JPH10232231A - 好酸球機能測定容器、キット及び好酸球機能測定方法 - Google Patents

好酸球機能測定容器、キット及び好酸球機能測定方法

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JPH10232231A
JPH10232231A JP3485397A JP3485397A JPH10232231A JP H10232231 A JPH10232231 A JP H10232231A JP 3485397 A JP3485397 A JP 3485397A JP 3485397 A JP3485397 A JP 3485397A JP H10232231 A JPH10232231 A JP H10232231A
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JP
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container
blood
eosinophil
measuring
function
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JP3485397A
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Koji Kobayashi
幸司 小林
Yuji Setoguchi
雄二 瀬戸口
Kiyoshi Kuriyama
澄 栗山
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来よりも精度が良く、操作が簡単で危険性
がなく好酸球の細胞機能測定が可能な、好酸球の機能測
定容器、機能測定方法及び機能測定キットを提供する。 【解決手段】 内部が減圧にされた容器内に、好酸球刺
激剤が血液と接触可能な状態とされており、該好酸球刺
激剤(例、ヒトIgGを固定化したセファロース4Bビ
ーズ、カルシウムイオノフォア等)と血液との反応によ
って血液中に遊離される好酸球由来の生理活性物質
(例、MBP、ECP等)量を測定することによる好酸
球機能測定容器であって、測定しようとする液量に等し
い量のエンドトキシンフリー水を採取して抽出を行った
ときの、エンドトキシン量が好酸球の機能を修飾しない
量であることを特徴とする好酸球機能測定容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、好酸球の機能測定
容器、好酸球機能測定方法及び好酸球機能測定キットに
関する。
【0002】
【従来の技術】気管支喘息は、従来、Coombs a
nd GellによるI型アレルギーに分類され、抗原
吸入負荷に応じて、数分以内に気道収縮などの喘息症状
が出現することから、長い間、IgE抗体−マスト細胞
系の反応による即時型過敏症として認識されてきた。し
かしながら、即時型反応が収束した後、そのまま観察を
続けると6〜8時間後に、再び気道収縮がみられ、この
時の病理組織像は、リンパ球と好酸球の顕著な浸潤が特
徴的であり、慢性喘息患者の発作時の病理所見とも合致
することから、気管支喘息の病態形成における好酸球の
重要性が明らかになってきている(臨床免疫、28
(5):589−599,1966)。
【0003】上記のように、好酸球は、気管支喘息、ア
レルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎等のアレルギー疾患
において重要な役割を果たす効果細胞の一つである。好
酸球は、これらの病態の炎症局所に集積し、Major
basic proteinをはじめとする種々の生
理活性物質を放出し、組織破壊や血管透過性の亢進等の
直接的作用により、上記疾患の病態と深く関わってい
る。
【0004】また、リンパ球や好酸球から産生される種
々のサイトカインは、好酸球の局所集積や活性化に関係
し、炎症の維持に働いているという報告がなされ、好酸
球とリンパ球、好酸球とのサイトカインネットワークが
上記アレルギー性疾患の病態形成において重要であるこ
とがわかってきている(第24回日本臨床免疫学会総会
・抄録集、臨床免疫,28(2):181−191,1
996)。例えば、腫瘍壊死因子α(TNF−α)は、
好酸球からの脱顆粒を促し、インターロイキン−3(I
L−3)、インターロイキン−5(IL−5)、Granul
ocyte Macrophage Colony Stimulating Factor(GM−
CSF)は、Priming作用、生存延長作用を有
し、好酸球の反応性を劇的に高めそれを持続させる。ま
た、インターロイキン−8(IL−8)、Regula
ted on Activation,Normal
T Expressed and Secreted
(RANTES)は、好酸球に対する強い走化性を有
し、好酸球の局所集積に関係している。
【0005】そのため、上記アレルギー疾患の病態把握
において好酸球の機能を測定することは重要であるにも
かかわらず、従来、好酸球の機能測定は殆ど行われてお
らず、実験的に血液から分離した好酸球や喀痰、涙液な
どの炎症局所からサンプリングした好酸球を刺激してそ
の活性化度合いを測定する基礎研究のレベルにあり、上
記アレルギー疾患の病態を検査するレベルの試験法には
至っていない。
【0006】この原因として、次のような問題点が挙げ
