JP2001141727A - 細胞機能測定用容器、細胞機能測定用キット及び細胞機能測定方法 - Google Patents

細胞機能測定用容器、細胞機能測定用キット及び細胞機能測定方法

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JP2001141727A
JP2001141727A JP32718999A JP32718999A JP2001141727A JP 2001141727 A JP2001141727 A JP 2001141727A JP 32718999 A JP32718999 A JP 32718999A JP 32718999 A JP32718999 A JP 32718999A JP 2001141727 A JP2001141727 A JP 2001141727A
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Koji Inagaki
孝司 稲垣
Koji Kobayashi
幸司 小林
Yoshiko Abe
佳子 阿部
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来法より操作が簡単で、危険性がなく、高
精度に細胞機能を測定しうる細胞機能測定用容器、細胞
機能測定用キット及び細胞機能測定方法を提供する。 【解決手段】 関節液中の白血球が産生する生理活性物
質を測定する際に用いられる細胞機能測定用容器であっ
て、測定しようとする液量に等しい水を採取し、抽出し
た際の上記生理活性物質の産生を誘導する材料の量が、
上記白血球から生理活性物質を産生しない量である細胞
機能測定用容器及び、関節液と接触することにより該関
節液中に生理活性物質の産生を誘導する材料が、関節液
と接触可能な状態に収納されており、使用前の容器中の
生理活性物質の産生を誘導する材料の量が制限されてい
る細胞機能測定用容器、該容器を用いた細胞機能測定キ
ット及び、細胞機能測定方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、免疫反応や炎症反
応などに関与する細胞機能を測定するための細胞機能測
定用容器、細胞機能測定用キット及び細胞機能測定方法
に関し、より詳細には、関節液中の白血球が産生するサ
イトカインなどの生理活性物質を測定することにより細
胞機能を測定するための細胞機能測定容器、細胞機能測
定用キット及び細胞機能測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、関節疾患とは、1)慢性関節リ
ウマチ、全身性エリテマトーデス、再発性多発性軟骨
炎、強皮症、多発性筋炎/皮膚筋炎のようなびまん性結
合組織疾患に伴うもの、2)強直性脊椎炎、ライター症
候群、乾せん性関節炎のような脊椎炎関連疾患に伴うも
の、3)変形性関節症、4)化膿性関節炎のような関節
の感染による疾患、5)痛風、ピロリン酸カルシウム血
漿沈着性関節炎のような結晶誘発性関節炎、6)骨関節
の腫瘍、7)神経原性関節症などの総括的な呼称であ
る。
【0003】そして、これら関節疾患の診断・疾患分類
及び、これらの定期的な病態のモニタリングの方法とし
ては、視診・触診による方法、血液検査(血沈・CR
P)、関節液(滑液)検査による方法が行われている。
また、ここでいう関節液は、関節腔内の粘ちょうな液体
であり、該関節液中には、白血球やマクロファージなど
通常の疎繊維性結合組織に見られる細胞成分と同様のも
のが存在する。
【0004】しかしながら、視診・触診では、医師間で
の判断基準の差が存在し、定量的な診断が難しく、ま
た、血沈やCRPは、炎症の程度を知るにはよい指標で
はあるが、特定の関節の病態変化を特異的に表すもので
はない等の問題があり、関節疾患の病態を正確に反映す
るものではない。これに対し関節液検査は、関節液の粘
度、色調、白血球数を測定することにより、正常、非炎
症性、炎症性及び感染性、もしくは出血性に分類され、
特に、白血球数により、病態のモニタリングを行うこと
ができる。しかしながら、上記関節液検査では、関節液
の白血球の数が多くても、その機能が低い場合には、病
態への影響は少なく、上記白血球数が少なくても、その
機能が高い場合には、病態への影響は大きくなる等の問
題があり、病態を正確にモニタリングすることは、非常
に困難であった。
【0005】一方、関節液中の顆粒球、単球、マクロフ
ァージ、リンパ球等の白血球は、炎症反応や免疫反応な
どの種々の生体防御反応において様々な役割を担ってお
り、これらの細胞は、上記した関節疾患において重要な
働きをしており、病態の変動と共にこれらの細胞の機能
が抑制されたり、増強されたりすることが知られてい
る。
【0006】また、これらの疾患の治療に、抗炎症剤、
免疫抑制剤、免疫増強剤、抗癌剤等の様々な薬剤が用い
られており、その際にもこれらの細胞の機能が抑制され
