JP2002116201A - 細胞機能測定容器 - Google Patents

細胞機能測定容器

Info

Publication number
JP2002116201A
JP2002116201A JP2000310900A JP2000310900A JP2002116201A JP 2002116201 A JP2002116201 A JP 2002116201A JP 2000310900 A JP2000310900 A JP 2000310900A JP 2000310900 A JP2000310900 A JP 2000310900A JP 2002116201 A JP2002116201 A JP 2002116201A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
container
blood
tubular
cell function
cell
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000310900A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Kobayashi
幸司 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP2000310900A priority Critical patent/JP2002116201A/ja
Publication of JP2002116201A publication Critical patent/JP2002116201A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 全血試料を用いて、より簡便にかつ高精度に
細胞機能を測定することができ、しかも検査従事者や採
血者の感染の恐れが少ない細胞機能測定容器を提供す
る。 【解決手段】 上端に開口2aを有し、かつ有底の第1
の管状容器2内に、両端に開口を有し、遠心されること
により採取した血液を血球成分と血漿成分とに分離し得
る隔壁5を内部もしくは下端に有する第2の管状容器3
が挿入されており、第2の管状容器3内に、血液抗凝固
剤7及び血液試料と反応して生理活性物質の産生を誘導
する刺激物質6が収納されており、第1、第2の管状容
器2,3の上端開口を閉成するように、栓体4が取り付
けられており、内部の圧力が、第2の管状容器3内に必
要量の血液を採取するように減圧されている、細胞機能
測定容器1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血液試料の細胞機
能を測定するための容器に関し、より詳細には、血液試
料の採取から血液試料と試薬とを反応させて得られた結
果を測定するまでの一連の工程を行なうことを可能とす
る細胞機能測定容器に関する。
【0002】
【従来の技術】顆粒球、単球、マクロファージ、または
リンパ球等の白血球は、血液中や各臓器・器官における
炎症反応や免疫反応等の種々の生体防御反応において様
々な役割を担っている。これらの細胞は、感染症、肝炎
もしくは腎炎等の炎症性疾患、慢性関節リウマチや喘息
等の免疫・アレルギー性疾患、または癌等の様々な病態
において重要な働きをしており、病態の変動とともにこ
れらの細胞の機能がが抑制されたり、増強されたりする
ことが知られている。
【0003】また、これらの疾患の治療に、抗炎症剤、
免疫抑制剤、免疫増強剤、または抗癌剤等の様々な薬剤
が用いられている。これらの治療の際にも上記細胞の機
能が抑制されたり、または増強されたりすることも知ら
れている。
【0004】従って、各種疾患の病態や薬剤の効果ある
いは副作用を把握し、治療指針を決定したり、薬剤投与
量や薬剤投与タイミングを決定するために、細胞の機能
を調べることが重要である。
【0005】従来、病院の検査室や検査センターでは、
上記細胞機能を測定するために、顆粒球、貪食機能試
験、顆粒球殺菌能(活性酸素産生能)試験、リンパ球幼
若化試験等が行なわれてきている。また、最近では、フ
ローサイトメトリー装置と各種免疫担当細胞表面抗原に
対する蛍光標識モノクローナル抗体を用いた表面抗原試
験等が行なわれるようになってきている。
【0006】また、血液や血球から分離した白血球から
のサイトカイン産生機能を調べる様々な方法が報告され
ている。例えば、特開平2−196961号公報には、
血液にリポ多糖(LPS)やレクチンを反応させ、産生
誘導されたリンフォカインを測定する方法が開示されて
いる。また、特開平6−205992号公報、特開平7
−67955号公報には、特定の表面粗さを有する高分
子材料や特定の化学構造を有する高分子材料と血液とを
接触させ、TNF−αやIL−1βの産生を誘導する方
法が開示されている。また、特開平7−500905号
公報には、ヒト抹消白血球からのサイトカインの産生誘
導量を測定することにより、試験物質の免疫活性能力を
測定する方法が開示されている。
【0007】しかしながら、従来、病院の検査室や検査
センターで行なわれてきた細胞機能測定方法や、上述し
た各種の方法では、以下のような問題があった。すなわ
ち、これらの測定方法では、被験者から注射器で血液を
採取した後、ピペッティング等の用手法により、血液を
種々の容器に移し替えたり、細胞分離もしくは細胞培養