られる。 (1)好酸球は、通常、全血球の約3%しかなく細胞分
離が難しいこと。 (2)機能測定のために細胞培養等の特殊な操作が必要
であること。 (3)被検者から血液等の試料を採取し、ピペッティン
グなどの用手法の手段で種々の測定容器に移し変える操
作が必要であり、検査従事者が血液等の試料に触れて、
肝炎、エイズ等の種々の感染症に感染する危険性がある
こと。
【0007】また、近年、細胞機能の測定にあたって、
製造工程での微量の埃の混入、使用する洗浄水からの汚
染などにより、試験に用いられる器具、容器にグラム陰
性菌由来のエンドトキシン(LPS)が混入し、LPS
は、極微量で白血球からTNF−α、インターロイキン
−1、GM−CSFなどの種々のサイトカインの産生を
誘導し、測定対象の細胞機能を修飾するため、信頼でき
る測定結果が得られないという問題が起こっている。例
えば、「Cytokine production b
y phytohemagglutinin−stim
ulatedhuman blood cells:E
ffect of corticosteroids,
T Cell immunosuppressants
and phosphodiesterase4 i
nhibitors」J.Van Wauwe,F.A
erts,H.Walter,and M.de Bo
er,Inflamm Res 44,400−405
(1995)には、刺激剤として用いたphytohe
magglutininに混入したLPSが、インター
ロイキン−2、インターロイキン−5、γ−インターフ
ェロン、GM−CSFの産生を引き起こし、結果に大き
く影響することが報告されている。
【0008】上述のように、好酸球もまた、LPSが誘
導する多くのサイトカインによって、その機能が活性化
されたり、抑制されることがわかっている。そのため、
好酸球の機能測定にあたって、試験に用いられる器具、
容器へのLPSの混入及び測定操作中のLPSの混入
は、測定精度を悪くするため、大きな問題点となる。
【0009】これらの問題点のため、従来よりも、精度
が良く、操作が簡単で、危険性がない好酸球の機能測定
方法が望まれている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
よりも精度が良く、操作が簡単で危険性がなく好酸球の
細胞機能測定が可能な、好酸球の機能測定容器、機能測
定方法及び機能測定キットを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の好酸球機能測定容器は、内部が減圧にされた容器内
に、好酸球刺激剤が血液と接触可能な状態とされてお
り、該好酸球刺激剤と血液との反応によって血液中に遊
離される好酸球由来の生理活性物質量を測定することに
よる好酸球機能測定容器であって、測定しようとする液
量に等しい量のエンドトキシンフリー水を採取して抽出
を行ったときの、エンドトキシン量が好酸球の機能を修
飾しない量であることを特徴とする。
【0012】本発明の請求項2に記載の好酸球機能測定
容器は、請求項1記載の容器内に、更に血液抗凝固剤が
収容されている好酸球機能測定容器である。
【0013】本発明の請求項3に記載の好酸球機能測定
方法は、測定しようとする液量に等しい量のエンドトキ
シンフリー水を採取して抽出を行ったときの、エンドト
キシン量が好酸球の機能を修飾しない量である容器内
で、好酸球刺激剤と血液とを反応させ、血液中に遊離さ
れる好酸球由来の生理活性物質量を測定することを特徴
とする。
【0014】本発明の請求項4に記載の好酸球機能測定
方法は、前記容器が請求項1又は2記載の好酸球機能測
定容器である請求項3記載の好酸球機能測定方法であ
る。
【0015】本発明の好酸球機能測定キットは、請求項
1又は2記載の好酸球機能測定容器と、前記好酸球刺激
剤と血液との反応によって血液中に遊離される好酸球由
来の生理活性物質量を定量可能な試薬とからなることを
特徴とする。
【0016】以下、本発明について説明する。本発明で
いう、「エンドトキシンが好酸球の機能を修飾する」と
は、血液を好酸球機能測定容器に採取後に該測定容器内
に含まれるエンドトキシンによって、血液中のリンパ
球、単球などの細胞が活性化され、これらの細胞から産
生されるTNF−α、IL−3、IL−5、GM−CS
F、IL−8、RANTES、ロイコトリエンなどの生
理活性物質が好酸球を活性化又は抑制するなどの細胞機
能を変動させる状態を指す。このような状態では、好酸
球の機能測定をする前に脱顆粒が起こるなどの好ましく
ない反応が惹起され、正確な好酸球機能測定が不可能に
なる。
【0017】まず、本発明の好酸球機能測定容器につい
て説明する。
【0018】本発明で用いられる好酸球刺激剤とは、好
酸球を刺激するものであれば、特に限定されず、例え
ば、補体第5因子ペプチドa(C5a)、RANTE
S、ホルミルペプチド(例えば、Formyl−Met
ionyl−Leucyl−Phenylalanin
eなど)、カルシウムイオノフォア(例えば、A231
87など)、TNF−α、GM−CSFなどが挙げられ
る。また、これらの材料を種々の天然、合成高分子材料
に公知の固定化方法によって固定化した材料なども挙げ
られる。上記固定化方法としては、共有結合法、物理吸
着法等のいずれの公知の方法を用いても良い。また、固
定化した免疫グロブリンG(IgG)、免疫グロブリン