たり、または増強されたりすることもまた知られてい
る。そのため、各種疾患の病態や薬剤の効果あるいは副
作用を把握し、治療指針を決定したり、薬剤の投与量や
タイミングを決定するためには、これらの細胞の機能を
調べることが重要である。
【0007】従来、病院の検査室や検査センターでは、
上記のような理由から細胞機能を測定するために、顆粒
球貧食機能試験、顆粒球殺菌能(活性酸素産生能)試
験、リンパ球幼若化試験等が行なわれてきた。また、最
近では、フローサイトメトリー装置と各種免疫担当細胞
表面抗原に対する蛍光標識モノクローナル抗体を用いた
表面抗原試験等が行なわれるようになってきた。
【0008】しかしながら、従来の試験法では、細胞分
離、細胞培養、顕微鏡測定等の特殊な技術が要求され、
測定に長時間を要し、RI施設やフローサイトメーター
などの高価な装置が必要であった。また、これらの細胞
機能測定法は、主に顆粒球やリンパ球を対象にしたもの
であり、単球やマクロファージの機能を検査するもので
はなかった。
【0009】関節液中の単球やこの単球が組織に出て分
化、成熟したマクロファージは、食作用を介した異物排
除や、抗原提示を介した免疫の成立に関与し、また、サ
イトカイン、プロスタグランジンなどの様々の生理活性
物質を分泌することによって、炎症反応や免疫反応を調
節するなど、非常に多彩な機能を持っている。そのた
め、単球やマクロファージは、顆粒球やリンパ球と同様
に、種々の病態においても重要な働きをしており、これ
らの細胞の機能を調べることは非常に重要である。
【0010】特に、感染症などでは、単球やマクロファ
ージは顆粒球やリンパ球と異なり、細胞数はあまり変動
せず、その機能の増幅が主体であり、細胞機能変化を測
定することはより重要である(「マクロファージ」徳永
徹著、講談社 サイエンティフィク1986年初版発
行)。
【0011】腫瘍壊死因子α(以下、TNF−α)、イ
ンターロイキン−1β(以下、IL−1β)、インター
ロイキン−6(IL−6)は、モノカインと呼ばれ、関
節液細胞では主に、単球やマクロファージによって産生
され、様々な炎症反応や免疫反応に関与するサイトカイ
ンである。
【0012】これまで、このような細胞機能の測定方法
として、白血球からの上記サイトカイン産生機能を調べ
るため種々の方法が報告されている。例えば、特表平1
−503331号公報、特開平2−196961号公
報、特開平3−285692号公報には、血液にリポ多
糖(LPS)やレクチンを反応させ、産生誘導されたT
NF−α、IL−1β等のサイトカインを測定する方法
が開示されている。
【0013】また、特開平6−209992号公報、特
開平7−67955号公報には、特定の表面粗さを有す
る高分子材料や特定の化学構造を有する高分子材料と血
液を接触させ、TNF−αの産生を誘導する方法が開示
されている。
【0014】特開平7−299732号公報、特開平7
−151752号公報には、特定の表面粗さを有する高
分子材料と血液を接触させ、TNF−αやIL−1βの
産生量を測定する生体反応検査方法が開示されている。
【0015】特表平7−500905号公報には、TN
F−αやIL−1βのヒト末梢血白血球からのサイトカ
インの産生誘導量を測定することによって、試験物質の
免疫活性能力を測定する方法が開示されている。
【0016】しかしながら、従来の病院の検査室や検査
センターで行なわれてきた細胞機能測定方法や上記の公
開特許公報に開示の方法には、以下のような問題点があ
った。
【0017】すなわち、これらの試験は、何れも被験者
から注射器で関節液を採取後、ピペッティングなどの用
手法により関節液を種々の反応容器に移し変えたり、白
血球などを分離するための細胞分離、機能測定のための
細胞培養等の特殊な操作が必要であった。そのため、検
査従事者は、関節液に触れて様々な感染症に感染する危
険性があった。
【0018】また、これらの操作中に、関節液試験中に
種々の殺菌や埃などが混入するおそれがあり、これらの
汚染物あるいは操作による物理的刺激によって、関節液
中の細胞が不必要に刺激され、測定結果に悪影響を及ぼ
すおそれもあった。
【0019】さらに、関節液を採取し、特定の反応容器
内において、白血球からのサイトカイン、特にTNF−
α、IL−1β、IL−6の産生量を測定する従来法の
他の問題として、例えば、注射器のような血液採取器や
反応容器中に、もともとグラム陰性菌由来のLPSなど
のエンドトキシンが混入している場合が挙げられる。エ
ンドトキシンは、極微量で白血球からTNF−α、IL
−1β、IL−6の産生を誘導するため、例えば、製造
工程での微量の埃の混入、使用する洗浄液からの汚染に
より、少量のエンドトキシンが上記血液採取器や反応容
器に混入した場合、信頼できる測定結果を得ることは不
可能であった。
【0020】上述した問題のため、従来よりも操作が簡
単で危険性がなく、精度の良い細胞機能測定方法が望ま
