JPH10229757A - 育苗床 - Google Patents

育苗床

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JPH10229757A
JPH10229757A JP9035426A JP3542697A JPH10229757A JP H10229757 A JPH10229757 A JP H10229757A JP 9035426 A JP9035426 A JP 9035426A JP 3542697 A JP3542697 A JP 3542697A JP H10229757 A JPH10229757 A JP H10229757A
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JP
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water
supply mat
water supply
mat
fibers
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JP9035426A
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Hajime Numazawa
肇 沼澤
Koji Ezaki
孝二 江崎
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 育苗用の容器を載置するための育苗床を形成
する手間を軽減でき、しかも育苗床の全面での温度分布
および水分分布を均一にできるようにする。 【解決手段】 育苗用の容器10を載置するための育苗
床である。繊維により形成されて保水性を有する給水マ
ット16が地面15の上に敷かれる。保水状態の給水マ
ット16を加熱する電熱線18が設けられる。電熱線1
8の上には、根切りシート17が被せられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は育苗床に関する。
【0002】
【従来の技術】花卉や果菜類などの苗を生育させる目的
で、その苗を植え込んだ育苗容器を育苗床に載置するこ
とが行われている。この育苗床は、容器内の苗に水分と
熱とを供給することで、その生育状態をコントロールで
きるように構成されている。
【0003】図3は、従来のこの種の育苗床を例示する
ものである。ここで1は上端が開口した箱状の木枠であ
り、地面の上や適当なスタンドの上などに設置される。
2はその底板、3、3はその側板である。木枠1の底部
には不透水性のシート4が敷かれている。このシート4
はフィルム材や不透水発泡ポリスチロールなどによって
形成され、その端部5、5が側板3、3を覆うように配
置されるとともに、端部5、5の先端6、6は側板3、
3の上端を越えた枠外の位置まで設けられている。
【0004】シート4で覆われた木枠1の内部には、砂
7が充填されている。そして砂7の内部には、電熱線8
が埋設されている。砂7の表面には、必要に応じて、有
孔フィルムやむしろなどによって形成された透水性のカ
バー9が掛けられており、このカバー9の上に育苗容器
10が載置されるように構成されている。この育苗容器
10の底部には、容器内へ水を通すための孔が形成され
ている。
【0005】このような構成において、育苗を行う際に
は、木枠1の内部に水を供給して砂7にしみ込ませるこ
とで、育苗容器10の底部の孔を介して苗に水の補給が
行われる。また電熱線8に電流を流して、水を含んだ砂
7を加熱することで、温度制御が行われる。このように
水と温度とを調節することで、苗の生育速度などを調節
可能である。
【0006】不透水性のシート4は、砂7に含まれる水
分が木枠1を通って外部に流出することを防止する。ま
た温度制御を行うに際し、水を含んだ砂7は畜熱材とし
て機能し、木枠1および不透水性のシート4は熱を外部
へ逃がさないための断熱材として機能する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来のものでは、育苗床を形成する場合に、木枠1を作る
必要があるのみならず、木枠1の中に砂7を充填して、
さらにその砂7の内部の適当な位置に電熱線8を埋設し
たうえで、砂7の表面を平らにならす必要がある。この
ため、作業に多大な時間を要するという問題点がある。
また単に木枠1の中に砂7を充填しただけでは、育苗床
の表層の温度分布が全面で均一にならず、また水分の分
布も全面で均一にならないという問題点がある。
【0008】そこで本発明は、このような問題点を解決
して、育苗床を形成するための手間を軽減できるように
し、しかも育苗床の全面での温度分布および水分分布を