A(IgA)、分泌型IgA(sIgA)なども用いる
ことができる。
【0019】上記刺激剤は、エンドトキシンを含まない
もの、所謂、エンドトキシンフリーのものが好ましい。
【0020】本発明における、好酸球刺激剤と血液との
反応によって、血液中に遊離される好酸球由来の生理活
性物質としては、Charcot−Leiden cr
ystal protein(lysophospho
lipase)、majorbasic protei
n(MBP)、eosinophile cation
ic protein(ECP)、eosinophi
le derived neurotoxin(ED
N)、eosinophile peroxidase
(EPO)等の好酸球顆粒蛋白質;ロイコトリエンC4
(LTC4 )等のアラキドン酸代謝産物;インターロイ
キン−1α、インターロイキン−3、インターロイキン
−4、インターロイキン−5、インターロイキン−6、
インターロイキン−8、GM−CSF、トランスフォー
ミンググロースフアクター(TGF−α、TGF−
β)、TNF−α、種々の遊走因子(MIP−1α、M
CP−1)等のサイトカインなどが挙げられる。
【0021】本発明の測定容器においては、上記刺激剤
が、内部が減圧にされた容器内に、血液と接触可能な状
態とされている。血液と接触可能な状態としては、例え
ば、上記刺激剤が上記容器内に収容されている場合が挙
げられる。
【0022】上記刺激剤の形状としては、特に限定され
ず、例えば、液状、粒子状などが挙げられる。また、担
体に固定化されていてもよい。上記液状の場合は、通
常、上記刺激剤を、希釈液として、例えば、リン酸緩衝
液、ハンクス緩衝液などの緩衝液やMEM、RPMI−
1640等の通常の培地、生理食塩液(例えば、大塚製
薬社製)、注射用水(例えば、大塚製薬社製)などで希
釈して用いる。
【0023】上記刺激剤の上記容器中の存在状態は、固
体状であってもよく、また、液体状であってもよい。刺
激剤が水溶性材料の場合、容器の内壁面に塗布、あるい
は添加された後、粉末状にされてもよい。例えば、注射
用水を用いて刺激剤を希釈した場合は、刺激剤を容器に
入れた後、乾固した方が好ましい。刺激剤が水不溶性の
材料の場合には、上記刺激剤の表面に気泡が残ると、転
倒混和等により血液と接触させる際に過度の溶血を引き
起こし、測定系に影響する恐れがあるため、水不溶性材
料は、例えば、上記のような希釈液に浸しておくのが好
ましい。
【0024】担体に刺激剤が固定化されて用いられる場
合、固定化する担体が水溶性材料の場合は、容器の内壁
面に塗布、あるいは添加した後、粉末状にしてもよい。
担体が水不溶性材料の場合は、材料の表面に気泡が残る
と、過度の溶血を引き起こし、測定系に影響する恐れが
あるため、例えば、上記のような希釈液に浸しておくの
が好ましい。
【0025】上記刺激剤が血液と接触されたときの全液
(血液と、必要に応じて添加される血液抗凝固剤溶液
と、上記刺激剤の溶解もしくは懸濁用の液との総和)中
の刺激剤の最適濃度は、それぞれの刺激剤によって変わ
り得る。従って、上記刺激剤の容器中の収容量は、刺激
剤の種類によって適宜最適量が変わり得る。
【0026】また、本発明の測定容器は、血液と上記刺
激剤を接触させ、生理活性物質を遊離させる反応容器と
して用いられるので、血液が凝固しないように、上記容
器中に血液抗凝固剤が収容されているのが好ましい。
【0027】上記血液抗凝固剤は、該容器の中に液体又
は固体のいずれの状態で存在されてもよい。
【0028】上記血液抗凝固剤としては、ヘパリン化合
物、クエン酸化合物、シュウ酸化合物などが挙げられ、
ヘパリンナトリウムなどが細胞の生物学的反応を阻害し
ないので好ましい。
【0029】上記ヘパリンナトリウムの該容器中の収容
量としては、該容器に血液が収容された時に、その血液
中の濃度が低くなると血液凝固の恐れがあり、高くなる
と細胞に不測の活性化や不活性化を起こす恐れがあるの
で、4〜50u/mlになるように収容されるのが好ま
しい。
【0030】また、本発明の測定容器の形状は、減圧に
し得るものであれば、特に限定されず、例えば、採血管
のようなチューブ状のもの、筒状のもので入口と出口の
両方が何らかの形で閉鎖されているもの、プレート状の
ものが挙げられる。
【0031】本発明の測定容器の材質としては、プラス
チックまたはガラスが挙げられるが、生理活性物質の遊
離反応後、上記生理活性物質を測定するに際して血漿分
離するための遠心分離操作に耐えられるだけの強度を有
するものが好ましい。
【0032】上記プラスチックとしては、熱可塑性樹
脂、熱硬化性樹脂のいずれもが用いられる。熱可塑性樹
脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビ
ニル、ポリエチレンテレフタレート、スチレン−アクリ
ロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合
体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メチル
メタクリレート共重合体、エチレン−プロピレン共重合
体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリ
ル酸エステル共重合体等が挙げられる。熱硬化性樹脂と
