JPH10230347A - アルミ溶湯から精製鋳塊を得る上引き連続鋳造方法及び装置 - Google Patents
アルミ溶湯から精製鋳塊を得る上引き連続鋳造方法及び装置Info
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- JPH10230347A JPH10230347A JP3395297A JP3395297A JPH10230347A JP H10230347 A JPH10230347 A JP H10230347A JP 3395297 A JP3395297 A JP 3395297A JP 3395297 A JP3395297 A JP 3395297A JP H10230347 A JPH10230347 A JP H10230347A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 精製容器とは別個の鋳型を使用し、純度が高
められた精製鋳塊をアルミ溶湯から得る。 【解決手段】 精製容器10内で上下方向の循環流Fと
なるようにアルミ溶湯1を撹拌する。アルミ溶湯1に、
上広りのテーパをつけた貫通孔22の下部に下広りのテ
ーパをつけた傾斜底面23をもつ鋳型21を上方から浸
漬し、貫通孔22内でダミーバー31のダミーヘッド3
2をアルミ溶湯1に浸漬する。アルミ溶湯1の循環流F
を傾斜底面23に沿って貫通孔22内に位置するダミー
ヘッド32に接触させる。アルミ溶湯1から精製された
α−Alがダミーヘッド32に晶出し、ダミーバー31
を介して精製鋳塊3として引き上げられる。アルミ溶湯
1から晶出した金属間化合物2は、アルミ溶湯1の循環
流Fに乗って精製容器10の下方に沈降する。
められた精製鋳塊をアルミ溶湯から得る。 【解決手段】 精製容器10内で上下方向の循環流Fと
なるようにアルミ溶湯1を撹拌する。アルミ溶湯1に、
上広りのテーパをつけた貫通孔22の下部に下広りのテ
ーパをつけた傾斜底面23をもつ鋳型21を上方から浸
漬し、貫通孔22内でダミーバー31のダミーヘッド3
2をアルミ溶湯1に浸漬する。アルミ溶湯1の循環流F
を傾斜底面23に沿って貫通孔22内に位置するダミー
ヘッド32に接触させる。アルミ溶湯1から精製された
α−Alがダミーヘッド32に晶出し、ダミーバー31
を介して精製鋳塊3として引き上げられる。アルミ溶湯
1から晶出した金属間化合物2は、アルミ溶湯1の循環
流Fに乗って精製容器10の下方に沈降する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウム溶湯から
不純物が除去された精製鋳塊を連続的に引き上げ鋳造す
る方法及び装置に関する。
不純物が除去された精製鋳塊を連続的に引き上げ鋳造す
る方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】溶湯から最初に金属間化合物が晶出する
ような不純物を含むアルミニウム溶湯を凝固させる際、
不純物は、アルミよりも大きな比重をもつ金属間化合物
として晶出し、容器底部に沈降する。そのため、凝固し
たアルミは、不純物濃度が低下したものとなる。凝固時
の不純物分離によるアルミの純化を利用して、種々の精
製方法が提案されている。たとえば、特開昭57−92
148号公報は、ルツボに収容した溶融アルミを撹拌子
で撹拌しながら、ルツボ底部から溶融アルミを順次冷却
凝固させる方法を紹介している。この場合、凝固界面に
ある高濃度不純物溶液は、撹拌子で与えられた溶融アル
ミの撹拌流動によって、凝固体に巻込まれることなく凝
固界面から拡散する。そのため、純度の高いアルミ材料
がルツボの底部に凝固体として生成する。しかし、不純
物濃度が高いと、炉底に沈降した金属間化合物が撹拌分
離せずアルミ凝固体に巻き込まれることがある。そこ
で、本出願人等は、不純物の巻込みを防止するため、精
製されたアルミ凝固体を鋳塊として連続的に引き上げる
ことを特開平5−295465号公報で紹介した。この
精製・鋳造法では、精製容器内で不純物の沈降分離によ
り純化されたα相をアルミ溶湯の上部にセットした冷却
体の下面に晶出させ、精製容器を鋳型に兼用して冷却体
をそのまま上部に引き上げている。
ような不純物を含むアルミニウム溶湯を凝固させる際、
不純物は、アルミよりも大きな比重をもつ金属間化合物
として晶出し、容器底部に沈降する。そのため、凝固し
たアルミは、不純物濃度が低下したものとなる。凝固時
の不純物分離によるアルミの純化を利用して、種々の精
製方法が提案されている。たとえば、特開昭57−92
148号公報は、ルツボに収容した溶融アルミを撹拌子
で撹拌しながら、ルツボ底部から溶融アルミを順次冷却
凝固させる方法を紹介している。この場合、凝固界面に
ある高濃度不純物溶液は、撹拌子で与えられた溶融アル
ミの撹拌流動によって、凝固体に巻込まれることなく凝
固界面から拡散する。そのため、純度の高いアルミ材料
がルツボの底部に凝固体として生成する。しかし、不純
物濃度が高いと、炉底に沈降した金属間化合物が撹拌分
離せずアルミ凝固体に巻き込まれることがある。そこ
で、本出願人等は、不純物の巻込みを防止するため、精
製されたアルミ凝固体を鋳塊として連続的に引き上げる
ことを特開平5−295465号公報で紹介した。この
精製・鋳造法では、精製容器内で不純物の沈降分離によ
り純化されたα相をアルミ溶湯の上部にセットした冷却
体の下面に晶出させ、精製容器を鋳型に兼用して冷却体
をそのまま上部に引き上げている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】精製容器を鋳型に兼用
するとき、容器の内壁面を鋳型面として使用することか
ら溶湯に対する離型性が要求される。しかし、耐酸化性
が要求される容器は、一般的に人造黒鉛,SiC等の混
合物で製造されている。SiCの配合によって耐酸化性
は向上するものの、溶湯に対する離型性が低下する。そ
の結果、精製鋳塊を引き上げる作業が不安定になり易
い。また、冷却体と容器との間が凝固しないように制御
する必要があるため、得られる精製アルミの形状も安定
化し難い。本発明は、このような問題を解消すべく案出
されたものであり、精製容器とは別個に離型性に優れた
鋳型を配置することにより、精製容器の寿命を確保し、
得られる精製鋳塊の形状を安定化させることを目的とす
る。
するとき、容器の内壁面を鋳型面として使用することか
ら溶湯に対する離型性が要求される。しかし、耐酸化性
が要求される容器は、一般的に人造黒鉛,SiC等の混
合物で製造されている。SiCの配合によって耐酸化性
は向上するものの、溶湯に対する離型性が低下する。そ
の結果、精製鋳塊を引き上げる作業が不安定になり易
い。また、冷却体と容器との間が凝固しないように制御
する必要があるため、得られる精製アルミの形状も安定
化し難い。本発明は、このような問題を解消すべく案出
されたものであり、精製容器とは別個に離型性に優れた
鋳型を配置することにより、精製容器の寿命を確保し、