均一にできるようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明は、育苗用の容器を載置するための育苗床にお
いて、繊維により形成されて保水性を有する給水マット
を地面の上に敷き、保水状態の給水マットを加熱する手
段を設けたものである。
【0010】このような構成であると、地面の上に給水
マットを敷いたうえで、保水状態の給水マットを加熱す
る手段を設置するだけで、従来のように木枠を作ってし
かもその内部に砂を充填するなどの煩雑な作業を要する
ことなしに、容易に育苗床を形成することが可能とな
る。また、給水マットは繊維により形成されているた
め、毛細管現象によって育苗床の全体に均一に水分が行
き渡る。また、このように均一に水分が分布すること
で、この水分にもとづく蓄熱作用によって、育苗床全体
の温度分布も均一になる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は本発明の育苗床の実施の形
態を示す。ここで、15は地面であり、その上には、繊
維により形成された給水マット16が直接に敷かれてい
る。この給水マット16の上には加熱手段としての電熱
線18が配置されている。加熱手段としては、他の形式
のヒータを用いることも可能である。電熱線18の上に
は吸水性および透水性を有した根切りシート17が敷か
れており、この根切りシート17の上に育苗容器10が
載置されている。図示は省略するが、根切りシート17
の表面の一部分に沿ってかん水チューブが配置され、こ
のかん水チューブに設けられた孔より散水が可能なよう
にされている。
【0012】このような構成において、育苗床を形成す
る際には、地面15の上に給水マット16を敷き、その
上に電熱線18を設置し、さらに根切りシート17を敷
いたうえで、上述のかん水チューブを配置するだけで良
い。したがって、従来のように木枠を作ったうえでその
木枠の中に砂込めを行う場合に比べ、簡単かつ迅速に作
業することができる。
【0013】育苗床が完成したなら、かん水チューブよ
り散水することで、その水は吸水性および透水性を有し
た根切りシート17を通過して繊維製の給水マット16
に保水される。また根切りシート17に含まれる水分
は、育苗容器10の底部の孔から苗に供給される。この
とき、電熱線18は給水マット16および根切りシート
17の全面に沿って配置されているのではなく、その一
部分にのみ配置されているだけであるため、給水マット
16と根切りシート17との間の水の行き来を阻害する
ことはない。さらにこの電熱線18に電流を流すこと
で、水を含んだ給水マット16が加熱されて蓄熱され、
それによって温度制御が行われる。このとき、給水マッ
ト16は、電熱線18によって発生した熱が地面15に
逃げるのを防止する断熱材としての役割をも果たす。
【0014】給水マット16は繊維によって形成されて
いるため、かん水チューブより散水された水は、毛細管
現象によってこの給水マット16の全体に均一に行き渡
ることができる。また、このように均一に水分が分布す
ることで、この水分にもとづく蓄熱作用によって、育苗
床全体の温度分布を均一にすることもできる。
【0015】根切りシート17は、育苗容器10の底部
の孔から出てきた根が電熱線18や給水マット16に絡
み付くことを防止する。したがって、この根切りシート
17は、根の貫通や絡み付きを防止可能なシート材によ
って形成される。
【0016】保水のための給水マット16は、単糸繊度
が2デニール以上7デニール以下の熱可塑性合成繊維か
らなるウエブで構成するのが好適である。また給水マッ
ト16は、単糸繊度が2デニール以上7デニール以下の
熱可塑性合成繊維からなる第1のウエブで構成される保
水層と、単糸繊度が0.5デニール以上7デニール以下
の熱可塑性合成繊維からなる第2のウエブで構成される
吸水拡散層とが積層された構成であって、保水率が10
0g/m2 以上、バイレック法で測定された吸水性が1
0mm/1分以上であるようにするのがさらに好適であ
る。このようにすれば、給水マット16自体の毛細管現
象にもとづく水分の吸水拡散作用に加えて、吸水拡散層
によるさらなる吸水拡散作用を期待できるため、上述の
育苗床の全体にわたる水分分布と温度分布とをいっそう
均一にすることができる。
【0017】これら保水層と吸水拡散層とは、単に積層
されただけのものでも構わないし、相互に一体化された
ものであっても構わない。一体化する場合には、積層さ
れた保水層と吸水拡散層との構成繊維がニードリングに
より相互に三次元的に交絡されているようにするのが好
適である。図2は、このようにして一体化された給水マ
ット16の構造を模式的に示す。図中、21は保水層、
22は吸水拡散層、23はニードリング処理が施された