しては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹
脂、エポキシ−アクリレート樹脂等が挙げられる。
【0033】本発明の測定容器としてチューブ状のもの
を用いる場合には、その内部を減圧に維持するために、
通常、栓体を使用する。栓体の材質としては、例えばブ
チルゴム、塩素化ブチルゴム、熱可塑性エラストマー等
が挙げられる。
【0034】本発明の測定容器の減圧の程度は、常圧の
検体血液と上記測定容器が連通された時に、上記測定容
器の中に常圧の検体血液が吸入されうる程度の圧力であ
ればよく、その圧力は、吸入しようとする検体血液の量
によって決められる。すなわち、吸入しようとする検体
血液の量が多ければ多いほど減圧の程度を大きくする必
要がある。
【0035】本発明の測定容器を用いて好酸球の機能測
定をする際に、採取する血液量は、容器の容積によって
異なるが、通常、4〜5mlの容積のチューブ状の容器
を用いる場合であれば、0.5〜2ml程度でよい。ま
た、マイクロプレート状の容器を用いる場合であれば、
0.05〜2ml程度でよい。
【0036】また、本発明の測定容器のエンドトキシン
含量は、測定しようとする液量に等しい量のエンドトキ
シンフリー水を採取して抽出を行ったときの、エンドト
キシン量が好酸球の機能を修飾しない量であることが必
要である。具体的には、使用前の該容器中のエンドトキ
シン量は、測定しようとする液量に等しい量のエンドト
キシンフリー水を該容器内に採取し、37℃で1時間の
条件で攪拌下で抽出を行ったとき、該抽出液中の濃度と
して0.5EU(国際エンドトキシンユニット)/ml
以下とされているのが好ましい。〔なお、上記の抽出を
行う際のエンドトキシンフリー水の量は、上記のように
測定しようとする液量に全く等しい量である必要は必ず
しもなく、抽出が十分になされるなら測定しようとする
液量未満であってもよいが、この場合であっても、抽出
液中のエンドトキシン含量が0.5EU(国際エンドト
キシンユニット)/ml以下であれば本発明の作用効果
を奏する〕。
【0037】エンドトキシン量が0.5EU/mlを超
えると血液から顕著にTNF−αなどのサイトカインの
誘導を引き起こし、誘導されたサイトカインにより好酸
球の活性化、脱顆粒などの機能修飾が引き起こされ、精
度のよい好酸球機能の測定が不可能となる。
【0038】なお、エンドトキシンは、通常250℃、
2時間の乾熱滅菌により失活させることが可能であり、
乾熱滅菌が不可能な場合は、エンドトキシンフリー水に
て洗浄することによって減ずることが可能である。
【0039】上記エンドトキシン含量の測定方法として
は、種々の方法があるが、本発明でいうエンドトキシン
含量の測定方法は、合成発色基質法によるものである。
この測定には、例えば、生化学工業社製、商品名 エン
ドスペシーを利用できる。
【0040】本発明の測定容器の製造方法の一例を、測
定容器としてチューブ状のものを用いる場合について説
明すると、内部を減圧にすることが可能である容器に、
上記刺激剤及び必要に応じて血液抗凝固剤を加え、容器
を所定の減圧状態にした後、上記容器に栓をすることに
よって製造する。
【0041】上記の容器としては、例えば、一端が開口
し他端が閉塞してなる有底管体が好ましく、開口部は、
栓体によって閉塞可能なものが好ましい。上記有底管体
としては、例えば、反応後、上記好酸球由来の生理活性
物質量を測定するための遠心分離操作に好適な試験管状
のものがより好ましく、そのサイズとしては、外径が5
〜30mm、高さ20〜150mm程度が好ましい。
【0042】また、本発明の測定容器は、エンドトキシ
ンや雑菌の混入を避けるため、できる限りクリーンな環
境で製造するのが好ましく、また、可能であれば製造後
に公知の滅菌処理を施すのが好ましい。
【0043】次に、本発明の好酸球機能測定方法につい
て説明する。上記方法は、測定しようとする液量に等し
い量のエンドトキシンフリー水を採取して抽出を行った
ときの、エンドトキシン量が好酸球の機能を修飾しない
量である容器内で、好酸球刺激剤と血液とを反応させ、
血液中に遊離される好酸球由来の生理活性物質量を測定
することを特徴とする。
【0044】上記方法において、上記「エンドトキシン
量が好酸球の機能を修飾しない量である容器」として
は、その容器内のエンドトキシン量が好酸球の機能を修
飾しない量であるものならば、特に限定されない。その
形状としても、特に限定されず、例えば、採血管のよう
なチューブ状のもの、筒状のもので入口と出口のいずれ
かが何らかの形で閉鎖されているもの、プレート状のも
のが挙げられる。上記容器としては、請求項1又は2記
載の好酸球機能測定容器であることが好ましいが、これ
だけに限定されず、内部が減圧にされていないものでも
構わない。
【0045】内部が減圧にされていない容器として、例
えば、マイクロタイタープレートを用いる場合は、検体
血液の採取をエンドトキシンフリーの注射器を用いて採
血し、得られた血液をマイクロタイタープレートに移し
て好酸球機能測定のための反応をさせればよい。
【0046】次に、本発明の請求項1又は2記載の好酸
球機能測定容器によって、好酸球機能測定を行う方法に
ついて説明する。まず、血管又は採血容器と上記測定容
器とを連通させ、上記測定容器中に検体血液を吸入させ
る。次いで、上記測定容器を適度に振とうしながら、血
液中の好酸球と上記刺激剤とを接触させ、上記刺激剤と