れている。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点に
鑑みてなされたものであり、その目的は、従来法の欠点
を解決し、従来法より操作が簡単で、危険性がなく、高
精度に細胞機能を測定しうる細胞機能測定用容器、細胞
機能測定用キット及び細胞機能測定方法を提供すること
にある。
【0022】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
(以下、本発明1という)では、関節液中の白血球が産
生する生理活性物質を測定する際に用いられる細胞機能
測定用容器であって、測定しようとする液量に等しい水
を採取し、抽出した際の上記生理活性物質の産生を誘導
する材料の量が、上記白血球から生理活性物質を産生し
ない量であることを特徴とする細胞機能測定用容器を提
供する。また、請求項2記載の本発明(以下、本発明2
という)では、生理活性物質の産生を誘導する材料がエ
ンドトキシンであり、かつ使用前の細胞機能測定用容器
中のエンドトキシン含量が、測定しようとする液量に等
しい水を採取して抽出を行ったときの抽出液中の濃度と
して、0.5EU/ml以下とされている請求項1記載
の細胞機能測定用容器を提供する。また、請求項3記載
の本発明(以下、本発明3という)では、関節液と接触
することにより該関節液中に生理活性物質の産生を誘導
する材料が、関節液と接触可能な状態に収納されてお
り、かつ上記生理活性物質の測定値に影響を与えないよ
うに、使用前の容器中の生理活性物質の産生を誘導する
材料の量が制限されていることを特徴とする細胞機能測
定用容器を提供する。また、請求項4記載の本発明(以
下、本発明4という)では、上記生理活性物質の産生を
誘導する材料がエンドトキシンであり、該エンドトキシ
ンの関節液と接触された際の全液中の濃度が0.6〜1
00000EU/mlとなるようにされている請求項3
記載の細胞機能測定用容器を提供する。また、請求項5
記載の本発明(以下、本発明5という)では、請求項1
〜4何れか一項に記載の細胞機能測定用容器と、誘導さ
れた生理活性物質の量を定量可能な試薬とを備えること
を特徴とする細胞機能測定用キットを提供する。また、
請求項6記載の本発明(以下、本発明6という)では、
請求項1又は2記載の細胞機能測定用容器と、請求項3
又は4記載の細胞機能測定用容器と、誘導された生理活
性物質の量を定量可能な試薬とを含むことを特徴とする
細胞機能測定用キットを提供する。また、請求項7記載
の本発明(以下、本発明7という)では、請求項5また
は6記載の細胞機能測定用キットを利用することを特徴
とする関節液中の白血球の細胞機能測定方法を提供す
る。
【0023】以下、本発明の詳細を説明する。 (細胞機能測定容器)本発明における細胞機能測定容器
は、容器内にて関節液と接触することにより、該関節液
中で生理活性物質の産生を誘導するエンドトキシンを、
関節液と接触されるように収納したことを特徴とする。
本発明における生理活性物質としては、例えば、TNF
−α;IL−1、IL−4、IL−5、IL−6等のイ
ンターロイキン;IFNα、IFNβ、IFNγ等のイ
ンターフェロン;コロニー刺激因子;IL−8、RAN
TES等の走化性因子などの種々のサイトカインや、P
GE2、PGI2等のプロスタグランジン;LTB4、
LTC4等のロイコトリエン;一酸化窒素;活性酸素;
ヒスタミン;血小板活性化因子(PAF)などの種々の
ケミカルメディエーターが挙げられる。また、可溶性I
CAM1などの接着因子、可溶性IL−2レセプターな
どの可溶性サイトカインレセプター、マトリックスメタ
ロプロテイナーゼ、マクロファージ特異的エラスターゼ
などの細胞内顆粒酵素も挙げられる。上記生理活性物質
のうち、より好ましくは、サイトカインである。
【0024】上記の生理活性物質を測定する方法として
は、例えば、測定しようとする上記生理活性物質に対す
るモノクローナル抗体もしくはポリクローナル抗体及び
ペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼなどの酵
素及び各々の酵素の発色基質などを利用した酵素免疫測
定方法が挙げられる。
【0025】本発明におけるエンドトキシンとしては、
関節液中の顆粒球、単球、マクロファージ、リンパ球等
の白血球と反応し、これらの細胞の活性化を促し、上記
生理活性物質(サイトカイン等)の誘導を引き起こす材
料であり、従来、上記細胞の活性化物質として知られる
種々の材料が用いられ、例えば、微生物由来の細胞壁多
糖(LPS)、また、種々の天然もしくは合成高分子材
料に固定化した材料等が用いられる。
【0026】上記エンドトキシンの使用量は、全液中の
エンドトキシンの濃度が0.6〜100000(10
万)EU(国際エンドトキシンユニット)/mlである
ことが好ましく、より好ましくは、0.8〜80000
(8万)EU/ml、更に好ましくは、8〜800EU