部分である。
【0018】保水層21のウエブにおいて、熱可塑性合
成繊維を構成する材料としては、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリブチレンテレフタレート、共重合ポリエス
テルなどのエステル系、ポリエチレン、ポリプロピレン
などのオレフィン系、ナイロン6、ナイロン66、ナイ
ロン610などのアミド系などのポリマーや、これらの
ブレンド物などが用いられる。また繊維としては、これ
らのポリマー100%からなる中実あるいは中空構造の
他に、二種以上のポリマーが複合したものを用いること
もできる。この繊維の複合形態としては、サイドバイサ
イド型、芯鞘型、中空芯鞘型などを使用できる。また、
長繊維、短繊維の何れも使用できる。
【0019】この保水層に用いる熱可塑性合成繊維の単
糸繊度は、2デニール以上7デニール以下の範囲にある
ことが好適である。単糸繊度が2デニール未満の場合
は、繊維が細すぎるために開繊積層した後のウエブのニ
ードリング工程で繊維が交絡しすぎ、でき上ったニード
ルパンチウエブは、風合が硬く、密度の大きなものとな
る。従って、このような2デニール未満の繊維で得られ
たニードルパンチウエブを保水層21とした場合は、単
糸繊度が小さいため繊維間の空隙が少なく、水を保持す
る体積が小さくなり、後述の所要の保水性が得られにく
くなる。
【0020】一方、単糸繊度が7デニールを超える場合
は、繊維が太すぎるためにニードリング工程で繊維間の
交絡が不十分になり、ウエブにした場合に単糸の剥離が
起こり、さらに繊維間の空隙が大きすぎて保水しようと
してもすぐ排水され、同様に後述の所要の保水性が得ら
れにくくなる。
【0021】また、保水層21はニードリングによって
構成繊維が三次元的に交絡しているのが好適であるが、
そのニードリングの回数は、保水層を21構成するウエ
ブの単糸繊度が上述のように2デニール以上7デニール
以下の範囲であるという条件のもとで、50回/cm2
〜150回/cm2 とするのが、三次元的に交絡した形
態を得て所要の保水性を達成するために好ましい。な
お、本発明の三次元的交絡とはウエブの厚み方向に立体
的に繊維が交絡していることをいう。
【0022】さらに所要の保水性を達成する重要な点と
して保水層21の厚みがあげられる。厚みが小さいと保
水量が低下して苗が枯れることがあり、逆に大きすぎる
と根腐れが発生する。したがって、保水層21の厚みは
1.5mm〜5.0mmの範囲であるのが好ましい。
【0023】給水マット16の保水能力すなわち保水性
は、JIS−L−1096 6.26.2に規定される
測定法で測定したときの保水率が100g/m2 以上で
あるのが好適である。すなわち、この保水率は、保持し
た水を地面15にしみ込ませないために必要であるとと
もに、育苗容器10の苗に十分な水を供給するために必
要なものである。この給水マット16の保水性は、主と
して保水層21を上述のように構成することで、このよ
うに100g/m2 以上とすることができるのである。
【0024】次に、吸水拡散層22のウエブについて説
明する。この吸水拡散層22のウエブを構成する熱可塑
性合成繊維の材料およびその形態は、上述の保水層21
のウエブを構成する繊維の材料およびその形態と同様と
することができる。また、この吸水拡散層22のウエブ
は、たとえば上記熱可塑性合成繊維を開繊、積層した
後、熱圧接ロールで繊維間を圧接することにより得られ
る。構成繊維が短繊維の場合は、ニードリングによって
繊維を三次元的に交絡させた後に熱圧接ロールで圧接す
るなどの方法によって得ることができる。
【0025】この吸水拡散層22のウエブを構成する熱
可塑性合成繊維の単糸繊度は、0.5デニール以上7デ
ニール以下の範囲であるのが好適である。単糸繊度が
0.5デニール未満の場合は、耐候性や強度の点で問題
があり、好ましくない。また単糸繊度が7デニールを超
えると、熱圧接後に得られたウエブの単糸繊度が大きい
ために、その後に保水層21と積層して両者の構成繊維
をニードリング工程により相互に三次元的に交絡させる
際に、繊維間の交絡が不十分になって層間の耐剥離性が
不十分となる傾向がある。
【0026】吸水拡散層22を有した給水マット16の
吸水拡散能力すなわち吸水性は、JIS−L−1096
6.26.1(2)に規定されるバイレック法で測定
した値が、10mm/1分以上であることが好適であ
る。10mm/1分未満であると、吸水拡散層22を備
えることで給水マット16の表面方向に水を拡散させる
吸水拡散作用が不十分になって、この吸水拡散層22に
より給水マット16の全面にいっそう均一に水を行き渡
らせることが困難になる。さらに吸水性を向上させたも
のが必要なときには、親水性油剤、例えばポリエチレン