好酸球とを反応させる。反応後、静置もしくは遠心分離
により、血球と血漿に分離して、血漿中の好酸球由来の
生理活性物質量を各々の定量可能な試薬により定量す
る。
【0047】上記の採血容器と上記測定容器を連通させ
る方法としては、例えば、採血容器を注射針付きの注射
筒としておき、上記注射針を上記測定容器の栓体に突き
刺す方法が挙げられる。
【0048】なお、上記の採血容器には、適当な血液抗
凝固剤を収容しておくのが好ましい。
【0049】また、上記の血管と上記測定容器を連通さ
せる場合には、通常の真空採血法に用いられる注射針、
すなわち、針基の一方の側に血管刺通側の針を有し、他
方の側に上記測定容器の栓体を刺通し得る栓体刺通側の
針を有し、上記血管刺通側の針と栓体刺通側の針が連通
されている針(通称、マルチプル注射針)を用いればよ
い。
【0050】上記の血液と上記刺激剤との反応温度は、
上記生理活性物質の遊離が効率的に行われ、遊離された
生理活性物質が安定で、しかも、過度の溶血を引き起こ
さない温度である1〜42℃が好ましく、10〜40℃
がより好ましい。また、反応時間は、上記生理活性物質
の遊離が効率的に行われ、過度の溶血を引き起こさない
反応時間が好ましい。この反応時間は、刺激剤の種類、
測定しようとする生理活性物質によって適宜最適の反応
時間が設定されるべきである。MBP又はECPなどの
好酸球顆粒蛋白質の場合は、30分〜6時間が好まし
く、TNF−αなどのサイトカインの場合は、1〜24
時間が好ましい。
【0051】本発明において遊離された生理活性物質量
を測定する方法としては、例えば、測定しようとする生
理活性物質に対するモノクローナル抗体もしくはポリク
ローナル抗体;ペルオキシダーゼ、アルカリフォスファ
ターゼなどの酵素;及び各々の酵素の発色基質などを利
用した酵素免疫測定方法(EIA)や周知の放射免疫測
定法などが挙げられる。
【0052】以下に、好酸球から遊離される生理活性物
質をEIA法で測定する1態様を詳しく説明する。先
ず、血液と上記刺激剤とを上記測定容器の中で反応さ
せ、好酸球から生理活性物質を遊離させ、反応後の測定
容器を1600Gで遠心分離して、血球成分と血漿成分
を分離させる。次いで、分離された血漿を、上記生理活
性物質に対するモノクローナル抗体を固定化したマイク
ロプレートのウェルに、ピペッティングにより添加し、
37℃で2時間反応させる。次いで、反応後の血漿液を
吸引除去等の手段で廃棄し、さらに、未反応成分を除く
ため、Tween20 等のノニオン系の界面活性剤を含有する
中性pHの洗浄用緩衝液で上記ウェルを洗浄する。次い
で、西洋わさびペルオキシダーゼを固定化した上記生理
活性物質に対するポリクローナル抗体をピペッティング
により上記ウェルに添加し、37℃で1時間反応させ
る。次いで、未反応の西洋わさびペルオキシダーゼ固定
化抗体を除くため、上記ウェルを上記洗浄用緩衝液で洗
浄した後、過酸化水素、テトラメチルベンジジンを含む
基質溶液を添加し、5〜10分間反応させる。次いで、
1M硫酸溶液を添加し、反応を停止させて、酵素反応に
よる基質の発色を450nmの吸光度から測定する。こ
の測定値と既知濃度の上記生理活性物質を用いて作成し
た検量線から、上記好酸球由来の生理活性物質の遊離量
を測定する。
【0053】以下、本発明の好酸球機能測定キットにつ
いて説明する。本発明の好酸球機能測定キットに使用さ
れる試薬としては、上記刺激剤と血液との反応によって
血液中に遊離される生理活性物質の量を定量可能な試薬
であれば、特に限定されないが、例えば、定量しようと
する生理活性物質に対するモノクローナル抗体もしくは
ポリクローナル抗体;ペルオキシダーゼ、アルカリフォ
スファターゼなどの酵素;及び各々の酵素の発色基質な
どを利用する酵素免疫測定法用試薬が挙げられる。
【0054】上記好酸球機能測定キットの使用方法の1
例としては、前記の、好酸球から遊離される生理活性物
質をEIA法で測定する1態様を説明した方法と同様で
ある。
【0055】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例及び比較例
を挙げることにより、本発明をさらに詳細に述べる。本
発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0056】実施例1 (1)好酸球の機能測定容器の製造 ヒトIgGを固定化したセファロース4Bビーズ(オル
ガノン・テクニカ社製)2mlをエンドトキシンフリー
水(大塚製薬社製)100mlで20回デカンテーショ
ンにより良く洗浄し、最後に生理食塩水(大塚製薬社
製)に置換し、2.5mlに懸濁した。この懸濁液を
0.05mlずつ、ポリエチレンテレフタレート製の5
mlのLPS−free採血管(12.6φ×75m
m、積水化学工業社製)12本に分注した。次いで、濃
度200u/mlとなるようにヘパリンナトリウム(ノ
ボ・ノルディスクA/S社製、商品名ノボ・ヘパリン注
1000)を含有させた生理食塩水(大塚製薬社製)溶
液を0.05ml添加した。
【0057】次いで、管径に合うLPS−freeブチ
ルゴム製の栓体を、上記のようにして調製した採血管の
開口部に、開口部を密栓しないように、軽く載せた後、
減圧にできる容器内に置き、上記容器を減圧にしてゆ
き、上記容器を570mmHgに減圧したところで、該
採血管の開口部を密栓した。以上のようにして、好酸球
の機能測定容器を製造した。
