脱落を防止すること
もできる。

【００１４】図４，５は、吸尿袋の一態様を示す図１と
同様の図面と、そのＶ−Ｖ線断面図である。この吸尿袋
の内側には、下側パッド部８の幅方向の中央域に側縁部
６Ａ，６Ｂと並行に延びる溝３１が形成されていて、挿
入部１１が溝３１の底部に位置している。溝３１は、好
ましくは、上側パッド部９にまで延びている。挿入部１
１に挿入されたペニスをこの溝３１に寝かせることによ
って、吸尿袋内でのペニスの位置と向きとを規制するこ
とができる。ペニスが吸尿袋の中央域に位置すれば、排
泄された尿は、コア４の幅方向へ均等に広がり易く、吸
尿袋内でペニスの位置が偏倚している場合に比べて尿の
漏れが生じ難くなる。この吸尿袋では、下側パッド部８
の両側縁部６Ａ，６Ｂと端縁部７Ｂとに粘着剤１１がコ
の字型に塗布されていて、それが剥離紙１３で被覆保護
されている。

【００１５】図６もまた、この吸尿袋の一実施態様を示
す図１と同様の図面である。この吸尿袋のペニス挿入部
１１は、図１のような円孔ではなくて、下側パッド部８
のＵ字状に切り欠かれた部位である。吸尿袋の外面シー
ト３の外面には、挿入部１１の近傍に粘着剤を塗布した
止着域２１が形成されていて、袋を装着後に挿入部１１
の近傍をペニス基根部に巻き付けて密着させ、袋の脱落
を防止できるようにしてある。

【００１６】この発明において、吸尿袋は２枚の個別の
パッド部材が重ね合わせられたものであってもよい。こ
のような袋では、上下のパッド部８，９それぞれの間で
吸液性コア４の厚みや組成を自由に変えることができ
る。

【００１７】

【発明の効果】この発明に係る男性用吸尿袋は、重なり
合う上下のパッド部の一方にペニス挿入部が形成され、
もう一方のパッド部は、その挿入部を覆う部位が外側へ
折り返し可能であり、折り返して吸尿袋の内側を露出さ
せるとその挿入部が顕れるように構成されている。袋の
内側から外側へ向けて挿入部に入れた指先を使用すれ
ば、袋の内側へペニスを容易に導くことができる（請求
項１の効果）。

【００１８】ペニス挿入部が円孔である態様では、挿入
部周縁をペニスの周囲にフィットさせ易い（請求項２の
効果）。

【００１９】ペニス挿入部がＵ字状の切り欠き部位であ
る態様では、ペニスの挿入が比較的容易になる（請求項
３の効果）。

【００２０】吸尿袋の非閉鎖状態にある側縁部や端縁部
に粘着剤が塗布されている態様では、ペニス挿入後に尿
漏れがないように袋を閉じることができる（請求項４，
５の効果）。

【００２１】吸尿袋の内側に溝が形成されている態様で
は、袋内でのペニスの位置と向きとを規制することがで
きる（請求項６の効果）。

【００２２】吸尿袋が１枚のパッドを折り重ねたもので
あるときには、２枚の個別のパッドを使用する場合に比
べて吸尿袋の製造が容易になる（請求項７の効果）。

【００２３】吸尿袋が２枚の個別のパッドを重ねたもの
である態様では、上下のパッド部の間で吸液性コアの厚
みや組成を自由に変えることができる（請求項８の効
果）。

【図面の簡単な説明】

【図１】吸尿袋の部分破断斜視図。

【図２】図１のＩＩ−ＩＩ線断面図。ただし、上下のパ
ッド部が重なり合っている。

【図３】図１のＩＩＩ−ＩＩＩ線断面図。ただし、上下
のパッド部が重なり合っている。

【図４】発明の一実施態様を示す吸尿袋の斜視図。

【図５】図４のＶ−Ｖ線断面図。

【図６】発明の一実施態様を示す図１と同様の図面。

【符号の説明】

１ パッド部 ２ 内面シート ３ 外面シート ８ パッド部（下側パッド部） ９ パッド部（上側パッド部） １０Ａ，１０Ｂ 側縁部 １１ 挿入部 １５Ａ，１５Ｂ 端縁部

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 透液性内面シートと、不透液性外面シー
   トと、これら両シート間に介在する吸液性コアとからな
   る２つのパッド部の互いに重なり合う周辺部の一部が閉
   鎖状態にある一方、残余の周辺部が非閉鎖状態にあって
   開口を形成している実質的に四角形の男性用吸尿袋であ
   って、 前記周辺部が、互いに並行して幅方向へ延びる一対の端
   縁部と、互いに並行して長さ方向へ延びる一対の側縁部
   とによって構成されていて、前記端縁部の一方と、前記
   一対の側縁部それぞれにおける前記一方の端縁部につな
   がっている部位およびその近傍とが閉鎖状態にあり、か
   つ、前記端縁部のもう一方と、前記一対の側縁部の残余
   の部位とが非閉鎖状態にあって、前記２つのパッド部そ
   れぞれの前記非閉鎖状態の周辺部に囲まれているパッド
   部分のそれぞれが前記吸尿袋の外側へ折り返し可能であ
   り、該パッド部分の一方には、もう一方のパッド部分を
   外側へ折り返すと露出する部位に、該部位を厚み方向で
   貫通しているペニス挿入部が形成されていることを特徴
   とする前記吸尿袋。
2. 【請求項２】 前記ペニス挿入部が円孔である請求項１
   記載の吸尿袋。
3. 【請求項３】 前記ペニス挿入部が前記パッド部分に形
   成されたほぼＵ字状の切り欠き部位である請求項１記載
   の吸尿袋。
4. 【請求項４】 前記吸尿袋の一対の側縁部は、前記非閉
   鎖状態にある部分の少なくとも一部に粘着剤が塗布され
   ていて、ペニス挿入後に該粘着剤を介して前記非閉鎖状
   態にある一部を閉鎖状態にすることが可能である請求項
   ２〜３のいずれかに記載の吸尿袋。
5. 【請求項５】 前記吸尿袋の前記もう一方の端縁部の内
   面にも粘着剤が塗布されている請求項４記載の吸尿袋。
6. 【請求項６】 前記重なり合う２つのパッド部は、少な
   くとも前記ペニス挿入部が形成されている一方におい
   て、前記一対の側縁部間の前記挿入部を含む中央部位の
   内面に前記側縁部と並行して延びる溝が形成されている
   請求項１〜５のいずれかに記載の吸尿袋。
7. 【請求項７】 前記重なり合う２つのパッド部が、１枚
   の長方形のパッドをその長手方向を二分する中心線で折
   り重ねることにより形成されている請求項１〜６のいず
   れかに記載の吸尿袋。
8. 【請求項８】 前記重なり合う２つのパッド部が、２枚
   の個別のパッドを重ね合わせたものである請求項１〜７
   のいずれかに記載の吸尿袋。