オキサイド、ポリプロピレンオキサイドなどポリエーテ
ル系化合物を配合した油剤をウエブに付着させれば良
い。またウエブに吸水性を有する樹脂を付着させるのも
好ましい。
【0027】保水層21と吸水拡散層22とを相互に一
体化させる場合には、積層したうえでニードリング処理
するのが好適である。このニードリング処理によって、
保水層21と吸水拡散層22との耐剥離性が十分なもの
となる。この目的のため、ニードリングの回数は、50
回/cm2 〜150回/cm2 とするのが好ましい。ま
た、ニードリング処理により、保水層21と吸水拡散層
22との構成繊維が相互に三次元的に交絡されること
で、これら保水層21と吸水拡散層22との間での十分
な水の行き来が確保されることになる。
【0028】このように、十分な量の水を保持するため
の保水層21と、水を吸い込んでマットの表面方向に拡
散させる吸水拡散層22とが積層されて給水マット16
を構成しているため、吸水拡散作用と保水作用とを併せ
持つことになり、マット16の全面にいっそう均一に水
を行き渡らせたうえで確実に保水することが可能とな
る。またマット16の全面にわたって均一な保水が可能
であることから、その蓄熱作用によって、電熱線18に
よる加熱もマット16の全面にわたっていっそう均一に
行われ、温度条件を一様にすることができる。このよう
に苗への給水条件と温度条件とをいっそう均一にするこ
とができることで、複数の容器10の苗を均一に生育さ
せることができる。また吸水マット16は、このように
構成されることで、上述のように断熱材としての役割も
果たす。
【0029】次に、根切りシート17について詳細に説
明する。この根切りシート17は、単糸繊度が0.5デ
ニール以上7デニール以下の熱可塑性合成繊維からな
り、バイレック法で測定された吸水性が50mm以上で
あり、通気度が200/cc/cm2 /s以下であり、
かつ平滑な表面を有する不織布で形成するのが好適であ
る。
【0030】この根切りシート17を構成する熱可塑性
合成繊維の材料は、上述の給水マット16の保水層21
や吸水拡散層22のウエブを構成する繊維の材料と同様
とすることができる。そして、上記熱可塑性合成繊維を
開繊、積層した後のウエブを平滑性を有する熱圧接パタ
ーンで熱圧接してなるシートや、このシートに吸水性を
有する樹脂を付与したシートや、さらにはカレンダーロ
ールでこれらのシートの繊維間を熱圧接していっそう平
滑性を向上させたシートなどとすることで、上述の平滑
な表面を有するものとすることができる。そして単糸繊
度が上述の0.5デニール以上7デニール以下である場
合にのみ、所要の吸水性と通気度とが得られて、給水マ
ット16の水を育苗容器10に供給できるとともに所要
の根切り効果を達成できることになる。
【0031】すなわち、単糸繊度が0.5デニール未満
であると、耐候性や強度の点で問題があり、また単糸繊
度が7デニールを超えると、熱圧接により得られたシー
トの繊維間の空隙が大きくなりすぎ、根が侵入して繊維
に絡み付くことになって、この根を切らなければ育苗容
器10を動かせなくなるという問題が生じる。
【0032】給水マット16の水を支障なく育苗容器1
0に供給するためには、上述のようにバイレック法で測
定された吸水性が50mm以上であることが好適であ
る。吸水性を向上させるために、吸水拡散層22の場合
と同様の親水性油剤をシートに付着させればよい。また
根の侵入を防止するための所要の根切り効果を発揮する
ためには、上述のように通気度が200cc/cm2
s以下であることが好適である。この根切りシート17
の通気度は、根の侵入を防止するための目安となる繊維
間の空隙量を表すもので、これを200cc/cm2
s以下にするためには、熱圧着面積を多くするか、熱圧
着ロールの温度や線圧を上げれば良い。あるいは、カレ
ンダーロールで加工する場合には、そのロール温度を高
くするか、その線圧を上げれば良い。カレンダーロール
で熱圧接されたシートにアクリル系の樹脂を付着させる
と、さらに吸水性能と根切り性能とを同時に向上させる
ことができる。
【0033】上述のように通気度で不織布製の根切りシ
ート17の根切り効果を評価することに代えて、そのシ
ートの嵩密度によって根切り効果を評価することもでき
る。すなわち、不織布製の根切りシート17は、その目
付を20g/m2 〜100g/m2 とするのが好まし
く、またその厚みを0.10mm〜0.40mmとする
のが好ましい。そして、この目付および厚みの範囲内
で、不織布の嵩密度を1.5×105 g/m3 以上とす
ることで、所要の根切り効果を発揮することが可能とな
る。
【0034】なお、根切りシート17は、黒色とするこ
とで、太陽光の反射を極力防止して、この反射光による