等の特殊な操作を行なわねばならなかった。そのため、
検査従事者が、肝炎やAIDS等の種々の感染症に感染
する恐れがあった。また、これらの血液試料中に種々の
雑菌やほこり等が混入する恐れがあった。これらの汚染
物あるいは操作による物理的刺激により、血液試料中の
細胞が不必要に刺激され、測定結果に悪影響を及ぼす恐
れがあった。
【0008】さらに、従来の測定方法では、上記のよう
な、細胞分離、細胞培養、顕微鏡測定等の特殊な技術が
要求され、測定に長時間を有していた。加えて、RI施
設やフローサイトメーター等の高価な装置が必要であっ
た。
【0009】従って、従来の測定法に比べて、操作が簡
便であり、感染の危険性がなく、高精度に細胞機能を測
定し得る方法が望まれている。他方、従来、種々の疾患
のスクリーニングや病態把握の臨床検査において、血液
は簡単に採取することができ、種々の臨床情報が得られ
る測定試料として広く用いられている。しかしながら、
血液の採取及び種々の検査における操作中に採血者及び
検査従事者が種々の感染症に感染する恐れがあった。そ
こで、容器内を減圧した真空採血管等を用いることによ
り、採血者や検査従事者が血液に接触する機会が減らさ
れてきている。
【0010】特開平7−270411号公報には、上記
のような採血時及び検査時の危険性を低減するために、
測定対象物質に対する抗体または抗原が担持された不溶
性担体からなる反応試薬が、内部が減圧されている容器
に収容されている免疫反応試薬キットが開示されてい
る。しかしながら、この方法では、血漿中の測定物質を
測定対象としているため、白血球のサイトカイン等の生
理産生物質産生能力の測定に用いることができなかっ
た。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
した従来技術の欠点を解消し、全血試料を用いて、より
簡便にかつ高精度に細胞機能を測定することができ、し
かも検査従事者や採血者の感染の恐れが少ない細胞機能
測定容器を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る細胞機能測
定容器は、血液試料の細胞機能を測定するための容器で
あって、上端に開口を有し、かつ有底の第1の管状容器
と、前記第1の管状容器内に挿入されており、両端に開
口を有し、遠心されることにより採取した血液を血球成
分と血漿成分とに分離することができる隔壁構造を内部
もしくは下端に有し、血液抗凝固剤、及び血液試料と反
応して生理活性物質の産生を誘導する刺激物質を含む第
2の管状容器と、前記第1,第2の管状容器の上端開口
を閉成するように、第1,第2の管状容器の上端に取り
付けられた栓体とを備え、内部の圧力が、第2の管状容
器内に必要量の血液を採取し得るように減圧されている
ことを特徴とする。
【0013】本発明に係る細胞機能測定容器の特定の局
面では、血液試料と刺激物質との反応より産生される生
理活性物質の量を測定するための材料が、第1の管状容
器と第2の管状容器との間の隙間に配置されている。
【0014】上記刺激物質としては、特に限定されるわ
けではないが、本発明のある局面では、エンドトキシン
が用いられ、生理活性物質としてはTNF−αが用いら
れる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、本発明
の細胞機能測定容器の具体的な実施形態を説明すること
により、本発明を明らかにする。図1は、本発明の細胞
機能測定容器の第1の実施形態を示す縦断面図である。
細胞機能測定容器1は、第1の管状容器2と、第1の管
状容器2内に配置された第2の管状容器3と、栓体4と
を有する。
【0016】第1の管状容器2は、例えば、反応後に上
記生理活性物質を測定するために遠心分離操作に好適な
形状、例えば試験管形状のものが好ましく、その寸法に
ついては、外形が5〜30mm、及び高さ20〜150
mm程度のものが好ましい。第1の管状容器2は、上端
に開口2aを有し、かつ有底の形状を有する。本実施形
態では、第1の管状容器2は、略円筒状の形状を有する
が、角筒状の形状を有していてもよい。
【0017】第2の管状容器3は、第1の管状容器2よ
りも径が小さくされており、第1の管状容器2内に配置
されている。第2の管状容器3は、両端が開口されてお
り、本実施形態では、略円筒状の形状を有する。なお、
第2の管状容器3は、角筒状等の他の形状を有していて
もよい。また、第2の管状容器3の寸法については、第
1の管状容器2内に挿入される適宜の寸法のものが用い
られる。
【0018】第2の管状容器3の下端には、隔壁5が形
成されている。隔壁5は、血液を遠心分離後に血漿と、
血球血分すなわち固形分とに分離するために設けられて
いる。本実施形態では、隔壁5は、第2の管状容器3の
下端に設けられているが、第2の管状容器3の下端より
も上方内部に設けられていてもよい。
【0019】隔壁5としては、膜、ディスクプレート等
が用いられ、特に限定されないが、ポリプロピレン、ポ
リビニルクロライド、ポリカーボネート、ポリテトラフ
ルオロエチレン、ポリビニリデンフルオリド、混合セル
ロースエステル、ポリエーテルスルホン、ナイロン等の
材料で構成される。また、隔壁の構造についても、血球
と血漿を分離できる細孔マトリックス等を用いることが
できる。
【0020】第2の管状容器3内には、刺激物質6及び
血液抗凝固剤7が収納されている。刺激物質6及び血液