/mlである。上記濃度が0.6EU/ml未満では、
TNF−α、IL−1β及びIL−6の誘導量が少なく
なりすぎることがあり、100000EU/mlを越え
る場合は、測定誤差が大きくなるためである。上記した
全液とは、関節液及びエンドトキシンの溶解液との総和
を示す。
【0027】上記エンドトキシンの測定容器中での存在
状態は、通常、粉末状又は、水等の溶媒に溶解された溶
液状態であるエンドトキシンを、例えば、固体状、ゲル
状又は、液体状で容器内に存在させてもよく、さらに、
適当な溶媒に溶解され、容器の内壁面に塗布又は、添加
された後、粉末状にして存在させてもよい。
【0028】上記溶媒としては、例えば、リン酸緩衝
液、ハンクス緩衝液等の緩衝液やMEM、RPMI−1
640等の通常の培地等の生理的緩衝液であればいずれ
も用いられる。さらに、市販の注射用水(LPSフリー
水;例えば、大塚製薬社製)、生理食塩水(例えば、大
塚製薬社製)を用いることもできる。
【0029】上記エンドトキシンの収納方法としては、
エンドトキシンが測定容器内で、関節液と接触可能な状
態とされていれば、特に限定されず、例えば、エンドト
キシンが、測定容器内に収納されている場合が挙げられ
る。
【0030】本発明の細胞機能測定容器は、該測定容器
内が減圧されていることが好ましく、その減圧の程度
は、常圧の関節液と上記測定容器が連結されたさいに、
上記測定容器内に常圧の関節液が吸入され得る程度の圧
力であればよく、その圧力は、吸入しようとする関節液
の量によって決められ得る。すなわち、吸入しようとす
る関節液の量が多いほど、減圧の程度を大きくすればよ
い。
【0031】本発明における細胞機能測定容器の形状と
しては、特に限定されず、例えば、チューブ状、プレー
ト状のものが挙げられ、チューブ状のものとして、採血
管、試験管等が、プレート状のものとして、マイクロプ
レート等が挙げられ、減圧操作を行いうるものが好まし
い。
【0032】上記測定容器の材質としては、例えば、プ
ラスチックやガラス等が挙げられる。上記プラスチック
としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれもが用
いられる。
【0033】上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメチル
メタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフ
タレート、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチ
レン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸
共重合体、スチレン−メチルメタクリレート共重合体、
エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−アクリル酸
共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等が
挙げられる。
【0034】上記熱硬化性樹脂としては、例えば、不飽
和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ−アクリ
レート樹脂等が挙げられる。
【0035】上記測定容器のチューブ状のものにおいて
は、その内部を減圧に維持するために、通常、栓体を使
用する。上記栓体の材質としては、例えば、ブチルゴ
ム、塩素化ブチルゴム、熱可塑性エラストマー等が挙げ
られる。上記減圧の程度は、上記測定容器の中に常圧の
検体関節液が吸入され得る程度の圧力であればよく、吸
入しようとする検体関節液の量によって決められる。
【0036】上記測定容器において、チューブ状のもの
を用いる場合は、採取する関節液量は、測定容器の容積
によって異なるが、通常4〜5mlの容積の容器を用い
る場合であれば、0.5〜2ml程度でよい。また、マ
イクロプレート状のものを用いる場合の採取関節液量
は、0.05μl〜2ml程度でよい。
【0037】測定容器の製造方法の一例を挙げると、内
部を減圧にすることが可能な容器に、上記エンドトキシ
ンを加え、容器を所定の減圧状態にした後、上記測定容
器を栓をする方法が挙げられる。
【0038】上記容器としては、例えば、一端が開口
し、他端が閉塞してなる有底管体が好ましく、開口部は
栓体によって閉塞可能なものが好ましい。上記有底管体
としては、例えば、サイトカインの誘導反応の後、上記
サイトカイン量を測定するための遠心分離操作に好適な
試験管状のものがより好ましく、その寸法としては、外
径が5〜30mm、高さ20〜150mm程度のものが
好ましい。
【0039】また、本発明の測定容器は、エンドトキシ
ンや雑菌の混入を避けるために、できる限りクリーンな
環境で製造されることが好ましく、可能であれば、製造
後に公知の滅菌処理を施すことが好ましい。