【0058】(2)採血管(測定容器)のエンドトキシ
ン含量の測定 注射針のついた注射器に、エンドトキシンフリー水(大
塚製薬社製)を採取し、その注射針を、上記(1)で製
造した測定容器12本のうちの3本のブチルゴム製の栓
体部分に突き刺し、採血管にエンドトキシンフリー水
(大塚製薬社製)を0.9ml採取し、1時間、37℃
で撹拌し、エンドトキシンを抽出し、この抽出液中のエ
ンドトキシン含量を生化学工業社製のエンドトキシン測
定用キットであるエンドスペシーES6(商品名)を用
いて、合成発色基質法で測定した。その結果、試験した
採血管3本ともに、抽出液中のエンドトキシン含量は
0.5EU/ml以下であった。
【0059】(3)好酸球の機能測定 3人の健常人ボランティア(それぞれのボランティア名
をA、B、Cとする)から、真空採血により上記(1)
で製造した測定容器の各3本ずつに、検体血液0.9m
lを採取した。
【0060】次いで、予め37℃に保温しておいた恒温
器の中の転倒混和用ロッカープラットフォームに血液を
採取した各々の測定容器をとりつけ、4時間、転倒混和
した。混和後、各々の測定容器を1600G、10分
間、4℃で遠心分離して、上澄みの血漿を採取した。採
取した血漿中のMBP濃度を以下のようにして測定し
た。
【0061】(4)血漿中のMBP濃度の測定方法 (4−1)ヒト好酸球MBP標準品の調製 健常人から採血した、ヘパリン加血液(ノボ・ノルディ
スクA/S社製、商品名ノボ・ヘパリン注1000、1
0U/ml)から、R.I.ABU−GHAZALEH
等の方法(「IgA−INDUCED EOSINOP
HIL DEGRANULATION」J.Immun
ol.Vol.142,pp2393−2400,19
89)に従って、ヒト好酸球を分離し、好酸球MBP
を、STEVEN J.ACKERMAN等の方法
(「DISTINCTIVE CATIONIC PR
OTEINS OF THE HUMAN EOSIN
OPHIL GRANULE:MAJOR BASIC
PROTEIN,EOSINOPHIL CATIO
NIC PROTEIN,AND EOSINOPHI
L−DRIVED NEUROTOXIN」J.Imm
unol.Vol.131,pp2977−2982,
1983)に従って調製し、ヒト好酸球MBP標準品と
した。
【0062】(4−2)測定方法 0.2g/l NaN3 、50mMリン酸緩衝液(pH
6.5)に、上記(4−1)で調製したヒト好酸球MB
P標準品を0.2μg/mlになるように溶解し、96
穴マイクロタイタープレート(Nunc社製)に200
μl/wellになるように分注し、4℃に静置し、ヒ
ト好酸球MBPを内面に物理吸着させた。12時間後、
未吸着のヒト好酸球MBPを吸引除去し、0.15M塩
化ナトリウム、0.05%Tween20を含む、0.
2Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.4)(以下、洗
浄液という)で2回吸引洗浄した。
【0063】次に、2%牛血清アルブミンを溶解した洗
浄液(以下、希釈液という)でヒト好酸球MBP標準品
を段階希釈し、0〜1000ng/mlの希釈系列を作
製し、各々に抗ヒトMBPマウスモノクローナル抗体
(ケミコン社製)を20ng/mlになるように添加し
た。また、各測定サンプル(血漿)は、ヒト好酸球MB
P標準品と同様に段階希釈し、各々に抗ヒトMBPマウ
スモノクローナル抗体を20ng/mlになるように添
加した。この抗原抗体混合液を2時間、25℃で攪拌
後、前記の96穴マイクロタイタープレートの各穴に1
00μl/wellになるように分注し、2時間、25
℃で静置した。
【0064】次に、上記プレートを洗浄液で4回洗浄
後、西洋わさびペルオキシダーゼで標識した抗マウスI
gGヤギ抗体(生化学工業社製)を希釈液で2000倍
に希釈した液を、100μl/wellになるように分
注し、1時間、25℃で静置した。
【0065】次に、プレートを洗浄液で5回吸引洗浄
し、基質反応液〔0.5g/l 2,2’−azino
−bis(3−ethylbenzthiazolin
esulphonic acid)(ABTS)、1.
3mM H2 2 、0.05%Tween20、0.1
Mクエン酸緩衝液(pH4.2)〕を200μl/we
ll分注し、1時間、25℃に静置後、OD405nm
の吸光度をマイクロプレートリーダー(BIO RAD
社製)にて測定し、標準曲線からサンプル中のMBPの
濃度を算出した。なお、この測定のMBPの検出限界濃
度は、15ng/mlであった。この測定結果を表1に
示した。なお、表1には、各ボランティア血液毎に得ら
れた値の平均値とその変動係数〔(標準偏差/平均値)
×100〕(%)を示した。
【0066】比較例1 ヒトIgGを固定化したセファロース4Bビーズを用い
て12本の測定容器を製造したことの代わりに、ヒトI
gGを固定化していないセファロース4Bビーズを用い
て9本の測定容器を製造したこと、及び、採血管(測定
容器)のエンドトキシン含量の測定をしなかったことの
他は、実施例1と同様に操作し、測定結果を表1に示し
た。
【0067】比較例2 ヒトIgGを固定化したセファロース4Bビーズを用
い、ポリエチレンテレフタレート製のLPS−free
採血管(積水化学工業社製)を用い、ヘパリンナトリウ
ム含有生理食塩水を用いて12本の測定容器を製造した