得られる精製鋳塊の形状を安定化させることを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の上引き連続鋳造
方法は、その目的を達成するため、精製容器に収容した
アルミ溶湯を上下方向の循環流となるように撹拌すると
共に、上広りのテーパをつけた貫通孔の下部に下広りの
テーパをつけた傾斜底面をもつ鋳型を精製容器内のアル
ミ溶湯に上方から浸漬し、鋳型の貫通孔内でダミーバー
のダミーヘッドをアルミ溶湯に浸漬し、鋳型の傾斜底面
に沿ったアルミ溶湯の循環流を貫通孔内に位置するダミ
ーヘッドに接触させることにより、アルミ溶湯から精製
されたα−Alをダミーヘッドに晶出させ、且つアルミ
溶湯から晶出した金属間化合物をアルミ溶湯の循環流に
乗せて精製容器の下方に沈降させ、α−Alの成長に応
じてダミーバーを上方に引き上げることを特徴とする。
方法は、その目的を達成するため、精製容器に収容した
アルミ溶湯を上下方向の循環流となるように撹拌すると
共に、上広りのテーパをつけた貫通孔の下部に下広りの
テーパをつけた傾斜底面をもつ鋳型を精製容器内のアル
ミ溶湯に上方から浸漬し、鋳型の貫通孔内でダミーバー
のダミーヘッドをアルミ溶湯に浸漬し、鋳型の傾斜底面
に沿ったアルミ溶湯の循環流を貫通孔内に位置するダミ
ーヘッドに接触させることにより、アルミ溶湯から精製
されたα−Alをダミーヘッドに晶出させ、且つアルミ
溶湯から晶出した金属間化合物をアルミ溶湯の循環流に
乗せて精製容器の下方に沈降させ、α−Alの成長に応
じてダミーバーを上方に引き上げることを特徴とする。
【0005】精製容器内にあるアルミ溶湯の湯面は、溶
湯供給口から精製容器内にアルミ溶湯を補給すると共
に、精製容器から溢流管を介して過剰のアルミ溶湯を排
出することにより、精製中一定高さに維持される。溢流
管を介したアルミ溶湯の排出は、湯面高さを一定に維持
して鋳造条件を安定化させると共に、精製容器内にある
アルミ溶湯の不純物濃度を一定化させる上で重要であ
る。鋳型から引き上げられたダミーバー及び/又は精製
鋳塊に冷気を吹き付けることにより、凝固及び冷却条件
が制御される。本発明の方法では、鋳型温度,溶湯温
度,引上げ速度及び引き上げられたダミーバー及び精製
鋳塊の冷却条件を制御することにより、アルミ溶湯から
精製されたα−Alが晶出する凝固界面を鋳型の上広り
のテーパをつけた貫通孔内に位置させる。アルミ溶湯
は、組成に応じて定まる凝固温度より15℃±5℃高い
温度に保持される。他方、鋳型は、アルミ溶湯の温度に
対応した適正温度に保持される。
湯供給口から精製容器内にアルミ溶湯を補給すると共
に、精製容器から溢流管を介して過剰のアルミ溶湯を排
出することにより、精製中一定高さに維持される。溢流
管を介したアルミ溶湯の排出は、湯面高さを一定に維持
して鋳造条件を安定化させると共に、精製容器内にある
アルミ溶湯の不純物濃度を一定化させる上で重要であ
る。鋳型から引き上げられたダミーバー及び/又は精製
鋳塊に冷気を吹き付けることにより、凝固及び冷却条件
が制御される。本発明の方法では、鋳型温度,溶湯温
度,引上げ速度及び引き上げられたダミーバー及び精製
鋳塊の冷却条件を制御することにより、アルミ溶湯から
精製されたα−Alが晶出する凝固界面を鋳型の上広り
のテーパをつけた貫通孔内に位置させる。アルミ溶湯
は、組成に応じて定まる凝固温度より15℃±5℃高い
温度に保持される。他方、鋳型は、アルミ溶湯の温度に
対応した適正温度に保持される。
【0006】また、本発明に従った上引き連続鋳造装置
は、溶湯供給口及び溢流管を備えた精製容器と、精製容
器内で上下方向の循環流となるようにアルミ溶湯を撹拌
する撹拌装置と、精製容器内のアルミ溶湯に上方から浸
漬され、上広りのテーパが付けられた貫通孔の下部に下
広りの傾斜底面が形成された鋳型と、貫通孔内のアルミ
溶湯に浸漬されるダミーヘッドを下端に取り付けたダミ
ーバーと、アルミ溶湯から晶出するα−Alの成長速度
に応じてダミーバーを引き上げる引上げ装置と、鋳型か
ら引き上げられるダミーバー及び/又は精製鋳塊を冷却
する冷却帯を備えていることを特徴とする。鋳型の材質
にはアルミ溶湯の離型性に優れた人造黒鉛が使用され、
精製容器の材質には耐酸化性に優れた黒鉛−SiCの混
合物を使用することが好ましい。鋳型には、鋳型温度を
適正に制御するため、ヒータや熱電対等の温度検出器を
内蔵させることが好ましい。
は、溶湯供給口及び溢流管を備えた精製容器と、精製容
器内で上下方向の循環流となるようにアルミ溶湯を撹拌
する撹拌装置と、精製容器内のアルミ溶湯に上方から浸
漬され、上広りのテーパが付けられた貫通孔の下部に下
広りの傾斜底面が形成された鋳型と、貫通孔内のアルミ
溶湯に浸漬されるダミーヘッドを下端に取り付けたダミ
ーバーと、アルミ溶湯から晶出するα−Alの成長速度
に応じてダミーバーを引き上げる引上げ装置と、鋳型か
ら引き上げられるダミーバー及び/又は精製鋳塊を冷却
する冷却帯を備えていることを特徴とする。鋳型の材質
にはアルミ溶湯の離型性に優れた人造黒鉛が使用され、
精製容器の材質には耐酸化性に優れた黒鉛−SiCの混
合物を使用することが好ましい。鋳型には、鋳型温度を
適正に制御するため、ヒータや熱電対等の温度検出器を
内蔵させることが好ましい。
【0007】鋳型は、鋳型位置調節機構により上下方向
及び水平方向に移動可能に配置される。精製容器に比較
して鋳型サイズが大きいと、精製容器の内壁面と鋳型の
外周面との間に、アルミ溶湯の循環流に悪影響を及ぼす
大きな隙間は生じない。しかし、精製容器に比較して鋳
型のサイズが小さいと、鋳型外周面と精製容器内壁面と
の間に隙間が生じる。この場合には、鋳型の傾斜底面に
連する傾斜底面をもつ整流ブロックを鋳型外周面と精製
容器内壁面との間に配置する。整流ブロックは、耐酸化
性に優れた人造黒鉛−SiCで作られ、たとえば鋳型の
外周面に固着される。鋳型外周面と精製容器内壁面との
間の隙間を塞ぐ整流ブロックは、湯面からの放熱を抑制
する作用も呈する。アルミ溶湯の撹拌には、電磁撹拌,
機械撹拌等が採用される。たとえば、精製容器の一方の
側壁に設けた電磁コイルで上向きの電磁力を与え、相対
向する他方の側壁に設けた電磁コイルで下向きの電磁力
を与えると、アルミ溶湯は、一方の側壁に沿って上昇
し、他方の側壁に沿って下降する循環流となる。また、
各電磁コイルで上向きの電磁力を与えると、精製容器の
側壁に沿って上昇し中心部で下降する循環流となる。逆
に、各電磁コイルで下向きの電磁力を与えると、精製容
器の側壁に沿って下降し中心部で上昇する循環流とな
る。撹拌流の強さが大きすぎると、沈降した金属間化合
物が撹拌流に乗って再び浮上して凝固界面まで移送さ
れ、晶出物にトラップされる虞れがある。そのため、適
正な循環流となるように電磁力を調節する必要がある。
また、沈降した金属間化合物を滞留させる長さを精製容
器が必要とするため、電磁撹拌力を与える電磁コイルも
精製容器のサイズとの関連で位置規制される。