【0040】本発明における測定容器により細胞機能を
測定する方法について説明する。まず、関節または関節
液採取容器(以下、採取容器とする)と上記測定容器と
を連通させ、上記測定容器中に検体関節液を吸入させ
る。次いで上記測定容器を適度に振とうしながら、関節
液細胞とエンドトキシンとを接触させ反応させて誘導す
る。反応後、静置もしくは、遠心分離により、関節液中
のサイトカイン量を定量可能な試薬により定量する。
【0041】測定容器における関節液とエンドトキシン
との反応温度は、低くなると細胞の代謝活性が低くな
り、サイトカイン誘導量が少なくなりすぎることがあ
り、高くなると細胞に障害が生じて、サイトカイン誘導
量が少なくなりすぎることがあるので、サイトカイン誘
導量が少なくなるので、26〜45℃が好ましく、より
好ましくは、30〜42℃である。
【0042】測定容器における関節液とエンドトキシン
との反応時間は、反応時間が短くなると、サイトカイン
誘導量が少なくなりすぎることがあり、長くなりすぎる
と測定結果がでるのが遅くなり、また、サイトカイン誘
導量も約4時間をピークとして少しづつ減少する傾向が
あるため、1〜6時間が好ましく、より好ましくは2〜
4時間である。
【0043】上記方法によって誘導されたサイトカイン
の測定方法は、公知の種々の方法を用いてもよく、例え
ば、酵素免疫試薬が挙げられる。
【0044】上記酵素免疫測定試薬は、測定しようとす
る上記サイトカインに対するモノクローナル抗体もしく
はポリクローナル抗体、ペルオキシダーゼやアルカリフ
ォスファターゼなどの酵素、並びにそれぞれの酵素の発
色基質などから構成されており、マイクロプレートなど
の固相表面上に予め、測定されるサイトカインに対する
モノクローナル抗体を固定化したサンドイッチ酵素免疫
測定方法が、測定前に固定化する必要はなく再現性にお
いても優れているため好ましい。
【0045】以下に、本発明の細胞測定容器を用いて、
細胞機能を測定する一様態を詳しく説明する。まず、関
節液とエンドトキシンとを上記測定容器の中で反応さ
せ、サイトカインを誘導した。次いで、反応させた関節
液を上記サイトカインに対するポリクローナル抗体をマ
イクロプレートのウェルに、ピペッティングにより添加
し、37℃で2時間反応させる。次いで、反応後の関節
液を吸引除去等の手段で廃棄し、さらに、未反応成分を
除くため、Tween20等のノニオン系の界面活性剤
を含有する中性pHの洗浄用緩衝液で上記ウェルを洗浄
する。次いで、西洋わさびペルオキシダーゼを固定化し
た上記サイトカインに対するポリクローナル抗体をピペ
ッティングにより上記ウェルに添加し、37℃で1時間
反応させる。次いで、未反応の西洋わさびペルオキシダ
ーゼ固定化抗体を除くため、上記ウェルを上記洗浄用緩
衝液で洗浄した後、過酸化水素、テトラメチルベンジジ
ンを含む基質溶液を添加し、5〜10分間反応させる。
次いで、1M硫酸溶液を添加し、反応を停止させて、酵
素反応による基質の発色を450nmの吸光度から測定
する。この測定値と、既知濃度の上記サイトカインを用
いて作成した検量線とから、上記サイトカインの産生誘
導量を測定する。
【0046】(細胞機能測定用キット)本発明5におけ
る細胞機能測定用キットは、本発明の細胞機能測定容器
と生理活性物質の量を定量可能な試薬を組み合わせるこ
とによりなる。上記細胞機能測定用キットの使用方法の
一例としては、前記したごとく本発明の細胞機能測定容
器を用いて細胞機能を測定する一実施様態を説明した方
法と同様に行うことができる。
【0047】また、本発明6では、請求項1又は2記載
の細胞機能測定容器(以下、第1測定容器とする)と、
請求項3又は4記載の細胞機能測定容器(以下、第2測
定容器とする)及び、生理活性物質の量を定量可能な試
薬とにより構成される細胞機能測定用キットに関する。
すなわち、本発明6における細胞測定キットでは、第2
測定容器にて、関節液中の生理活性物質を定量し、第1
測定容器にて、エンドトキシンとの反応により産生され
たものではない関節液中の生理活性物質量を定量し、こ
れらの差により、エンドトキシンにより産生された正確
な生理活性物質産生量を測定できる。
【0048】上記第1測定容器のエンドトキシン含量の
具体的な抽出方法は、採取関節液量と同量のエンドトキ
シンフリー水を該容器内に採取し、37℃、1時間の条
件で攪拌下抽出を行ったとき、該抽出液中のエンドトキ
シン含量が0.5EU(国際エンドトキシンユニット)
/ml以下である必要がある。なお、上記の抽出を行う
際のエンドトキシンフリー水の量は、上記のように測定
しようとする採取関節液量に全く等しい量である必要は
必ずしもなく、抽出が十分になされるなら測定しようと
する採取関節液量未満であってもよいが、この場合であ
っても、抽出液中のエンドトキシン含量が0.5EU/
ml以下であることが好ましい。上記測定容器のエンド
トキシン含量が0.5EU/mlを超えると、顕著にサ
イトカインの誘導を引き起こす。従って、被験者の細胞