抗凝固剤の具体的な例については、後程詳述する。第
1,第2の管状容器2,3の上端開口を気密封止するよ
うに、栓体4が取り付けられている。栓体4は、細胞機
能測定容器1内を減圧状態に維持するために、第1,第
2の管状容器2,3の上端開口を気密封し得る材料で構
成されている。このような栓体4を構成する材料の例と
しては、弾性材料が挙げられ、より具体的には、ブチル
ゴム、塩素化ブチルゴム、熱可塑成性エラストマ等を挙
げることができる。
【0021】なお、第1、第2の管状容器2,3を構成
する材料については、特に限定されないが、例えばプラ
スチックまたはガラスを例示することができる。好まし
くは、内部の状態を外部から観察することを可能するた
めに、第1,第2の管状容器2,3は、透明な材料で構
成される。
【0022】第1,第2の管状容器2,3を構成するプ
ラスチックとしては、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂
のいずれをも用いることができる。熱可塑性樹脂として
は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチ
レン、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポ
リエチレンテレフレート、スチレン−アクリロニトソル
共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレ
ン−アクリル酸共重合体、スチレン−メチルメタクリレ
ート共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレ
ン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステ
ル共重合体等が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例
えば、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、エポキ
シ−アクリレート樹脂等を挙げることができる。
【0023】上記刺激物質6とは、血液細胞、特に白血
球(顆粒球、単球、リンパ球等)が反応し、これらの細
胞の活性化を促し、種々の生理活性物質の産生、遊離も
しくは誘導を引き起こす材料を広く含むものとする。こ
のような刺激物質としては、従来より細胞の活性化物質
として知られている種々の材料を用いることができる。
【0024】例えば、BCG死菌やコリネバクテリウム
属等の種々の微生物、合成リピドA、ピランコポリマ
ー、精製ツベルクリン、レクチン(フィトヘマグルスチ
ン、コンカナバリンA、ポークウィードマイトゲン
等)、OK432(ピシバニール)、PSK(クレスチ
ン)、レンチナン、ザイモザン、LPS(リポポリサッ
カライド)、カルシウムイオノフォア、ホルボルエステ
ル、免疫グロブリン固定化担体、ホルミルメチオニルロ
イシルフェニルアラニン(FMLP)等のホルボルペプ
チド、種々のサイトカイン等を挙げることができる。
【0025】また、喘息、花粉症、アレルギー性鼻炎、
アトピー性皮膚炎、消化管アレルギー、寄生虫アレルギ
ー等のアレルギー検査に用いられる特定の抗原(ハウス
ダストやダニ抗原、ブタクサ花粉抽出物、スギ花粉抽出
物、イネ抽出物等の種々の花粉症抗原や真菌抗原やアス
カリス抽出物等の寄生虫抗原、卵白アルブミン、小麦、
大豆、エビ、カニ、肉類等の食物抗原、蜂毒素等)が用
いられる。
【0026】また、上記刺激物質としては、種々の薬剤
も用いられ得る。例えば、薬剤アレルギーの好発薬剤で
あるプロカイン、ヨード剤、ペニシリン、セファロリジ
ン、スレプトマイシン、ピラゾロン誘導体、サルファ
剤、チオウラシル、バルビタール系薬剤、ヒダントイン
系薬剤、サレチル酸剤、クロルプロマジン、チアジド系
薬剤、スルホニル尿素系糖尿病剤、イミプラミン、α−
メチルドパ、チアマゾール、パス、フエナセミド、メチ
ルテストステロン、、リファンビシン、フェニルブタゾ
ン、重金属製剤、フェナセチン、ポリミキシン、カナマ
イシン、アムホテリシンB、クロラムフェニコール、ヒ
素剤、金製剤、クロロキン、キニジン、セドルミッド、
アンタゾリン、アセタゾラミド、スチポフェン、メフェ
ナム酸、レボドパ、セファロスポリンC、ニトロフラン
トイン、カプレオマイシン、テトラサイクリン、プロカ
インアミド、ヒドララジン、メチルチオウラシルや、プ
ラミドン等を挙げることができる。
【0027】また、上記刺激物質としては、クロモグリ
ク酸ナトリウム、トラニラスト、フマル酸ケトチフェン
等のような予防的抗アレルギー剤、イソプレテレノー
ル、アドレナリン等のβ受容体刺激剤、あるいはキサン
チン誘導体等を用いることもできる。
【0028】また、ヒドロコルチゾン、プレドニン、プ
レドニゾロン、メチルプレドニゾロン、トリアムシノロ
ン、ベタメタゾン、デキサメタゾンまたは酢酸パラメタ
ゾンのようなステロイド剤も用いることができる。
【0029】さらに、アスピリン、フルフェナム酸、メ
フェナム酸、ジクロフェナクもしくはインドメタシン非
ステロイド系抗炎症剤も用いることができる。さらに、
種々の抗ガン剤、例えば、シクロフォスナイド、イホス
ファミドやニトロスウレア等のアルキル化剤、メトトレ
キセート、5−フルオロウラシルやシタラビン等の代謝