及び水平方向に移動可能に配置される。精製容器に比較
して鋳型サイズが大きいと、精製容器の内壁面と鋳型の
外周面との間に、アルミ溶湯の循環流に悪影響を及ぼす
大きな隙間は生じない。しかし、精製容器に比較して鋳
型のサイズが小さいと、鋳型外周面と精製容器内壁面と
の間に隙間が生じる。この場合には、鋳型の傾斜底面に
連する傾斜底面をもつ整流ブロックを鋳型外周面と精製
容器内壁面との間に配置する。整流ブロックは、耐酸化
性に優れた人造黒鉛−SiCで作られ、たとえば鋳型の
外周面に固着される。鋳型外周面と精製容器内壁面との
間の隙間を塞ぐ整流ブロックは、湯面からの放熱を抑制
する作用も呈する。アルミ溶湯の撹拌には、電磁撹拌,
機械撹拌等が採用される。たとえば、精製容器の一方の
側壁に設けた電磁コイルで上向きの電磁力を与え、相対
向する他方の側壁に設けた電磁コイルで下向きの電磁力
を与えると、アルミ溶湯は、一方の側壁に沿って上昇
し、他方の側壁に沿って下降する循環流となる。また、
各電磁コイルで上向きの電磁力を与えると、精製容器の
側壁に沿って上昇し中心部で下降する循環流となる。逆
に、各電磁コイルで下向きの電磁力を与えると、精製容
器の側壁に沿って下降し中心部で上昇する循環流とな
る。撹拌流の強さが大きすぎると、沈降した金属間化合
物が撹拌流に乗って再び浮上して凝固界面まで移送さ
れ、晶出物にトラップされる虞れがある。そのため、適
正な循環流となるように電磁力を調節する必要がある。
また、沈降した金属間化合物を滞留させる長さを精製容
器が必要とするため、電磁撹拌力を与える電磁コイルも
精製容器のサイズとの関連で位置規制される。
【0008】鋳型の上広りのテーパをつけた貫通孔内の
アルミ溶湯に浸漬されるダミーヘッドは、着脱可能にダ
ミーバーの下端に取り付けられており、アルミ溶湯から
晶出したα−Alの食い付きを容易にする噛合い部が下
面に設けた構造が好ましい。ダミーヘッド及び噛合い部
は、ダミーバーから分離され、下工程で精製鋳塊と共に
再溶解されることがあるので、精製鋳塊と同程度の純度
をもつアルミ材が使用される。鋳型から引き上げられた
ダミーバー及び精製鋳塊は、冷却帯で冷気の吹付けによ
り冷却される。冷気吹付けは、アルミ溶湯から晶出する
α−Alの成長速度に影響を与えるので、適正条件下で
晶出物が成長するように冷却条件を制御する。また、ダ
ミーバー及び/又は精製鋳塊に吹き付けられた冷気の精
製容器内への侵入は、冷却帯の下方に配置された遮蔽板
で防止される。
アルミ溶湯に浸漬されるダミーヘッドは、着脱可能にダ
ミーバーの下端に取り付けられており、アルミ溶湯から
晶出したα−Alの食い付きを容易にする噛合い部が下
面に設けた構造が好ましい。ダミーヘッド及び噛合い部
は、ダミーバーから分離され、下工程で精製鋳塊と共に
再溶解されることがあるので、精製鋳塊と同程度の純度
をもつアルミ材が使用される。鋳型から引き上げられた
ダミーバー及び精製鋳塊は、冷却帯で冷気の吹付けによ
り冷却される。冷気吹付けは、アルミ溶湯から晶出する
α−Alの成長速度に影響を与えるので、適正条件下で
晶出物が成長するように冷却条件を制御する。また、ダ
ミーバー及び/又は精製鋳塊に吹き付けられた冷気の精
製容器内への侵入は、冷却帯の下方に配置された遮蔽板
で防止される。
【0009】
【実施の形態】本発明に従った精製・鋳造装置は、図1
に示すように精製されるアルミ溶湯1を収容する精製容
器10を備えている。精製されるアルミ溶湯1は、溶湯
供給口11から精製容器10に送り込まれ、過剰分が溢
流管12を経て精製容器10から送り出される。溢流管
12を介した溶湯の排出は、湯面5を一定高さに維持す
ると共に、アルミ溶湯1の濃度を精製中に一定に維持す
る作用を呈する。精製容器10の底部は、一部が傾斜し
た傾斜底面13となっており、傾斜底面13の反対側に
排出口14が設けられている。排出口14は、精製作業
中にはストッパ15で閉塞されている。精製容器10
は、耐酸化性に優れた人造黒鉛−SiC等の混合物で作
られており、図2に示すように、収容されているアルミ
溶湯1を加熱保持するためのヒータ16を器壁に内蔵さ
せている。ヒータ16に供給される電力は、精製中のア
ルミ溶湯1が所定の温度に維持されるようにコントロー
ルされる。また、精製容器10内でアルミ溶湯1を循環
流動させるため、一対の電磁コイル17,18を精製容
器10の相対向する側壁に設けている。電磁コイル1
7,18を配置する関係から精製容器10は断面矩形の
直方体にしているが、他の撹拌手段を採用するとき、精
製容器10の形状がこれに制約されるものではない。
に示すように精製されるアルミ溶湯1を収容する精製容
器10を備えている。精製されるアルミ溶湯1は、溶湯
供給口11から精製容器10に送り込まれ、過剰分が溢
流管12を経て精製容器10から送り出される。溢流管
12を介した溶湯の排出は、湯面5を一定高さに維持す
ると共に、アルミ溶湯1の濃度を精製中に一定に維持す
る作用を呈する。精製容器10の底部は、一部が傾斜し
た傾斜底面13となっており、傾斜底面13の反対側に
排出口14が設けられている。排出口14は、精製作業
中にはストッパ15で閉塞されている。精製容器10
は、耐酸化性に優れた人造黒鉛−SiC等の混合物で作
られており、図2に示すように、収容されているアルミ
溶湯1を加熱保持するためのヒータ16を器壁に内蔵さ
せている。ヒータ16に供給される電力は、精製中のア
ルミ溶湯1が所定の温度に維持されるようにコントロー
ルされる。また、精製容器10内でアルミ溶湯1を循環
流動させるため、一対の電磁コイル17,18を精製容
器10の相対向する側壁に設けている。電磁コイル1
7,18を配置する関係から精製容器10は断面矩形の
直方体にしているが、他の撹拌手段を採用するとき、精
製容器10の形状がこれに制約されるものではない。
【0010】電磁コイル17でアルミ溶湯1に上向きの
電磁力F1 が与えられ、電磁コイル18で下向きの電磁
力F2 が与えられる。その結果、アルミ溶湯1は、図1
において反時計方向の流れFとなって精製容器10内を
流動する。なお、電磁コイル17,18で付与する電磁
力の方向を切り替え、アルミ溶湯1を時計方向に循環流
動させること,電磁コイル17,18で上向きの電磁力
をアルミ溶湯1に与え、精製容器1の側壁に沿って上昇
し中心部で下降するように循環流動させること、或いは
電磁コイル17,18で下向きの電磁力をアルミ溶湯1
に与え、精製容器1の側壁に沿って下降し中心部で上昇
するように循環流動させることでも良いことは勿論であ
る。アルミ溶湯1の循環流動Fによって、精製効率が向
上する。アルミ溶湯1が精製される際、不純物が金属間
化合物2としてアルミ溶湯1から晶出する。金属間化合
物2は、アルミニウムに比較して比重が大きいため、ア
ルミ溶湯1の循環流動Fによって沈降し、精製容器10
の底部に堆積する。堆積した金属間化合物2は、ストッ
パ15を定期的に取り外すことにより、残湯と共に精製
容器10から排出口14を経て排出される。