機能の測定を正確に行うためには、使用前の測定容器の
エンドトキシン含量がサイトカインの誘導を引き起こさ
ないレベルであることが好ましい。
【0049】上記第1の測定容器のエンドトキシン含量
の測定方法は、第十三改正日本薬局方解説書「エンドト
キシン試験法」における発色合成基質の加水分解による
発色を指標とする比色法であり、例えば、市販品のエン
ドスペシー(生化学工業社製)を用いて測定することが
できる。
【0050】上記第1の測定容器のエンドトキシンを除
去もしくは失活させる方法としては、加熱処理、酸、ア
ルカリ処理による不活化やメンブレンフィルターによる
限外濾過法、アニオン性のキトサン系樹脂やエンドトキ
シンに対して特異的に結合するポリミキシンB、エンド
トキシンに対する抗体を固定化した吸着剤による除去方
法等、公知の種々の方法を用いることができる。本発明
のエンドトキシン以外の生理活性物質を誘導する材料に
ついては、サイトカインの誘導を起こさないレベル以下
にする際、加熱処理や酸、アルカリ処理による不活化
は、それらの活性を変化させる恐れがあるため、限外濾
過法、吸着剤による除去方法が好ましい。また、上記エ
ンドトキシン除去操作に用いる器具、容器は、ガラス製
の場合には、250℃、1時間以上の乾熱処理をし、プ
ラスチック製の場合には、0.2M水酸化ナトリウム水
溶液に浸し、エンドトキシンフリー水で洗浄し、エンド
トキシンを失活させたものを用いる必要がある。また、
水は、エンドトキシンフリー水を用いる必要があり、操
作環境はクリーンルーム等できる限り二次的なエンドト
キシンの汚染を防止できる環境で実施するのが好まし
い。
【0051】上記第1及び第2の細胞機能測定容器の詳
細については、前述の細胞機能測定容器にて説明したと
おりである。
【0052】本発明6における細胞機能測定キットによ
り細胞機能を測定するには、採取容器と上記第2測定容
器とを連通させ、第2測定容器中に関節液検体を導き、
次に第2測定容器を適度に振とうしつつ、関節液中の白
血球とエンドトキシンを反応させる。
【0053】また、コントロール値を得るためには、採
取容器と上記第1測定容器をとを連通させ、第1測定容
器に関節液検体を導く。
【0054】次に、上記のようにして関節液が導かれた
第1、第2の測定容器中の生理活性物質量をそれぞれ異
なる測定感度を有する第1、第2の酵素免疫測定試薬に
より別々に定量する。採取容器と第1、第2の測定容器
との連結は前述した方法により行い得る。
【0055】なお、第2測定容器における関節液とエン
ドトキシンとの反応温度が、低くなると細胞の代謝活性
が低くなり、サイトカイン誘導量が少なくなり、高くな
ると細胞に障害が生じ、サイトカイン誘導量が少なくな
るので、26〜45℃が好ましく、より好ましくは30
〜42℃である。
【0056】関節液とエンドトキシンとの反応時間につ
いては、サイトカインの産生が効率的に行われる1〜1
2時間が好ましく、より好ましくは2〜6時間である。
【0057】本発明6における細胞測定キットでは、第
2測定容器中の関節液中の生理活性物質、すなわちエン
ドトキシンとの反応により産生された関節液中の生理活
性物質量を第2の酵素免疫試薬により定量し、エンドト
キシンとの反応により産生されたものではない関節液中
の生理活性物質量については、第1測定容器の関節液中
の生理活性物質量を第1の酵素免疫測定試薬を用いて定
量し、これらの差により、エンドトキシンにより産生さ
れた正確な生理活性物質産生量を測定できる。
【0058】通常、エンドトキシンと反応させていない
関節液中のサイトカイン量(すなわち、第1測定用反応
器の血液中のサイトカイン量)は、数pg/ml〜数百
pg/mlであり、エンドトキシンと反応させた後の血
液中のサイトカイン量は数百pg/mlから数千pg/
ml以上である。
【0059】しかしながら、数pg/ml〜数千pg/
mlという幅広い測定感度を有するサイトカイン測定試
薬は存在しない。従って、1,000pg/ml以上の
サイトカイン量の測定では、適当な希釈溶液で関節液を
希釈し、測定しなければならなかった。ところが、関節
液の希釈操作は煩雑であり、希釈液や希釈容器を別途必
要とし、測定にかかる時間が非常に長くなる。また、測
定値は、希釈倍数の積により求められるため、測定値の
精度が低下するという問題があった。
【0060】これに対して、本発明では、エンドトキシ
ンと反応させていない関節液中のサイトカイン量(すな
わち、第1測定用反応器の血液中のサイトカイン量)
を、例えば測定感度10〜1,000pg/mlのよう
な高感度の第1の酵素免疫測定試薬で滴定し、エンドト
キシンと反応させた血液中のサイトカイン量(すなわ
ち、第2測定用反応器の血液中のサイトカイン量)を、
例えば測定感度500〜約10,000pg/mlのよ
うな低感度の第2の酵素免疫測定試薬で測定することが
できる。
【0061】従って、上述したような煩雑な希釈操作を