拮抗剤、ビンクリスチン、ビンブラスチンやビンデシン
等の植物アルカイド、マイトマイシンC、ドキソルビシ
ンやブレオマイシン等の抗ガン性物質やホルモン剤等を
用いることもできる。また、シクロスポリン、FK−5
06やアザチオプリン等のような免疫抑制剤等を用いる
こともできる。
【0030】さらに、上述した刺激物質を、種々の天然
高分子材料または合成高分子材料に公知の固定化方法に
より固定化した材料を用いることもできる。上記刺激物
質の細胞機能測定容器中の収容量は、刺激物質の種類に
よって異なるため、刺激物質に応じて、適宜最適の濃度
とすればよい。
【0031】上記細胞機能測定容器中には、前述したよ
うに、血液の凝固を抑制するために血液抗凝固剤7が収
容されている。血液抗凝固剤7としては、従来より血液
抗凝固剤として用いられている種々の薬剤を用いること
ができ、例えば、ヘパリン化合物、クエン酸化合物、ま
たはシュウ酸化合物等を用いることができる。中でも、
細胞の生物学的反応を阻害しないため、ヘパリンナトリ
ウムが好適に用いられる。
【0032】ヘパリンナトリムを細胞機能測定容器1内
に収納する場合の量については、該細胞機能測定容器1
に血液が収容された際の血液中のヘパリンナトリウム濃
度が低くなりすぎると血液凝固が生じる恐れがあり、高
くなり過ぎると細胞の予測できない活性化や不活性化を
引き起こす恐れがある。従って、上記ヘパリンナトリウ
ム濃度で、4〜50μ/mlとなるようにヘパリンナト
リウムを収容することが好ましい。
【0033】細胞機能測定容器1は、内部が減圧されて
いる。この減圧の程度は、栓体4を通して血液試料を適
宜の量を第2の管状容器3内に導入し得るように選ばれ
る。従って、減圧の程度は、注入しようとする血液量に
よって定められる。採取する血液量は、細胞機能測定容
器1の内容積によっても異なるが、通常第1の管状容器
2として4〜5mlの容積の容器を用いる場合であれ
ば、0.5〜2ml程度であればよい。
【0034】細胞機能測定容器1の製造方法を説明す
る。まず、上記刺激物質6及び血液抗凝固剤7を第2の
管状容器3内に収容し、第2の管状容器3を第1の管状
容器2に挿入し、容器内を所定の減圧状態にした後、栓
体4で閉栓する。なお、第1の管状容器2内に第2の管
状容器3を挿入した状態において、刺激物質6及び血液
凝固剤7を管状容器3内に収容してもよい。
【0035】上記刺激物質6は、液状、粒子状、または
固体状のいずれであってもよい。また、刺激物質6を固
定化する場合には、公知の適宜の固定化方法、例えば、
共有結合法、物理吸着法等を用いることができる。
【0036】刺激物質6は、必要に応じて希釈される。
この場合の希釈液としては、例えば、リン酸緩衝液やハ
ンクス緩衝液等の適宜の緩衝液、MEMまたはRPMI
−1640等の培地、あるいは生理食塩水等を用いるこ
とができる。また、刺激物質6を希釈し、第2の管状容
器3に収容した後、乾個する場合には、希釈液として注
射用水を用いることが望ましい。
【0037】次に、細胞機能測定容器1を用いた細胞機
能測定方法につき説明する。使用前の状態では、第1、
第2の管状容器2,3の上端開口が栓体4に閉栓されて
おり、細胞機能測定容器1内が減圧されている。すなわ
ち、細胞機能測定容器1は外部に対して気密封されてい
る。
【0038】次に、栓体4を通して血液試料を採取す
る。すなわち、第2の管状容器3内が減圧されているの
で、栓体4に真空採血針等を察刺し、従来の真空採血法
と同様にして血液試料を第2の管状容器3内に採取する
ことができる。この血液試料の採取にあたっては、細胞
機能測定容器1内が気密封止されて閉鎖系とされている
ので、採血者が血液に接触する恐れは非常に少ない。
【0039】採取された血液は、第2の管状容器3内に
おいて、生理活性物質の産生を誘導する刺激物質6及び
血液凝固剤7と接触する。一定時間及び一定温度でイン
キュベートされることにより、血液細胞、特に白血球か
ら上記刺激物質の作用により生理活性物質が産生され
る。所定の反応後、細胞機能測定容器1を遠心分離する
ことにより隔壁5の下方に血漿が移動する。すなわち、
産生された生理活性物質を含有する血漿が第2の管状容
器管内から第1の管状容器2内に移動する。
【0040】しかる後、第2の管状容器3を栓体4とと
もに第1の管状容器2から引き抜く。その結果、上端が
開いた第1の管状容器2内に、生理活性物質含有血漿が
存在するので、第1の管状容器2をそのままサンプル容
器として用いて、血漿中の生理活性物質の測定に供する
ことができる。
【0041】従って、本実施形態の細胞機能測定容器1
を用いることにより、血液試料の採取から生理活性物質
含有血漿を分離するまでの一連の工程を採血者が血液に
接することなく安全に行なわれる。
【0042】図2は、本発明の第2の実施形態に係る細
胞機能測定容器の縦断面図である。第2の実施形態の細
胞機能測定容器11は、第1,第2の管状容器2,3間
の隙間に産生された生理活性物質の量を測定するための
材料が収納されていることを除いては、第1の実施形態
の細胞機能測定容器1と同様に構成されている。
【0043】第2の実施形態で示すように、本発明にお
いては、管状容器2内に分離された血漿中の生理活性物
質の量を測定するために、あらかじめ管状容器2と管状
容器3との間に生理活性物質を測定し得る材料12を収
納しておいてもよい。
【0044】上記生理活性物質を測定し得る材料12と