電磁力F1 が与えられ、電磁コイル18で下向きの電磁
力F2 が与えられる。その結果、アルミ溶湯1は、図1
において反時計方向の流れFとなって精製容器10内を
流動する。なお、電磁コイル17,18で付与する電磁
力の方向を切り替え、アルミ溶湯1を時計方向に循環流
動させること,電磁コイル17,18で上向きの電磁力
をアルミ溶湯1に与え、精製容器1の側壁に沿って上昇
し中心部で下降するように循環流動させること、或いは
電磁コイル17,18で下向きの電磁力をアルミ溶湯1
に与え、精製容器1の側壁に沿って下降し中心部で上昇
するように循環流動させることでも良いことは勿論であ
る。アルミ溶湯1の循環流動Fによって、精製効率が向
上する。アルミ溶湯1が精製される際、不純物が金属間
化合物2としてアルミ溶湯1から晶出する。金属間化合
物2は、アルミニウムに比較して比重が大きいため、ア
ルミ溶湯1の循環流動Fによって沈降し、精製容器10
の底部に堆積する。堆積した金属間化合物2は、ストッ
パ15を定期的に取り外すことにより、残湯と共に精製
容器10から排出口14を経て排出される。
【0011】精製容器10は、上部が開放されており、
開放上部から鋳型機構20を精製容器10内に臨ませて
いる。鋳型機構20は、アルミ溶湯1に対する離型性に
優れた人造黒鉛で作製した鋳型21を備えている。鋳型
21は、図3に示すように中心部に貫通孔22が設けら
れており、貫通孔22との角部24から周縁に向けて下
向きに傾斜した傾斜底面23が形成されている。貫通孔
22は、得られる精製鋳塊3の断面形状に対応した断面
をもっており、たとえば円柱状の精製鋳塊3を鋳造する
場合には円柱状に成形されている。貫通孔22には、上
広りで角度θのテーパが付けられている。上広りのテー
パは、アルミ溶湯1から得られた精製鋳塊3の引抜きを
容易にする。広り角度θは、1〜10度の範囲に設定す
ることが好ましい。
開放上部から鋳型機構20を精製容器10内に臨ませて
いる。鋳型機構20は、アルミ溶湯1に対する離型性に
優れた人造黒鉛で作製した鋳型21を備えている。鋳型
21は、図3に示すように中心部に貫通孔22が設けら
れており、貫通孔22との角部24から周縁に向けて下
向きに傾斜した傾斜底面23が形成されている。貫通孔
22は、得られる精製鋳塊3の断面形状に対応した断面
をもっており、たとえば円柱状の精製鋳塊3を鋳造する
場合には円柱状に成形されている。貫通孔22には、上
広りで角度θのテーパが付けられている。上広りのテー
パは、アルミ溶湯1から得られた精製鋳塊3の引抜きを
容易にする。広り角度θは、1〜10度の範囲に設定す
ることが好ましい。
【0012】傾斜底面23は、アルミ溶湯1の循環流F
が凝固界面4に到達し、凝固時に排出された不純物(金
属間化合物2)を精製容器10の下方に運び易くする作
用を呈する。傾斜底面23は、湾曲状であってもよい
が、加工の容易性を考慮するとき一定した角度αのテー
パに設定される。テーパ角αは、精製容器10,鋳型2
1等のサイズにもよるが、20〜60度の範囲が好まし
い。鋳型21は、ヒータ25及び熱電対等の温度検出器
26を内蔵している。温度検出器26は、必要に応じて
鋳型21の複数箇所に埋め込まれる。鋳型21の温度
は、鋳型21の内周近傍に挿入された温度検出器26で
測定され、測定値に応じてヒータ25に投入する電力を
調整することにより所定の温度に調節する。この温度調
節により、鋳型21内にある溶湯及び凝固界面4の位置
もコントロールされる。鋳型21の内周近傍への温度検
出器26の挿入は、精製容器10から鋳型21を独立さ
せたことにより初めて可能となったもので、鋳造に大き
な影響を及ぼす凝固直前のアルミ溶湯1の温度を知るこ
とができる。
が凝固界面4に到達し、凝固時に排出された不純物(金
属間化合物2)を精製容器10の下方に運び易くする作
用を呈する。傾斜底面23は、湾曲状であってもよい
が、加工の容易性を考慮するとき一定した角度αのテー
パに設定される。テーパ角αは、精製容器10,鋳型2
1等のサイズにもよるが、20〜60度の範囲が好まし
い。鋳型21は、ヒータ25及び熱電対等の温度検出器
26を内蔵している。温度検出器26は、必要に応じて
鋳型21の複数箇所に埋め込まれる。鋳型21の温度
は、鋳型21の内周近傍に挿入された温度検出器26で
測定され、測定値に応じてヒータ25に投入する電力を
調整することにより所定の温度に調節する。この温度調
節により、鋳型21内にある溶湯及び凝固界面4の位置
もコントロールされる。鋳型21の内周近傍への温度検
出器26の挿入は、精製容器10から鋳型21を独立さ
せたことにより初めて可能となったもので、鋳造に大き
な影響を及ぼす凝固直前のアルミ溶湯1の温度を知るこ
とができる。
【0013】鋳型21は、精製容器10内の所定位置に
配置されるように、鋳型位置調節装置27で吊り下げら
れる。鋳型位置調節装置27は、アルミ溶湯1の湯面5
との関係で鋳型21の高さを調節すると共に、ダミーバ
ー31と鋳型21との心合せができるように上下方向及
び水平方向に移動可能である。精製容器10の内壁面か
ら鋳型21の外周面までの距離が大きな場合、鋳型21
の外周面に整流ブロック28を取り付ける。整流ブロッ
ク28は、耐熱性に優れた人造黒鉛−SiC等の耐火物
で作られ、アルミ溶湯1の循環流Fが鋳型21内に送り
込まれるように、傾斜底面23のテーパ角αと同様な角
度で傾斜した底面をもっている。或いは、傾斜底面23
に近い部分にテーパ角αを付け、外側に近いほど大きな
角度で傾斜する湾曲底面としても良い。更に、精製・鋳
造中のアルミ溶湯1の温度を測定するため、鋳型21と
整流ブロック28との間から温度検出器29をアルミ溶
湯1に臨ませている。温度検出器29の測定値に応じて
ヒータ16に投入する電力を調整することにより、精製
容器10内にあるアルミ溶湯1が所定の温度に維持され
る。
配置されるように、鋳型位置調節装置27で吊り下げら
れる。鋳型位置調節装置27は、アルミ溶湯1の湯面5
との関係で鋳型21の高さを調節すると共に、ダミーバ
ー31と鋳型21との心合せができるように上下方向及
び水平方向に移動可能である。精製容器10の内壁面か
ら鋳型21の外周面までの距離が大きな場合、鋳型21
の外周面に整流ブロック28を取り付ける。整流ブロッ
ク28は、耐熱性に優れた人造黒鉛−SiC等の耐火物
で作られ、アルミ溶湯1の循環流Fが鋳型21内に送り
込まれるように、傾斜底面23のテーパ角αと同様な角
度で傾斜した底面をもっている。或いは、傾斜底面23
に近い部分にテーパ角αを付け、外側に近いほど大きな
角度で傾斜する湾曲底面としても良い。更に、精製・鋳
造中のアルミ溶湯1の温度を測定するため、鋳型21と
整流ブロック28との間から温度検出器29をアルミ溶
湯1に臨ませている。温度検出器29の測定値に応じて
ヒータ16に投入する電力を調整することにより、精製
容器10内にあるアルミ溶湯1が所定の温度に維持され
る。
【0014】鋳型21の上広りのテーパを付けた貫通孔