ことの代わりに、ヒトIgGを固定化していないセファ
ロース4Bビーズを用い、市販のヘパリンナトリウム含
有採血管を用い、ヘパリンナトリウム含有生理食塩水を
用いずに9本の測定容器を製造したこと、及び、採血管
(測定容器)のエンドトキシン含量の測定をしなかった
ことの他は、実施例1と同様に操作し、測定結果を表1
に示した。
【0068】比較例3 ポリエチレンテレフタレート製のLPS−free採血
管(積水化学工業社製)を用い、ヘパリンナトリウム含
有生理食塩水を用いて12本の測定容器を製造したこと
の代わりに、市販のヘパリンナトリウム含有採血管を用
い、ヘパリンナトリウム含有生理食塩水を用いずに9本
の測定容器を製造したこと、及び、採血管(測定容器)
のエンドトキシン含量の測定をしなかったことの他は、
実施例1と同様に操作し、測定結果を表1に示した。
【0069】
【表1】
【0070】実施例2 (1)好酸球の機能測定容器の製造 カルシウムイオノフォア(A23187;シグマ社製)
をジメチルスルホキシドに溶解し、さらにこの溶液をエ
ンドトキシンフリー水(大塚製薬社製)で希釈し、終濃
度100μMのジメチルスルホキシド/水(1/100
重量比)の溶液を調製した。この調製液を0.05ml
ずつ、ポリエチレンテレフタレート製の5mlのLPS
−free採血管(12.6φ×75mm、積水化学工
業社製)12本に分注した。次いで、濃度200u/m
lとなるようにヘパリンナトリウム(ノボ・ノルディス
クA/S社製、商品名ノボ・ヘパリン注1000)を含
有させた生理食塩水(大塚製薬社製)溶液を0.05m
l添加した。
【0071】次いで、管径に合うLPS−freeブチ
ルゴム製の栓体を、上記のようにして調製した採血管の
開口部に、開口部を密栓しないように、軽く載せた後、
減圧にできる容器内に置き、上記容器を減圧にしてゆ
き、上記容器を570mmHgに減圧したところで、該
採血管の開口部を密栓した。以上のようにして、好酸球
の機能測定容器を製造した。
【0072】(2)採血管(測定容器)のエンドトキシ
ン含量の測定 上記(1)で製造した測定容器(12本のうちの3本)
を用いたことの他は、実施例1の(2)項と同様に操作
した。その結果、試験した採血管3本ともに、抽出液中
のエンドトキシン含量は0.5EU/ml以下であっ
た。
【0073】(3)好酸球の機能測定 3人の健常人ボランティア(それぞれのボランティア名
をD、E、Fとする)から、真空採血により上記(1)
で製造した測定容器の各3本ずつに、検体血液0.9m
lを採取した。
【0074】次いで、予め37℃に保温しておいた恒温
器の中の転倒混和用ロッカープラットフォームに血液を
採取した各々の測定容器をとりつけ、1時間、転倒混和
した。混和後、各々の測定容器を1600G、10分
間、4℃で遠心分離して、上澄みの血漿を採取した。採
取した血漿中のECP濃度をECP測定RIAキット
(ファルマシア・アップジョン社製)にて測定した。標
準曲線からサンプル中のECP濃度を算出した。なお、
この測定のECPの検出限界濃度は、2ng/mlであ
った。この測定結果を表2に示した。なお、表2には、
各ボランティア血液毎に得られた値の平均値とその変動
係数(%)を示した。
【0075】比較例4 カルシウムイオノフォアの終濃度100μMのジメチル
スルホキシド/水(1/100重量比)の溶液0.05
mlを用いて12本の測定容器を製造したことの代わり
に、生理食塩水(大塚製薬社製)0.05mlを用いて
9本の測定容器を製造したこと、及び、採血管(測定容
器)のエンドトキシン含量の測定をしなかったことの他
は、実施例2と同様に操作し、測定結果を表2に示し
た。
【0076】比較例5 カルシウムイオノフォアの終濃度100μMのジメチル
スルホキシド/水(1/100重量比)の溶液0.05
mlを用い、ポリエチレンテレフタレート製のLPS−
free採血管(積水化学工業社製)を用い、ヘパリン
ナトリウム含有生理食塩水を用いて12本の測定容器を
製造したことの代わりに、生理食塩水(大塚製薬社製)
0.05mlを用い、市販のヘパリンナトリウム含有採
血管を用い、ヘパリンナトリウム含有生理食塩水を用い
ずに9本の測定容器を製造したこと、及び、採血管(測
定容器)のエンドトキシン含量の測定をしなかったこと
の他は、実施例2と同様に操作し、測定結果を表2に示
した。
【0077】比較例6 ポリエチレンテレフタレート製のLPS−free採血
管(積水化学工業社製)を用い、ヘパリンナトリウム含
有生理食塩水を用いて12本の測定容器を製造したこと
の代わりに、市販のヘパリンナトリウム含有採血管を用
い、ヘパリンナトリウム含有生理食塩水を用いずに9本
の測定容器を製造したこと、及び、採血管(測定容器)
のエンドトキシン含量の測定をしなかったことの他は、
実施例2と同様に操作し、測定結果を表2に示した。
【0078】
【表2】
【0079】なお、比較例2、3、5及び6で用いた市
販のヘパリンナトリウム含有採血管中のLPS含量を、
実施例1の(2)に準じて測定した。すなわち、上記の
採血管と同じ製造ロットの採血管3本に、エンドトキシ
ンフリー水(大塚製薬社製)をそれぞれ0.9mlずつ
採取し、1時間、37℃で撹拌し、エンドトキシンを抽
出し、この抽出液中のLPS含量を生化学工業社製、エ
ンドスペシーES6を用いて、合成発色基質法で測定し
た。その結果、それぞれの採血管抽出液中のLPS含量
は、25EU(エンドトキシン活性)/ml、520E