しては、材料全体として最終的な測定結果をもたらし得
るように構成されているものが好ましい。このような材
料としては、生理活性物質に対する抗体を固定化したイ
ムノクロマト試薬等の免疫試薬が挙げられる。また、上
記生理活性物質に対する抗体を固定化した、ガラスビー
ズを用いてもよく、この場合には、測定に際し、第2の
管状容器3を栓体4と共に上方に引き抜いた後に、ガラ
スビーズに結合されている生理活性物質を酵素免疫測定
法のような常法に従って測定することができる。
【0045】第2の実施形態の細胞機能測定容器11
も、第1の細胞機能測定容器1と同様にして操作され
る。すなわち、血液試料の採取から、生理活性物質含有
血漿の分離までを、安全にかつ簡便に行なうことができ
る。しかも、第2の実施形態の細胞機能測定容器11で
は、分離された生理活性物質含有血漿が、生理活性物質
を測定し得る材料12と接触され、管状容器1内におい
て生理活性物質測定のための反応を行なわせたり、ある
いは直ちに酵素免疫測定法等により測定を行なうことが
できる。
【0046】なお、本発明に係る細胞機能測定容器で測
定される、血液細胞から産生される上記生理活性物質と
しては、特に限定されるわけではないが、例えば、腫瘍
壊死因子α(TNF−α)、腫瘍壊死因子(TNF−
β)IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−
5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−
10、IL−11、IL−12、IL−13、IL−1
4、IL−15、IL−16等のインターロイキン、I
NFα、INFβ、INFγ等のインターフェロン、G
−CSF、GM−CSF、M−CSF等のコロニー刺激
因子、RANTES等の種々のサイトカインやPGE
2、PGI2等のプロスタグランジン、LTB4、LT
C4等のロイコトリエン、一酸化窒素、活性酸素、ヒス
タミン、血小板活性化因子(PAF)等の種々のケミカ
ルメディエーターが挙げられる。また可溶性ICAMI
等の接着因子、可溶性IL−2レセプター等の可溶性サ
イトカインレセプターが挙げられる。
【0047】血液と上記刺激物質6との反応濃度につい
ては、上記生理活性物質の産生が効率的に行なわれ、過
度の溶血を引き起こさない温度であればよく、具体的に
は15〜42℃が好ましく、より好ましくは30〜40
℃である。反応時間は、生理活性化物質の産生が効率的
に行なわれかつ過度の溶血が引き起こされない反応時間
であればよく、具体的には1〜72時間が好ましく、よ
り好ましくは2〜24時間である。
【0048】
【発明の効果】本発明に係る細胞機能測定容器では、第
1,第2の管状容器の上端の開口が栓体により閉成され
ており、閉鎖系の容器として構成されており、かつ容器
内部が必要量の血液を採取するように減圧されている。
従って、血液試料の採取を従来の真空採血法と同様に安
全に行なうことができる。しかも、第2の管状容器内に
血液を採取した後、第2の管状容器内の刺激物質と血液
細胞とが反応し、生理活性物質が産生される。また、上
記反応後に、細胞機能測定容器のまま遠心分離を行なう
ことにより、産生された生理活性物質を含有している血
漿を容易に分離することができる。従って、採血から、
生理活性物質含有の産生及び生理活性物質含有血漿の分
離までの一連の工程を簡便にかつ安全に行なうことがで
きる。
【0049】従来の採血容器や測定方法では、採血後
に、ピペッティング等の用手法を用いて血液を種々の容
器に移し替えたり、細胞分離や細胞培養等の操作を必要
とするため、感染症に感染したり、測定に長時間を要し
ていた。これに対して、本発明に係る細胞機能測定容器
は、採血者や検査従事者が、血液と接触する恐れがな
く、安全にかつ簡便に採血から生理活性物質含有血漿の
分離までの一連の工程を実施することができる。
【0050】加えて、細胞機能測定容器が閉鎖系のシス
テムとして構成されているので、試料中に種々の雑菌や
ほこり等が混入する恐れがなく、従って、これらの汚染
物質や種々の操作による細胞の不要な活性化や活性低下
が生じ難い。よって、細胞機能測定精度を効果的に高め
ることができる。
【0051】第1,第2の管状容器間の隙間に、生理活
性物質の量を測定するための材料が配置されている場合
には、産生された生理活性物質と該材料との反応を細胞
機能測定容器内で行なわせることができ、生理活性物質
の測定作業の簡便化及び測定時間の短縮を図り得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る細胞機能測定容器の
縦断面図。
【図2】本発明の他の実施形態の細胞機能測定容器の縦
断面図。
【符号の説明】
1…細胞機能測定容器 2…第1の管状容器 2a…開口 3…第2の管状容器 4…栓体 5…隔壁 6…刺激物質 7…血液抗凝固剤 11…細胞機能測定容器 12…生理活性物質を測定する材料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12M 1/34 A61B 5/14 300E G01N 33/50 300C 310

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 血液試料の細胞機能を測定するための容