22に、上方から引上げ機構30のダミーバー31を臨
ませている。ダミーバー31の下端には、ダミーヘッド
32が着脱自在にねじ込まれている。ダミーヘッド32
の底面に固着されている噛合い部33は、アルミ溶湯1
から晶出したα相のアルミが食い付きやすい形状に成形
されている。ダミーヘッド32及び噛合い部33は、精
製鋳塊3と一体的に引き上げられた後、ダミーバー31
から分離される。ダミーヘッド32及び噛合い部33
は、精製鋳塊3と共に再溶解しても純度に悪影響を及ぼ
さないようにアルミ製としている。ダミーバー31は、
昇降装置34で引き上げられる。ダミーバー31の引き
上げに伴って精製容器10から引き出される精製鋳塊3
は、冷却帯35を通過する際に冷気36の吹付けにより
冷却される。冷却に使用された冷気36の一部は、精製
鋳塊3に沿って下降するが、精製容器10内への侵入は
遮蔽板37で阻止され、アルミ溶湯1の温度に悪影響を
及ぼさない。冷気36には、通常、空気が使用される。
22に、上方から引上げ機構30のダミーバー31を臨
ませている。ダミーバー31の下端には、ダミーヘッド
32が着脱自在にねじ込まれている。ダミーヘッド32
の底面に固着されている噛合い部33は、アルミ溶湯1
から晶出したα相のアルミが食い付きやすい形状に成形
されている。ダミーヘッド32及び噛合い部33は、精
製鋳塊3と一体的に引き上げられた後、ダミーバー31
から分離される。ダミーヘッド32及び噛合い部33
は、精製鋳塊3と共に再溶解しても純度に悪影響を及ぼ
さないようにアルミ製としている。ダミーバー31は、
昇降装置34で引き上げられる。ダミーバー31の引き
上げに伴って精製容器10から引き出される精製鋳塊3
は、冷却帯35を通過する際に冷気36の吹付けにより
冷却される。冷却に使用された冷気36の一部は、精製
鋳塊3に沿って下降するが、精製容器10内への侵入は
遮蔽板37で阻止され、アルミ溶湯1の温度に悪影響を
及ぼさない。冷気36には、通常、空気が使用される。
【0015】次いで、精製・鋳造装置を使用した操業を
説明する。精製されるアルミ溶湯1を溶湯供給口11か
ら精製容器10に随時補給する。アルミ溶湯1の補給
は、精製鋳塊3として精製容器10から持ち出される分
を補充すると共に、精製の進行に伴った不純物濃度の上
昇を抑制する作用を呈する。また、不純物濃度が上昇し
たアルミ溶湯1を溢流管12から排出することによって
も、精製容器10内のアルミ溶湯1は一定した不純物濃
度に維持される。更に、溢流管12を介してアルミ溶湯
1が排出されるため、精製容器10内でアルミ溶湯1の
湯面5が常に一定高さに維持され、鋳造条件が安定化す
る。溢流管12を経由して精製容器10から排出された
アルミ溶湯1は、次のアルミ精製炉に送り込まれ、そこ
で再び精製される。このように不純物濃度が一定に維持
されたアルミ溶湯1から精製鋳塊3が鋳造されるため、
精製反応が定常化し、得られた精製鋳塊3の組成が安定
化する。鋳造に際しては、アルミ溶湯1の湯面5から鋳
型21の上面が突出するように、鋳型21をアルミ溶湯
1に浸漬する。本発明に従った精製・鋳造装置は、オー
バーフロー方式であるため湯面5は常に一定した位置に
ある。湯面5から突出する鋳型21の長さは、傾斜底面
23のテーパ角αと貫通孔22の広り角θとの位置関係
から最適値が決められる。通常、湯面5から上方約10
mmだけ鋳型21の上面が突出するように、鋳型位置調
節装置27で鋳型21がセットされる。
説明する。精製されるアルミ溶湯1を溶湯供給口11か
ら精製容器10に随時補給する。アルミ溶湯1の補給
は、精製鋳塊3として精製容器10から持ち出される分
を補充すると共に、精製の進行に伴った不純物濃度の上
昇を抑制する作用を呈する。また、不純物濃度が上昇し
たアルミ溶湯1を溢流管12から排出することによって
も、精製容器10内のアルミ溶湯1は一定した不純物濃
度に維持される。更に、溢流管12を介してアルミ溶湯
1が排出されるため、精製容器10内でアルミ溶湯1の
湯面5が常に一定高さに維持され、鋳造条件が安定化す
る。溢流管12を経由して精製容器10から排出された
アルミ溶湯1は、次のアルミ精製炉に送り込まれ、そこ
で再び精製される。このように不純物濃度が一定に維持
されたアルミ溶湯1から精製鋳塊3が鋳造されるため、
精製反応が定常化し、得られた精製鋳塊3の組成が安定
化する。鋳造に際しては、アルミ溶湯1の湯面5から鋳
型21の上面が突出するように、鋳型21をアルミ溶湯
1に浸漬する。本発明に従った精製・鋳造装置は、オー
バーフロー方式であるため湯面5は常に一定した位置に
ある。湯面5から突出する鋳型21の長さは、傾斜底面
23のテーパ角αと貫通孔22の広り角θとの位置関係
から最適値が決められる。通常、湯面5から上方約10
mmだけ鋳型21の上面が突出するように、鋳型位置調
節装置27で鋳型21がセットされる。
【0016】鋳造開始時には、図1,3に示すように昇
降装置34によりダミーバー31を鋳型21の内部まで
下降させ、先端のダミーヘッド32及び噛合い部33を
アルミ溶湯1に浸漬させる。ここで、噛合い部33は、
上広りのテーパ角θがついた貫通孔22内に位置させ
る。この状態でアルミ溶湯1の凝固を開始させると、晶
出したα−Alが噛合い部33に食い込む。凝固が進行
し、ダミーヘッド32に晶出する精製鋳塊3の成長に応
じて、昇降装置34によりダミーバー31が鋳型21か
ら引き上げられる。このとき、テーパ角αをつけた傾斜
底面23に精製鋳塊3の凝固界面4が入り込まないよう
に、アルミ溶湯1及び鋳型21の温度を制御する。凝固
界面4が傾斜底面23に入り込むと、鋳型21の一番狭
い箇所である角部24に凝固体が引っ掛かり、精製鋳塊
3の引上げができなくなる。鋳型21の温度は測定位置
に応じて絶対値が異なるが、アルミ溶湯1の組成によっ
て定まる凝固温度と一義的な関係があるため、実験で得
られた所定の温度範囲に保たれるように鋳型21を温度
管理する。
降装置34によりダミーバー31を鋳型21の内部まで
下降させ、先端のダミーヘッド32及び噛合い部33を
アルミ溶湯1に浸漬させる。ここで、噛合い部33は、
上広りのテーパ角θがついた貫通孔22内に位置させ
る。この状態でアルミ溶湯1の凝固を開始させると、晶
出したα−Alが噛合い部33に食い込む。凝固が進行
し、ダミーヘッド32に晶出する精製鋳塊3の成長に応
じて、昇降装置34によりダミーバー31が鋳型21か
ら引き上げられる。このとき、テーパ角αをつけた傾斜
底面23に精製鋳塊3の凝固界面4が入り込まないよう
に、アルミ溶湯1及び鋳型21の温度を制御する。凝固
界面4が傾斜底面23に入り込むと、鋳型21の一番狭
い箇所である角部24に凝固体が引っ掛かり、精製鋳塊
3の引上げができなくなる。鋳型21の温度は測定位置
に応じて絶対値が異なるが、アルミ溶湯1の組成によっ
て定まる凝固温度と一義的な関係があるため、実験で得
られた所定の温度範囲に保たれるように鋳型21を温度
管理する。
【0017】凝固開始時の温度コントロールによって引