根焼けを防止することができるうえに、黒色の吸熱作用
により太陽光を吸収することで、電熱線18の加熱作用
を補助する役割を果たす。
【0035】なお、根切りシート17を、上述の不織布
に代えて、有孔フィルムで構成することもできる。この
有孔フィルム製の根切りシートによっても、給水マット
16の水を育苗容器に供給できるとともに所要の根切り
効果を達成することが可能である。
【0036】なお、地面15が給水マット16の水分を
吸い込むおそれがある場合には、この給水マット16と
地面15との間に不透水性のシートを介在させても差し
支えない。この不透水性のシートは、フィルム材や不透
水発泡ポリスチロールなどによって形成することができ
る。
【0037】また、上記においては、地面15の上に直
接給水マット16を敷くとともに、その上に電熱線18
を配置することで、給水マット16に、水を保持する保
水機能と、発生した熱を地面に逃がさないようにするた
めの断熱機能とを兼備させたが、この給水マット16と
地面との間に断熱材を配置して断熱機能を担わせること
で、給水マット16には保水機能のみを担わせるように
することもできる。その場合は、図1の構成と同様に給
水マット16の上に電熱線18を配置することが可能で
あるのみならず、給水マット16の下すなわち給水マッ
ト16と断熱材との間に電熱線18を配置することも可
能である。
【0038】
【発明の効果】以上のように本発明によると、育苗用の
容器を載置するための育苗床において、繊維により形成
されて保水性を有する給水マットを地面の上に敷き、保
水状態の給水マットを加熱する手段を設けたため、地面
の上に給水マットを敷いたうえで、保水状態の給水マッ
トを加熱する手段を設置するだけで、従来のように木枠
を作ってしかもその内部に砂を充填するなどの煩雑な作
業を要することなしに、容易に育苗床を形成することで
きるのみならず、給水マットは繊維により形成されてい
るため、毛細管現象によって育苗床の全体に均一に水分
を行き渡らせることができるとともに、このように均一
に水分が分布することで、この水分にもとづく蓄熱作用
によって、育苗床全体の温度分布も均一にすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の育苗床の概略構成を示す
断面図である。
【図2】図1における給水マットの構成を示す模式図で
ある。
【図3】従来の育苗床の概略構成を示す断面図である。
【符号の説明】
15 地面 16 給水マット 17 根切りシート 18 電熱線

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 育苗用の容器を載置するための育苗床で
    あって、繊維により形成されて保水性を有する給水マッ
    トを地面の上に敷き、保水状態の給水マットを加熱する
    手段を設けたことを特徴とする育苗床。
  2. 【請求項2】 給水マットは、単糸繊度が2デニール以
    上7デニール以下の熱可塑性合成繊維からなるウエブで
    構成されていることを特徴とする請求項1記載の育苗
    床。
  3. 【請求項3】 給水マットは、単糸繊度が2デニール以
    上7デニール以下の熱可塑性合成繊維からなる第1のウ
    エブで構成される保水層と、単糸繊度が0.5デニール
    以上7デニール以下の熱可塑性合成繊維からなる第2の
    ウエブで構成される吸水拡散層とが積層された構成であ
    って、保水率が100g/m2 以上、バイレック法で測
    定された吸水性が10mm/1分以上であることを特徴
    とする請求項1記載の育苗床。
  4. 【請求項4】 積層された保水層と吸水拡散層との構成
    繊維がニードリングにより相互に三次元的に交絡されて
    いることを特徴とする請求項3記載の育苗床。
  5. 【請求項5】 給水マットの上に根切りシートが敷か
    れ、この根切りシートの上に育苗容器を載置可能とされ
    ていることを特徴とする請求項1から4までのいずれか
    1項記載の育苗床。
  6. 【請求項6】 加熱手段が電熱手段であることを特徴と
    する請求項1から5までのいずれか1項記載の育苗床。
  7. 【請求項7】 給水マットよりも下側に不透水性のシー
    トが敷かれていることを特徴とする請求項1から6まで
    のいずれか1項記載の育苗床。
JP9035426A 1997-02-20 1997-02-20 育苗床 Pending JPH10229757A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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