    器であって、 上端に開口を有し、かつ有底の第1の管状容器と、 前記第1の管状容器内に挿入されており、両端に開口を
    有し、遠心されることにより採取した血液を血球成分と
    血漿成分とに分離することができる隔壁構造を内部もし
    くは下端に有し、血液抗凝固剤、及び血液試料と反応し
    て生理活性物質の産生を誘導する刺激物質を含む第2の
    管状容器と、 前記第1,第2の管状容器の上端開口を閉成するよう
    に、第1,第2の管状容器の上端に取り付けられた栓体
    とを備え、 内部の圧力が、第2の管状容器内に必要量の血液を採取
    し得るように減圧されていることを特徴とする、細胞機
    能測定容器。
  2. 【請求項2】 血液試料と前記刺激物質との反応より産
    生される生理活性物質の量を測定するための材料が、前
    記第1の管状容器と第2の管状容器との間の隙間に配置
    されていることを特徴とする、請求項1に記載の細胞機
    能測定容器。
  3. 【請求項3】 前記刺激物質がエンドトキシンであり、
    前記生理活性物質がTNF−αである、請求項1または
    2に記載の細胞機能測定容器。
JP2000310900A 2000-10-11 2000-10-11 細胞機能測定容器 Withdrawn JP2002116201A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000310900A JP2002116201A (ja) 2000-10-11 2000-10-11 細胞機能測定容器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000310900A JP2002116201A (ja) 2000-10-11 2000-10-11 細胞機能測定容器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002116201A true JP2002116201A (ja) 2002-04-19

Family

ID=18790764

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000310900A Withdrawn JP2002116201A (ja) 2000-10-11 2000-10-11 細胞機能測定容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002116201A (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006518251A (ja) * 2003-02-13 2006-08-10 ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー 血液採取の際に成分を除去するための装置並びにその使用法
JP2009544968A (ja) * 2006-07-21 2009-12-17 ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー サンプル採集用の膜による二重層の管
JP2011033434A (ja) * 2009-07-31 2011-02-17 Kao Corp 微量固体試料分析器具
WO2014019254A1 (zh) * 2012-07-31 2014-02-06 上海科华检验医学产品有限公司 一种可直接分离血浆的真空采血管及其方法
CN107008518A (zh) * 2017-04-12 2017-08-04 郝大勇 离心管、离心管适配器及用于提取试样的方法
WO2021145459A1 (ja) * 2020-01-17 2021-07-22 ニプロ株式会社 二重管
US11395612B2 (en) 2012-05-30 2022-07-26 Magnolia Medical Technologies, Inc. Fluid diversion mechanism for bodily-fluid sampling
JP7181252B2 (ja) 2012-11-30 2022-11-30 マグノリア メディカル テクノロジーズ,インコーポレイテッド 体液採取用のシリンジ型流体分流機構
US11529081B2 (en) 2017-09-12 2022-12-20 Magnolia Medical Technologies, Inc. Fluid control devices and methods of using the same
US11786155B2 (en) 2019-02-08 2023-10-17 Magnolia Medical Technologies, Inc. Devices and methods for bodily fluid collection and distribution
US11819329B2 (en) 2012-05-30 2023-11-21 Magnolia Medical Technologies, Inc. Fluid diversion mechanism for bodily-fluid sampling
US11857321B2 (en) 2019-03-11 2024-01-02 Magnolia Medical Technologies, Inc. Fluid control devices and methods of using the same