上げ条件が整うと、昇降装置34によりダミーバー31
の引上げ動作を開始する。引上げ開始後は、定常状態が
保たれるように鋳型21及びアルミ溶湯1を温度管理す
る。また、湯面5の流動状態を観察し、電磁コイル1
7,18によってアルミ溶湯1の撹拌流Fをコントロー
ルする。定常状態の凝固界面4は、図4に示すように鋳
型21の上広りのテーパを付けた貫通孔22の内部に位
置し、若干上に凸状となっている。この凝固界面4の位
置及び形状が保たれるように、アルミ溶湯1及び鋳型2
1を温度管理すると、組成が安定した精製鋳塊3が得ら
れる。このときの温度制御範囲も、実験結果からアルミ
溶湯1の凝固温度と関連付けて定められる。引き上げら
れたダミーバー31及び精製鋳塊3が冷却帯35に達す
ると、冷気36が吹き付けられ、凝固・冷却条件が調整
される。ダミーバー31及び精製鋳塊3への冷気吹付け
は、アルミ溶湯1から精製アルミを適性条件下で晶出さ
せると共に、精製鋳塊3を制御冷却する上で有効であ
る。また、連続鋳造する場合には、冷却帯35の上方に
ピンチロール及び切断機(図示せず)を設け、精製鋳塊
3を定寸切断する。
上げ条件が整うと、昇降装置34によりダミーバー31
の引上げ動作を開始する。引上げ開始後は、定常状態が
保たれるように鋳型21及びアルミ溶湯1を温度管理す
る。また、湯面5の流動状態を観察し、電磁コイル1
7,18によってアルミ溶湯1の撹拌流Fをコントロー
ルする。定常状態の凝固界面4は、図4に示すように鋳
型21の上広りのテーパを付けた貫通孔22の内部に位
置し、若干上に凸状となっている。この凝固界面4の位
置及び形状が保たれるように、アルミ溶湯1及び鋳型2
1を温度管理すると、組成が安定した精製鋳塊3が得ら
れる。このときの温度制御範囲も、実験結果からアルミ
溶湯1の凝固温度と関連付けて定められる。引き上げら
れたダミーバー31及び精製鋳塊3が冷却帯35に達す
ると、冷気36が吹き付けられ、凝固・冷却条件が調整
される。ダミーバー31及び精製鋳塊3への冷気吹付け
は、アルミ溶湯1から精製アルミを適性条件下で晶出さ
せると共に、精製鋳塊3を制御冷却する上で有効であ
る。また、連続鋳造する場合には、冷却帯35の上方に
ピンチロール及び切断機(図示せず)を設け、精製鋳塊
3を定寸切断する。
【0018】
【実施例】アルミ溶湯1として、アルミスクラップを溶
解することにより、凝固点が595℃でSi:8重量
%,Cu:3重量%,Fe:1重量%,残部アルミの組
成をもつ溶湯を用意した。炉口寸法330mm×330
mmの正方形で深さが約900mmの精製容器10に1
20kgのアルミ溶湯1を装入し、電磁コイル17,1
8でアルミ溶湯1を撹拌し、鋳型21の外周から20m
m,湯面5から100mmの深さにセットした温度検出
器29で測定される溶湯温度を610℃に保持した。ア
ルミ溶湯1に浸漬する鋳型21には、人造黒鉛で作り、
外径220mm,長さ160mm,貫通孔22の長さ7
0mm,貫通孔22の内径62mm,上広りのテーパ角
θ3度,傾斜底面23のテーパ角α40度の鋳型を使用
した。なお、下方に垂直に測定した傾斜底面23の長さ
は90mmであった。鋳型21の内壁から9mm,深さ
35mmの位置に温度検出器26を埋め込んだ。
解することにより、凝固点が595℃でSi:8重量
%,Cu:3重量%,Fe:1重量%,残部アルミの組
成をもつ溶湯を用意した。炉口寸法330mm×330
mmの正方形で深さが約900mmの精製容器10に1
20kgのアルミ溶湯1を装入し、電磁コイル17,1
8でアルミ溶湯1を撹拌し、鋳型21の外周から20m
m,湯面5から100mmの深さにセットした温度検出
器29で測定される溶湯温度を610℃に保持した。ア
ルミ溶湯1に浸漬する鋳型21には、人造黒鉛で作り、
外径220mm,長さ160mm,貫通孔22の長さ7
0mm,貫通孔22の内径62mm,上広りのテーパ角
θ3度,傾斜底面23のテーパ角α40度の鋳型を使用
した。なお、下方に垂直に測定した傾斜底面23の長さ
は90mmであった。鋳型21の内壁から9mm,深さ
35mmの位置に温度検出器26を埋め込んだ。
【0019】鋳型21の上面が湯面5から10mmの高
さに位置するように、鋳型21をアルミ溶湯1に浸漬し
た。本実施例では、精製容器10と鋳型21との間隙が
55mmであったので、整流ブロック28は使用しなか
った。外径60mmのダミーバー31に取り付けている
ダミーヘッド32の下端を、鋳型21内の湯面から5m
m程度の深さでアルミ溶湯1に浸漬した。使用したダミ
ーヘッド32には下方に向かった長さが20mmの噛合
い部33が取り付けられているので、全体で25mmの
深さだけダミーヘッド32が浸漬されたことになる。ダ
ミーヘッド32を浸漬したとき、凝固が始まり、温度検
出器26による測定温度が急激に下がり始めたので、そ
の温度が580℃になるように精製容器10のヒータ1
6及び鋳型21のヒータ25によって溶湯温度を610
℃に鋳型温度を580℃にそれぞれ調整した。なお、温
度の微調整は、ダミーバー31を上下方向に若干移動さ
せることによっても対応できた。
さに位置するように、鋳型21をアルミ溶湯1に浸漬し
た。本実施例では、精製容器10と鋳型21との間隙が
55mmであったので、整流ブロック28は使用しなか
った。外径60mmのダミーバー31に取り付けている
ダミーヘッド32の下端を、鋳型21内の湯面から5m
m程度の深さでアルミ溶湯1に浸漬した。使用したダミ
ーヘッド32には下方に向かった長さが20mmの噛合
い部33が取り付けられているので、全体で25mmの
深さだけダミーヘッド32が浸漬されたことになる。ダ
ミーヘッド32を浸漬したとき、凝固が始まり、温度検
出器26による測定温度が急激に下がり始めたので、そ
の温度が580℃になるように精製容器10のヒータ1
6及び鋳型21のヒータ25によって溶湯温度を610
℃に鋳型温度を580℃にそれぞれ調整した。なお、温
度の微調整は、ダミーバー31を上下方向に若干移動さ
せることによっても対応できた。
【0020】溶湯温度が610℃,鋳型温度が580℃
に安定したところで、引上げ速度120mm/時でダミ
ーバー31を上方に引き上げ始めた。また、電磁コイル
17,18による電磁撹拌の電流値を100Aに設定し
た。このときのアルミ溶湯1の撹拌流Fは、流速が約
0.3m/秒と推定される。約50mmの長さを引き上
げたとき、精製鋳塊3の外径が細そり、鋳型21の温度
も上昇してきた。これは、冷却不足によるものとみられ
るので、冷却帯35でダミーバー31に冷気として空気
を1000リットル/分の割合で吹き付けた。
に安定したところで、引上げ速度120mm/時でダミ
ーバー31を上方に引き上げ始めた。また、電磁コイル
17,18による電磁撹拌の電流値を100Aに設定し
た。このときのアルミ溶湯1の撹拌流Fは、流速が約
0.3m/秒と推定される。約50mmの長さを引き上
げたとき、精製鋳塊3の外径が細そり、鋳型21の温度