必要としない。また、上記サイトカインが、TNF−
α、IL−1βの場合には、第1の酵素免疫測定試薬
は、感度が10〜500pg/ml、第2の酵素免疫測
定試薬の感度が500〜10,000pg/mlである
ことが好ましく、LI−6の場合には、第2の酵素免疫
測定試薬の感度は10〜1,000pg/ml、第2の
酵素免疫測定試薬の感度は1,000〜20,000p
g/mlが好ましい。
【0062】上記第1,第2の酵素免疫測定試薬は、測
定しようとする上記サイトカインに対するモノクローナ
ル抗体もしくはポリクローナル抗体、ペルオキシダーゼ
やアルカリフォスファターゼなどの酵素、並びにそれぞ
れの酵素の発色基質などから構成されており、マイクロ
プレートなどの固相表面上に予め、測定されるサイトカ
インに対するモノクローナル抗体を固定化したサンドイ
ッチ酵素免疫測定方法が、測定前に固定化する必要はな
く再現性においても優れているため好ましい。
【0063】固相表面へのモノクローナル抗体の固定化
方法については、公知の物理吸着法や化学結合法など任
意であるが、物理吸着法が操作が簡便であるため好まし
い。異なる測定感度の第1,第2の酵素免疫測定試薬
は、サイトカインに対するモノクローナル抗体もしくは
ポリクローナル工程及びペンオキシダーゼ、アルカリフ
ォスファターゼなどの酵素及び各々の酵素の発色基質の
濃度などを適宜、調製することによって達成し得る。
【0064】例えば、サンドイッチ酵素免疫測定方法を
用いる場合、マイクロプレートに固定化する上記サイト
カインに対するモノクローナル抗体の固定化量を調整す
ることによって感度の異なる第1,第2の酵素免疫測定
試薬を調製できる。すなわち、マイクロプレート表面上
に固定化されたモノクローナル抗体の量に応じて、モノ
クローナル抗体と結合し得る測定対象サイトカインの量
も変化するため、測定感度の異なる試薬が調製できる。
【0065】また、固定化されたモノクローナル抗体に
結合したサイトカインを検出するための試薬、すなわ
ち、固定化モノクローナル抗体とは別の測定対象サイト
カインに対する酵素標識モノクローナル抗体、もしくは
酵素標識ポリクローナル抗体を異なる濃度に調製するこ
とによっても可能である。
【0066】また、アビジン−ビオチンなどの特異的結
合様式を上記の酵素免疫測定系に取り入れる方法、例え
ば、上記の固定化モノクローナル抗体とは別の測定対象
サイトカインに対する酵素標識抗体の代わりに、ビオチ
ン標識抗体を用い、さらにアビジン標識酵素を用いる方
法がある。
【0067】(細胞機能測定方法)本発明における細胞
機能測定方法は、本発明における細胞機能測定容器に血
液を導入し、細胞機能を測定することを特徴とする。本
発明における細胞機能測定方法の一実施様態を以下に説
明する。本発明における細胞機能測定容器に、エンドト
キシンを、採取関節液量当たり、100EU/mlにな
るように収容し、被験者から関節液を採取する。次い
で、白血球から産生される生理活性物質として、関節液
中のTNF−α量を、温度26〜45℃、1〜6時間の
条件で誘導し酵素免疫測定法で測定する。
【0068】
【実施例】次に、実施例、比較例を挙げて本発明を詳し
く説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定され
るものではない。
【0069】(実施例1、2、及び比較例1〜6) (1)細胞機能測定容器 実施例1の細胞測定容器として、ポリエチレンテレフタ
レート(PET)製の4mlの採血管(直径12.6×
75mm)をエンドトキシンフリー水(大塚製薬社製)
4mlで10回よく洗浄し、次いで、エンドトキシンフ
リー水(大塚製薬社製)よく洗浄した、管径に合うブチ
ルゴム製の栓体を上記の採血管の開口部に、開口部を密
栓しないように、軽く載せた後、減圧にできる容器内に
置き、上記容器を減圧にしてゆき、570mmHgに減
圧したところで、採血管の開口部を密栓した。比較例の
細胞測定容器として、市販の真空採血管(LPSフリー
規格なし)A社製採血管(比較例1)、B社製採血管
(比較例2)、C社製採血管(比較例3)を用いた。ま
た、上記細胞機能測定容器(PET管、A社製採血管、
B社製採血管、C社製採血管)それぞれにLPS水溶液
(1000EU/ml)50μLを添加し、室温、減圧
条件で乾燥させたものを実施例2、比較例4、比較例
5、比較例6として用いた。
【0070】(2)TNF−α誘導能の測定 卵白アルブミン(Sigma社製)をフロインド完全ア
ジュバンド(Difco社製)に懸濁した液(5mg/
mL)1mLを、ニュージーランドホワイト種雌性ウサ
ギ(体重約3kg)に、皮下投与し、その2週間後に上
記懸濁液1mLを皮下投与した。さらにその2週間後、
卵白アルブミンの生理食塩水溶液(5mg/mL)を左
右膝関節内にそれぞれ投与した。その24時間後に生理
食塩水1mLを上記関節腔内に投与し、関節液を採取し
た。ウサギは7匹(14関節)を用い採取した関節液