US11890452B2 (en) 2012-10-11 2024-02-06 Magnolia Medical Technologies, Inc. Systems and methods for delivering a fluid to a patient with reduced contamination

Cited By (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006518251A (ja) * 2003-02-13 2006-08-10 ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー 血液採取の際に成分を除去するための装置並びにその使用法
JP2011158480A (ja) * 2003-02-13 2011-08-18 Becton Dickinson & Co 血液採取の際に成分を除去するための装置並びにその使用法
US8603345B2 (en) 2003-02-13 2013-12-10 Becton, Dickinson And Company Devices for component removal during blood collection, and uses thereof
JP2009544968A (ja) * 2006-07-21 2009-12-17 ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー サンプル採集用の膜による二重層の管
EP2046499B1 (en) * 2006-07-21 2017-11-15 Becton Dickinson and Company Membrane-based double-layer tube for sample collections
JP2011033434A (ja) * 2009-07-31 2011-02-17 Kao Corp 微量固体試料分析器具
US11395612B2 (en) 2012-05-30 2022-07-26 Magnolia Medical Technologies, Inc. Fluid diversion mechanism for bodily-fluid sampling
US11819329B2 (en) 2012-05-30 2023-11-21 Magnolia Medical Technologies, Inc. Fluid diversion mechanism for bodily-fluid sampling
US11395611B2 (en) 2012-05-30 2022-07-26 Magnolia Medical Technologies, Inc. Fluid diversion mechanism for bodily-fluid sampling
WO2014019254A1 (zh) * 2012-07-31 2014-02-06 上海科华检验医学产品有限公司 一种可直接分离血浆的真空采血管及其方法
US11890452B2 (en) 2012-10-11 2024-02-06 Magnolia Medical Technologies, Inc. Systems and methods for delivering a fluid to a patient with reduced contamination
US11607159B2 (en) 2012-11-30 2023-03-21 Magnolia Medical Technologies, Inc. Bodily-fluid transfer system for bodily fluid sampling
JP7181252B2 (ja) 2012-11-30 2022-11-30 マグノリア メディカル テクノロジーズ,インコーポレイテッド 体液採取用のシリンジ型流体分流機構
US11660030B2 (en) 2012-11-30 2023-05-30 Magnolia Medical Technologies, Inc. Syringe-based fluid diversion mechanism for bodily fluid sampling
US11589786B2 (en) 2012-11-30 2023-02-28 Magnolia Medical Technologies, Inc. Syringe-based fluid diversion mechanism for bodily fluid sampling
CN107008518A (zh) * 2017-04-12 2017-08-04 郝大勇 离心管、离心管适配器及用于提取试样的方法
CN107008518B (zh) * 2017-04-12 2019-08-09 郝大勇 离心管、离心管适配器及用于提取试样的方法
US11653863B2 (en) 2017-09-12 2023-05-23 Magnolia Medical Technologies, Inc. Fluid control devices and methods of using the same
US11529081B2 (en) 2017-09-12 2022-12-20 Magnolia Medical Technologies, Inc. Fluid control devices and methods of using the same