も上昇してきた。これは、冷却不足によるものとみられ
るので、冷却帯35でダミーバー31に冷気として空気
を1000リットル/分の割合で吹き付けた。
【0021】この状態を定常状態と見做し、600℃±
5℃の温度範囲に維持されるように鋳型21を温度管理
した。他方、アルミ溶湯1は、610℃±5℃に温度管
理した。この温度管理により、図4に示すように凝固界
面4が凝固開始時よりも若干上方の位置で安定化する。
引上げ速度は、120mm/時の一定値に維持した。冷
気36の流量は、精製鋳塊3の外径を観察しながら、外
径が細くならない範囲で徐々に上昇させ、最大2500
リットル/分まで冷気36を吹き付けた。精製中、鋳型
21の上面から下方10mmに湯面5が位置するよう
に、溶湯供給口11からアルミ溶湯1を補給しながら精
製・鋳造を継続した。精製鋳塊を約450mm引き上げ
た時点で、鋳造を停止し、得られた製品の組成を分析し
た。表1の分析結果にみられるように、原料であるアル
ミ溶湯1に比較して精製鋳塊3の不純物濃度が低下して
おり、純度の高いアルミニウムが得られていることが判
る。
5℃の温度範囲に維持されるように鋳型21を温度管理
した。他方、アルミ溶湯1は、610℃±5℃に温度管
理した。この温度管理により、図4に示すように凝固界
面4が凝固開始時よりも若干上方の位置で安定化する。
引上げ速度は、120mm/時の一定値に維持した。冷
気36の流量は、精製鋳塊3の外径を観察しながら、外
径が細くならない範囲で徐々に上昇させ、最大2500
リットル/分まで冷気36を吹き付けた。精製中、鋳型
21の上面から下方10mmに湯面5が位置するよう
に、溶湯供給口11からアルミ溶湯1を補給しながら精
製・鋳造を継続した。精製鋳塊を約450mm引き上げ
た時点で、鋳造を停止し、得られた製品の組成を分析し
た。表1の分析結果にみられるように、原料であるアル
ミ溶湯1に比較して精製鋳塊3の不純物濃度が低下して
おり、純度の高いアルミニウムが得られていることが判
る。
【0022】
【0023】比較のため、アルミ溶湯1を電磁撹拌しな
い外は、同じ条件下でアルミ溶湯1から鋳塊を製造し
た。この場合に得られた鋳塊の成分分析値を表2に示
す。表2から明らかなように、アルミ溶湯1を撹拌する
ことなく得られた鋳塊では、測定箇所に応じて分析値が
異なっており、また原料溶湯と比較しても精製が進んで
いないことが判る。表1と表2との対比から、アルミ溶
湯1を撹拌しながら凝固反応を促進させるとき、アルミ
溶湯1に含まれている不純物が晶出分離され、不純物濃
度が低下した精製鋳塊が得られることが確認された。
い外は、同じ条件下でアルミ溶湯1から鋳塊を製造し
た。この場合に得られた鋳塊の成分分析値を表2に示
す。表2から明らかなように、アルミ溶湯1を撹拌する
ことなく得られた鋳塊では、測定箇所に応じて分析値が
異なっており、また原料溶湯と比較しても精製が進んで
いないことが判る。表1と表2との対比から、アルミ溶
湯1を撹拌しながら凝固反応を促進させるとき、アルミ
溶湯1に含まれている不純物が晶出分離され、不純物濃
度が低下した精製鋳塊が得られることが確認された。
【0024】
【0025】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、精製容器から独立した鋳型をアルミ溶湯に浸漬し、
精製容器内を循環流として流動しているアルミ溶湯から
α−Alをダミーヘッドに晶出させて精製鋳塊とすると
共に、アルミ溶湯から金属間化合物として晶出分離した
不純物をアルミ溶湯の循環流に乗せて凝固界面から分離
している。そのため、純度が一定した精製鋳塊が連続し
て得られる。また、精製容器と鋳型とを分離した構造で
あるため、耐酸化性に優れた材料で精製容器を作り、ア
ルミ溶湯の離型性が良好な人造黒鉛等の材料で鋳型を作
ることができ、安定化した鋳造条件下で品質信頼性の高
い精製鋳塊が得られる。
は、精製容器から独立した鋳型をアルミ溶湯に浸漬し、
精製容器内を循環流として流動しているアルミ溶湯から
α−Alをダミーヘッドに晶出させて精製鋳塊とすると
共に、アルミ溶湯から金属間化合物として晶出分離した
不純物をアルミ溶湯の循環流に乗せて凝固界面から分離
している。そのため、純度が一定した精製鋳塊が連続し
て得られる。また、精製容器と鋳型とを分離した構造で
あるため、耐酸化性に優れた材料で精製容器を作り、ア
ルミ溶湯の離型性が良好な人造黒鉛等の材料で鋳型を作
ることができ、安定化した鋳造条件下で品質信頼性の高
い精製鋳塊が得られる。
【図1】 本発明に従った精製・鋳造装置
【図2】 精製容器の概略平断面図
【図3】 アルミ溶湯に浸漬される鋳型
【図4】 定常状態にあるときの凝固界面と鋳型との位
置関係
置関係
【符号の説明】 1:アルミ溶湯 2:金属間化合物 3:精製鋳塊
4:凝固界面 5:湯面 10:精製容器 11:溶湯供給口 12:溢流管
13:傾斜底面 14:排出口 15:ストッパ 16:ヒータ
17,18:電磁コイル 20:鋳造機構 21:鋳型 22:貫通孔 2
3:傾斜底面 24:角部 25:ヒータ 2
6,29:温度検出器 27:鋳型位置調節装置 28:整流ブロック 30:引上げ機構 31:ダミーバー 32:ダミ
ーヘッド 33:噛合い部 34:昇降装置 3
5:冷却体 36:冷気 37:遮蔽板 F1 :上向きの電磁力 F2 :下向きの電磁力
F:溶湯の循環流 θ:貫通孔の上広りテーパ角 α:傾斜底面のテーパ
角
4:凝固界面 5:湯面 10:精製容器 11:溶湯供給口 12:溢流管
13:傾斜底面 14:排出口 15:ストッパ 16:ヒータ
17,18:電磁コイル 20:鋳造機構 21:鋳型 22:貫通孔 2
3:傾斜底面 24:角部 25:ヒータ 2
6,29:温度検出器 27:鋳型位置調節装置 28:整流ブロック 30:引上げ機構 31:ダミーバー 32:ダミ
ーヘッド 33:噛合い部 34:昇降装置 3
5:冷却体 36:冷気 37:遮蔽板 F1 :上向きの電磁力 F2 :下向きの電磁力
F:溶湯の循環流 θ:貫通孔の上広りテーパ角 α:傾斜底面のテーパ
角
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22B 21/00 C22B 21/00
Claims (20)
- 【請求項1】 精製容器に収容したアルミ溶湯が上下方
向の循環流となるようにアルミ溶湯を撹拌すると共に、
上広りのテーパをつけた貫通孔の下部に下広りのテーパ
をつけた傾斜底面をもつ鋳型を精製容器内のアルミ溶湯
に上方から浸漬し、鋳型の貫通孔内でダミーバーのダミ
ーヘッドをアルミ溶湯に浸漬し、鋳型の傾斜底面に沿っ
たアルミ溶湯の循環流を貫通孔内に位置するダミーヘッ
ドに接触させることにより、アルミ溶湯から精製された
α−Alをダミーヘッドに晶出させ、且つアルミ溶湯か
ら晶出した金属間化合物をアルミ溶湯の循環流に乗せて
精製容器の下方に沈降させ、α−Alの成長に応じてダ
ミーバーを上方に引き上げることを特徴とするアルミ溶