は、上記PET製細胞測定容器にプールした。上記
(1)記載の細胞機能測定容器、各3本に、上記採取し
たウサギ膝関節液各0.5mLを添加し、予め保温して
おいた恒温器中の転倒混和用ロッカープラットホームに
取り付け、4時間転倒混和した。混和後1600G、4
℃で10分間遠心分離して上澄みを採取した。採取した
上澄み液中のTNF−αをモノクローナル抗体を用いた
酵素免疫測定キットを用いて測定した。TNF−α産生
(誘導)量の測定は、Genzyme 社製、商品名「 PREDICT
A Human TNF-α ELISA KIT(検出限界35pg/m
l)」を用いて行った。上記細胞測定容器各3本の平均
値及び、変動係数(CV値%=標準偏差/平均値×10
0)を示した。
【0071】(結果)上記測定結果を表1に示した。実
施例1及び2のLPSフリー管及び一定量のLPSを添
加した場合は、TNF−α産生量のバラツキ(CV値)
は大変小さかった。これに対し比較例は、TNF−α産
生量のバラツキ(CV値)が大変大きく、LPSを添加
しない場合もTNF−αが産生された。
【0072】
【表1】
【0073】
【発明の効果】本発明は上記構成からなり、エンドトキ
シン含量が管理された測定容器を用いるため、これを用
いた細胞機能測定キット及び細胞機能測定方法を用いる
ことにより、細胞の不要な活性化が惹起される問題もな
く、正確に関節液、特に白血球のサイトカイン等の生理
活性物質の産生能力を測定することができる。また、関
節液をそのまま利用することができ、関節液から単球や
リンパ球等を分離する必要がないため、操作が簡単化さ
れ、分離操作に伴う活性低下の問題も解消された高精度
に細胞機能を測定できる。さらに、被験者から関節液を
採取後、ピペッティング等の手段で関節液を種々の測定
容器に移し替えたり、細胞分離、細胞培養等の操作を必
要としないため、試験者は、種々の感染症に感染する危
険性もほとんどないうえに、測定時間も短縮でき、RI
施設やフローサイトメーター等の高価な装置も必要とし
ない。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 関節液中の白血球が産生する生理活性物
    質を測定する際に用いられる細胞機能測定用容器であっ
    て、 測定しようとする液量に等しい水を採取し、抽出した際
    の上記生理活性物質の産生を誘導する材料の量が、上記
    白血球から生理活性物質を産生しない量であることを特
    徴とする細胞機能測定用容器。
  2. 【請求項2】 生理活性物質の産生を誘導する材料がエ
    ンドトキシンであり、かつ使用前の細胞機能測定用容器
    中のエンドトキシン含量が、測定しようとする液量に等
    しい水を採取して抽出を行ったときの抽出液中の濃度と
    して、0.5EU/ml以下とされている請求項1記載
    の細胞機能測定用容器。
  3. 【請求項3】 関節液と接触することにより該関節液中
    に生理活性物質の産生を誘導する材料が、関節液と接触
    可能な状態に収納されており、かつ上記生理活性物質の
    測定値に影響を与えないように、使用前の容器中の生理
    活性物質の産生を誘導する材料の量が制限されているこ
    とを特徴とする細胞機能測定用容器。
  4. 【請求項4】 上記生理活性物質の産生を誘導する材料
    がエンドトキシンであり、該エンドトキシンの関節液と
    接触された際の全液中の濃度が0.6〜100000E
    U/mlとなるようにされている請求項3記載の細胞機
    能測定用容器。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4何れか一項に記載の細胞機
    能測定用容器と、誘導された生理活性物質の量を定量可
    能な試薬とを備えることを特徴とする細胞機能測定用キ
    ット。
  6. 【請求項6】 請求項1又は2記載の細胞機能測定用容
    器と、請求項3又は4記載の細胞機能測定用容器と、誘
    導された生理活性物質の量を定量可能な試薬とを含むこ
    とを特徴とする細胞機能測定用キット。
  7. 【請求項7】 請求項5または6記載の細胞機能測定用
    キットを利用することを特徴とする関節液中の白血球の
    細胞機能測定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011252784A (ja) * 2010-06-02 2011-12-15 St Marianna Univ School Of Medicine 再発性多発軟骨炎の検査方法およびそれに用いられる検査キット

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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