U/ml、152EU/mlであった。
【0080】表1及び表2より以下のことがわかる。L
PS含量が0.5EU/ml以下のLPS−freeヘ
パリン採血管を反応容器に用いて、好酸球刺激剤を添加
しない場合(比較例1、4)、好酸球由来のMBPやE
CPの遊離が見られなかった。一方、市販のヘパリンナ
トリウム含有採血管中には、いずれも0.5EU/ml
を超えたLPSが存在していた。そのため、市販のヘパ
リンナトリウム含有採血管では、好酸球刺激剤で刺激せ
ずとも、好酸球由来のMBPやECPの遊離が見られた
(比較例2、5)。また、市販のヘパリンナトリウム含
有採血管を反応容器に用いて、好酸球刺激剤で刺激した
場合、いずれの検体血液においても実施例よりも高いM
BPやECPの遊離が見られ、バラツキが極めて大きか
った(比較例3、6)。一方、実施例では良好な再現性
を示した。
【0081】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の好酸球機能測定
容器の構成は、上記の通りであり、この測定容器では、
エンドトキシン量が好酸球の機能を修飾しない量に制限
されており、種々の雑菌や埃などの混入の恐れもないた
め、試験前にエンドトキシンによる好酸球機能の修飾が
惹起される問題がない。また、全血を用いるため、測定
時間を短縮でき、被験者から血液を採血後、ピペッティ
ングなどの手段で血液を種々の測定容器に移し変えた
り、細胞分離、細胞培養等の操作を必要としない。その
ため、試験者は、肝炎、エイズなどの種々の感染症に感
染する危険性も殆どない。これらのため、この測定容器
を用いると、従来よりも、操作が簡単で危険性がなく、
精度良く好酸球の細胞機能測定ができ、喘息、アトピー
性皮膚炎などのアレルギー性疾患の病態診断に利用でき
る。
【0082】本発明の請求項2記載の好酸球機能測定容
器の構成は、上記の通りであり、この測定容器を用いる
と、上記の効果の全てを奏すると共に、測定中の血液の
凝固が阻止されるので、特に精度良く好酸球の細胞機能
測定ができる。
【0083】本発明の請求項3記載の好酸球機能測定方
法の構成は、上記の通りであり、この方法を用いると、
エンドトキシン量が好酸球の機能を修飾しない量に制限
されており、従来よりも、精度良く好酸球の細胞機能測
定ができ、喘息、アトピー性皮膚炎などのアレルギー性
疾患の病態診断に利用できる。
【0084】本発明の請求項4記載の好酸球機能測定方
法の構成は、上記の通りであり、この方法を用いると、
エンドトキシン量が好酸球の機能を修飾しない量に制限
されており、種々の雑菌や埃などの混入の恐れもないた
め、試験前にエンドトキシンによる好酸球機能の修飾が
惹起される問題がない。また、全血を用いるため、測定
時間を短縮でき、被験者から血液を採血後、ピペッティ
ングなどの手段で血液を種々の測定容器に移し変えた
り、細胞分離、細胞培養等の操作を必要としない。その
ため、試験者は、肝炎、エイズなどの種々の感染症に感
染する危険性も殆どない。これらのため、従来よりも、
操作が簡単で危険性がなく、精度良く好酸球の細胞機能
測定ができ、喘息、アトピー性皮膚炎などのアレルギー
性疾患の病態診断に利用できる。
【0085】本発明の好酸球機能測定キットの構成は、
上記の通り、請求項1又は2記載の好酸球機能測定容器
と、前記好酸球刺激剤と血液との反応によって血液中に
遊離される好酸球由来の生理活性物質量を定量可能な試
薬とからなるので、この測定キットを用いると、従来よ
りも、操作が簡単で危険性がなく、精度良く好酸球の機
能測定ができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部が減圧にされた容器内に、好酸球刺
    激剤が血液と接触可能な状態とされており、該好酸球刺
    激剤と血液との反応によって血液中に遊離される好酸球
    由来の生理活性物質量を測定することによる好酸球機能
    測定容器であって、 測定しようとする液量に等しい量のエンドトキシンフリ
    ー水を採取して抽出を行ったときの、エンドトキシン量
    が好酸球の機能を修飾しない量であることを特徴とする
    好酸球機能測定容器。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の容器内に、更に血液抗凝
    固剤が収容されている好酸球機能測定容器。
  3. 【請求項3】 測定しようとする液量に等しい量のエン
    ドトキシンフリー水を採取して抽出を行ったときの、エ
    ンドトキシン量が好酸球の機能を修飾しない量である容
    器内で、好酸球刺激剤と血液とを反応させ、血液中に遊
    離される好酸球由来の生理活性物質量を測定することを
    特徴とする好酸球機能測定方法。
  4. 【請求項4】 前記容器が請求項1又は2記載の好酸球
    機能測定容器である請求項3記載の好酸球機能測定方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2記載の好酸球機能測定容
    器と、前記好酸球刺激剤と血液との反応によって血液中
    に遊離される好酸球由来の生理活性物質量を定量可能な
    試薬とからなることを特徴とする好酸球機能測定キッ
    ト。
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