湯から精製鋳塊を得る上引き連続鋳造方法。 - 【請求項2】 溶湯供給口から精製容器内にアルミ溶湯
を補給すると共に、精製容器から溢流管を介して過剰の
アルミ溶湯を排出することにより、精製容器内にあるア
ルミ溶湯の湯面を一定高さに維持すると共に、精製容器
内のアルミ溶湯を一定の濃度に維持する請求項1記載の
上引き連続鋳造方法。 - 【請求項3】 鋳型から引き上げられたダミーバー及び
/又は精製鋳塊に冷気を吹き付け、凝固及び冷却条件を
制御する請求項1又は2記載の上引き連続鋳造方法。 - 【請求項4】 アルミ溶湯から精製されたα−Alが晶
出する凝固界面が鋳型の上広りのテーパをつけた貫通孔
内に位置するように、鋳型温度,溶湯温度,引上げ速度
及び引き上げられたダミーバー及び精製鋳塊の冷却条件
を制御する請求項1〜3の何れかに記載の上引き連続鋳
造方法。 - 【請求項5】 組成に応じて定まる凝固温度より15℃
±5℃高い温度にアルミ溶湯を保持する請求項1〜4の
何れかに記載の上引き連続鋳造方法。 - 【請求項6】 アルミ溶湯の循環流が精製容器の一方側
壁に沿って上昇し、他方側壁に沿って下降する循環流で
ある請求項1〜5の何れかに記載の上引き連続鋳造方
法。 - 【請求項7】 アルミ溶湯の循環流が精製容器の側壁に
沿って上昇し、中心部で下降する循環流である請求項1
〜5の何れかに記載の上引き連続鋳造方法。 - 【請求項8】 アルミ溶湯の循環流が精製容器の中心部
で上昇し、側壁に沿って下降する循環流である請求項1
〜5の何れかに記載の上引き連続鋳造方法。 - 【請求項9】 溶湯供給口,溢流管及びヒータを備えた
精製容器と、精製容器に収容されたアルミ溶湯を上下方
向に循環させる撹拌装置と、精製容器内のアルミ溶湯に
上方から浸漬され、上広りのテーパが付けられた貫通孔
の下部に下広りの傾斜底面が形成された鋳型と、貫通孔
内のアルミ溶湯に浸漬されるダミーヘッドを下端に取り
付けたダミーバーと、アルミ溶湯から晶出するα−Al
の成長速度に応じてダミーバーを引き上げる引上げ装置
と、鋳型から引き上げられるダミーバー及び/又は精製
鋳塊を冷却する冷却帯を備えていることを特徴とするア
ルミ溶湯から精製鋳塊を得る上引き連続鋳造装置。 - 【請求項10】 請求項9記載の鋳型がアルミ溶湯の離
型性に優れた黒鉛製であり、精製容器が耐酸化性に優れ
た人造黒鉛−SiC製である上引き連続鋳造装置。 - 【請求項11】 請求項9記載の鋳型にヒータを内蔵さ
せている上引き連続鋳造装置。 - 【請求項12】 請求項9〜11の何れかに記載の鋳型
に温度検出器を内蔵させている上引き連続鋳造装置。 - 【請求項13】 請求項9〜12の何れかに記載の鋳型
が鋳型位置調節機構により上下方向及び水平方向に移動
可能である上引き連続鋳造装置。 - 【請求項14】 鋳型外周面と精製容器内壁面との間
に、鋳型の傾斜底面に連する傾斜底面をもつ整流ブロッ
クを設けている請求項9記載の上引き連続鋳造装置。 - 【請求項15】 請求項14記載の整流ブロックが耐酸
化性に優れた黒鉛−SiC製である上引き連続鋳造装
置。 - 【請求項16】 請求項14又は15記載の整流ブロッ
クが鋳型の外周面に固着されている上引き連続鋳造装
置。 - 【請求項17】 請求項9記載の撹拌装置が、アルミ溶
湯に上向き又は下向きの電磁力を付与するように精製容
器の側壁に設けられた電磁コイルからなる上引き連続鋳
造装置。 - 【請求項18】 請求項9記載のダミーヘッドが着脱可
能にダミーバーの下端に取り付けられ、アルミ溶湯から
晶出したα−Alの食い付きを容易にする噛合い部が下
面に固着されている上引き連続鋳造装置。 - 【請求項19】 請求項9又は18記載のダミーヘッド
及び噛合い部がアルミ製である上引き連続鋳造装置。 - 【請求項20】 請求項9記載の冷却帯の下方に、ダミ
ーバー及び/又は精製鋳塊に吹き付けられた冷気の精製
容器内への侵入を防止する遮蔽板が設けられている上引
き連続鋳造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3395297A JPH10230347A (ja) | 1997-02-18 | 1997-02-18 | アルミ溶湯から精製鋳塊を得る上引き連続鋳造方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3395297A JPH10230347A (ja) | 1997-02-18 | 1997-02-18 | アルミ溶湯から精製鋳塊を得る上引き連続鋳造方法及び装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10230347A true JPH10230347A (ja) | 1998-09-02 |
Family
ID=12400841
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3395297A Pending JPH10230347A (ja) | 1997-02-18 | 1997-02-18 | アルミ溶湯から精製鋳塊を得る上引き連続鋳造方法及び装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10230347A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015027692A (ja) * | 2013-07-30 | 2015-02-12 | トヨタ自動車株式会社 | 引上式連続鋳造装置及び引上式連続鋳造方法 |
JP2015145018A (ja) * | 2014-02-04 | 2015-08-13 | トヨタ自動車株式会社 | 引上式連続鋳造装置 |
CN104907517A (zh) * | 2014-03-10 | 2015-09-16 | 丰田自动车株式会社 | 上引式连续铸造装置和上引式连续铸造方法 |
-
1997
- 1997-02-18 JP JP3395297A patent/JPH10230347A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015027692A (ja) * | 2013-07-30 | 2015-02-12 | トヨタ自動車株式会社 | 引上式連続鋳造装置及び引上式連続鋳造方法 |
CN105408038A (zh) * | 2013-07-30 | 2016-03-16 | 丰田自动车株式会社 | 上引式连续铸造装置以及上引式连续铸造方法 |
JP2015145018A (ja) * | 2014-02-04 | 2015-08-13 | トヨタ自動車株式会社 | 引上式連続鋳造装置 |
CN104907517A (zh) * | 2014-03-10 | 2015-09-16 | 丰田自动车株式会社 | 上引式连续铸造装置和上引式连续铸造方法 |
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