US11903710B2 (en) 2017-09-12 2024-02-20 Magnolia Medical Technologies, Inc. Fluid control devices and methods of using the same
US11903709B2 (en) 2017-09-12 2024-02-20 Magnolia Medical Technologies, Inc. Fluid control devices and methods of using the same
US11786155B2 (en) 2019-02-08 2023-10-17 Magnolia Medical Technologies, Inc. Devices and methods for bodily fluid collection and distribution
US11857321B2 (en) 2019-03-11 2024-01-02 Magnolia Medical Technologies, Inc. Fluid control devices and methods of using the same
WO2021145459A1 (ja) * 2020-01-17 2021-07-22 ニプロ株式会社 二重管

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6607945B2 (ja) 生物医学的な感知及び検出のための粒子を含む溶液中の粒子の空間的な分離
JP2002116201A (ja) 細胞機能測定容器
US4953561A (en) Urine testing module and method of collecting urine antigen
JP2001194365A (ja) 細胞機能測定容器及び細胞機能測定方法
JP3211250B2 (ja) 細胞機能測定用容器、細沢機能測定用キット及び細胞機能測定方法
Shands Embedding Free-Floating Cells and Microscopic Particles: Serum Albumin Coagulum—Epoxy Resin
Stelmaszczyk-Emmel et al. Th1, Th2, Th17, and regulatory cytokines in children with different clinical forms of allergy
JP3718435B2 (ja) 細胞機能測定用容器及び細胞機能測定方法
IES58662B2 (en) Device for the processing of saliva for use in an immunoassay
JP3947437B2 (ja) 細胞機能測定方法
JP2007315780A (ja) 細胞機能測定方法
JP2000081438A (ja) 被験者の癌化学療法による免疫機能低下の測定方法
JP3654731B2 (ja) アレルギー検査容器、キット及び検査方法
JPH11221204A (ja) 採血容器並びに血液細胞中の生理活性物質の測定方法及び血液細胞機能の測定方法
JPH11118799A (ja) 細胞機能測定用反応器、細胞機能測定用キット及び細胞機能測定方法
JP2000065827A (ja) 採血反応容器及び細胞機能測定方法
JPH10123134A (ja) 抗原特異的細胞性免疫応答の測定容器、測定キット及び測定方法
JPH10123133A (ja) 抗原特異的細胞性免疫応答の測定容器、測定キット及び測定方法
JPH11225999A (ja) 血液細胞の薬剤感受性の測定容器、キット及び測定方法
EP0439548B1 (en) Provision of density specific blood cells for the structuredness of the cytoplasmic matrix (scm) test
JP2001194366A (ja) 細胞機能測定用容器、細胞機能測定用キット及び細胞機能測定方法
ES2354201T3 (es) Recipientes y kits para la determinación de funciones celulares y métodos para la determinación de las mismas.
CN113219183B (zh) 一种液态胶血型检测卡、制备方法及血型检测系统
Ojo et al. C-reactive protein in tuberculosis and human immunodeficiency virus infections in Abeokuta, Nigeria
RU2754799C1 (ru) Способ диагностики нарушения фагоцитоза у детей

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050512

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050518

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20050722